カテゴリー: リバティ・メディア

  • F1ラスベガスGP 排水口事故訴訟で和解 F1側が約300万ドル支払い

    F1ラスベガスGP 排水口事故訴訟で和解 F1側が約300万ドル支払い

    F1ラスベガスGPと親会社のリバティ・メディアは、2023年大会の初日に発生した排水口カバー事故を巡る集団訴訟について、300万ドル(約4億8000万円)を超える和解金を支払うことで合意した。

    2023年に提起された訴訟では当初、50億ドル(約8000億円)という巨額の損害賠償が請求されていたが、一部請求が棄却された後も訴訟は継続され、今回の和解によって決着することになった。

    初開催のFP1で発生した排水口事故
    問題が発生したのは、2023年11月に初開催されたラスベガスGPのフリー走行1回目だった。

    セッション開始直後、コース上に設置されていた給水バルブ用のカバーが外れ、カルロス・サインツJr.のフェラーリをはじめ複数のマシンが損傷。安全確認とコース補修のため、セッションは赤旗中断となった。

    その後、走行再開まで約2時間半を要し、フリー走行2回目は深夜に実施された。しかし、警備員や会場スタッフの勤務時間などの制約を理由に、観客は再開前に退場を命じられ、多くのファンが走行を見ることができなかった。

    1日券と3日間通し券の購入者が補償対象
    ラスベガス・レビュー・ジャーナルによると、木曜日のプラクティス1日券、または3日間通し券を購入した観客は、条件を満たせば補償を受けられる可能性がある。

    和解金は300万ドル(約4億8000万円)を超える見通しで、対象となる観客への補償などに充てられる。

    一方で、リバティ・メディアとラスベガスGPは和解に応じたものの、事故や観客対応について法的責任や不正行為は認めていない。

    当初は50億ドルを請求する集団訴訟
    この集団訴訟は2023年に提起され、原告側は走行を観戦できなかったことに加え、交通費や宿泊費なども含めた損害を理由に、総額50億ドル(約8000億円)の賠償を求めていた。

    2025年2月には訴えの一部が棄却されたものの、修正訴状が認められたことで審理は継続。その結果、双方は裁判を続けるのではなく、300万ドル(約4億8000万円)を超える支払いによる和解で合意した。

    2023年のラスベガスGPは、F1が大々的にプロモーションを展開した新たな市街地レースだった一方、初日の排水口事故と観客対応は大会運営に対する大きな批判を招いた。今回の和解により法的な争いは終結するが、この一件はF1における市街地レース運営の課題を象徴する出来事として記憶されることになりそうだ。

  • ステファノ・ドメニカリ F1中継データ軽視発言が波紋「ファンを侮辱している」

    ステファノ・ドメニカリ F1中継データ軽視発言が波紋「ファンを侮辱している」

    F1のステファノ・ドメニカリCEOが「誰もクルマをどう運転しているかには興味がない」と発言したことが波紋を広げている。近年のF1中継でバッテリー残量や速度、ブレーキ、スロットル開度などのデータ表示が省略されたことへの不満が高まる中、その発言に対してレッドブル・スーパーカーズのスコット・パイが「ファンを侮辱している」と痛烈に批判した。

    とりわけ2026年F1イギリスGPとベルギーGPでは、オーバーテイクを理解するうえで重要な車載データが表示されず、多くのファンが不満を表明していた。

    そうした状況で飛び出したドメニカリCEOの発言は、F1が目指す新規ファン獲得と、従来ファンが求める情報量とのギャップを改めて浮き彫りにしている。

    ドメニカリCEO「ファンは運転技術よりアクションを求めている」
    近年のF1中継では、シルバーストンやスパ・フランコルシャンで車載データ表示が大幅に削減されたことが議論となった。

    特に両サーキットはエネルギーマネジメントが重要なレイアウトであり、回生の機会が少ないためバッテリー不足に陥りやすい。ベルギーGPでは「スーパークリッピング」によってマシンがケメルストレート終盤でGT3マシン並みまで減速する場面も見られたが、その原因を示すデータは中継画面に表示されなかった。

    一方、エネルギー管理の影響が比較的小さいハンガリーGPでは、それらのグラフィック表示が復活した。

    こうした中、ドメニカリCEOはハンガリーGPで『スター・ウォーズ』の生みの親であるジョージ・ルーカス氏との会話を紹介し、次のように語った。

    「ハンガリーでジョージ・ルーカスと興味深い話をした。彼は新しいファンがF1をどう見ているかについて、とても興味深い考えを聞かせてくれた」

    「彼らはアクションがたくさんあることに魅了されている。スロットルの開度やブレーキ圧が何%だったか、どうやってオーバーテイクしたかには興味がない」

    フォーミュラ1

    スコット・パイ「ファンを侮辱している」
    この発言に強く反発したのが、レッドブル・スーパーカーズのドライバーであり、ポッドキャスト『Apex Hunters』でも知られるスコット・パイだった。

    パイは、技術データを求めるファンを軽視するような発言だとして厳しく批判した。

    「ステファノ・ドメニカリは、ファンを侮辱している。削除されたHALO上のグラフィックなんて誰も気にしていないと本当に思っているのか? 少なくとも僕は気にしている」

    「F1は、僕たちが『ストレートの途中で急に減速したのはバッテリー切れだ』と理解できないほど愚かだと思って、あの表示を消したんだろう」

    さらに、ドメニカリCEOがジョージ・ルーカス氏の意見を根拠に挙げたことにも皮肉を交えた。

    「ジョージ・ルーカスが何を知っているというんだ? 信じられない話だ。もちろん興味深い会話だったんだろう。でも彼が毎日普通のF1ファンと接しているわけじゃない。僕たちファンが何に興味を持っているかを本当に分かっているとは思えない」

    「スロットル開度や、オーバーテイクするために何が必要なのかに興味を持つファンを、まるで愚か者扱いするのは侮辱だ。ブレーキング中のオンボード映像にデータ表示を付けて見せてほしい。それだけでいい」

    新規ファン獲得とコアファンの期待の間で揺れるF1
    近年のF1は、エンターテインメント性を重視して新規ファン層の拡大を進めている。一方で、エネルギーマネジメントやブレーキング、バッテリー使用状況といった技術的要素もF1の魅力の一つであり、長年のファンからは中継での情報量維持を求める声が根強い。

    今回のドメニカリCEOの発言は、新しい観客を意識したF1の方向性を示した一方で、コアファンが重視する「技術を理解しながら観戦する楽しさ」との距離感を改めて浮き彫りにした。今後、中継演出がどのようなバランスを目指すのかにも注目が集まりそうだ。

  • マックス・フェルスタッペン ドメニカリCEOと会談 現行F1を「F3のようだ」と酷評

    マックス・フェルスタッペン ドメニカリCEOと会談 現行F1を「F3のようだ」と酷評

    マックス・フェルスタッペンが2026年F1ベルギーGPの週末に、F1 CEOのステファノ・ドメニカリと会談していたことが明らかになった。会談内容は公表されていないが、フェルスタッペンが繰り返し批判してきた2026年レギュレーションが話題に上った可能性がある。

    会談は、フェルスタッペンが現行F1マシンを「F3のようだ」と酷評した直後に行われたとされており、そのタイミングにも注目が集まっている。

    ベルギーGPでドメニカリCEOと会談
    オランダ紙『De Telegraaf』のエリック・ファン・ハーレン記者によると、フェルスタッペンはベルギーGP期間中にドメニカリCEOとの予定された会談に臨んだ。

    具体的な内容は明らかにされていないものの、今季たびたび問題視している2026年レギュレーションや、F1の将来について意見交換した可能性が高いとみられている。

    フェルスタッペンとドメニカリが顔を合わせるのは今季初めてではなく、F1側は現行レギュレーションへの批判や将来への懸念を示すフェルスタッペンとの対話を続けている。

    「F3のようだ」と現行F1を酷評
    フェルスタッペンはベルギーGP予選後、スパ・フランコルシャンの長い全開区間では電力マネジメントの影響で十分なパワーを使えない現状について厳しく批判した。

    「第2セクターのほとんどはエンジンだけで走っている。450〜500馬力くらいだから、ほぼF3と同じようなものだ。でもダウンフォースだけはF1なんだ」

    「だから運転していてまったく楽しくない。でも、また文句を言うつもりはない。たぶん、この部屋を出たら誰かに撃たれるだろうからね」

    さらにフェルスタッペンは、自身の考えを押し通すのではなく、現状を受け入れて戦うしかないと複雑な胸中も明かした。

    「以前も言ったように、精神的にはこの状況に適応しようとしている。もちろん、これが僕の好きなF1でも、愛しているF1でもない。でも家で何もしないよりはいい。だからベストを尽くしている」

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)とステファノ・ドメニカリ(F1 CEO)

    将来を左右するレギュレーション問題
    フェルスタッペンは今季、2026年レギュレーションに対する不満を繰り返し口にしており、改善されなければ将来的なF1引退の可能性にも言及している。

    一方で、レッドブル・レーシングも2026年マシンの競争力不足に苦しんでおり、フェルスタッペンの将来を巡る憶測は絶えない。チームは残留を望んでいるが、現行レギュレーションへの不満とマシン性能への失望が重なり、2027年以降の去就は依然として不透明な状況が続いている。

    今回のドメニカリCEOとの会談は詳細こそ明かされていないものの、F1を代表するドライバーとシリーズ最高責任者による重要な意見交換として、今後のレギュレーション議論にも少なからず影響を与える可能性がある。

  • F1 2027年からスプリント増加へ ドメニカリCEOが最大10戦を示唆

    F1 2027年からスプリント増加へ ドメニカリCEOが最大10戦を示唆

    F1のステファノ・ドメニカリCEOは、2027年シーズンからスプリントレースの開催数を拡大する方針を明らかにした。現在は年間6戦で実施されているが、2027年は9戦から10戦程度まで増える可能性が高まっている。

    ドメニカリCEOは、正式な開催数や開催地については2027年カレンダーの発表とあわせて公表すると説明し、「まもなく発表する」と予告した。

    スプリント拡大を正式に示唆
    イギリスGPが開催されたシルバーストンでSky Sportsの取材に応じたドメニカリCEOは、スプリント導入当初は懐疑的な意見が多かったと振り返りながら、その成功に自信を示した。

    「導入当初を思い返せば、多くの人が私たちの取り組みに懐疑的だった」

    「しかし、私たちには大胆であり、新しい発想に挑戦する責任がある」

    「その効果はすでに表れている。シルバーストンでは金曜日だけで15万人の観客が訪れた。その人たちにコース上で何も起きない時間を提供するのは間違いだった」

    「だからこそ、スプリントは進むべき方向だと考えている」

    さらにドメニカリCEOは、「将来に向けてスプリントを増やす準備を進めている。2027年カレンダーを発表する際に明らかになる。楽しみにしていてほしい」と語り、開催数の増加を正式に認めた。

    2027年は年間9〜10戦の可能性
    現在F1では年間6回のスプリントを実施しているが、Sky Sportsなどの報道では2027年には9戦から10戦へ拡大する案が有力視されている。

    スプリントは2021年に年間3戦でスタートし、2023年から現在の6戦体制となった。2026年は中国、マイアミ、カナダ、イギリスで開催済みで、今後はオランダとシンガポールで実施される予定となっている。

    スプリント週末では通常のグランプリとは異なり、金曜日はフリー走行1回のみ実施され、その後にスプリント予選を開催。土曜日は100kmのスプリントレースとグランプリ予選が行われ、日曜日に決勝レースを迎えるフォーマットとなっている。

    開催数が9〜10戦へ拡大すれば、年間カレンダーのおよそ半数がスプリント形式となる見通しだ。

    2027年カレンダーもまもなく発表へ
    ドメニカリCEOは2027年のF1カレンダーについても「非常に近いうちに発表する」と明言した。

    2027年はポルトガルGP(ポルティマオ)の復活に加え、トルコGP(イスタンブール)の復帰が有力視されている一方、オランダGP(ザントフォールト)は2026年限りで開催を終了する予定。また、スペインGPのバルセロナは2028年以降、ベルギーGP(スパ・フランコルシャン)との隔年開催へ移行するとみられている。

    また、今週にはモンツァが2027年から3年間にわたりスプリント開催地となることも発表されており、F1はスプリントレースを今後さらに重要な興行コンテンツとして位置付ける方針を鮮明にしている。

    2027年は新たな開催地の追加に加え、スプリントレースの大幅な拡大によって週末フォーマットも大きく変化するシーズンとなりそうだ。正式な開催数や開催地は、近日中に発表される2027年カレンダーで明らかになる見込みである。

  • F1 2031年からカスタマーPU廃止を検討 独立エンジン導入も視野

    F1 2031年からカスタマーPU廃止を検討 独立エンジン導入も視野

    FIA(国際自動車連盟)は、2031年に予定される次世代パワーユニット(PU)規則に向けて、F1のカスタマーエンジン体制を見直す構想を検討している。より低コストなV8エンジンへの移行を機に、独立系サプライヤーによる「共通エンジン」を導入し、チーム間の依存関係を解消する狙いだ。

    現在のF1では、多くのチームが自社製PUではなくメーカー製のカスタマーPUを使用している。しかしFIAは、この体制がメーカーとカスタマーチームの力関係を生み、競技面や政治面で公平性を損なう可能性があると懸念している。

    2031年からV8導入と独立エンジン供給を構想
    FIA会長モハメド・ビン・スライエムとF1 CEOのステファノ・ドメニカリは以前から、2031年以降のF1で「より軽く、より安く、より大きなサウンド」を持つパワーユニットへの移行を支持してきた。

    現在有力視されている案は、自然吸気V8エンジンに小型の電動システムを組み合わせる構成だ。これにより現在のハイブリッドPUより大幅なコスト削減と軽量化が期待されている。

    さらにFIAは、メーカー製PUをカスタマーチームへ供給する現在の仕組みを見直し、独立した第三者メーカーが供給する「ホワイトラベルエンジン(共通エンジン)」を用意する案も検討している。

    メーカーとカスタマーチームの関係性を問題視
    この構想の背景には、近年議論となっているチーム間の提携関係がある。

    マクラーレンCEOのザク・ブラウンは以前から、レッドブル・レーシングとレーシングブルズの関係について懸念を表明。ローラン・メキースがガーデニング休暇なしでレーシングブルズからレッドブル代表へ就任した件などを例に挙げ、系列チームの在り方に疑問を呈してきた。

    また、メルセデスがアルピーヌ株式24%の取得を検討したものの、価格面で交渉が決裂したことも、メーカーとチームの関係性が注目される一例となっている。

    ビン・スライエム会長は、シルバーストンでロイター通信に対し、次のように語った。

    「AチームがBチームをエンジン供給によって支配するようなことはなくなる」

    さらに、

    「もし十分に手頃な価格で実現できるなら、Bチーム向けには共通エンジンを用意する。そうすれば『こちらに投票しなければ良いエンジンは供給しない』というような影響力はなくなる」

    と語り、政治的な影響力を排除する狙いを明かした。

    F1 エンジン

    ドメニカリ「メーカー主導になり過ぎてはならない」
    ステファノ・ドメニカリCEOも今年4月、独立エンジンの必要性について言及していた。

    ドメニカリは、かつてのコスワースのような独立メーカーが存在していれば、メーカーの動向に左右されない柔軟な運営が可能だったと説明する。

    「もし独立メーカーが存在していれば、『F1/FIA公認エンジンを用意し、希望するチームに供給しよう』という選択肢があった」

    一方で、

    「自動車メーカーはF1に不可欠な存在であり、その貢献には毎日感謝しなければならない。しかしメーカーがスポーツ全体の方向性を決める状況には戻るべきではない。それは我々が学んだ教訓だ」

    と述べ、メーカーへの依存を減らす必要性を強調した。

    かつて主流だった独立エンジン
    第三者製エンジンはかつてF1では一般的だった。

    コスワースは2013年までマルシャへエンジンを供給していたが、2014年に導入された複雑かつ高額なターボハイブリッドPUの時代になると、独立メーカーによる供給は事実上不可能となった。

    V8化によってPUが簡素化されれば、再び独立サプライヤーが参入できる可能性がある。

    現在のPU供給体制にも変化の兆し
    現在、メルセデスHPPはマクラーレン、ウィリアムズ、アルピーヌの3チームへPUを供給しているが、2031年には供給先を2チームへ減らしたい考えとされる。

    レッドブル・フォードはレッドブルとレーシングブルズへ供給し、フェラーリはハースとキャデラックへPUを供給している。

    一方、アウディはワークスチームとして参戦し、アストンマーティンはホンダとのワークス体制へ移行予定。さらにキャデラックは2029年から自社PU開発を開始する計画で、V8化にも前向きな姿勢を示している。

    2030年前倒し導入の可能性も
    現在のコンコルド協定およびPU協定は2030年末まで有効となっている。

    そのためFIAは2031年以降であれば各PUメーカーの承認なしでも新規則を導入できる権限を持つ。ただし、自動車メーカーとの関係悪化を避けるため、可能な限り合意形成を目指す方針だ。

    現在の6つのPUメーカー(メルセデス、フェラーリ、レッドブル・フォード、ホンダ、アウディ、ゼネラルモーターズ)の大多数が賛成すれば、V8規則は2030年へ1年前倒しされる可能性もある。

    ビン・スライエム会長は5月に、「2031年ならFIAはメーカー投票なしでV8を導入できる権限を持つ。しかし我々は2030年への前倒しを望んでいる。メーカーも実現を望んでいると前向きに考えている」と語っている。

    なお、多くのメーカーはV8への移行自体には概ね賛成している一方で、アウディは将来規則でもターボチャージャーを維持すべきとの立場を取っており、この点では少数派とみられている。

    今回の構想はまだ正式決定ではないものの、2031年以降のF1はV8化だけでなく、チームとPUメーカーの関係そのものを見直す大きな転換点となる可能性がある。FIAは競争の公平性とチームの独立性を高める新たな枠組みづくりを目指し、今後もメーカー各社との協議を進めていく見通しだ。

    【関連】
    ・F1 2031年に給油復活を検討 V8エンジン時代へ向けFIAが本格調査

  • ステファノ・ドメニカリ シルバーストンでのF1イギリスGP「永久開催」に前向き

    ステファノ・ドメニカリ シルバーストンでのF1イギリスGP「永久開催」に前向き

    F1の最高経営責任者(CEO)であるステファノ・ドメニカリは、イギリスGPの開催地シルバーストンについて、2034年までの現行契約を超えて開催を継続する意向を示した。「永遠に開催する」という構想についても協議に応じる姿勢を明らかにしている。

    現在、シルバーストンは2024年に締結した10年契約により、2034年までF1イギリスGPの開催が保証されている。しかしドメニカリは、さらに長期的な関係構築に前向きな考えを示した。

    シルバーストンは「永遠にカレンダーにあるべき」
    英紙『Daily Mail』の取材で、「シルバーストンを永遠に開催し続ける契約を結ぶ考えはあるか」と問われたドメニカリは、その可能性を否定しなかった。

    「もちろん、その話し合いには応じる用意がある」

    「必要なのは、腰を据えて双方にとって適切な条件を見つけることだけだ。シルバーストンはF1カレンダーにふさわしいサーキットだ」

    「ここは永遠に開催されるべき場所だ」

    この発言は、F1が世界各地へ開催地を拡大する一方で、歴史あるグランプリの価値も重視していることを改めて示すものとなった。

    英国で代替できるサーキットは存在しない
    ドメニカリは、現時点でイギリス国内にシルバーストンの代わりを務められるサーキットは存在しないとの認識も示した。

    「イギリスには、ブランドハッチでもドニントンでも、現在のF1を開催するために必要な収容能力を持つ場所はない」

    「F1はそれほど大きなイベントになっている」

    F1人気の拡大に伴い、施設規模や観客受け入れ能力が開催地選定の重要な条件になっていることを強調した。

    56万人超が来場予定 歴史だけではなく進化も評価
    今週末のF1イギリスGPには、4日間で過去最多となる約56万5,000人が来場し、決勝日だけでも約17万5,000人が訪れる見込みとなっている。

    ドメニカリは、これだけの観客を受け入れる運営体制についても高く評価した。

    「これだけ多くの人が来場する中で、物流面の問題を最小限に抑える素晴らしい仕事をしている。これはうれしい悩みだ」

    さらに、シルバーストンが伝統に甘んじることなく進化を続けている点を称賛した。

    「歴史に頼るだけではいけない。しかし彼らはここ数年、ファンに最高の体験を提供する必要性をしっかり理解し、それを実践してきた」

    「モータースポーツへの情熱を最も強く感じられる場所の一つだ」

    「どこの国の人であっても、ここに来れば鳥肌が立つはずだ」

    F1は近年、新たな開催地の開拓を積極的に進める一方で、シルバーストンやモンツァ、モナコといった伝統あるグランプリの価値も重視する姿勢を示している。ドメニカリの発言は、シルバーストンが2034年以降もF1カレンダーに残る可能性を強く示唆するものとなった。

  • F1が2030年ネットゼロ達成へ前進 カーボンフットプリントを35%削減

    F1が2030年ネットゼロ達成へ前進 カーボンフットプリントを35%削減

    F1は、2018年比でカーボンフットプリントを35%削減したことを発表し、2030年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「ネットゼロ目標」の達成に向けて順調に進んでいることを明らかにした。

    2025年シーズン終了時点のデータでは、2024年比でも排出量を12%削減しており、持続可能性プログラム開始以来、約8万トンのCO2換算排出量を削減したという。F1は24戦・19か国という史上最大規模のカレンダーを開催しながらも環境負荷低減を進めている。

    物流改革とSAF導入が大幅削減を実現
    F1の排出量は、10チーム時代の2018年から大きく変化している。現在は11チームに加え、世界各地で開催されるレース運営、テレビ中継、物流ネットワーク、数千トン規模の機材輸送などが環境負荷の主要要因となっている。

    今回の削減で最も大きな成果を上げたのは物流分野だった。F1は持続可能な航空燃料(SAF)の活用拡大や輸送手段の見直しを進めており、物流関連排出量は2018年比で29%削減された。

    また、チームのファクトリーや関連施設での再生可能エネルギー活用も進み、施設由来の排出量は64%減少。移動に伴う排出量も27%削減された。

    2025年には航空チャーター便向けSAF投資額を前年の2倍に拡大し、関連排出量を約40%削減。さらに持続可能な海運燃料への初投資も実施した。

    レース数増加でも排出量削減を継続
    注目すべきは、F1がレース数を増やしながら排出量削減を実現している点だ。

    2018年の21戦から2025年には24戦へ拡大したが、イベント運営に伴う排出量も6%削減された。現在では陸上輸送、航空輸送、海上輸送のすべてで低炭素ソリューションが導入されている。

    F1は今後、航空輸送への依存度をさらに下げる方針を示している。海上輸送や地域物流ハブの活用を拡大し、2030年までに現在航空輸送されている中継機材などの半数以上を航空便から完全に移行させる計画だ。

    2030年ネットゼロ実現への課題
    今回の35%削減は、F1が掲げる2030年ネットゼロ達成に向けた重要なマイルストーンとなる。

    一方で、残る65%の削減は容易ではない。世界各地を転戦するスポーツの性質上、物流や移動に伴う排出量は依然として大きな割合を占めているためだ。

    それでも、F1は2026年から100%持続可能燃料を使用する新世代パワーユニットの導入を予定しており、競技面と環境対策を両立させながら脱炭素化を進めている。

    ステファノ・ドメニカリCEOは今回の成果について次のように語った。

    「私たちはスポーツを成長させ、新たなファン層へリーチし続けながらも、環境負荷を着実に削減している」

  • F1合同ローンチイベント再開催へ? ロンドンとミラノが開催地争い

    F1合同ローンチイベント再開催へ? ロンドンとミラノが開催地争い

    2025年に初めて開催されたF1全チーム合同ローンチイベントが、再び実施される可能性が浮上している。開催候補地としてはロンドンとミラノが有力視されており、F1は新たな形でのシーズン開幕イベントを検討しているようだ。

    2025年、F1は創設75周年記念の一環としてロンドンのO2アリーナで全10チームによる合同発表会を開催した。各チームのマシンやカラーリングが披露され、ドライバーやチーム首脳陣も一堂に会する大規模イベントとなった。

    一方で、この試みはファンや関係者の間で賛否を呼んだ。ショービジネス的な演出を歓迎する声がある一方、従来のチーム単独発表の方が好ましいとの意見も少なくなかった。

    ミラノが2027年開催地候補に浮上
    英メディア『City AM』によると、イタリア・ミラノが将来の合同ローンチイベント開催地として検討されているという。早ければ2027年にも実現する可能性がある。

    しかし、初開催地となったロンドン側もイベント継続に強い意欲を示している。

    O2アリーナを運営するAEGインターナショナルのスポーツ部門シニアバイスプレジデント、ガエル・カセリは「もちろんだ」と再開催への意欲を示した。

    「本当に素晴らしいイベントだった。現在もF1と話し合いを続けている」

    「彼らがさまざまな選択肢を検討していることは聞いている。ただ、それがロンドンなのか別の都市なのか、あるいは異なる形式になるのかは分からない」

    商業的成功と運営上の課題
    F1のCEOである ステファノ・ドメニカリ は過去に合同ローンチイベント継続の可能性を示唆しているが、現時点で正式発表は行われていない。

    2025年のイベントは約2万人収容の会場を完売させるなど商業的には大きな成功を収めた。しかし、シーズン開幕前の多忙な時期に全チーム、全ドライバー、主要幹部を同じ場所へ集結させる必要があり、運営面では大きな負担も伴った。

    さらに、イベントの価値についても議論が続いている。F1人気拡大やスポンサー露出の観点からは有効との評価がある一方、チーム独自の発表機会が失われるとの懸念も残る。

    F1は新たな開催形式も検討か
    カセリはF1側が開催地だけでなくイベント形式そのものの見直しも進めていると示唆した。

    「我々は彼らに戻ってきてほしいと思っているし、そのことは彼らも理解している」

    「そして彼らも戻りたいと思っているはずだ。ただし、それが彼らにとって理にかなう形でなければならない」

    合同ローンチイベントは高い注目度と収益性を証明した一方で、F1全体の運営負担や伝統的な発表文化とのバランスという課題も浮き彫りにした。ロンドンとミラノの開催地争いの行方だけでなく、F1がどのような形でこのイベントを発展させるのかにも注目が集まりそうだ。

  • ステファノ・ドメニカリがアロンソを絶賛「50年でもF1にいてほしい」

    ステファノ・ドメニカリがアロンソを絶賛「50年でもF1にいてほしい」

    フェルナンド・アロンソの将来を巡る憶測が再び高まっている。F1のCEOであるステファノ・ドメニカリは、アロンソに対する変わらぬ敬意を示しながら、「50年でもF1にいてほしい」と語った。

    2026年のバルセロナ・カタルーニャGPでは、アロンソ自身が「最後の母国レースだったかもしれない」と発言。さらに2027年にアルピーヌへ移籍し、かつての盟友フラビオ・ブリアトーレと再タッグを組む可能性も報じられており、去就への注目が集まっている。

    ドメニカリ「アロンソには50年でもF1にいてほしい」
    スペイン紙『AS』の取材に応じたドメニカリは、長年にわたってF1を支えてきたアロンソへの思いを率直に語った。

    「フェルナンドには50年でもここにいてほしいよ。もちろん彼は同意しないだろうけどね」

    冗談交じりにそう語ったドメニカリだが、その言葉には本心もにじんでいた。

    両者はアロンソがフェラーリに在籍していた時代から親交が深く、ドメニカリは当時チーム代表としてともに戦っていた。

    苦境のアロンソに同情「才能を示すチャンスが必要」
    アロンソにとって母国GPは厳しい週末となった。予選では最後尾に沈み、決勝もバッテリートラブルによってリタイアを喫した。

    その状況について問われたドメニカリは、アロンソへの敬意を強調した。

    「私はアロンソをとても尊敬しているし、彼が素晴らしいドライバーだということも知っている」

    「だが同時に、彼が非常に粘り強い人間であることも知っている」

    「良いマシンを手にできれば、彼はまだ自分の才能を証明する機会を得られるはずだ」

    「彼のメンタリティはあらゆるレベルで恐れを知らず、常に全力で挑むものだ」

    さらにドメニカリは、アロンソには適切なプロジェクトが必要だと指摘した。

    「彼には正しいプロジェクトが必要だ。私はそれがここであることを願っている。しかも1年だけではなく、もっと長くね」

    引退後のF1については語らず
    アロンソが引退した場合、F1が何を失うのかという質問に対し、ドメニカリはその話題自体を避けた。

    「そんな話をする時ではないよ。私は彼にまだ長くここにいてほしいからね」

    また、スペインのDAZNでも同様の見解を示している。

    「彼はチャンピオンであり、その才能と速さを示せるマシンが必要だ」

    「もしフェルナンドが別のクルマに乗っていたら、トップ争いをしていただろう」

    「彼は非常に強いし、決して諦めない真のチャンピオンだ」

    アロンソ「アップグレードの成果を見たい」
    一方のアロンソは、シーズン後半に予定されているアストンマーティンとホンダのアップグレードが、自身の将来を左右する可能性を示唆している。

    「僕たちは団結しなければならない」

    「シーズン後半にはアップグレードによってもう少し競争力が高まることを期待している。でも結果を見なければならない」

    「ある時点で、アップグレードが本当にマシンを速くしたことを確認する必要がある。近年は必ずしもそうではなかったからね」

    「今年の開発でいくつかのことを証明しなければならないし、その後で状況が改善してくれることを期待している」

    アロンソはまた、母国ファンへの感謝も改めて口にした。

    「週末で一番素晴らしかったのは、ファンのみんなの応援だった」

    「僕にとっては、おそらくバルセロナでの最後のレースだったかもしれないし、本当に感情的な時間だった」

    「クルマを降りている時間はすべて楽しめた。でも残念ながら、彼らにふさわしい結果を届けることはできなかった」

    「シーズン後半に改善できることを願っている」

    44歳となったアロンソは依然として将来について明言していない。しかしドメニカリの発言からも分かるように、F1界全体がまだこの伝説的ドライバーの引退を望んでいないのは確かだ。アストンマーティンとホンダが後半戦で競争力を取り戻せるかどうかが、アロンソの次なる決断を左右する重要な要素となりそうだ。

  • BYDがモナコでFIA・F1首脳と会談 F1参戦構想の協議が進展

    BYDがモナコでFIA・F1首脳と会談 F1参戦構想の協議が進展

    BYDの副社長であるステラ・リーが2026年F1モナコGPの週末に、F1 CEOのステファノ・ドメニカリ、そしてFIA会長のモハメド・ビン・スライエムと相次いで会談していたことが明らかになった。

    世界有数の自動車メーカーであるBYDは、近年急速にグローバル市場で存在感を高めているが、今回の動きは同社のF1参入検討が単なる憶測ではなく、実際に最高レベルの協議段階へ進んでいることを示している。

    モナコで行われたトップレベル会談
    PlanetF1によると、ステラ・リーは金曜日にF1 CEOのステファノ・ドメニカリと会談し、その翌日にはモハメド・ビン・スライエムとも協議を行った。

    BYDは今年に入ってから中国メディアに対しF1への関心を認めていたが、今回のモナコでの一連の会談は、その検討がより具体的な段階へ進んでいることを示唆している。

    一方で、F1関係者の間では懐疑的な見方も残る。

    BYDは世界第3位規模の自動車メーカーではあるものの、モータースポーツ活動の実績がほとんどなく、チーム運営やレース活動のノウハウも持たない。そのため、一部では「ブランド宣伝のための調査活動に過ぎない」との声もある。

    しかし、BYDの急成長を考えれば、その可能性を軽視できないとの見方も少なくない。

    BYDは新チーム設立だけを考えているわけではない
    ステラ・リーは、BYDが新規チーム設立を最優先に考えているとは明言しなかった。

    「BYDの技術がFIAや他のチームにどのような貢献ができるのか、その機会を探っている」

    「そしてBYDとしては、この舞台でブランドを構築する必要もある」

    そう語り、複数の選択肢を検討していることを示唆した。

    F1パドックでは、既存チームの買収や出資というシナリオも取り沙汰されている。

    現時点で売却が公表されているチームは存在しないが、例えばアルピーヌの24%を保有するオトロ・キャピタルの持ち分取得などが候補として噂されている。

    V8回帰論とBYDの技術戦略
    興味深いのは、BYDが電動化技術の象徴的存在である一方、FIAが現在2031年以降のレギュレーションとしてV8エンジン回帰を模索している点だ。

    ビン・スライエムは、内燃機関を主軸とした新世代パワーユニットを推進しており、電動比率を大幅に縮小する案を支持している。

    一見するとBYDの企業戦略とは相反するように見える。

    しかしステラ・リーは、その点について柔軟な姿勢を示した。

    「たとえ内燃機関を使うとしても、最高レベルの材料工学が必要になる。その分野でBYDは非常に強い」

    BYDは2022年に純粋なガソリン車の生産を終了したが、内燃機関技術そのものを完全に否定しているわけではないことを示した格好だ。

    クリスチャン・ホーナーとの接触も判明
    今回の動きでさらに注目を集めているのが、ステラ・リーとクリスチャン・ホーナーの接触だ。

    PlanetF1は先日、リーがカンヌでホーナーと会談したことを報じている。

    ホーナーはレッドブル・レーシングで長年にわたり成功を収めた実績を持ち、将来的にF1へ復帰する場合は株式保有を含むオーナーシップを求めているとされる。

    BYDにとっては、F1経験を持たない最大の弱点を補える理想的なパートナー候補とも言える。

    リーもホーナーについて問われると笑顔を見せ、

    「彼は素晴らしい人物だ。良い友人でもある。私たちは彼を高く評価している」

    と語った。

    もっとも、BYDの参入が数年先になる可能性が高いことを考えると、ホーナーがその時期まで待つかどうかは不透明だ。

    BYDがF1にもたらすインパクト
    今回の会談で重要なのは、BYDが単なるスポンサー案件ではなく、自動車メーカーとしてF1参入の可能性を真剣に検討していることが見えてきた点だ。

    現在のF1にはメルセデス、フェラーリ、ホンダ、フォード、アウディ、GMといった世界的メーカーが集結しているが、中国メーカーはまだ存在しない。

    もしBYDが参入を実現すれば、F1にとって中国市場へのさらなる拡大を象徴する出来事になる。

    一方で、新規参入にはコンコルド協定に基づく厳格な審査が必要となる。

    FIAとFOMは現在、新たな参入希望者向けのEOI(関心表明)プロセスを共同で管理する体制へ移行しているが、関係者によれば新たな募集開始は差し迫った状況ではない。

    それでも、モナコで行われた一連の会談は、BYDがF1の未来において無視できない存在になりつつあることを示している。今後数年間の動向次第では、ホーナー率いるBYD F1チームという構想が現実味を帯びてくる可能性もある。