カテゴリー: ホンダF1

  • ホンダF1初優勝60周年を記念した特別モデルがカシオEDIFICEから登場

    ホンダF1初優勝60周年を記念した特別モデルがカシオEDIFICEから登場

    カシオ計算機は、腕時計ブランド「EDIFICE(エディフィス)」の新製品として、ホンダのF1初優勝60周年を記念したコラボレーションモデル「ECB-2300HR」を2026年3月に発売する。全国のEDIFICE取扱店舗およびカシオ公式オンラインストアにて、2026年3月1日から予約受付を開始し、同月中の展開を予定している。価格は6万6000円(税込)。

    本モデルは、1965年10月24日にF1メキシコGPでホンダが初優勝を飾ったマシン「RA272」をオマージュしたスペシャルモデルだ。

    RA272は、エルマノス・ロドリゲス・サーキットで行われた同レースにおいて、リッチー・ギンザーのドライブにより、F1参戦2年目にして歴史的な初勝利を挙げたマシンとして知られている。

    ホンダ F1 カシオEDIFICE

    外装デザインでは、RA272のボディカラーである「チャンピオンシップホワイト」の実車塗料を、手で触れられる外装パーツであるベゼルに初採用。実際のレーシングマシンと同じ塗料を使用することで、ホンダのレーシングスピリットを直接感じられる仕様とした。ダイヤル外周には鮮やかなレッドサークルを配置し、RA272の車体に描かれていた日の丸デザインを表現している。

    9時位置のインダイヤルは、RA272のタコメーターをモチーフにデザイン。針の形状やフォント、レッドゾーンのディテールに至るまで、実機の雰囲気を忠実に再現した。裏蓋には、ホンダのF1初優勝60周年を記念したオリジナルアニバーサリーロゴをレーザー刻印し、記念モデルならではの特別感を演出している。

    本田技研工業 F1

    また、ゴールドカラーのメタル遊環には、優勝直後に現地からホンダ本社へ打電されたメッセージ「Veni, Vidi, Vici.(来た、見た、勝った)」と、ギンザー車のカーナンバー「11」を刻印。剣先側バンドの裏面には、当時としては異例だった1.5リッターV型12気筒エンジンの図面をグラフィック化してあしらった。バンド素材にはナッパレザーとウルトラスエードを組み合わせ、質感と耐久性を両立させている。

    機能面では、太陽光や蛍光灯の光で駆動するタフソーラーを搭載するほか、Bluetooth®による自動時刻修正、ワールドタイム、スーパーイルミネーターなどを備え、日常使いにおいても高い実用性を確保した。

    ホンダF1の原点ともいえるRA272の栄光を現代に落とし込んだ「EDIFICE ECB-2300HR」は、モータースポーツファンやホンダファンにとって、節目の年を象徴する記念モデルとなりそうだ。

    ホンダ F1 本田技研工業

  • ホンダ、2026年F1パワーユニットのサウンドを初公開

    ホンダ、2026年F1パワーユニットのサウンドを初公開

    ホンダは、2026年F1シーズンに向けた自社パワーユニットのサウンドを、短い映像クリップとして公開した。日本の自動車メーカーは来季、アストンマーティンのワークスパワーユニットサプライヤーとして、F1にフルスケールで復帰する。

    ホンダは2021年末をもってF1から公式に撤退したが、その後もエンジンサポート契約を通じてレッドブルとの関係を継続してきた。この体制により、レッドブル・レーシングとレーシングブルズは2025年シーズン終了までホンダ製パワーユニットを使用している。

    しかし、2026年のF1レギュレーション刷新に伴い、レッドブルはフォードと協力した初の自社製パワーユニットへ移行する。それにより、ホンダは新たなパートナーとしてアストンマーティンと組むことになった。同チームはこれまでメルセデスのカスタマーチームだった。

    2026年型ホンダPUの第一印象
    金曜日、ホンダはソーシャルメディア上で、2026年仕様パワーユニットのサウンドを収めた短いクリップを投稿した。詳細な技術情報は明かされていないものの、新時代のF1を象徴する音として注目を集めている。

    この投稿は、ホンダが再びF1の最前線に戻ってくることを強く印象づけるものとなり、アストンマーティンとの新たなワークス体制が本格的に動き出していることを示している。

  • ホンダ × アストンマーティン:F1での戦略的パートナーシップの裏側

    ホンダ × アストンマーティン:F1での戦略的パートナーシップの裏側

    ホンダが2026年にF1へ本格復帰する決断を下した背景には、単にパワーユニット規則の変化だけでなく、「誰と戦うのか」という本質的な問いがあった。

    ホンダは挑戦する企業であり、その挑戦を“勝利”につなげるためには、技術力と姿勢、そして哲学の面で一致するパートナーが必要だった。その答えがアストンマーティン・アラムコだった。

    ホンダ・レーシング(HRC)の渡辺康治社長が明かした“ホンダ×アストンマーティン”戦略的パートナーシップの深層に迫る。

    ローレンス・ストロールとの出会い:ホンダを動かした“勝利への執念”
    アストンマーティンとの協業で最初に渡辺康治が強く惹かれたのは、ローレンス・ストロールの姿勢だったという。ストロールは数年前から、アストンマーティンをF1タイトル争いへ押し上げるべく莫大な投資を進め、最新設備の整ったAMRテクノロジーキャンパスを完成させ、経験豊富なエンジニアを次々と引き入れてきた。

    渡辺康治はストロールを“常に勝利を志向する人物”と表現する。

    「ローレンスさんは本当に勝つことにこだわる方です。ビジョンが明確で、言葉だけでなく行動も伴っている。その姿勢がとても印象的でした」

    ホンダは“勝つための復帰”を掲げていた。勝利への熱量が揃わなければ、ワークス体制でのパートナーシップは成立しない。アストンマーティンはその条件を満たすどころか、それを大きく超えるエネルギーを持っていた。

    2つの拠点が“1つのチーム”に変わる:さくら×シルバーストーンの24時間体制
    ホンダとアストンマーティンの関係を象徴するのが、さくらとシルバーストーンの間で構築された「24時間開発体制」だ。

    日本が昼なら、イギリスは夜。イギリスが昼になれば、日本は夜。

    両者の時差は、通常は障害となる。しかし渡辺康治は、この9時間の差を“強みに変えた”と語る。

    「誰かが出社すると、もう片方の拠点で新しいデータが生まれている。プロジェクトが24時間止まらず前に進むのです」

    アストンマーティンのエンジニアはさくらに常駐し、ホンダのエンジニアはシルバーストーンに常駐する。PUとシャシーの融合というF1最大の難題に取り組むために、両者は物理的な距離を越えて一体化している。

    この“ワンチーム化”こそが、ホンダがアストンマーティンを選んだ最大の理由のひとつでもあった。

    技術だけではない──理念の一致が生んだ協業
    技術的な親和性はもちろん重要だが、渡辺康治は“理念の一致”の方がより本質的だと語る。

    ホンダは挑戦、革新、そして勝利への意志を根幹に持つ企業。アストンマーティンもまた、徹底した勝利志向を掲げ、技術的な不足を埋めるために外部の知見を積極的に取り入れ、組織改革を進めていた。

    そのプロセスはホンダの哲学に非常に近い。

    「アストンマーティンは常に改善に向かって動き続けている。これはホンダと同じです」

    同じ方向を向いているパートナーだからこそ、大規模プロジェクトを“共に”進めることができる。

    アンディ・コーウェルという“橋渡し役”の存在
    アストンマーティンがPUサプライヤーとしてホンダを迎える上で大きな役割を果たしているのが、元メルセデスPU部門のトップであり、現在アストンマーティンのチーフ・ストラテジー・オフィサーを務めるアンディ・コーウェルだ。

    渡辺康治はコーウェルを“いつでも電話できる存在”と表現する。

    「アンディさんはPU開発の難しさをよく理解している方です。彼との議論はいつも非常に有益で、私たちの考えや技術の進捗を互いに共有する上で欠かせない存在です」

    PUとシャシーの境界線は曖昧であり、両者は“どちらかが正解を持っている”というものではない。だからこそ、PUとシャシーの視点を両方理解するコーウェルの介在は、ホンダ×アストン連携の大きな強みとなる。

    “ワンチーム”を実現したアストンマーティンの組織改革
    アストンマーティンはここ数年で劇的に組織を変化させ、大型投資によって設備を一新し、シャシー部門と空力部門を大幅に強化した。AMRテクノロジーキャンパスは従来のチーム体制を根本から変えるレベルのインフラとなり、ホンダとの共同開発に最適な環境を整えている。

    渡辺康治はこうした改革を「勝つために必要な姿勢」と評価している。

    「新しい施設に象徴されるように、アストンマーティンは成功を本気で追いかけています。その熱量が私たちを惹きつけたのです」

    ホンダがアストンマーティンを選んだのは、設備が立派だからではない。設備は“勝つための覚悟”を形にしたものであり、その覚悟にホンダは共鳴した。

    本田技研工業 F1 ホンダ

    技術連携の深まり:PU開発はホンダ、シャシーはアストン──だが境界線はない
    ホンダが担当するのはPUの開発であり、アストンマーティンはシャシー開発を担当する。しかし現代F1では、PUとシャシーは別々に作れば突然うまく機能するものではない。冷却要求、重量配分、空力パッケージ、電力回生ポイントなど、互いの設計が密接に絡み合う。

    そのため、ホンダとアストンは“境界線のない共同作業”を進めている。

    渡辺康治は「どこからがシャシーでどこからがPUという境界はありません。交差点が非常に多いのです」と語り、双方が一つのプロジェクトとして動いていることを明かす。

    こうした開発体制は、単なる供給関係ではなく、“共同で勝利を作る関係”へ進化している。

    ニューウェイの加入は“共同体”をさらに強固にした
    ニューウェイの加入は記事2で深掘りするが、本記事においてもパートナーシップの強度を示す象徴として触れておくことが自然だ。

    渡辺康治はニューウェイとの最初のミーティングを振り返り「また一緒に仕事ができますね、と皆で笑い合いました」と語る。
    両者にはレッドブル時代の付き合いがあり、PUとシャシーの融合という難題に取り組む上で、ニューウェイの存在は極めて心強い。

    アストンマーティンは、ホンダのPUを中心に据えたマシン作りができる人物を迎えた。
    ホンダにとっても、自らのPUを最大限に活かせる相手と組むことができた。

    この相互補完こそ、強いパートナーシップの証だ。

    “共同体”と呼べるレベルに達したホンダ×アストンの関係
    ホンダとアストンマーティンの関係は、単なるPU供給や技術協力では説明しきれない段階にある。両者の開発拠点は密接につながり、エンジニアは日常的に往来し、議論が深まり、価値観が共有され、そして“勝つ”という目標が同じ方向を向いている。

    渡辺康治はこう語る。

    「アストンマーティンには情熱があり、質の高い組織があり、勝つための環境があります。私たちホンダと同じ方向を向いて歩んでいるのが分かるのです」

    この発言は、パートナーシップという言葉を超え、“共同体”に近い関係が築かれつつあることを示している。

    総括:ホンダはなぜアストンマーティンと組むのか?
    答えは“勝つため”である

    ホンダがアストンマーティンを選んだ理由は明確だ。

    理念が一致し、組織が本気で勝利を目指し、技術的な補完関係が成立し、そしてPUとシャシーを一体で開発できる環境が整っていたからだ。

    挑戦する企業ホンダにとって、このパートナーシップは“復帰の必然”であり、“挑戦を勝利に変えるための選択”だった。

    ホンダとアストンマーティン。その関係は、もはやチームとサプライヤーではなく、“共に勝利を作りにいく存在”へと進化している。

  • エイドリアン・ニューウェイ 「ホンダF1エンジン統合に近い形で取り組める」

    エイドリアン・ニューウェイ 「ホンダF1エンジン統合に近い形で取り組める」

    アストンマーティンにおけるエイドリアン・ニューウェイの存在感が、一気に強まっている。カタールに続きアブダビにも姿を見せ、2026年の新レギュレーション導入に向けてフルスピードで動き出したことを示す明確なサインと受け止められている。

    今季、レース現場に姿を見せたのは1戦のみだったにもかかわらず、ここにきて常駐に近い形へ変化。その理由は率直だ。ニューウェイ以前の体制で設計された今季マシンは期待外れであり、新時代に向けて彼の直接指揮が不可欠だという判断である。

    「今年のクルマはみんなにとって失望だった。ドライブするのも、セットアップするのも難しかった」とニューウェイはアブダビでDAZNに語った。

    来季、すべてが変わる。アストンマーティンはニューウェイが全面的に指揮した初のシャシーを投入し、ホンダのワークスPU、そしてチーム史上初となる自社製ギアボックスを搭載する。統合作業の規模があまりに大きいため、ニューウェイはアンディ・コーウェルに代わってチーム代表を兼務することになった。

    「アンディは非常に寛大にその部分を任せてくれた。来年の複雑なパワーユニット、ホンダとアラムコと我々の統合を考えると、すべてが完璧に調整される必要があると気づいたんだ。細かい部分が抜け落ち始めることを彼は心配していた」とニューウェイは説明した。

    パドック内には、“チーム運営”がニューウェイの技術的才能を妨げるのではという懸念もある。しかし本人はそれを一蹴する。

    「主な違いはメディア対応と、いくつかの細かいことだけで、それ以外はほとんど変わらない」と述べている。

    ホンダ F1 エイドリアン・ニューウェイ

    2026年プロジェクトに関しては、むしろ意欲を隠さない。「エンジン統合に非常に近い形で取り組める。それに、我々が長い間行ってこなかった“自社製ギアボックス”も必要で、完全な新部門を立ち上げることになる」と語った。

    また、レッドブルを離れた際、当初はアストンマーティン行きを想定していたわけではないとも明かしている。

    「レッドブルを去ったとき、次にどうなるかなんて全く分かっていなかった。これまでのキャリアを本当に楽しんできたし、このスポーツの一員でいられたことをとても幸運に思っている。もし仕事を続けるなら、情熱に従うべきだと思った。それを実行しただけだ」と66歳のニューウェイは語った。

    そして2026年のもうひとつの武器であるフェルナンド・アロンソも、44歳で迎えた今季が個人的に“最高の一年のひとつ”だったと強調する。

    「僕が言う必要はない。最後の判断を下すのはストップウォッチだ。結果としては最悪のシーズンのひとつだけど、個人的には最高のシーズンのひとつ。説明することは不可能だし、家で見ている人に理解してほしいとも思わない。そういうものなんだ」とスペインメディアに語った。

    「このパドックでは、間違いなく僕が最も価値を感じ、最もリスペクトを得られた一年だったと思う」

  • ホンダF1復帰の理由と2026年PUレギュレーションの核心

    ホンダF1復帰の理由と2026年PUレギュレーションの核心

    ホンダは2026年、アストンマーティン・アラムコF1チームとのワークス体制によりF1へ本格復帰する。2021年末の活動終了からわずか数年で復帰へと舵を切った背景には、単なる気まぐれでも回帰でもない、“ホンダという企業の本質が選ばせた必然”があった。

    ホンダ・レーシング(HRC)渡辺康治社長は、復帰の理由を語る際にまず「ホンダは挑戦する企業です」と言い切った。

    モータースポーツは技術を磨く戦場であり、人材を育てる学校であり、そして走ることの喜びを世界と共有する舞台でもある。そのすべてがホンダの企業文化と結びついており、F1はそれを最も純粋な形で体現できる場だという。

    2026年PU規則が復帰を“決定的”にした
    ホンダがF1復帰を決めた最大の契機は、2026年に導入されるパワーユニット新規則にある。新しいPUは、内燃機関と電動モーターの出力比率がほぼ50:50となり、モーター出力は従来の約3倍である350kWに引き上げられる。また100%サステナブル燃料の使用が義務づけられ、MGU-Hは廃止される。これらの変更は単なる技術の入れ替えではなく、F1そのものを大きく組み替える“新時代の入口”となるものだった。

    渡辺は、2026年PUがホンダにとって「将来の推進システムの方向性と完全に一致した」と語る。ホンダは電動化とカーボンニュートラル技術を企業の根幹に据えており、まさにF1がその理念と重なる形になった。つまり、ホンダが積み上げてきた未来の技術をF1という極限環境で鍛えることができる。それは企業にとっても研究開発にとっても、唯一無二の価値を持つ挑戦だった。

    F1はホンダにとって“実験室”であり“育成機関”でもある
    ホンダにとってF1はマーケティング活動ではない。技術を磨き、人材を育て、企業の将来を形づくる巨大な実験場だ。F1のパワーユニットは、高電圧システム、バッテリーの最適化、瞬時のエネルギー回生と展開、耐久性、熱効率の向上など、あらゆる技術要素が極限環境の中で試される。

    特に2026年PUは、2万を超えるパラメータを扱いながらエネルギーの流れを最適化する、きわめて高度なマネジメントが勝敗を左右する。HRCはそのための独自のシミュレーション技術を開発しており、厳しいテスト制限の中で戦う現代のF1では大きな武器となる。

    渡辺は「モータースポーツは技術を鍛える場であり、エンジニアの才能を引き上げる場です。F1で得た知見はホンダ全体を強くします」と説明する。F1で磨かれた人材が企業のコア技術を支えるという循環が、ホンダ復帰の大きな意義となっている。

    アストンマーティンは“勝つための相手”だった
    復帰の理由を語る上で、アストンマーティンとのワークス提携は欠かせない。渡辺が強く惹かれたのは、ローレンス・ストロールの“勝つことへの執念”だった。新設されたAMRテクノロジーキャンパスには、トップチームを本気で目指す姿勢が明確に表れており、組織改革も着実に進んでいた。

    ホンダは挑戦する企業であり、その挑戦を「勝利」に結びつけるには、勝利を本気で求めるパートナーが不可欠だった。さくらとシルバーストーンのエンジニアが互いの拠点に駐在し、時差を活かして24時間体制で開発が進む今の体制は、ホンダ復帰に確信を与える要素にもなった。

    この記事の主題は復帰と規則だが、復帰の意志を後押ししたのが“勝利を狙えるパートナーの存在”であることは、十分に記事の厚みを支える要素になる。

    2026年は“リセットの年”。だからこそホンダにチャンスがある
    2026年は、F1の勢力図が大きく揺らぐ年だ。メルセデス、フェラーリ、レッドブルという既存の優位性が一度リセットされ、全メーカーが新しいPUと新しい空力概念でゼロベースからスタートする。ホンダにとってこれは、過去の流れを断ち切り、純粋に技術力で勝負できる舞台を得ることを意味する。

    渡辺はこう語る。

    「ホンダは挑戦する企業です。2026年は新しいF1の形が始まる年であり、その中心で勝負しなければなりません」

    これはスローガンではなく、新時代のスタートラインでチャンスを取りに行くという、ホンダの強い意志である。

    ホンダ F1 本田技研工業

    復帰を後押しした“人の力”――コーウェルとニューウェイの存在
    深い内容は別記事で扱うが、ホンダの挑戦を支える要素として、アンディ・コーウェルとエイドリアン・ニューウェイという2人の存在は欠かせない。コーウェルはPU開発の緻密さと難しさを最も理解する人物であり、ニューウェイはシャシーとPUの融合というF1最大の難問に対して明確な哲学を持つ。

    この2人と緊密に連携できる体制が整ったことも、ホンダが復帰を現実的に選択できた理由のひとつだ。挑戦する舞台に挑戦できる仲間が揃った――そう言える状況だった。

    “復帰の理由”を総合すると、すべてが2026年でつながった
    ホンダがF1に戻る決断をした背景には、企業文化、未来の技術戦略、パートナーシップ、人材育成、そして2026年規則がもたらす大転換という、複数の要素が一つの線でつながった瞬間があった。

    ・挑戦する企業であるというDNA
    ・未来の推進技術と一致した新PU規則
    ・技術を磨き人材を育てる場としてのF1
    ・勝利をともに狙えるパートナーとの出会い
    ・ゼロベースで戦える2026年という“ゲームチェンジの年”。

    すべてが揃ったことで、ホンダは再びF1へ戻ることを選んだ。

    そして渡辺康治が語った次の言葉こそ、この決断のすべてを象徴している。

    「ホンダは挑戦する企業です。2026年は新しいF1の形が始まる年であり、その中心で勝負しなければなりません」

    復帰は必然だった――その理由が、こうして明確に浮かび上がる。

  • 東京オートサロン2026でFW11が疾走 佐藤琢磨が伝説のホンダF1マシン操る

    東京オートサロン2026でFW11が疾走 佐藤琢磨が伝説のホンダF1マシン操る

    東京オートサロン事務局は、2026年1月9日(金)〜11日(日)の3日間、世界最大級のカスタムカーと関連製品の展示会「TOKYO AUTO SALON 2026」を幕張メッセで開催すると発表した。

    今年も人気コンテンツである屋外イベント会場では、多彩なカテゴリーの競技車両による“リアルな走り”が披露される。走行イベントは10日(土)と11日(日)の2日間で行われ、10日(土)は前回好評だった会場南側通路も使用した特別レイアウトで実施される。

    注目は、前回も大きな話題を呼んだ Honda F1マシンの走行・エンジン始動イベント の再登場だ。

    10日(土)には、ナイジェル・マンセルとネルソン・ピケがドライブし、Hondaに初のコンストラクターズタイトルをもたらした1986年型「Williams Honda FW11」がデモランを実施。ステアリングを握るのは佐藤琢磨で、1.5リッター・ツインターボで予選時に1000馬力以上を発揮した名車が会場南側通路を含む特別区画を走行する。

    さらに同日、1991年にアイルトン・セナとゲルハルト・ベルガーがダブルタイトルを獲得した「McLaren Honda MP4/6」のエンジン始動も披露予定。3.5リッター自然吸気エンジン「RA121E」の響きを間近で体感できる貴重な機会となる。

    ※F1マシンの走行・エンジン始動は10日(土)のみ。展示は11日(日)も実施。
    ※雨天・路面ウェット(降水量1mm未満含む)の場合、F1マシン走行は中止。

    11日(日)には、2025年WRCでマニファクチャラー&ドライバーのダブルタイトルを獲得した TOYOTA GAZOO Racing WRT の「TOYOTA GR YARIS Rally1」と、カスタマー向け「GR YARIS Rally2」が登場。勝田貴元がドライブを務め、迫力ある走りを披露する。

    そのほか、新井敏弘による「SUBARU WRX STI(VAB)」の走行、恒例の『D1GP Kick Off Drift』なども両日開催される。屋外イベント会場の詳細や観覧エリア(南側通路)の案内は、後日公式サイトで公開される予定だ。

    また、昨年に続き「TOKYO AUTO SALON 2026」のオフィシャルインフルエンサー12名が決定。モリゾウ(MORIZO)を含むメンバーがSNSを通じてイベントの魅力を広く発信していく。

    東京オートサロン 2026

    ■ TOKYO AUTO SALON 2026 開催概要
    会場:幕張メッセ(ホール1〜11、国際会議場、イベントホール、屋外展示場)

    開催日程
    ・1月9日(金) 9:00〜19:00
     ※9:00〜14:00はビジネスデイ(サイレントタイム/一般入場なし)
     14:00〜19:00 一般特別公開
    ・1月10日(土) 9:00〜19:00(一般公開)
    ・1月11日(日) 9:00〜18:00(一般公開)

    主催:東京オートサロン事務局(TASA)
    後援:千葉県、千葉市、NAPAC、JAMA、JAF
    特別協力:幕張メッセ、三栄

    ■ 入場料(前売り)
    ・1月9日(金)一般特別公開(14:00〜19:00):4,000円
    ・1月10日(土)、11日(日)一般公開:3,000円(券面記載日のみ有効)

    ※デジタルチケットのみ(紙チケット販売なし)
    ※前売り状況により当日販売の可能性あり(会場での販売はなし)
    ※小学生以下は保護者同伴時のみ入場可能

    チケットは東京オートサロン公式サイト(三栄チケットサービス)で販売中。

  • ジャック・ドゥーハン、アルピーヌF1と決別 トヨタ支援で日本拠点に再始動

    ジャック・ドゥーハン、アルピーヌF1と決別 トヨタ支援で日本拠点に再始動

    ジャック・ドゥーハンがアルピーヌとの関係を完全に終え、キャリアの軸足を日本とトヨタに大きく移し始めている。

    2025年のF1シーズンでアルピーヌのルーキーとして6戦に出走したものの、フラビオ・ブリアトーレの電撃決定によりフランコ・コラピントに交代。その後はリザーブを務めていたが、フィンランド紙 Ilta Sanomat によると、この役割も終了したという。

    オーストラリア出身の22歳は今週、日本で姿を見せており、鈴鹿で開催されるスーパーフォーミュラのポストシーズンテスト3日間すべてに参加する。

    スーパーフォーミュラは月曜、「ジャック・ドゥーハンは12月10〜12日の鈴鹿テストに参加する」と声明を出している。

    報道によれば、これは単なるオフシーズンの走行ではない。トヨタが2026年のスーパーフォーミュラ参戦を支援するとされ、ドゥーハンはメーカーのシングルシーター育成エコシステムの中心に位置付けられるという。

    トヨタ支援はハースF1にも直結
    トヨタの影響力はスーパーフォーミュラだけでなく、提携を深めるハースF1チームにも直接及んでいる。両者の新たなタイトルスポンサーシップと技術協力関係により、ドゥーハンは2026年に向けたハースのリザーブドライバー候補として交渉中と報じられている。

    “第二のロバンペラ路線”として日本で再始動
    ラリー界のスター、カッレ・ロバンペラがトヨタ支援のもとスーパーフォーミュラのフルプログラムに挑むのと同じように、ドゥーハンも今週の鈴鹿テストで午前・午後すべての走行を担当。日本を拠点にキャリアを立て直し、世界的に拡大するトヨタのモータースポーツネットワークとの結びつきを強める狙いだ。

    この動きにより、2026年に向けたドゥーハンの進路は大きく変わりつつある。F1復帰の扉をトヨタ経由で再び開こうとする、明確なキャリア再構築のフェーズに入ったと言える。

  • レッドブルF1 「ホンダの7年間のサポートは本当に素晴らしかった」

    レッドブルF1 「ホンダの7年間のサポートは本当に素晴らしかった」

    レッドブル・レーシングのパフォーマンスエンジニアリング責任者ベン・ウォーターハウスは、2025年アブダビのポストシーズンテストを終え、7年間にわたるホンダとのパートナーシップへ深い感謝を述べた。

    2026年からレッドブルは新しいパワーユニット体制へ移行するため、今回が現行体制としての“最後の公式テスト”となった。

    「アブダビでとても充実したテストデーを過ごすことができ、長いシーズンを締めくくる良い形になった。今日のプログラムは2台で分担し、アイザックは2026年ピレリタイヤのテストプログラムを担当し、歩夢は現行タイヤを使用してRB21でヤングドライバーテストを行った。2人とも本当に素晴らしい仕事をしてくれて、非常に詳細なフィードバックを提供し、両マシンともトラブルなく全てのプログラムをやり遂げてくれた」とベン・ウォーターハウスは語った。

    「このテストはチームにとって非常に価値あるものだったし、アイザックとより深く関係を築く良い機会にもなった。今回得られたデータはミルトンキーンズに持ち帰り、これから7週間後に迫るバルセロナへ向けてシミュレーションツールの改良に役立てていく」

    「そして最後に、ホンダには心から感謝を伝えたい。ここ7年間、我々に素晴らしいパワーユニットを提供し、圧倒的なサポートをしてくれた。本当に素晴らしいパートナーだったし、来年も一緒に戦えることを楽しみにしている」

    この「ホンダへの特別な感謝」は、レッドブルとホンダが歩み続けてきた7年間の濃密な歴史を象徴するものだった。2025年最終戦アブダビでマックス・フェルスタッペンが勝利し、両者のパートナーシップは当初の契約どおり“ひと区切り”を迎えた。

    ホンダ F1

    ホンダとレッドブルの歩み(2018年~2025年)
    ホンダは2021年シーズンをもってPUサプライヤーとしての直接参戦を終了したものの、その後も HRC(株式会社ホンダ・レーシング)がRBPTへ技術支援 を行い、レッドブル・レーシングおよびレーシングブルズ(旧トロロッソ/アルファタウリ)を支えてきた。

    両者のパートナーシップは 2018年にトロロッソへPU供給を開始 したことから始まり、2019年にはレッドブル・レーシングにもPUを供給。2021年にはマックス・フェルスタッペンがドライバーズタイトルを獲得し、ホンダに 30年ぶりのF1タイトル をもたらした。

    2022年以降はHRCがRBPTに技術支援を行い、2023年にはレッドブルが22戦21勝という驚異的な成績で2年連続のダブルタイトルを達成。2024年にはフェルスタッペンがドライバーズタイトル4連覇を成し遂げ、数々の伝説的瞬間をともに作り上げた。

    ■ ホンダ×レッドブル・グループ パートナーシップ戦績(2018〜2025)
    総レース数:172戦
    勝利数:72勝
    表彰台:141回
    ポールポジション:51回
    ドライバーズタイトル:4回
    コンストラクターズタイトル:2回

    2025年アブダビGPでのフェルスタッペンの勝利をもって、レッドブル・グループとのパートナーシップは当初契約どおり一区切りを迎えた。

  • ホンダ、レッドブルF1との最終戦で有終の美「今後も技術革新を推し進める」

    ホンダ、レッドブルF1との最終戦で有終の美「今後も技術革新を推し進める」

    ホンダは、2025年12月7日にF1最終戦となる第24戦アブダビGPをもって、Red Bull Powertrains(レッドブル・パワートレインズ/RBPT)へのレースにおけるF1パワーユニット(以下、PU)技術支援を終了した。

    ホンダは2021年シーズンをもってPUサプライヤーとしてのF1参戦を終了した後も、株式会社ホンダ・レーシング(HRC)による、RBPTへのF1 PU技術支援を通じ、レッドブル・レーシングおよびビザ・キャッシュアップ・レーシング・ブルズ)に対し、F1活動のサポートを行ってきた。

    だが、ホンダとレッドブル・グループのパートナーシップは2018年にScuderia Toro Rosso(スクーデリア・トロロッソ、現在のRB)へPUを供給したことから始まり、翌2019年にはレッドブル・レーシングにもPU供給を開始。2021年にはマックス・フェルスタッペン選手がドライバーズタイトルを獲得し、ホンダに30年ぶりのF1タイトルという栄冠をもたらした。

    2022年以降はHRCによるRBPTへの技術支援を行っており、2023年にはRed Bull Racingが22戦中21勝という圧倒的な成績で2年連続となるダブルタイトルを獲得。2024年にはフェルスタッペン選手がドライバーズタイトル4連覇を達成するなど、数々のドラマと偉業を生み出してきた。

    ホンダは、これまでF1活動を通じて培ってきた技術と人材の発展と展開により、モータースポーツ活動の強化ならびに、さまざまな商品と先進技術の開発に取り組んでいくい。

    株式会社ホンダ・レーシング 代表取締役社長 渡辺康治のコメント
    「8年間にわたり、両チームおよびRed Bull Powertrainsとの強い協力関係のもとで、F1の最前線に関わり続けられたことを誇りに思います。この期間にOracle Red Bull Racingが達成した数々の勝利とチャンピオンシップ獲得に、Hondaの技術と人材が貢献できたことは大きな喜びです。関係者の皆様に心より感謝申し上げます。HRCはこれまでの経験を糧に、今後もモータースポーツの発展とHondaの技術革新を推し進めていきます」

    本田技研工業 F1 ホンダ・レーシング

    ■ ホンダとレッドブル・グループのパートナーシップの歴史
    2018年 HondaがScuderia Toro RossoにPUの供給を開始
    戦いの中でPUをアップグレードさせていく
    2019年 Red Bull RacingにもPU供給を開始
    第9戦オーストリアGPでの第4期Honda F1初優勝を含め、3勝を挙げる
    2020年 Scuderia AlphaTauri(スクーデリア・アルファタウリ 旧Scuderia Toro Rosso)が
    第8戦イタリアGPにて悲願の初優勝を達成。Red Bull Racingと合わせて3勝を挙げる
    2021年 Red Bull Racingのマックス・フェルスタッペン選手がドライバーズタイトルを獲得
    Hondaに30年ぶりの栄冠をもたらす
    2022年 HRCによるRBPTを通じた技術支援を開始
    Red Bull Racingがコンストラクターズ、ドライバーズのダブルタイトルを獲得
    2023年 Red Bull Racingがコンストラクターズ、ドライバーズのダブルタイトルを連覇
    22戦中21勝という偉業を達成
    2024年 Red Bull Racingのフェルスタッペン選手がドライバーズタイトル4連覇を達成
    2025年 Red Bull Racingがコンストラクターズ3位、フェルスタッペン選手がドライバーズランキング2位、
    Visa Cash App Racing Bullsがコンストラクターズ6位でシーズンを終了

    ■ ホンダとレッドブル・グループのパートナーシップ情報まとめ(2018年~2025年)
    総レース数:172戦
    勝利数:72勝
    表彰台:141回
    ポールポジション:51回
    ドライバーズタイトル:4回
    コンストラクターズタイトル:2回最終戦でのマックス・フェルスタッペンの勝利にて、レッドブル・グループとのパートナーシップは当初の契約通り、区切りを迎えた。

  • ニューウェイ、アストンマーティンF1代表就任でも「設計の仕事は薄まらない」

    ニューウェイ、アストンマーティンF1代表就任でも「設計の仕事は薄まらない」

    エイドリアン・ニューウェイが2026年にアストンマーティンのチーム代表に就任するという衝撃の発表からわずか数日。最大の懸念とされていた「デザインチーフとしての仕事が削がれるのではないか」という声に対し、本人が明確に否定した。

    アストンマーティンは先週末、アンディ・コーウェルの後任としてニューウェイがチーム代表に就くと発表。コーウェルはホンダとのパワーユニット連携を強化するため、来季から別の要職に移ることになる。

    「デザインの仕事は絶対に薄まらない」──ニューウェイが明言
    ニューウェイは昨年アストンマーティンに加入し、マネージング・テクニカル・パートナーとして設計部門を牽引してきた。最強デザイナーがチーム代表も兼務するという大胆な編成について、専門家からは「ニューウェイの設計時間が奪われるのでは」と懸念が上がっていた。

    しかし、ニューウェイはスプリント予選後にSky Sportsへ次のように語り、その懸念を否定した。

    「僕がやりたいし、やる必要があるのはデザインの仕事だ。それが僕を毎朝ベッドから起こす原動力なんだ。だから、それを薄めるつもりはまったくない」

    仕事内容についても、「どうせ初期のレースには行くつもりだった。それならついでにチーム代表の仕事も引き受ければいい。実際の作業量は変わらないよ」と説明している。

    エイドリアン・ニューウェイ アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    2026年PU時代へ、コーウェルはホンダとアラムコ連携に専念
    今回の人事が行われた背景には、2026年の大規模レギュレーション変更がある。PU(パワーユニット)分野で莫大な作業量が見込まれる中、コーウェルはホンダ(PU)とアラムコ(燃料)の三者連携に集中することが最適と判断された。

    「2026年PUの難しさを考えると、ホンダ、アラムコ、そして我々をつなぐ調整役としてのアンディのスキルセットは完璧なんだ」とニューウェイは語る。

    その上で、コーウェル自身が「2026年前半はその役割に専念する」と申し出たことで、チーム代表職が空席になったという。

    早速結果も、アロンソがスプリント4番手
    発表翌日のカタールGPスプリント予選では、アストンマーティン勢が好調を示し、フェルナンド・アロンソが4番グリッドを確保。2026年の体制変更を前に、チームは確かな手応えを掴みつつある。