カテゴリー: マクラーレンF1チーム

  • マクラーレンF1、2026年F1マシン開発の遅れを否定「2024年から着手」

    マクラーレンF1、2026年F1マシン開発の遅れを否定「2024年から着手」

    2026年F1レギュレーション導入を目前に控えるなか、マクラーレンF1は新世代マシン開発が遅れているとの見方を否定した。

    2025年F1コンストラクターズ王者であるマクラーレンF1は、バルセロナで予定されているシェイクダウンでの走行開始が2日目または3日目になる見通しを示しており、これが一部で懸念材料として受け止められていた。

    2025年シーズンはタイトル争いが最終戦までもつれ込み、開発リソースを現行マシンに集中させていたことから、2026年F1マシンへの着手が遅れたのではないかという指摘も出ていた。しかし、マクラーレンF1のチーフエンジニアであるロブ・マーシャルは、その見方を明確に否定している。

    ロブ・マーシャルはモータースポーツ・ドットコムなどの取材に対し、次のように語った。

    「レギュレーションは2024年のイースター頃には、ひとつの整合性あるパッケージとして形になり始めていた。その時点で、当時の現行マシンの設計とどう重なるかを考えると、新しいクルマについて検討を始めるには良いタイミングだった。規則は承認され、我々はそれを分析した」

    2026年F1レギュレーションは、従来規則から大きく方向転換する内容であり、プロジェクトの立ち上げには長期的かつ包括的な検討が必要になる。マクラーレンF1としても、時間を無駄にできないことは当初から理解していたという。

    マーシャルは、その複雑さを具体例を挙げて説明した。

    「規則を評価していくと、実際にはクルマのあらゆる部品が影響を受けることに気づく。本当にすべてだ。たとえばギアボックスの内部にあり、存在を知っている人も限られるようなベアリングでさえ、その作動サイクルが変わる。そうなればベアリング自体を変更しなければならないし、そこへのオイル供給も変える必要がある。さらに『潤滑油についても考え直す必要があるのではないか』という話になる。こうした一つひとつが、それぞれ独立したプロジェクトになっていく」

    さらに、より分かりやすい車体面での変更についても言及している。

    「クルマはより小さく、軽く、短く、狭くなる。また全体として安全性を高めるため、ホモロゲーション試験の厳しさも大幅に増すことになる」

    マクラーレン F1 フォーミュラ1カー

    その後、開発は段階的に拡大していったという。

    「FIAがマシン性能に関する数値を公開し始めると、荷重ケースを考えたり、サスペンションや受け止めるべき荷重がどう変わるかを検討できるようになる。そうやってすべてが雪だるま式に膨らみ、プロジェクトはどんどん大きくなっていく」

    新レギュレーションを分析し、それを実際のマシンへと落とし込むまでには長い時間がかかる。とりわけ2026年F1は、規則が180度転換し、「あらゆるナットとボルトが変わる」プロジェクトだとマーシャルは強調する。

    「気づけば、本当に文字通り、すべてのナットとボルトが対象になる。幸いにも規則は進化していく。新しい疑問が出るたびに小さな壁にぶつかるが、ルールを読み、少しずつ情報を得ながら進めていく。そうやって取り組んできた。だから基本的には、2024年のイースター頃、あるいは夏頃から、2026年プロジェクトには着手していたということだ」

    マクラーレンF1は、2026年F1新時代に向けた準備を早い段階から進めてきたと強調している。

  • マクラーレンF1、2026年は「開幕まで大改修なし」異例の戦略

    マクラーレンF1、2026年は「開幕まで大改修なし」異例の戦略

    マクラーレンF1は、2026年F1シーズン開幕に向けたアップグレード戦略において、ライバル勢とは明確に異なるアプローチを取る方針だ。プレシーズンテストから開幕戦オーストラリアGPまでの間に大規模な改修を行わないという判断は、新レギュレーション初年度としては異例とも言える。

    2026年F1は、パワーユニットとシャシーの双方で大きな規則変更が行われる「新時代」の幕開けとなる。

    そのため多くのチームは、最初のテストでは暫定仕様のマシンを投入し、開幕戦までに一気に進化させる構えを見せている。フェラーリF1が「スペックA」でテストを開始し、その後に大幅な改修を予定していることは、その象徴的な例だ。

    しかし、マクラーレンF1はこの流れに乗らない。新車MCL40については、2026年マシンの特性を十分に理解するまでは大きな変更を加えず、まずは基礎となるプラットフォームの把握を最優先するという。

    マクラーレン・テクノロジー・センターで語ったチーフデザイナーのロブ・マーシャルは、バルセロナで行われる最初のテストから開幕戦までに投入される変更はごく限定的になるとの見通しを示した。

    「バルセロナからメルボルンまでの間で見られるものは、ほぼそのまま初戦に持ち込む仕様になると思う」とマーシャルは説明した。

    「我々の多くの労力は、このマシンを理解することに注がれる。また、ライバルが何をしているのかを見る必要もある。彼らが何を達成し、何を見せてくるのかからインスピレーションを受けることも重要だ」

    この姿勢の背景には、コストキャップ時代におけるリソース配分の問題もある。性急に新パーツを投入しても、すぐに作り直す必要が生じれば、開発効率は大きく損なわれる。マクラーレンF1は、そのリスクを避けたい考えだ。

    マーシャルは、2026年マシンの複雑さを強調し、早期の大改修がもたらす混乱を懸念している。

    「このクルマを理解することに、本当に集中しなければならない。とても複雑で、すべてが新しい」と述べた。

    「調整しなければならない要素が山ほどある。だから、初期段階で大量の新要素を持ち込むのは、かえって物事を複雑にしてしまう」

    「まずは、このプラットフォームを理解する方が賢明だ。まだ一度も本格的に走っていない段階で、拙速に再設計に走るべきではない」

    2026年マシンの理解が進んでいない現状では、どこにパフォーマンス向上の余地があるのかさえ不透明だ。マクラーレンF1は、最初のテストを「学習の場」と位置づけ、先入観を持たずに臨むという。

    その一例がライドハイトだ。グラウンドエフェクトの影響が小さくなることで、従来ほど極端に車高を下げる必要はなくなるが、最適解がどこにあるのかは未知数だ。

    2026年の空力開発とレーキ(前後車高差)の役割について問われたマーシャルは、次のように語っている。

    「このレギュレーションの意図は、リアのライドハイトを引き上げることにあると思う。我々も、その方向になるという感触は持っている」

    「ただ、どこまで高くなるのか、どこまで低くできるのかは、まだ分からない」

    「来週のバルセロナでは、どこでマシンを使うのが最適なのかを探る、大きな旅が待っている」

    マクラーレン F1

    マクラーレンF1は、2026年マシンの画像をバルセロナテスト直前まで公開しない予定で、現時点ではMCL40のシルエットのみを明らかにしている。テスト参加も初日ではなく、2日目か3日目になる見込みだ。

    一方で、事前に確認されたレンダリング画像からは、ダウンウォッシュ型サイドポッドや、フロントサスペンションをプルロッドからプッシュロッドへ変更するという、注目すべき設計思想が見て取れる。

    フロントサスペンションの選択について、マーシャルは純粋に空力的な理由によるものだと説明した。

    「昨年も、それ以前の年も、プッシュロッドとプルロッドの両方を採用するマシンがあった」と述べたうえで、

    「結局のところ、新しいフロントウイングにどのサスペンション配置が最も適しているか、という空力的な判断に行き着く」

    「新しいフロントウイングは、すべてが新設計だ。これまでに見てきた各チームのサスペンション構成も、それぞれのフロントウイングやフロントエンドのパッケージに合わせたものだ」

    「これは完全に空力主導の選択だ。メカニカルな面では、どちらも特別に難しいわけではない」

    慎重に理解を積み重ねることを最優先するマクラーレンF1の姿勢は、2026年F1の序盤戦において、ライバルとは異なる時間軸で進化を遂げる可能性を示している。新時代の開幕において、即効性よりも基盤固めを選んだ判断が、どのような結果につながるのかが注目される。

  • マクラーレン、アレックス・パロウ裁判で18億円超の損害賠償獲得

    マクラーレン、アレックス・パロウ裁判で18億円超の損害賠償獲得

    マクラーレンは、元F1テストドライバーでインディカー王者のアレックス・パロウとの契約紛争をめぐる裁判で、総額1200万ドル超(約18億6000万円超)の損害賠償を勝ち取った。

    裁判所は、パロウが2023年にマクラーレンのインディカー参戦契約およびF1テスト/リザーブドライバー契約を破棄し、チップ・ガナッシ・レーシングに残留したことによる商業的損失の大部分を認定した。

    今回の認定額は、マクラーレンが請求していた総額の半分以上に相当する。一方で、F1関連の一部請求は棄却されており、評価は分かれた形となった。

    マクラーレン・レーシングCEOのザク・ブラウンは、この判断を「完全に妥当な結果」と表現した。一方、アレックス・パロウは「マクラーレンにいかなる損害も認められたこと自体に失望している」と述べ、かつて最大約1500万ドル(約23億3000万円)に達していたF1関連請求が「全面的に棄却された」点を強調した。

    パロウは、2024〜2026年までの参戦(2027年オプション付き)とF1プログラムを含む契約を破棄し、チップ・ガナッシ・レーシングに残留したことを認めている。弁護側は、F1昇格の見通しについて誤解を招かれたこと、また請求額の一部が過大あるいは無関係であると主張していた。

    裁判所が認めた主な損害
    裁判所は、パロウが起用される前提で組まれていたNTTのインディカー・スポンサー契約に関する損害をほぼ全面的に認定した。2024〜2026年分で538万ドル(約8億3400万円)、2027年分で95万ドル(約1億4700万円)が認められている。

    さらに、出来高連動の逸失収益として200万ドル超(約3億1000万円超)、その他スポンサー損失として200万〜250万ドル(約3億1000万〜3億8800万円)が認定対象となった(最終額は別途判断)。

    また、パロウ離脱後に少なくとも1人のトップドライバーを確保するために発生した費用として、パト・オワードの年俸引き上げ分130万ドル(約2億150万円)、さらにゼネラルモーターズから受け取るはずだった「Aレベルドライバー」起用対価として50万ドル(約7750万円)も認められている。

    一方で、F1スポンサー関連、パロウのテスト費用、サインオンボーナスに関する請求は棄却された。

    これとは別に、利息および訴訟費用の精算については、後日の審理で判断される見通しだ。なお、訴訟期間中のパロウはチップ・ガナッシ・レーシングの支援を受け、潜在的な損失についてはチーム側が補償していた。

    当事者のコメント
    「判決が示す通り、我々はアレックスに対する契約上の義務をすべて果たし、合意内容を完全に履行していた」とザク・ブラウンは述べた。

    一方、パロウは、専門証人として協力した元F1チーム代表のオトマー・サフナウアーに謝意を示し、「今後の選択肢を助言者と検討している」とコメントした。

    「今回の判断は、私に対する請求がいかに過大だったかを示している。F1シートを与えられないと知った上でマクラーレンに乗らない選択をしただけで、多大な時間と費用が費やされたのは残念だ。代わりに起用されたドライバーから得た利益を考えれば、マクラーレンに損失はないはずだ」とも述べている。

    “後任”をめぐる混乱
    パロウが言及した「後任ドライバー」が誰を指すのかは明示されていないが、現在もマクラーレンに在籍するノーラン・シーゲルを指すとみられる。

    実際には、パロウの翻意後にマクラーレンが最初に獲得したのはデイビッド・マルーカスだったが、オフシーズンの負傷により実戦出走はなく、その後テオ・プルシェールが起用されたものの、最終的にシーゲルがレギュラーシートに落ち着いた経緯がある。

    最後に、チップ・ガナッシは「アレックスには今も、そしてこれからも全面的な支援を与える。法的手続きは尊重するが、我々の焦点は常にレースと勝利にある」と述べ、体制への影響を否定した。

  • ランド・ノリス、F1王座防衛を宣言「2025年に初めて自分を信じられた」

    ランド・ノリス、F1王座防衛を宣言「2025年に初めて自分を信じられた」

    ランド・ノリスは、2026年F1シーズンに向けて明確な目標を掲げている。2025年に獲得したワールドタイトルを防衛することだ。

    マクラーレンのドライバーであるノリスは、オートスポーツ・アワード2026の席で「オートスポーツ・チャンピオン」の賞を受賞し、歓声に包まれた会場を前に、来季も再びタイトルを見据えていることを明言した。

    「それが間違いなく目標だ。そう、本当に、本当にそれが目標だ」とノリスは、司会のグレッグ・ジェームズからの質問を一度かわした後に強調した。

    「一度勝つと、当然ながら大きな自信が得られる。それは人それぞれだと思う。物事への向き合い方は自分なりに見つけなければならない。自信がある人もいれば、そうでない人もいる」

    ノリスは自身の変化について、次のように振り返った。

    「僕はもともと、自信に満ちあふれたタイプではなかった。今は確実に増している。それは間違いない。僕はいつも“見てから信じる”タイプだった。自分自身に対してもそうだった。自分が最高の表彰台に立ち、勝つ姿を実際に目にしないと、それを信じることができなかった」

    「でも昨年は、実際にそれを成し遂げる前に、その感覚を持つことができた」

    さらに、シーズン中盤には確信に近い感覚が芽生えていたという。

    「シーズンの途中で、必要なものはすべてそろっていると感じていた。周囲の人たち、チーム、マシン、そしてチャンピオンシップを勝ち取る自分自身の力。そのすべてだ。だから、本当に初めて自分を信じられたのが昨年で、それが正しかったと結果が証明した。それがとても特別だった理由だ」

    2026年シーズンからF1は全面的に新しいレギュレーションへと移行し、勢力図は再びリセットされる。すべてのチームが、ある意味でゼロからのスタートを切ることになる。どのチームが抜け出すのかは誰にも分からないが、ノリスは前向きだ。

    マクラーレンが使用するメルセデス製パワーユニット搭載車が有利になるのでは、という予想も出ている。2014年のハイブリッド時代開幕時に、ブラックリーのチームが圧倒的な強さを見せた実績があるからだ。

    ただし、その答えが出るのは、開幕戦オーストラリアGPでマシンが実際に走り出してからになる。

  • オスカー・ピアストリ マクラーレンF1“パパイヤ・ルール”変更の可能性を示唆

    オスカー・ピアストリ マクラーレンF1“パパイヤ・ルール”変更の可能性を示唆

    マクラーレンF1のオスカー・ピアストリは、2026年F1シーズンに向けて、チーム内で議論を呼んだいわゆる「パパイヤ・ルール」に変更が加えられる可能性があることを示唆した。

    24歳のピアストリは、2025年シーズン最終戦のアブダビGPでチームメイトのランド・ノリスがタイトルを決めたことで、自身初のF1ワールドチャンピオン獲得のチャンスを逃した。

    ランキングではノリスに次ぐ2位ではなく、4度の世界王者であるマックス・フェルスタッペンがノリスの後方につけ、ピアストリは首位から13ポイント差の3位でシーズンを終えている。

    2026年F1シーズンに向けた大規模なプレシーズンテストを前に、ピアストリはオーストラリアのテレビ番組『The Today Show Australia』に出演し、2025年にタイトル争いに迫った経験について振り返った。その中で彼は、昨シーズンから「良い面も悪い面も含めて多くの教訓を得た」と認めている。

    「パパイヤ・ルール」は必要に応じて調整
    2025年シーズンの15戦にわたってドライバーズランキング首位に立っていたにもかかわらず、ピアストリは振り返りたくない場面も多かったと明かした。その多くは、マクラーレンのチームオーダーを巡る判断が原因だったという。

    F1においてチームオーダー自体は珍しいものではないが、マクラーレンの対応は2025年イタリアGPで特に大きな反発を招いた。このレースでは、ピアストリがノリスにポジションを譲るよう指示を受けた。

    モンツァでのレース終盤、47周目にノリスはピットインしたが、ピットストップに大きな遅れが生じ、その間にピアストリがトラックポジションを逆転した。しかし、ノリスがピアストリの後方でコースに復帰すると、ピアストリは自身に非がないにもかかわらず、順位を戻すよう求められた。結果的にマクラーレンはレース勝利をフェルスタッペンに奪われ、ノリスとピアストリはそれぞれ2位と3位でフィニッシュしている。

    最近のインタビューで、ピアストリは「パパイヤ・ルール」が自分に与えた影響を過度に強調すべきではないとしつつ、チーム内では今なお議論が続いていることを明かした。

    「これは舞台裏ではよく話し合われている。世間で言われているほど大きな問題でも、大きな議論でもないと思っている。でも、僕たちにはレースの進め方があって、それは常に進化している」とピアストリは語った。

    「レビューは行うし、すでに行っている。まったく同じやり方を続けたいのか、少し変えたいのか。だから、次にレースをする前に、その点は完全に整理するつもりだ」

    さらにピアストリは、チームの意図についても次のように述べている。

    「僕にとっては、常に意図は正しい方向にあったと思っているし、もし必要だと感じれば、少し手直しをして、僕たち自身の負担を軽くすることになると思う」

    マクラーレンF1が2026年F1シーズンでどのような形でチームオーダーを運用するのか、今後も注目が集まりそうだ。

  • マクラーレンF1、2026年プレシーズンテスト初日不参加を表明

    マクラーレンF1、2026年プレシーズンテスト初日不参加を表明

    マクラーレンF1は、1月26日から30日にかけて行われるバルセロナ・シェイクダウンにおいて、初日には走行せず、2日目または3日目からテストを開始する方針を明らかにした。チームは同時に、2026年F1マシン「MCL40」が初走行から開幕戦オーストラリアGPまで大きく姿を変えることはないとの見通しも示している。

    シェイクダウンでは、5日間の期間中に各チームが最大3日間の走行を許可されている。マクラーレンはこの枠を活用しつつ、開発時間を最大限確保することを優先した。

    新レギュレーション導入初年度という状況の中で、どの段階でマシンを完成させるかという判断が、チームの戦略に色濃く反映されている。

    チーム代表のアンドレア・ステラは、2026年シーズンに向けた姿勢について次のように語った。

    「我々はチャンピオンだが、その意識を2026年に持ち込むことはない。全員がスターティングブロックから、ゼロから始まる。我々が達成するものは、すべて自分たちで勝ち取らなければならない。そこが我々の考え方であり、哲学だ」

    ステラによれば、MCL40は大規模な再設計が施されたマシンであり、攻めと慎重さの両立が不可欠だという。

    「2026年マシンでは非常に野心的なアプローチを取っている。同時に、これだけ再設計の規模が大きいと、実際にマシンを完成させ、時間内に組み上げるための慎重さも必要になる。現時点では、プログラムは計画通りに進んでおり、それには満足している」

    MCL40はすでにオーストリアにあるAVLの施設に搬入され、ダイノ上での検証が行われているという。この工程についてステラは、近年のF1では一般的なプロセスだと説明している。

    「マシンはすでに完成し、現在はオーストリアのAVLでダイノを回している。これは今やF1では一般的な手法で、ギアボックス単体をリグで回す以上に、車両全体の基本システムを確認できる。そこでの作業を終えた後、マシンはバルセロナへ向かう」

    シェイクダウン初日に走行しない理由について、ステラは次のように明確に説明した。

    「我々はバルセロナでは2日目か3日目から走行を開始する予定で、初日は走らない。できる限り開発時間を確保したかった。バルセロナでは5日間のうち3日間走れるが、その3日を2日目か3日目から使う」

    この判断がリスクにならないかという問いに対しても、ステラは当初からの計画だったと強調する。

    「これは最初からプランAだった。変化が非常に大きいので、必ずしも最初に走る必要はないと考えている。開発に1日費やすごとに、設計とパフォーマンスが少しずつ向上していく。早く走れば安心感は得られるが、その分、設計を早い段階で確定させることになり、最終的な性能を犠牲にする可能性もある」

    さらに、シーズン全体を見据えた判断であることも明かした。

    「シーズン全体のバランスを考えたとき、できるだけ競争力の高いパッケージでマシンをローンチすることが重要だと考えた。そのため、管理可能な範囲でスケジュールを限界まで詰めた。現時点では、2日目から走る計画で問題はないと感じている」

    マクラーレン F1

    一方、他チームが「初走行から開幕戦までに大きく仕様が変わる可能性がある」と示唆する中で、マクラーレンのチーフデザイナー、ロブ・マーシャルは、早期の大幅改修には慎重な姿勢を示している。

    「バルセロナからメルボルンにかけては、基本的に最初のレースに持ち込むものが、そのまま見えている姿になると思う。まずはこのマシンを理解することに、多くの労力を割く必要がある」

    マーシャルは、新レギュレーション下のマシンが極めて複雑である点を強調した。

    「非常に複雑で、すべてが新しい。調整しなければならない要素が山ほどある。そうした状況で、序盤から大量の新しいものを投入すると、かえって物事を複雑にしてしまう。我々は、プラットフォームを理解してから次の段階に進む方が賢明だと考えている」

    マクラーレンF1は、2026年型マシンMCL40を2月9日に正式発表する予定だ。開発時間を優先し、最初から完成度の高い仕様で臨むという今回の判断が、新時代F1の序盤戦でどのような結果をもたらすのか、注目が集まる。

  • マクラーレンF1、プーマと複数年契約を発表 2026年から新チームウェア

    マクラーレンF1、プーマと複数年契約を発表 2026年から新チームウェア

    マクラーレン・レーシングは、グローバル・スポーツ企業のプーマと複数年にわたる大型パートナーシップを締結したと発表した。2026年から、ランド・ノリス、オスカー・ピアストリを含むマクラーレン・レーシングの全ファミリーは、新たな装いでシーズンを迎えることになる。

    この契約により、プーマはマクラーレンF1チームのみならず、マクラーレン・レーシング傘下のすべてのプログラム向けにチームキットを制作する。

    対象は、アロウ・マクラーレン・インディカー・チーム、F1アカデミーの2エントリー、マクラーレンF1シム・レーシング・チーム、そして2027年から参戦予定のマクラーレン・ユナイテッドAS WECハイパーカー・チームにまで及ぶ。

    マクラーレンのCEOであるザク・ブラウンは、今回の提携の意義を次のように語った。

    「我々のスポーツは今、非常に良い状態にあり、成長する世界的なファンベースと深く、意味のある形で関わろうとする主要なファッション/ライフスタイルブランドが流入しているのを見るのは素晴らしいことだ」とブラウンは述べた。

    「ファンウェアのポートフォリオを加速させるために、スポーツウェアの巨人であるプーマ以上のパートナーは思い浮かばない。我々は、ファンがサーキット内外で情熱を表現したいと考えていることを理解している。プーマの革新的なデザインとカルチャーへのアプローチは、世界中でエキサイティングなコレクションと体験を提供してくれるはずだ」

    マクラーレン F1 ランド・ノリスマクラーレン F1 オスカー・ピアストリ

    プーマは、チームが実際に着用する仕様を反映したレプリカ・コレクションに加え、ライフスタイル・コレクションも展開する予定だ。

    一方、プーマCEOのアーサー・ホールドも、この提携に大きな期待を示している。

    「プーマはモータースポーツにおける長く成功した歴史を誇り、数十年にわたり業界を代表するドライバーやチームと協業してきた」とホールドは語った。

    「2025年のコンストラクターズおよびドライバーズ・チャンピオンであるマクラーレン・レーシングを新たなパートナーとして迎え、次の章を書けることは大きな名誉だ。多くの成功を共にし、世界中の情熱的なファンと関わりながら、両ブランドの最良を示すインスパイアリングなコレクションを創り上げていきたい」

    この大型契約により、2026年以降のマクラーレンは、サーキット上の競争力だけでなく、ファンウェアとブランド体験の面でも新たな時代へ踏み出すことになる。

  • マクラーレン、2026年F1マシンのファイアアップを完了 動画を公開

    マクラーレン、2026年F1マシンのファイアアップを完了 動画を公開

    2025年F1世界王者のマクラーレンは、2026年F1マシンのファイアアップを無事に完了した。

    バルセロナで行われる最初のプレシーズンテストまで1週間あまりとなるなか、マクラーレンは金曜日にウォーキングのファクトリーで新車MCL40に初めて火を入れた。チーム代表のアンドレア・ステラも立ち会い、チームスタッフとパワーユニットサプライヤーであるメルセデスの担当者が、予定されていた初期チェックプログラムを進めた。

    バルセロナテストに向けて予定通りマシンを準備できた背景には、2025年シーズン終盤までタイトル争いを続けた厳しい戦いがある。マクラーレンは昨季、ダブルタイトル獲得を目指しながらも、2026年に控える大規模なレギュレーション刷新に向けた開発を並行して進めなければならなかった。

    新車はすでに最初のテストに備えた状態にあるものの、ランド・ノリスとオスカー・ピアストリがドライブする2026年型マシンを、ファンがいつ最初に目にすることができるのかは現時点では明らかになっていない。マクラーレンは、2月9日にバーレーンで開催されるイベントまでマシンを正式公開しない方針で、その2日後には同地で最初の公開テストが始まる。

    それまでの間、マクラーレンは1月26日から30日にかけてバルセロナで行われる非公開テストに参加する予定だ。各チームはこの5日間のうち、最大3日間の走行が認められている。

    マクラーレンは昨季、コンストラクターズ選手権を連覇し、ノリスがドライバーズタイトルを獲得した。これはチームにとって2008年以来となるドライバーズ世界王座だった。グラウンドエフェクト規則のもとで強さを証明した一方、ステラはレギュレーションが一新される2026年以降も、チームがトップにとどまれるだけの総合力があると自信を示している。

    「私のF1キャリア26年の中でも、これほど強力な技術部門に身を置いたことはない」とステラは昨年末に語った。

    「現行レギュレーションの細部がそのまま将来に当てはまるわけではないが、働き方や基準、マシン開発へのアプローチ、技術的な目標設定といった部分は未来にも引き継がれる。この点が、2026年シーズンに向けて我々を楽観的にさせている」

    なお、マクラーレンが火入れを行った同日、フェラーリもマラネロで2026年F1マシンの初回火入れを実施しており、その場にはルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールが立ち会っていた。

  • ロン・デニス、マクラーレン・ホンダF1の失敗を認める「私は間違っていた」

    ロン・デニス、マクラーレン・ホンダF1の失敗を認める「私は間違っていた」

    元マクラーレンのチーム代表であるエリック・ブーリエは、2015年F1シーズンを前にホンダに対する懸念を退けていたロン・デニスが、その判断を後に謝罪したと明かした。

    マクラーレンは2015年、約30年ぶりにホンダと再タッグを組んだ。両者は1980年代後半から1990年代初頭にかけて、アラン・プロストやアイルトン・セナとともにF1を席巻した名コンビだった。

    しかし2015年初頭、その現実が「悲惨」なものであることが明らかになると、ロン・デニスはブーリエに謝罪したという。

    フェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンというスター級ドライバーを擁していたにもかかわらず、ホンダ製パワーユニットは遅く、信頼性にも欠け、マクラーレン・ホンダの再結成は失敗に終わった。

    両者は2017年末に袂を分かち、その時点でデニスはすでにマクラーレンを去っていた。ブーリエも翌年、チームを離れている。

    ブーリエによれば、2014年シーズン中に何度も日本を訪れ、ホンダのF1エンジン開発について懸念を示していたが、デニスはそれを取り合わなかったという。

    ところが2015年初頭、プレシーズンテストで最悪の懸念が現実となったことで、デニスは態度を改めた。

    ブーリエは『モータースポーツ』誌に次のように語っている。

    「2014年のある時、日本にあるホンダのF1本拠地を訪問してウォーキングに戻り、ロン・デニスにこう尋ねたのを覚えている。『ホンダが来年すぐにメルセデスや他と戦える準備ができるなんて、どうして可能なんだ? 明らかに大きく遅れているのに』とね」

    「ロンは『心配するな』と答えた」

    「その後、再びホンダの工場を訪れ、そこからロンに電話をかけた」

    「『ここに来て、自分の目で見てくれ』と私は言った。でも、またしてもロンは『すべてうまくいく』と断言した」

    「しかし、うまくいかなかったし、実際そうならなかった。ホンダは準備ができていなかった。彼らがF1プロジェクトに着手したのは2012年末だった」

    「フェラーリとルノーは2010年、メルセデスは2009年に始めていた。ホンダは何マイルも遅れていた」

    「2015年2月にヘレスでテストをしたとき、我々は本当にひどかった。遅くて信頼性もなかった。その時ロンが私に電話をしてきて、こう言った。『君が正しかった、私は間違っていた、エリック。おそらく私がフランス人に謝ったのは、これが初めてだろう』とね」

    本田技研工業 F1 ホンダ

    その後、マクラーレンは2024年に復活を果たし、1998年以来となるドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルのダブル制覇を達成した。

    一方ホンダは、レッドブルとの非常に成功したパートナーシップを築き、2021年から2024年にかけてマックス・フェルスタッペンを4年連続タイトルに導いた。

    日本の自動車メーカーであるホンダは、2026年F1シーズンを前にアストンマーティンと新たなテクニカルパートナーシップを結んでいる。

    ホンダは2021年末でF1から撤退したものの、2025年末までレッドブルへの技術支援を継続しており、今回の提携はF1への公式復帰を意味する。

    ホンダは最近、東京で火曜日に開催されるローンチイベントを前に、2026年F1エンジンの画像を公開した最初のメーカーとなった。

  • マクラーレンF1 ザク・ブラウンが語る2025年教訓「クソみたいなことは起きる」

    マクラーレンF1 ザク・ブラウンが語る2025年教訓「クソみたいなことは起きる」

    マクラーレンは、2025年F1シーズンのタイトル争いで犯したミスから「価値ある教訓」を得たとして、過去を引きずるつもりはないという姿勢を示している。

    ウォーキングを拠点とするマクラーレンは、2025年にコンストラクターズ選手権を連覇。さらにランド・ノリスがマックス・フェルスタッペンを下してドライバーズ選手権を制し、成功のシーズンを締めくくった。

    ザク・ブラウン「クソみたいなことは起きる。そこから学ぶ」
    ノリスは最終戦アブダビGPで3位に入りタイトルを確定させたが、終盤は激しいプレッシャーにさらされた。フェルスタッペンがシーズン終盤にかけて勝利と表彰台を重ね、再びタイトル争いに加わってきたためだ。

    その過程では、マクラーレンのミスが結果に影響したレースもあった。ラスベガスGPでのダブル失格、そしてカタールGPでの戦略ミスにより、ノリスとオスカー・ピアストリが、チームの判断によってフェルスタッペンに与えてしまった大きなリードを追いかける展開になった。

    年間を通して最も安定して競争力のあるマシンを持っていたにもかかわらず、もし運がもう少しフェルスタッペンに味方していれば、マクラーレンはドライバーズ選手権を失っていた可能性もあったシーズンだった。

    こうしたミスについて、マクラーレンのCEOであるザク・ブラウンは、今週チーム公式サイトに掲載したオープンレターの中で認めており、「価値ある教訓」を得たと述べている。

    「レッドブルとマックス・フェルスタッペンは、最終戦まで我々を追い詰めてきた」とブラウンは語り、2025年におけるミルトンキーンズのチームの競争力に敬意を表した。

    「大きな規則変更を控えた最終年となった2025年は、これまで以上に競争が激しかったが、我々はその戦いを楽しんだ」

    「シーズンの中では厳しい局面もあり、我々は間違いなくいくつかのミスを犯し、それがライバルの助けになった部分もあった。そうした点を認めることは重要だ。しかし、それらは迅速に対処され、チームをより良くするための価値ある教訓となった」

    「我々はレーサーであり、このスポーツに長く身を置いてきた。だから、クソみたいなことは起きるし、それもゲームの一部だということを理解している。重要なのは、そうした状況にどう反応し、前進する力に変えられるかだ。ミスをしたときには我々は責任を取り、困難な状況にも率直かつオープンに、建設的に向き合い、より強く、より結束した状態で前に進む」

    「昨年我々が学んだ教訓は数多くあり、それらはチームとしての継続的な進化の一部だ。間違いなく、我々はより良い準備ができている。我々は比較的若いチームだが、学ぶスピードは速く、力強さと目的意識を持って立ち直る。チャンピオンシップは、プレッシャーの下でチームがどう対応するかで決まる。我々が困難な局面をどう乗り越えたかを、私は誇りに思っている」

    マクラーレン F1

    「王者」の肩書きはレギュレーション刷新の前では意味を持たない
    マクラーレンの成功は、2022年に始まったグラウンドエフェクト時代という旧レギュレーション最終年を締めくくるものでもあった。

    レッドブルはこの規則期間の初期を支配し、フェルスタッペンは2021年のタイトルに続いて3連覇を達成した。一方、マクラーレンは着実に前進を続け、2024年初頭にはノリスがマイアミGPで初優勝を挙げるなど、明確な飛躍を見せた。

    2025年シーズン中盤には、複数のチームが2026年への開発に軸足を移す中、マクラーレンも比較的早い段階で次世代マシンに集中した。これにより、シーズン終盤まで現行車の開発を続けたチームに対して、一定のアドバンテージを得た可能性もある。

    しかしブラウンは、新車が1月下旬のバルセロナでのプレシーズンテストに姿を現したとき、世界王者という肩書きが実際のパフォーマンスに直結するわけではないと認めている。

    「レギュレーションがリセットされる状況では、現王者という肩書きはほとんど意味を持たない」

    「新たなF1のレギュレーション時代は、新しい課題をもたらす。競争環境も変化するだろうが、我々の目標は、2024年と2025年の成功を支えた基盤をさらに強化し、トップで戦うために必要な高い基準を維持することだ」

    「開幕戦で勢力図がどうなるかを正確に予測できる者はいない。しかし、アンドレア・ステラと彼のリーダーシップチームは、長い時間をかけて水面下で懸命に取り組んできた。我々が力強いスタートを切れるよう、可能な限り最善の準備を進めている」