カテゴリー: マクラーレンF1チーム

  • オスカー・ピアストリ 2026年F1開幕前の決断 マーク・ウェバー帯同を縮小

    オスカー・ピアストリ 2026年F1開幕前の決断 マーク・ウェバー帯同を縮小

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン)は2026年F1バーレーンテストを終え、自身のサポート体制に小さな変化があったことを明かした。レース週末におけるマーク・ウェバーのトラックサイドでの関与が減る一方で、新たな体制でシーズンに臨むことになる。

    マクラーレンは6日間の走行で合計817周を記録し、最多周回数でプレシーズンテストを締めくくった。新レギュレーション初年度を前に十分なデータを確保し、開幕戦オーストラリアGPへ向かう。

    ピアストリは、ウェバーの現場帯同が減る理由について次のように語った。

    「特別な理由があったわけではない。ただ、体制を少し違った形にしようという決断をしただけだ」とピアストリは語った。

    「マークは今も本当に深く関わっているし、この数週間もたくさん連絡を取っている。ただ、これまでほど頻繁にはトラックサイドに来なくなるだけだ」

    「それがすべてだ。何か特定の出来事がきっかけになったわけではない」

    2021年にフォーミュラ2タイトルを共に獲得した元レースエンジニアのペドロ・マトスが、今季は多くのレースでトラックサイドを担当する見込みだとされる。マトスはマクラーレンに直接雇用される形ではなく、週末を通じてピアストリを支える立場となる。また、スポーツ心理学者のエマ・マレーとも引き続き連携する。

    2025年シーズン、ピアストリは自身初のタイトル争いを展開したが、シーズン終盤に調子を落とし、3分の2経過時点で34ポイントのリードを築きながらもランド・ノリスとマックス・フェルスタッペンに逆転を許した。

    2026年F1レギュレーションへの移行により、ドライビングにも変化が求められている。ピアストリはその適応についても率直に語っている。

    「間違いなく学習曲線はある」とピアストリは説明した。

    「去年とは明らかに違うやり方をドライバーとして求められている部分がまだいくつかある」

    「でも、その走らせ方の最適化については、まず僕たちドライバーが新しいことを理解し始めているし、チームも今のドライビングスタイルに合わせた対応を進めている」

    「改善はしてきている。以前とはかなり違うけれど、自然とパフォーマンスは見つけられていると思うし、そのパフォーマンス向上によって、いくつかの扱いやすさも少し良くなってきている」

    「進歩はしていると思う。あとはメルボルンがどうなるか見てみよう」

  • ザク・ブラウン「マクラーレンF1はビッグ4に入るが先頭ではない」

    ザク・ブラウン「マクラーレンF1はビッグ4に入るが先頭ではない」

    2026年F1シーズン開幕を前に、マクラーレンの最高経営責任者ザク・ブラウンは、自身のチームが“ビッグ4”の一角に入るとの見通しを示した。ただし、その先頭に立つ存在ではないとの慎重な見解も併せて示している。

    バーレーンで行われているプレシーズンテスト最終日を前に、開幕戦オーストラリアGP(3月6日〜8日)に向けた勢力図を巡る憶測が続く中、ブラウンは現状を冷静に分析した。

    「我々は良いマシンを作れたと思っている」とブラウンは語った。

    「ビッグ4には入るだろう。ただ、そのビッグ4の先頭にいるとは思っていない。しかし、シーズンは長く、多くの開発がある」

    「まだ学んでいる最中だが、良いスタートポジションにはいると思う」

    木曜日のチーム代表者会見で、フェラーリのフレデリック・バスールやメルセデスのトト・ヴォルフと並んだブラウンは、ライバル勢の状況にも言及した。

    「赤いチームと銀色のチームは非常に強そうだ。そして、レッドブルがすべてを見せているとは思わない。ただ、我々は間違いなくトップ4の中にいる」

    マクラーレン F1

    さらにブラウンは、なぜこの4チームと他のチームとの間に差が生まれる可能性があるのかについても問われた。

    「結局は“人”だ。我々は皆、素晴らしいテクノロジーや風洞などを持っている」

    「我々の場合、マクラーレンには素晴らしいカルチャーがある。多くの男女スタッフに支えられており、安定性もある。チーム内の変化はほとんどなかった。我々は優れた働き方をしていると思う」

    「そして素晴らしいドライバーラインアップもある。他の多くのチームも同様だが、それらすべてが合わさることで、マージンが非常に小さい中でも最終的な差になる。とはいえ、まだ初期段階であり、ここで状況はすぐに固まっていくだろう」

    マクラーレンは2025年にコンストラクターズ選手権を連覇し、ランド・ノリスが自身初のドライバーズタイトルを獲得。王者として2026年シーズンに臨むが、ブラウンは開幕前から現実的な立ち位置を見据えている。

  • レオナルド・フォルナローリ 2026年はレース封印 マクラーレンF1活動に専念

    レオナルド・フォルナローリ 2026年はレース封印 マクラーレンF1活動に専念

    2025年FIA F2王者のレオナルド・フォルナローリが、2026年はレース活動を行わず、マクラーレンのリザーブ兼開発ドライバーとしての役割に専念することを明らかにした。バーレーンで行われたプレシーズンテスト初日、イタリアの放送局の取材に応じ、今季は競争よりも学習と準備の年になると語った。

    FIAのレギュレーションにより、F2王者は翌年のタイトル防衛が認められていない。そのため21歳のイタリア人ドライバーはカテゴリー復帰の資格がなく、新たなステップとしてマクラーレンに加入した。

    「まだレースはしていないけど、一歩引くことにした」とフォルナローリは語った。

    「本当に多くの新しいことがある。自分にとっては完全に新しいものばかりだ。僕たちは皆、少しずつ学んでいる。マシンも新しく、多くの点が異なる。でも、ここ数日を本当に楽しんでいる」

    「この機会を与えてもらえて本当にうれしいし、できる限り多くのことを学べると確信している」

    フォルナローリは、間もなくシミュレーター作業を開始する予定だと説明した。

    「すぐにシミュレーターを始める。そう遠くないうちに、シーズンに向けた準備としてトラックテストも始まる。我慢できない気持ちだ」

    過去型車を用いるTesting of Previous Car/旧型車テスト(TPC)プログラムからスタートするのかと問われると、彼は次のように答えた。

    「もちろん、そうだ。僕たちはすべてを準備しているし、まもなく準備を終える」

    マクラーレンについては「素晴らしい組織だ」と評価し、加入直後から強い一体感を感じているという。

    「チームの中の誰もが、働き、向上したいという強い意欲を持っている。皆が自分の仕事を愛している」

    「とても温かく迎え入れてくれて、自分をファミリーの一員だと感じさせてくれている」

  • オスカー・ピアストリ 2026年F1スタートに警鐘「6〜7ポジション失う可能性」

    オスカー・ピアストリ 2026年F1スタートに警鐘「6〜7ポジション失う可能性」

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン)は、2026年F1マシンのスタート手順について強い懸念を示し、開幕戦メルボルン前に対応が必要だと訴えた。

    バーレーンでのプレシーズンテスト最終日、ドライバーたちはピットレーンでスタート練習を行った後、グリッドに整列。その挙動は波乱を予感させるものだった。

    2026年型パワーユニットではMGU-Hが廃止され、低回転域でターボラグを補う仕組みが消えた。その結果、発進時に理想的な状態へ持ち込むまでの時間が大きく伸びている。

    ジョージ・ラッセルは「簡単ではない」と語り、エステバン・オコンは「ターボラグは非常に大きな話題だ」と指摘。ピエール・ガスリーも「オーストラリアでは忘れられない瞬間になるかもしれない」とファンに警告した。

    ピアストリもまた、この問題が深刻なポジションロスを招く可能性があると明かした。

    「全員がスタートで必要とするものは違うだろうし、正直なところ、僕たちの誰もがまだ正確に何が必要なのか分かっていないと思う」とピアストリは語った。

    「大まかなアイデアはあるし、きちんとしたスタートを決める方法は見つけられるはずだ」

    「ただ去年は、良いスタートと悪いスタートの違いは、少しホイールスピンしたか、反応が悪かったか程度だった」

    「今年は実質的にF2のレースのようになる可能性がある。アンチストールに入るような状況だ。5メートル失うどころか、失敗すれば6〜7ポジションを失うかもしれない」

    オスカー・ピアストリ マクラーレン

    ピアストリはこの状況について、F1側が対処すべきだと強調した。今後開催されるF1コミッション会議でも議題に上る見込みだ。

    「スタートは対処される必要がある。安全なスタートを切るだけでも、かなり複雑なプロセスになっている。競争力あるスタートを決めるのはなおさらだ」

    「メルボルンまでに話し合われるはずだ」

    さらに彼は、スタート以外にも議論すべきテーマがあると続けた。

    「話し合うべきテーマはたくさんある。スタート、オーバーテイク」

    「オーバーテイクも確実に違ったものになるだろう」

    関係者の間では、スタートライト手順の見直しや、最後尾の車両がグリッドに整列してからの最小時間に遅延を設ける案などが検討対象になるとみられている。

    チームメイトで現王者のランド・ノリスも懸念を共有した。

    「ターボやさまざまな要素の影響で、スタートはより難しくなっている」とノリスは語った。

    「1周あたりに使えるバッテリーも少ない」

    「確実に大きなチャレンジだし、ドライバーにとって要求は高くなっている」

  • マクラーレンF1 2026年F1エネルギー管理を可視化する革新ステアリング導入

    マクラーレンF1 2026年F1エネルギー管理を可視化する革新ステアリング導入

    2026年F1レギュレーションはパドック内で賛否を呼んでいる。主な理由はパワーユニットにあり、その作動特性がドライビングスタイルを大きく変えているためだ。新シャシー自体は軽量化やコンパクト化によって概ね好評だが、電動エネルギーの管理が中心的テーマとなったことで議論が活発化している。

    バーレーンテストでは、各メーカーがバッテリー管理と回生の方法で異なる方向性を取っていることが明らかになった。

    特にコーナリング中の挙動において差が見られ、ハイブリッドシステムが回生しているのか、エネルギーを放出しているのかをドライバーにどう伝えるかが重要な要素となっている。

    2014年のハイブリッド導入以降、各チームはステアリング上にバッテリー残量を示すインジケーターを搭載してきた。これは予選アタックやバトル時に極めて有効な指標であり、攻めるか守るかの判断材料となっていた。

    しかし2026年は状況が大きく異なる。MGU-Hが廃止され、MGU-Kの出力はほぼ3倍に増加。エネルギー放出と回生の影響がより顕著になった。バーレーンでは、コーナー中や直線終盤のブレーキング前に回生が行われる様子が確認された。一部の区間では内燃エンジンのみが駆動し、次の加速区間へ向けてエネルギーを温存する戦略も見られた。

    マクラーレン F1※画像はイメージ

    MGU-K専用インジケーターを追加
    マクラーレンは他チームより一歩踏み込んだアプローチを採用した。従来どおりバッテリー残量を示すバー表示をステアリング右側に残しつつ、MCL40のステアリングにMGU-K専用の追加インジケーターを導入している。

    ギア表示の上部に2本のバーが設けられ、ランド・ノリスとオスカー・ピアストリに対してMGU-Kの状態を視覚的に伝える仕組みだ。

    バーが中央から右方向へ伸びる場合、MGU-Kがエネルギーを放出していることを示す。逆に中央から左へ動く場合は回生フェーズにあり、ブレーキングや低速コーナー、直線終盤でエネルギーを回収していることを意味する。

    この表示は単純なオン/オフではない。バッテリー残量が減少し出力が徐々に制限されるデレーティング状態に入ると、バーは段階的に変化する。つまりドライバーは「なぜパワーが落ちているのか」を瞬時に把握できる。

    さらに、直線や全開コーナー(バーレーンのターン12など)では、あえてMGU-Kを作動させずエネルギーを温存する場面もある。その場合、インジケーターは消灯し、内燃エンジンのみが駆動していることを示す。

    エネルギー管理が勝敗を左右する2026年F1において、マクラーレンのこの可視化システムは、ドライバーが出力の変化を理解し、最適なデプロイ戦略を組み立てるための重要な武器となる可能性がある。

  • マクラーレンF1 メルセデスPUを分析「ICEは非常に優秀」

    マクラーレンF1 メルセデスPUを分析「ICEは非常に優秀」

    2026年F1バーレーンテストで、レッドブルのパワーユニット(PU)が見せたストレートでのデプロイメント性能が大きな注目を集めている。マクラーレンはそのエネルギー運用能力を評価しつつも、メルセデスPUの強み、とりわけ内燃エンジン(ICE)の完成度を高く評価している。

    バーレーンでの初日から、レッドブルのPUは各ストレートでのエネルギー展開、いわゆるデプロイメントにおいて非常に興味深い数値を示し、他チームより明確に高い最高速を記録した。

    その差は2日目には大きく縮小し、半分以下にまで減少したものの、依然として印象的なパフォーマンスを見せている。

    特に注目を集めたのは、エネルギーの使い方の一貫性だ。どれだけ回収できるかだけでなく、どこでどのように使うかが重要となる。レッドブルは直線での回転数設定も比較的アグレッシブに見え、2日目にはライバル勢も接近したが、ピーク値には届かなかった。

    マクラーレンのテクニカルディレクター(エンジニアリング担当)であるニール・ホールデイは、レッドブルの進歩を評価しつつも、メルセデスHPPへの信頼を強調した。

    「デプロイメントのレベルを見る限り、レッドブルは本当に素晴らしい仕事をしたと思う。ゼロからスタートして今のポジションにいるのは信じられないことだ。我々に供給されているPUを用意するために、メルセデスHPPが懸命に取り組んできたことも知っているし、今季競争力を持つために必要なデプロイメントを我々が手にできると疑っていない」

    ホールデイは、最初の1日半のデータを見る限り、レッドブルがストレート終盤で一定のマージンを持っているように見えると認めた。ただし、その差はトト・ヴォルフが示唆したほど大きくはないという。

    「現時点では彼らとどう改善できるかを理解するために取り組んでいる。レッドブルに近づくために活用できる機会はある。小さなギャップはあるように見えるが、我々のPUは他の領域で有利だと思う。最終的にはバランスするはずだ」

    マクラーレン メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    また、マクラーレンは内燃エンジンそのものの性能について、メルセデスが非常に優れたユニットを仕上げたと評価している。

    「メルセデスは本当に、本当に非常に優れたICEを作り上げたと思う。これは過去数年からの進化でもある。現時点ではパワー、空力抵抗、デプロイメントを切り分けて判断するのは非常に難しいが、我々が見ている限りでは素晴らしい仕事をしている。ただ、全体像を解釈するのはまだ難しい」

    さらにホールデイは、マクラーレンの2026年型マシンについて、シミュレーターよりも実走行でのパフォーマンスが良好だったと明かした。

    「最大の驚きは、実際の走行結果やマシンの挙動がシミュレーターで見ていたものと完全には一致しなかったことだ。実車の方がシミュレーターより良いパフォーマンスを示した。これは我々にとってポジティブなことだ。もちろん、その情報を使ってシミュレーターをより現実に近づけるための改良も進めている」

    エネルギー運用で印象的なレッドブルに対し、メルセデスPUはICE性能や他の領域での優位性を武器に対抗する構図だ。2026年F1の勢力図は、デプロイメント戦略と内燃エンジン性能の総合力によって大きく左右されることになりそうだ。

  • マクラーレンF1、豪議会の“パパイヤ・ルール”議論に苦言「情報不足な意見」

    マクラーレンF1、豪議会の“パパイヤ・ルール”議論に苦言「情報不足な意見」

    マクラーレンF1のCEOザク・ブラウンは、オーストラリア議会で飛び出した“パパイヤ・ルール”を巡る発言に対し、強い言葉で反論した。

    2025年タイトル争いを巡り、オスカー・ピアストリが意図的に不利な扱いを受けたのではないかとの問いが再び議論を呼んでいる。

    問題の発言は、農業・運輸に関する委員会で、クイーンズランド州選出のマット・キャナヴァン上院議員が閣僚に対し、「ランド・ノリスを2025年王者にするため、ピアストリが意図的に不利にされたと思うか」と質問したことが発端だった。

    このやり取りについて伝え聞いたピアストリは、ユーモアを交えて受け止めた。

    「レーシングドライバーが議会まで話題になるなんて、なかなかないことだ。母国からサポートを受けられるのはいつだってうれしいことだ」と笑顔で語った。

    一方、ブラウンは明確に不快感を示した。

    「この上院議員は明らかに情報不足で、我々のスポーツを理解していない」とブラウンは語った。

    「世の中には十分な知識もないまま意見を述べる人がたくさんいる。もしそのすべてを正そうとしたら、私は一日中それだけで終わってしまう」

    さらに次のように続けた。

    「私の意見では、F1を理解しているとは言い難い議会の人々が、このような発言をするのは非常に遺憾だ。私は彼らの仕事について十分な知識がないので評価しようとは思わないが、きっと私にもいくつかコメントはできるだろう」

    マクラーレン F1 オスカー・ピアストリ

    2025年シーズン、ピアストリとランド・ノリスのチーム内マネジメントはたびたび注目と批判の的となったが、ブラウンは一貫して平等性を強調している。

    「オスカーは分かっているし、彼自身も何度も言っている。彼にはタイトルを争う公正なチャンスがある」とブラウンは述べた。

    「時には勝ち、時には負ける。うまくいくこともあれば、そうでないこともある。それがこのスポーツだ」

    また、特定のドライバーを優遇しているとの見方を明確に否定した。

    「我々はオスカーにいくらかのポイントを失わせたこともあるし、ランドにはオランダでエンジンが壊れて多くのポイントを失わせたこともある。我々は常に本質に集中しているし、ファンには絶対的なスポーツ的公平性を提供していることを知ってほしい」

    そして最後に、疑惑を断固として退けた。

    「マクラーレンでは完全なスポーツ的公平性という原則に基づいて運営している。どちらかのドライバーを優遇しているというすべての非難は断固として否定する。それは非常に情報不足な人々の言い分に過ぎない」

  • マクラーレンF1がFIAに警鐘 2026年F1マシンの安全性に3つの懸念

    マクラーレンF1がFIAに警鐘 2026年F1マシンの安全性に3つの懸念

    バーレーンで行われた2026年F1プレシーズンテストを終え、マクラーレンは新世代マシンに関する安全面の懸念を公にした。チーム代表のアンドレア・ステラは、技術レギュレーションの中に「回避可能な3つの安全リスク」が存在するとして、FIAに対しオーストラリアGP前の早急な対応を求めている。

    ステラはテスト期間中、トラフィック下での挙動やスタート練習の様子を観察した結果、ドライバーを不必要なリスクにさらしかねない状況が確認されたと説明した。

    スタート手順への懸念
    最初の問題として挙げられたのはスタート手順だ。新型パワーユニットではターボラグやエネルギーマネジメントの複雑化により、消灯時にすべてのマシンが完全な状態で発進できない可能性があるという。

    「スタート手順によって、すべてのマシンのパワーユニットが確実に作動可能な状態になっていることを保証しなければならない。グリッドは、遅れて発進するマシンがあってよい場所ではない」とステラは語った。

    この問題は昨年7月のF1コミッションでも議題に上がり、スタート前にグリッド上での準備時間を延長する案が出されたが採択されなかった。フェラーリのフレデリック・バスールが反対したことも背景にあったとされる。フェラーリは既存手順を前提に開発を進めており、変更は不利に働く可能性があった。

    接近速度の危険性
    2つ目の懸念はストレートでの接近速度だ。DRSが廃止され、電力配分が50/50に変更されたことで、直線での速度差は限定的となった。その結果、マシン同士が極端に接近した状態が増えている。

    問題は、前方車両がエネルギー回収のため急減速した場合に発生する。ステラは過去の重大事故を引き合いに出した。

    「非常に近距離で走行している状況は理想的ではない。過去に見たような事故、例えばマーク・ウェバーのバレンシアでの事故や、リカルド・パトレーゼのポルトガルでの事故のようなシナリオにつながる可能性がある。我々はあのような場面を二度と見たくない」

    リフト・アンド・コーストの常態化
    3つ目はリフト・アンド・コーストの増加だ。電力と内燃機関出力がほぼ半々となったことで、エネルギー管理の重要性が大きく増した。その結果、ドライバーが早めにアクセルを戻す場面が頻発し、後続車との速度差が急激に変化するケースが出ている。

    ステラは、特定の局面における電力使用量の調整など、リフト・アンド・コーストを過度に誘発しない設計への見直しを提案している。

    マクラーレン フォーミュラ1カー

    「競争より安全が優先」
    ステラは変更が競争力に影響を及ぼす可能性を理解しつつも、優先すべきは安全だと強調した。

    「我々は予選の速さやレースペースについて話しているのではない。グリッド上の安全について話している」

    「競争上の利害よりも重要な問題がある。シンプルな調整で安全を確保できるのであれば、それは当然行うべきだ」

    これらの議題は来週予定されているF1コミッションで議論される見込みだ。ステラはオーストラリアGPまでに是正することが「不可欠だ」と繰り返し強調している。

  • マクラーレンF1スポンサーに激震 エプスタイン文書でDPワールドCEO解任

    マクラーレンF1スポンサーに激震 エプスタイン文書でDPワールドCEO解任

    マクラーレンF1のスポンサー企業であるDPワールドが、長年トップを務めてきたスルタン・アハメド・ビン・スライエムの解任を発表した。いわゆる「エプスタイン文書」に関連する情報が明らかになったことを受けた人事刷新だ。

    発表はドバイ政府メディアオフィスを通じて行われたが、声明の中でビン・スライエムの名前は言及されなかった。

    その代わりに、同氏が務めていた役職について、エッサ・カジムが取締役会会長に、ユブラジ・ナラヤン(元グループ副CEO兼最高財務責任者)がグループCEOに就任したことが確認された。

    公開された電子メールの内容によれば、ビン・スライエムは2008年に未成年者買春の罪で収監された後も、ジェフリー・エプスタインとの関係を数年間維持していたとされる。エプスタインは2019年に未成年者の性的人身売買容疑で再び逮捕され、同年に拘置所内で死亡。死因は自殺とされた。

    当初、米司法省が公開した資料ではビン・スライエムの名前は黒塗りにされていたが、今週、ケンタッキー州選出の共和党下院議員トーマス・マッシーがその存在を明らかにした。

    マッシーによれば、2009年にエプスタインからビン・スライエムに送られた電子メールには「どこにいる?大丈夫か?拷問ビデオが気に入った」との文面が含まれていたという。内容の詳細は明らかにされていないが、他のメールではエスコートサービスやマッサージサービスの情報をやり取りしていたことも示されている。

    これらの暴露を受け、英国の開発金融機関であるブリティッシュ・インターナショナル・インベストメントはDPワールドとの業務を一時停止した。同機関は声明で「エプスタイン文書におけるスルタン・アハメド・ビン・スライエムに関する疑惑に衝撃を受けている」と述べている。

    マクラーレン F1 エプスタイン文書

    DPワールドは自社ウェブサイト上からビン・スライエムに関する複数のページを削除した。物流大手である同社は2023年からマクラーレンF1のスポンサーを務めており、それ以前はルノーを支援していた。

    F1パドックにおいてスポンサー企業の信頼性は極めて重要だ。マクラーレンF1はランド・ノリスとオスカー・ピアストリを擁するトップチームであり、主要パートナーの動向はチームのブランド価値にも直結する。今回の迅速な人事交代は、企業としてのリスク管理を優先した判断とみられるが、エプスタイン文書の波紋はモータースポーツ界にも及ぶ形となった。

  • マクラーレンF1に危機感 ノリス「現時点でレッドブルとフェラーリに及ばない」

    マクラーレンF1に危機感 ノリス「現時点でレッドブルとフェラーリに及ばない」

    マクラーレンのランド・ノリスは、バーレーンでの2026年F1プレシーズンテストを経て、現時点での勢力図について率直な見解を示した。レッドブルとフェラーリを自チームより上位に位置づけ、特にエネルギー運用の効率性において差があると認めている。

    パドックでは、メルセデスが本気のパフォーマンスをまだ見せていないという見方と、レッドブルがすでに主導権を握っているという見方に分かれている。その中でノリスは、レッドブルの電気エネルギー回生と使用の効率性に強い印象を受けたと明かした。

    「一見したところ、レッドブルは非常に強力なパワーユニットを持っている。多くのエネルギーを使うことができ、それを高い効率で運用している。彼らがどうやってそれを実現しているのかを理解しなければならない」とノリスは語った。

    「正直に言えば、現時点では彼らは我々より明確に一歩先にいる。エネルギー運用でアドバンテージがあれば、それはラップタイムを稼ぐ素晴らしい方法だ。余計なことをしなくても、ただ速く走ることができる」

    さらにノリスは、差はパワーユニットだけではないと付け加えた。

    「マシン面でも彼らはうまくやっているように見えるし、現時点では我々はフェラーリのレベルにも完全には達していない。我々が改善することは分かっているが、彼らも間違いなく改善する。我々が彼らを打ち負かすには、大きな一歩を踏み出さなければならない」

    マクラーレン F1

    マクラーレンはバルセロナでのシェイクダウン走行距離ではフェラーリやメルセデスに及ばなかったが、ノリスはバーレーンで149周を走破。その大量のデータは今後に向けた重要な材料となる。

    「まだ理解しなければならないことは多いが、今日は多くのことを把握し、クルマへの信頼を高める良い一日だった」とノリスは述べた。

    「データの細部を見て、それをパワーユニット全体の改善につなげるのは興味深い。ただ、現時点で我々に必要なのは効率性だ。簡単なことではないし、もし簡単ならすでに実現しているはずだ。これから数日で、どうやって状況を好転させるかを改めて学ばなければならない」

    エネルギー運用の重要性については、エンジニアリングを統括するテクニカルディレクターのニール・ホウルディも強調している。

    「どこでエネルギーを使い、どこで回収するかを理解することが非常に重要になる」とホウルディは述べた。

    「GPSトレースを見ると、より多くのエネルギーを使えているチームがある。同じメーカーの場合もあれば、異なるメーカーの場合もあるが、ラップ中の異なるポイントでエネルギーを投入している。我々はまだその最適な投入ポイントを学んでいる段階だ」

    「メルセデスHPPがこのパワーユニットのために信じられないほど努力してきたことは知っている。今年、我々が競争力を持つために必要なエネルギー運用を手にできると疑っていない」