カテゴリー: ランド・ノリス

  • ランド・ノリス F1アブダビGP予選「前に出したくない相手の後ろで失望」

    ランド・ノリス F1アブダビGP予選「前に出したくない相手の後ろで失望」

    ランド・ノリス(マクラーレン)は、F1アブダビGP予選を2番手で終え、キャリア初タイトル獲得に王手をかけながらも「失望している」と率直な心境を明かした。

    自身のライバルとなるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が圧巻の走りでポールポジションを獲得し、ノリスは0.201秒届かず。3番手のオスカー・ピアストリには0.029秒差で競り勝った。

    ノリスは現在ランキング首位で、決勝を3位以上でフィニッシュすれば無条件で初のワールドチャンピオンとなる。しかし、タイトル争いの中心であるフェルスタッペンの直後から決勝を迎えることに、複雑な感情を抱えている。

    2日間のフリー走行では絶好調を示したノリスだが、予選では一転して安定感を欠き、Q1・Q2から苦戦が続いた。最終的にはフロントロウ確保という結果を持ち帰ったものの、本人の胸中には明確な“悔しさ”が残ったままだ。

    予選の内容には満足、それでも「ポールじゃないから失望」
    ノリスは予選直後、パルクフェルメで次のように語った。

    「マックスは良い仕事をした。おめでとうと言うしかない。僕のラップはかなり良かったし満足している。でも最後の週末でポールに立てなかったことは失望だ。今日は僕たちに十分な速さがなかったので、明日やるしかない」

    その後の会見では、失望の理由をさらに踏み込んで説明した。

    「Q1とQ2はスムーズじゃなかったけれど、Q3のラップにはほとんど満足している。今日はかなり良い走りができたし、クルマから最大限を引き出せたと感じている。それでも十分じゃなかった。最終戦でポールに立ちたかったからね」

    「そして僕が前にいたい“ただ1人の相手”、その後ろにいる。失望の理由はそれだけ。ラップ自体には満足しているし、できる限りの走りだった」

    金曜からの落差と不安定な手応え「学べるものは少なかった」
    フリー走行ではフェルスタッペンとピアストリを圧倒し“本命”と見られていたノリスだが、予選に向けた改善が思うように進まなかったことも明かす。

    「金曜日の僕たちはベストな状態じゃなかった。改善した部分は多かったけど、学べるものは多くなかった。ロングランは良かったけれど、マックスのペースも強かった」

    Q1で2セット目のタイヤを使ったことが後半への影響になったのでは?という質問には、即座に首を振った。

    「いや、それは関係ない。原因はそこじゃない」

    ランド・ノリス(マクラーレン) アブダビグランプリ

    タイトルが懸かる決勝へのアプローチは「まだ決めていない」
    タイトル決戦に向けた“攻めるか守るか”の戦略について、ノリスはまだ決めていないという。

    「正直、今の段階で決めるものじゃない。スタート前に決めるかもしれないし、5メートル先のターン1に飛び込む瞬間に決めるかもしれない。どちらの立場(追う側・追われる側)でもパフォーマンスは出せる」

    ラスベガスGPではフェルスタッペンの隣からスタートし、1コーナーでの判断ミスを悔いた経験があるだけに、危機管理への意識も高い。

    「“ハンター”でも“ハンテッド”でも構わない。普通は追われる側の方が有利だけどね。今の順位のままゴールしたいか?もちろんサインするよ。でも人生はそんなに簡単じゃない」

    「僕たちは明日どうやってレースに勝つかを考える。それがペースなのか戦略なのかは分からない。どういう形であれ、シーズンをトップで終えたいという気持ちは変わらない」

    ノリスはなぜ“失望した”のか──理由はただ一つ
    ノリスの失望の理由は、タイム差や予選順位そのものではない。
    “唯一前に出したくなかった相手”――マックス・フェルスタッペンに先行されたこと。

    その事実が、ノリスの胸に小さな棘として残り続けている。

    しかし、タイトルのかかる決勝ではノリスが圧倒的に有利な立場にあり、チャンピオンへの道は依然として広く開かれている。
    そして本人は迷いなくこう語る。

    「明日は勝ちに行く。それだけだ」

  • ランド・ノリス F1アブダビGP初日最速も「まだ笑える状況じゃない」

    ランド・ノリス F1アブダビGP初日最速も「まだ笑える状況じゃない」

    ランド・ノリス(マクラーレン)は、2025年F1アブダビGP初日にFP1とFP2の両セッションでトップに立ち、タイトル決戦に向けて幸先の良いスタートを切った。しかし、ノリス本人は依然として慎重で「まだ笑える状況じゃない」と語り、MCL39に対する手応えは万全ではないと明かした。

    ノリスは現在、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)に12ポイント、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)に16ポイントのリードを持って最終戦を迎えており、表彰台フィニッシュを果たせば自力でタイトルを決められる。

    FP2では2番手フェルスタッペンに0.363秒差をつけ、紙の上では完璧な初日となったが、ノリスの表情は引き締まったままだった。

    「もっと良くできる」ノリスが語る本音
    ノリスは走行後、「もちろんタイムだけを見ればすごく良い状況だけど、まだクルマにもう少し欲しい部分がある」と語った。

    「完全にハッピーでもないし、完全に自信があるわけでもない。クルマで色々なことを試している途中で、それを理解しようとしているところだ。今夜のうちにさらに改善できることがあるはずだ」

    「悪い日ではないし、ポジティブな1日だったのは確かだ。でも予選になるとみんな一気に近づいてくる。だから、まだ笑える状況じゃない」

    ランド・ノリス(マクラーレン) アブダビグランプリ

    フェルスタッペンとの接触未遂は調査の末“お咎めなし”
    FP2序盤にはノリスとフェルスタッペンの間で軽いドラマがあった。ターン1出口でフェルスタッペンがノリスの進路を避けるように動く場面があり、スチュワードが事象を調査したものの、最終的には「不問」とされた。

    ピアストリは11番手発進
    チームメイトのピアストリはFP1をルーキー枠走行のパトリシオ・オワードに譲ったため、FP2のみの出走となり11番手で初日を終えた。

  • ランド・ノリス F1アブダビGP会見「いつも通り臨む。失うものは一番多い」

    ランド・ノリス F1アブダビGP会見「いつも通り臨む。失うものは一番多い」

    ランド・ノリス(マクラーレン)は、タイトル決戦の舞台となるF1アブダビGPに向け、「アプローチはいつも通り」だと強調した。一方で、ランキング首位として挑む立場上「失うものは自分が一番多い」とも認めている。

    ノリスは現在、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)に12ポイント差、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)に16ポイント差でタイトルを争っており、最終戦で3人のうち誰が王者になってもおかしくない状況だ。

    「いつもと同じ」ノリスが語るタイトル決戦への姿勢
    ノリスは木曜日の会見で、週末の準備について問われると、次のように淡々と語った。

    「何も変わらない。毎週末と同じように臨むだけだ」

    「もちろん、前戦カタールの振り返りはする。良くなかった点、明らかにミスだった部分、そして分かりにくいけれど改善できる点。そういう通常の作業をしたうえでアブダビに来ている。それ以外は変わらないよ。チームの誰にとっても、いつも通りの準備をしているだけなんだ」

    「立場的には一番失うものが多い」
    会見では、首位に立つ者としてプレッシャーを感じるかという質問も飛んだ。ノリスはこれを認めつつも、深刻さは見せなかった。

    「もちろん順位だけ見れば、僕が一番失うものが多い。でもベストを尽くすだけだよ。あと数日間、トップのままでいられるようにね」

    「うまくいかなかったとしても、また来年挑めばいい。少しの間は痛みを感じるだろうけど、人生ってそういうものだし、また頑張るだけだ」

    そして、決戦そのものを相対化するように、こうも続けた。

    「何も失うものはないという気持ちもある。レースはレース、チャンピオンシップはチャンピオンシップ。でも30年後には、どうだったかなんてそんなに考えないと思う」

    ランド・ノリス(マクラーレン) アブダビグランプリ

    勝てば「人生の夢が叶う」ノリスが語ったタイトルの意味
    それでも、優勝の価値を問われると、ノリスの表情は一気に熱を帯びた。

    「数日後か数週間後に、また聞いてほしい」

    「これは僕の人生そのものだ。これまでの人生すべてを注いできた夢なんだ。もしそれを掴めたら、僕を支えてくれた人たち、過去16年間ずっと応援してくれた人たちにとっても意味のあることになる」

    「僕の人生が成功だったと証明できるし、子どもの頃から思い描いてきた夢を叶えたことになる。それ以上、何を言えばいいのか分からない」

    「たくさんの努力が積み重なった結果のご褒美だし、タイトルはその年で最もふさわしい人が手にするものだと思う」

  • マクラーレンF1 チームオーダー“封印”も…条件次第でピアストリがノリス支援

    マクラーレンF1 チームオーダー“封印”も…条件次第でピアストリがノリス支援

    マクラーレンは、2025年F1アブダビGPを前に「チームオーダーは基本的に使用しない」と強調しつつも、必要な状況になればオスカー・ピアストリがランド・ノリスのタイトル獲得を支援する可能性を認めている。両者は依然としてタイトル争いの射程圏内におり、チームは最終戦を前に“公平性”と“柔軟性”の両立を図る姿勢を示した。

    カタールGP後、マクラーレンは最終戦に向けて両ドライバーに自由に戦わせる方針を改めて確認。

    しかし、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が依然として脅威である状況を踏まえ、特定のシナリオでは“片方のドライバーがもう一方を支援する”判断も排除していない。

    ピアストリに逆転タイトルの可能性が消えた場合は援護役に回る構図も
    マクラーレンは、レース中にピアストリのタイトル可能性が現実的に消えたと判断された場合、彼がノリスのために順位を譲るケースもあり得るとしている。

    例えば、ノリスが3位でフィニッシュすればタイトル獲得が決まる状況で、ピアストリとノリスが3位と4位を走行しているような場合、ピアストリにポジション移動を指示する可能性がある。

    さらには、ピアストリがフェルスタッペンの背後で2位、ノリスが4位という状況下では、チームがタイトル最優先で“2位の座を明け渡す”よう求めるケースも考えうるという。

    両ドライバーに事前共有される「全シナリオ」
    チーム代表アンドレア・ステラは、アブダビGP前にノリスとピアストリの双方に対し、どのような状況で支援が求められるのかを事前に明確化すると語った。
    突然の判断でドライバーを驚かせるのではなく、透明性と誠実さをもって決勝に臨むためだ。

    ステラはカタールGP後に次のように述べている。

    「どちらかのドライバーにタイトルを追う状況が続く限り、もう一方を排除するようなコールはしない。状況がどう展開するかを見ていくことになる」

    「我々はドライバーに対して誠実でありたいし、彼らを驚かせるようなことはしたくない。だからこそ、アブダビまでの間にランドとオスカーと話し合い、どのようにレースへ臨むかを確認するつもりだ」

    マクラーレンは最終戦を前に、平等な戦いを尊重しつつ、タイトルという最大目標を逃さないための“柔軟なチーム戦略”をすでに準備している。ノリスとピアストリ、若き両エースによる最終決戦は、戦略的にも大きな注目を集めることになりそうだ。

  • マクラーレンF1の内部緊張が激化:ピアストリ冷遇疑惑が豪州上院まで波及

    マクラーレンF1の内部緊張が激化:ピアストリ冷遇疑惑が豪州上院まで波及

    F1タイトル争いが最終決戦を迎えるなか、マクラーレンを巡る“ピアストリ冷遇”疑惑が異常な広がりを見せている。カタールGPの戦略ミスに端を発した騒動はついにオーストラリア上院にまで飛び火し、パドックの空気は一段と重くなった。

    疑念の中心は、7周目のセーフティカーでピットに入らなかった不可解な判断だ。一部では、ランド・ノリスに不利になるリスクを避けるため、あえてピアストリに有利な展開を拒んだのではないかとまで囁かれている。

    豪州上院議員の“ジョーク”が象徴する異常事態
    オーストラリアのマット・カナバン上院議員は、運輸担当官に対し「マクラーレンはピアストリに不利な判断をして、彼のワールドタイトルを奪っていると思いますか?」と冗談交じりに質問した。

    軽いジョークのつもりだったが、パドックの状況は笑えない。カタール後、ピアストリ側が不信感を強めているとの憶測が広がっているためだ。

    ザク・ブラウンの“抱擁”が逆効果に:ウェバーの冷たい視線
    疑惑をさらに加速させたのは、ピアストリのマネージャーであるマーク・ウェバーの反応だった。
    F1フォトグラファーのキム・イルマンによると、ザク・ブラウンCEOがカメラの前でピアストリに抱擁しに行った瞬間、ウェバーは**「氷のような視線」**を向けたという。

    ブラウンが何と言ったかについて、ピアストリは「謝罪だった。それ以上求めることはできないね」と語った。

    しかし、ウェバーがカタールGP週末にアストンマーティンのガレージでエイドリアン・ニューウェイと並んで座っていたことが発覚し、ピアストリの将来に関する噂が一気に拡大している。

    三つ巴のタイトル決戦:ヨス・フェルスタッペンが遠隔から圧力
    アブダビGPではノリス、フェルスタッペン、ピアストリが2010年以来となる三つ巴のタイトル争いに挑む。

    フェルスタッペンの父ヨスはケニアでのラリー参戦のため現地に来ないが、「マクラーレンには緊張があるだろう」「このチャンスを逃したら次はないかもしれない」と発言し、遠隔から強烈な圧力をかけた。

    さらに「今、人々はマックスがどれほど特別かを理解している。各チームはレッドブルではなく“マックス”を相手にしている」と語り、マクラーレンへのプレッシャーを一段と増幅させた。

    アンドレア・ステラが沈静化を図る:「オスカーもタイトル候補」
    内部不穏が高まる中、チーム代表アンドレア・ステラはピアストリを擁護した。

    「オスカーはタイトルを獲れる位置にいる。歴史的に、第3の候補が勝つこともある」

    さらに疑惑を否定するように、「我々は誠実さと透明性を持って判断する。どちらか一方がタイトルを獲れるなら、その結果を尊重する」と語った。

    しかし、今年度のマクラーレンが掲げる“パパイヤ・ルール”(完全平等の扱い)は、これまでにもたびたび嘲笑の的となり、カタールGPで再び批判を浴びた。

    新たな陰謀論:「ドラマの方がF1とマクラーレンに得」
    カタール後、ザク・ブラウンが笑みを浮かべながら「F1ファンにとっては最高のギフトだ。数字にも良いだろうね」と発言したことが、さらなる陰謀論を招いた。

    「マクラーレンとF1はこのドラマで得をしているのでは?」という憶測が一部で広まり、事態はますます複雑化している。

    ブラウンは続けて「昨年アブダビで勝っているから強いはずだ」と前向きに語ったが、パドックの視線は厳しいままだ。

  • アービッド・リンドブラッド ノリスとの約束を実現「5年後にF1で会おうと伝えた」

    アービッド・リンドブラッド ノリスとの約束を実現「5年後にF1で会おうと伝えた」

    アービッド・リンドブラッドが、2026年にレーシングブルズからF1デビューを果たす。モータースポーツ界で急激にステップアップを遂げてきた彼が、モータースポーツと家族のルーツ、そして幼い頃にランド・ノリスへ告げた“約束”について語った。

    18歳のリンドブラッドはレーシングブルズ加入により、2026年のF1グリッドに並ぶ5人目のイギリス人ドライバーとなる。

    2021年にレッドブル・ジュニアに加入して以来、シングルシーターの階段を驚異的な速度で駆け上がり続けてきた彼は、念願だったF1の世界に足を踏み入れたことで、自身の長年のビジョンを実現させた。

    幼少期から揺るぎなかった「自分はF1に行く」という確信
    リンドブラッドの夢は、始まりから一切ブレなかった。

    「5歳の頃にこの旅を始めて以来、僕の夢はずっとF1に行くことだった。だからそれが現実になるのはとても特別だ」

    彼の家族はモータースポーツ一家ではない。父は幼少期に少しモトクロスをかじった程度で、母は教育を最優先する家庭だった。

    「3歳で父がモトクロスバイクに乗せてくれた。でも母には強すぎてすぐにやめた。5歳で初めてカートに乗ったら、もうすぐに大好きになった。それ以来、未来にはF1しか見えていなかった」

    4歳の頃、父とテレビでF1を見て「どうしたらそこに行けるの?」と尋ねたという。答えを知らぬまま、しかし不思議な確信だけは持っていた。

    「なぜかわからないけど、自分はそこに行くと信じていた。傲慢ではなく、ただ『絶対にF1に行く。どんなことでもする』と思っていた」

    スウェーデンとインド、2つのルーツ
    父方はスウェーデン、母方はインドにルーツを持つ。

    「父方の祖父母は今もスウェーデンに住んでいて、よく会いに行く。母方はイギリスに渡って医師になった。祖母は82歳までGP(家庭医)として働いていて、その肖像画が博物館に展示されている」

    家族は“努力して機会を掴んだ人たち”であり、リンドブラッドはその歴史を誇りにしている。

    「父はスモーランドの小さな村の出身で、11歳でトイレ掃除や新聞配達の仕事をしていた。母方の家族は分離独立(Partition)によってすべてを失った。それでも働いて新しい人生をつくった。僕はその努力に心から敬意を抱いている」

    母は教育を厳しく見守り、レーシングが本当に続けられるレベルなのか何度も確認していたという。

    「『もし才能がなかったらやめられる?お金も必要なんだから』と母は父に言っていた。でも僕が努力し続け結果を出していたので、やめる理由がなかった」

    ノリスに言った「5年後、F1で会おう」
    2017年にカートの国内タイトルを獲得し、ヨーロッパに進出したリンドブラッド。そんな彼が14歳のとき、ランド・ノリスと偶然の出会いを果たした。

    「ノリスが新しいカートのシェイクダウンをしていて、僕は友達に『ノリスに話しかける』と言ったら、『無理だろ』と言われた。でも近づいて出てきた言葉が『僕のことを覚えていてください。5年後にF1で会うので』だった」

    「ルイスとロン・デニスの話にちょっとインスパイアされたんだ。ノリスは驚いた顔で『そう思ってくれるのは嬉しいね』と言っただけだったと思う。ああいうことを言う子はたくさんいるだろうし。でも僕は本気でそう思っていた」

    2026年、彼は本当にF1に辿り着き、あの約束は現実になる。

    アービッド・リンドブラッドとランド・ノリス

    レッドブル加入—そして急加速
    2021年、ポルトガルでのテスト中に「Graz, Austria」からの未知の番号。出たのはヘルムート・マルコからの電話だった。

    「世界チャンピオンをF1に送り込んできたマルコに会えるのが楽しみだった。世間で言われるような怖い印象じゃなく、僕との関係はずっと正直でオープンだった。彼は言い訳が嫌いで、僕も同じ。だから相性がよかった」

    レッドブル・ジュニアのロッキー(ギヨーム・ロックラン)らのサポートを受け、リンドブラッドはF4→F3→F2と一気に駆け上がる。2023年にはマカオGP優勝という大きな勲章を得た。

    「100%準備できているわけじゃない」—それでも挑むF1
    2026年のF1新レギュレーション下でのデビューは、全員が未知の世界だ。

    「正直に言えば、僕はまだ100%準備できているわけじゃない。でもそれは普通だ。僕はずっと“深いところに突然放り込まれて学ぶ”状況で成長してきた。だから今回も乗り越えられると信じている」

    2026年に求めるものは明確だ。

    「1年を終えるとき、僕がスタート時より“もっと良いドライバー”になっていること。それが成功だと思う。新しい車は全員にとって未知だけれど、経験者はやっぱり有利だ。でも僕は自分自身を最大限伸ばすことに集中する」

    そして、彼はついに “夢のスタート地点” に立つ。

    「F1に辿り着いた。それだけで、幼い頃の自分との約束は果たせた」

    リンドブラッドのF1挑戦が意味するもの
    リンドブラッドのストーリーは、天才型というより“環境を超えて努力で道を切り拓いたタイプ”の典型で、レッドブルが求める精神性にも合致している。

    彼はノリスに宣言した「5年後のF1」を実現し、さらに新レギュレーション初年度という最難関の場に挑む。経験不足は確かにあるが、レッドブルが長期視野で投入する「ポテンシャル投資型のドライバー」であり、2026年の混乱を逆に成長の場として吸収できる可能性がある。

    レーシングブルズのラインナップは、リアム・ローソンとリンドブラッドという“育成筆頭コンビ”となり、チームとしての再構築フェーズに入る。2026年は結果よりも、どれだけ適応速度を上げ、学習し、F1仕様のドライバーへと完成されるかが最大の焦点だ。

  • ランド・ノリス F1カタールGP決勝「僕たちの判断は間違いだった」

    ランド・ノリス F1カタールGP決勝「僕たちの判断は間違いだった」

    ランド・ノリス(マクラーレン)は、優勝がかかった一戦でチームの戦略判断を悔やむ結果となった。決勝を4番手で終え、タイトル争いは最終戦アブダビの一騎打ちへともつれ込む。

    ノリスは週末の時点で24ポイントのリードを持っていたが、レース中盤のセーフティカー対応でチームが下した“ステイアウト”の判断が勝敗を分けた。

    ノリスは2番手スタートからオープニングラップでマックス・フェルスタッペンに先行を許し、7周目のセーフティカー導入時に全車がピットへ向かう中、マクラーレンのみがピットに入らない戦略を選択。これにより強制的に2回の通常ピットを行うことになり、最終的にピアストリは2位、ノリスは4位どまりとなった。

    戦略判断が勝敗の分岐点に
    セーフティカーの原因は、ニコ・ヒュルケンベルグとピエール・ガスリーの接触により、ヒュルケンベルグがターン1のグラベルにストップしたことだった。ほぼ全車がピットインを選ぶ中、マクラーレンは2台をコース上に留める判断を下した。

    25周のスティント上限が課される特別ルールの影響で、マクラーレンの2台は必然的に不利な2ストップを強いられた。

    ノリスはレース後、この戦略判断について明確に不満を示した。

    「クルマの調子は良かったし、オスカーは2位でとても速かった。何もクルマに文句はない。ただ戦略だ。2台目のクルマになると常に少し不利になるけど、今日はそういう問題じゃなかった。僕たちはやるべきでないことをしてしまった。シンプルにそれだけだ」

    ランド・ノリス(マクラーレン) カタールグランプリ

    ミスからの挽回、そして4位フィニッシュ
    ノリスはレース終盤、キミ・アントネッリの小さなミスを突いて4番手まで挽回した。一方、本人も第2スティントでターン14の外側へはみ出す場面があったという。

    「ダメージがあったかどうか全く分からなかった。無線で調べてくれと頼んだんだけど、その後ハードタイヤでペースを上げるのに苦労した」と振り返った。

    タイトル争いは最終戦アブダビへ
    この結果、ドライバーズ選手権はノリスが依然として首位をキープするものの、差はフェルスタッペンに対して12ポイント、ピアストリに対して16ポイントまで縮まった。

    最終戦に向けた心境を問われたノリスは、淡々とした様子でこう答えた。

    「いい気分だよ。ベストな1日ではなかったけど、仕方がない。前を向くだけだ」

    タイトル決着の舞台は、アブダビの最終戦へ。トップ3が僅差で並ぶ歴史的な決戦が待ち受けている。

  • ランド・ノリス F1カタールGPでドライバーズタイトルを決める条件

    ランド・ノリス F1カタールGPでドライバーズタイトルを決める条件

    マクラーレン勢のラスベガスGP失格により、ランド・ノリスは2025年F1ワールドチャンピオン獲得へ一気に近づいた。ノリスは現在396ポイントでランキング首位。残り2戦を前にチームメイトのオスカー・ピアストリに22ポイント差をつけ、今週末のカタールGPでタイトルを決める可能性がある。

    ラスベガスでは、ノリスとピアストリのMCL39の“プランク摩耗過多”が発覚し両者が失格。これによりタイトル争いは大きく書き換えられた。

    ノリスがタイトルを決める条件
    ノリスは今週末のカタールGPで、22ポイント差を26ポイント以上に広げれば初の世界王者が確定する。

    最もシンプルな条件は、
    日曜の決勝でノリスが優勝=その瞬間に王座確定。

    また、ピアストリに対して4ポイント以上上回ればタイトルが決まる。

    これが叶わなかった場合、タイトル決定は最終戦アブダビGPへ持ち越される。

    ■ ノリスが優勝した場合 → 即タイトル確定

    ■ ピアストリに対して4ポイント以上上回る → タイトル確定

    ■ レース後のポイント差が26点以上になる → タイトル確定

    ■ フェルスタッペンより前でフィニッシュする(=生き残り阻止)
     ※ただし、ピアストリとの差が26点以上になることが必要

    ランド・ノリス(マクラーレン) カタールグランプリ

    ノリス「勝つために走るだけ。アプローチは変えない」
    ノリスはラスベガスの失格判定前に、タイトル争いへの心境を語っていたが、その姿勢は揺るがない。

    「こういう状況にいるのは初めてだから、どう答えたらいいか分からない」

    「でも特別な感じはないし、今までと変わらないよ。勝ちたいだけだ。勝てればもっと楽しいし、2位よりもずっと良いからね」

    「残り2レース全部勝つつもりだ。スプリントも含めて3つ全部だよ」

    「まずは数日休んで、時差を戻して、FP1に集中するだけだ」

    フェルスタッペンは“望みを繋ぐために”ノリスに勝利が必須
    マックス・フェルスタッペンはランキング3位。首位ノリスに対して25ポイント差で、日曜の決勝でノリスを上回らなければ生き残れない。

    フェルスタッペンはシーズン後半に“驚異的な追い上げ”を見せ、ザントフォールト後にあった104ポイント差を大きく削り取った。4勝に加え、2位2回、3位2回と全戦表彰台を獲得している。

    ラスベガスでのマクラーレン2台の失格は、フェルスタッペンに“予期せぬ追い風”となったが、5連覇達成には依然として大きな幸運が必要だ。

    「もし成し遂げられたら、F1史上最大の逆転劇になる」とまで言われている。

  • ランド・ノリス、フェルスタッペンの「マクラーレンF1でならとっくに王者」に反論

    ランド・ノリス、フェルスタッペンの「マクラーレンF1でならとっくに王者」に反論

    ランド・ノリスは、マックス・フェルスタッペンが「自分が2025年のマクラーレンのような支配的なマシンに乗っていたら、とっくにタイトルは決まっていた」と語った件について、「ナンセンスだ」と切り捨てた。

    ノリスは日曜決勝で勝利すれば自身初のワールドチャンピオンを決められる状況にあり、シーズン終盤のこのタイミングで両者の舌戦が激しさを増している。

    フェルスタッペンは今季のマクラーレンの支配力について触れつつ、「もし自分たちがあのレベルのマシンに乗っていたなら、選手権はとっくに終わっていた」と主張。一方でノリスは、4度の王者を尊重しつつも「彼には分かっていないことも多い」と反論した。

    フェルスタッペン「他チームの失敗のおかげでまだ戦えている」
    フェルスタッペンは、今季5回目のタイトル獲得の可能性について問われると、「5つは4つより良い。でも取れなくても人生は変わらない」と冷静に語った。

    さらに、今季のタイトル争いについては「我々がここまで戦えているのは他の人たちの失敗のおかげだ。シーズン全体を見れば、もし僕たちが彼ら(マクラーレン)のような支配的なマシンを持っていたら、とっくに決まっていた」とコメントし、マクラーレンの優位性を強調した。

    ノリス「尊敬しているが、分かっていないことも多い」
    スプリント後、フェルスタッペンの発言を聞いたノリスは、まず4度王者としての実績には敬意を示した。

    「マックスはなんでも言える立場にある。4回も世界王者になったドライバーだし、達成したことは本当にすごい。尊敬しているよ」

    しかしその直後に続けた。

    「でも、分かっていないことも多い。レッドブルの“攻撃的なやり方”というか、よくナンセンスなことも言う。聞きたいなら聞けばいいし、僕たちは僕たちで集中するだけだ。彼なら早く決めていたかもしれない? でもまだ決めていないし、ずっと試しているだけだね」

    ランド・ノリス(マクラーレン)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)

    予選2番手のノリス「オスカーはいい仕事をした」
    日曜決勝に向けた予選では、ノリスはQ3最後のアタックでターン2のアンダーステアによりコースオフを避けるためラップを中断し、2番手に終わった。

    「少しアンダーステアになってオフしそうだったから中断するしかなかった。オスカーはいいラップをまとめたし、週末ずっと速い。文句はないよ。僕はP2からスタートだ」

    決勝については、序盤が勝負になると見ている。

    「最初の数周が一番のチャンスだと思う。その後はみんな同じような展開になるはずだ。今夜いくつか見直して、どこを改善できるか確認するよ。昨日よりも今日のほうがクルマに満足しているし、いい位置につけている」

  • ランド・ノリス F1カタールGP予選「アンダーステアで諦めるしかなかった」

    ランド・ノリス F1カタールGP予選「アンダーステアで諦めるしかなかった」

    ランド・ノリスは、F1カタールGP予選の最終ラップを中断した理由について明かし、自身のマシンが抱えていた“アンダーステア”が原因だったと説明した。マクラーレン勢はフロントロウを独占し、ノリスは2番手から決勝に挑む。

    ポイントリーダーのノリスは、残り数秒のタイミングでピットインを選択。これにより、オスカー・ピアストリがポールポジションを確定させた。決勝ではノリスがタイトルを決める可能性がある一方で、結果次第では最終戦アブダビへタイトル争いが持ち越される。

    アンダーステアがターン2で発生し、続行しても意味がないと判断
    ノリスは予選を通じてトラックリミットに接触する場面が多く、マシンのアンダーステアに悩まされていたという。本人は「最初のラップで十分タイムを伸ばせるポイントがあった」と手応えを語りつつも、決定的なミスがTurn 2で発生したと明かした。

    「今日はもっと快適にドライブできたし、マシンを自分のやりたい方向に押し込めた感覚があった。最初のラップは良かったし、まだ改善できる余地がたくさんあったと思う。ただ、ターン2で理由は分からないけど少しアンダーステアが出て、その時点で終わった」

    「悔しいけど、もっと良いラップができたはず。でも結局できなかったから、明日の2番手スタートになる」

    さらに、なぜ最後の周回を走らなかったのかと問われると、ノリスは明確に答えた。

    「燃料がなかったから、戻ってもう一周することはできなかった」

    ランド・ノリス(マクラーレン) カタールグランプリ

    「スタートで前に出なければ勝ちは難しい」
    スプリントでオーバーテイクが少なかったことを踏まえ、ノリスは決勝が「かなり退屈なレース」になる可能性を示した。DRSゾーンの短さが依然として追い抜きを難しくしている。

    「昨日のスプリントよりはマシだけど、基本的には前に出るチャンスはターン1だけだと思う。オスカーが言うように、ターン1の長い距離が鍵になる。それ以外はかなり退屈でシンプルなレースになるだろう」

    現在ランキング首位で、勝てば初のワールドチャンピオンが決まるノリス。しかし自身は冷静で、まずはスタートがすべてだと語った。

    「今のところ僕は2番手。勝てるチャンスはあまり大きくない。でも良いスタートを切ることに集中するだけだ」