カテゴリー: メルセデスF1

  • メルセデスF1代表ヴォルフ 「理想的な後任が見つかれば即座に席を譲る」

    メルセデスF1代表ヴォルフ 「理想的な後任が見つかれば即座に席を譲る」

    トト・ヴォルフは、理想的な後任が現れたなら自らメルセデスF1チーム代表の座を「即座に vacate(空け渡す)」と明かした。

    ヴォルフは2013年からシルバーアローズを率い、史上最多となるコンストラクターズ選手権8連覇と、ドライバーズ選手権7回のタイトルをチームにもたらした。

    しかし、2022年に導入されたグラウンドエフェクトカーの時代に入って以降、メルセデスは苦戦を強いられ、2021年の最後のタイトル獲得以降はわずか6勝にとどまっている。それでもヴォルフの職は失われていない。グラウンドエフェクト時代での支配を終えた後に解任された元ライバルのクリスチャン・ホーナーとは対照的だ。

    ヴォルフがホーナーと異なるのは、彼自身がメルセデスチームの共同オーナーである点だ。彼はまた、マクラーレンが採用しているCEOザク・ブラウンとチーム代表アンドレア・ステラの二頭体制モデルを一つの解決策として挙げた。

    「僕は、辞めるには自分を解雇しなければならないという点で、もしかしたら少し有利な立場にいるのかもしれない」と、メルセデスのCEO兼チーム代表を務めるヴォルフは語った。

    「他の株主と合意の上で、僕がチーム代表でなくなった場合は、CEOや会長、エグゼクティブ会長でも非エグゼクティブ会長でもなることができるんだ。もし自分以上に貢献できる人材がいると感じたら、即座にその座を譲るだろう。あるいは商業面だけに専念するか、レースチームの運営だけに関わる形に移行するかもしれない」

    「我々は組織として非常に大きくなった。マクラーレンの体制を見れば分かるだろう。ザクは商業的な業務を担い、世界中でイベントに参加している。もし僕が彼の立場だったらそんなことはできない。そしてアンドレアがスポーツ面を運営している。もしかしたらそれが未来の形なのかもしれない」

    「長期的には、そうした役割を担える人材を特定していきたい。だからもし朝起きて、自分よりもうまくやれる人がいると思ったら、即座にそうするだろう。それには何の疑いもない」

    「2014年の僕と今の僕は同じ人物ではない。確かにそうだ。でもその分を補おうとしている。ここに来たときは“暗殺者”のようだったが、少し丸くなってしまった。それはスポーツにおいては良くないことだ。だからこそ、知性や他の何かで補わなければならないんだ!」

    トト・ヴォルフ メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    ヴォルフは現在のF1グリッドで最も長くチームを率いる代表であり、近年ではチーム代表がフットボールクラブの監督のように頻繁に入れ替わる流れとは対照的だ。

    かつてのF1では、コーリン・チャップマン(ロータス)、ロン・デニス(マクラーレン)、フランク・ウィリアムズ(ウィリアムズ)のように、共同オーナーがチーム代表を兼任するのが伝統だった。

    2025年6月には、フレデリック・バスール(ヴォルフの親友)がフェラーリの低調なシーズン序盤を受け、イタリアメディアから厳しい批判を浴びた。タイトル争いを期待されながら結果が出せなかったからだ。

    バスールはカナダGPで強い反撃を見せ、その後フェラーリとの契約を更新したが、ヴォルフは自身もメルセデスでの初期に似た経験をしたと語る──規模は小さかったが。

    「僕のキャリアの初めには『トトはまだ適任なのか?』と何度も聞かれた」と語るヴォルフ。2014年から2016年にかけて、ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグがタイトルを争う熾烈なライバル関係をマネジメントした時期のことだ。

    「その評価は、チームは最高で僕は天才だと言われたかと思えば、翌週には権威を失い、ルイスとニコの状況を完全に制御できず、僕はこの仕事にふさわしくないと言われたりした。そんなふうに揺れ動いていた」

    「これを100倍にしたのがイタリアだ。ガゼッタを読めば分かる。だから僕はフレッドに『ガゼッタを読むな、ウェブサイトも見るな』と言った。なぜなら、チーム代表を題材にパロディやコメディが作られる国なんて他にないからだ」

    「フレッドは本当に心を痛めていたけれど、僕はそれを見て『これは素晴らしいことだ』と思ったんだ」

  • メルセデス F1マシン名を冠した限定GTスポーツカー「GT2 Edition W16」発表

    メルセデス F1マシン名を冠した限定GTスポーツカー「GT2 Edition W16」発表

    メルセデスAMGは、F1とGTスポーツの世界を融合させた限定モデル「Mercedes-AMG GT2 Edition W16」を発表した。

    このモデルは、F1マシン「Mercedes-AMG F1 W16 E PERFORMANCE」から着想を得た最強のGTスポーツカーで、世界限定30台のコレクターズアイテムとなる。発表会にはメルセデスAMGペトロナスF1チームのキミ・アントネッリも登場し、両世界の架け橋を象徴した。

    最高出力830馬力、1000Nmの圧倒的パフォーマンス
    搭載されるAMG 4.0リッターV8ツインターボは、新開発のターボチャージャーとPush2Pass機能により最大830馬力(610kW)、1000Nmを発揮。車重は1430kgに抑えられ、パワーウェイトレシオは1.7kg/psという驚異的数値を実現。最高速度は320km/hを超える。

    メルセデスAMG GT2 Edition W16
    F1由来のエアロダイナミクスとDRS
    F1サーキットでのテストを経て、拡大されたフロントディフューザーやアクティブルーバー、カーボン製スポイラーリップなどを導入。さらにリアウイングとルーバーを同時制御するDRS(ドラッグ・リダクション・システム)も搭載し、空力効率を最大化している。

    デザインとインテリアはF1直系
    エクステリアはW16 E PERFORMANCEをモチーフに、星柄ペイントとPETRONASカラーのアクセントを採用。インテリアにも特別仕様のステアリングやシートが備わり、Push2PassとDRSを直感的に操作可能。さらにドアシルにはアントネッリの直筆サインが入り、センターコンソールには「1 of 30」の限定バッジが付く。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ
    ユニークな納車体験
    購入者には専用カーカバーやOMP製レーシングスーツ、BELL製ヘルメットが付属。最大の特典は2026年春に欧州サーキットで行われる特別イベントでの納車式で、車両説明や走行体験、メルセデスAMGペトロナスF1チームとの交流が用意される。

    F1とGTスポーツの英知を融合した「GT2 Edition W16」は、メルセデスAMGの技術と情熱を凝縮した究極のトラックデイマシンとして、30人のオーナーに特別な体験を提供する。

  • ジョージ・ラッセル マックス・フェルスタッペンの圧勝に「F1は奇妙なスポーツ」

    ジョージ・ラッセル マックス・フェルスタッペンの圧勝に「F1は奇妙なスポーツ」

    ジョージ・ラッセルは、イタリアGPでのマックス・フェルスタッペンの圧倒的な走りを「理解に苦しむ」と述べ、F1を「奇妙なスポーツ」と表現した。

    フェルスタッペンはモンツァで堂々の勝利を収め、ランド・ノリスに19秒以上の差をつけて制した。4度のワールドチャンピオンは、オープニングラップの第1コーナーでの激しい攻防の末、2周目にリードを手放し、ノリスに譲る形となった。

    しかしその後、再び首位を奪い返すと大きなリードを築き上げた。マクラーレンが終盤のセーフティカーを期待して非最適な戦略を採用したこともあり、フェルスタッペンのアドバンテージは20秒近くにまで広がった。

    ハンガリーでの夏休み前、フェルスタッペンは9位に沈み、トップ3チームから大きく離れていた。それだけに、今回のフェルスタッペンとレッドブルの復調劇は劇的なものとなった。

    レース後、Sky Sportsのインタビューに応じたラッセルは、レッドブルの急激な復調を理解できないと語った。

    「正しい評価だと思う。ちょっとおかしなスポーツなんだ」とラッセルは語った。「フェルスタッペンがバーレーンで優勝から40秒遅れて、ここやイモラで20秒差で勝つなんて、理解に苦しむよ。本当にすごいことだ」

    「これからのレースで何が起きるか分からない。僕たちがもっと定期的に表彰台を狙えるようになることを願っている。フェラーリはシーズン序盤から少し前進している。簡単ではない」と付け加えた。

    ラッセルは、もし予選でミディアムタイヤを使用できていれば、もう1つ順位を上げられた可能性があると感じている。メルセデスは、Q1でイエロータイヤで速さを示していたにもかかわらず、ハード寄りの選択を望んだラッセルのリクエストを無視した。

    「自信があった。フェラーリの前に出られたと思う」とラッセルは述べた。

    「おそらく1つ順位を上げられただろう。現実的には、マクラーレンは僕を抜くために非最適な戦略を取った。彼らはおそらく、僕の前に出るために違うことをしていただろう。P5が今の僕たちの立ち位置だ」

    ジョージ・ラッセル メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ F1

    アントネッリにとって前向きな材料も
    キミ・アントネッリは9位でレースを終えたが、5秒ペナルティにより最終的に1つ順位を落とす結果となった。

    イタリア人ルーキーは、プラクティスでのアクシデントにより週末が難しくなったが、次戦バクーではクリーンな週末を望んでいる。

    「クラッチを少し深く入れてしまって、すぐにホイールスピンをしてしまった」とアントネッリは説明した。「多くのポジションを失ってしまい、それでレースが難しくなって、追いかける展開になった」

    「理想的ではなかったし、ミディアムタイヤでも少し苦戦した。いくつかミスもしてしまった。なぜなのかを理解して、次につなげたい」

    「予選は確実に前進だった。ここ数戦は弱点になっていた部分だ。ただ、ロングランをきちんとできなかったのは助けにならなかった。間違いなく学んだことはあるし、予選と決勝に向けてきちんと積み上げていけるように、クリーンな週末を送る必要がある」

  • メルセデスF1代表 キミ・アントネッリを初めて公で叱責「期待外れ」

    メルセデスF1代表 キミ・アントネッリを初めて公で叱責「期待外れ」

    メルセデスの若手ドライバー、キミ・アントネッリは、母国モンツァでのF1イタリアGPで「期待外れ」と評され、チーム代表トト・ヴォルフから初めて公に厳しい言葉を受けた。

    アントネッリは前戦オランダGPでの不運な週末(プラクティスのクラッシュやシャルル・ルクレールとの接触)から立て直しを図ったが、再びミスに苦しんだ。

    FP2ではグラベルに飛び出しロングラン走行の機会を失い、決勝ではスタートでホイールスピンを喫して6番手から10番手へと後退。挽回の過程でトラックリミット違反による白黒旗を受け、さらにアレックス・アルボンをコース外に押し出したと判断され5秒ペナルティ。結果は9位に留まり、チームメイトのジョージ・ラッセルが5位でフィニッシュした。

    ヴォルフはレース後、「今週末は期待外れだ。グラベルに突っ込んでいては駄目だ。レース全体が期待外れだった」と手厳しく評価。ただし将来性への信頼は揺らいでいないとし、「彼は非常に優れた才能を持っている。レーサーとして全ての資質を備えている。だが“重荷”を下ろす必要がある」と語った。

    アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    ヴォルフが指摘したのは、週末序盤のミスで走行機会を失う悪循環と、過去のクラッシュが心理的に影を落としている点。特にルクレールとの接触が尾を引き、モンツァでのピエール・ガスリーへの攻めが消極的だったとみている。

    「過去の失敗を次の週末に持ち込まないことが大事だ。ガスリーのように本来は立ち止まるべきでない相手に時間を失うのは良くない」と強調。「彼を解放することだ。才能は揺るぎない。だが心の中の“バラスト”を下ろさなければならない」と結んだ。

    一方アントネッリ自身は「スタートのホイールスピンでレースが台無しになった。FP2のミスでロングランの準備ができず、それも響いた」と自己分析。経験不足による週末の乱れを克服することが、次戦以降の課題となる。

  • ジョージ・ラッセル F1イタリアGP予選「ミディアム希望が伝わらず混乱」

    ジョージ・ラッセル F1イタリアGP予選「ミディアム希望が伝わらず混乱」

    メルセデスのジョージ・ラッセルは、F1イタリアGP予選で6番手を記録したが、ルイス・ハミルトンのペナルティにより決勝は5番グリッドからのスタートとなる。その裏では、タイヤ選択を巡るチームとの食い違いが明らかになった。

    ラッセルはQ1でミディアムタイヤを履きトップに立ち、Q3でも同じコンパウンドを希望していたが、実際にはソフトタイヤが装着されてコースへ送り出された。本人は「計画はミディアムだと思っていた」と語り、チームとの間に生じた認識の違いが混乱を招いたことを明かしている。

    ラッセルは「Q1で走ったときに僕らは最速だった。Q2の後にミディアムで行きたいと伝えたんだ。僕自身、その方が快適に感じたからね」と語った。

    「今シーズン、クルマによってはミディアムの方が速いこともあった。だから『もしも』なんて言うつもりはないけど、結局Q3では良い仕事ができなかった。それでも少しイライラするね」

    「正直に言えば、僕が十分に明確に伝えなかった部分もあったと思う。Q1の後にミディアムで行きたいと伝えて、Q2の途中でも強調したつもりだった。そこで『計画通り?』と確認したら、チームは『そうだ』と答えた。僕は計画がミディアムだと思っていたけど、チームはソフトを履かせるつもりだったんだ。僕にとってはQ1のパフォーマンスを見れば明らかだと思っていた。両者にとってちょっとしたミスだったね」

    決勝に向けてはこう展望した。

    「レースペースはおそらくフェラーリより良いと思う。でも彼らはストレートで本当に速いから、スタートでルクレールを抜けなければ、後ろで長くフラストレーションの溜まるレースになるだろう」

    ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ) イタリアGP F1

  • キミ・アントネッリ F1イタリアGP初日コースオフも「自信は揺るがない」

    キミ・アントネッリ F1イタリアGP初日コースオフも「自信は揺るがない」

    アンドレア・キミ・アントネッリは、メルセデスにとって厳しい時期から巻き返しを図る中で迎えたイタリアGP金曜フリー走行2回目にコースオフを喫したが、自信を失ったわけではないと強調した。

    金曜午後の1時間セッション開始から10分以内、アントネッリは2つ目のレズモでスライドを立て直そうとしたが、グラベルに流れ込んでしまい、そのままスタックした。

    このオフにより貴重な走行時間を失ったものの、昨年のFP1デビュー戦でパラボリカにクラッシュして以来1年ぶりにモンツァへ戻った19歳のルーキーは、自信は揺らいでいないと断言した。

    「その瞬間のグリップに対してちょっと強くプッシュしすぎてしまって、残念だった」とアントネッリは語った。「今日は良い流れだったんだ。FP1は良かったし、FP2の序盤も力強い出だしだった。だから自信はまだ高いままだ」

    「もちろん、明日は少し違うプログラムをやらなきゃいけないけど、僕たちは何にでも対応できるように準備するつもりだ」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ) F1 イタリアGP

    一方、FP2で10番手に終わったジョージ・ラッセルは、W16のマシンで何度か危うい瞬間を経験したことを認め、マクラーレンのランド・ノリス(最速)に対してコンマ3秒遅れを喫した。

    「今日は素晴らしい感触じゃなかった」とラッセルは語った。「少し自信を持てなくて、キミと同じような瞬間が何度かあった。マシンを良い状態に保つのが難しかった」

    「モンツァでの1日は難しかった。ローダウンフォースのマシンに戻ると、フワフワしてリアがかなりルーズになる。今日の僕たちは特別良い感触じゃなかった」

    「通常ならコンマ3秒遅れというのはマクラーレンのすぐ後ろにいるような位置だけど、接戦だし明日も同じになると思う」

  • メルセデスF1代表 レッドブルの自社エンジン計画は「エベレスト級の難題」

    メルセデスF1代表 レッドブルの自社エンジン計画は「エベレスト級の難題」

    メルセデス代表トト・ヴォルフは、レッドブル・パワートレインズが2026年に導入するF1パワーユニットについて「エベレスト級の難題だ」と表現したが、その長期的な可能性を過小評価するつもりはないと語った。

    現パートナーのホンダが当初F1撤退を決定し、その後のポルシェとの提携も実現しなかったことから、当時のレッドブルCEOクリスチャン・ホーナーは独自でエンジンを生産する方針を決定。ミルトンキーンズの拠点でプロジェクトを立ち上げ、最終的にフォードが技術パートナーとして加わった。

    レッドブルはパワートレイン部門に巨額の投資を行い人材を確保。アウディとともに2026年の新レギュレーション下での新規エンジンメーカーとなった。2026年の規則では高コストかつ複雑なMGU-Hが廃止され、MGU-Kによる電動エネルギー比率がより重視されることになる。

    ヴォルフは、この挑戦を成し遂げることに関して「彼らに不利な状況だ」としつつも、その意欲を軽視してはいけないと述べた。

    「最初の答えとしては、エベレストを登るようなものだと言うしかない。我々のエンジン部門は数十年かけて成長してきたからね」と語った。

    「とはいえ、このスポーツにおいて何かをゼロから作り上げる火力を持ち、新しいアイデアを取り込み、イノベーションにおいて異なる発想を持ち込む者を決して過小評価するべきではない。そして驚きをもたらす製品を作り出す可能性もある」

    実際、レッドブルの自社製エンジンがメルセデスやフェラーリと初年度から肩を並べると考える者はほとんどいない。しかし、2014年から2017年にかけてメルセデスが他を圧倒し、ホンダが長年苦戦したような大きな性能格差を避けるため、FIAはセーフティネットを導入する。その制度により、開発で大きく遅れを取ったメーカーに挽回の余地が与えられる。

    レッドブル F1 メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    「彼らに不利なのは確かだが、何らかの理由でうまくいく可能性もある」とヴォルフは続けた。「仮にそうでなくても、現在のエンジン規則では、最良のパワーユニットから2%(編集注:3%)以上遅れている場合、より多くのダイナモ時間が与えられる。そこから自力で這い上がることはできる。ただし、それは1~2レース、あるいは1シーズンで実現するものではなく、再調整には時間がかかる」

    「それでも彼らが自前のエンジンで挑むのは確かに途方もないチャレンジだ。ただ思い出してほしい。彼らがシャシー部門を引き継いだとき、みんなは『エナジードリンク会社がフェラーリ、メルセデス、マクラーレンと競おうとしている』と笑った。そして最終的に彼らは勝った。だから5年後には違う話をしているかもしれない」

    「今日のエンジンは複雑だから難しい。しかし、4~5年後にもしエンジン規則がV8に戻り、より従来的な電動システムとの組み合わせになるならば、状況は変わるかもしれない」

    2026年のパワーユニット規則におけるこのセーフティネットの概念はADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities/追加開発・アップグレード機会)と呼ばれる。これは定期的にFIAが全メーカーのパワーユニット性能を比較し、明らかに遅れを取っているメーカーに追加のエンジン予算枠やダイナモ時間、そしてパワーユニットのホモロゲーション修正の機会を与えるというものだ。

    この最初の較正は2026年シーズン最初の5戦が終わった後に実施される予定である。さらにFIAは深刻な信頼性問題に直面するメーカーへのセーフティネットも検討している。エンジン予算上限の下では、それが致命的な打撃になりかねないためだ。

  • メルセデスF1代表トト・ヴォルフ マクラーレンの優位を「屈辱的」と表現

    メルセデスF1代表トト・ヴォルフ マクラーレンの優位を「屈辱的」と表現

    メルセデス代表のトト・ヴォルフは、マクラーレンが日曜のF1オランダGPで今季12勝目を挙げたことを受け、同チームの他のトップチームに対する優位を「屈辱的だ」と表現した。

    昨年はレッドブルのマックス・フェルスタッペンがドライバーズタイトルを獲得し、コンストラクターズではフェラーリとマクラーレンが争ったことで、2025年シーズンは近年で最も接戦になると広く予想されていた。

    しかし、シーズン前半15戦を終えた時点でマクラーレンは圧倒的に支配し、コンストラクターズ選手権では2位に324ポイント差をつけて首位に立っている。ドライバーズタイトルもオスカー・ピアストリとランド・ノリスの2人による内部対決の様相を呈している。

    その優位性は先週末のオランダGPでも明確に示された。両ドライバーは勝利を争ったが、最終的にノリスはオイル漏れによってリタイアに追い込まれた。

    ヴォルフは、ザントフォールトでの最後のセーフティカーリスタートを例に挙げ、ハードタイヤを履いたマクラーレンがソフトタイヤを履くライバル勢を容易に引き離したことを「屈辱」と語った。

    「最後に見ただろう。マクラーレンがハードタイヤで、我々はみんなニューソフトだった。それでもこうなった。これは全員にとって屈辱だ」とヴォルフは述べた。

    「見出しは決まったな?」

    さらにヴォルフはこう続けた。

    「本当に良いことじゃない。今週末、マックスとフェラーリと我々の間では少しバランスが取れていたと思う。マックスが最速だったが、フェラーリも同じようなものだった。満足できる状況じゃない」

    トト・ヴォルフ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    メルセデスは現在コンストラクターズランキング3位、マクラーレンとフェラーリに次ぐ位置につけている。

    ヴォルフの挑発的なコメントはオランダGP後、フェラーリのチーム代表フレデリック・バスールにも伝えられた。彼はマクラーレンの優位を認めつつも「屈辱」とまでは言わなかった。

    「最後のスティントだけじゃない。レース全体を見れば明らかだ。第2スティントの中盤、彼らがプッシュするかどうか決めたタイミングは分からないが、他の誰よりもずっと速かった」とバスールは語った。

    「第2スティントの最初の10周はVSC前にペースをコントロールしていて、プッシュすると決めたときには誰も近づけなかった。彼らは明らかに質の面で一歩先にいるし、それ以上の差もある。ただ『屈辱』という言葉までは使わない」

  • メルセデスF1代表 オランダGPでのルクレールのノーペナルティに異議

    メルセデスF1代表 オランダGPでのルクレールのノーペナルティに異議

    メルセデスF1チーム代表のトト・ヴォルフは、ジョージ・ラッセルとシャルル・ルクレールの間で起きたオランダGPでの接触について、FIAスチュワードがルクレールにペナルティを科さなかった判断に異議を唱えた。

    ヴォルフは「明らかにペナルティに値する動きだった」と述べつつ、自身が「偏った立場」であることも認めた。

    オランダGPは夏休み明けのF1再開戦で、波乱に満ちたレースとなった。ルイス・ハミルトンがSF-25をクラッシュで失い、ランド・ノリスも勝利の可能性を潰した一方で、メルセデス勢もラッセルとアントネッリがそれぞれドラマを演じた。

    ラッセルはセーフティカーのタイミングを活かしてルクレールを抜き去り4番手に浮上したが、9周後、フラストレーションを募らせたフェラーリのルクレールが果敢な攻撃に出た。ターン10と11をサイド・バイ・サイドで抜けた後、ルクレールはターン12で強引に飛び込み、フェラーリとメルセデスは接触。ルクレールはほぼグラベルを使ってオーバーテイクを成立させた。

    スチュワードはこの場面をレース後に調査したが、最終的に「不問」とした。多くの関係者は即座にペナルティを与えるべきだったと感じており、ヴォルフもドライバーを擁護する立場を取った。

    スチュワードが調査をレース後まで持ち越したことについて問われたヴォルフは「FIAはより多くの映像アングルを確認したかったのだと思う」と述べた上で、「私の偏った認識からすれば、明らかにペナルティだった」と主張した。

    トト・ヴォルフ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    当事者のラッセルも不満を露わにした。「あの動きは予想していなかった。このコーナーの自然なラインは、外に広がってグラベルまで行くことだ。予選ラップではタイヤをグラベルに落とすことさえある。だから僕は彼を押し出したわけではない。彼はグラベルを通って僕を抜いただけだ」と説明し、残りの周回で1周あたり1秒失うダメージを負ったと明かした。

    一方でヴォルフは、より広い視点からこうも語った。「レース後の全体的な観点から見ると、我々のマシンの一台がシャルルを完全にレースから排除してしまったことを考えると、スチュワードの判断がどうであれ、我々は受け入れるしかない」。

    これは、ルクレールがキミ・アントネッリと衝突しリタイアした場面を指している。ピットを出た直後のルクレールは新人アントネッリと並走し、バンク付きのフーゲンホルツコーナーで接触。SF-25は致命的なダメージを負いレースを終えた。

    オランダGPはフェラーリとメルセデスにとって非常に厳しい戦いとなり、両陣営は次戦イタリアGPで体勢を立て直し、コンストラクターズ選手権2位争いを続けることになる。

  • キミ・アントネッリ F1オランダGPでルクレールと接触「今後は2度考える」

    キミ・アントネッリ F1オランダGPでルクレールと接触「今後は2度考える」

    アンドレア・キミ・アントネッリは、F1オランダGPでのシャルル・ルクレールへの失敗に終わった飛び込みについて、今後同じような動きを試みる前に「2度考える」だろうと認めた。

    イタリア人の彼はザントフォールトで厳しい午後を過ごした。グリッド11番手からスタートし、さまざまな不運が重なり最終的にポイント獲得には届かなかった。

    ルイス・ハミルトンがフェラーリをターン3でクラッシュさせた後にようやくトップ10に入り、その後ミディアムタイヤでスティントを伸ばし、セーフティカー下でピットに入ることで中団グループでさらに順位を上げた。

    その後、メルセデスのチームメイトであるジョージ・ラッセルとのポジション交換を許されると、若手はルクレールに照準を合わせた。しかし進展は少なく、2回目のピットストップを行い、同じくピット作業を終えたばかりのフェラーリの前に戻り、直接対決の構図を作り出した。

    7位を争う中で、アントネッリはターン3のバンキングで果敢なダイブを仕掛けたが、ブレーキングを誤りルクレールと接触。モナコ人ドライバーのレースをその場で終わらせ、自身のW16にもダメージを負った。

    スチュワードは彼の過失と判断し、10秒ペナルティを科した。その後、アントネッリは自らが試みた動きが行き過ぎだったと認めた。

    「オーバーテイクはすごく難しいから行ったんだ」と彼はMotorsport Weekを含むメディアに語った。

    「ダーティエアの中で周回を重ねれば重ねるほど、タイヤとペースが傷む。だから行ったけど、ちょっとやりすぎだった」

    「今はもう一度見直している。ある時点で止めようとしたんだけど、それでは足りなかった。もちろん彼には申し訳ない。次に同じようなことをするときは、おそらく100%決められるという確信がない限り、2度考えるだろう」

    アンドレア・キミ・アントネッリ F1 メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    アントネッリ 失意のF1オランダGP「チャンスを逃して悔しい」
    衝突にもかかわらず、19歳の彼にはわずかながらポイント獲得の可能性は残っていたが、さらに別の不運が襲い、またしても無得点に終わることになった。

    アントネッリはピットレーンの速度違反で5秒ペナルティを受けた。オランダGPでは制限速度が60km/hから80km/hへと引き上げられていたにもかかわらずだ。

    「速度制限は二度と起きないようにしないといけない」とアントネッリは言った。

    「正確にいつやったのかはよく分からないけど、たぶん最初のピットストップの時だと思う。だから二度と起きないようにしなければならない」

    「それに、最後のセーフティカーは不運だった。後ろのドライバーとはすでに10秒近いギャップがあった。だからP6かP7で終われたはずだと思う」

    チャンスを逃したことに苛立ちながらも、アントネッリはペース的には勝負できたと感じていたが、結果的にやりすぎたと認めた。

    「残念だ。ペースは良かったし、前に戻ってきていた」

    「たぶんあれが一番のチャンスだった。すごく彼に近づいていたし、彼はタイヤが冷えていた」

    「だから仕掛けたんだけど、ちょっとやりすぎだった。彼が前に戻ってくるのを見て止めようとしたけど、それでは足りなかった」