カテゴリー: MotoGP

  • MotoGP:ヤマハ 第6戦 スティリアGP 決勝レポート

    MotoGP:ヤマハ 第6戦 スティリアGP 決勝レポート

    2週連続開催となったシュピールベルクサーキットでのレースは、今回も赤旗中断による2レースとなった。Monster Energy Yamaha MotoGPのバレンティーノ・ロッシは、2回に分けられた決勝で9位とし貴重な7ポイントを獲得。マーベリック・ビニャーレスはブレーキングでトラブルが発生しリタイアとなった。PETRONAS Yamaha Sepang Racing Teamのファビオ・クアルタラロとフランコ・モルビデリはそれぞれ13位と15位を獲得した。

    赤旗再レースでロッシが9位を獲得
    ロッシは両レースとも好スタート。序盤で大幅に順位を挽回したことで9位獲得という結果を得ることができた。一方のマーベリック・ビニャーレスは、ブレーキに技術的な問題が発生しリタイア。幸い怪我はなかったが、第2レース出場は認められなかった。

    14番グリッドから好スタートを切ったロッシは1周目で5台パスして9番手。しかし勢いは続かず、11番手まで後退したところで、チームメイトにアクシデントが発生してレースは中断となった。

    14時35分に再びピットレーンが開放され、ロッシは12周で行われることとなった2度目のレースを11番手からスタートしすぐさま9番手へ浮上。次のラップでもう1台パスして8番手につけ、4台による4位争いの後方から挽回のチャンスをうかがっていた。しかし集団のペースについていくことができず、残り7ラップではA・リンス(スズキ)に先行されて再び9番手。このあともあきらめずについて行き、終盤ではB・ビンダー(KTM)を追い詰めたが届かず9位でチェッカーを受けた。トップとの差は4.517秒だった。

    一方のビニャーレスは5番グリッドからスタートし6番手で1ラップ目を終了。その後A・ドビツィオーゾ(ドゥカティ)に先行を許したものの、ペースを維持してぴたりと後方につけ、6ラップ目には一旦前に出たが、ストレートで再び逆転されてしまう。

    このあとブレーキングで問題が発生。少しずつ順位を下げたビニャーレスは残り12ラップ、第1コーナーへ進入しようというところでブレーキが機能不全となり、転倒してそのままリタイア。第2レースは出場することができなかった。

    この結果、シリーズポイントではビニャーレスがトップから22ポイント差のランキング5位。ロッシは25ポイント差の7位となっている。ヤマハはコンストラクターズランキングのトップを維持、Monster Energy Yamaha MotoGPはチーム・ランキング2位をキープしている。

    クアルタラロとモルビデリは13位と15位
    灰色の雲が頭上を覆うものの、ドライコンディションを維持してスタートした決勝。クアルタラロとモルビデリはともに大きく出遅れて14番手と15番手から挽回を目指した。クアルタラロは徐々に調子を取り戻し10番手までポジションを上げたが、17ラップ目にビニャーレスが転倒してレースはレッドフラッグにより中断。モルビデリはこの時点で16番手となっていた。

    12ラップで競われることとなった第2レースも、クアルタラロはスタートで出遅れ、モルビデリも前との距離を縮められないまま周回が続いていった。ふたりはコースコンディションに苦戦し、それぞれ13位と15位でレースを終えた。

    シリーズポイントではクアルタラロがランキングトップをキープし、モルビデリは11位。PETRONAS Yamaha SRTもチームランキングのトップを守っている。

    Monster Energy Yamaha MotoGP
    バレンティーノ・ロッシ(9位)
    「このコースで苦戦することは初めからわかっていました。とくに2週目の今回はライバルたちがより強くなっていて、前回よりもペースが上がっていたのです。ここがヤマハ向きのコースでないとは言え、ここまで差をつけられるとは思っていなかったので残念です。また、今回もまたレッドフラッグのレースになってしまいました。ビニャーレスは幸いにも、ぎりぎりのタイミングでマシンを飛び降りることができましたが、非常に恐ろしい瞬間でした。この2戦、ブレーキングでは限界のところで走らなければなりませんでしたが、とくにヤマハが苦労したようです。私も先週はそこに悩まされ、今週は話し合いながら、モディファイを加えて臨んでいました。最初のレースではブレーキの調子はあまり良くありませんでした、2度目のレースでは良くなって大きな問題は感じられませんでした。このあとは次のミサノに向けて準備を始めます。すぐそばに自宅があるので行き来も楽なんです。昨年は良いレースができたので、今年も上位を目指していきます」

    マーベリック・ビニャーレス(DNS)
    「4ラップ目頃からブレーキがうまく効かない状態でした。それでもベストを尽くし、ドビツィオーゾに仕掛けて前へ出ることができたのですが、ストレートで一気に抜き返されてしまいました。この3戦、とてもいい仕事をしていながら決勝では苦戦し、自分たちのミスによって上位を逃してしまったことは残念です。今日の転倒は驚くべき出来事で、あのような感覚は今まで一度も味わったことがありません。ブレーキが完全に効かなくなり、マシンから飛び降りなければならなかったのです。これがどのようにして起きたのかは理解しています。ブレーキがオーバーヒートしたのですが、このようなことは決して一般的なことではありません。幸い、私自身は無事で、そのことが最も大切。次のミサノにはまた100%の状態で臨みます。私たちは常にポジティブな気持ちを維持し、次のレースに集中していかなければならないのです。ミサノはヤマハと相性の良いコースで、昨年はいいレースができました。今年はもっと上を目指せると思います」

    マッシモ・メレガリ(チーム・ディレクター)
    「非常に残念なことに、今回もまた良い結果を得ることはできませんでした。私たちにとって、このコースでのオーバーテイクが難しいことは明らかだったので、ライダーたちは何としてもスタートで前へ出なければならなかったのです。ロッシはそれを両レースで成功させ、もともとの14番グリッドから9番手まで上がることができました。ビニャーレスはブレーキの問題を抱えていましたが、少しでもポイントを獲得するため走行継続を決めていました。しかし第1コーナー進入で完全にブレーキが効かなくなり、一瞬のうちに飛び降りる決断を下さなければならなかったのです。彼に怪我がなかったことに感謝しています。この問題については2週間のインターバルの間にしっかり調査を終えなければなりません。そのあとはミサノで2レース、カタルニアで1レースとトリプルヘッダーになりますが、両サーキットともヤマハに合ったコースなので、それを私たちのアドバンテージとして最大限に活用したいと思っています」

    PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team
    ファビオ・クアルタラロ(13位)
    「予想以上に厳しい戦いになりました。私の前には大勢のライダーがいて、様々な場所で遅れてしまい、私たちのマシンは彼らと比べ厳しい状況であると感じました。このことは、同じようにストレートが多いバルセロナ、アラゴン、バレンシアでも問題になってくると思うので、何としても解決策を見つけ出さなければなりません。前に進むためにはどうしても必要な部分なのです。次のミサノはヤマハと相性がいいので楽しみにしています。逆に今日は、残念ながら楽しめませんでした。それでも依然としてランキングトップを維持できていることは良かったです。次回からまた表彰台を目指し、ヘレスのときのようなフィーリングを取り戻したいと思います。それが次回ミサノの目標です」

    フランコ・モルビデリ(15位)
    「とても厳しく、奇妙な週末でした。単独走行で自由にラインを使えるときには非常に速いのですが、決勝で他のマシンと競り合うと、彼らのペースに飲まれてアタックすることができなくなってしまいます。そのため今日は、何とか最後まで走り切り、1ポイントを獲得するだけで精一杯でした。それでも先週のことを考えれば、貴重な1ポイントです。このあとは一旦、家に帰って少しの間、休養してから次のミサノに向かいます。コースレイアウトがこことはまったく違っていて、とてもツイスティーなところはヤマハのマシンに合っています。次こそは、いいレースができると思います」

    ラズラン・ラザリ(チーム代表)
    「ブルノから始まった今回のトリプルヘッダーは、私たちにとって非常に厳しいものとなりました。ブルノでは表彰台を獲得することができましたが、シュピールベルクサーキットでの2レースは大いに苦戦しました。ブレーキ、パフォーマンス、コースコンディションなど様々な問題がありましたが、レースのすべてを否定するものではありません。苦しいなかでもチャンピオンシップのランキングトップをキープし、ライダーもチームも次のミサノに向けてポジティブな気持ちを維持していることは良かった点です。今後もチーム一丸で頑張ります」

  • MotoGP:ドゥカティ 第6戦 スティリアGP 決勝レポート

    MotoGP:ドゥカティ 第6戦 スティリアGP 決勝レポート

    2020 MotoGP第6戦のスティリアGPが、8月23日にオーストリアのレッドブル・リンクで開催された。このレースで、ドゥカティ・チームのアンドレア・ドヴィツィオーゾとダニーロ・ペトルッチは、それぞれ5位と11位でフィニッシュした。

    8番グリッドからスタートしたドヴィツィオーゾは、オープニングラップにいくつかポジションを上げることに成功するが、徐々に後退して8番手を走行中にアクシデントが発生し、レースは一旦中断となる。

    その後、レッドフラッグが出された時点のポジションをグリッドとしてレースが再開され、ドヴィツィオーゾは再び8番グリッドからスタート。すぐにポジションを挽回して、表彰台争いをしているグループに迫る。しかし、最終ラップで前方のマシンをオーバーテイクしようとしてターン3でワイドになり、ジョアン・ミル(スズキ)にスペースを与えてポジションを一つ落とし、5位でフィニッシュした。今回のレースで貴重なポイントを追加したドヴィツィオーゾは、ライダーズ・ランキングで、ポイントリーダーのファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)とわずか3ポイントの2位につけている。

    チームメイトのペトルッチは、11番グリッドからのスタート。レース再開時も12番グリッドからスタートする苦しい展開となり、最終的には11位でフィニッシュした。合計25ポイントを獲得したペトルッチは、ライダーズ・ランキング14位となっている。

    ドゥカティ・デスモセディチGPを駆るプラマック・レーシング・チームのジャック・ミラーは、惜しくも優勝を逃したものの2位でチェッカーを受け、2週連続で表彰台を獲得した。オーストラリア出身のミラーは、最終ラップの最終コーナーで、トップを走るポル・エスパロガロ(KTM)に勝負を挑んだが、両者ともにアウトにはらみ、今回のレースで優勝したミゲル・オリベイラ(KTM)にインを突かれる結果となった。

    ドゥカティは、マニュファクチャラー・ランキングでは、トップのヤマハとわずか1ポイント差の2位、チーム・ランキングでは合計92ポイントを獲得して3位となっている。

    アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ・チーム #04) 5位
    「残念ながら、今日は思ったようにいかなかった。最初のレースでは、タイヤに問題を抱えていて、フィーリングがあまり良くなかった。幸いなことに、レース再開時には別のタイヤを選択することができたので、以前の感覚を取り戻すことができた。それでも、2回目のレースではコーナー出口でのスピードが不足していたので、ポジションを上げることができなかった。今後、他のサーキットでも戦闘力を高めるために、タイヤの問題に取り組む必要がある。今日のレースで5位になったことにより、ライダーズ・ランキングでトップとかなり近づくことができた。これからも、引き続きマシンの開発を継続して、次のレースではさらに上位を目指したい」

    ダニーロ・ペトルッチ(ドゥカティ・チーム #09) 11位
    「残念ながら、2度のレースの両方で、スタート後にポジションを巻き返すことができず、ライバルに追いつくことができなかった。レッドフラッグが振られる前には良いリズムで走って、前のグループとのギャップを縮めることができたが、レース再開後は、再び同じコンディションで走ることができなかった。次のレースでは、予選で良いポジションを獲得して、オープニングラップから差をつけることが重要だ」

    MotoGP第7戦のサンマリノGPは3週間後の9月11日〜13日に、第8戦のエミリア・ロマーニャGPはその1週間後の9月18日〜20日に、イタリアのミザノ・ワールドサーキット・マルコ・シモンチェリで2連戦が開催される。

  • MotoGP スティリアGP:ミゲール・オリベイラが初優勝! 中上貴晶は7位

    MotoGP スティリアGP:ミゲール・オリベイラが初優勝! 中上貴晶は7位

    2020年のMotoGP 第6戦 スティリアGPの決勝レースが8月23日(日)に行われ、ミゲール・オリベイラ(KTM・テック3)が初優勝。中上貴晶(LCR・ホンダ)は7位でレースを終えた。

    気温22.7℃、路面温度36℃のドライコンディションで28周のレースはスタート。2番手スタートの中上貴明は一時5番手まで順位を下げるが、3番手まで順位を上げてオープニングラップを終える。

    序盤はジョアン・ミル(スズキ)、ジャック・ミラー(ドゥカティ)、中上貴晶の順で接戦バトル。4番手に下がったポールスタートのポル・エスパルガロ(KTM)との差は1秒以上に広がる。

    16周目に中上貴晶がジャック・ミラーを攻略して2位に浮上。2.5秒先にいるジョアン・ミルを追う。

    だが、その1周後、マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)がブレーキのトラブルで200km/hで走行中に自らマシンから飛び降りる。マシンはエアフェンスに直進して炎上。赤旗中断となった。

    約10分の中断後、ウォームラップを経て、16周目の順位でグリッド位置についてレースは再開。この赤旗中断でレースはガラリと展開が変わることになる。

    2番グリッドから再スタートを迎えた中上貴晶は7番手まで順位を落とす。レース前半をリードしていたジョアン・ミルも4番手まで順位を落としてしまう。

    レースはポル・エスパルガロとジョアン・ミルが最終ラップまで激しいバトル。だが、最終コーナーで2台がバトルをしている隙をついてミゲール・オリベイラがトップに浮上。MotoGPクラス21戦目にして初優勝。ポルトガル人としても最高峰クラスでは初めての優勝となった。

    2020年 MotoGP 第6戦 スティリアGP 結果

    順位 No. ライダー チーム マシン
    1 88 ミゲール・オリベイラ Red Bull KTM Tech 3 KTM
    2 43 ジャック・ミラー Pramac Racing Ducati
    3 44 ポル・エスパルガロ Red Bull KTM Factory Racing KTM
    4 36 ジョアン・ミル Team SUZUKI ECSTAR Suzuki
    5 4 アンドレア・ドビツィオーゾ Ducati Team Ducati
    6 42 アレックス・リンス Team SUZUKI ECSTAR Suzuki
    7 30 中上貴晶 LCR Honda IDEMITSU Honda
    8 33 ブラッド・ビンダー Red Bull KTM Factory Racing KTM
    9 46 バレンティーノ・ロッシ Monster Energy Yamaha MotoGP Yamaha
    10 27 イケル・レクオーナ Red Bull KTM Tech 3 KTM
    11 9 ダニロ・ペトルッチ Ducati Team Ducati
    12 41 アレイシ・エスパルガロ Aprilia Racing Team Gresini Aprilia
    13 20 ファビオ・クアルタラロ Petronas Yamaha SRT Yamaha
    14 5 ヨハン・ザルコ Reale Avintia Racing Ducati
    15 21 フランコ・モルビデリ Petronas Yamaha SRT Yamaha
    16 73 アレックス・マルケス Repsol Honda Team Honda
    17 35 カル・クラッチロー LCR Honda CASTROL Honda
    18 6 ステファン・ブラドル Repsol Honda Team Honda
    19 38 ブラッドリー・スミス Aprilia Racing Team Gresini Aprilia
    20 51 ミケーレ・ピロ Pramac Racing Ducati
    21 53 ティト・ラバト Reale Avintia Racing Ducati
    NS 12 マーベリック・ビニャーレス Monster Energy Yamaha MotoGP Yamaha
  • MotoGP:ホンダ 第6戦 スティリアGP 予選レポート

    MotoGP:ホンダ 第6戦 スティリアGP 予選レポート

    中上貴晶が初のフロントロー獲得。アレックス・マルケス17番手、カル・クラッチロー18番手、ステファン・ブラドルは21番手
    MotoGP 第6戦スティリアGPの予選が8月22日、レッドブル・リンクで行われ、中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)がすばらしい走りを見せて予選2番手。初のフロントローを獲得した。初日のフリー走行から好調だった中上は、2日目のFP3でさらにタイムを短縮し総合3番手でQ2進出を果たした。

    その後に行われたFP4は、ほぼ決勝レースと同じ時間帯に行われるため非常に重要なセッションとなるが、このセッションでもトップタイムをマーク。連続ラップでも1分24秒から25秒台前半で周回し、好調をアピールした。

    迎えたQ2では、1回目のアタックで1分23秒602と自己ベストを更新する好タイムで暫定ポールポジション(PP)タイムをマーク。その後、ポル・エスパルガロ(KTM)にかわされ2番手へとダウン。逆転PPに挑んだ2回目のアタックでは、セクタ-2、セクター3とベストタイムを更新したが、セクター4でロスタイム。1回目のベストタイムを更新できず2番手となった。惜しくも初PP達成とはならなかったが、決勝では念願の初表彰台獲得に挑む。

    MotoGPクラス5戦目を迎えるルーキーのアレックス・マルケス(Repsol Honda Team)は、FP3で転倒を喫し、タイムを更新できず総合21番手にダウン。しかし、Q1ではベストタイムを更新し17番手グリッドを獲得した。決勝では、第3戦アンダルシアGPの8位をしのぐベストリザルトに挑む。

    カル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、FP3でタイムを更新し16番手へとポジションを上げたが、Q1では思うようにタイムを短縮できず8番手に終わり、18番手グリッドが確定した。ケガで欠場のマルク・マルケス(Repsol Honda Team)の代役として3戦目となるステファン・ブラドルは、セッションごとにタイムを短縮したが、気温も路面温度も上昇したQ1ではタイムを更新できず21番手グリッドが確定した。決勝では、3選手ともに追い上げのレースに挑む。

    今大会は予選3番手につけたヨハン・ザルコ(ドゥカティ)がピットスタートのペナルティを科せられたことから、アレックス・マルケス、カル・クラッチロー、ステファン・ブラドルは、それぞれ16番手、17番手、20番手グリッドから決勝に挑む。

    中上貴晶(MotoGP 2番手)
    「今日はとてもうれしいです。MotoGPクラスで初めてのフロントローを獲得しました。ポールポジションまでもう少しでしたが、ポールポジション争いをするとは思ってもいませんでした。レースウイークを通してマシンのフィーリングはとてもいいので、フロントローを獲得できてよかったです。決勝は今日とは違う戦いが待ち受けています。しかし、準備はできています。表彰台争いをする自信はあります。もし優勝争いをするチャンスがあればチャレンジしますが、まずは表彰台に上がることです。この調子でがんばります」

    アレックス・マルケス(MotoGP 17番手)
    「午前中のFP3で軽い転倒をしてしまいました。高速でしたが、それほど大きい転倒ではありませんでした。セッティングの少し違うセカンドマシンをトライしましたが、思っていたようなフィーリングではありませんでした。もう1台はダメージを受けていたので、FP3はタイムを更新することができませんでした。金曜日はいいフィーリングがあったので、今日の結果は残念でした。FP4はマシンのフィーリングを取り戻そうとがんばりました。Q1では少し前進できましたが、同じようなスピードを再現することはできませんでした。明日のウォームアップでは、いいフィーリングを取り戻し、コーナー進入などマシンが得意な部分でプッシュできるようにしたいです」

    カル・クラッチロー(MotoGP 18番手)
    「今日も難しい一日でした。状況を改善するためにがんばりました。昨日より少しはよくなったと思いますが、残念ながらアタックしているときはフィーリングが変わり、いいラップタイムを出すことができませんでした。明日はいいスタートを切り、予選で僕の前にいるライダーたちとバトルがしたいです。今夜、チームとデータを分析して明日の決勝に挑みたいです」

    ステファン・ブラドル(MotoGP 21番手)
    「どの方向性に進むべきかを知るために、先週末に比べてセッティングをかなり変えました。明日はもっとポジションを上げられることを願っています。やるべきことはたくさんあります。引き続き仕事に取り組みます。決勝は全力でがんばります」

  • MotoGP:ヤマハ 第6戦 スティリアGP 予選レポート

    MotoGP:ヤマハ 第6戦 スティリアGP 予選レポート

    Monster Energy Yamaha MotoGPのマーベリック・ビニャーレスはQ2で6番手を獲得してグリッド2列目。チームメイトのバレンティーノ・ロッシはQ1終盤で好タイムを記録してトップ2を目指したが、その後、最終セクションで転倒してQ2進出のチャンスを逃し15番手となった。またPETRONAS Yamaha Sepang Racing Teamのファビオ・クアルタラロとフランコ・モルビデリはそれぞれ10番手と11番手を獲得した。決勝は他車のペナルティスタートにより、それぞれ一つずつポジションをあげ迎える。

    Monster Energy Yamaha MotoGPのビニャーレスとロッシは予選5番手と14番手
    ビニャーレスは真っ先にコースインしてフロントロー獲得への意欲を見せた。最初のアタックで8番手につけ、2度目のトライでは1分24秒217を記録して一旦トップに立ったもののコースリミット越えによりキャンセル。3度目のトライで1分23秒880とさらに短縮し、3番手につけたあと残り7分半でピットに戻った。

    3分後に再びコースインしたビニャーレスだが、最初の2ラップはタイムを更新できずに10番手に留まったが、チェッカーフラッグが振られる直前にラインを通過。最後の1ラップに望みをかけ、第1セクションで自己ベスト、第2セクションで最速、続く2つのセクションでも自己ベストを更新して1分23秒778を記録し、トップから0.198秒差の6番手となった。明日の決勝では、J・ザルコ(ドゥカティ)が先週の走りについてペナルティを課せられてピットレーンからのスタートとなるため、ビニャーレスはグリッド5番手からスタートすることとなる。

    一方のロッシは、混雑を避けるためにQ1を後方からスタート。最初のアタックで3番手につけ、次のラップではタイムを更新できずに8番手に後退したが、3ラップ目には自己ベストを更新する1分24秒327を記録して4番手に浮上した。

    この時点でQ2進出まであと0.162秒。リアタイヤを履き替え、残り5分でコースに戻り2度目の走行を開始した。そして1分24秒127へ短縮すると一気にトップに浮上。しかし長くは続かず、ライバルたちがペースを上げてくると再び4番手へ後退した。最後の1ラップでは懸命のアタックで第1セクションと第2セクションで最速、第3セクションでもベストを更新したが、第9コーナーで転倒してしまった。この結果、Q1で5番手に留まり、決勝は14番グリッドからスタートする。

    PETRONAS Yamaha SRTのクアルタラロとモルビデリは9番手と10番手
    1000分の1秒差を大勢のライダーが競り合う接近戦となった午前中のFP3。そのなかでもクアルタラロは素早くペースを上げて1ラップの強さを見せた。序盤から上位につけ、全体のペースが上がったあともポジションを維持し、1分23秒607のベストタイムで2番手を獲得している。チームメイトのモルビデリはほとんどの時間帯でトップ10に届かずにいたが、セッション終盤のアタックで1分23秒727を記録して8番手に浮上し、ふたり揃ってQ2に進出した。

    15分間のQ2は、大勢のタイムが接近し暫定フロントローが僅差で何度も入れ替わる熾烈な戦いとなった。クアルタラロ、モルビデリともに序盤から好調ぶりを見せて上位を走行。しかし終盤になると激しく順位が入れ替わり、ふたりは僅差で順位を下げることとなってしまった。クアルタラロは1分23秒866で10番手、モルビデリは1分24秒021で11番手となったが、ザルコのペナルティスタートを受け、それぞれひとつずつ上げ9番グリッドと10番グリッドからスタートする。

    Monster Energy Yamaha MotoGP
    マーベリック・ビニャーレス(予選5番手/1分23秒778)
    「グリッド2列目は良かったと思います。コースコンディションやライバルたちのレベルを考えれば、決して悪くない位置です。それでも明日の決勝は、ほとんどのライダーが同じリズムで走るので厳しい戦いになるでしょう。序盤でオーバーテイクし、ライバルより速く走れる場所がどこかを理解する必要があります。今週はセッティングを大きく変更し、決勝で効果を上げられるかどうかを試してきました。フィーリングはとても良いのですが、実際のレースでどうなるかは明日になるまでわかりません。それを序盤で確かめます。2週連続で同じサーキットで行われるので、データを比較しやすく、正しい方向へ進めているかどうかを確認できるという意味で、今回、異なるセッティングを試したことはとても良かったと思っています」

    バレンティーノ・ロッシ(予選14番手/1分24秒127)
    「第9コーナーでミスをしてしまいました。前に行われたMoto3で、オイルが出てコースが汚れていた場所で白線に乗ってしまったようです。午前中のセッションでも、好タイムを記録中にミスがあり、Q1に出場することになりました。皆がQ2を目指して激しくプッシュするなかで、大勢のタイムが接近していて非常に厳しい戦いでした。グリッド14番手からの挽回は簡単ではありませんが、私もペース自体は速く、安定しています。より速いライダーが4〜5人はいると思いますが、それ以外はついて行って上位争いを目指せると思っています。コースはヤマハ向きではありませんが、そのなかでもハイペースで、いい走りができています。決勝は長いので、すべての要素を完璧に揃え、初めから全力でトライしていかなければなりません」

    マッシモ・メレガリ(チーム・ディレクター)
    「期待した結果は得られませんでした。ビニャーレス選手はフロントローを狙っていましたが、0.146秒届かず2列目になりました。ザルコ選手がピットレーンスタートとなったためビニャーレス選手は5番グリッドになりましたが、こちらのほうがライン取りの意味で有利な位置なので良かったです。ロッシ選手のほうはQ1の最終ラップで転倒してチャンスを失ってしまいました。このラップは非常に速く、Q2進出へと向かっていたので残念です。幸い、怪我はありませんでしたが、明日の決勝はかなり厳しいものになるでしょう。しかしFP3とFP4で見たように、両ライダーとも決勝ペースは素晴らしく、満足しています。私たちチームはいつもと同様、明日のウォームアップに向けて全力で準備していくだけ。ドライコンディションが予想されていますが、ここは天候が変わりやすく予測が難しい場所なので、あらゆるシナリオに適応できるように備えます」

    PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team
    ファビオ・クアルタラロ(予選9番手/1分23秒866)
    [FP4はペースが良かったのですが、Q2はあまりうまくいきませんでした。もともとこのやり方は気に入っているのですが、このコースはあまり向いていないと思います。ここはトップスピードが必要なので、予選は非常に難しくなってしまうのです。結局、思ったようなプッシュができないまま終わってしまいました。それでもマシンのフィーリングが向上し、他のヤマハ勢と比較してもペースも非常に良くなっていることには満足しています。その意味では私たちのセッティングがうまくいっているのだと思います。明日はトップ6に入れれば、とても良い結果と言えると思います。もちろん、もっと上を狙いたいのですが、これが現実的なところでしょう。9番グリッドからのスタートは厳しい条件なので、私としてはここから、できるだけたくさんクリーンなオーバーテイクを重ね少しでも上位でフィニッシュすることが目標です」

    フランコ・モルビデリ(予選10番手/1分24秒021)
    「午前中は非常に好調で、Q2進出も問題ありませんでしたが、Q2ではポテンシャルを十分に発揮することができませんでした。タイヤコンパウンドを変えることで、もう少し伸ばすチャンスに賭けたのですが、結局それはうまくいきませんでした。11番手に留まり、10番手スタートとなったわけですが、決して最悪というほどではないと思っています。というのも、上位4〜5台は別にして、それ以外はペースがほとんど同じだからです。好スタートを切って、いい走りをして、できるだけ多くポイントを獲りたいと思います。もしも雨が降れば、より一層、厳しいレースになるでしょう。このコースはウエットコンディションで、かなり難しい状況になってしまいますから」

  • MotoGP:スズキ 第6戦 スティリアGP 予選レポート

    MotoGP:スズキ 第6戦 スティリアGP 予選レポート

    スティリアGP予選、スズキライダーは共に安定した走りで4番手と7番手を獲得
    スティリアGP土曜午前のFP3はジョアン・ミルがセッショントップタイムを記録。ミルはセッションの大半で中古タイヤを装着してコンスタントなペースで走行を続け、前週に続く好調ぶりをアピール。リンスも同様に安定した好ペースでセッションを走行し9番手に。チームスズキエクスターライダーは揃ってストレートQ2行きを決める。セクター3の区間タイムではミル、リンスが1番、2番タイムを記録し、後半セクターでのGSX-RRの高いパフォーマンスを証明した。

    午後のFP4ではトップから18台が1秒以内という激しい接近戦となるが、ミル2番手、リンス4番手とどちらも上位でセッションを終え、予選に向けてそれぞれ万全な準備を整える。

    上位12台で戦われるQ2ではほとんどのライダーが1分23秒台を記録。セッション残り10分では前週のオーストリアGP予選同様に激しくポジションが入れ替わるが、ミル、リンス共に終盤まで渾身のアタックを続け、それぞれ最後に4番手、7番手に滑り込む。トップからはミル+0.098秒、リンス+0.202秒の僅差で、セッションの激しさが窺われる。

    Q2で3番手になったザルコ(ドゥカティ)のピットレーンスタートペナルティーにより、ミル、リンス共にグリッドがそれぞれひとつ繰り上がり、明日の決勝はフロントロー3番手、セカンドロー6番手グリッドから決勝に挑む。

    ダビデ・ブリビオ チームマネージャー
    「セッション毎のマネージメントもうまく進めることができ、我々チームにとってはポジティブな1日だったと思います。ジョアンはFP3でトップタイムを記録し、FP4、予選もその好調ぶりを崩すことなく上位グリッドを獲得することができました。ザルコのペナルティーによりフロントロースタートとなるので、このチャンスをうまく活かしてくれることに期待しています。アレックスもマシンのフィーリングが良いようですし、ペース的にもかなり安定しています。期せず彼もグリッドが1列前になり、決勝はふたり揃って良いグリッドからのスタートとなるので、自信を持ってチャレンジしたいと思います。」

    ジョアン・ミル
    「今のところ先週末よりさらに前進できていると思う。予選タイムはトップと大差がないし、このサーキットでは決勝でグリッド2列目より前でスタートすればアドバンテージがあるからね。自分自身もかなり調子が上がっているし、トップグループで戦えるペースは持っていると思うから、今週も決勝が楽しみだよ。」

    アレックス・リンス
    「タイムが皆僅差だから、ほんのちょっと遅いだけで順位が大きく変わってしまう。自分もトップからわずかコンマ2秒差なのに、終わってみれば7番手だからね。でもザルコのペナルティーでグリッドは1列前からスタートできることになったよ。右肩の痛みはまだあるけど、それでも安定したペースで走れているし、決勝への準備は整っている。他にも調子の良いライダー達がいるから、レースはまた激しい戦いになるだろうけどね。明日朝のウォームアップを走った後にタイヤを決めて、あとはとにかく決勝で全力を尽くすのみさ。」

  • MotoGP 第6戦 予選:中上貴晶が自己ベストの2番グリッド獲得!

    MotoGP 第6戦 予選:中上貴晶が自己ベストの2番グリッド獲得!

    MotoGP 第6戦 シュタイアーマルクGPの予選が8月22日(土)にオーストリアのレッドブル・リンクで行われ、ポル・エスパルガロ(KTM)がポールポジションを獲得。中上貴明(LCRホンダ)が自己ベストとなるフロントロー2番グリッドを獲得した。

    気温31度、路面温度43度のドライコンディションの中、フリー走行4回目に3番手タイムを記録していたポル・エスパルガロは1分23秒580をマーク。MotoGPクラスで109戦目で自身初、KTMとしても初のポールポジション獲得となった。

    そして、2番手タイムを記録したのは中上貴晶。フリー走行4回目にトップタイムを記録していた中上は、トップから0.022秒差となる1分23秒602をマーク。昨年8月に当地で開催された第11戦オーストリアGPで記録した自己最高位の6番手を上回り、中野真矢がカワサキで2番手に進出した2006年9月の第15戦オーストリアGP以来、14年ぶりとなる日本人ライダーの1列目となった。

    3番手はヨハン・ザルコ(エスポンソラーマ・レーシング)。前戦オーストリアGPでの転倒で3日前に手術を受けた右手舟状骨を休ませる目的でフリー走行4回目をキャンセルした後、公式予選1で1番手、公式予選2で0.052秒差の3番手に入り、2戦ぶり今季2度目の1列目を獲得した。

    フリー走行総合1番手のジョアン・ミルは、0.098秒差の4番手。予選の自己最高位に進出すれば、フリー走行総合10番手のジャック・ミラーは、フリー走行3で転倒した際に右肩を強打したことからフリー走行4をキャンセルしたが、0.120秒差の5番手に進出。精密検査を受けるために、近郊の病院に搬送される。

    フリー走行総合5番手のマーベリック・ビニャーレス、フリー走行総合9番手のアレックス・リンス、フリー走行総合7番手のミゲール・オリベイラ、フリー走行総合4番手のアンドレア・ドビツィオーゾが続き、フリー走行総合2番手のファビオ・クアルタラロは、0.286秒差の10番手。

    フリー走行総合8番手のフランコ・モルビデッリは、0.441秒差の11番手。フリー走行総合13番手のダニロ・ペトルッチは、公式予選1で2番手、公式予選2で12番手。

    フリー走行総合15番手のバレンティーノ・ロッシは、公式予選1で今季初転倒を喫して5番手。明日の決勝レースを5列目15番グリッドから迎える。

    順位 ライダー チーム マシン タイム
    1 P・エスパルガロ Red Bull KTM Factory Racing KTM 1’23.580
    2 中上貴晶 LCR Honda IDEMITSU Honda 1’23.602
    3 J・ザルコ Reale Avintia Racing Ducati 1’23.632
    4 J・ミル Team SUZUKI ECSTAR Suzuki 1’23.678
    5 J・ミラー Pramac Racing Ducati 1’23.700
    6 M・ビニャーレス Monster Energy Yamaha MotoGP Yamaha 1’23.778
    7 A・リンス Team SUZUKI ECSTAR Suzuki 1’23.782
    8 M・オリベイラ Red Bull KTM Tech 3 KTM 1’23.797
    9 A・ドビツィオーゾ Ducati Team Ducati 1’23.849
    10 F・クアルタラロ Petronas Yamaha SRT Yamaha 1’23.866
    11 F・モルビデリ Petronas Yamaha SRT Yamaha 1’24.021
    12 D・ペトルッチ Ducati Team Ducati 1’24.174
    13 I・レクオーナ Red Bull KTM Tech 3 KTM 1’23.928
    14 B・ビンダー Red Bull KTM Factory Racing KTM 1’23.932
    15 V・ロッシ Monster Energy Yamaha MotoGP Yamaha 1’24.127
    16 M・ピロ Pramac Racing Ducati 1’24.273
    17 C・クラッチロー LCR Honda CASTROL Honda 1’24.401
    18 B・スミス Aprilia Racing Team Gresini Aprilia 1’24.416
    19 A・エスパルガロ Aprilia Racing Team Gresini Aprilia 1’24.429
    20 A・マルケス Repsol Honda Team Honda 1’24.559
    21 S・ブラドル Repsol Honda Team Honda 1’24.667
    22 T・ラバト Reale Avintia Racing Ducati 1’24.916
  • MotoGP:ヤマハ 第5戦 オーストリアGP 決勝レポート

    MotoGP:ヤマハ 第5戦 オーストリアGP 決勝レポート

    Monster Energy Yamaha MotoGPの二人を危うく巻き込むところだったアクシデントがあったが、バレンティーノ・ロッシは5位を獲得。一方のマーベリック・ビニャーレスは、赤旗中断後の再スタート序盤でマシンにトラブルがあり20番手まで後退するも10位まで順位を上げてチェッカーを受けた。PETRONAS Yamaha Sepang Racing Teamのファビオ・クアルタラロとフランコ・モルビデリは、いずれも悔しい結果。アクシデントに巻き込まれて戦線を離脱したモルビデリはメディカルセンターへ運ばれ、クアルタラロはブレーキにトラブルがあり8位に終わっている。

    波瀾のレースでロッシとビニャーレスは5位と10位獲得
    Monster Energy Yamaha MotoGPのロッシとビニャーレスは、持ち前の強い決意とともに困難から復活する底力を見せつけた。ふたりは、激しく転倒して宙に舞い上がった2台のマシンに危うく激突されるところを、ほんのわずかの差で逃れることができた。このアクシデントによりレースは一時中断。間もなく再開された2度目のレースではすぐに気持ちを切り替え、ロッシが5位、ビニャーレスは10台を抜いて10位を獲得した。

    最初のレースでビニャーレスは、ポールポジションから好スタートを切って2番手で第1コーナーへ。序盤の激しい競り合いのなかで5番手に後退したあともトップグループに加わり、その後ろには12番グリッドから挽回したロッシが続いた。そこにアクシデントが発生。9ラップ目、J・ザルコ(ドゥカティ)とフランコ・モルビデリが激しく転倒し、2台のマシンが第3コーナーでロッシとビニャーレスに襲い掛かる。ふたりは幸運にも激突を免れ、このあとレースは中断となった。

    幸い全員が大きなダメージを受けておらず、コース清掃が終わる現地時間14時28分に再びピットレーンを開放することが決定した。ライダーたちはそこからわずか60秒で位置につかなければならず、ロッシとビニャーレスもこの短時間で気持ちを切り替えて2度目のレースに臨む。グリッドは8ラップ終了後の順位、周回数は20ラップと決まった。

    ロッシはアクシデントのあと当然のように動揺したが、すぐさま立て直していた。わずか15分後に再びマシンに跨り、持ち前のメンタルの強さを見せつけた。グリッド7番手から好スタートを切り、B・ビンダー(KTM)とバトルするもなかなか仕掛けられない。その後、前方での転倒もあり5位に上がると、さらにビンダーを追い詰めたが、パスすることはできず5位でチェッカーとなった。トップとの差は5.837秒。

    一方のビニャーレスは、再スタート後にマシンに問題が出て序盤で20位へ後退。しかしそこから懸命の挽回を図り、ようやくリズムを取り戻すとペースを上げて最後から2ラップ目にベストタイムを記録。そのなかで着実に順位を挽回し、トップから15.276秒差の10位でゴールした。

    この結果、ビニャーレスはトップから19ポイント差のランキング3位。ロッシは29ポイント差の5位となっている。ヤマハはコンストラクターズランキング1位、Monster Energy Yamaha MotoGPはチームランキング2位をそれぞれキープしている。

    クアルタラロは8位、モルビデリは不運な転倒も怪我はなし
    クアルタラロはスタートでやや出遅れて、集団に飲み込まれながら第1コーナーへ。ブレーキに問題を抱えていたことから第4コーナーでは深く突っ込み過ぎてコースアウトし、最後尾まで順位を下げてしまう。そのあとすぐに赤旗が提示されて中断となったため、第2レースを最後尾からスタートすることとなってしまった。スタート直後に16番手まで上げ、ブレーキの問題はまだ続いていたにもかかわらず、ここからさらに1台また1台とパスして8位でチェッカー。ランキングトップをキープした。

    チームメイトのモルビデリは好スタートからリズムをつかみ、順調に前方のライダーを追っていた。ところが第3コーナーでJ・ザルコ(ドゥカティ)とともにアクシデントに巻き込まれ、右手、肩、頭に衝撃を受けてメディカルセンターへ運ばれた。CT検査の結果、幸い深刻なダメージはなく、その後ピットに戻って無事を報告している。来週、同サーキットで開催される第5戦には出場する予定。

    Monster Energy Yamaha MotoGP
    バレンティーノ・ロッシ(5位)
    「とても怖かったですね。4人とも、とくに私とビニャーレス選手は、本当に幸運でした。非常に危険な場面だったので、それを免れた私たちは、今夜、誰かに祈らなければならないでしょう。誰もが全力で戦っているのですから、アグレッシブになることは良いことに違いありませんが、このスポーツはもともと非常に危険なものなのです。私たちはそのことを忘れてはいけません。とくに時速300kmで戦う時はライバルたちに敬意を払う必要があります。私はすでにザルコ選手と話をしましたが、決して故意ではなかったと約束してくれました。彼はブレーキングでかなりワイドにはらんでしまいました。時速300kmで走っていればスリップストリームが効くので、モルビデリ選手が速度を落とすことは不可能だったのです。私はビニャーレス選手と一緒に第3コーナーに入っていて、何かが私に向かってくることに気づきました。ヘリコプターの影かと思いましたが、実際それはよくあることなので、ところがモルビデリ選手のマシンが驚くほどのスピードで私を追い越していき、さらにザルコ選手のマシンもモルビデリ選手を飛び越えていきました。私たちは非常にラッキーだったわけですが、このような事故が将来、ライダーの振る舞いを正していくための教訓になってくれることを望みます。モルビデリ選手とも話をしました。彼は大丈夫。今は考えないようにしていますが、考えてしまったら彼も怖くてたまらないでしょう。今回は結果的に誰も怪我をせず、全員が無事でした。しかし、もしも良くないことが起きていたとしたら、状況はまったく違うものになっていたのです。正直なところ、再スタートは簡単ではありませんでしたが、再スタートし、いいレースができました。私たちにとって、ヤマハにとってここは楽な場所ではありません。トップスピードでライバルたちに挑んでいくことが難しく、苦戦させられるのですが、そのなかでもペースは良かったと思います。第9コーナーでビンダーに激しく仕掛けられてコースを外れてしまい、この間にトップから大きく離されてしまったのは残念。でもそのあともリズムよく走り、5位でチェッカーを受けることができました。もっと頑張れたかもしれませんが、いいレースだったと思っています」

    マーベリック・ビニャーレス(10位)
    「私たちは非常にラッキーでした。このことがとても重要です。このようなアクシデントはレースのなかでは起こりうることで、常にリスクがあるのです。そしてこの第3コーナーは、私たちがいつも言っているようにとても危険なところです。転倒が起こりやすい場所なので、何らかの解決策を講じるべきだと考えています。午前中のウォームアップで私も転倒しそうになりました。フロントがロックし、少し壁のほうに向かってしまったので怖い思いをしました。しかしレース中のあの事故では、正直、私は何も見ていないのです。ただクラッシュしたマシンが地面を削る音が聞こえて、ザルコ選手のマシンが壁にぶつかる衝撃を感じただけです。そのあとで目を向けると、1台のマシンが私に向かって来るのが見えたので頭を覆い、そのマシンは跳ね上がりました。本当に、本当にラッキーでした。誰かが私たちを救ってくれたのです。そして、この結果がとても大切なことなのです。私たちは今もチャンピオンシップの只中にいて、クアルタラロ選手はわずか2つ前でフィニッシュしています。第2レースではトラブルが出て後退し、ランキングトップに立つ絶好のチャンスを2度も失ってしまいました。最初のレースでは15ラップ目まで待ってからハードプッシュするつもりでした。第2レースでは問題が見つかり、その時にはもうレースは終わったと感じました。それでも3-4ラップコース上に留まり、そのうちにクラッチが復活してくれたので少しずつ挽回していきました」

    マッシモ・メレガリ、チーム・ディレクター
    「Moto2においてもかなり深刻な事故があったあと、MotoGPの第3コーナーでも同じように危険なアクシデントが起こりました。見ていた誰もが、特にライダーたちは心臓が飛び出るほどの恐怖を味わいました。結果的に誰ひとりとして大きな怪我を負わなかったことは本当に幸いでした。再スタートはいつも簡単なことではありません。ライダーもチームも、まるで初めてレースに向かうかのように気持ちを集中させなければなりません。ロッシ選手は少しも混乱することなく、いつものように仕事に向かっていきました。通常でも5位は好成績と言えますが、今日のこの状況のなかでの5位獲得は非常に素晴らしく、トップライダーにしかできない見事な仕事だと思います。ビニャーレス選手もラッキーでしたが、同時にアンラッキーにも見舞われました。ロッシ選手の前の6番手を走行中にあのアクシデントが起こり、ほんのわずかの距離で激突を避けることができました。しかし再スタートではクラッチの技術的トラブルが発生し、序盤で大きく順位を下げてしまいました。この問題を克服したあとはペースを上げ、10位まで挽回して6ポイントを獲得。しかし彼が望んでいたようなレースとはほど遠いものとなってしまいました。このように様々なことが起こりましたが、私たちは落ち着いて深呼吸し、また次の仕事に向かっていきます。来週また同じサーキットで行われる次の戦いに備え、すべてのデータをよく見直していきます」

    PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team
    ファビオ・クアルタラロ(8位)
    「スタートで順位を下げたあと、序盤の数ラップでブレーキの違和感に気づきました。そして第4コーナーの進入でついに問題が出てコースアウトしてしまいました。2回目のレース再開までの間にキャリパーを交換しましたが、また同じ問題が出てしまいました。このコースはブレーキを遅らせてのハードブレーキングが求められるので、非常に難しいレースになってしまいました。そのなかでの8位は悪くない結果だと思います。次回も同じコースで行われるので、今日のトラブルの原因をしっかり分析して次こそはもっと上を目指したいと思います。今回もトップ5は可能だと思っていたので、次で達成できるよう頑張ります。今日は2回も恐ろしいアクシデントが起こりました。チームメイトのフランコをはじめとするすべてのライダーが無事だったことをうれしく思います」

    フランコ・モルビデリ(DNS)
    「少し痛みはありますが、すべて問題はありません。転倒の映像を見れば、このように無事に戻れて良かったし、本当に幸運だったと思います。奇妙な転倒で、ザルコ選手がストレートで私を抜いていき、そのあとラインを変えてワイドにはらんできました。ラインの変化とスリップストリームで、私には行き場がなくなり、彼を避けることができなかったのです。幸いなことに、ふたりとも大きな怪我はありませんでした。ここはヤマハのマシンにとってあまり相性の良い場所ではないので、今回はできるだけ多くのポイントを獲ることが重要でした。それができずチームには申し訳なく思っています。ベストを尽くしましたが、今回はそれが結果につながりませんでした。来週またトライします」

    ラズラン・ラザリ、チーム代表
    「Moto2とMotoGPで多くのアクシデントが起こり、大変な週末と言うほかありません。すべてのライダーにもっとひどいことが起こっても不思議はなかったので、モルビデリ選手の無事は何よりうれしく思います。彼が来週また、力強い走りを見せてくれることを期待しています。ヤマハのマシンにとって難しいコースだということはわかっていますが、クアルタラロ選手のトラブルについては十分にデータを分析して原因を追求しなければなりません。そして次回に備え、もう一歩前進を目指します」

  • MotoGP:ドゥカティ 第5戦 オーストリアGP 決勝レポート

    MotoGP:ドゥカティ 第5戦 オーストリアGP 決勝レポート

    2020 MotoGP第5戦のオーストリアGPが、8月16日にレッドブル・リンクで開催された。このレースで、ドゥカティ・チームのアンドレア・ドヴィツィオーゾが見事な勝利を収め、ドゥカティにMotoGP通算50勝目をもたらした。イタリアのボローニャを本拠地とするドゥカティは、2016年のレースカレンダーにレッドブル・リンクが復帰して以来、このサーキットで5年連続で勝利を収めている。

    今回の優勝は、ドビツィオーゾにとって、レッドブル・リンクで3回目の勝利となった。これにより、ドヴィツィオーゾはライダーズ・ランキングで2位の座に返り咲いた。トップのファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)との差は、わずか11ポイントとなっている。プラマック・レーシング・チームからドゥカティ・デスミセディチを駆って参戦しているミラーは、最終ラップでジョアン・ミル(スズキ)に抜かれたものの、3位でフィニッシュした。

    13番グリッドからスタートしたチームメイトのダニーロ・ペトルッチは、7位でフィニッシュして貴重なポイントを獲得した。ペトルッチは、ライダーズ・ランキング11位となっている。

    2020年シーズンの4戦が終了した時点で(開幕戦のカタールGPでは最高峰クラスは未開催)、ドゥカティは、マニュファクチャラー・ランキングは2位、チーム・ランキングは3位となっている。

    アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ・チーム #04) 1位
    「ザルコ(ヨハン:ドゥカティ)とモルビデリ(フランコ:ヤマハ)の大クラッシュによる中断が発生し、いつもとは全く違うレースとなった。今日のマシンのフィーリングは、特別に良いというものではなかったが、特定のセクションでは速く走ることができたので、ライバルに差をつけることができた。今週末は、順調なスタートを切ったが、レースに勝てるという確信はなかった。レースでは、スタート直後からアグレッシブに走行して良い感触を得たが、昨年のレースと比べると、まだ何かが足りない気がする。このコースは、デスモセディチGPマシンの特性に合っているが、今後もマシンの改良を続けて、これから開催されるすべてのレースで優勝争いができるようにする必要がある」

    ダニーロ・ペトルッチ(ドゥカティ・チーム #09) 7位
    「今日は最初から難しいレースになることは分かっていた。オープニングラップの混乱で、ポジションをいくつか落としてしまった。残念ながら、マシンのフィーリングは完璧とは言えなかった。ブレーキの問題をまだ抱えていて、思い通りに走ることができなかった。今日のレースでは、良いペースで走ることができたが、トップグループからは大きく離されてしまった。チャンピオンシップにとって貴重なポイントを持ち帰ることができたが、次のレースでは、最初からトップ争いに加わることができるように、予選で良いグリッドを獲得することが重要だ」

    ルイジ・ダッリーニャ(ドゥカティ・コルセ・ゼネラルマネージャー)
    「シーズン開幕から難しいレースが続いていたので、今回の優勝には大きな意味がある。今日はレースが中断し、いつもとは違う展開となった。ドーヴィ(ドヴィツィオーゾ)は、マシンの戦闘力の高さと速さを証明してくれた。再スタート後、コースの状況は変わっていたが、私たちは事前にいくつかの状況を確認して、フロントタイヤを交換していた。今週末に素晴らしい仕事をした、ドーヴィとチーム全員を祝福したい。次のレースはもちろんのこと、シーズン最後までこの戦闘力を維持したい」

    MotoGP第6戦のスティリアGPは、1週間後の8月21日~23日に、今回と同じレッドブル・リンクで開催される。

  • MotoGP:スズキ 第5戦 オーストリアGP 決勝レポート

    MotoGP:スズキ 第5戦 オーストリアGP 決勝レポート

    オーストリアGPでジョアン・ミルがMotoGPキャリア初表彰台を獲得
    雨予報を覆し、晴天のもとスタートを切ったオーストリアGPは、レース序盤に2台のマシンが接触転倒し、転倒したマシンが宙を舞いながらコース上を横切る大波乱が起き赤旗中断に。しかしその後コースの安全が確認された後に再スタートしたレースでジョアン・ミルが大健闘の2位を獲得。自身のMotoGPキャリア初表彰台であり、またチームスズキエクスターにとっても今季初の表彰台となった。

    朝のウォームアップではミルがトップタイムをマーク。一方のアレックス・リンスは肩の怪我の温存のためセッション終盤になってピットアウトするが、ふたりのライダーは共に好感触で決勝に向けての士気を高める。

    スターティンググリッド2列目、3列目からそれぞれスタートを決めたミル、リンスは1コーナーに5番手、6番手で揃って飛び込む。その後ミルはすぐに4番手、そして3番手へと確実にポジションを上げ、アクシデントでレースが赤旗中断となるまで4番手をキープ。

    大アクシデントにも関わらず幸い負傷者はなく、周回数20周でレースが再スタート。チームスズキエクスターライダーのふたりは再びロケットスタートを決め、揃ってトップグループにつける。リンスはファステストラップをマークしながらじりじりとトップとの差を詰め3番手にポジションを上げ、そのすぐ後方にはミルがぴったりとマーク。11周目、リンスがミラー(ドゥカティ)をオーバーテイクして2番手に浮上し、さらにトップを走行するドビツィオーゾ(ドゥカティ)に並びかけた瞬間スリップダウン。スペインGPで負傷した右肩への影響はなかったもののマシンは再スタートを切ることができず、痛恨のリタイヤを強いられた。一方のミルはレース終盤までペースを落とすことなくトップグループに食らいつき、最終ラップ最終コーナーでオーバーテイクを仕掛けて2位でチェッカーを受け、MotoGPクラス初表彰台を獲得した。

    河内 健 テクニカルマネージャー
    「またしても半分ハッピー、半分アンハッピーという結果となってしまいましたが、今週末は決勝も含め、我々は非常にコンペティティブであったと思います。アレックスに関しては優勝のチャンスがありながらも転倒という結果に終わってしまい非常に残念でしたが、今日は代わりにジョアンが素晴らしい仕事をしてくれ、最後まで諦めずにしっかりと2位をもぎ取ってくれました。幸いにも来週再びこのサーキットでレースがあるので、次はふたりのライダーのダブル表彰台を狙っていきます。」

    ダビデ・ブリビオ チームマネージャー
    「このサーキットでは苦戦を強いられると覚悟していたのですが、マシンもライダーも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。表彰台のチャンスがありながらもなかなか実現に至らなかったジョアンの初表彰台獲得は本当に喜ばしいことですし、アレックスも転倒がなければ間違いなく表彰台を獲得できていたでしょう。アレックスの結果は悔やまれますが、これがレースなので仕方ないと思っています。幸い怪我もないので、気持ちを切り替え、また来週末に期待したいと思います。」

    ジョアン・ミル
    「素晴らしい日になったよ。表彰台に上がるチャンスはこれまでにも何度かあったのに、いつも何らかの理由に遮られて結果に繋げることができなかったから今日は最高の気分さ。レッドブルリンクはMoto3で初優勝をしたサーキットだから自分にとって良い思い出のある場所でもあるし、今日の2位は優勝に等しいくらいに嬉しいよ。素晴らしい仕事で僕を支えてくれたチームの皆と、パドックの入場規制によって自宅待機を強いられている全ての仲間達に心からお礼を言いたいね。ここに来るまで順風満帆とは言い難かっただけに、こうやって結果を出せたのは間違いなく僕を支えてくれた全ての人のお陰だね。」

    アレックス・リンス
    「最初のレースではスタートは良かったんだけど、ブレーキングがうまくいかない感じがあってペースを上げることができなかった。それでペースアップに格闘しながら走っている最中に目の前で大クラッシュが起きたんだ。本当に恐ろしい光景だったよ。とにかく大事に至らなくてよかった。赤旗中断後に再スタートしたレースではマシンのフィーリングもリアタイヤの感触もかなり良くて、無理せずトップグループを走ることができたんだ。ドビツィオーゾに追いついた時も余裕があったから、一番自信があった6コーナーでオーバーテイクしたんだけど、急にフロントが切れ込んで転倒してしまった。本当に悔しい転倒としか言いようがないね。でもチャンピオンシップはかなり接近戦になっているし、今日はフィーリングも良かったから、気持ちを切り替えて来週のレースでまた全力を尽くすことにするよ。」