カテゴリー: メルセデスF1

  • メルセデスF1 フェラーリ急接近に警戒「信頼性問題はもう許されない」

    メルセデスF1 フェラーリ急接近に警戒「信頼性問題はもう許されない」

    メルセデスF1代表のトト・ヴォルフは、ベルギーGPを前に、タイトル争いでフェラーリとの差が縮まりつつある現状に危機感を示した。2026年シーズンはマシン性能で優位に立ちながらも、相次ぐ信頼性トラブルによって大量ポイントを失っており、「これ以上は許されない」とチームに改善を求めている。

    コンストラクターズ選手権では依然としてメルセデスが首位を維持しているものの、フェラーリが急速に差を詰めており、ドライバーズ選手権でもルイス・ハミルトンが優勝争いに加わるなど、タイトル争いは激しさを増している。

    メルセデスF1 最大の敵は信頼性トラブル
    メルセデスは今季序盤にキミ・アントネッリが5連勝を飾るなど圧倒的な強さを見せたが、その後は信頼性問題が相次いだ。

    アントネッリはスペインGPでトップ争いを演じながらマシントラブルでリタイア。イギリスGPでもホイールカバーの破損に見舞われ、いずれもフェラーリ勢との勝負の最中に勝機を失った。

    さらにジョージ・ラッセルもカナダGPでトラブルによって貴重なポイントを取りこぼしており、速さを結果につなげられないレースが続いている。

    こうした状況を受け、コンストラクターズランキングでメルセデスのリードは78ポイントまで縮小。フェラーリが現実的なタイトル争いのライバルとして迫ってきている。

    トト・ヴォルフ「速さだけでは意味がない」
    ベルギーGPから始まる2連戦は、F1が夏休みに入る前の最後の連戦となる。

    トト・ヴォルフは、この重要な2レースで確実に結果を残す必要があると強調し、チームへ次のように呼びかけた。

    「ここ数戦で、我々の強みと改善すべき点の両方が明らかになった」

    「我々のマシンには優勝争いをし、多くのポイントを獲得できる力がある。しかし、そのポテンシャルを最高の結果へと結び付けることができていない」

    「信頼性の問題によってポイントを失ってきた。このような接戦の選手権では、それは決して許されることではない。速さがあっても結果を持ち帰れなければ意味はない」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    ベルギーGPはエネルギーマネジメントも重要
    ヴォルフは、スパ・フランコルシャンではシルバーストン同様にエネルギーマネジメントが重要になる一方で、コース特性は大きく異なると説明した。

    「スパはカレンダーの中でも最も難しいサーキットのひとつだ」

    「シルバーストンと同様にエネルギーマネジメントが重要になるが、サーキットの特性によって求められるものは異なる。ここではオーバーテイクの機会も多く、予選も非常に重要な戦いになる」

    さらに夏休み前の締めくくりとして、チームに完璧なレース運営を求めた。

    「夏休み前最後の2連戦を良い形で終えたい。我々の目標はミスなくレースを運び、必要な信頼性を確保し、マシンの性能を確実にポイントへ結び付けることだ」

    「最近は取りこぼしが多すぎた。同じことを今週末から繰り返してはならない」

    【関連】
    ・2026年F1ベルギーGP テレビ放送時間・配信日程(フジテレビNEXT・FOD)

  • ジョージ・ラッセル F1王座獲得へ ルクレール流“データ分析”が突破口か

    ジョージ・ラッセル F1王座獲得へ ルクレール流“データ分析”が突破口か

    2026年のF1ドライバーズ選手権でチームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリを逆転し、初のタイトル獲得を目指すジョージ・ラッセル。そのためには、シャルル・ルクレールがイギリスGPでルイス・ハミルトンを上回るために舞台裏で行った取り組みが、大きなヒントになるかもしれない。

    ルクレールはシルバーストンの週末序盤こそ苦戦を強いられ、母国レースを迎えたルイス・ハミルトンの陰に隠れる存在だった。

    しかし、膨大な走行データを徹底的に分析してセットアップを見直した結果、一気に流れを引き寄せ、今季初優勝を飾った。同じようにラッセルも、データを活用して課題を克服できるかがタイトル争いの鍵となりそうだ。

    シャルル・ルクレールはイギリスGPの週末序盤、フェラーリSF-26のセットアップに苦戦していた。しかし、その状況を受けてガレージに戻ると、数時間にわたって膨大なデータを分析し、自らセットアップの方向性を見直した。

    その努力はすぐに結果として表れ、予選ではフロントロウを獲得。そして決勝では安定したレース運びを披露し、2026年シーズン初優勝を飾った。

    一方、メルセデスのジョージ・ラッセルは決勝で2位表彰台を獲得したものの、週末を通じた純粋な速さではチームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリが上回っていた。アントネッリは決勝終盤にホイールシールドの破損という不運に見舞われるまでは、優勝争いを演じるだけのペースを見せていた。

    F1ジャーナリストのマーク・ヒューズが『The Race』で紹介した分析によると、その差はドライビングスタイルに明確に表れていたという。

    ラッセルは予選でアントネッリよりも早いタイミングでブレーキングを開始する場面が多く、その結果、コーナー進入時の最低速度が低下。立ち上がりでも十分な速度を維持できず、タイムを失っていた。

    データでは、ラッセルはベストラップの11%をブレーキングに費やしたのに対し、アントネッリはわずか9%だった。このわずか2ポイントの差が、1周を通して積み重なり、大きなタイム差につながっていた。

    さらに影響はコーナーだけにとどまらない。

    コーナーで十分な運動エネルギーを維持できないラッセルは、立ち上がり加速でバッテリー出力により大きく依存することになる。そのためストレート終盤では電力を使い切りやすくなり、最高速でも不利になっていた。

    実際、シルバーストンのハンガー・ストレートでは、アントネッリがラッセルより約3mph(約4.8km/h)高い速度を記録。この差は数字だけ見れば小さいものの、ラップタイムでは約0.157秒もの差になって現れたと分析されている。

    こうした違いの背景には、ラッセルがマシンを完全には信頼し切れていないことがあるとみられている。限界域で思い切ってコーナーへ飛び込めないため、安全マージンを取って早めにブレーキングし、その積み重ねがラップ全体のロスにつながっているというわけだ。

    対照的に、ルクレールはデータ分析によって自らのセットアップを煮詰め、マシンへの信頼感を高めることで本来の速さを引き出すことに成功した。イギリスGPで見せた舞台裏の取り組みは、ラッセルにとっても参考になるアプローチと言えるだろう。

    次戦ベルギーGPでは、ランキング首位のアントネッリとの差を縮めたいラッセルと、そのリードをさらに広げたいアントネッリによるタイトル争いが再び注目を集める。ラッセルがルクレールのようにデータ分析を武器に課題を克服できるかが、今後の選手権争いを左右するポイントになりそうだ。

  • メルセデスF1代表が明かすアントネッリ抜擢の舞台裏 9歳から才能を見極め

    メルセデスF1代表が明かすアントネッリ抜擢の舞台裏 9歳から才能を見極め

    2026年のF1でドライバーズランキング首位を走るアンドレア・キミ・アントネッリについて、メルセデスF1代表のトト・ヴォルフが、同選手を育成プログラムへ迎え入れた経緯と、その成長を支えた家族の存在を明かした。

    ヴォルフは、アントネッリがF1デビュー前年から長期的な育成計画のもとで準備を進めてきたことを説明するとともに、父マルコ・アントネッリの存在が現在の成功に大きく貢献していると高く評価した。

    ヴォルフ「2年目に飛躍する計画だった」
    アントネッリは2026年シーズン、ここまで5勝を挙げる活躍を見せ、ポールポジション、スプリント優勝、そしてドライバーズランキング首位など、F1史上最年少記録を次々と更新している。

    その快進撃について、ヴォルフはイタリア紙『La Gazzetta dello Sport』のインタビューで、当初から2年目で本格的な飛躍を遂げることを想定していたと明かした。

    「彼には落ち着いて成長するための1年が必要だと分かっていた。F1は下位カテゴリーとはまったく異なる世界だからだ」

    「マシンへの適応だけでなく、スポンサー対応やメディア対応なども学ばなければならなかった。我々の目標は2年目に大きく成長することだった。そして彼はまさにその通り、高いレベルの走りで素晴らしい結果を残している」

    「正直なところ、今の彼は我々の期待を上回っている。しかし、そこで満足してはいけない」

    ヴォルフは現在の評価に浮かれることなく、さらなる成長が必要だと強調した。

    「誰もが彼を称賛しているが、私はいつも冷静さを保つよう伝えている」

    「アイルトン・セナと比較すべきではない。セナは3度のワールドチャンピオンであり、F1史上最も偉大なドライバーの一人だ。キミはまだ5勝を挙げたばかりなのだから、成長する時間を与えるべきだ」

    才能を見抜いたのは9歳から
    ヴォルフは、アントネッリをメルセデス育成プログラムへ迎え入れるまでの経緯についても詳しく語った。

    「彼が9歳か10歳の頃には、すでにカートで多くのタイトルを獲得していた。我々はその頃から彼を注視していた」

    その後、2019年にアントネッリはメルセデス・ジュニア・チームへ加入。当時から将来のF1ドライバー候補として育成が始まっていたという。

    ヴォルフは、その成長には家族の存在が欠かせなかったと説明した。

    「彼の成功は家族のおかげでもある。父親は元レーシングドライバーであり、AKMとアントネッリ・モータースポーツのオーナーでもある」

    「だからこそ、息子に素晴らしい助言を与えることができたのだ」

    アンドレア・キミ・アントネッリ F1 メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    ハミルトンも依然としてタイトル候補
    一方でヴォルフは、アントネッリのタイトル獲得の可能性を認めながらも、元メルセデスのルイス・ハミルトンを依然として有力なライバルと見ている。

    今季フェラーリへ移籍したハミルトンは、イギリスGP終了時点でランキング3位につけ、首位アントネッリとの差を32ポイントとしている。

    ヴォルフは、ハミルトンの実力を疑ったことは一度もないと断言した。

    「私は彼を疑ったことは一度もない。彼が偉大なチャンピオンであることは分かっている」

    「必要だったのは戦えるマシンだけだった。そしてフェラーリはそれを彼に与えた」

    「今の彼ならレースにも勝てるし、ワールドチャンピオン争いもできる」

    ベルギーGP以降も、メルセデスの若きエースとフェラーリへ移籍した7度の世界王者によるタイトル争いは、2026年シーズン後半戦の大きな見どころとなりそうだ。

  • フェラーリF1代表バスールの意外な素顔 トト・ヴォルフが結婚式の珍事件を暴露

    フェラーリF1代表バスールの意外な素顔 トト・ヴォルフが結婚式の珍事件を暴露

    フェラーリF1代表のフレデリック・バスールの半生を描いた伝記『En Piste』がフランスで発売され、メルセデスF1代表トト・ヴォルフが明かした意外なエピソードが話題を呼んでいる。

    サーキットではライバルとして激しく競い合う2人だが、25年以上にわたる深い友情を築いており、その関係を象徴する思い出として、ヴォルフは自身の結婚式で起きた“珍事件”を紹介した。

    フレデリック・バスールの伝記がフランスで発売
    7月初旬、フランスではモータースポーツ専門誌『AutoHebdo』の記者ジャン=ミシェル・デヌーが執筆したフレデリック・バスールの伝記『En Piste』が発売された。

    同書では、バスールのモータースポーツ界での歩みを振り返るとともに、トト・ヴォルフ、ローラン・メキース、シャルル・ルクレール、ジェローム・ダンブロシオら、長年彼を知る関係者の証言を交えながら、多くの舞台裏や秘話が紹介されている。

    トト・ヴォルフ「ライバルであり親友」
    バスールとヴォルフは現在、それぞれフェラーリとメルセデスを率いるライバル同士だ。最近もF1のコストキャップを巡って舌戦を繰り広げたばかりだが、その一方で25年以上に及ぶ友情でも知られている。

    本書の序文を担当したヴォルフは、バスールについて「ライバルであると同時に、パドックで最高の友人の一人」と表現している。

    「時には口論したこともあったが、ほとんどの場合は一緒に笑っていた。互いへの敬意と友情は、年月を重ねるごとに強くなっていった」

    結婚式で起きた“プラスチックの花事件”
    ヴォルフは、自身と妻スージー・ヴォルフの結婚式で起きた忘れられない出来事も明かしている。

    式はイタリア・カプリ島で行われ、バスールも招待客として出席していた。

    ヴォルフは次のように振り返っている。

    「フレッドは長年にわたり、旅仲間であり、トレーニング仲間であり、ルームメイトであり、そしてカプリで行ったスージーとの結婚式にも出席してくれた」

    「その日、彼は一日の中でも最も忘れられない瞬間を演出してくれた。ワインを何杯か飲んだあと、『テーブルを飾っている花を食べるのは良い考えだ』と思ったらしいんだ。ただ残念なことに、それがプラスチック製だったことを忘れていたんだよ」

    パドックの外でも続く友情
    現在はフェラーリとメルセデスを率いるライバル同士として激しく競い合うバスールとヴォルフだが、このエピソードはサーキットを離れた場所では気心の知れた親友同士であることを物語っている。

    コストキャップを巡る議論などで対立する場面があっても、25年以上にわたって育まれた友情は変わらず続いているようだ。

  • ジョージ・ラッセル メルセデスF1の“アントネッリ優遇説”を否定「事実じゃない」

    ジョージ・ラッセル メルセデスF1の“アントネッリ優遇説”を否定「事実じゃない」

    ジョージ・ラッセルは、メルセデスが2026年F1シーズンでチームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリを優遇しているとの見方を否定した。

    アントネッリは現在ドライバーズランキング首位を快走しており、その活躍を受けて「メルセデスは19歳の新星を中心としたチーム作りを進めている」との憶測も浮上している。しかしラッセルは、そのような見方は事実ではないと強調した。

    ラッセル「優遇なんてない」
    英『Daily Mail』の取材でラッセルは、チーム内でアントネッリが特別扱いされているという噂について率直に語った。

    「そういう優遇の話が出回っているというのは耳にしたよ。でも気にもならないし、そもそも事実じゃない」

    さらに、コンストラクターズ選手権を戦うチームとして、一方のドライバーだけを優遇する理由はないと説明した。

    「チームには2,000人ものスタッフがいて、コンストラクターズ選手権で勝てば全員がボーナスを受け取る。だったら、なぜどちらか一方を優遇する必要があるんだ?」

    「僕たちは2人とも自由にレースをすることを許されている。ただし、チームとして最大限のポイント獲得という目的が脅かされる場合は別だけどね」

    グロック「衝突は時間の問題」
    一方で、元F1ドライバーのティモ・グロックは、両者のライバル関係が今後さらに激化すると予想している。

    「2人の間には間違いなく大きな緊張感がある」

    「私からすれば、衝突するのは時間の問題だ。今年中にそういう場面を何度も目にすることになるだろう」

    ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    ラルフ・シューマッハ「ラッセルへの信頼は変わらない」
    一方、元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、メルセデス代表トト・ヴォルフが依然としてラッセルを高く評価していると語る。

    「ジョージ・ラッセルは長年トト・ヴォルフと仕事をしてきた」

    「ラッセルがプロフェッショナルな姿勢を保ち、政治的な駆け引きに走らず、アントネッリの邪魔をしようとしない限り、メルセデスが彼を交代させる理由はまったく見当たらない」

    ただし、チーム内の評価基準が現在はアントネッリになっていることも認めた。

    「トト・ヴォルフは現状について非常に明確な見解を示していた」

    「彼は文字どおり『キミは別格だ』と言った。それ以上ないほど分かりやすい表現だった」

    「率直に言って、現時点ではまさにその通りの状況だ」

    ラッセルは優遇説を完全に否定しているものの、アントネッリがメルセデスの新たなエース候補として急速に存在感を高めていることは、チーム関係者や元ドライバーの見方からも明らかになりつつある。

  • フェルスタッペン メルセデスF1移籍逃し後悔?シュタイナー「昨年しかなかった」

    フェルスタッペン メルセデスF1移籍逃し後悔?シュタイナー「昨年しかなかった」

    2026年シーズンの移籍市場で最大の注目を集めるマックス・フェルスタッペンについて、元ハースF1代表のギュンター・シュタイナーが「昨年メルセデスへ移籍しなかったことを絶対に後悔している」との見方を示した。

    レッドブルとの関係悪化が再び表面化する中、シュタイナーは「移籍のチャンスは昨年しかなかった」と指摘。一方で最終的にはフェルスタッペンは2028年までレッドブルに残留すると予想している。

    フェルスタッペンは昨年の決断を後悔している?
    2025年シーズン中、クリスチャン・ホーナー体制を巡る混乱を背景に、マックス・フェルスタッペンとメルセデスとの交渉が進められていたことは広く報じられていた。その後、ジョージ・ラッセル自身もメルセデスがフェルスタッペン側と協議していたことを認めている。

    しかし、レッドブルの競争力が回復したことでフェルスタッペンは残留を決断。チームは再びタイトル争いができるマシンを用意し、不満はいったん収束した。

    ところが2026年は再び状況が悪化。レッドブルの競争力低下に加え、首脳陣との関係も悪化しており、契約解除条項の発動が現実味を帯びている。

    こうした状況について、シュタイナーは『The Red Flags Podcast』で次のように語った。

    「彼は絶対に後悔していると思う」

    「あの頃、メルセデスはジョージとの契約交渉を進めていた。その時の代替案がマックスだった」

    「でもマックスは将来がどうなるのか確信を持てず、結局そのチャンスを逃してしまった。移籍するなら、あのタイミングしかなかった」

    「当時なら契約を解除することもできた。しかし彼は残留するよう説得され、新しいレギュレーションを待つことを選んだ。そして今となっては、もう手遅れに見える」

    昨年は契約解除条項も存在していた
    報道によれば、フェルスタッペンには昨年、メルセデス移籍を可能にし得る契約解除条項が2つ存在していたとされる。

    1つは成績に関するパフォーマンス条項、もう1つはヘルムート・マルコの去就に関する条項だった。

    しかし、いずれも発動条件は満たされず、フェルスタッペンはレッドブル残留を選択した。

    現在のメルセデスはジョージ・ラッセルとランキング首位のアンドレア・キミ・アントネッリというラインアップを維持する可能性が高く、新たなシートを確保するのは以前より難しくなっている。

    マックス・フェルスタッペン

    それでもシュタイナーは残留を予想
    一方でシュタイナーは、フェルスタッペンが最終的にはレッドブルを離れないとの見方も示している。

    「彼は残る。それが僕の考えだ」

    「彼はレーサーだ。やるべきことはチームを鼓舞し、もっと良いクルマを作らせることだ。シルバーストンでもパフォーマンス自体は悪くなかった」

    さらに、新天地では現在のような振る舞いが受け入れられるとは限らないとも指摘した。

    「みんな彼が感情を爆発させることを知っている。でもその後は必ず勝とうとする」

    「レッドブルでは長年一緒にやってきたから、周囲は彼の性格も理解している。勝てないことへの失望が原因だと分かっているからだ」

    「結局、彼は勝ちたいだけなんだ。ただ、もしメルセデスへ行って同じような振る舞いをすれば、『それはここでは通用しない』と言われるかもしれない」

    フェルスタッペンの去就は今なおF1最大の話題となっているが、シュタイナーは「昨年が最大のチャンスだった」と見る一方、最終的には現在の契約どおり2028年までレッドブルに残留すると予想している。メルセデスのシートが埋まりつつある現状を踏まえれば、移籍市場の主導権はすでにフェルスタッペン側から各チーム側へ移り始めているのかもしれない。

    【関連】
    ・レッドブルF1 アイザック・ハジャーに追い風?フェルスタッペン離脱なら主役への道

  • メルセデスF1の予選新テクニック 0.05秒と失格リスクは紙一重

    メルセデスF1の予選新テクニック 0.05秒と失格リスクは紙一重

    F1イギリスGPでメルセデスが披露した予選での新たなエネルギーマネジメント手法が、ライバルたちの注目を集めている。

    ジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリが実践したこのテクニックは、計測ライン直前で一瞬アクセルを戻すという異例の操作によって約0.05秒のタイム短縮を実現するものだ。しかし、その効果の裏には、操作を誤れば予選失格につながりかねない大きなリスクも潜んでいる。

    メルセデスが見つけた新たな抜け道
    この手法の鍵となるのは、2026年から導入された複雑なエネルギーマネジメント規則だ。

    現在のF1では、ストレートでバッテリーを使い切る際に「ランプダウンレート」と呼ばれる制限が設けられている。これは、350kWから突然0kWへ出力を落とすことを防ぐための規定で、出力は1秒あたり最大50kWずつしか減らせない。

    この規則が設けられた理由は、ストレート終盤で前方のマシンが急激に減速することを防ぎ、安全性を確保するためだ。

    しかし、本来であれば計測ラインまで350kWを維持できる区間でも、ラインまでの距離が十分でない場合は途中から300kW、250kW、200kWと段階的に出力を落とさなければならず、最高速の伸びが制限される。

    メルセデスはここに着目し、ドライバーが完全にアクセルを戻した場合はランプダウンレートの適用対象外となる規定を利用。計測ライン直前まで350kWを維持し、アクセルオフと同時に電力供給を終了させることで、通常より早く高い最高速へ到達できるようにした。

    その結果、約0.05秒のラップタイム短縮効果が得られるという。

    一度封じられたアイデアを別の方法で復活
    実はシーズン序盤にも、メルセデスとレッドブル・レーシングは似た発想のテクニックを使用していた。

    当時はMGU-Kを「緊急停止」させることでランプダウンレートを回避していたが、日本GPではその影響でコース上で減速・停止するマシンが現れた。

    これを受けてFIAは、MGU-Kの緊急停止機能は本当の緊急時以外には使用できないと各チームへ通達。この手法は事実上使用できなくなった。

    そこでメルセデスは、MGU-K停止ではなく「アクセルオフ」という別の例外規定を活用し、同様の効果を得る方法を開発した。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    最大の難関はドライバーの操作精度
    一見すると単純なアクセル操作に見えるが、実際には非常に高度なテクニックが要求される。

    重要なのは、バッテリー残量が0%になる前にアクセルを戻すことだ。

    もしバッテリーを完全に使い切った瞬間にMGU-Kが停止すると、出力が一気にゼロとなり、ランプダウンレート違反になる可能性がある。

    その場合は技術規則違反と判断され、予選結果の抹消や最後尾スタートにつながる恐れもある。

    しかも、ドライバーは毎周同じ場所でアクセルを戻せばよいわけではない。

    バッテリー消費量は周回ごとに変化するため、その時点の残量に応じてアクセルを戻す位置も毎回変わる。距離看板や広告看板などを目印にできるものではなく、常にバッテリー残量を把握しながら操作する必要がある。

    シミュレーターと音声システムで成功率を高める
    『The Race』によると、メルセデスはイギリスGP前にラッセルとアントネッリへシミュレーターで繰り返し練習を行わせ、この操作を体に覚え込ませていた。

    さらに、バッテリー残量が設定値まで減少すると、ドライバーのイヤホンへ音声信号を送るシステムも導入。この合図を受けてアクセルを戻すことで、毎周ほぼ最適なタイミングで操作できるようにしていたという。

    ライバルチームもこの手法の存在を把握しており、今後はハンガロリンクなどエネルギーマネジメントの重要性が高いサーキットを中心に導入を検討するとみられる。

    ただし、約0.05秒というメリットを得られる一方で、タイミングがわずかに遅れるだけで技術規則違反となる危険もある。メルセデスが編み出したこのテクニックは、2026年F1におけるエネルギーマネジメント競争の新たな武器となる一方、極めて高いリスクと隣り合わせの戦略でもある。

  • メルセデスF1代表 ラッセルの苦戦認める「まだマシンと噛み合っていない」

    メルセデスF1代表 ラッセルの苦戦認める「まだマシンと噛み合っていない」

    ジョージ・ラッセルは2026年F1第9戦イギリスGPで2位表彰台を獲得した。しかし、メルセデスF1のトト・ヴォルフ代表は、この結果がラッセルの抱える問題を覆い隠すものではないと明かし、依然としてマシンとの相性に苦しんでいることを認めた。

    ラッセルはシルバーストン週末を通じてチームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリに後れを取った。

    アントネッリはスプリント優勝とポールポジションを獲得した一方、ラッセルはスプリント予選、決勝予選とも4番手に終わった。それでも決勝では終盤のセーフティカーを活かした戦略が奏功し、母国レースで2位を手にした。

    ヴォルフ「まだマシンと噛み合っていない」
    ヴォルフ代表はSky Sports F1に対し、ラッセルが現在もマシンに十分な自信を持てていないと説明した。

    「今日一番うれしかったのは、ジョージとチームのためだった。彼はここ数戦、とても難しい週末が続いていた」

    「彼はどういうわけか、まだマシンとうまく噛み合っていない。昨日も一昨日もストレートスピードの問題があった」

    「ドライバーはマシンに安心感を持てることが重要だが、彼はまだそう感じられていない。それでもシルバーストンで2位を獲得したことは、本当にうれしく思っている」

    戦略が奏功してハミルトンを逆転
    決勝ではラッセルにスローパンクチャーが発生するトラブルもあった。

    しかし終盤のセーフティカー中、メルセデスはラッセルをコース上に残す戦略を選択。他車がピットへ向かったことで順位を上げ、ルイス・ハミルトンを逆転して2位を確保した。

    レース後、ラッセル自身は「今日の自分は表彰台に立つに値する走りではなかった」と振り返っていたが、この結果によってランキング首位のアントネッリとの差は25ポイントまで縮まった。アントネッリは決勝でマシントラブルにより無得点に終わっている。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    タイトル争いへ「信じ続けることが大切」
    ヴォルフ代表はラッセルのタイトル争いについても前向きな見方を示した。

    「彼はしっかり踏みとどまっていると思う。2人とも今季は運にも不運にも恵まれてきた。今回はキミが2度目の不運に見舞われ、ジョージにも以前そういうことがあった」

    「シーズンはまだ長い。彼は自分ならできると信じ続ける必要がある。そして今マシンに潜んでいる、小さな問題を見つけ出さなければならない」

    ベルギーGPへ向けて態勢を立て直す
    ヴォルフ代表はF1 TVで、ベルギーGPとハンガリーGPの連戦へ向けてチームを立て直す考えを語った。

    「一度リセットし、しっかり回復することが大切だ。週末は1戦空くので、その後のベルギーとハンガリーの2連戦を力強く戦いたい」

    ラッセルは母国GPで2位という好結果を残したものの、メルセデス内部では依然としてマシンとの相性やストレートスピードに課題が残っていると認識されている。ヴォルフはタイトル争いはまだ十分可能と考えており、ベルギーGP以降の巻き返しに期待を寄せている。

  • マクラーレンF1 メルセデス新PU投入遅れの理由 HPP供給事情を説明

    マクラーレンF1 メルセデス新PU投入遅れの理由 HPP供給事情を説明

    マクラーレンF1のチーム代表アンドレア・ステラが、メルセデスHPP(High Performance Powertrains)が開発した信頼性改善版パワーユニット(PU)の投入が遅れている理由を明かした。

    メルセデスはオーストリアGPで信頼性対策を施した新仕様PUを投入し、カスタマーチームであるアルピーヌ、マクラーレン、ウィリアムズにも供給を開始した。しかし、マクラーレンだけはイギリスGPでも従来仕様を使用しており、ベルギーGPでの導入が有力視されている。

    アルピーヌとウィリアムズを優先供給
    ステラ代表は、マクラーレンが新仕様を受け取れなかった理由について、他のカスタマーチームの事情が大きく影響したと説明した。

    「HPPとは、なぜ現時点でこの仕様を受け取れていないのかについて話し合った」

    「私たちはその理由を理解しているし、HPPを信頼している。これまで素晴らしい協力関係を築いてきたし、マクラーレンが2度ワールドチャンピオンになれたのも彼らの存在があったからだ。この件で両者の関係が変わることはないし、現在も継続的に話し合いを続けている」

    HPPは4チームへ同時にPUを供給しており、限られた生産体制の中で対応を進めているという。

    「彼らは私たちがマシンを開発しているのと同じように全力で開発を進めている。4チームへ供給しながら作業を進めているため、マクラーレンへ供給できない状況が生じた」

    「次戦では導入できることを期待している」

    走行距離も供給優先順位に影響
    今回の供給順は、各チームが使用しているPUの走行距離も判断材料になったという。

    マクラーレンは今季、中国GPでバッテリー関連のトラブルにより2台ともDNSとなるなど電気系の問題に見舞われてきた。一方でメルセデス側では、ジョージ・ラッセルとキミ・アントネッリがカナダGP、スペインGPでリタイアした内燃エンジン(ICE)の信頼性向上も進めている。

    ステラ代表は次のように説明した。

    「HPPは他のチームと同じように、信頼性向上と問題解決を進めている。私たちはバッテリーの問題に苦しみ、他チームはICEの問題を抱えていた。すべてを同時に解決するのは簡単ではない」

    「PUの配分は各車の走行距離も基準になっている。アルピーヌとウィリアムズのほうが私たちより走行距離が多く、新しいエンジンを必要としていた」

    オーストリアGPでリタイアしたカルロス・サインツJr.がPU一式を交換したこともあり、ウィリアムズへの供給が優先されたとみられている。

    カスタマーチームとして受け入れる姿勢
    ステラ代表は、今回の対応はカスタマーチームとして避けられない面もあると理解を示した。

    「誰もが限界まで作業している状況では、後回しになることもある。それもHPPとの対話の一部だ。私たちは彼らと非常に良い関係を築いている」

    そして最後に、次のように締めくくった。

    「カスタマーチームである以上、多少後回しになるのは自然なことだと思う」

    マクラーレンは現在もタイトル争いの最前線に立っており、ベルギーGPで信頼性改善版PUが投入されるかが今後の戦いにおける注目ポイントとなる。

  • メルセデスF1の将来に暗雲? 親会社のコスト削減で「重大な問題」

    メルセデスF1の将来に暗雲? 親会社のコスト削減で「重大な問題」

    メルセデスF1の将来に不安材料が浮上した。元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、親会社であるメルセデス・ベンツ・グループが大規模なコスト削減に直面しており、その影響が長期的にはF1活動にも及ぶ可能性があるとの見方を示した。

    メルセデスは現在もF1を代表するトップチームの一つだが、ドイツの自動車業界全体が厳しい経営環境に置かれている。シューマッハはフォルクスワーゲンやアウディだけでなく、メルセデスも同様の課題を抱えていると指摘している。

    ラルフ・シューマッハ「メルセデス親会社も重大な問題」
    ドイツの『Backstage Boxengasse』で、フォルクスワーゲンが将来的にもアウディのF1参戦を支えられるのかと問われたラルフ・シューマッハは、問題はVWグループだけではないと語った。

    「それはVWだけの話ではなく、今はすべての大企業に共通する問題だ」

    さらに、メルセデスについても厳しい状況にあると明かした。

    「僕が聞いている限りでは、シュトゥットガルトに本拠を置くもう一つの会社(メルセデス)も、この件では今かなり重大な問題を抱えている」

    続けて、メルセデス・ベンツ・グループCEOのオラ・ケレニウス氏が厳しい立場に置かれていると説明した。

    「オラ・ケレニウスは、僕が聞いている限りでは、コスト削減策を巡ってかなり批判を受けている」

    「今のドイツでは至る所で同じことが起きている。すでに2万人の製造業の雇用が失われた。信じられないほど大きな数字だ」

    メルセデス・ベンツは人件費抑制策として、賃金を据え置いたまま週労働時間を35時間から40時間へ延長する施策を打ち出しており、従業員による抗議活動も発生している。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    F1人気は永遠ではないと警鐘
    シューマッハは、現在のF1人気やチーム価値が永続するとは考えていないという。

    「以前から言っていることだが、このブームのあとには、F1は最終的に少しずつ魅力を失っていくと思う」

    「そうなればチームの価値も大きく下がるだろう。今の評価額は現実離れしていると思う」

    「経済の実態を無視して、いつまでも成長し続けることはできない」

    現在のところメルセデスがF1撤退を検討している事実はない。しかし、親会社が進めるコスト削減やドイツ自動車業界を取り巻く経済環境を踏まえ、シューマッハは長期的な視点でF1ビジネスそのものの持続性に警鐘を鳴らした形だ。