カテゴリー: インディカー

  • 佐藤琢磨、20番手スタートから17位でゴール / インディカー

    佐藤琢磨、20番手スタートから17位でゴール / インディカー

    佐藤琢磨は、インディカー 第4戦 アラバマの決勝レースを17位で終えた。

    佐藤琢磨(A.J. Foyt Racing)は予選20番手で10列目からスタートし、序盤の18周で11番手まで順位を上げることに成功した。ところが、早めのピットストップを行ったマシンがコース復帰の際に佐藤琢磨のマシンに真横から体当たり。スピンしてストップした佐藤琢磨は最後尾近くまで後退せざるを得なかった。

    それでも粘り強い走りを続けた佐藤琢磨は、フルコースコーションをうまく利用して上位へ復活するチャンスをつかみかけた。しかし、ソフトタイヤでのマシンのハンドリングが完ぺきではなかったためにポジションを下げ、17位でのゴールとなった。

    佐藤琢磨(17位)
    「いろいろと難しい状況に遭いながらゴールまで走りきれたことはよかったと思います。スタートで2つほどポジションを上げ、フルコースコーションを利用した作戦にトライ。その判断は上位を走っていた何チームかと同じで、正しかったと思います。私たちはソフトタイヤを2回投入しましたが、そのうちの1回で非常に多くの周回をこなす必要があり、そこでペースを維持し続けるのが難しかったです。今だから言えることですが、あのときはすぐにピットに入ってタイヤを交換すべきでした。レース終盤に燃料補給だけの短いピットストップを行う必要が生まれるとしても、タイヤを交換した方が得策だったと思います。しかし、レースを戦っている最中にその判断を下すのは難しかったと思います。タイヤの状態が悪くなっていたためにいくつものポジションを下げたのは、あの時点から2回ではなく、1回のピットストップでゴールまで走りきることをチームが目指していたためです。今日は厳しい一日になりました。レース序盤にはピットアウトしてきたウィル・パワーにヒットされる不運もありました。彼はこちらがもうコーナーに完全に飛び込んでいたのに、全然見えていなかったようです。横に並んだままコーナーを通過できるかとも思いました。接触を避ける努力もしました。しかし、避けきれませんでした。そんな難しいレースではありましたが、チームメートと2台のマシンを走らせたことで今日も私たちは多くを学びました。次のインディーグランプリでそれらを活用したいと思います」

  • 佐藤琢磨、アラバマの予選は20番手 / インディカー

    佐藤琢磨、アラバマの予選は20番手 / インディカー

    佐藤琢磨は、インディカー 第4戦 アラバマの予選を20番手で終えた。

    佐藤琢磨は、プラクティス1回目に10番手のラップタイムを記録し、まずまずの出足をみせていた。しかし、プラクティス2でも合同テストでの自己ベストを上回ることができずに18番手。

    予選のセグメント1でグループ2に組み入れられた佐藤琢磨は、ソフトタイヤを走行開始と同時に投入してアタックを重ねましたが、ベストは1分8秒2541で予選結果は20番手だった。

    佐藤琢磨(20番手)
    「予選のセグメント1突破を目標にソフトタイヤで最初からアタックしました。ソフトタイヤを2セット投入してでもセグメント2に進みたいと考えたのは、このコースのドライコンディションでの戦いは、オーバーテイクが大変難しいからです。予選開始前にセッティング変更を行いましたが、予選での私たちのマシンはアンダーステアが強く、スピードを保ったままコーナーをクリアして行くことができませんでした。しかし、ハンドリングはプラクティスでは感じられなかったスタビリティがありました。明日のレースに向けてセッティングをどうすべきかの大きなヒントを得ることができたので、ファイナルプラクティスでさらにマシンを向上させ、決勝では後方から追い上げ、順位を上げて行くレースを戦いたいと思います」

  • 佐藤琢磨 「今度こそトラブルフリーで週末を過ごしたい」

    佐藤琢磨 「今度こそトラブルフリーで週末を過ごしたい」

    佐藤琢磨が、インディカー 第3戦 ロングビーチのレース週末を振り返った。

    これまでロングビーチは佐藤琢磨にとって験のいいサーキットだった。そのハイライトが優勝した2013年だったことはいうまでもないが、2015年のベライゾン・インディカー・シリーズ第3戦としてカリフォルニアで開催された市街地レースは、佐藤琢磨に多くのものを授けたとはいえなかった。

    予選では好ましくないタイミングで赤旗が提示されて最初のハードルを越えられなかったうえ、アクシデントがほとんど起きなかったレースは序盤にイエローコーションが一度しか提示されただけで、順位を上げるチャンスはほとんどなかった。

    それでも、15位でフィニッシュできていれば最悪というほどのことはなかったのだが、佐藤琢磨は最終ラップに燃料を使い果たしてしまい、AJフォイト・レーシングのダラーラ・ホンダは18位でフィニッシュラインを越えた。

    「みなさんご存じのとおり、ロングビーチは特別なレースです」と佐藤琢磨。

    「とりわけ2013年のレースは特別な思い出で、僕とチームにとっては忘れがたい一戦となっています。昨年は多重クラッシュが発生して残念な結果に終わりましたが、今年は是非いいレースを戦いたいと願っていました。けれども、結果的にはまったく納得のいかないレースになりました」

    佐藤琢磨の不振は金曜日のフリープラクティスですでに始まっていた。

    「バランスにもグリップにも満足がいきませんでした。まるで、先週行われたNOLAモータースポーツ・パーク戦の続きのような状況でした。NOLAで使ったロードコース用タイアと市街地コース用タイアでは大きく異なっているので、僕たちは市街地コース用のセットアップには自信を抱いていましたが、プラクティスでは苦戦を強いられたのです」

    「新しいエアロキットが導入されて以来、マシンはメカニカルグリップよりもエアロ・パッケージに大きな影響を受けるようになっていたので、僕たちはシャシー・コントロールについてもう1度考え直さなければいけないのかもしれません。バランスが良好とはいえなかったのです。結局、金曜日は一日中満足のいく結果は得られませんでしたが、土曜日の午前中にこれまでとは異なるセットアップを試したところ、良好な感触が得られました。ようやくいいラップタイムが記録できるようになったのです。特に速いラップタイムを出そうと意識したわけではありませんが、セットアップが正しい方向に向かっていることが実感できました。ここにきてようやくポジティブな印象が得られたので、自信をもって予選に臨むことができました」

    運悪く、佐藤琢磨がソフト目のファイアストン・レッドタイヤを装着し、アタックを始めようとしたところで、ステファノ・コレッティがアクシデントを起こしたために赤旗が提示され、セッションは終了となってしまう。予選グループのなかでの佐藤琢磨の成績は10番手。このため20番グリッドからレースに臨むことになった。

    「まず、古いブラックタイアでウォームアップを行ってからレッドタイアに交換しました。ところが、アウトラップに入ろうとしたところでレッドフラッグとなってしまったのです。マシンのポテンシャルを発揮させられなかったのは本当に残念でした。ライバルのなかにはレッドタイアでタイムを記録できたドライバーもいましたが、僕たちは割り当てられたピットの位置——これは前戦のグリッドポジションで決まります——の関係で、列に並ぶ格好になってしまったのです」

    「おかげで、満足のいかないグリッドポジションに終わっただけでなく、レッドタイアでマシンがどんな挙動を示すかを確認するチャンスも失われてしまいました。けれども、日曜日の朝に行われたウォーミングアップ・セッションでマシンは素晴らしい感触を示してくれたので、僕は明るい希望を抱いていました。ライバルたちがレッドタイアに履き替えたり、コンディションのいいタイアを装着するようになるまで、僕は3番手か5番手につけていたので、トップ10は確実でした。マシンがロングビーチでより普通の反応を示すようになり、僕好みに仕上がってきたことに僕は満足していました」

    ロングビーチではいつものことだが、路上の破片を拾い上げるためにセーフティーカーが導入されるまでのレース序盤は、ほとんどオーバーテイクは見られなかった。佐藤琢磨はファイアストンのレッドタイアに履き替えるためにピットストップを行ったが、ここでややタイムをロスすることになる。

    「日曜日は何ひとつうまくいきませんでした。コーションになって僕がピットに入ろうとしたときにはひどい混雑になっていて、ポジションを上げられるチャンスはまったくありませんでした。それでも、僕はコース上でオーバーテイクしていくつかポジションを上げましたが、僕は大きな集団に呑み込まれていて、トップグループに比べるとだいぶ遅いペースで走行していました」

    これ以降、レースはずっとグリーンのまま進行。この間2度のピットストップを行ったものの、速いペースで走っていたにもかかわらず、順位を上げることはほとんどできなかった。2回目のピットストップを行う直前、他のチームとは異なるタイミングでピットストップを行っていたAJフォイト・レーシングのジャック・ホークスワースと佐藤琢磨は一時的に1-2体制を築いたほか、とりわけラップタイムが速い佐藤琢磨は、2回目と3回目のピットストップの間に中団の大集団に徐々に追いついていった。ところが、最終ラップではまたしても試練が佐藤琢磨を待ち受けていたのである。

    「僕の前にいたグループに追いついていったときは素晴らしい気分でした。今日のレースは上位陣のほとんどがシボレーで占められていましたが、僕はホンダのなかで最速のドライバーでした。ただし、追い上げを図りたいと思っているときに限って、タイア交換でちょっとした問題が起きて、逆に順位を落としていました。他のドライバーに追いつけるくらい僕は速かったのですが、オーバーテイクするのはとても難しい状況だったのです」

    それでも、最終ラップに入るまで、佐藤琢磨は15位でフィニッシュできる感触を掴んでいた。

    「ちょっとしたドラマが起きました。燃料には余裕があると聞いていたのですが、燃費の計算に問題があって、1ラップ分の燃料が足りないことが明らかになったのです。必要以上の燃料がまだ残っているという想定だったので、僕はファイナルラップまでエンジン・マッピングをフルリッチにして走っていました。ところが、ファイナルラップのターン1で、ものすごい量の燃料をセーブしなければいけないと告げられたのです。それでもまるまる1周をレーシングスピードで走らなければいけなかったので、軽いパニックに陥りました!」

    「チャーリー・キンボールが直後に迫っているのに、ラリー・フォイトは燃料をセーブして完走しろと僕に指示してきました。僕は順位を落とすことなくなんとか走り続けていましたが、バックストレートでエンジンが息つきを起こし始めたので、マシンが止まるのはもはや時間の問題でした。僕はターン9、10、11を惰性で走り抜け、その後のフィニッシュラインに向かうヘアピンでは加速したいと思っていました。実際、ほんのわずかにマシンは加速しましたが、2速に入れる前にエンジンは完全に息絶えてしまいました。このとき、チャーリーは僕を避けきれずに接触しましたが、僕は惰性だけでようやくフィニッシュラインを越えることができました。タフなレースでした。ペースはとてもよかったのに成績が伴わない、とても辛いレースでした」

    翌日、佐藤琢磨はカリフォルニアに留まってホンダ・パフォーマンス・デベロップメントを訪問した後、飛行機でインディアナポリスへと戻った。ここから陸路でアラバマ州を目指し、来週バーバー・モータースポーツ・パークで開催されるレースに挑むことになる。

    「バーバーで行われた開幕前のオープンテストでは手応えを掴むことができました。バーバーは素晴らしいロードコースで、インディカー・シリーズが開催されるサーキットとしてはとても路面が滑らかなので、ホンダのエアロにとってはとてもいいコースだと思います。開幕から辛いレースが3戦続いたので、今度こそトラブルフリーで週末を過ごしたいと願っています!」

  • 佐藤琢磨、最終ラップの燃料切れで18位 / インディカー

    佐藤琢磨、最終ラップの燃料切れで18位 / インディカー

    佐藤琢磨は、インディカー第3戦ロングビーチの決勝レースを18位で終えた。

    予選では他車のアクシデントでアタックができない不運に見舞われ、20番グリッドからのスタートとなった佐藤琢磨(A.J. Foyt Racing)は、2013年に優勝したコースでファンを沸かせようと意気込んでいた。

    ところが、今回のレースではフルコースコーションが1度しか出されず、コース上でのオーバーテイクは困難に。佐藤琢磨はポジションを上げていくことができなかった。

    そこで彼らは作戦を利用してのポジションアップを狙い、ピットストップでのタイムロスもありながら15番手まで浮上した。しかし、最終ラップのバックストレッチでエンジンが燃料切れとなり、最終コーナーを回ったところで大きく失速。惰性でゴールラインを横切るまでに3台にパスされ、18位という結果となった。

    第3戦を終えたインディカー・シリーズは、再び北米大陸を東に戻り、休む間もなく次の週末にバーバー・モータースポーツ・パークでHondaグランプリ・オブ・アラバマを開催する。

    佐藤琢磨(18位)
    「今週はずっと厳しい状況が続いていましたが、決勝日もそれは変わりませんでした。しかし、私たちはレース前のファイナルプラクティスで、マシンをいいものに仕上げました。予選が赤旗によって短時間で終了したため、私たちはマシンの実力を確認できませんでしたが、ファイナルプラクティスでトップ10に入るラップタイムを記録し、自分たちのスピードに対して自信を持ちました。スターティンググリッドは後方でしたが、レースを本当に楽しみにしていました。作戦もいいものが用意できていたと思います。ところが、今日のレースではフルコースコーションが少なく、ポジションを上げていくチャンスがほとんどなかったです。そして、最後は燃料の計算ミスがあり、最終ラップの最終コーナーでエンジンが燃料切れに陥りました。私はギアをニュートラルに入れて惰性でゴールすることを目指したのですが、そこでポジションをいくつか失う結果となりました。クルーたちは週末を通じ、長時間にわたってマシンの整備に全力を注いでくれていただけに、いい結果を手にできなかったのが残念です」

  • 佐藤琢磨、アタック前に赤旗が出される不運で20番手 / インディカー

    佐藤琢磨、アタック前に赤旗が出される不運で20番手 / インディカー

    佐藤琢磨は、インディカー第3戦ロングビーチの予選を20番手で終えた。

    カリフォルニアらしい青々とした空のもと、エアロキットを装着したインディカーによる予選が行われ、23人のドライバーたちは1000分の1秒を競う激しいタイムアタック合戦を繰り広げた。

    佐藤琢磨(A.J. Foyt Racing)は、実力をフルに発揮することなく予選20番手となった。

    ロングビーチは佐藤琢磨にとって、2013年にキャリア初優勝を挙げた場所であり、日本人にとっても初めてインディカー・レースで勝利した場所。そのため、歴代ウイナーの一人として、佐藤琢磨には走行開始前から大きな注目が集まっていた。

    金曜日の2度のプラクティスで苦戦を強いられたものの、予選を目前に控えた3度目のプラクティスでマシンのセットアップを向上させた佐藤琢磨とチームは、さらにアイディアを注ぎ込んだセットアップで予選に臨みだ。

    しかし、その真価を試そうとソフトタイヤを装着してコースに出た直後、他のチームのドライバーがアクシデントを起こし、赤旗が提示されて走行がストップ。そのまま10分間の予選は終了を迎えた。

    佐藤琢磨はアタックを1ラップも完了させることなくマシンを降りなければなりらなかった。

    佐藤琢磨は明日、10列目アウト側グリッドから辛抱強く、そしてスマートにレースを戦い抜いて上位フィニッシュを目指す。

    佐藤琢磨(20番手)
    「グリップとマシンバランスの向上を目指し、午前のプラクティス3でいくつかの新しいセットアップを試しました。そして、私たちはいい進歩を遂げられました。予選を楽しみに待つ状況でした。ところが、非常に不運なことに、アタックラップを行う前に他車のアクシデントにより赤旗が出され、そのまま我々の出走したグループの予選第1セグメントが終ってしまいました。アタックしたかったです。そこで自分たちのセッティングがさらに進歩したことを確認したかったです。状況は厳しく、明日の午前のファイナルプラクティスで、決勝用のセッティングを確認する必要があります。レースには最善の体制を整えて臨みたいです」

  • 佐藤琢磨 「速さに関しては自信がある」 / インディカー

    佐藤琢磨 「速さに関しては自信がある」 / インディカー

    佐藤琢磨が、インディカー第2戦ニューオリンズのレース週末を振り返った。

    ベライゾン・インディカー・シリーズが2015年シーズン第2戦のために訪れたのは、初開催となるルイジアナのNOLAモータースポーツ・パークだった。そこでは何度もコーションとリスタートが繰り返され、最終的には予定周回数を走りきることなくレースは打ち切られたが、佐藤琢磨とAJフォイト・レーシング以上に苦しい戦いを強いられた者もおそらくいなかっただろう。

    佐藤琢磨は他のドライバーに接触されたときにマシン内部の電気ケーブルにダメージを負い、このためギアチェンジができなくなってしまう。しかも、レース終盤にダメージの修復を終えたマシンはレースを再開できないというルールのため、佐藤琢磨はライバルたちよりも早くレースを終えることになった。

    ここに至るまでもAJフォイト・レーシングにとっては失望の連続だった。それは#14ダラーラ・ホンダを走らせる佐藤琢磨だけではなく、#41のマシンに乗るジャック・ホークスワースにとってもまったく同様だった。

    「一刻も早く忘れたいレースになりました!」と佐藤琢磨。

    「僕たちがこのサーキットを訪れたのはレースの1ヶ月前のことで、これは2015年スペックのエアロパッケージで走る初めてのテストでした。12月や2月にこのサーキットでテストしたチームは少なくありませんでした。このため、僕たちはサーキットのことをまだ理解していなく、車高、スプリング、ギアなどベースセットアップに関してもわからないことがたくさんあったので、とても苦しい状況でした。僕たちはシェイクダウンテストの初日に、こういったことに取り組まなければいけなかったのです。だから、あまりコンペティティブではありませんでしたが、大切なことは、このとき貴重なデータを収集し、これを続くバーバーやセブリングのテストで試すことができた点にあります」

    「今年はダウンフォースが大幅に増えてマシンのキャラクターが大きく変わりましたが、バーバーではより自分たち好みのマシンに仕上げることができました。続いてセブリングのテストではさらにマシンを進化させることができたので、これらのテストを終えて大きな手応えを掴んだことに僕たちは自信を深めました」

    「少なくとも僕たちはそう考えていたのですが、プラクティスでNOLAを走ってみたところ、期待とはまったく異なる状況でした。路面温度も気温もテストのときよりずっと温かく、多くのホンダ・ドライバーが苦しむことになりました。僕たちは、グリップも不足していればバランスもよくないという状態で、このためいろいろなことを変更しなければいけませんでした」

    佐藤琢磨は、プラクティス2でトップグループとの差を1秒ほど詰めて見せ、今後に期待を抱かせた。

    「プラクティクス2の直前に激しい雨が降りました。幸運にもコースはどんどん乾いていき、最後の20分は走行することができました。路面が完全に乾くことは最後までありませんでしたが、全体的に見れば僕たちは速くなっており、これには勇気づけられました。ところが、プラクティス3ではまた後方に転落してしまいます。まるで出口が見えない状態で、トップグループとの差は逆に広がったのです。とても苦しい状況で、予選前にセッティングを根本から見直す必要に迫られました」

    やがて猛烈な雨が降り始め、予選はくじ引きのような様相を呈してきたため、オフィシャルはポイントテーブルに従ってスターティング・グリッドを決定する判断を下す。つまり、開幕戦セントピーターズバーグのレース結果と同じオーダーで整列することにしたのだ。

    「基本的には、僕はどんなにコースが濡れていても気にならないし、天候が不順なほうがむしろ嬉しいときだってあります。僕は2番目の予選グループだったので、最初のグループが走っているのを見るのはなかなか楽しいものがありました。雨はどんどん強くなっていって、路面の水がまたたく間に増えていく様子が目で見えるほどでした。僕はセントピーターズバーグの予選を5番手で終えました。このとき、前の4人は全員グループ1に出走したペンスキー勢で、グループ2で僕はトップに立ちました。これはこれでよかったのですが、僕に見えるのは光る路面と、辺り一面が水浸しになっていることだけでした。マシンはいたるところでアクアプレーニングを起こします。タイアがアクアプレーニングを起こすだけでなく、車体の底まで水に乗っていたから、車高が少し低すぎたのでしょう。ストレートでもマシンはまっすぐ走らない状態で、計測ラップを2周走ったところで雷光が見え始めたため、セッションは中断となりました」

    獲得ポイントにより佐藤琢磨は13番グリッドからスタートすることになったが、ウォームアップは霧のためにドクターヘリが離陸できず、セッションそのものが中止に追い込まれてしまう。したがって、佐藤琢磨は「まったくわからない状態のセットアップ」でグリッドに向かうことになったのだが、激しい雨の到来が予想されたため、決勝レースを行える時間は2時間か3時間ほどしかないと予想されていた。

    乾きつつあるコンディションのもとで、フォイト・チームはセットアップの習得に取り組んだ。

    「それまでにない新しい考え方を採り入れたもので、これがうまく機能することを期待していました。難しいコンディションであることを考慮して、オフィシャルは決勝前に5分間の走行セッションを設けてくれたため、セッティングが問題なく作動することを確認できました。コンペティティブだったとはいいませんが、十分にドライブできる範囲のものでした。スタートの時点ではすでに雨は止んでいて、NOLAのスタッフはコース上の水を掃き出すために懸命の作業を行ってくれました。おかげで、セーフティカースタートではなく、2列に整列する通常のスタイルでスタートを切ることになったのですが、それは相当に恐ろしかったです。目の前は完全に真っ白で、ブレーキングポイントを見つけ出すためにはコースを斜めに見なければいけない状態です。しかも、直後につけているドライバーたちはスロットル全開だから、周りはまるで見えないのに僕がスロットルを戻すわけにはいかない。本当に最悪の状態でした!」

    ハンドリングが思わしくないために10周も走ると19番手までポジションを落としたが、ここで佐藤琢磨はいち早くスリックタイアに交換する決断を下す。

    「おそらく、僕がいちばん早くピットインしたんじゃないかと思います。他に打つ手がなかったんです。ウェットタイアの性能はどんどん下がっていったし、僕は1周ごとにタイムを失っていたので、とてもつらい状況でした。通常であれば、スリックに交換するにはまだ非常にリスキーな状態でしたが、そのときの僕にはなにも失うものがありませんでした。ピットにいるラリー・フォイトと無線で相談していたところ、チップ・ガナッシのピットにスリックタイアが運び出されていることをラリーが教えてくれたのです。ただしラリーはあともう1周くらいコースに留まっていたほうがいいと勧めましたが、僕は『手遅れだよ。僕はもうピットレーンに入っているんだ!』と彼に伝えました。それでもメカニックたちは素晴らしい仕事をしてくれて、あっという間にスリックへの交換を終わらせてくれました」

    「アウトラップは、スリックで走るにはまだたくさんの湿った部分が残っていたので、クルマが落ち着かずに苦しみました。嬉しい驚きだったのは、それでも1周を走るとグリップが上がってきたことにありました。ウェットパッチではまったくグリップは期待できませんでしたが、僕は失ったタイムをどんどん取り戻していきます。この展開を見て、たくさんのドライバーがピットに飛び込んでドライタイアに交換しました」

    ただし、すでに何度もフルコーションになっていたため、スタートから1時間45分が経過したところでレースは打ち切られる見通しだった。佐藤琢磨は巧みなレース戦略のかげで12番手までポジションを上げていたものの、その後に待っていたのは失望だった。

    「すべて順調だったのですが、リスタートではまるで石のようにタイアが冷えてしまうので、ウェットパッチに乗り上げたドライバーは次々とコースオフを喫していました。僕にとっての最後のリスタートでは、ターン3でチャーリー・キンボールが前を走っているドライバーに襲いかかろうとしていました。2台はそろってアウト側にはらんだため、イン側に大きなスペースが生まれます。ところが、その直後に2台は急な角度でこちらに戻ってきて、僕らは接触したのです。ウィングやノーズコーンにはダメージを負わずに済みましたが、チャーリーのマシンがサイドポッドにあたり、このためギアボックスをコントロールするGCUが接触しました。これで電気ハーネスにダメージを受け、結果的にギアチェンジができなくなってしまったのです。メカニックたちはケーブルを交換しようとしてくれましたが、嵐に加えてレースの終わりが近づいており、僕はレースに復帰できませんでした。チームにとっては本当に苦しい週末でした。僕もチームメイトもフィニッシュできず、学ばなければならないことが残っていることに気づきました。なにしろ、僕たちはまたこのコースに戻ってこなければならないのです」

    とはいえ、それは今週末に行われるロングビーチ戦の前ではない。2013年に初優勝を果たしたこのコースは佐藤琢磨にとって験のいい土地でもある。しかも、セントピーターズバーグでの速さを見ればわかるとおり、#14のマシンはストリートコースを得意としているようだ。

    「速さに関しては自信があります。僕たちにとって2013年のレースは素晴らしいものでした。2014年は滑り出しで苦しんだものの、レースでのペースはまったく問題ありませんでした。なにしろ、アクシデントに巻き込まれるまでに6番手まで挽回していたんですから……。僕たちがペースを取り戻し、優勝争いに絡めることを期待しています!」

  • 佐藤琢磨、アクシデントの影響で22位 / インディカー第2戦

    佐藤琢磨、アクシデントの影響で22位 / インディカー第2戦

    佐藤琢磨は、インディカー第2戦ニューオリンズの決勝レースを22位で終えた。

    朝方からの雨でファイナルプラクティスが行えないほどコースに水があふれたが、懸命の乾燥作業が行われ、ウエットコンディションで午後2時前に決勝のスタートが切られた。

    夕方になって再び悪天候が襲う可能性が懸念されたため、インディカーはレースのスタート時刻を早め、同時にレースは予定の75周が完了しない場合でも、スタートから1時間45分が経過した時点で新しいラップには入らないというルールを採用した。

    幸いにも決勝スタート後に再び雨が降ることはなく、短時間で路面は乾いていったが、6回ものフルコースコーションが出されたレースは、スタートからの経過時間を計算に入れた作戦が勝利への近道となった。ゴールを告げるチェッカーフラッグは、当初予定されていた75周より28周も少ない47周でイエローフラッグとともに振り下ろされました。

    佐藤琢磨は、得意のウエットレースでの活躍が期待されていたが、ウエットコンディション用セッティングが芳しくなく、苦戦を強いられた。それでも慎重に走り続けてゴールを目指していた佐藤琢磨だったが、レースが終盤に入ったところで他車に接触され、その衝撃でマシン内側の電装系ラインが破損。39周でピットに入り、レースに復帰できずに22位という結果を得るにとどまった。

    優勝は、1回のピットストップだけで、燃費セーブを徹底してゴールを目指すという、ある意味ではギャンブルとも取れた作戦を選んだジェームズ・ヒンチクリフとSchmidt Peterson Motorsports。ホンダにとって2015年シーズン最初の勝利となった。

    インディカー・シリーズは休む間もなく大陸を西へと向い、カリフォルニア州ロングビーチのストリートで第3戦を開催される。

    佐藤琢磨(22位)
    「決勝日も自分たちの置かれた状況は厳しいものでした。今日のレースは本当に難しいコンディションでの戦いになっていました。かなりのウエットコンディションで始まり、雨は止み、路面は1周ごとにレーシングラインが乾いていきました。私たちはグリップとマシンのバランスで苦しんでいましたから、早い段階でピットに入り、ソフトタイヤにスイッチしました。その結果ペースが上がり、いくつかのポジションアップも果たせました。しかし、リスタートで2名のドライバーたちが絡み、私にぶつかってきました。そのときの衝撃でサイドポッドが壊れ、内側のコードが破損。ギアシフトができなくなってレースを終えることとなってしまいました。次のロングビーチでは、開幕戦のセントピーターズバーグと同様にマシンは速いはずですから、ぜひともいいレースを戦いたいと考えています」

    ジェームズ・ヒンチクリフ(優勝)
    「ステイアウトする作戦でいくと決断したとき、このまま1回のピットストップでゴールまで走りきれてしまったらおもしろいな、と考えました。それが本当になるなんて全く考えていませんでした。実際には、雨の可能性があるのでピットインしない作戦に出たのですが、フルコースコーションの多さが我々の作戦に味方するレース展開となりました。優勝できたことはうれしいのですが、その一方でファンの皆さんにはもっと多くの周回でインディカーらしい激しいバトルをお見せしたかったとも思っています。私たちが勝てたのは、マシンがソフトタイヤ装着でベストの走りができるものに仕上がっていたからでもありました。2台のペンスキー勢をリスタートで突き放すことさえできていました。燃料が持つ限り、私は彼らを封じ込めることができると自信を持って戦っていました。今日、ホンダのため、そしてチームのために今季初勝利を記録できたことを、とてもうれしく思います」

  • 佐藤琢磨、13番グリッドからスタート / インディカー第2戦

    佐藤琢磨、13番グリッドからスタート / インディカー第2戦

    佐藤琢磨は、インディカー 第2戦 ニューオリンズの決勝レースを13番グリッドからスタートすることになった。

    土曜日の午後4時20分にスタート予定だった予選は、午後になってから降り出した雨が止まなかったために全車がレインタイヤを装着して走る完全なウエットコンディションで開始。

    さらに、2グループに分かれての第1セグメントにおいて、2グループ目が走り出したところで雨が雷雨へと変わったために走行がストップ。そのまま天候が回復する見込みが立たなかったことから、運営は予選の続行を断念することに。明日のレースのスターティンググリッドは、3段階の予選がすべて完了されなかったため、エントラントポイントによって決定された。

    佐藤琢磨は、ニューオーリンズの暑いコースコンディションもとで、マシンセッティングが思うように進んでいなかったが、ウエットだった路面が急速に乾いていったプラクティス2では、トップ10に入るラップタイムをマークし、予選を楽しみにしていた。ウエットコンディションを得意とする佐藤琢磨としては、開幕戦に続いて上位グリッドを獲得するチャンスだったが、予選が最後まで行われず、明日のレースを13番グリッドからスタートすることとなった。

    佐藤琢磨(13番グリッド)
    「ウエットコンディションの予選をフルに戦いたかったです。実際には、私たちのグループの方が路面に水が多い状況となっており、私たちのマシンは車高を低く設定しすぎていたために、速いラップタイムを記録できずにいました。それでも、ピットに入って車高を調整することができたため、またアタックをしたいと考えていました。エントラントポイントによってスターティンググリッドは13番手になりました。難しいポジションからの戦いになりますが、ウエットコンディションでの走行を予選で行い、有用なデータを集められました。ウエットであればポジションを上げていくことは十分に可能だと思います。もちろん、ドライコンディションでも全力を出しきって、上位でのフィニッシュを目指します」

  • 佐藤琢磨、ルイジアナの初日を9番手で終える / インディカー

    佐藤琢磨、ルイジアナの初日を9番手で終える / インディカー

    佐藤琢磨は、インディカー 第2戦 ルイジアナの初日を9番手で終えた。

    ベライゾン・インディカーシリーズにとって初訪問となるNOLAモータースポーツパークで開催されたインディ・グランプリ・オブ・ルイジアナの第1プラクティスにおいて、ABCサプライ・チームは苦戦を強いられた。ただし、第2プラクティスまでにマシンは改善され、週末に向けての明るい兆しが見え始めている。

    暑くジメジメしたコンディションで行なわれた第1セッションにおいて、ABCサプライ・チームの2台はタイムチャートの下位(22番手と23番手)に沈み込み、二人のドライバーはマシンの仕上がりに不満を漏らしていた。その後、データを分析したエンジニアたちがセットアップを見直したところ、ドライバーはいくぶん自信を取り戻した。

    第2セッションでは佐藤琢磨が9番手、ジャック・ホークスワースは11番手のタイムを記録している。

    明日はプラクティスセッションをもう1回行なった後、公式予選が実施される。75周で競われる決勝レースは日曜日の午後に開催される。

    佐藤琢磨
    「NOLAでの初日は苦しい展開となりました。最初のセッションはドライ・コンディションでしたが、グリップレベルとバランスに問題を抱えていたので、その原因を探るためにたくさんのアイテムを試し、データを収集することとなりました。第2セッションは、最初はチョイ濡れで、セッション終盤に向けて80〜90%は乾いたものの、一部に湿ったところが残っているというトリッキーなコンディションでした。マシーンの状態はおおむね改善されたといえます。第2セッションでは、このマシーンの進化を確認するための走行を行ない、その仕上がりに満足をしています」

  • 佐藤琢磨 「2015年仕様のインディカーは驚くほど優れたパフォーマンス」

    佐藤琢磨 「2015年仕様のインディカーは驚くほど優れたパフォーマンス」

    佐藤琢磨が、インンディカー開幕戦セントピーターズバーグの週末を振り返るとともに、2015年仕様のインディカーについて語った。

    2014年シーズンは8月という早い段階で幕を閉じたため、今年に向けた準備を入念に行なうことができた。この期間を活用してAJフォイト・レーシングはシーズンを通じてもう1台のダラーラ・ホンダを走らせる準備をするとともに、この1台をイギリス人の若手ドライバーであるジャック・ホークワースに託すこととなった。

    「今シーズンの開幕が待ちきれませんでした」と佐藤琢磨はコメント。

    「オフシーズンが長かった理由のひとつとしては、今年から新しいエアロパッケージが使えるようになったことが挙げられますが、もともと開幕戦として予定されていたブラジリア戦が残念ながらキャンセルとなったために、余計にオフシーズンが長引いたのは事実です。もっとも、ブラジリアでは2014年仕様のエアロパッケージを使う予定だったので、3月上旬にチームは2015年シーズンのパッケージをより重視する方向へと方針を転換しました。今年は非常に面白い流れだと思います。昨年の8月以来、僕はインディカーに乗っていなかったから、マシーンを走らせていない期間はとても長いものになっていたのに、3月中旬になると新しいエアロパッケージをシェイクダウンするためにNOLAモータースポーツパークを訪れることになったのです」

    「クルマは大幅に変わりました。見た目もずいぶんと違いますし、ダウンフォースは格段に増えています。ただし、シボレーとホンダの用意したエアロダイナミクス・パッケージのダウンフォースはあまりに大き過ぎました。この結果、これまで使ってきたパーツの強度について考えると、ウィングが発生するダウンフォースをもっと減らさなければいけないという結論に達したのです。インディカーではいまだにパワステが採用されていないことも、そう判断される理由のひとつでした。実は、ダウンフォースの1/3ほどはリアディフューザーで得ていたため、オフィシャルはディフューザーに付け加えられたスプリット板を取り外すことを決めます。これでダウンフォースは大きく減少することとなりました」

    「それでも2015年仕様のインディカーは驚くほど優れたパフォーマンスを有しています。多くのチームは12月ないし2月の段階でNOLAを訪ねており、車高やギアといった基本的な情報を手に入れていました。したがって僕らは追いつかなければいけませんでしたが、それでも充実した内容のテストでした。そこからアラバマ州のバーバー・モータースポーツパークに行って2日間のテストを行ない、続いてセブリングでもテストを行なったので、急に忙しくなりましたが、チームはシーズンオフを通じて素晴らしい準備をしてくれたと思います。今年は新しいエアロパッケージだけを専門に扱うエンジニアも追加されたので、2台体制にするといってもチームの規模としては2倍以上に膨れあがっていたのです」

    いっぽう、セントピーターズバーグといえば、昨年は琢磨がポールポジションを獲得したサーキットでもある。

    「セントピーターズバーグではここ何年もいい結果を得ています。それに、ベースとなるパッケージもいいので、自信はありました。最初のプラクティスも順調で、たくさんのいいデータが収集できました。ただし、2回目のセッションはウェットとなります。もっとも、土曜日と日曜日は降水確率が0%との予報だったほか、スペアパーツも不足気味だったので、誰も走行しませんでした」

    続く第3セッションで佐藤琢磨は4番手につける。「土曜日の午前中に何をすべきかはわかっていました。僕は、できればセットアップがうまく進むといいと思いながら、少しだけ心配していました。でも、僕たちは本当に強かった。ホンダ勢のトップで、これは予選に向けたいい準備ともなりました」

    予選に入ってからも琢磨は好調を維持した。最初のセグメントで佐藤琢磨はトップ。これで難なく第2セグメントへの進出を決めた。その第2セグメントでは一時4番手だったものの、最終的には5番手に落ち着く。それでも引き続きホンダ勢のトップだ。そしてファイアストン・ファスト6で佐藤琢磨を凌いだのはチーム・ペンスキーの4台だけだった。

    「エキサイティングな予選でした。この予選をとても楽しみにしていました。無条件に楽観的になる必要はありませんでしたが、それでも待ち遠しい気分でした。この空力パッケージを装着して、ソフトなレッドタイアで走るのは初めてのことでした。Q1でのフィーリングは抜群で、Q2ではセットアップをほんの少し調整するだけでわずかながら速くなりました。フィアストン・ファスト6までは本当に楽しかったのですが、ペンスキーはあまりに強力で、結果的には5番手となりました。もっとも、ホンダ勢のトップになれたことで深い満足感を味わえましたし、チームの働きぶりは賞賛に値すると思います」

    スタートでモントーヤを追い越した佐藤琢磨は4番手に浮上したが、接触によりホークスワースのフロントウィングが壊れて破片が飛び散ったため、すぐにコーションとなった。

    「ターン1は毎回カオスのようでした。モントーヤはエリオ・カストロネヴェスに仕掛けましたが、それで2台は接近しすぎたので、その隙にモントーヤを攻略できたのです。ジャックはフロントウィングを壊しており、そのことはチームから無線を通じて聞かされていました。僕たちのチームにスペアのフロントウィングはひとつだけしかありませんでしたが、それをジャックのマシーンに取り付けられることになりました。そのせいで僕はリスタートで慎重になり過ぎてしまい、順位をひとつ落としました」

    これでモントーヤは元のポジションに戻ったものの、最初のピットストップが終わるまで、佐藤琢磨はその背後に張り付いていた。間もなく、コース上に破片が落ちていたためにイエローが提示され、そのピットストップでセバスチャン・ブールデに先行されてしまう。最初のコーションでウィングを交換し、最後尾に下がっていたホークスワースはここでステイアウトし、上位に浮上。佐藤琢磨は7番手となる。リスタートでは、シモン・パジェノー、モントーヤ、ホークスワース、ブールデ、琢磨の5人は一団となって1コーナーに飛び込み、大混乱を巻き起こした。

    「僕はブールデのインに飛び込むチャンスを手に入れました。けれども、目の前にいたパジェノが急に減速し始めたのです。僕はヘルメットのなかで『行け、行け、行け!!』と叫びましたが、いっぽうで真横にはブールデが並んでいました。僕は行き場を失い、ブールデと接触してしまいます。軽く触れた程度で、昨年までのエアロキットだったらタイアの痕がつくくらいで何のダメージもなかったでしょう。ところが、限界を追求して作られた新しいエアロパッケージは非常に繊細で、このためエンドプレートにダメージを負ってしまいました。残念ながら、これでピットに戻らなければいけなくなったのです」

    チームにひとつしかないスペアのフロントウィングはホークスワースのマシーンに取り付けられてしまっている。しかし、幸運にもデイル・コイン・レーシングがスペアを持っていた。

    「2014年仕様の古いウィングを取り付けるという手もありましたが、チームは素晴らしいアイデアを見つけ出してくれました。寛大なデイル・コインさんのおかげでフロントウィングを借りられることになったのです。でも、厳密にいうとこのフロントウィングの設定は僕たちが使っていたものとわずかに異なっていました。見た目にはほとんど変わらないように思えますが、実際には空気の流れに影響を与えるもので、それ以降は完全にポテンシャルを引き出すことはできませんでした」

    これで、あとは懸命に走り続けて、どんなチャンスが転がり込んでくるかを待つだけとなった。それでも佐藤琢磨は徐々に順位を上げ、最後の10周ではカルロス・ムニョスを抜いて13番手に浮上し、そこからフィニッシュまではジョセフ・ニューガーデンを追い続けることとなった。

    「ピットストップするたびに、そしてどのスティントでも必ず、少しずつポジションを上げていくことができました。カルロスとのバトルは面白かったのですが、ニューガーデンを追いかけている間にタイアのパフォーマンスが低下し始めました。もちろん、13位という結果にはまったく満足できませんが、2台が揃って完走できたことはよかったと思います。できればもっとたくさんのポイントを獲得したかったのですが、それでも少なくないポイントを手に入れたうえ、僕たちのポテンシャルが高いことを証明できました」

    シリーズ第2戦はフロリダから西に移動し、ルイジアナ州ニューオリンズ郊外のNOLAモータースポーツパークで開催される。

    「ちょっとインディGPコースに似たサーキットです。アップダウンはなくて、複合セクションがあって、最後のセクションはちょっとミッキーマウス・サーキットのようだけれど、高速のシケインや長く続くコーナーもあって、とてもテクニカルです。運転するにはとても楽しいコースなので、レースに挑むのが楽しみです」