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    F1ハンガリーGP 木曜会見PART1:アロンソ、コラピント、サインツJr.が出席

    2026年F1第11戦ハンガリーGPを前に、7月23日(木)にFIA公式記者会見が行われた。

    PART 1にはフェルナンド・アロンソ、フランコ・コラピント、カルロス・サインツJr.が出席。ワールドカップ決勝の感想をはじめ、アストンマーティンのアップデート、ウィリアムズの現状、将来の契約、2026年型パワーユニットなどについて語った。

    スペイン人が2人、アルゼンチン人が1人そろっています。まずは日曜夜のワールドカップ決勝について話しましょう。誰から始めますか? カルロス、感想を聞かせてください。

    カルロス・サインツJr.:スペインが優勝したことについて? 大会を通しての戦い方を見ていて、ずっとスペインが優勝するような気がしていた。なぜかは分からないけど、スペインの大会になるという感覚があったし、本当にうれしい。優勝に値したと思う。ワールドカップで最もいいサッカーをしていたチームだった。スペイン人としてうれしいし、誇りに思う。みんなが祝っている姿や成功を見られて誇らしかった。素晴らしい大会だったと思う。アメリカ、メキシコ、カナダで行われたワールドカップ自体も素晴らしいイベントだった。ただ、結局はサッカーにすぎない。僕たちは世界王者になった。それは素晴らしいけど、サッカーをあまりにも個人的に受け止める人がいて、その情熱の強さには驚かされることもある。僕は楽しんで観戦したし、素晴らしい勝利だった。でも人生は続くし、すべては前に進んでいく。

    フランコ・コラピント:もちろんつらかった。カルロスが言ったように、スペインはワールドカップを通して本当に一番いいサッカーをしていたので、優勝に値するチームだった。でも僕はチームをとても誇りに思っているし、アルゼンチン、メッシ、そして母国のすべての選手を誇りに思う。アルゼンチンのみんなが、彼らのプレーやユニフォームを守る姿勢に自分たちがよく代表されていると感じていると思う。アルゼンチン人であることをとても誇りに思う。もちろん人生は続くけど、僕たちに多くの幸せや素晴らしい瞬間を与えてくれた世代にとって、最後に近い数試合だった。サッカーでは、こういう瞬間が起きることもある。もともと非常に近い関係にあった2つの国による決勝で、観戦するには素晴らしかったし、ラテン系としても素晴らしい決勝だった。スペイン語圏の2カ国による決勝は最高だったけど、その後にさまざまな対立が生まれてしまった。サッカーというスポーツが生み出すものによって、今では巨大な敵同士のようになっている。メッシはバルセロナでプレーし、スペインに非常に多くの幸せを与えたのに、最後はかなりひどい状況になり、国同士の戦争のように見えた。僕はああいうものを見たくない。サッカーは世界で最も見られているスポーツなのに、ああいう姿を見せるのはよくない。もちろん、彼はマドリードにはあまり幸せを与えなかったけど、メッシのユニフォームを燃やそうとするような行為は見たくなかった。幸い燃えなかったけどね。神のユニフォームは燃えないんだ! 全体として、あまり気持ちのいいものではなかった。サッカーはF1では起こらないようなことを生み出すし、僕はそれを楽しめない。でも、スペインは優勝に値した。次のワールドカップでは、もう少し独創的な歌を作ってほしいね。少し退屈だから。

    フェルナンド・アロンソ:あまり付け加えることはない。僕は試合を見て楽しんだ。スペインは素晴らしい大会を戦ったと思うし、それは今回だけではない。どこかで読んだけど、スペインはこの20年ほどで欧州選手権を3回、ワールドカップを2回制している。スペイン人はみんな代表チームを誇りに思っていると思う。女子サッカーでも世界王者になっているので、スペインはサッカーでいくつか正しいことをしているのだと思う。国全体が祝っているのを見るのは素晴らしい。サッカーはみんなを団結させ、全員で祝うことができる。マドリードの街で人々が祝っている映像や、バルセロナでスペイン国旗を振っている人々を見た。スペインでは、それぞれの地域が自分たちの旗を非常に誇りに思うことによる問題も時々あるけど、サッカーはすべてをひとつにし、僕たちはスペイン人であることをとても誇りに思える。素晴らしかったし、4年後にまた挑戦だ。

    フェルナンド、F1の話題を続けます。今週末、初めてアップグレード版のマシンを走らせますが、チーム内の期待感をどのように表現しますか?

    アロンソ:これまでの今季の取り組み方が変わるとは思っていない。僕たちは毎レース、手元にあるものを最大限に生かそうとしている。レースに勝ち、チャンピオンシップを争うためにここにいるけど、今季はその状態でスタートできなかったし、今回もまだそうはならない。僕たちはこのレギュレーションを理解し、マシン開発を正しい方向に乗せようとしている過程にいるからだ。最初の12戦では、ほかのチームが2戦か3戦ごとに0.2~0.3秒を積み重ね、10戦目や12戦目までに合計1~1.5秒を稼ぐという一般的な戦略を取った。僕たちはそれをしなかったので、グリッド全体から少し後れを取った。そして今、その差を一度に取り戻そうとしている。ただ、それで日曜日の順位が大きく変わるとは思っていない。もちろん楽観的だ。バーレーンテストで問題があると分かって以来、チームが取り組んできた仕事をとても誇りに思っている。今回がその修正に向けた最初の一歩だし、今後もさらに多くのものが投入される。

    ここでは、どの程度の前進を期待していますか?

    アロンソ:言うのは難しい。タイムや順位についてはあまり考えていない。直近5戦を振り返ると、中団との差はレースごとに大きく違っていた。一方で、ポールポジションとの差は比較的一貫していたけど、現時点ではもちろん手の届かないところにある。厳しいサーキットもいくつかあった。シルバーストンは厳しかったし、スパは最も厳しいサーキットのひとつだった。僕たちの前のドライバーまで2.1秒差があったと思うので、それだけのタイムを与えてくれるパッケージは世界中どこにもない。1週間前のスパでアップデート版を走らせていたとしても、順位は変わらなかった可能性が高い。そういうものとして受け止めなければならない。サーキットごとに状況は変わる。ブダペストが僕たちに向いたサーキットであることを願っている。ここではパワーが最重要項目ではないので、それは明らかに助けになる。マシンはアップデートするけど、エンジンはまだアップデートしないため、引き続き克服しなければならないものがある。さっき言ったように、僕がより関心を持っているのはマシンの方向性を理解すること、正しい道に進んでいるのか、そして最終的にパフォーマンスを引き出せるのかということだ。

    エイドリアン・ニューウェイが数週間前、チームはドライバーの意見に十分耳を傾けてこなかった可能性があると話していました。それに同意するかは分かりませんが、今は全員が耳を傾けています。今季のアストンマーティンの状況や、現在の大きな遅れを挽回するために、どのような助言をしますか?

    アロンソ:エイドリアンのコメントは、どちらかといえば過去についてのものだったと思う。今季については、レース週末を通してマシンの感触や弱点について、僕たちの意見が異なることがあったのは事実だ。ほかのマシンと戦いながらステアリングを握って感じたことと、ファクトリーでデータを見て分かることが一致しない場合があった。空力面での挙動不良が、マシン開発を2つの異なる方向へ導いてしまうこともあった。そうした議論では、データが勝者になることもあったと思う。エイドリアンは両方に耳を傾けるタイプのデザイナーだ。もちろんデータにも耳を傾けるけど、ドライバーが感じていることにも耳を傾ける。F1は非常に複雑で、極めて動的なスポーツだ。状況は毎周変わるし、同じ燃料搭載量でもタイヤの使用周回数でもない。風の状況も違えば、前にマシンがいるか単独で走っているかでも変わる。マシンバランスに影響する要素は数多くある。だからデータが100%の真実とは限らない。両方を組み合わせる必要があるし、エイドリアンはマシンを設計し、開発するうえで世界最高の経験を持っている。僕たちは正しい道を進んでいると思う。

    カルロスへの質問です。少し厳しい質問ですが、昨年末の時点で、夏休み前に獲得ポイントがわずか6点になると予想していましたか?

    サインツJr.:いや、それは僕の計画にも予想にもなかった。2025年は期待以上の結果を出したと、これまでも率直に話してきた。2024年にウィリアムズとの契約を結んだときに想定していた以上のシーズンだった。2025年型マシンは非常によく、時にはポールポジションまで0.3~0.4秒差だった。バランスもいいマシンだった。当然、2026年は新レギュレーションに向けた開発時間も増えるので、少なくともその位置を維持するか、小さくても前進できると期待していた。でも実際は明らかに逆だった。チームとして、2025年末に考えていた以上にトップから離れている。間違いなくチーム全体にとって人格を鍛えられる一年であり、将来的にトップチームと戦うには、まだどれだけ多くの仕事が必要かを思い知らされた。多くを学び、多くのことに気づいた。残念ながら、ここまでは悪い一年になっている。なぜそうなったのか、何が起きたのかを理解し、結論を出さなければならない。今ではかなり理解できていると思う。状況を好転させる力はあるけど、F1では時間も努力も、コストキャップ内の予算も、多くの分析も必要だ。僕たちは今、まさにその段階にいる。

    フェルナンド、今回とザントフォールトの2戦で、完全に新しいマシンを手にすることになります。チームがマシンの可能性を引き出し、来季をよりよいものにできるという希望を持つために、どのような兆候を期待していますか? 必要な答えを得るために何を見たいですか?

    アロンソ:僕に答えが必要だとは思っていない。チームについてはかなり明確な見方を持っていて、すべての問題を解決できると考えている。時間はかかるだろうけど、エイドリアンがグリッドで最高のマシンを用意してくれることに疑いはまったくない。先ほど言ったように、今回のパッケージで最初の一歩を確認し、最初の数戦を終えて理解を深めたい。来年にはさらに多くのものが投入されると思うし、その後の数年も同じだ。パワーユニットについても疑いはない。ホンダが問題を解決するのは時間の問題だと思う。彼らは過去40年間、それを続けてきたからだ。僕たちは出遅れた。それは事実だ。今はそのプロセスに取り組み、毎週末その痛みに対処している。でも問題を解決するため、全員で協力している。疑問なのは、マシンがどれだけ早く競争力を持つかということだけだ。次の2戦で、その感触が少し得られるかもしれない。僕自身はリラックスしている。何度も言ってきたように、来年やその先の数年に向けて何をする必要があるのかを考えている。フレッシュだし、モチベーションもあり、速さもあると感じている。ただ、自分がやっていることを楽しむ必要もある。スパで話したように、シルバーストンとスパは運転していて楽しくなかった。見ていても楽しくないと思うし、運転していても同じことの繰り返しだった。何かを批判するために言っているわけではなく、スポーツ全体を改善するためだ。今年進んだ方向性について、観客がどう感じているかは分からないけど、コクピットの中では以前F1マシンを運転していたときのようなアドレナリンを感じられない。それはチームの競争力ではなく、F1が僕の求めるアドレナリンを与えてくれるかという問題なんだ。

    フェルナンドとカルロスへの質問です。このワールドカップがスペイン国民にもたらした喜びと、過去20年間のサッカーチームの成功について話していました。その20年前には、フェルナンドのタイトルが同じ喜びをもたらしました。F1ワールドチャンピオンの喜びをスペイン国民にもたらすことができたら、どのように感じるでしょうか?

    サインツJr.:この質問に答えるのにふさわしいのはフェルナンドだと思う。彼はスペインの人々にその喜びを与えた経験があるからだ。僕はF1を見ていて、彼の最大のファンであり、最大のサポーターだった。信じられないような感覚だったに違いない。僕もF1でスペインに勝利を届けた小さな経験はある。スペイン国歌を聞いたときは、おそらくキャリアで最も感情的な瞬間だった。表彰台の一番上に立ち、背後に国旗が掲げられた状態で国歌を聞く。それはすべてのドライバーやアスリートが夢見るものだと思う。スペインは本当に恵まれた国だ。幸運とも言えるけど、比較的小さな国からこれほど多くの競技で優れたアスリートが生まれているのは、幸運だけでは説明できない。スポーツを取り巻くインフラに適切な投資をしているからだと思う。スペインでは、どれほど小さな村にも25メートルプールや400メートルトラック、サッカー場、バスケットボールコートなど、さまざまなスポーツ施設がある。幼い頃からスポーツに多くを投資してきた国だからこそ、その成果が出ている。モータースポーツ、MotoGP、テニス、男女のサッカーなど、あらゆる競技で素晴らしい選手を輩出していることを、スペイン人として誇りに思う。

    アロンソ:もちろん非常に大きな意味があるし、再び実現できればなおさらだ。そうした瞬間を自分の国、ファン、友人、メカニック、チームと共有したい。マシンの中では常にひとりだという感覚がある。スターティンググリッドからメカニックが離れ、フォーメーションラップを走ると、完全にひとりになる。そしてレースに勝ち、成功を収めたとき、最初にその感覚を味わうのが表彰台だ。チーム全員が下にいて、そこから祝福が始まる。その後、ピットレーンで写真を撮り、勝利の喜びを分かち合う。それは自分の国やファンに対しても同じだ。今年のバルセロナには10万人のファンが集まり、ファンフォーラムには5000人か6000人が緑色の服を着て来てくれた。気温35度のなかで、僕たちが21番手と22番手になると分かっていても応援してくれた。彼らにとっては関係なかった。ただ僕たちを応援したくて来てくれたんだ。いつか勝ったときに一緒に祝いたいという希望があるからだ。その希望を止めることはできない。勝利し、成功を収められたとき、その瞬間を彼らや自分の国と共有できることは、本当に魔法のようなものになる。

    カルロス、2年前にフェラーリを離れ、ウィリアムズに加入する契約を結びました。この2年間で、昨年の好調と今年の不振を経験しましたが、契約時に予想していた位置にチームはいますか? また、チームにさらに長くコミットするのか、ほかの選択肢を検討するのかという点で、今年を将来に向けた新たな岐路と捉えていますか?

    サインツJr.:再びレースに勝ち、ウィリアムズがそれを実現できるチームになるまでに必要だと考えていた時間が、1年か2年ほど遅れたのは事実だと思う。この状況からどれだけ早く立ち直れるかで変わってくる。僕の中には、このチームが再び勝てる位置に戻るまで受け入れられる時間と、自分が勝利を争うまで待てる時間の目安があった。残念ながら、その時間軸は予想より長くなってしまった。もちろんチームもその影響を受けているし、目標までの道のりは想像以上に長い。ただ、チームが将来に向けて何に投資しているのかは見えているし、ビジョンも依然として明確だ。現在のマシンパフォーマンスを脇に置けば、舞台裏でどれほど多くのことが進んでいるかも分かる。それが、僕たちが正しい方向に進んでいるという自信とモチベーションにつながっている。ただ、今年のマシンは何らかの理由、あるいは複数の理由で、期待を大きく下回った。それについて今日は改めて話すつもりはない。明らかに僕の時間軸は変わった。今から3年後、4年後の自分を思い描きながら考え、決断する必要がある。ただ、僕たちが進んでいる道とプロジェクトには、今も自信を持っている。

    フランコへの質問です。シルバーストンとスパという直近2戦のレイアウトによって、アルピーヌのパッケージの特定の弱点が浮き彫りになったと感じますか? 今回はその点で少し自信がありますか? それとも現段階では、レーシングブルズなどに開発競争で後れを取ったと感じていますか?

    コラピント:ほかのチームは僕たち以上にアップグレードを投入し、よりいい形で開発を進めてきたと思う。僕たちも大きな前進になると考えたものを投入したけど、残念ながら期待したほどの効果はなかった。レーシングブルズやアウディのようなチームはシーズン中に多くのアップデートを投入し、マシンを大きく改善した。僕たちにも今後投入されるものはあるけど、残念ながら今週末ではない。マシンは少し改善したけど、開発競争では後れを取ったと思う。マイアミ、カナダ、モナコで彼らと戦っていた頃と比べると、今は同じ位置にはいない。改善するために取り組んでいる。

    3人への質問です。皆さんの将来について、いつ分かるのでしょうか? 来年の契約について、いつ分かりますか?

    サインツJr.:正直、分からない。具体的な時期は言えないけど、これまでも話してきたように、夏まで待ってから自分のチームと話し合い、ジェイムスや関係者とチームの将来や、その中での僕の将来について考えるつもりだった。夏の間に決断へ向けて動き始め、状況ももう少し見えてくると思う。ただ、正確な時期は分からない。

    コラピント:まったく分からない。僕はドライビングに集中しているし、今季には満足している。いい仕事ができていると感じている。今は残りの数戦に集中し、チームとともにベストを尽くしてマシンを改善したい。それが僕たちの最大の焦点だ。皆さんは、あらゆるうわさも含めて、間違いなく僕たちより多くのことを知っていると思う。僕は皆さんが知っていることの4分の1も知らないので、僕たちに聞かない方がいいよ。

    アロンソ:僕には契約があるので、移籍しない。

    フェルナンドへの質問です。チャンピオンシップの1位と2位の年齢差がかなり大きく、あなたは長くF1に参戦しています。年齢を重ねることでドライビングスタイルは変化するのでしょうか? また、経験はルイス・ハミルトンにとって大きな利点になると思いますか?

    アロンソ:分からない。非常に個人的なものだと思うし、マシンの特性が違えば速さも変わる。次へ。

    カルロスとフェルナンドへの質問です。ドライバーは補助を受けず、単独でマシンを運転しなければならないという規則があります。今年は、いつ、どこでエネルギーを放出するかを多くのアルゴリズムが決めていますが、この原則が少し疑わしくなっていると思いますか? すでに合意された変更以外に、将来的に主導権をドライバーへ戻す可能性はありますか?

    アロンソ:分からない。場合によると思う。F1は昔から少しそういうものだった。トラクションコントロールやほかの補助装置があった時代でも、ドライバーがすべてを決めていたわけではない。各チームごとに異なる哲学で開発されていたし、コーナー出口でアクセルを踏んでも、あるマシンはほかよりはるかに優れていた。それは純粋なドライバーの才能や操作だけによるものではなかった。スタートも同じだ。僕は25年間さまざまなレギュレーションでスタートを経験してきたけど、常にスタートが特に優れているチームや、逆に苦しむチームがあり、その2台とも同じ傾向だった。誰かひとりがクラッチ操作やテクニックを変えていたわけではない。あらゆる面で、パフォーマンスをもたらすのは常にチームだと思う。

    ただ、現行レギュレーションとバッテリーのエネルギー放出については、修正し、改善しなければならない部分があると思う。それは十分理解されている。僕たちはこのレギュレーション初年度の前半戦にいるけど、すでに2030年や2031年、V8についての議論も始まっている。来年についても、内燃機関と電動部分の比率を変更することがすでに承認されている。物事は前進しているし、スポーツ全体、チーム、関係者全員が何を改善すべきかを理解している。将来的にはレギュレーションやマシンに何が必要なのか、さらに理解が深まり、改善されていくと楽観している。

  • アストンマーティンF1 AMR26Bに16項目の大改修 FIA資料で全貌判明

    アストンマーティンF1 AMR26Bに16項目の大改修 FIA資料で全貌判明

    アストンマーティンF1が2026年F1ハンガリーGPで投入する「AMR26B」の全容が明らかになった。

    FIAが公開したアップデート申告書によると、同チームは今季最大規模となる16項目に及ぶ改良を実施。エイドリアン・ニューウェイ主導で開発されたBスペックマシンが、苦戦を続けたシーズン前半の流れを変えられるかに注目が集まっている。

    AMR26はここまで重量超過やダウンフォース不足に加え、ホンダ製パワーユニットとのマッチングや信頼性にも課題を抱え、グリッド最後尾に沈む場面も少なくなかった。アストンマーティンは小規模な改良を積み重ねるのではなく、マシンの根本的な弱点を見直す大規模アップデートをハンガリーGPまで温存してきた。

    FIAが明かした16項目の大規模アップデート
    FIAの技術資料によると、アストンマーティンはAMR26Bに16項目の新パーツを投入した。

    変更対象はフロア、ボディワーク、サイドポッド、エンジンカバー、ディフューザー、ノーズ、フロントウイング、リアウイング、冷却ルーバー、リアサスペンションなど、車体のほぼ全域に及ぶ。

    特にフロアについては、許可されているすべての空力面を見直したほか、フロア前縁のベーンやフットプレート、リアタイヤ前方の形状も刷新。サイドポッドとエンジンカバーは後方への気流を改善するために再設計され、フロントウイング、エンドプレート、細長くなった新ノーズはフロントの空力性能向上を狙っている。

    これらの変更はすべて、ダウンフォース増加とマシン全体の性能向上を目的としたものだ。今季ここまでフェルナンド・アロンソとランス・ストロールが繰り返し訴えてきた空力性能不足の改善が期待されている。

    ニューウェイ主導で「根本から作り直した」AMR26B
    アストンマーティンは今季序盤、小規模アップデートを重ねる開発方針を採らず、エイドリアン・ニューウェイの指揮のもとでBスペック車の完成を優先してきた。

    マイク・クラックはブダペストで次のように説明している。

    「エイドリアンも以前話していたように、今回のアップデートは大規模な空力アップデートと軽量化が中心だ。それが今回の開発の核になっている」

    今回投入された16項目は、2026年シーズンで各チームが持ち込んだアップデートの中でも最大規模とされる。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ライバル勢も開発を継続 それでも最大の注目はアストンマーティン
    ハンガリーGPでは各チームもアップデートを投入している。

    マクラーレンはフロアやリアウイングなどを改良し、メルセデスは冷却性能向上を目的にエンジンカバー出口を変更。レッドブルは「マカレナ」リアウイングやディフューザーを改良し、フェラーリもリアウイングをアップデートした。

    そのほかウィリアムズ、レーシングブルズ、ハース、アウディ、キャデラックも新パーツを投入した一方で、アルピーヌだけがアップデートを持ち込まなかった。

    しかし、規模という点ではアストンマーティンが群を抜いている。16項目に及ぶAMR26Bの大改修は、ニューウェイ体制初の本格的な成果を示す重要な一歩であり、今週末の走行結果は今後の開発方針を占う試金石となりそうだ。

    【関連】
    ・アストンマーティンF1 AMR26Bに予備シャシーなし 「クラッシュしたら旧仕様」

  • カルロス・サインツJr. ウィリアムズF1残留に前向き「クルマ以外には自信がある」

    カルロス・サインツJr. ウィリアムズF1残留に前向き「クルマ以外には自信がある」

    カルロス・サインツJr.は、2027年以降の去就について依然として最終決断は下していないとしながらも、ウィリアムズF1のプロジェクトそのものへの信頼は揺らいでいないことを強調した。

    2026年シーズンの期待外れな戦績によって当初描いていた復活へのスケジュールは見直しを余儀なくされた一方で、チーム代表ジェイムス・ボウルズの下で進められている組織改革や将来への投資には確かな手応えを感じており、夏休み期間中に今後について話し合う考えを明かした。

    2026年の失敗で復活への計画は後退
    サインツJr.はこれまで一貫してウィリアムズ残留を第一希望に挙げてきた。しかし、その前提となるのはチームが将来的に優勝争いへ復帰できるという確信だった。

    ところが2026年型FW48は期待を大きく下回るパフォーマンスに終わり、シーズン中のアップデートも十分な成果を挙げられていない。そのため、当初想定していた復活のタイムラインは修正せざるを得なくなった。

    「これは僕の計画にも期待にもなかったことだ。2026年型マシンをより長く開発でき、新しいレギュレーションも導入されることで、少なくとも現在の位置を維持するか、一歩前進できると思っていた」

    「でも現実はまったく逆だった。2025年末に考えていたよりも、チームはトップから遠い場所にいることが分かった」

    サインツJr.は当初、2028年頃には再び勝利争いへ戻れると見込んでいたが、その目標は少なくとも1~2年先送りになったという。

    「レースで再び勝てるようになるまでの期間、そしてその場所がウィリアムズになるまでの期間は、少なくとも1~2年延びた。どれだけ早く現状から立て直せるか次第だ」

    「チームを再び勝てる位置へ戻すために、自分がどれだけ待つ覚悟があるかという期限は持っていた。でも残念ながら、その期間は誰もが予想していたより長くなる」

    カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ・レーシング)

    それでもプロジェクトへの信頼は変わらない
    今季の成績には失望している一方で、サインツJr.は長期的なプロジェクトへの信頼は依然として失っていないと語る。

    「状況をひっくり返す力はある。ただ、F1では時間が必要だ。時間も努力も予算も分析も必要で、僕たちは今まさにその段階にいる」

    さらに、現在の競争力だけではなく、舞台裏で進められている改革を高く評価していることも明かした。

    「チームが将来に向けて何へ投資しているのかを見ている。ビジョンはとても明確だし、今のマシンのパフォーマンスを脇に置けば、舞台裏で起きていることには自信とモチベーションを与えられている。僕たちは正しい方向へ進んでいると思う」

    一方で、2026年型マシンについては厳しい評価を崩さなかった。

    「今年のマシンは、さまざまな理由で本当に期待を大きく下回るパフォーマンスだった。その理由について今日は改めて話すつもりはない」

    最終決断は夏休み以降
    2027年のドライバー市場では有力シートがほぼ埋まりつつあり、サインツJr.にとって現実的な移籍先は限られている。そうした状況も踏まえ、夏休み期間中に自身の将来について本格的な協議を始める考えを示した。

    「自分の時間軸は明らかに変わった。これから3~4年先を見据えて考え直し、決断しなければならない。でも、このプロジェクトと進んでいる道には今でも自信を持っている」

    契約について公表する時期を問われると、次のように答えた。

    「正直なところ分からない。具体的な日付は言えないけれど、夏まで待って自分のチームと話し合うと言ってきた。ジェイムス(・ボウルズ)やチームのみんなと、チームの将来、そして自分の将来について話し合うつもりだ」

    「夏の間には決断へ向けた動きが始まり、状況ももう少し見えてくると思う。でも、正確なタイミングはまだ分からない」

    2026年シーズンの失速によってサインツJr.の当初の計画は修正を迫られた。しかし、ウィリアムズの組織改革や長期ビジョンへの評価は変わっておらず、現時点では残留が最も有力な選択肢であることを強く示唆する内容となった。

  • マックス・フェルスタッペン レッドブルF1の進歩に手応え「上昇傾向を維持したい」

    マックス・フェルスタッペン レッドブルF1の進歩に手応え「上昇傾向を維持したい」

    2026年F1第11戦ハンガリーGPを前に、マックス・フェルスタッペンは、レッドブル・レーシングがここ数戦で着実な進歩を遂げているとの認識を示し、この流れを夏休み前最後のレースでも維持したいとの考えを語った。

    シーズン序盤は苦戦を強いられたレッドブル・レーシングだが、第8戦オーストリアGPでRB22に大規模アップグレードを投入して以降は競争力が向上。フェルスタッペンはオーストリアGPと前戦ベルギーGPで表彰台を獲得し、チームは復調の兆しを見せている。

    フェルスタッペン「上昇傾向を維持したい」
    ベルギーGPで3位表彰台を獲得したフェルスタッペンは、ハンガロリンクでも好調を維持できることを期待している。

    「ここで走り出して、自分たちがどれくらい競争力があるのかを見るのが楽しみだ。正直、まだ分からないけどね」

    「スパではいい週末を過ごせたし、表彰台に立てたのは本当に良かった。ここ数戦は全体的に上昇傾向にある。それはいいことだと思う」

    「シーズンのスタートは僕たちが望んでいたものではなかったけど、着実にいい改善ができている」

    シルバーストンでは、新型の「マカレナ」リアウイングの問題によって表彰台を逃したものの、その仕様はすでに取り外されており、チームは安定したパフォーマンスを取り戻している。

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)

    新型PUにも信頼「言っていた通りになっている」
    今季のレッドブル・レーシングは、レッドブル・パワートレインズ製パワーユニットの性能と、シャシー性能とのバランスが話題となっている。

    「エンジン担当のみんなは、自分たちが何をしているのかについて最初から率直で正直だったと思う。そして彼らが話していたことは、ほぼその通りになっていると思う」

    フェルスタッペンは、ゼロから立ち上げられたレッドブル・パワートレインズのプロジェクトそのものにも高い評価を与えた。

    「数年前に始まったプロジェクトが、今ここまで来たことを見るのは本当に素晴らしい。このレベルのパフォーマンスを実現しているのは本当に印象的だ」

    「シーズンの始まりは望んでいた形ではなかったけど、今は上昇傾向が見えている。この勢いを維持できればいいね」

    勝利への思いは変わらず
    今季ここまで10戦を終えた時点で、フェルスタッペンはドライバーズランキング7位。首位のアンドレア・キミ・アントネッリとは113ポイント差をつけられており、レッドブル・レーシングもコンストラクターズランキング4位につけている。

    それでもフェルスタッペンは、今季初勝利への意欲は変わっていない。

    「いつ勝てるかは分からない。でも、僕たちは毎週末、勝つためにコースへ出ている。その姿勢は変わらない」

    序盤戦の苦戦から着実に巻き返しつつあるレッドブル・レーシング。ハンガリーGPは、その復調が本物かどうかを占う重要な一戦となりそうだ。

  • F1ハンガリーGP ピレリ展望:酷暑のハンガロリンクで試されるタイヤ戦略

    F1ハンガリーGP ピレリ展望:酷暑のハンガロリンクで試されるタイヤ戦略

    2026年F1第13戦ハンガリーGPがハンガロリンクで開催される。今大会は夏休み前最後のレースとなり、各チームにとって前半戦を締めくくる重要な一戦だ。ピレリはモナコGPと同じC3・C4・C5の3種類のコンパウンドを選択し、高温下でのタイヤマネジメントがレースの鍵になると分析している。

    ハンガロリンクはオーバーテイクが難しいことで知られる一方、例年シーズン屈指の高い路面温度を記録するサーキットでもある。

    トラックポジションを重視するか、タイヤ性能を優先するかが各チームの戦略を大きく左右しそうだ。

    ハンガロリンクは「モナコに近い」特性
    ハンガロリンクは全長4.381km、14コーナーで構成されるテクニカルサーキットだ。コース全体が短くタイトなため、「カートコース」に例えられることも多い。

    ホームストレート以外に大きな追い越しポイントはほとんどなく、レースでは70回ものコーナリングを繰り返す。そのため、マシンセットアップはモナコGPに近い高ダウンフォース仕様が一般的となる。

    2026年大会では昨年のピットレーンとスターティンググリッドに続き、第1コーナーと第12コーナーが再舗装された。また、近年進められてきたパドックやホスピタリティ施設、グランドスタンドの大規模改修も完了し、新たな姿で夏休み前最後のレースを迎える。

    ハンガリーGP

    高温がタイヤ戦略を左右
    ピレリはモナコと同じC3(ハード)、C4(ミディアム)、C5(ソフト)を投入する。低速コーナーが連続するハンガロリンクでは、トラクション性能とブレーキング時の安定性が重要になる。

    コースの多くは古い舗装が残されており、路面の粗さが大きく、グリップレベルは年間でも低い部類に入る。ただし、走行が進むにつれて路面コンディションは大きく改善していく特徴がある。

    さらに、ハンガリーGPでは例年シーズン最高レベルの路面温度を記録するため、特にリアタイヤの熱劣化が性能を左右する。ソフト寄りのタイヤではグレイニングが発生する可能性も指摘されている。

    1ストップか2ストップか 接戦の戦略勝負へ
    ピレリは2026年大会について、タイヤ摩耗の影響により1ストップと2ストップのレースタイム差が接近すると予測している。

    オーバーテイクが難しいサーキットであることから、トラックポジションを維持するために1ストップを選ぶチームもあれば、高温下でタイヤ性能を優先して2ストップを採用するチームも現れそうだ。

    特に猛暑となった場合は、耐久性に優れるC3とC4の2種類を中心にレースを組み立てるチームが増えるとみられる。

    なお、ハンガリーGP終了後もピレリはハンガロリンクに残留し、アストンマーティン、アウディ、アルピーヌとともに火曜日と水曜日の2日間にわたり、2027年用タイヤの開発テストを実施する予定だ。

    ハンガリーグランプリ

    2025年は1ストップと2ストップが互角
    昨年のハンガリーGPでは、C3・C4・C5の3種類すべてのコンパウンドが使用された。

    大半のドライバーはミディアムタイヤでスタートし、ソフトスタートが3台、ハードスタートが2台。完走したドライバーの半数が1ストップ、残る半数が2ストップを選択した。

    気温が比較的低かったことで熱劣化が抑えられ、理論上は2ストップが速いとされながらも、実際には1ストップも十分に競争力を発揮した。

    ハミルトン最多8勝 マクラーレンは13勝
    2026年大会はハンガリーGPの第41回大会となる。1986年の初開催以来、すべてハンガロリンクで開催されている。

    最多勝記録を持つのはルイス・ハミルトンで8勝。2位のミハエル・シューマッハーを4勝上回っている。コンストラクターではマクラーレンが13勝でトップだ。

    現役ドライバーでは、フェルナンド・アロンソ(2003年/ルノー)、エステバン・オコン(2021年/アルピーヌ)、オスカー・ピアストリ(2024年/マクラーレン)の3人が、このハンガロリンクでF1初優勝を飾っている。

    夏休み前最後の一戦となる2026年ハンガリーGPは、酷暑の中で繰り広げられるタイヤマネジメントと戦略勝負が、勝敗を大きく左右するレースとなりそうだ。

  • フェルナンド・アロンソ アストンマーティンF1 AMR26Bに慎重「数字より方向性」

    フェルナンド・アロンソ アストンマーティンF1 AMR26Bに慎重「数字より方向性」

    アストンマーティンF1がハンガリーGPで投入する大規模アップデート「AMR26B」に注目が集まる中、フェルナンド・アロンソは過度な期待を戒めた。

    チーム内では新パッケージへの期待が高まっているが、アロンソは「スパでこのマシンを使っていても順位は変わらなかっただろう」と語り、重要なのは即効性ではなく開発の方向性を見極めることだと強調した。

    アロンソ「結果よりも正しい開発の方向性が重要」
    ハンガリーGPのFIA公式記者会見に出席したアロンソは、4か月をかけて開発されたAMR26Bについて問われると、チームの努力を評価しながらも、すぐに劇的な成果が出るとは考えていないと語った。

    「今年ここまで取り組んできたアプローチは何も変わらない。僕たちは毎週末、持っているパッケージから最大限を引き出そうとしている」

    「僕たちはレースに勝ち、チャンピオンシップを争うためにここにいる。でも今季はそういうスタートではなかったし、今も2026年レギュレーションを理解し、正しい方向へ開発を進めている途中なんだ」

    また、アストンマーティンが他チームとは異なる開発戦略を選択したことにも言及した。

    「最初の10戦で、多くのチームは2~3戦ごとにコンマ2~3秒ずつ改善を積み重ねる一般的な開発を選んだ」

    「一方で僕たちはそうしなかった。その結果、他チームに後れを取ったけれど、今はその遅れを一気に取り戻そうとしている」

    そのため、新パッケージが投入されても勢力図が一変するとは考えていないという。

    「だからといって、日曜日の僕たちの本来のポジションが変わるとは思っていない」

    それでもアロンソは、チームの取り組みそのものには高い評価を与えている。

    「もちろん僕は楽観的だ。バーレーンテストで問題を理解して以来、チームが取り組んできた仕事を誇りに思っている。このアップデートは、その修正に向けた第一歩だ。でも、まだやるべきことは残っている」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム) ハンガリーGP

    「スパでも順位は変わらなかった」と冷静な評価
    AMR26Bについては、一部で1周あたり2秒以上の改善が見込まれるとの憶測も流れている。しかし、アロンソは数字や順位には関心がないと断言した。

    「数字や順位にはあまり興味がない。直近5戦を見ても、中団との差はサーキットごとにかなり違っていた」

    「ポールポジションとの差は比較的一定だったけれど、シルバーストンやスパのように特に厳しいサーキットもあった」

    その上で、スパ・フランコルシャンでは前方のライバルとの差が大きすぎたと振り返る。

    「スパでは前を走るドライバーまで2.1秒離されていた。世界中のどんなアップデートでも、それだけの差を一気に埋めることはできない」

    そして、新型マシンがスパで投入されていたとしても結果は変わらなかったとの見方を示した。

    「もし1週間前のスパでこのアップデートを使っていても、おそらく順位は変わらなかっただろう。そういう考え方で向き合うべきなんだ」

    一方で、ハンガロリンクはスパとは性格が異なるため、状況は変わる可能性があるとも語っている。

    「サーキットによって状況は変わる。ブダペストが僕たちに有利なコースであることを願っている。ここではパワーの重要性は比較的小さい。ただ、今回はマシンは更新されるけれど、パワーユニットはまだ新仕様ではない。だから克服すべき課題はまだ残っている」

    AMR26Bは“第一歩” 開発成功の判断は今後
    アロンソが繰り返し強調したのは、今回のアップデートを単なるラップタイム改善ではなく、将来へ向けた開発の指標として捉えている点だ。

    「僕が一番知りたいのは、マシンがどの方向へ進んでいるのかということだ。正しい道を進み、最終的にこのマシンの性能を最大限に引き出せるようになるかどうか。それが何より重要なんだ」

    AMR26Bはアストンマーティンにとって今季最大のアップグレードとなるが、アロンソは短期的な結果ではなく、今後の開発の土台として評価すべきだとの姿勢を貫いている。ハンガリーGPでは順位以上に、新コンセプトが期待どおりの方向性を示せるかが最大の焦点となりそうだ。

  • セルジオ・ペレス アストンマーティンF1の反撃を警戒「キャデラックに迫ってくる」

    セルジオ・ペレス アストンマーティンF1の反撃を警戒「キャデラックに迫ってくる」

    アストンマーティンF1がハンガリーGPで投入する大規模アップデートに対し、キャデラックF1のセルジオ・ペレスは「間違いなく差を縮めてくる」と警戒感を示した。

    アストンマーティンは2026年型AMR26の小規模な開発を重ねるのではなく、シャシーや空力を大幅に刷新した“Bスペック”とも呼べるパッケージをハンガリーGPでデビューさせる予定だ。ここ数戦でキャデラックに後れを取ってきたシルバーストンのチームが、一気に勢力図を変える可能性が注目されている。

    ペレス「アストンマーティンは確実に前進する」
    シーズン開幕戦オーストラリアGPではアストンマーティンがキャデラックを上回る速さを見せていた。しかし、その後はキャデラックが着実に競争力を高め、前戦ベルギーGPの予選ではフェルナンド・アロンソを約2秒も上回るパフォーマンスを披露していた。

    その状況について、セルジオ・ペレスはハンガリーGPから流れが変わると予想した。

    「間違いなくそうなると思う」とペレスは語った。

    「彼らは大きく開発を進めてくるだろうし、とても力のあるチームだ。僕たちは彼らが差を縮め、さらに前進してくると考えている」

    セルジオ・ペレス(キャデラック)

    ボッタス「新車と言っていいほど変わると聞いている」
    チームメイトのバルテリ・ボッタスもペレスの見方に同意し、アストンマーティンのアップデートを興味深く見守っていると明かした。

    「いろいろな噂がある。その多くは彼らが大きく前進するというものだ。でも実際にマシンが走り出してみないと分からない」

    さらに、現地で耳にした情報にも触れた。

    「僕が聞いた話では、今のマシンと共通なのはフロントサスペンションだけで、それ以外はすべて新しくなるという。だから実際にどうなるか見てみよう」

    「とても興味がある一方で、もし彼らが大きく前進すれば、僕たちは後れを取ることになるかもしれないという意味では少し怖さもある。ただ、結局は自分たちの仕事に集中するしかない。そのことにエネルギーを使い過ぎるべきではない」

    ベルギーGPは特殊なレース「ハンガリーで本当の力が分かる」
    一方、ペレスは前戦ベルギーGPについて、新世代F1マシンの特性が極端に表れたレースだったと振り返った。

    「リタイアした後にレースを見返したけど、正直あまり面白いレースではなかった」

    「すべてがエネルギーマネジメント中心になっていた。基本的には、ゆっくり走るほど結果的に速く走れるような状況で、そういうのは普通の感覚とは逆だった」

    そのため、低速コーナーが多いハンガロリンクでは、各チームの本来の競争力がより明確になると考えている。

    「今週末はもっと普通のレースになると思う。そこでキャデラックの本当のパフォーマンスがどの位置にあるのか分かるはずだ」

    ベルギーGPではサスペンション系のトラブルによって早々にリタイアを喫したペレスだが、チームは原因を特定できたとしてハンガリーGPには自信を持って臨んでいる。

    「チームは原因究明に全力で取り組んでくれた。油圧システムの一部に関係する問題だったと考えている」

    「問題は解決できたと確信している。それが今の僕たちにとって最も重要なことだ」

  • アストンマーティンF1 AMR26Bに予備シャシーなし 「クラッシュしたら旧仕様」

    アストンマーティンF1 AMR26Bに予備シャシーなし 「クラッシュしたら旧仕様」

    アストンマーティンF1は2026年F1ハンガリーGPで待望の「AMR26B」を投入する。しかし、その裏では開発スケジュールの厳しさを物語る現実も明らかになった。

    マイク・クラック(サーキット・トラックサイド責任者)は、新仕様のスペアシャシーは用意されておらず、大きなクラッシュが発生した場合は旧型AMR26のシャシーを使用せざるを得ないと明かした。

    新型マシンは2台とも最新仕様でブダペスト入りした一方、スペアシャシーは従来仕様のままという異例の体制となる。アストンマーティンF1はシーズン後半の巻き返しを懸けてAMR26Bを投入するが、その初陣は限られた準備期間の中で迎えることになる。

    AMR26Bにスペアシャシーなし 開発スケジュールが影響
    クラックは、AMR26B用のsペアシャシーが間に合わなかった理由について、開発日程の制約を挙げた。

    「スペアシャシー? もちろん常に必要だ。しかし、残された時間を考えれば、スペアシャシーは当然ながら旧仕様になる」

    つまり、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールのレースカー2台はどちらもAMR26B仕様だが、万一大きな事故でシャシー交換が必要になれば、旧型AMR26へ戻さなければならない。

    現地では、新型車両が搬入された直後から組み立て作業が進められており、3台目となる新仕様シャシーを製作する余裕はなかったという。

    それでもクラックは準備状況に自信を示した。

    「計画どおりに作業を進めてきたし、すべて準備できると確信している。2台とも同じ仕様だ」

    軽量化と空力改善がAMR26Bの核
    クラックは、今回のアップデートの狙いについて「空力性能の向上」と「軽量化」が中心であると説明した。

    「今回の進化は、大幅な空力性能の改善と軽量化が柱だ。それが今回のプロジェクトの中心となっている」

    これは、エイドリアン・ニューウェイが以前説明していた内容とも一致する。AMR26Bでは新型ノーズを採用し、空力面を全面的に見直すとともに、シャシーやギアボックス構造の軽量化も実施。そのため新たなクラッシュテストと再ホモロゲーションも必要になった。

    クラックは、アップデートの目的をこう表現した。

    「これを投入する理由は、再び戦えるようになるためだ。ここ数戦は戦えていなかった。その状態から抜け出したい」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    まずはデータ収集が最優先
    AMR26Bは実戦投入まで一度もサーキットを走っておらず、ハンガロリンクでのフリー走行が事実上のシェイクダウンとなる。

    「冬季テストのように何周も走って比較できる機会はない。そのため、データの質とシミュレーション解析の精度が非常に重要になる」

    そのため、初日から性能を引き出せるとは考えていない。

    「金曜日最初の走行からすべてを引き出せるとは思っていない。まずはこのマシンを理解し、最大限に活用する方法を学ばなければならない」

    また、サスペンションの車高やアライメントなど基礎的なセットアップ評価も、まずは基本データを収集してから本格的に進める考えを示した。

    ホンダPUとの最適化も重要課題
    クラックは、新シャシー導入によってパワーユニット側のセッティングにも影響が及ぶことを認めた。

    「コーナリングスピードが上がれば、エネルギーマネジメントやパワーユニットのキャリブレーションにも影響する」

    これは、ホンダF1の折原慎太郎チーフエンジニアが説明した内容とも一致する。ザントフォールトで導入予定の新パワーユニットを待たずとも、現行ユニットでもエネルギーマネジメントやアクセル制御の最適化が必要になるという。

    クラックは、現代F1ではシャシーとパワーユニットを切り離して考えられないと強調した。

    「シャシー性能とパワーユニット性能は密接に結び付いている。以前のように、それぞれを独立して評価することはもはやできない」

    アストンマーティンF1は、シーズン前半の不振を覆す切り札としてAMR26Bに大きな期待を寄せる。一方で、新仕様のスペアシャシーを持たないというリスクを抱えながら臨むハンガリーGPは、チームにとって性能だけでなく信頼性も試される重要な週末となる。

    【関連】
    ・アストンマーティンF1 AMR26Bが初披露 大型アップデートがハンガリーでベール脱ぐ

  • ホンダF1 新型PUの50馬力向上説を否定「実際の数字ではない」

    ホンダF1 新型PUの50馬力向上説を否定「実際の数字ではない」

    アストンマーティンF1は今週末の2026年F1ハンガリーGPで待望のBスペックマシン「AMR26B」を投入する。しかし、真の戦力アップとして注目されるホンダの新型パワーユニット(PU)のデビューは、夏休み明けのオランダGPまで待たなければならない。

    その新型PUについては「約50馬力の向上」が噂されてきたが、ホンダ・レーシングのチーフエンジニアを務める折原慎太郎は、その数字は現実的ではないとの見解を示した。

    また、新型AMR26Bではシャシーや冷却系が大幅に変更されるため、従来PUでもゼロから近いセッティング作業が必要になることも明かしている。

    ホンダF1 「50馬力アップ」は噂にすぎない
    ここ数週間、ホンダがオランダGPで投入する改良版パワーユニットによって、アストンマーティンF1は約50馬力もの性能向上を得るとの報道が相次いでいた。

    しかし、折原慎太郎は開発には手応えを感じているとしながらも、その数字は誇張されていると否定した。

    「その数字まで到達できればいいのですが、かなり大きな数字です」

    「出力について具体的な数字はお話しできませんが、私の印象では、それは単なる噂です。実際の数字ではないと思っています」

    ホンダの狙いは、現時点でメルセデスとレッドブル・フォードにやや後れを取るとされるアウディやフェラーリの出力レベルに近づくことだ。

    それが実現すれば、エイドリアン・ニューウェイが設計を主導したAMR26Bのポテンシャルを、より引き出せるようになると期待されている。

    ホンダ F1 ホンダ技研工業

    AMR26B投入でPUのセッティングも一新
    新型PUが投入されるのはオランダGPだが、ハンガリーGPでもホンダには重要な作業が待っている。

    AMR26Bはシャシー、冷却システム、車両全体の性能特性まで従来車から大きく変更されており、既存PUとの適合を一から確認する必要があるためだ。

    折原は、新車との組み合わせで最初に確認すべきポイントを次のように説明した。

    「新しいシャシーと新しい冷却レイアウトになるため、FP1ではまずそれがパワーユニットに対してどのように機能するのかを確認する予定です。それは私たちにとって非常に重要なテスト項目です」

    さらに、車両特性の変化によってエネルギーマネジメントにも大きな影響が及ぶと説明した。

    「コーナリングスピードはエネルギーマネジメントに大きな影響を与えますし、ドライバビリティにも影響します。新しいマシンではスロットルの開け方が、ここ数戦とは大きく変わるからです」

    「そのため、FP1とFP2では新しいシャシーのコーナリング性能に合わせて、エネルギーマネジメントやドライバビリティの調整に非常に忙しくなるでしょう」

    新型PUの真価は夏休み明けに判明
    ハンガリーGPではAMR26Bの車体性能が初めて試される一方、ホンダの改良型パワーユニットはオランダGPで投入される予定となっている。

    折原のコメントからは、性能向上への自信を見せつつも、50馬力という大幅な出力アップ報道を否定する慎重な姿勢がうかがえる。まずはAMR26Bと現行PUの組み合わせでデータを収集し、その成果を新型PUへ反映させることが、ホンダとアストンマーティンF1にとって重要なステップとなりそうだ。

  • フェラーリF1 “マカレナ”リアウイング強化版を投入 3枚のウイングレット追加

    フェラーリF1 “マカレナ”リアウイング強化版を投入 3枚のウイングレット追加

    フェラーリは2026年F1第11戦ハンガリーGPで、ハイダウンフォース仕様に進化させた「マカレナ」リアウイングを投入したことが明らかになった。

    木曜日のハンガロリンクのピットレーンで撮影された車両から、新たなリアウイングのディテールが確認され、低速コーナーが連続するハンガロリンクでの競争力向上を狙ったアップデートとして注目を集めている。

    3枚のミニウイングレットを追加
    フェラーリの「マカレナ」リアウイングは、2月のプレシーズンテストで初登場した回転式リアウイングで、2026年シーズンを代表する技術革新のひとつと評価されている。

    このリアウイングは5月のマイアミGP以降、SF-26に継続して採用されており、その後レッドブルやマクラーレンも類似コンセプトのウイングを開発している。

    今回ハンガリーGPで姿を現した新仕様では、リアウイング後端に湾曲した3枚の小型ウイングレットが縦に積み重ねられた構造となっており、従来仕様よりも大幅にダウンフォースを重視したデザインとなっている。


    モナコGPでの反省を反映
    今季のモナコGPではアクティブエアロの使用が事実上禁止されたが、フェラーリは通常型リアウイングしか用意しておらず、レッドブルやメルセデスが持ち込んだ超ハイダウンフォース仕様に対抗できなかった。

    当時、ルイス・ハミルトンはPlanetF1などの取材に対し、次のように語っていた。

    「木曜日に現地へ来たとき、他のチームがリアウイングに巧妙な追加パーツを付けているのを見た。僕たちにはそれがなくて、少し驚いた」

    今回の新仕様は、その経験を踏まえて開発されたハイダウンフォース版とみられている。

    レッドブルやマクラーレンも投入へ
    レッドブルもベルギーGPで一度外していた「マカレナ」リアウイングをハンガリーGPで再投入する可能性が高いとされている。

    同チームはオーストリアGPとイギリスGPで、回転式リアウイングの気流再付着(エアフロー・リアタッチメント)の問題により、マックス・フェルスタッペンのクラッシュにつながる不具合に直面。ベルギーGPでは従来型へ戻していたが、テクニカルディレクターのピエール・ワシェは問題を解決したことを明らかにしており、ハンガリーでの復活を示唆している。

    また、マクラーレンもオーストリアGPで技術的トラブルにより延期した独自仕様の回転式リアウイングを、ハンガリーGPで初投入する可能性がある。