マクラーレンF1 予算上限に余力「MCL40の開発を続けられる」

マクラーレンF1 予算上限に余力「MCL40の開発を続けられる」

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マクラーレンは、2026年F1シーズン後半に向けてもMCL40のアップグレードを継続する方針だ。ライバル勢がコストキャップ(予算上限)の残額を意識し始めるなか、チーム代表のアンドレア・ステラは、シーズン中の開発競争を想定してあらかじめ十分な予算を確保していたことを明かした。

マクラーレンは第11戦ハンガリーGPで今季初勝利を挙げたが、コンストラクターズ選手権では220ポイントで3位。首位メルセデスとは159ポイント差がある。

タイトル防衛に向けて厳しい状況にある一方、チームは現在のMCL40の開発を止める考えはない。

2026年F1は「初期性能よりアップグレード競争」
2021年から導入されているF1のコストキャップは、トップチームと中小チームの財政力による格差を縮小することを目的としている。2026年の上限額は2億1500万ドルに設定され、21戦を超えるグランプリについては1戦あたり180万ドルが追加される。

新テクニカルレギュレーション初年度となった今季は各チームが積極的にマシンを開発しており、どの段階まで現行車への投資を続けるかも重要な戦略となっている。

メルセデス代表のトト・ヴォルフは、特にフェラーリの開発ペースに注目。フェラーリがマイアミGPとバルセロナで大規模なアップグレードを投入したことについて、予算上限の余裕がどこまで残っているのか疑問を呈している。

「フェラーリがあれほど大規模なアップデートをマシンに投入できることには、いつも少し驚かされている」

「僕の考えでは、そろそろ予算上限の資金を使い果たしていてもおかしくない。僕たちには同じことはできない。あれほど多くのパーツを投入するための予算上限内の余裕が単純にないからだ」

「だからシーズン終盤には状況が変わり、彼らがもうパーツを投入できなくなることを期待している。少なくとも論理的にはそうなるはずで、そのときには僕たちがより多く投入できる」

マイアミ以降の新パーツ数はマクラーレンが最多
ただし、マイアミGP以降に最も多くの新パーツを投入しているのは、ヴォルフが名前を挙げたフェラーリではなくマクラーレンだ。

マクラーレンはマイアミからハンガリーまでに計32点の新パーツを投入。フェラーリとレッドブル・レーシングがそれぞれ29点、メルセデスが20点となっている。

マイアミではマクラーレン7点、メルセデス2点、フェラーリ11点、レッドブル7点。カナダでは7点、8点、0点、4点、モナコでは6点、1点、3点、4点だった。

バルセロナではマクラーレン1点に対してフェラーリが8点を投入。オーストリアではマクラーレン2点、メルセデス2点、フェラーリ4点、レッドブル7点となり、イギリス、ベルギーを経て、ハンガリーではマクラーレンがさらに5点を持ち込んだ。

そして、その開発はまだ終わっていない。

「ハンガリーに持ち込んだアップグレードは、数戦にわたって投入する一連のアップグレードの一部だ。今回がその最初のパートだった」

「次の数戦でも、いくつか新しいものを投入する予定だ」

マクラーレンは予算に「余力」を確保
新パーツの投入数が多いにもかかわらず、ステラはコストキャップについて懸念していない。

マクラーレンは2026年の新レギュレーションでは開幕時点のマシン性能だけでシーズンが決まるのではなく、年間を通じた開発競争になると予測。そのため、シーズン途中のアップグレードに使える予算を最初から残していたという。

「予算上限へのアプローチという点では、2026年はスタート地点がそれほど重要なのではなく、むしろマシンをアップグレードしていく競争になると分かっていた」

「だから予算の見通しには十分な余裕を残して、マシンのアップグレードに資金を使える状態にしておきたかった」

この計画によって、マクラーレンは2026年後半もMCL40に開発資金を投入できるという。

「2027年のパワーユニット規則変更によって認められる追加枠とは関係なく、僕たちはすでにMCL40のアップグレードに投資できるという意味で良いポジションにいた」

2027年向け追加枠をどう使うか
一方、2027年の規則変更に関連して認められる追加の予算枠については、慎重な判断が必要になる。

「来年に向けて認められている枠を使うことはできる。ただし、その資金がマシンに適用しなければならない変更のために必要になる可能性があるので、当然ながら注意しなければならない」

「とはいえ、今季に集中したいのであれば、前倒しして活用できるものではある」

つまり、制度上利用可能な余裕があるからといって、すべてを2026年型MCL40の性能向上に投入できるわけではない。2027年に必要となる変更を見越して資金を残す必要があるためだ。

予算だけではない「2026年か2027年か」の判断
さらにステラは、シーズン後半の開発を左右するのはコストキャップだけではないと指摘する。

限られた設計リソースを現行マシンと翌年型マシンのどちらに振り分けるのか、風洞でどちらのマシンを優先するのかといった判断も必要になる。

「いくつかのチームにとっては、ある段階でどちらのシーズンに集中するのかという問題にもなると思う」

「制約になるのは予算だけではない。設計面でも制約があるし、風洞に入れるのは来年のマシンなのか、それとも今年のマシンなのかという問題もある」

「だから答えを出さなければならない問題はいくつもある。その答えの一部は、今季にどこまで重点を置くのか、それとも完全に来年へ焦点を移すのかによって変わってくる」

マクラーレンは新レギュレーション初年度を単なる開幕時の性能勝負ではなく、シーズンを通じた開発競争と捉えて予算を配分してきた。すでにライバルを上回る数の新パーツを投入しているものの、ステラによればMCL40をさらに進化させるための余力は残されている。

ただし、シーズン後半になれば各チームにとって「2026年を追うのか、2027年へ移行するのか」という判断の重要性が増していく。マクラーレンが現在の159ポイント差を追いながら、どのタイミングで次期マシンへ開発リソースを切り替えるのかも今後の焦点となる。