F1のステファノ・ドメニカリCEOが、日本からグランプリの追加開催を求める要望が寄せられていることを明らかにした。現在、日本では鈴鹿サーキットでF1日本GPが開催されているが、世界各地から開催希望が相次ぐなか、日本についてもさらなるレース開催を求める動きがあるという。
ドメニカリはロイターの取材で、今後のF1カレンダーについてアジアや南米から関心が寄せられていると説明。そのなかで中国と日本を具体的に挙げ、「さらに多くの要望がある」と語った。
一方で、F1は年間24戦という現在の規模を維持する方針であり、追加開催が実現するかどうかは開催地の入れ替えを含めた今後のカレンダー戦略に左右されることになる。
日本と中国から追加開催の要望
F1は世界各地からグランプリ開催への強い関心を集めている。ドメニカリによれば、長期的にはアフリカの候補地と前向きな交渉を進めているほか、アジアや南米からも開催への関心が寄せられているという。
そのなかでドメニカリは、日本と中国について具体的に言及した。
「中国、そして日本からもさらに多くの要望がある。ただ現時点では、中国では1レースを維持したい。別の選択肢を考える前に、まず市場を定着させる必要があるからだ」
ドメニカリは日本について、誰が追加開催を要望しているのか、また具体的にどのサーキットが候補となっているのかには言及していない。
現在、日本GPは鈴鹿サーキットで開催されている。そのため今回の発言は、日本国内で鈴鹿とは別にもう1戦を開催する構想が具体化していることを意味するものではないが、少なくとも日本からF1の追加開催を求める要望がF1側に届いていることが明らかになった形だ。
2027年も年間24戦を維持
一方、F1が際限なく開催数を増やしていくわけではない。ドメニカリは、2027年についても年間24戦を維持する方針を明確にしている。
2027年のF1カレンダーはまだ正式発表されていないが、ポルトガルとトルコが新たにカレンダーへ加わる予定となっている。
「いずれにしても、来年も24グランプリという目標は維持する」
つまり、新たな開催地が加わる場合には、既存グランプリとの入れ替えが必要になる可能性が高い。日本から寄せられている追加開催の要望についても、こうした世界規模での開催枠を巡る競争のなかで判断されることになる。
中東情勢で2026年終盤戦にも変更の可能性
F1がカレンダーの選択肢を広げている背景には、現在の中東情勢もある。
2026年4月に予定されていたサウジアラビアGPとバーレーンGPは、イラン戦争の影響を受けて中止となった。バーレーンGPについては、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで10月4日に代替開催されることになり、その費用の大部分をバーレーン側が負担する。
また、FIA世界耐久選手権(WEC)も中東情勢の影響を受け、カタールとバーレーンで予定されていた終盤2戦を、それぞれスペインのカタルーニャ・サーキットとイタリアのモンツァへ変更している。
F1では11月29日にカタールGP、12月6日に最終戦アブダビGPが予定されており、現時点では両レースとも開催予定に変更はない。
「状況がどのように進展するのかを見るため、可能な限り時間を使うつもりだ。そして適切なタイミングで決断を下す」
ドメニカリはそう語り、判断の期限についても明らかにした。
「現在のカレンダーを変更する可能性について、判断期限は9月中旬だ」
「現時点ではカタールとアブダビのレースは開催する予定だ。ちなみに、どちらもすでに完売している」
中東2戦が開催できなければ欧州で最終戦
一方、情勢が改善せずカタールGPとアブダビGPを開催できなくなった場合、F1はシーズン終盤を欧州へ移す方針だ。
「もし開催できないのであれば、シーズン終盤は欧州になる。他の地域へ行くことはできないからだ」
その代替開催地の候補には、2026年のF1カレンダーから外れたイモラ・サーキットも含まれている。ドメニカリ自身が、イモラが候補リストに入っていることを認めた。
11月末から12月初旬の北イタリアでは低温が懸念されるが、ドメニカリは11月にナイトレースとして行われるラスベガスGPの方が欧州より気温が低くなる場合もあると指摘した。
また、ラスベガスで2レースを開催してシーズンを締めくくる案も検討されたという。
「ラスベガスで2レースを開催してシーズンを終える可能性もあった。ただ、成長している宝石を台無しにしたくはない」
同時期にはNFLのレギュラーシーズンも開催されるため、ラスベガスでの連戦は採用しない考えだ。
2027年カレンダー発表は年内を予定
中東情勢は2027年のF1カレンダーにも影響する可能性がある。
当初はバーレーンGPがオーストラリアGPに代わり、3月の2027年シーズン開幕戦に戻ることが想定されていた。しかし現在の情勢を受け、F1は複数の代替プランを用意している。
「もちろん、中東の状況が解決していない場合に備えて、いくつかの選択肢と異なるプランを用意している」
「ただ、それを判断するタイミングは年末になる。だから、まだ十分な時間がある」
2027年のF1カレンダーは年内に発表される予定だ。
年間24戦という限られた開催枠に対し、アフリカ、アジア、南米など世界各地からグランプリ開催への関心が寄せられている。そのなかでドメニカリが日本を具体的に挙げ、追加開催を求める要望があることを明かした点は注目される。現段階で具体的な開催計画は示されていないものの、日本で鈴鹿に続く新たなF1開催が将来的に検討対象となるのか、今後の動向が注目される。
