カテゴリー: ホンダF1

  • エイドリアン・ニューウェイ 2026年F1アクティブ・エアロ規則に“抜け穴”発見?

    エイドリアン・ニューウェイ 2026年F1アクティブ・エアロ規則に“抜け穴”発見?

    2026年F1レギュレーションを巡る物語の中心に、静かに、しかし確実に名前が浮かび上がってきているチームがある。アストンマーティンだ。その背景にいるのは、鎖ではなく製図板とノートを携えた“天才”。エイドリアン・ニューウェイである。

    フェラーリやレッドブルが新規則に対して堅実で直線的なアプローチを取っているとされる一方、イギリスからは、アストンマーティンがすでに次元の違う領域に足を踏み入れているのではないか、という噂が漏れ始めている。

    ニューウェイ初の完全監修車 AMR26の衝撃
    シルバーストン周辺の関係者(Radio Paddock/技術関係筋)によれば、アストンマーティンAMR26――ニューウェイの思想が最初から最後まで反映された最初のマシン――のシミュレーターデータは「恐ろしい」という言葉で表現されている。

    特に注目されているのは、コーナリング中の空力性能だ。Zモードとされる条件下では、ダウンフォースのピークがライバル勢の想定を大きく超え、他チームが“夢の中ですら見ない”水準に達しているという。

    もしこれが事実なら、2026年のF1は、開幕前から勢力図が大きく傾いている可能性すらある。

    アクティブ・エアロに潜む“ニューウェイの解答”
    2026年F1レギュレーションは、可動ウイングによるアクティブ・エアロダイナミクスを導入し、フロアはフラット形状を義務付ける。FIAは極端なグラウンドエフェクトやポーパシングを排除するため、各部の寸法と挙動を厳格に制限した。

    だが、イギリス側の情報では、ニューウェイがフロアの柔軟性と新しい可動ウイング形状の相互作用に「抜け穴」を見出した可能性が囁かれている。

    多くのチームが電動比率50%の新ハイブリッドパワーユニットへの適応に注力するなか、アストンマーティンは機械的なフロアの密閉性に焦点を当てたとされる。サスペンションの動きを利用した受動的な仕組みによって、コーナリング中にフロアを路面へと近づけ、実質的にベンチュリ効果に近い状態を作り出す。

    違法ではない。ただ、ニューウェイらしい。1998年、2009年、そして2022年と同様に、レギュレーションの意図を逆手に取る発想だ。

    アストンマーティンの賭け 天才にすべてを託す決断
    アストンマーティンは、2026年に向けて明確な選択をした。組織全体の平均点を引き上げるのではなく、ひとりの天才にコンセプトの中核を委ねるという決断だ。

    その結果がAMR26であり、ニューウェイ初の“白紙からの一台”である。これは単なる戦力強化ではなく、チームの哲学そのものを賭けた挑戦と言っていい。

    “ブラウンGP再来”の可能性
    もしアストンマーティンが、2009年のブラウンGPのような存在になったらどうなるか。

    開幕戦から他を圧倒し、「ただレギュレーションを最も深く理解していた」という理由だけで、シーズンの主導権を握る。そんなシナリオが、決して空想とは言い切れない段階に来ている。

    1月、AMR26のフロア周辺やフロントウイングのエンドプレートに“奇妙な解決策”が見えたとき、その答えはほぼ出るだろう。

    2026年F1の主役は、すでに決まりつつあるのかもしれない。アストンマーティンと、67歳の英国人が描いた設計図が、その運命を左右する。

  • レッドブルF1、ホンダとの8年間を総括する動画を公開「Arigato Honda」

    レッドブルF1、ホンダとの8年間を総括する動画を公開「Arigato Honda」

    レッドブル・レーシングとレーシングブルズは、ホンダとのパートナーシップ8年間を総括する動画「Thank You Honda For Eight INCREDIBLE Seasons Together!」を公開した。

    この動画では、両チームとホンダがともに築き上げた輝かしい歴史を回顧。2019年F1オーストリアGPでのホンダ初勝利、2020年F1イタリアGP(モンツァ)でのピエール・ガスリーの優勝、2021年F1アブダビGPでのマックス・フェルスタッペンの初のドライバーズタイトル獲得など、記憶に残る名場面が数多く収められている。

    8年間の協力関係の中で、オラクル・レッドブル・レーシングおよびビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズは、71勝、140回の表彰台、そしてドライバーズ世界選手権4冠を達成。動画は、単なる結果だけでなく、勝利までの過程やチームとホンダの結束の強さを象徴する内容となっている。

    チームはこの動画を通じて、ホンダへの感謝と敬意を改めて表明し、「我々はこれからもホンダのスピリットを胸に刻み続ける」というメッセージを発信した。8シーズンにわたる協業は、F1の歴史に刻まれる象徴的なパートナーシップとして語り継がれていくことになる。

  • ホンダF1、2026年にミズノ製ユニフォームを着用 2輪と4輪で統一デザイン

    ホンダF1、2026年にミズノ製ユニフォームを着用 2輪と4輪で統一デザイン

    ホンダ・レーシング(HRC)とミズノは、ユニフォーム供給についてのパートナーシップ契約を締結した。

    これにより、HRCスタッフは2026年からミズノ製の新ユニフォームを着用し、MotoGP、F1、北米のIMSA、インディカー、および、日本のスーパーフォーミュラ、SUPER GTシリーズ GT500クラスに参戦する。

    本パートナーシップにより、ホンダとして2輪、4輪の両カテゴリーで初の統一デザインスキームのユニフォーム導入が実現した。日米をまたぐ共通ユニフォームも初の試みとなる。HRCのエンジニアをはじめとするスタッフは、ブランドのアイデンティティが込められたユニフォームを身にまとうことで勝利への情熱を共有し、共に世界の舞台に挑む。

    <ミズノの思い>
    世界を舞台に挑戦するストーリーを通じてブランディングでのコラボレーションが実現する。

    モータースポーツ活動を通じて「技術」と「ブランドイメージ」を築き上げてきたHRCとは共通する価値観を感じている。

    長年スポーツの世界で培ってきた「機能」、「品質」を生かしたユニフォームにおいて勝利をサポートし、共にブランド力を高めていく

    新ユニフォームでの初戦は、IMSAの開幕前テスト『Roar Before The Rolex 24』(2026年1月17日~18日、米マイアミ州 デイトナ インターナショナル スピードウェイ)となる。
    (※全デザインの発表は26年1月中旬ごろを予定)

    また、新ユニフォームデザインをベースにしたアパレルグッズの展開も予定しており、ファンと感動と興奮を共有できる機会を創出していく。

    ミズノ株式会社 代表取締役専務執行役員 七條 毅のコメント
    当社は2026年に創業120周年を迎えます。この節目の年に、世界最高峰の舞台で戦うHRCをサポートできる機会をいただき、心より感謝申し上げます。本パートナーシップを通じ、勝利を目指し、喜びや感動を共有できることを誇りに思います。両社のブランドを象徴する統一デザインの新ユニフォームは、ファンの心を動かし、新たな価値を生み出すと信じています。この共創によって、未来に向けてさらなる挑戦と革新を共に実現できることを楽しみにしています。

    株式会社ホンダ・レーシング 代表取締役社長 渡辺 康治のコメント
    先進技術を駆使したスポーツ用品・アパレルで業界をリードするミズノと提携し、新時代のHRCを象徴する新ユニフォームを創ります。2026年は、Aston Martin Aramco Formula 1 Teamと組んでF1に新たに参戦するなど、Hondaにとって重要なシーズンが幕を開けます。各スポーツの現場で培われた信頼性と機能性を誇るミズノブランドとともに、HRCはさらなるブランド価値の向上を目指します。MotoGP、F1、IMSA、Indycar、スーパーフォーミュラ、スーパーGT、といった国内外の舞台で、スタッフ一丸となって勝利に向かって全力を尽くします。

  • セバスチャン・ベッテル、2026年のアストンマーティンF1とホンダの躍進を予想

    セバスチャン・ベッテル、2026年のアストンマーティンF1とホンダの躍進を予想

    2026年F1レギュレーションの大改革を前に、セバスチャン・ベッテルは今もF1の動向を注意深く見つめている。

    キャリアの最終章をアストンマーティンF1で過ごした4度のワールドチャンピオンは、来季は複数のチームがサプライズを起こす可能性があると見ている一方で、成功には単に「すべての道具」が揃っているだけでは不十分だと指摘する。

    ポッドキャスト『Beyond the Grid』に出演したベッテルは、2026年に向けた勢力図の再編について率直な考えを語った。大幅なレギュレーション変更によって恩恵を受けそうなチームについて問われると、依然として不確実性が大きいと強調している。

    「来年はアウトサイダーが一人ではないと思う。ルールや、それをチームがどう解釈するかについて、何が起きるか分からないからだ。だからこそ、エキサイティングなんだ」

    一方で、技術的な大変革は、しばしば大規模な組織を持つチームに有利に働くとも述べた。

    「大きなレギュレーション変更があると、今もっとも強いチームが成功する可能性が高いという議論は常にある。なぜなら、最高の組織を持っているからだ」

    「そう考えると、マクラーレンが本命と言えるかもしれない」

    本田技研工業

    2021年から2022年にかけてのアストンマーティンF1の成長過程を内部から経験してきたベッテルは、シルバーストンを拠点とする同チームが、ホンダとのパワーユニット提携を武器に、重要な役割を果たす可能性もあると見ている。

    「その後は、エンジンと、それがどう展開するかに大きく左右されるだろう。ただ、ビッグチームが中心になるはずで、リソースの観点から言えば、アストンもその一角に入る可能性があると思う。なぜなら、プロジェクトが始まった頃の様子を見てきたし、今ではそれらがある意味で完成しているからだ」

    「新しい風洞、ファクトリー、環境全体、シミュレーター、そしてホンダとのパートナーシップ。すべてが本当に機能するまでには時間が必要だ。そしてホンダはゼロからのスタートではなく、すでに何年もの経験を積んでいる」

    ただしベッテルは、潤沢な資源が必ずしも成功を保証するわけではないと強調する。

    「確かに、材料は揃っていると思うし、それはしばらく前からあった。でも、それらをすべてうまく噛み合わせることが、いかに難しいかも見てきた」

    「2023年は素晴らしいシーズン序盤を過ごしたが、終盤にかけて少し苦しんだ。そして2024年と2025年は彼らにとって厳しい年だった」

    「だからこそ、リソースも人材も揃っている。そうであれば、可能性はあるだろう」

  • ホンダ、2026年F1パワーユニットの最大の難題は「効率性」

    ホンダ、2026年F1パワーユニットの最大の難題は「効率性」

    ホンダは、2026年F1シーズンから導入される新たなパワーユニット規則について、エンジンメーカーが直面する最大の課題を明らかにした。大幅な電動化とコスト制限という二重の変化の中で、効率性とエネルギーマネジメントが決定的な要素になるという。

    2026年からF1は新レギュレーションに移行し、パワーユニットの構成も大きく変わる。排気熱から電力を回収するMGU-Hが廃止され、電動モーターと内燃機関の出力比率はほぼ50対50となる。

    MGU-H廃止と電動化比率の拡大
    「新しいエンジンにはMGU-Hがありません。排気ガスの熱エネルギーを電気に変換できなくなるため、ターボラグが発生し、それに対応する必要があります」と、ホンダ・レーシング・コーポレーション代表の渡辺康治は説明する。

    「もうひとつの大きな課題は、電動モーターの出力がほぼ3倍になる一方で、バッテリー容量はほとんど変わらない点です。鍵になるのは、エネルギーマネジメントをいかに効率的に行うかということです。これが新レギュレーションにおける最も難しい技術課題だと考えています」

    効率性が勝敗を分ける時代
    「効率性が新しいF1時代の決定的な要素になると思います」と渡辺は語る。

    「ホンダは先進的なバッテリー技術に誇りを持っています。世界最高水準だと考えていますので、その強みを最大限に生かしながら、エネルギーマネジメント性能をさらに高めていくことが重要です。また、2026年からはパワーユニットに対する予算上限が年間1億3000万ドルに設定され、設計、製造、供給にかかるすべてのコストが含まれます。大きな技術変革の時期に、エンジンサプライヤーの運営方法そのものが問われることになります」

    最大級の技術的チャレンジ
    一部のドライバーは、すでに2026年仕様のマシンをシミュレーターで体験しており、チーム側も詳細なシミュレーションを行っている。その結果、パワーの使い方に関する懸念も浮かび上がっている。例えばモンツァの長いストレートでは、1コーナーのブレーキングポイントよりもかなり手前でバッテリーの電力が尽き、最高速が低下する可能性があるという。

    「パワーユニットが電動50%、内燃機関50%になることで、電気エネルギーをどのように生成し、蓄え、どこでどれだけ使うかという効率を高める必要があります」と渡辺は述べる。

    「現在のパワーユニットでも、コーナーごとに精密なエネルギーマネジメントが求められていますが、2026年以降はその重要性がさらに増します。エネルギーマネジメントはコーナーごとに異なり、ひとつのサーキットだけでも何千通りもの組み合わせがあります。HRCでは、2万以上のデータポイントを処理し、最適なエネルギー配分を導き出す内部ソフトウェアを開発しています」

    「こうした作業は表に出にくいですが、テスト機会が限られている現代のF1では、デジタルシミュレーションが極めて重要です。特に2026年は電力消費が大幅に増え、エネルギー回生と供給の管理がより複雑になります。プロジェクト全体の中でも、最大級の技術的挑戦だと考えています」

    アストンマーティンとの集中体制
    ホンダは2026年からアストンマーティンにのみパワーユニットを供給する。これにより、これまで4台分得られていたフィードバックは2台分に減るが、将来的な拡大の可能性は残している。

    「現時点では、他チームへの供給は考えていません。我々はアストンマーティンとともに勝つことに集中したいと考えています」と渡辺は語る。

    「将来的に、複数チームに供給することで追加のフィードバックが得られるなどの利点があるのであれば、その可能性は検討すると思います。ただし、それは近い将来の話ではありません」

    1964年からF1に参戦してきたホンダは、その長い経験を背景に、新時代への挑戦に自信を示している。アストンマーティンと一体となった体制で、2026年F1シーズンにおける競争力確保を目指していく構えだ。

    東京で行われる発表イベント
    ホンダは、2026年F1パワーユニットを東京で開催される特別イベントで発表することを明らかにしている。

    発表は2026年1月20日13時(現地時間)に予定されており、イベントには本田技研工業の代表執行役社長である三部敏宏、F1のステファノ・ドメニカリ、そしてアストンマーティンのエグゼクティブチェアマンであるローレンス・ストロールが登壇する。

    本田技研工業

  • ホンダ、2026年F1パワーユニットを1月20日に東京の特別イベントで発表

    ホンダ、2026年F1パワーユニットを1月20日に東京の特別イベントで発表

    ホンダは、アストンマーティンとのF1復帰を前に、2026年F1パワーユニットを東京で開催される特別イベントで発表することを明らかにした。

    来季から導入される新たなパワーユニット規則の時代に向けて、ホンダはエンジンサプライヤーとしてF1に復帰する。ホンダは2021年末にレッドブルとの提携から正式に撤退していた。

    その後、この決定を事実上撤回し、2025年シーズン終了までレッドブル・パワートレインズに対して技術支援を提供し続けていたものの、日本の自動車メーカーがグランプリレースに正式復帰することはなかった。

    その代わり、ホンダは2026年の新レギュレーションにすべての焦点を当ててきた。この新規則では、電動エネルギーの使用量が現在の120kWから最大350kWへと約3倍に増加し、MGU-Hは廃止され、燃料は100%合成燃料が使用される。

    2015年に不振に終わったマクラーレンとのプロジェクトでターボハイブリッド時代に参入した際とは異なり、今回はブランクイヤーを設けることなく、ホンダはアストンマーティンと組む。アストンマーティンは、エイドリアン・ニューウェイを迎え入れ、シルバーストンに最先端施設を整備するなど、世界選手権制覇を目指している。

    新パワーユニットは、2026年1月20日13時(現地時間)に東京で発表される。

    イベントの登壇者には、ホンダの代表執行役社長である三部敏宏、F1のステファノ・ドメニカリ、そしてアストンマーティンのエグゼクティブチェアマンであるローレンス・ストロールが名を連ねる。

    ホンダ F1 本田技研工業

    2026年F1復帰を象徴する東京発表の意味
    今回の東京での発表は、ホンダが2026年F1レギュレーションを軸に再スタートを切る姿勢を明確に示す場となる。レッドブルとの技術支援を水面下で継続しながらも、正式な参戦復帰は見送り、電動比率拡大やMGU-H廃止といった大転換期に照準を合わせてきた経緯が、このイベントによって可視化される形となる。

    また、F1、アストンマーティン、ホンダのトップが同席する構成は、このプロジェクトが単なるエンジン供給にとどまらず、2026年F1時代を象徴する戦略的パートナーシップであることを強調するものとなっている。

  • アストンマーティンF1 ホンダPU搭載2026年マシンを公式テスト前に初走行へ

    アストンマーティンF1 ホンダPU搭載2026年マシンを公式テスト前に初走行へ

    2026年のF1プレシーズンテストは1月26日に始まる予定で、今季のオフシーズンは過去最短となる。各チームとドライバーは、十分に休息を取る間もなく来季への準備に入らなければならない。

    そうした中で注目を集めているのがアストンマーティンF1だ。同チームは2026年からホンダ製パワーユニットを搭載し、新たな時代を迎える。メルセデス製エンジンに注目が集まりがちだが、2026年に向けてホンダが非常に競争力のある存在になる可能性を指摘する声も増えている。

    アストンマーティンの冬季スケジュールに関する新たな報道は、ホンダの開発状況が順調であることを示唆している。

    アストンマーティンは来月中にも2026年型F1マシンを初披露する可能性があるとみられている。

    現代のF1ではプライベートテストが厳しく制限されており、レースウィークエンド以外でデータを収集できる機会は極めて限られている。風洞やシミュレーターは年々高度化しているが、実際のサーキット走行に完全に代わるものではない。

    そのため、各チームに年間200kmまで認められている「フィルミングデー」での走行は非常に重要だ。走行距離は限られるものの、公式セッション以外でマシンを実地で確認できる貴重な機会となる。

    先に報じられているとおり、アウディは年明け早々にフィルミングデーを活用し、特にパワーユニットの基本的なチェックを行う予定だとされている。サーキットで得られるデータと、ファクトリーでの数値との相関を確認できる点も大きい。

    伊メディアによれば、こうした計画を持つのはアウディだけではない。アストンマーティンも、プレシーズンテストの数週間前となる1月初旬にプライベートテストを実施することを目指しているという。

    アウディと同様に、アストンマーティンも2026年に向けて全く新しいエンジンを投入する。ホンダは2026年の内部目標を達成したと理解されており、来季から英国チームのパワーユニットを担当する。

    レッドブル・レーシングとの協業で豊富な勝利経験を持つホンダだが、レギュレーション初年度に新チームと統合する作業は依然として大きな挑戦だ。だからこそ、年初のプライベートテストは、この適応期間を和らげる助けになる可能性がある。

    もっとも、公式テスト前に走行を行うには、マシンの信頼性に相応の自信がなければならない。その点で、ホンダとアストンマーティンの陣営には2026年型マシンに対する慎重な楽観論が広がっているとされ、来月中のシェイクダウンを実施できるだけの確信があるとみられている。

    移行初年度を安定して迎えるために
    冬の間に流れる報道を過度に分析すべきではない。2026年の開発競争に関する情報源が限られているとはいえ、慎重さは必要だ。

    それでも、アストンマーティンとホンダのプロジェクトを巡る情報が、ここ数週間で概ね前向きなものになっているのは事実だ。少なくとも、2015年にホンダがマクラーレンと組んだ際のような壊滅的なスタートを想定する声は聞かれない。

    焦点となるのは、さくらのファクトリーがフロントで戦えるだけの性能を提供できているかどうかだ。

    当然ながら、特にエンジン性能はシーズンを通して進化していく。今後12か月で勢力図が変化することは避けられない。

    それでもホンダは、十分な出力、電動効率、そして信頼性を備えたパワーユニットを目標に掲げており、その上で開発を積み重ねていくための土台を築こうとしている。このプロジェクトへの投資規模を考えれば、重大な問題が発生すれば士気に大きな打撃となる。

    もっとも、ホンダが困難から立ち直る能力を持つことは、2015年から2021年にかけての復活が証明している。マクラーレンからの強い要請で準備が整う前にデビューを強いられた状況を乗り越えた経験もある。

    とはいえ、良好なスタートを切れるかどうかは、アストンマーティンF1が2026年に本格的なコンテンダーとなる可能性を大きく左右する。現時点で聞こえてくるホンダのエンジンに関する評判は、日本メーカーが足かせになることはない、という見方を示している。

  • ランス・ストロールは「もはやF1にふさわしくない」 ラルフ・シューマッハが酷評

    ランス・ストロールは「もはやF1にふさわしくない」 ラルフ・シューマッハが酷評

    ラルフ・シューマッハが、アストンマーティンのランス・ストロールに対する批判をさらに強めた。2025年シーズンも、チームメイトのフェルナンド・アロンソに完全に上回られたことを受けてのものだ。

    Sky Deutschlandに対し、シューマッハはストロールの2025年のパフォーマンスについて「トップチームのシートを占めるドライバーとして、もはや受け入れられるレベルではない」と語った。

    「彼がやっていることは、シートを維持できる内容ではない」とシューマッハは述べ、シルバーストンを拠点とするチームを所有する大富豪ローレンス・ストロールを父に持つ27歳のストロールを名指しで批判した。

    さらにシューマッハは、マクラーレンの育成ドライバーでありF2王者のレオナルド・フォルナローリを引き合いに出し、「正直なところ、F2チャンピオンがこれほど良い走りをしているのを見ると、彼こそが千回でも、ああいったクルマに乗るに値する」と称賛した。

    元F1勝者であるシューマッハは、続けてこう踏み込んだ。

    「そこで何が起きるのか、私自身も興味がある。なぜなら、正直に言って、この問題に対してはローレンス・ストロールでさえ、いつまでも目をつぶり続けることはできないからだ」

    「私の意見では、彼はもはやF1にいるべきではない候補だ。間違いなくね」

    2025年の数字は、その差を明確に示している。予選では全24回すべてでアロンソがストロールを上回り、決勝でも大半のレースで前に出た。獲得ポイントも、アロンソの56点に対し、ストロールは33点にとどまっている。

    2026年には、ホンダのワークスパワーユニットと自社製ギアボックスを初めて投入し、エイドリアン・ニューウェイ設計のアストンマーティンで、ストロールと44歳のアロンソがレースに臨む予定だ。

    数字と評価が示す「父のチーム」という限界
    シューマッハの発言は感情論ではなく、結果に裏打ちされた厳しい評価だ。24戦全敗の予選成績と、明確なポイント差は、同一条件下での競争力の差を否定しようがないことを示している。

    しかも2026年のアストンマーティンは、ホンダのワークス支援とニューウェイの空力思想を得るという、チーム史上最大級の転換点を迎える。その局面でなお結果を残せなければ、「オーナーの息子」という立場だけでは正当化できない、というメッセージが今回のシューマッハの言葉には込められている。

    一方で、フォルナローリの名前を挙げた点は、単なる批判にとどまらず、F1が本来持つべき実力主義への問題提起でもある。2026年に向けたアストンマーティンの選択は、チームの未来だけでなく、F1全体の価値観をも映し出す試金石になりそうだ。

  • HRC 渡辺康治社長 インタビュー「ホンダはF1なしでは生きられない」

    HRC 渡辺康治社長 インタビュー「ホンダはF1なしでは生きられない」

    なぜ今、ホンダは再びF1に戻るのか。その問いに対し、ホンダ・レーシング・コーポレーション(HRC)社長の渡辺康治は、迷いなくこう語る――「ホンダはF1なしでは生きられない」。

    2026年、新しいパワーユニット規則のもとで始まるF1の次の時代。アストンマーティンとのワークスパートナーシップ、電動化とサステナブル燃料への本格移行、そして“勝つため”に築かれるワンチームの哲学。

    そのすべてを、さくらからシルバーストーンへと続く率直なUNDERCUTインタビューシリーズの最新回として行われた1時間のインタビューの中で、渡辺康治が明かした。

    17:27。

    平日のこの時間、多くの人々は仕事を終え、ログオフし始める頃だ。

    だが、渡辺康治は“多くの人”ではないし、モータースポーツも“多くの産業”とは違う。さくらを拠点にし、約9500km離れ、9時間の時差があるF1チームとワークスパートナーシップを進めていると理解すれば、彼の仕事が決して9時〜17時で収まらないのは当然だ。

    ちょうど彼は、アストンマーティンのエグゼクティブ・チェアマンであるローレンス・ストロールとの電話を終えたところで、このUNDERCUTインタビューが終わると、19時からはエイドリアン・ニューウェイとの“典型的な『激しい電話』”が控えており、その後にはアンディ・コーウェルとの通話も続く。

    ストロール、ニューウェイ、コーウェルという面々の間にこのUNDERCUTインタビューが挟まれていると考えると、渡辺氏の火曜夕方の通話リストの中では少し“地味”に思えるかもしれないが、彼はこの率直なインタビューシリーズの熱心な読者であることをすぐに強調する。

    40年に近いキャリアの中で彼はホンダとともに世界各地を飛び回り、ヨーロッパ、アメリカ、中国での役職も務めてきた。自動車事業、コミュニケーション、モータースポーツ、さらには企業の最上層部での職務も経験してきた。現在、彼はHRCを率い、MotoGPからインディカー、そして今ではアストンマーティン・アラムコ・フォーミュラワン・チームとの本格的なワークスパートナーとしてのF1復帰まで、世界中のモータースポーツ活動を統括している。

    新しいパワーユニット規定はホンダにとって大きなチャンスだ。なぜなら、F1は、そして過去においても、ホンダにとって決して“マーケティング主導”の活動ではなかったからだ。F1は実験室である。ホンダがその実力を試し、開発技術を研ぎ澄まし、エンジニアたちに挑戦させる場だ。それは回転扉のようなものであり、ホンダの技術力をモータースポーツの頂点に投入すると同時に、そこで得た知識と経験を社内に持ち帰り、ホンダ全体を強くする。競争という坩堝は、アイデアを試す“試験場”であると同時に、才能を磨く“仕上げの学校”でもある…。そして、我々は2026年のF1マシンのエンジンカウルにあの有名なホンダのロゴを掲げられることを、心から誇りに思っている。

    だが、これは誇りだけの話ではない。非常にワクワクする話なのだ――もっとも、そのワクワクには“期待”という重みが加わっている。賭け金は大きく、期待値は途方もなく高い。冷静な判断と豊富な経験が求められる局面であり、我々の味方として渡辺康治以上にふさわしい人物はいない。ここでは、彼が語ったことを紹介する――。

    渡辺さん、あなたはF1からインディカー、MotoGPまで、モータースポーツ界で広く知られた存在です。ただ、ここまで到達された背景――あなたを突き動かし、インスピレーションを与えているものは何でしょうか?
    私はモータースポーツが大好きです。情熱があります――そして幸運なことに、これはホンダの哲学と非常に合致しています。“挑戦の哲学”です。高いハードルに挑むこと。これはレースにおいて重要であると同時に、ホンダという会社の特徴でもあります。挑戦し、高い目標に向かって進むことが、常に会社を前進させてきました。これは会社の全員、そしてもちろん私自身をも鼓舞する精神です。

    次に技術です。モータースポーツは技術の戦場です。激しく、容赦がありません。技術を向上させる素晴らしい舞台であると同時に、私たち自身のエンジニアを育て、彼らの才能を最大限に引き出し、さらに高いスキルのレベルへと引き上げる場でもあります。

    そして最後に、“喜び”があります。レースをすることは…本当に楽しいです。ファンの皆さんとモータースポーツへの情熱や、走ることの楽しさを共有できるというのは、非常に特別なことです。

    では、なぜ“今”がホンダにとって、F1における次の章をパワーユニットメーカーとして始める正しいタイミングなのでしょうか? 2026年のレギュレーションの何が、ホンダを再びF1へ引き戻したのですか?
    ホンダは、おそらくF1なしでは生きられない会社です。ただ、技術という観点で申し上げると、2026年のパワーユニット規則の変更は、ホンダがF1へ復帰する決断をするうえで非常に重要な要因でした。

    この規則では、内燃機関(ICE)と電動モーターの出力配分が50:50になることが求められ、後者――つまり電動モーターの出力は120kWから350kWへと、ほぼ3倍に引き上げられます。

    さらに、先進的な持続可能燃料(サステナブル燃料)の使用が必須になりますので、これはホンダの将来の推進システムに関する哲学と強く一致するものです。

    そして、これは我々の事業の方向性とも合致しています。モータースポーツの頂点は、技術を磨き、技術的能力を向上させ、ホンダのすべてを世界に示すことができる舞台です。これはホンダの将来にとって非常に重要なことです。

    本田技研工業

    では、なぜアストンマーティン・アラムコなのでしょうか? ホンダが次のF1時代のパートナーとして、このチームが“正しい相手”だと確信した理由は何ですか?
    私たちは、パートナー選びには常に慎重です。今回のケースでは、アストンマーティンのリーダーシップ、そしてローレンス・ストロール会長の情熱とビジョンに非常に感銘を受けました。彼は非常に競争心が強く、常に“勝つ”という視点を持っています。とても印象的です。

    AMRテクノロジーキャンパスの新しい施設を見れば、その勝ちたいという思いが表れていますし、ここ数年で経験豊富な人材を迎え入れて組織が強化されてきたことからも、その意志を強く感じます。チームのコミットメントと集中力は非常に強く、そこが私たちにとって非常に魅力的でした。ワクワクする要素でもあります。

    ホンダのエンジニアたちは、アストンマーティン・アラムコ側のエンジニアとどれくらい密接に協力しているのでしょうか? 世界をまたぐ連携はどのように機能しているのですか?
    両者のエンジニア同士の関係は、現在すでに非常に強いものですが、プロジェクトが進めば進むほど、さらに深まり、密度が増していくと期待しています。

    スタート地点で我々に共通していたのは“勝利への精神”です。そして、ローレンスをはじめ、AMRテクノロジーキャンパスのリーダーシップ陣と話すと、常に“ワンチーム”であるという感覚がありました。これは非常に重要なことです。“One Team”の哲学です。

    現在、アストンマーティン・アラムコのエンジニアが日本のHRCさくらに駐在しており、HRCのエンジニアもシルバーストーンのAMRテクノロジーキャンパスにいます。
    私たちは非常に密接に連携しており、両組織の間では膨大な量の知識と経験が行き交っています。

    では、時差の問題はどうでしょうか? さくらとシルバーストーンは9時間の差があります。
    これは逆に、我々の強みにできる部分だと思っています。日本が働いているとき、イギリスは眠っていて、イギリスが働いているとき、日本は眠っている。つまり、このプロジェクトは24時間動き続けるということです。誰かが出社すれば、もう片方のチームから新しい結果やデータが届いている――そんな形で前に進んでいます。

    ニューウェイがアストンマーティン・アラムコに加入した後の最初の会議では、皆で大笑いしたそうですね。また一緒ですね!という雰囲気だったとか。彼との再会は嬉しいものでしたか? そして、彼が2026年マシンのシャシーを担当することで、PU開発の後半にも影響が出ているのでしょうか?
    彼が加入して最初の会議では、本当にたくさん笑いました。“ああ、またこうして一緒に仕事をするんですね!”という感じでした。彼がチームにいることは本当にエキサイティングですし、もちろん彼の能力に対する尊敬の念は非常に大きいです。

    パワーユニットの開発に関しては、私たちには我々のプロセスとスケジュールがありますし、エイドリアンも初日からシャシー側で同じように“勝てるものを作る”ために仕事をしています。
    ですので、その2つが交わる部分では非常に密にコミュニケーションを取りながら進めています。

    では、エイドリアン・ニューウェイとの議論はどのようなものなのでしょうか?
    エイドリアンとは頻繁に連絡を取り合っていますし、やり取りはいつもかなり“濃い”ものになります。意見や提案、フィードバックの交換が続きます――ただし、その目的は常に“勝つため”です。

    私たちが技術的な議論をしているとき、それが部品のディテールに関することでも、競合分析でも、人材をどうマネジメントして最大限に力を引き出すかでも、あるいはコストキャップの中でどう最適化するのかでも、話題は何であれ、議論の焦点は“どう勝つか”にあります。

    つまり、最終的には常に“勝つこと”に行き着くということでしょうか? 勝つことこそが唯一の重要な要素なのですか?
    焦点が常に“勝つこと”に向いているのは確かですが、もう一つ付け加えたいことがあります。

    以前のUNDERCUTインタビューで、エイドリアンが“これはすべて人の話である”という哲学を説明していましたが、私はこの考え方に完全に同意しています。

    F1は“人のスポーツ”です。私たちは技術や開発について多く話しますが、そのすべては人のアイデアや情熱、努力から生まれます。これはホンダにとっても絶対に当てはまることです。

    ホンダ F1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    エイドリアン・ニューウェイは複数のワールドチャンピオンシップを獲得し、ホンダも同じです。しかし、アストンマーティン・アラムコはまだタイトルを獲得していません。ホンダは、初めて世界選手権獲得を目指すチームに、どんな“学び”を提供しているのでしょうか?
    すべては“ワンチームであること”に戻ると思います。パートナーを信頼し、尊重しながら、共に改善を続けることが重要です。

    ホンダはこれまで何十年にもわたり、さまざまなチームにエンジンやパワーユニットを供給してきました。非常に良い結果が得られた日や年もあれば、結果が振るわなかった日や年もあります。

    どんな結果が出たとしても、“一つのチームであり続けること”が重要です。

    F1は…とても厳しい世界です。望んでいた結果が得られないときには、改善するのが難しいこともあります。

    しかし、それでもパートナーとの信頼関係と尊重の姿勢を維持することは絶対に不可欠です。

    全く新しいパワーユニット規則は、F1にとって大きな転換点となります。ホンダにとっての最大の課題とチャンスは何ですか?
    新しいパワーユニットでは、MGU-H――排気ガスの熱エネルギーを電気エネルギーに変換する要素――が廃止されます。これは“ターボラグ”という新しい課題を扱わなければならないことを意味します。

    もう一つの課題は、電動モーターの出力を3倍にしながら、エナジーストア(バッテリー)の容量はほとんど変わらないことです。ここで鍵になるのは、“エネルギーマネジメントをいかに効率化するか”です。これが新レギュレーションで最も難しい技術課題です。

    F1の新時代において決定的な要素となるのは“効率”です。ホンダは世界で最も進んだバッテリー技術を持っていると自負していますので、この強みを生かすと同時に、エネルギーマネジメント性能をさらに高める必要があります。

    また、2026年からはパワーユニットのコストキャップも導入され、年間1億3000万ドルで、パワーユニットの設計・製造・供給に関わるすべてのコストが対象になります。これは非常に重要なテーマであり、大きな技術変化が起こるタイミングで導入されるという点でも大きな転換となります。

    私は、これらの課題に十分に対応できると確信しています。ホンダは1964年からF1で経験を積み続けてきましたし、アストンマーティン・アラムコと“ワンチーム”として協力していけば、新時代のF1でも非常に競争力を発揮できると信じています。

    50:50の出力配分は、F1にとって大きな変化です。これはマシンにどんな影響を与えるのでしょうか?
    出力をICEと電力の50:50にするということは、より多くの電力を発電・蓄電しなければならないということになりますが、それだけでなく、“どこで、どのくらい使うか”を管理する必要があります。

    これは新しい話ではありません。現在のパワーユニットでも、どこでエネルギーを回生し、どこで展開するかは慎重に管理されています。ただし、2026年ではこれがより重要になります。

    コーナーごとにエネルギーの使い方が異なり、1つのサーキットで何千通りものエネルギー使用パターンが存在します。HRCでは、2万以上のデータパラメータを扱いながら、最適なエネルギー使用パターンを決めるためのソフトウェアを独自に開発しています。

    これは一般的にあまり注目される作業ではありませんが、現代のF1ではテスト走行の機会が限られているため、こうしたデジタル技術やシミュレーションは極めて重要です。特に2026年では、電力量が増えることでエネルギー回生と展開の管理が複雑になりますので、これはプロジェクトの中でも最も重要な技術課題の一つです。

    1チームのみにパワーユニットを供給することは、開発のためのデータ量という点で不利になる可能性はありますか?
    将来的にカスタマーチームへの供給を検討する可能性はありますか?

    現時点では、他チームへの供給は考えていません。私たちはアストンマーティン・アラムコと“勝つこと”に集中したいと思っています。

    もちろん、将来的に複数チームへ供給することでメリットがあると判断される場合には、検討の余地はあります。

    少し前の話題になりますが、2026年に導入される“先進的サステナブル燃料”について触れられました。この変更はどれほど重要なものなのでしょうか?また、ホンダとアラムコは、AMR26のための燃料ブレンドをどのように共同開発しているのですか?
    100%の先進的サステナブル燃料へ移行することは、F1にとって重要であるだけでなく、より広い意味で“持続可能な世界”を実現する上でも大きな意味があります。乗用車をグローバルに製造している企業として、カーボンニュートラリティの達成はホンダにとって非常に重要な課題です。

    私たちはアストンマーティン・アラムコとの技術協力契約に加えて、アラムコ、バルボリンとも契約を結んでおり、先進的なサステナブル燃料だけでなく、先進的な潤滑油についても非常に緊密に共同開発を行っています。ここでも、アンディ・コーウェルが新しいチーフ・ストラテジー・オフィサーとして深く関与しています。

    ホンダは長年のレース用燃料・潤滑油開発で蓄積してきた知見を共有しつつ、非常に進んだ技術の開発をともに進めています。

    AMR26の発表が2月9日に迫っています。2026年にアストンマーティン・アラムコとホンダがともに走り出す姿をファンが初めて目にするその瞬間、
    どんな気持ちを感じてもらいたいと思いますか?

    ファンの皆さんには、“本当に新しい時代が始まる瞬間だ”と感じていただきたいです。

    私たち全員がこのスタートに非常にワクワクしていますし、最初にマシンがコースへ出ていく瞬間こそ、その喜びと興奮を皆さんと共有できる時だと思っています。

    そして、あなたにとって2026年の“成功”の定義とは何ですか?どのようなシーズンになれば成功だったと言えるのでしょうか?
    “成功の定義”…これは、私にとって2026年が、アストンマーティン・アラムコとホンダの間で築いてきたパートナーシップが、計画どおりに“一つの統合されたチーム”として機能していると確認できる年であることだと思っています。

    そして、私たち自身が掲げた価値観を実現し、パフォーマンス目標を達成できることです。

    ただし、私たちが予測できないこと――それは“競争相手がどんな状態か”という点です。それが分からない段階では、シーズンの結果について、内部目標以上のことを語ることはできません。

    もちろん長期的には、このパートナーシップの究極の目標、そして私たちが考える“成功”とは世界選手権を獲得することです。

    これは長期的な視点で取り組むべきものです。アストンマーティン・アラムコとの関係は、単なる技術的協業を超え、“共通のビジョンを共有する関係”へと進んでいます。

    AMRテクノロジーキャンパスには大きな情熱があり、同時に非常に高いクオリティがあります。

    そしてそこにホンダの開発力と、勝てるパワーユニットを提供する能力が合わされば、2026年だけでなく、27年、28年、そしてその先でも成功を収められる可能性があります。

    私たちは今、“とても特別なものの始まり”に立っているのだと思います。

    2026年F1パワーユニット構築のための6ステップガイド――HRC社長・渡辺康治に、そのプロセスを分解してもらいました:
    2026年のパワーユニットは、1.6リッターV6の内燃機関(ICE)を中心に、ターボチャージャー、そしてブレーキングから運動エネルギーを回収・再利用するモーター・ジェネレーター・ユニット(MGU-K)で構成されます。またエナジーストア――つまりバッテリー――と、コントロールエレクトロニクスも含まれます。

    目標は、パワーユニットの熱効率(燃料に含まれる総エネルギーに対して“有効な仕事”として変換される割合)を50%程度にすることです。これは、現在の市販車よりも高い値です。

  • ホンダ、2026年F1パワーユニット遅延説を一蹴「実走確認段階に入っている」

    ホンダ、2026年F1パワーユニット遅延説を一蹴「実走確認段階に入っている」

    ホンダは、元アルピーヌF1代表マルチン・ブドコウスキーが最近広めた「ホンダの2026年型パワーユニットが遅れている」との噂を明確に否定した。両者は、2026年に向けた公式バルセロナテストに全面的に参加することを確認している。

    ホンダの渡辺康治CEOは、開発状況について「完全なパワーユニットはすでにAMR26に搭載されており、実走確認段階に入っています。すべてが順調に進めば、この仕様を量産段階に持ち込む予定です」と語った。

    また、フェルナンド・アロンソも遅延説を一蹴し、1月に予定されているテストに向けて、すでにシート合わせの日程や渡航手配が組まれていることを明かしている。

    こうした公式コメントにより、アストンマーティン=ホンダの2026年プロジェクトが計画通り進行していることが改めて強調された形だ。

    ホンダ F1 本田技研工業

    2026年に向けた安心材料となった“エンジンサウンド”公開
    このタイミングでホンダは、2026年からアストンマーティンのF1マシンを駆動する次世代パワーユニットのエンジンサウンドも公開した。1.6リッターV6ターボのテストベンチ音声を短いクリップとして投稿し、アストンマーティンも公式SNSでこれを共有している。

    映像は一切なく、音だけの公開だったが、その反応は極めて大きかった。回転数の上昇とともに鋭い咆哮が響き、素早いシフトダウンでは攻撃的なブリッピングとバブル音が重なる。機械的で切迫感のあるサウンドは、「2026年でもF1らしさは失われない」というメッセージを強く印象づけた。

    アストンマーティンのインスタグラムでは、数時間で20万件以上の「いいね」と2000件を超えるコメントが集まり、ファンからは安堵や興奮の声が相次いだ。

    電動化時代でも“音”は健在というメッセージ
    2026年からF1は電動比率を大きく高めた新パワーユニット規則へ移行する。そのため、エンジンサウンドが抑えられるのではないかという懸念が以前から広がっていた。

    ホンダの今回の音声公開は、そうした不安を和らげるものとなった。技術的な数値や設計の詳細は一切明かされなかったが、「音」そのものが、開発が順調であることと同時に、F1のキャラクターが継続されることを示している。

    2026年からアストンマーティンはホンダのワークスパートナーとして新時代を迎える。レッドブルとの成功の歴史を経て始まる次の章に向け、少なくとも現時点では、開発の遅れを示す兆候は見られない。