カテゴリー: F1マイアミGP

  • FIA F1新スタート補助を説明「悪いスタートは改善も“有利にはならない”」

    FIA F1新スタート補助を説明「悪いスタートは改善も“有利にはならない”」

    2026年F1のパワーユニット規則修正にあわせて、FIA(国際自動車連盟)は新たなスタート時の安全対策をマイアミGPで試験する。発進直後に加速が極端に遅いマシンに対し、MGU-Kによる補助を一時的に与える仕組みだ。

    目的は順位争いではなく、スタート直後の速度差によって生じる危険を抑えることにある。

    FIAシングルシーター部門ディレクターのニコラス・トンバジスは、このシステムが「ひどいスタートを悪いスタートに変える」ものであり、「悪いスタートを良いスタートに変える」ものではないと強調した。

    マイアミでは実戦投入せず、練習スタートで検証
    新システムは、マイアミGPのフリー走行中に行われる練習スタートでのみ試験される。スプリントや決勝の本番スタートでは使用されない。

    トンバジスは、発進後のごく短い時間でマシンがどれだけ加速しているかを検知し、一定のしきい値を下回った場合に補助が作動すると説明した。

    「基本的には、スタート後の短い時間が経過した段階で、マシンがどれだけうまく加速しているかを検知する」

    「それが一定のしきい値を下回った場合に作動する。参考までに言うと、今年これが介入していたのは全体で2、3回だったと思う。たとえば中国でのフェルスタッペンの悪いスタートには介入していなかったと思う」

    「オーストラリアでのリアム・ローソンのスタートには間違いなく介入していただろう。中国でのフェルスタッペンのスタートは、その介入しきい値には入っていなかったと思う」

    「意図的に使う」余地を排除する設計
    FIAが強調しているのは、この補助がスポーツ上の利益を生むものではないという点だ。補助を受けたドライバーは、結果的に失う順位を減らせる可能性はある。しかし、それでもFIAは意図的に利用するメリットはないと見ている。

    「まず明確にしたのは、これは人々が意図的にそれをやろうと誘惑されるような仕組みではないということだ。つまり、それでより良い結果を得られるようなものではない」

    「これが変えるのは、壊滅的なスタートを悪いスタートにすることだ。悪いスタートを良いスタートに変えるものではない」

    当初、FIAは補助が作動したマシンに対して1周目終了時のドライブスルーペナルティを科す案も検討していた。意図的な利用を完全に防ぐためだった。

    「最初にこの選択肢をチームと議論したとき、我々はこのメカニズムがどのマシンに作動した場合でも、1周目の終わりにドライブスルーを行わなければならないと提案した。あらゆる小細工を完全に思いとどまらせるためだ」

    「全チームの一致した立場は、そのような状況にあるとき、すでに自分たちのコントロールを外れ、間違いなく悪い状態にあるというものだった。したがって、それは必要ないということだった。我々はそれを受け入れた」

    「しかし、何らかの理由で我々が見落としていて、人々がそれを優位性のために使い始めた場合には、もちろん介入する。ただ、我々はそうは考えていない」

    スタート時の速度差対策として導入へ
    この仕組みは、2026年F1マシンの新しいパワーユニット特性によって、発進直後や加速局面で大きな速度差が生じる懸念を受けたものだ。FIAはマイアミでの練習スタートに加え、スプリントと決勝の実際のスタートも監視し、作動した場合に何が起きていたかを検証する。

    「実際のスタートを監視し、何が起きていたかを見ることになる。ただ、これらのレースのフリー走行ではいくつかのスタートが行われる」

    「我々はこれを行うと決めたが、レーススタートで導入する前に、もう少し試験走行を行いたい。したがって、マイアミのレーススタートでは使用できない」

    FIAは、新システムを即時導入するのではなく、まずマイアミでの検証を通じて安全性と公平性の両面を確認する方針だ。2026年F1の新レギュレーションではエネルギー管理をめぐる課題が続いており、今回のスタート補助も、競技性を変えるためではなく、極端な発進失敗が引き起こす危険を抑えるための限定的な安全装置として位置づけられている。

  • ホンダF1 マイアミGP展望 振動対策に進展も「大きな飛躍は期待せず」

    ホンダF1 マイアミGP展望 振動対策に進展も「大きな飛躍は期待せず」

    ホンダF1のトラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアである折原伸太郎が、2026年F1第4戦マイアミGPを前にアストンマーティンの現状と今週末に向けた見通しについて言及した。

    2026年F1第4戦マイアミGPは、アメリカ・フロリダ州マイアミのマイアミ・インターナショナル・オートドロームで現地時間5月1日(金)に開幕する。初日はフリー走行1とスプリント予選、2日(土)にスプリント決勝と公式予選、3日(日)に決勝レースが行われる。

    振動問題と信頼性の課題に苦しむAMR26は、ここまでの開幕4戦で中国GPのスプリントを含めて完走はわずか1回にとどまっている。

    日本GP以降の約4週間、ホンダとアストンマーティンは問題解決に向けて開発を進めてきたが、折原はマイアミGPで即座にパフォーマンス向上が表れる可能性については慎重な姿勢を示した。振動低減に向けた対策は強化されているものの、短期的に目に見える改善が現れる可能性は高くないとの見方だ。

    約4週間の開発で進展も“即効性なし”の現実
    折原は、日本GP後のインターバルについて、開発面では一定の前進があったと説明する。

    「日本GP以降、レースのない長いインターバルとなりましたが、その約4週間は非常に充実した時間になりました。日本とイギリスで、アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラワンチームと緊密に連携しながら多くの作業を進めてきました。」

    「日本GPでは、我々の取り組みが正しい方向に進んでいると確認でき、今後も前進し続けるための大きなモチベーションとなりました。」

    さらに、実機を用いた検証として、鈴鹿で走行したAMR26の1台をさくらの施設に残し、振動低減と信頼性向上に向けた静的テストを実施した。

    「その後、鈴鹿でレースを走行したAMR26のうち1台を初めてSakuraに残し、振動の低減と信頼性の向上を目的に、静的テストを行い、一定の進歩が見られました。」

    「これにより、マイアミおよび今後のシーズンに向けて追加の対策を投入できる見込みです。ただし、この進展がパワーユニットのパフォーマンスに目に見える形で影響することはないため、ここでの大きな飛躍は期待しないほうが現実的です。」

    ホンダ / ホンダ・レーシング

    低速コーナー主体のマイアミが突きつける課題
    マイアミ・インターナショナル・オートドロームは、2026年シーズンの中でも特徴的なレイアウトを持つサーキットのひとつだ。

    「マイアミは、2026年カレンダーの中で、初めて低速コーナーが多く登場するサーキットです。2つの長い全開区間と、複数の低速コーナーを併せ持つユニークなレイアウトで、マシンセッティングの最適解を見つけるうえで非常に興味深いコースです。」

    特に重要となるのが、低速域でのドライバビリティとエネルギーマネジメントだ。

    「PUの観点では、低速区間でのドライバビリティが重要になるため、このセクターにおけるエネルギーマネジメントの最適化が、パフォーマンス最大化の大きな鍵となります。また、この区間でのエネルギーロスをいかに削減するかも重要なポイントです。」

    高温条件とスプリント週末が試す総合力
    さらに、マイアミは今季初の高温条件でのレース週末となる。

    「加えて、マイアミは今シーズン最初の高温条件での週末でもあります。新レギュレーションの下でPUの温度を適切に管理することも不可欠です。」

    加えて、スプリントフォーマットによる準備時間の制約も大きな要素となる。

    「今週はスプリントレースも実施されるため、フリー走行は90分間のFP1のみです。限られた時間で、スプリント予選に向けて新レギュレーション下におけるすべてのデータ設定を最適化し、かつ最適な冷却仕様を決定する必要があるため、FP1はより中身の濃いセッションになると考えています。」

    限られた走行時間、低速主体のコース特性、そして高温環境という複数の要素が重なるマイアミGPは、単なる第4戦にとどまらず、各チームの総合力が問われる週末となる。

  • キャデラックF1 マイアミGPで星条旗リバリー披露 初の母国レース仕様

    キャデラックF1 マイアミGPで星条旗リバリー披露 初の母国レース仕様

    キャデラックF1チームは、今週末に行われるF1マイアミGPに向けて、特別リバリーを発表した。

    F1の新規参戦チームであるキャデラックにとって、マイアミGPはアメリカ本土で迎える初のレースとなる。バルテリ・ボッタスとセルジオ・ペレスがドライブするMAC-26には大型アップグレードパッケージが投入され、さらに星条旗をモチーフにした新デザインが施される。

    全50州を星で表現した“ホームレース仕様”
    今回の特別リバリーでは、アメリカ合衆国の全50州をそれぞれ1つの星で表現。星条旗を象徴する赤、白、青のカラーもリアウイングに取り入れられる。

    ドライバーのレーシングスーツにも、アメリカらしさを控えめな誇りとともに織り込んだ表現が加えられる。

    キャデラックF1チームのチーフ・ブランド・アドバイザーを務めるキャシディ・トーリスは、今回の特別リバリーについて次のようにコメントした。

    「キャデラック・フォーミュラ1チームのマイアミGP特別リバリーは自然な延長線上にあるもので、過度に主張することなく語りかけるものだ。意図的で、自信に満ちている」

    「これは我々にとって初めてのホームレースであり、ファンがこれまで知ってきたものとして認識できることが重要だった。初めてコース上で目にする観客の反応が待ちきれない。ホームに勝る場所はない」

    キャデラックにとってマイアミGPは、単なる特別カラーの投入にとどまらない。アメリカ発のF1チームとして、母国ファンの前でブランドの存在感を示す最初の舞台となる。

    新リバリーとアップグレードをまとったMAC-26が、ホームレースでどこまで競争力を示せるかが注目される。

  • ホンダF1 さくらで“24時間開発”続行 マイアミGPへ総力対応

    ホンダF1 さくらで“24時間開発”続行 マイアミGPへ総力対応

    ホンダF1が、日本GP後も開発の手を緩めていない。ホンダ・レーシング(HRC)とアストンマーティンは、日本のさくら研究所で連携し、問題解決に向けた対策作業を継続している。

    次戦マイアミGPを前に、現状の改善には時間がかかることを認めつつも、現場は“24時間体制”で開発を進めている。ホンダ側の技術責任者がその舞台裏を明かした。

    さくらで続く“24時間体制”の対策開発
    ホンダF1 トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアの折原伸太郎は、現在の開発状況について次のように説明した。

    「みなさんご存知の通り、バーレーンGPとサウジアラビアGPは延期となりましたが、それでも作業が止まったわけではありません」

    「日本GPの後、アストンマーティン・アラムコF1チームのメンバーとホンダ・レーシングは、日本のさくらにあるHRC研究開発センターで共同作業を続けています」

    「東京から約3時間の場所にあるこの施設で、私たちは対策強化に向けて24時間体制で取り組んでいます」

    ホンダ(本田技研工業) メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    改善には時間も マイアミGPへ継続対応
    折原伸太郎は、現状の課題が短期で解決するものではないとしながらも、チームとしての取り組み姿勢を強調した。

    「この問題の解決には時間がかかることは理解していますが、私たちは引き続き協力して懸命に取り組んでいきます」

    「次のF1レースであるマイアミでお会いしましょう。2回目のスプリントウィークエンドとなる“サンシャインステート”でお会いできるのを楽しみにしています。ではまた」

  • フェラーリF1 マイアミGPで最大アップデートの可能性 マクラーレンと開発戦争

    フェラーリF1 マイアミGPで最大アップデートの可能性 マクラーレンと開発戦争

    スクーデリア・フェラーリは2026年F1マイアミGPに向けて大規模なアップデート投入が見込まれており、マクラーレンとの開発競争の行方に注目が集まっている。

    現時点ではマクラーレンの新パッケージに注目が集まっているが、フェラーリこそが最大のサプライズを持ち込む可能性があるとの見方も浮上している。

    マクラーレン主導の“アップグレード戦争”
    マクラーレンはマイアミとカナダの2戦にかけて、実質的にマシン全体を刷新する大規模アップデートを投入する計画を明らかにしている。

    この動きにより、フェラーリとの直接対決は“アップグレード勝負”になるとの見方が強まっている。

    ジョリオン・パーマーはF1ネーションのポッドキャストで次のように語った。

    「最低でも3番手だろう。現時点で後続との差はかなり大きい」

    「問題は、マクラーレンのアップデートがどれだけ優れているか、そしてフェラーリのパッケージと比べてどうかだ」

    「マイアミに向けて、両者は完全にアップグレード勝負の状況にある」

    フェラーリの“革新トレンド”が鍵
    一方で、フェラーリは今季ここまで最も革新的な開発を見せてきたチームのひとつとされている。

    プレシーズンテストでは“逆さリアウイング”という大胆なコンセプトを投入し、このアイデアはすでに他チームにも波及。レッドブルも類似のコンセプトを発展させている。

    こうした流れを踏まえ、ジェームズ・ヒンチクリフはフェラーリのポテンシャルに注目する。

    「フェラーリはプレシーズンから開幕数戦にかけて、かなり面白い革新を見せてきたチームだ」

    「もしかすると、僕たちは彼らを少し過小評価しているのかもしれない」

    「実際には、最も大きく、最も印象的なアップデートを持ち込むチームになる可能性がある。今年はこれまでそういう傾向があったからね」

    マイアミで勢力図は動くのか
    マクラーレンが注目を集める一方で、フェラーリが“最大の一手”を用意している可能性は十分にある。

    アップデートの成否次第では、両チームのパフォーマンス差だけでなく、今後のタイトル争いの構図にも影響を与える重要な分岐点となる。

  • ホンダF1に逆風?2026年F1レギュレーション修正で不利拡大の可能性

    ホンダF1に逆風?2026年F1レギュレーション修正で不利拡大の可能性

    2026年F1レギュレーションに対する不満を受け、FIAはマイアミGPからエネルギーマネジメントに関する重要な修正を導入する。スーパークリッピング時間の短縮や回生レートの引き上げなど、これまで問題視されてきた“奇妙な減速”や速度差の是正を狙った措置だ。

    しかし、この変更はすべてのメーカーにとって同じ意味を持つわけではない。特にパワーユニット性能に依存する回生領域では差が顕在化する可能性があり、ホンダにとってはむしろ不利が拡大するとの見方も出ている。

    マイアミで導入される主な変更点
    スーパークリッピング(エネルギー回収)時間は1周あたり2〜4秒に短縮され、ピーク回生レートは250kWから350kWへと引き上げられる。また、バッテリー上限は8MJから7MJへ引き下げられた。

    これらの変更は、これまで問題視されてきたリフト・アンド・コーストの頻発や、速度差の拡大といった課題の軽減を目的としている。

    ホンダにとっての懸念点
    一方で、この「350kW回生」という変更がすべてのメーカーにとって有利とは限らない。

    ベテランジャーナリストのマーク・ヒューズは、Motor Sport Magazineのポッドキャストで次のように指摘している。

    「すべてはリアアクスルの逆トルク低減に関係していて、それが回生の速さを決める。だからホンダにとっては、さらに不利になる可能性がある」

    新レギュレーションではMGU-Hが廃止されており、回生とエネルギー制御の負担はMGU-Kに集中している。これにより、ターボラグ補填や出力制御も同時に担う必要がある。

    その中で、内燃エンジン(ICE)の性能が重要な鍵となる。

    ICE性能差が生む影響
    現在、ホンダのICEはメルセデス勢と比較して出力面で劣ると見られている。

    出力が低いエンジンは、回生に使えるエネルギーも限られる。その結果、350kWという高い回生レートに到達するまでに時間がかかる、あるいは維持できない可能性がある。

    つまり、同じバッテリー量を充電するために、より長いスーパークリッピング時間が必要となる可能性がある。

    これは本来「短縮」を狙った規則変更の意図と逆行する。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    勢力図への影響とメルセデス優位の可能性
    この変更は、結果として各メーカーに異なる影響を与える。

    メルセデスのように高出力ICEを持つ陣営は、350kWで効率的に回生できるため、短時間でバッテリーを充填できる。一方でホンダや、トルクに余裕のないメーカーは同じ恩恵を受けられない可能性がある。

    つまり、今回の調整は“中立的な修正”ではなく、勢力図を動かす要因になり得る。

    それでも一定の改善は期待される
    ただし、すべての変更が偏った影響をもたらすわけではない。

    バッテリー容量の削減(8MJ→7MJ)や、エネルギー展開制御の見直しは、メーカーを問わずリフト・アンド・コーストの減少に寄与する見込みだ。

    また、ブースト制限の調整も、鈴鹿でのオリバー・ベアマンのクラッシュのような危険な速度差の抑制を狙ったものだ。

    結果として、今回の規則変更は一定の改善をもたらしつつも、その中核である「回生レート引き上げ」は、チーム間の格差を広げる可能性を孕んでいる。実際の影響は、マイアミでの走行を経て初めて明らかになることになる。

  • フェラーリF1 マイアミGPで“完成形”投入へ 2026年マシンの真価解放

    フェラーリF1 マイアミGPで“完成形”投入へ 2026年マシンの真価解放

    スクーデリア・フェラーリは2026年F1マシンの「完成形」を、次戦マイアミGPで初めて本格投入する見通しだ。ここまで段階的にアップデートを重ねてきた同チームにとって、シーズンの流れを左右する重要な転換点となる可能性がある。

    現時点でグリッド最前線に立つメルセデスは、予選・決勝ともに約0.5秒のアドバンテージを維持しており、短期間でその差を覆すのは容易ではない。

    それでもフェラーリは、マシンのポテンシャルを完全に引き出せていない現状を踏まえ、マイアミでのアップデートに大きな期待を寄せている。

    “完成形”投入で勢力図に変化はあるか
    フェラーリはこれまで、2026年マシンの開発を段階的に進めてきた。日本GPではマクラーレンが前進を見せる中、フェラーリはメルセデスに次ぐ位置で安定した競争力を維持しており、依然として最も近い挑戦者と見られている。

    一方で、これまでの報道ではフェラーリの本命は2027年タイトル争いとされてきた。しかし、シャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンのラインアップを擁する同チームが、マイアミで投入するアップデートによって優勝争いに加わる可能性も浮上している。

    スクーデリア・フェラーリがマイアミグランプリに挑む

    “マカレナ”ウイング含む開発パッケージ
    モンツァで行われた走行は名目上はフィルミングデーだったが、フェラーリはこの機会を活用し、複数の新パーツをテストした。中でも注目を集めたのが、可動式の“マカレナ”リアウイングだ。

    このウイングは回転機構によって空力特性を変化させる設計で、ファンだけでなくライバルチームにも衝撃を与えた。しかし、これまでのグランプリでは実戦投入されておらず、その性能は未知数のままだ。

    マイアミGPはスプリント形式で行われるため、限られた走行時間の中でこの新パッケージをどこまで機能させられるかが焦点となる。

    設計陣が語る“本来のポテンシャル”
    イタリアの報道によれば、フェラーリはフロリダでついに2026年マシンの“完全版”を投入する予定だ。ロイック・セラを中心とする設計チームは、この仕様によってコンセプトの「真のポテンシャル」を示せると自信を見せている。

    ここまでのフェラーリは競争力を持ちながらも、断片的なアップデートの積み重ねにとどまっていた。マイアミでそれらが統合されることで、初めて設計思想どおりのパフォーマンスが発揮されることになる。

    メルセデスの優位が揺らぐかどうかは未知数だが、少なくともフェラーリが今季の勢力図に新たな変化をもたらす存在であることは間違いない。マイアミGPは、その実力が試される最初の本格的な舞台となる。

  • 2026年F1マイアミGP フリー走行&スプリント予選をFODで無料配信

    2026年F1マイアミGP フリー走行&スプリント予選をFODで無料配信

    2026年F1第4戦マイアミGPのフリー走行およびスプリント予選が、FODで無料配信されることが決定した。対象には第5戦カナダGP、第6戦モナコGPも含まれており、日本国内のファンにとって注目の配信となる。

    2026年シーズンは開幕から接戦が続いており、日本GPでは過去最多となる31万人を動員するなど、F1人気は大きな盛り上がりを見せている。なかでもメルセデスのルーキー、キミ・アントネッリが連勝を達成するなど、新世代の台頭が注目を集めている。

    マイアミGPを中心に注目3戦を無料配信
    今回無料配信の対象となるのは、第4戦マイアミGP、第5戦カナダGP、第6戦モナコGPの3ラウンド。いずれもフリー走行とスプリント予選が対象となり、週末序盤の重要なセッションを無料で視聴できる。

    マイアミGPの配信対象セッションのスケジュールは以下の通り。

    ■ 5月2日 フリー走行1回目:01:00〜02:30
    ■ 5月2日 スプリント予選:05:30〜06:14

    実況にはサッシャ、解説には浜島裕英、山本雅史、中野信治が出演し、FOD限定の日本語コメンタリーでレースウィークを伝える。スプリントフォーマットが採用されるマイアミGPでは、金曜から結果に直結する走行が行われるため、序盤から見逃せない展開が期待される。

    全セッション視聴には専用プランも用意
    予選や決勝レースを含め、すべてのセッションを視聴したい場合は「FOD F1プラン」への加入が必要となる。このプランでは2026年シーズン全24戦の全セッションを、日本語実況・解説付きでライブおよび見逃し配信で楽しむことができる。

    さらに、4月27日から5月11日までの期間限定で「FOD初回200円春のGWキャンペーン」も実施されている。FODプレミアムに新規入会した場合、最初の1ヶ月間を200円(税込)で利用できるため、この機会にF1視聴環境を整えることもできる。

  • インテル・マイアミCFが限定キットで登場 メッシらがアウディF1コラボ披露

    インテル・マイアミCFが限定キットで登場 メッシらがアウディF1コラボ披露

    インテル・マイアミCFは、ニューイングランド戦の試合当日に、限定仕様のキットを着用してスタジアム入りした。リオネル・メッシやロドリゴ・デ・ポールら主力選手もこの特別デザインを披露し、試合前から大きな注目を集めた。

    このキットは、アウディ・レボルートF1チームとアディダスによるマイアミ・コレクションの一環として制作されたもので、4月23日のコレクション発表直後というタイミングでの着用となった。

    F1マイアミGPを控える中、都市全体がレースウィークへと向かう流れの中で、モータースポーツとフットボールを融合させた象徴的な演出となった。

    F1とサッカーを結ぶコレクションの狙い
    今回の限定キットは、アウディのF1プロジェクトとアディダスのデザインを融合させた特別企画として位置づけられている。単なるクラブの試合用ウェアではなく、F1マイアミGPに合わせた都市型イベントの一部として展開されている点が特徴だ。

    マイアミという都市の特性もあり、スポーツとカルチャー、そしてエンターテインメントを横断するコラボレーションは年々強まっている。今回のキットはその象徴的な事例であり、F1のブランド価値をフットボールの世界へと拡張する役割も担っている。

    マイアミGP週を盛り上げるクロスオーバー戦略
    F1マイアミGPを前に、各ブランドはファッションや音楽、スポーツと連動した施策を強化している。今回のインテル・マイアミCFの取り組みもその流れに沿ったものであり、レース単体ではなく「都市イベント」としてのF1の価値を高める動きのひとつだ。

    特にメッシのような世界的スターが着用したことで、今回のコレクションはサッカーファン層にも強くリーチする結果となった。F1が持つグローバルな影響力と、フットボールの巨大市場が交差することで、両者のブランド価値を相互に引き上げる構図が鮮明になっている。

    メッシ F1 マイアミグランプリ アウディ

  • F1マイアミGP前にレギュレーション変更 FIA「進化であって革命ではない」

    F1マイアミGP前にレギュレーション変更 FIA「進化であって革命ではない」

    2026年シーズン序盤に浮き彫りとなった課題を受け、FIAとF1はマイアミGPを前にレギュレーションの微調整で合意した。主な焦点はエネルギー管理の見直しと安全性の向上であり、とくに予選での“全開アタック”の復活と、速度差によるリスク低減が狙いだ。

    今回の変更は大規模な刷新ではなく、あくまで現行パッケージの補正という位置づけだ。

    FIAシングルシーター部門ディレクターのニコラス・トンバジスも「進化であって革命ではない」と説明しており、レースの魅力自体は維持しつつ、問題点にピンポイントで手を入れる形となる。

    トンバジスが語る“進化”という位置づけ
    「重要なのは、誰も“患者である我々のスポーツ”が集中治療室にいるとは考えていなかったということだ。明らかに取り上げるべき問題はあったが、集中治療室にいたわけではない」

    「もしかすると患者はもう少し運動をして、毎日リンゴを食べて、ビタミンを摂る必要があるのかもしれない。そして我々がやってきたのはまさにそれだ。これは進化であって革命ではない」

    「我々は基本的に良いパッケージを持っていると信じているし、状況に応じて調整を行うのは当然のことだ」

    鈴鹿でのオリバー・ベアマンのクラッシュ以降、安全性が議論の最優先事項に浮上した一方で、レース内容そのものへの介入は最小限に抑えられている。トト・ヴォルフも「必要なのはメスであってバットではない」と述べ、大幅変更に否定的な姿勢を示していた。

    スーパークラッピング拡大の狙い
    今回の調整のひとつがスーパークラッピング上限の引き上げだ。従来250kWに制限されていた領域が、350kWまで拡大される。

    この変更についてトンバジスは次のように説明している。

    「それは明らかに安全の話題であり、我々はどのように解決するかを議論してきた。主なポイントは、コーナーやよりツイスティな区間など、サーキットの特定の場所では、クルマが持てる最大の電力、つまり電力出力を350キロワットから250キロワットへと制限するということだ」

    また、ドライバーの負担軽減にもつながるとされる。

    「ドライバーがブーストボタンを押したときでも、出力を増加させることはできず、ゼロの状態からでも150キロワットを超えることはない」

    予選のエネルギー制限とその意図
    予選ではエネルギー回収上限が8メガジュールから7メガジュールへと引き下げられる。この決定についてもトンバジスは詳細に説明している。

    「これらすべての変更は、単なる数ページのレギュレーション以上のものだと理解することが重要だ。何千ものシミュレーション、多くの会議、多くの分析、そして“もしこうだったら”というシナリオが関わっている」

    「スタッフは、我々が投票した最終パッケージをまとめ上げるために、数週間にわたって休むことなく働いてきた」

    この変更によりラップタイムは約1秒遅くなると見積もられているが、ドライバーはエネルギー管理よりも純粋なアタックに集中できるようになる。

    マイアミグランプリ F1レギュレーション

    ベアマンの事故を受けた安全対策
    今回の変更の背景には、鈴鹿での重大事故がある。エネルギー展開の差による速度差が問題視され、安全対策が強化された。

    トンバジスはその効果について明言している。

    「その点に関して言えば、鈴鹿でオリー・ベアマンのクラッシュで見られたような問題は、基本的には次のレース以降は回避されるはずだ」

    スタート時の新安全システム
    マイアミGPではスタート時の安全対策も試験導入される。低出力状態を検知し、自動的にMGU-Kが補助する仕組みだ。

    トンバジスはその運用についてこう説明している。

    「次のレースから、いくつかのテストを行う予定だ。完全導入には2〜3レースかかる可能性がある。マイアミとカナダでテストと調整を行うことになるが、実質的にはセーフティネットのようなものになるだろう」

    政治的制約の中での最適解
    F1におけるルール変更は常に政治的な制約と隣り合わせだ。各チームやメーカーの利害が絡む中で、合意形成は容易ではない。

    トンバジスはその難しさについても率直に語っている。

    「我々がドライバー、チーム、パワーユニットメーカーについて話しているかに関わらず、F1は非常に競争の激しいスポーツであることを理解することが重要だ」

    「人々は常にトラック上で互いに戦っており、賭けられているものは非常に大きい。そのため、全員の合意を得るのは簡単ではない」

    「FIAの役割は最良の妥協点を見つけることにあり、それが我々が非常に努力してきたことだ」

    今回の変更はあくまで“調整”にとどまるが、予選の性質と安全性には確実に影響を与える。マイアミ以降も状況を見ながら、さらなる修正が検討されることになる。