カテゴリー: F1マイアミGP

  • F1レギュレーション修正の効果は即見えず?クルサード「マイアミGPでは判断困難」

    F1レギュレーション修正の効果は即見えず?クルサード「マイアミGPでは判断困難」

    デビッド・クルサードは、2026年F1レギュレーションの微調整について、マイアミGPの段階ではその効果を正確に判断するのは難しいとの見解を示した。

    日本GPからマイアミGPまでの5週間のインターバル中、FIAとFOMは各チームや関係者と協議を行い、エネルギーマネジメントや安全性への懸念を受けて規則の微調整を決定している。ただし、その影響は即座に現れるものではない可能性がある。

    マイアミでは変化が見えにくい理由
    クルサードは、マイアミのコース特性が評価を難しくすると指摘した。

    「興味深いのは、こうした変更の結果がどう見えるかだが、マイアミでは必ずしもそれが見えるとは限らないと思う。あのサーキットの特性があるからだ」

    「低速から中速コーナーが多く、何か特別なものを感じられるような象徴的な区間があまりない。だから、数レースは様子を見る必要があると思う」

    “追い抜きの質”が変わる可能性
    一方で、変更自体には明確な効果があるとの見方も示している。

    「違いは出ると思う。それは間違いない。ただし、これまで人々が興奮してきたようなオーバーテイクは減るかもしれない」

    「適切な位置でトリガーを拾ってブーストを得たことでパワー差が生まれ、それで抜く――それは本当にオーバーテイクと言えるのか? ただのパワーサージだろう」

    「そうした“見かけのオーバーテイク”は減るかもしれないが、その分より意味のあるものになる。ドライバーがポジショニングを考え、スリップストリームを活かしていく形になるはずだ」

    「ブーストの要素は残るだろうが、それは以前のDRSと同じようなものだ。だから、僕は楽観的に見ている」

    F1レギュレーション

    即効性より“数戦単位”の評価が鍵
    今回の規則調整は、鈴鹿でのオリバー・ベアマンのクラッシュを含む安全面の議論と、エネルギー回生・放出によるレースの質への懸念を背景に進められたものだ。

    ただしクルサードの指摘どおり、マイアミのような特性のサーキットでは変化が表面化しにくい可能性がある。真の評価は、異なるタイプのコースを経た数戦後に見えてくることになりそうだ。

  • マクラーレンF1 マイアミGPで“完全新車”投入 カナダでも「MCL40は別物に」

    マクラーレンF1 マイアミGPで“完全新車”投入 カナダでも「MCL40は別物に」

    マクラーレンは、2026年F1シーズンの流れを変えるため、マイアミGPとカナダGPにかけてMCL40に大規模アップグレードを投入する。チーム代表のアンドレア・ステラは、北米2戦で「完全に新しいマシン」と呼べる仕様になると説明した。

    開幕からメルセデスに先行を許しているマクラーレンだが、日本GPではオスカー・ピアストリが優勝争いに加わり、キミ・アントネッリに次ぐ2位を獲得した。

    バーレーンGPとサウジアラビアGPが開催されなかったことで生じた5週間の中断期間を使い、チームは2026年F1レギュレーション下で大きな開発余地を持つ空力パッケージの改良に集中してきた。

    北米2戦で投入される「完全に新しいMCL40」
    ディフェンディングチャンピオンであるマクラーレンは、2025年シーズン終盤までドライバーズ選手権争いに巻き込まれた影響もあり、2026年型マシンの開発初期段階では出遅れた。さらに、長年のサプライヤーであるメルセデスの新型パワーユニットを理解する必要もあり、シーズン序盤は苦しい立ち上がりとなった。

    中国GPではランド・ノリスとオスカー・ピアストリのいずれも決勝をスタートできず、チームにとっては厳しい現実を突きつけられた。しかし、日本GPでは全体パッケージへの理解が進み、ピアストリが優勝争いに絡むまで競争力を引き上げた。

    「我々の意図としては、北米のレースに向けて、特に空力アップグレードの観点から、完全に新しいマシンを投入するという考えは常にあった。だから、この計画を維持することができた」と、ステラはウォーキングにあるチーム本拠地でのメディアデーで語った。

    「もちろん、カレンダーが変更されたことは少し助けになった。他のすべてのチームにとっても同じだと思うが、レースで忙しくするよりも、より流れを整えてマシンのアップグレードに取り組むことができた」

    「ただ、全体として言えば、マイアミとカナダを通じて、完全に新しいMCL40を見ることになる。改めて強調したいのは、これは我々の競争相手の多くにも期待されることだという点だ。だから、必ずしも勢力図が変わるということではなく、同じ時間枠の中で誰がより多くのパフォーマンスを加えられたかを確認することになる」

    マクラーレン F1 マイアミグランプリで大幅アップグレード

    メルセデスとの差を縮めるための開発競争
    マクラーレンは現在、チームズ選手権で首位メルセデスから89ポイント差の3位につけている。ステラは、メルセデスとの差を認めつつ、フェラーリに対してもまだ回復すべき部分があると語った。

    「メルセデスを見ると、我々には取り戻すべきパフォーマンスがある。ある程度はフェラーリに対してもそうだ。ただ、裏側で進めてこられた開発についてはかなり満足している」

    「日本での最後のレースはすでにまずまず競争力のあるパフォーマンスだったことを考えると、マイアミ、そしてカナダでは、もう少し競争力のあるMCL40を見ることができるはずだ。だから、次のレースを間違いなく楽しみにしている」

    HPPとの連携改善でパワーユニット理解も前進
    マクラーレンは、新しい2026年型パワーユニットへの理解でも前進している。ステラは、メルセデスのハイパフォーマンス・パワートレインズ(HPP)との連携、そしてシミュレーションツールの共同開発が、開幕戦オーストラリア時点から大きく改善したと説明した。

    「HPPとの協力という意味でも、HPPと一緒にシミュレーションツールを開発するという意味でも、オーストラリアでの状況と比べて大きな前進を遂げた。だから、チームとして我々は今、はるかに準備が整っていると思う」

    「シーズン序盤には、カスタマーチームであることの自然な結果として、赤字が存在していた可能性がある。プログラミングが非常に押し込まれていたからで、パワーユニットの観点からもそうだった。それは問題なかったし、我々としても受け入れる準備ができていた。そしてHPPとともに非常に建設的に処理した」

    「だが、シーズンが進んだ今、このギャップは埋められたと思う。我々は、パワーユニットから最大限を引き出すために必要なすべてのツールを持っているはずだ」

    マクラーレンにとって、マイアミGPとカナダGPは単なるアップデート投入の場ではなく、MCL40が2026年F1の開発競争に本格的に加わる転機となる。メルセデスとの差をどこまで縮められるかは、北米2戦で投入される新仕様の完成度にかかっている。

  • F1マイアミGP FP1を90分に延長 2026年F1レギュレーション修正に対応

    F1マイアミGP FP1を90分に延長 2026年F1レギュレーション修正に対応

    FIA(国際自動車連盟)は2026年F1レギュレーションの修正を受け、F1マイアミGPの唯一のフリー走行となるFP1のセッション時間を延長すると発表した。

    スプリント開催週末のマイアミでは、通常であれば競争セッション前に使える走行時間は60分しかない。今回の変更は、パワーユニット関連の新たな運用修正に各チームが対応するための準備時間を確保する狙いがある。

    唯一のプラクティスを30分延長
    FIAはすべての関係者との協議を経て、金曜日のFP1を通常の60分から90分へ延長した。

    これにより、金曜日のFP1は現地時間12時00分から13時30分まで実施される。マイアミは今季2回目のスプリント開催週末となるため、競争セッションに入る前の走行機会が限られていたが、今回の措置によって各チームは新レギュレーションへの適応を進めるための追加時間を得ることになる。

    2026年F1レギュレーション修正への対応
    今回の延長措置は、月曜日に正式決定された2026年F1エンジンレギュレーションの各種修正を受けたものだ。

    開幕から数戦を経て、エネルギーマネジメントをめぐる挙動やレース中の予測しにくさが大きな議論となっていた。そうした状況を踏まえ、FIAは複数の重要会合を経て運用面の修正をまとめ、マイアミからの導入に向けてスケジュール面でも対応を進めた形だ。

    マイアミグランプリ F1レギュレーション

    アンドレア・ステラ「今ははるかに準備できている」
    限られた走行時間のなかで新規則に対応する難しさについて問われたマクラーレンのアンドレア・ステラは、シミュレーションの進歩に自信を示した。

    「マイアミでは、これまでシミュレーションで見てきたように、ある程度は新しいレギュレーションを適用した際のパワーユニットの挙動を予測できるはずだ」

    「同時に、オフラインのシミュレーションや、シミュレーター上でこのレギュレーションを走らせるだけで、あらゆる可能性のあるシナリオをカバーできるわけではない。だからこそ、起こり得るすべてのことを見越してかなり先回りして考える必要があるし、パワーユニットの使い方を最適なものにする必要がある」

    「しかし、現在のシミュレーションによって、ある程度まではそれを実現できるという自信がある。また、HPPと協力して取り組んできたこと、さらにはHPPと一緒にシミュレーションツールを開発してきたという点でも、オーストラリアの時点と比べて大きな前進を果たしたことは確認できる」

    ステラはそのうえで、シーズン序盤に存在したカスタマーチーム特有の不利は縮まりつつあるとの認識を示した。

    「だからチームとしては、今ははるかに準備ができていると思う。シーズン序盤には、パワーユニット側も含めてプログラミングが非常に追い込まれていたことの自然な結果として、カスタマーチームである我々に不利があったかもしれないし、それは受け入れる用意があったし、HPPと非常に建設的に対処してきた」

    「しかし、シーズンが進んだ今、その差は埋められたと思うし、パワーユニットから最大限を引き出すために必要なツールはすべて揃っているはずだ」

    マイアミが新規則運用の最初の試金石に
    マイアミのFP1延長は、単なるスケジュール調整ではなく、2026年F1レギュレーションの修正が現場にどれほど大きな影響を及ぼしているかを示す措置でもある。

    とりわけスプリント週末では、通常よりもセットアップと運用確認の余地が小さい。FIAがわざわざセッション時間を30分延ばしたことは、新ルール導入直後の初戦として、マイアミが各チームにとって極めて重要な検証の場になることを物語っている。

  • フェラーリF1 “半分が新車”級アップデート投入へ マイアミGPで反撃開始

    フェラーリF1 “半分が新車”級アップデート投入へ マイアミGPで反撃開始

    フェラーリF1は、2026年シーズン序盤で一定の競争力を示しながらも、メルセデスとの差を埋めきれていない状況にある。

    そのギャップを縮めるため、マイアミGPに向けて大規模アップデートを投入する可能性が浮上している。報道によれば、SF-26は“少なくとも半分が新仕様”とされるレベルの改修が予定されているという。

    SF-26は“半分が新車”規模のアップデートへ
    伊紙の報道によると、フェラーリはマイアミGP週末に向けて「少なくとも半分が改修されたマシン」を投入する見込みだ。

    具体的には、新型フロントウイングと“進化版”シャシーが導入されるとされており、これらのパーツはモンツァでのフィルミングデーで実戦投入前のテストが行われる予定となっている。

    今回のアップデートによって、ラップタイムでコンマ数秒の改善が見込まれており、フロント争いにおける巻き返しの鍵を握るパッケージとなる。

    スクーデリア・フェラーリ

    好スタートもメルセデスとの差は依然明確
    2025年に苦戦を強いられたフェラーリだが、2026年は開幕から安定したパフォーマンスを発揮している。

    シャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンはいずれも表彰台を獲得しており、SF-26はドライバーにとって扱いやすいマシンとなっている。

    しかし、開幕3戦を支配したキミ・アントネッリとジョージ・ラッセルを擁するメルセデスとの差は依然として大きく、現状では明確なベンチマークとして君臨している。

    マクラーレンとレッドブルも対抗策を準備
    マイアミGPではフェラーリだけでなく、他チームもアップデートを投入する見込みだ。

    マクラーレンはMCL40に複数の変更を加えるとされており、レッドブルはRB22の挙動を安定させるための“緊急パッケージ”に大きく賭けていると報じられている。

    各チームが巻き返しを図る中でも、メルセデスが当面の間は優位を維持するとの見方が強い。

    ハミルトンのレースエンジニア問題は未決着
    一方で、ルイス・ハミルトンのレースエンジニア体制については依然として最終決定に至っていない。

    現在はカルロ・サンティが担当しており、2025年シーズン後にリカルド・アダミが別職務へ異動した影響が続いている。

    セドリック・グロージャンの起用が有力視された時期もあったが、現時点では正式決定には至っていないとされる。

    シーズン序盤で好スタートを切ったハミルトンにとって、長期的な体制の確立はパフォーマンス維持の観点からも重要な要素となる。

    マイアミが勢力図変化の分岐点となるか
    フェラーリの大規模アップデートは、単なる性能向上にとどまらず、2026年シーズンの勢力図を左右する試金石となる。

    メルセデス優位の構図に揺さぶりをかけられるか、それとも差が維持されるのか。マイアミGPは各チームの開発力が初めて本格的にぶつかる局面となる。

    Source: Corriere della Sera

  • マイアミGPでF1レギュレーション修正導入も「第一歩」にとどまる見方

    マイアミGPでF1レギュレーション修正導入も「第一歩」にとどまる見方

    2026年F1レギュレーションを巡る議論が続く中、FIAは4月20日の会議を受けて複数の修正を正式決定した。導入はマイアミGPからで、エネルギーマネジメントと安全性の問題に対応する内容となる。

    シーズン開幕から指摘されてきた「極端な速度差」や「リフト・アンド・コーストの多発」といった課題に対し、一定の対策は講じられたが、パドックでは「抜本的解決には至らない」との見方が大勢を占めている。

    エネルギー管理と安全性に焦点を当てた修正
    今回の変更の柱となるのは、エネルギー運用に関する制限強化だ。

    最大エネルギー回生量の削減に加え、「スーパークリップ」のピーク出力は引き上げられた。一方でレース中のブースト使用には制限が設けられ、過度な速度差の発生を抑制する狙いがある。

    FIAは「スーパークリップの最大持続時間を1周あたり2〜4秒に制限する」ことを目標に掲げており、これにより極端な加速差の是正を図る。

    さらに、安全面ではスタート時の極端な低速走行を防ぐ自動システムが導入されるほか、ウエットコンディションに関する運用も見直される。

    FIAは今回の措置について、「過度な接近速度を抑えつつ、オーバーテイク機会とパフォーマンス特性を維持すること」が狙いだと説明している。

    「第一歩」に過ぎないとの冷静な評価
    こうした修正に対し、現場の反応は概ね肯定的ながらも慎重だ。

    Auto Motor und Sportのトビアス・グリューナーは「マイアミ前の調整は第一歩に過ぎない」と指摘する。

    「状況を大きく改善するには、内燃機関側の出力も引き上げる必要がある」とし、より踏み込んだ変更は2027年、あるいは2028年まで実現しない可能性に言及した。

    De Telegraafのエリック・ファン・ハーレンも影響は限定的との見方を示している。

    「現在導入されている小規模な変更では、彼の望みを満たすには至らない」とし、とりわけマックス・フェルスタッペンのような批判的立場のドライバーには不十分だと伝えた。

    F1レギュレーション マイアミグランプリ

    チーム側は評価も“さらなる改善”前提
    一方でチーム側は、今回の合意プロセス自体を前向きに評価している。

    ジェームス・ボウルズは「これは理にかなった変更であり、ここ数週間でチーム、FIA、F1が良い仕事をした結果だ」と述べた。

    「今年はすでに素晴らしいレースも見られているが、常に改善を追求するのは正しいことだ」と続けている。

    マクラーレンのアンドレア・ステラも、協調的な姿勢を強調した。

    「全員が示している責任感と協力の精神こそが、現時点でF1が示すべき最善の答えだ」

    ドライバー視点では方向性は一致
    技術的な方向性については、ドライバー側の提案とも一定の一致が見られる。

    ジョージ・ラッセルは以前からスーパークリップ出力の引き上げを「明確な解決策」として挙げていた。

    「これだけでもリフト・アンド・コーストを強いられる状況の多くは避けられるはずだ」

    今回の修正は確かに現状への対応としては前進だが、エネルギー依存構造そのものに手を入れない限り、根本的な問題は残る。マイアミでの実走データが、その“第一歩”の実効性を測る試金石となる。

  • フェラーリF1の“静寂”に違和感 マイアミGPが転換点となる可能性

    フェラーリF1の“静寂”に違和感 マイアミGPが転換点となる可能性

    2026年シーズン序盤、メルセデスが明確な優位を築くなか、フェラーリは安定して2番手の位置につけている。その状況について、元F1ドライバーのフランク・モンタニーは、フェラーリの内部に漂う「異様な落ち着き」に注目し、マイアミGPに向けて何らかの仕掛けを準備している可能性を指摘した。

    フレデリック・バスール代表も、シーズンの流れがマイアミ以降に変わる可能性を示唆しており、表面上のパフォーマンス以上に、チーム内部の状態が今後の勢力図を左右する要素として浮上している。

    フェラーリに漂う“これまでにない静けさ”
    モンタニーが最も強調したのは、純粋な速さではなく、マラネロ内部の空気感だった。

    「今年のフェラーリは“落ち着き”そのものだ。コース上の戦いでも、開発の変化についても同じで、それが機能しようがしまいが気にしていない」

    「ドライバーたちは前向きで、状況を理解していて、冷静だ。プロセスを信じている。僕にとって、疑念をまったく見せていない唯一のチームだ」

    「だからこそ唯一、僕が気にしているチームでもある。彼らは他のチームがまだ理解していない何かを掴んでいるのではないか?」

    過去10年で異例の安定感が意味するもの
    モンタニーはさらに、ここまでの3戦におけるコメント内容にも注目する。

    「最初の3戦で、彼らの発言に一度も不協和音がなかった。ここ10年で、これほど落ち着いたフェラーリを感じたのは初めてだ」

    常に期待とプレッシャーが交錯してきたフェラーリにとって、この一貫した姿勢は異例だ。それは単なる雰囲気の変化ではなく、チームとしての確信の表れである可能性もある。

    鍵を握るADUO マイアミで勢力図は動くのか
    そして、もうひとつの重要な要素がADUOの存在だ。

    このメカニズムは、パフォーマンスで劣るパワーユニットメーカーに開発面での優遇を与えるもので、フェラーリにとってはメルセデスとの差を縮めるチャンスと見られている。現在のフェラーリの弱点はパワー面にあると広く認識されており、ADUOが発動されれば状況が一変する可能性もある。

    マイアミGPは、単なる1戦ではなく“新たな選手権の始まり”になる可能性があると指摘される中で、フェラーリの静かな自信がどこまで現実のパフォーマンスとして表れるのかが注目される。

    Source: GMM

  • F1マイアミGPから何が変わる?スーパークリッピング短縮と出力制限

    F1マイアミGPから何が変わる?スーパークリッピング短縮と出力制限

    マイアミGPからF1は明確に“走り方”が変わる。予選ではフルスロットルで走れない原因となっていたスーパークリッピングが短縮され、決勝では急激な加速差を生んでいたブースト出力が制限される。さらにスタート時の自動加速補助や、ウェット時の制御見直しも導入される。

    今回のレギュレーション調整は、2026年マシンで問題となっていた「走りにくさ」と「危険な速度差」に直接手を入れるものだ。

    ドライバーの負担を減らしつつ、極端だったエネルギーマネジメントの影響を抑えることで、より一貫したレースに近づける狙いがある。

    ひと目で分かる変更ポイント
    ■ 予選
    スーパークリッピング短縮
    → フルスロットルで走れる区間を増やすため

    ■ 決勝
    ブースト出力制限
    → 急激な速度差を抑えるため

    ■ スタート
    自動加速補助の導入
    → 出遅れによる接触リスクを減らすため

    ■ ウェット
    グリップと視認性の改善
    → 低グリップ時の安定性を高めるため

    予選:ドライバーの負担がどう変わるか
    スーパークリッピングの持続時間が短縮され、最大回生量も削減される。
    → エネルギーを溜めるための減速走行が減り、より自然な走行に近づく。

    ピーク出力が引き上げられる。
    → 再充電にかかる時間が短縮され、エネルギーマネジメントの負担が軽減される。

    決勝:オーバーテイクはどう変わるか
    ブースト出力が制限される。
    → 一瞬で差が開く状況を抑え、追い抜きの安定性を高める。

    MGU-K出力に区間制限が設けられる。
    → 特定区間だけ極端に速くなる挙動を抑制する。

    スタート:なぜ新システムが必要なのか
    加速の遅い車両を検知し、自動的に加速を補助する仕組みが導入される。
    → ターボ特性の違いによる速度差が接触リスクを生んでいたため。

    視覚警告システムが追加される。
    → 後続ドライバーに状況を即時に伝えるため。

    ウェット:何が改善されるのか
    タイヤ温度が引き上げられる。
    → 初期グリップ不足を改善し、スリップを抑えるため。

    ERS出力が制限される。
    → トルクを抑え、低グリップ時のコントロール性を高めるため。

    リアライト表示が簡素化される。
    → 視認性を高め、後続車の反応を早めるため。

    マイアミグランプリ F1レギュレーション

    今回の変更でレースはどう変わるのか
    今回の変更はレギュレーションの方向性を変えるものではないが、エネルギーマネジメントに偏りすぎた現状を修正する内容となっている。

    フルスロットルで走れない場面や、予測しづらい速度差といった問題に対して直接的に手が入ったことで、ドライバーの操作負担と安全性の両面で改善が期待される。

    関連:2026年F1レギュレーションの改訂案が合意 マイアミGPから新規則導入へ

  • 2026年F1レギュレーションの改訂案が合意 マイアミGPから新規則導入へ

    2026年F1レギュレーションの改訂案が合意 マイアミGPから新規則導入へ

    F1は、物議を醸している2026年型マシンに関する懸念に対処するため、5月3日のマイアミGPを前に一連のルール調整に合意した。

    2026年シーズンに導入された大規模なレギュレーション変更――内燃機関と電動パワーがほぼ50対50となる新しいV6ハイブリッドエンジンへの移行――は、エネルギーマネジメントへの依存度を大きく高め、その結果として多くの問題と新たなドライビングスタイルを生み出した。この状況は、多くのドライバーやファンにとって歓迎されるものではなかった。

    月曜日、F1チームはシリーズCEOのステファノ・ドメニカリおよび統括団体FIAの主要関係者と会合を開き、こうした懸念への対応とマイアミGPに向けた変更について協議した。

    また、ドライバーたちも今月に入りF1およびFIAと継続的にコミュニケーションを取っていた。

    月曜日夕方、FIAは包括的な変更リストを発表し、これらはマイアミGPから施行される予定である。ただしF1側は、この変更があくまで現行レギュレーションを支持した上での「小規模な調整」に過ぎないと非公式に強調している。

    なお、2027年シーズンに向けてより抜本的な変更が行われるかどうかは、現時点では不明である。

    FIAの声明は次のように述べている。

    「本日の会議で提示された最終提案は、ここ数週間にわたりFIA、技術代表者、そしてF1ドライバーからの広範な意見を反映した一連の協議の結果である」

    「調整の可能性に関する議論は、2026年シーズン最初の3戦(オーストラリア、中国、日本)から収集されたデータに基づいて行われた」

    今回の改訂は、FIA、チーム代表、パワーユニットメーカーのCEO、FOMによるオンライン会議で合意されたものであり、レーススタートに関する変更を除き、マイアミGPから導入される。スタート関連の変更については、マイアミでテストされた後、フィードバックと分析を経て正式採用される予定である。

    新世代マシンへの不満と安全性への懸念
    現世界王者ランド・ノリスは、新しいマシンが自身や同世代のドライバーが思い描いてきたF1の姿とは異なると語っている。

    4度の世界王者マックス・フェルスタッペンは、このマシンを「アンチレーシング」と批判し、「マリオカートのようだ」「過激化したフォーミュラEのようだ」と表現した。

    フェルスタッペンはまた、この新世代マシンへの不満を理由に、F1からの離脱も示唆している。

    問題は単一領域に留まらず、週末のあらゆる側面に及んでいる。

    予選では極端なエネルギーマネジメントが必要とされ、従来は全開で通過していたコーナーでもリフト・アンド・コーストを強いられるケースが発生している。

    さらに、新たに「スーパークリッピング」という現象も生まれた。これは、エネルギーがエンジンではなくバッテリーに回されることで、アクセル全開にもかかわらず最高速が低下する状態を指す。

    安全面でも懸念が浮上している。日本GPではオリバー・ベアマンがフランコ・コラピントに高速で接近し、接触寸前となる事例が発生した。

    各チームおよびメーカーは独自の戦略とソフトウェアでエネルギー配分を行っており、パワーブーストが発動する位置が統一されていないことも問題を複雑化させている。

    この件について、グランプリドライバーズアソシエーション会長カルロス・サインツは、ドライバーの警告を無視しているとしてF1とFIAを批判した。

    一方で、すべてのドライバーが新ルールに反対しているわけではなく、ルイス・ハミルトンはこれを「これまでのキャリアで最も純粋なホイール・トゥ・ホイールのレース」と評価している。

    また、スタート時の問題も指摘されている。ターボ設計の違いにより、フェラーリが非常に速いスタートを見せる一方で他メーカーは遅れ、速度差による接触リスクが懸念されている。

    さらにウェットコンディションにおける性能と安全性についても、多くの懸念が寄せられている。

    F1レギュレーション 国際自動車連盟

    以下はFIAが発表したルール変更の詳細である。

    予選:パフォーマンス重視への調整
    エネルギーマネジメントに関するパラメータが調整され、最大回生量は8MJから7MJへと削減される。これは過度なエネルギー回収を抑制し、より安定したフルスロットル走行を促すことを目的としている。この変更により、スーパークラッピングの最大持続時間は1周あたり約2〜4秒に短縮される見込みだ。

    また、スーパークラッピング時のピーク出力は従来の250kWから350kWへ引き上げられ、再充電に費やす時間の短縮と、ドライバーのエネルギーマネジメント負担軽減が図られる。この仕様は決勝でも適用される。

    さらに、低エネルギー制限を適用可能なイベント数は8戦から12戦へ拡大され、サーキット特性に応じた柔軟な対応が可能となる。

    決勝:安全性とパフォーマンスの一貫性向上
    決勝におけるブースト出力は最大+150kWに制限される(もしくは発動時点の車両出力がそれを上回る場合はその値)。これにより、突発的なパフォーマンス差の発生が抑えられる。

    MGU-Kの出力は、コーナー出口からブレーキングポイントまでの加速区間(オーバーテイクゾーンを含む)では350kWを維持する一方、それ以外の区間では250kWに制限される。

    これらの措置は、過度な接近速度の発生を抑制しつつ、オーバーテイク機会と全体的なパフォーマンス特性を維持することを狙いとしている。

    レーススタート:安全性向上の新機構
    新たに「低出力スタート検知システム」が開発された。このシステムはクラッチリリース直後の加速を監視し、異常に加速が遅い車両を検知する。

    その場合、自動的にMGU-Kの展開が作動し、最低限の加速を確保することでスタート時のリスクを低減する。この機構は競技上の優位性を与えない設計となっている。

    加えて、該当車両には後方および側面の点滅ライトによる視覚警告が作動し、後続車への注意喚起が行われる。

    また、フォーメーションラップ開始時にエネルギーカウンターをリセットする措置も導入され、従来指摘されていたシステム上の不整合が修正される。

    なお、これらスタート関連の変更はマイアミGPでテストされ、フィードバックと分析を経て正式導入される予定となっている。

    ウェットコンディション:視認性と安全性の改善
    インターミディエイトタイヤのブランケット温度が引き上げられ、ウェット時の初期グリップおよびタイヤ性能の向上が図られる。

    最大ERS出力は制限され、トルクを抑制することで低グリップ状況での車両コントロール性が改善される。

    さらにリアライトシステムは簡素化され、より明確で一貫性のある視覚情報を提供することで、悪条件下での後続ドライバーの認識と反応時間の向上を狙う。

    導入に向けた最終プロセス
    これらの最終提案は、FIA世界モータースポーツ評議会による電子投票に付され、正式承認を経て導入される予定だ。

  • アストンマーティンF1 AMR26のマイアミ進化版に冷静姿勢「通常の進化」

    アストンマーティンF1 AMR26のマイアミ進化版に冷静姿勢「通常の進化」

    アストンマーティンF1は、2026年F1マイアミGPでAMR26に進化版を投入する予定だが、その内容は開幕からの苦戦を一変させるような“大型アップデート”ではないようだ。チームのアンバサダーを務めるペドロ・デ・ラ・ロサは、4月の中断期間があっても開発計画を大きく変えることはなく、もともと予定されていた範囲の改良にとどまると説明した。

    バーレーンGPとサウジアラビアGPの中止によって、苦戦するチームが一気に巻き返す好機とみる向きもあったが、アストンマーティンの現状はそれほど単純ではない。

    ホンダPUの振動問題をはじめ、マシン全体に複数の課題を抱えるなかで、まず優先されているのは戦闘力の急上昇ではなく、ドライバーが安定して走り切れるだけの信頼性確保だ。

    マイアミの進化版は“新しい始まり”ではない
    アストンマーティンとホンダは、今季序盤に露呈した問題の深刻さを認識しており、短期間で一気に解決できるものではないと見ている。そのため、マイアミGPでもフェルナンド・アロンソとランス・ストロールを取り巻く状況は劇的には変わらない見通しだ。

    デ・ラ・ロサは「マイアミで僕たちがどこにいるかを見ることになるが、このスポーツに秘密はない」と語った。

    「新しい始まりなどない。F1に新しい始まりはなく、あるのは絶え間ない開発だけだ。開発して改善するのは自分たちだけではなく、ほかも同じだ」

    さらにデ・ラ・ロサは、今回の投入物について過度な期待を戒めた。

    「これは通常の進化であり、中断前から計画していたものだ。とくにドライバーが余裕を持ってレースを完走できるよう、信頼性を改善することが中心になる」

    焦点は性能向上よりも信頼性改善
    アストンマーティンAMR26の置かれた状況は深刻で、ホンダ製パワーユニットを搭載するこのマシンは、さまざまな分野で問題を抱えている。デ・ラ・ロサの説明からも、現段階では一発のアップグレードで競争力を取り戻すというより、まず正常な走行を確保することが重要課題であることがうかがえる。

    依然として最大のテーマは振動の解消だ。これが改善されなければ、アロンソとストロールが正常に周回を重ねることすら難しくなるため、マイアミでの進化版も、まずはその土台を整える内容になる。

    記事中では、デ・ラ・ロサの言葉として次の一文も紹介されている。

    「エイドリアンは、ほかの者が考えるだけのことを口にできるが、ほかの者が想像するだけのことを実行することもできる」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    今季中の巻き返しは諦めていない
    一方で、アストンマーティン側は2026年シーズンを捨てたわけではない。デ・ラ・ロサは、最終的には今季中に競争力のあるマシンへ近づけたい考えを示しつつ、その実現が簡単ではないことも認めている。

    「僕たちはそのために戦う。誰にもそうでないとは思ってほしくない。ただ、僕はコース上で示したいのであって、話したり約束したりはしたくない。ファンに値するのは事実であり、僕たちはそこに取り組んでいる」

    「僕たちが首位から大きく離されているのは事実だ。だからこそ、この先数か月の進化は重要なものにならなければならない」

    開幕から期待を大きく下回る内容となっているだけに、ファンの失望は小さくない。だがデ・ラ・ロサは、その感情をチームも共有していると強調した。

    「そのフラストレーションは理解しているし、僕自身も感じている」

    「ファンのフラストレーションは、チーム全体のフラストレーションでもある。僕たちがそれを別の受け止め方をしているなどとは誰にも思ってほしくない。歯を食いしばって、ほかよりももっと多く、もっと良い仕事をし、このシーズン序盤の苦い感覚を振り払わなければならない」

    そして、いたずらに期待を煽るつもりはないと繰り返した。

    「僕がしたくないのは、間違った希望を生み出すことだ。約束できるのは仕事だけだ。そこから先は、僕たちがほかより多く、より良い仕事をしたかどうかをレースが示すことになる。だが、たくさんの仕事をすることは約束する」

    危機脱出の鍵として挙げた2人の存在
    厳しい状況を立て直すには、強いリーダーシップが欠かせない。デ・ラ・ロサは、アストンマーティンにはそれを担う存在がいると語り、そのうちのひとりとしてフェルナンド・アロンソの名前を挙げた。

    「彼は贅沢な存在であり、インスピレーションの源だ」

    「僕たちは難しい状況にあるが、フェルナンドは支えてくれているし、もっと働く必要があるなら力を貸してくれる。そして非常に強い意欲を持っている。失望しているフェルナンドではなく、ただ『働かなければならないし、僕はここにいる』という姿勢だ。それこそが偉大なリーダーであるということだ」

    マイアミで投入されるAMR26の進化版は、アストンマーティンを一気に上位争いへ戻す切り札にはならないかもしれない。それでも、デ・ラ・ロサの発言からは、現実を直視しながらも、今季の立て直しを諦めていないチームの姿勢がにじんでいる。

  • ピレリF1 マイアミ&カナダで最も柔らかいタイヤ選択 C3〜C5を投入

    ピレリF1 マイアミ&カナダで最も柔らかいタイヤ選択 C3〜C5を投入

    F1は中東ラウンド中止による約5週間の中断期間を経て、5月のマイアミGPでシーズンを再開する。これに向けてピレリは、マイアミおよびカナダGPで使用するタイヤコンパウンドを発表し、両戦で最も柔らかいレンジを採用することを明らかにした。

    選択されたのはC3・C4・C5の3種類で、それぞれハード、ミディアム、ソフトとして運用される。2026年シーズンにおけるタイヤ戦略の方向性とともに、各サーキット特性に合わせた狙いが浮かび上がっている。

    マイアミとモントリオールで共通する“ソフトレンジ”の意図
    ピレリは、マイアミ・インターナショナル・オートドロームおよびモントリオール市街地サーキットの両方で、最も柔らかいコンパウンドであるC3〜C5を投入する。

    マイアミは路面が非常に滑らかで摩耗が少ない特性を持ち、高温環境による熱的デグラデーションが支配的となる。一方で、過去の傾向ではタイヤの劣化は比較的抑えられており、スティント序盤にはドライバーが制限なくプッシュできることで、コース上でのバトル増加につながっていた。

    こうした背景から、ピレリは今回もソフトレンジを採用することで、グリップレベルを最大化しつつレース序盤の攻防を活性化させる狙いを持っている。

    カナダは低摩耗+強い減速ゾーンへの対応
    続くカナダGPでも同様にC3〜C5が使用されるが、その理由はやや異なる。

    モントリオールのジル・ヴィルヌーヴ・サーキットは、路面の粗さが小さく摩耗が少ない一方で、強いブレーキングを伴う減速ゾーンが多い。ピレリは「強い減速が求められる区間で十分なグリップを確保するため」として、ソフト寄りの選択を行ったとしている。

    また、開催時期が前年より前倒しされていることもあり、天候の変動が戦略に与える影響も無視できない要素となる。

    C6消滅と戦略傾向の変化
    2025年シーズンにはカナダGPでC6タイヤが投入されていたが、このコンパウンドはシーズン終了とともにラインナップから外された。

    当時は理論上ソフトとして位置付けられていたC6が戦略上ほとんど使用されず、実質的にはハードとミディアムによる2ストップ戦略が主流となっていた。今回のC3〜C5構成は、その反省も踏まえた現実的な選択といえる。

    再開初戦から“戦えるタイヤ”を重視
    シーズン再開直後の2連戦において、ピレリはあえて攻めたコンパウンド選択を行った。

    滑らかな路面と低摩耗特性を持つ2つのサーキットに対し、グリップ重視のタイヤを投入することで、レース展開の活性化を狙う意図は明確だ。中断明けのリスタートという文脈も含め、序盤からの激しいバトルと戦略の多様化が期待される。

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