カテゴリー: ホンダF1

  • ピエール・ガスリー 「ホンダは大きなステップを果たした」

    ピエール・ガスリー 「ホンダは大きなステップを果たした」

    トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーは、エンジンパートナーのホンダが先週末のF1バーレーンGPで“大幅なステップ”を果たしたと称えた。

    ピエール・ガスリーは、F1バーレーンGPでQ3進出を果たして6番手タイムを記録。決勝でも安定したパフォーマンスを披露して4位入賞を果たした。

    ピエール・ガスリーの4位は、2015年にマクラーレンのパートナーとしてF1復帰して以降、パフォーマンスと信頼性不足に悩まされてきたホンダにとってのベストリザルトとなる。

    トロロッソ・ホンダのバーレーンでのパフォーマンスは、開幕戦オーストラリアGPとは正反対のものだった。メルボルンでは両方のドライバーがQ1で敗退し、ピエール・ガスリーは最下位。レースでもブレントン・ハートレーが最下位、ピエール・ガスリーはMGU-Hのトラブルによるリタイアという今後を不安視されるものだった。

    「彼らは大きなステップを果たした。それは間違いない」とピエール・ガスリーはコメント。

    「正確に比較するのは難しいし、数値を言いたくはないけど、彼らはかなり大きなステップを果たしている」

    「僕たちは今週末新しいMGU-Hを導入したけど、それは信頼性の部分だけだ。僕たちはその良さには驚いている。2週間前にはあまりパフォーマンスを発揮できなかった。ようやく僕たちはセットアプを変更したし、空力プラットフォームははるかに良くなっていると思う」

    「僕たちはより多くのダウンフォースと少ないドラッグを手にしたように思う。全てが改善されていたし、コーナースピードと直線は週末をしてかなり良かった。F1で4位でフィニッシュするためには良いエンジンが必要だし、エンジンは優れてる」

    F1参戦7戦目で初ポイントを獲得したピエール・ガスリーは、4位入賞はグランプリに勝ったのと同じような気分だと語り、トロロッソはシーズンを通してホンダと進歩を続けていけることを願っていると述べた。

    「ペースは強かった。僕たちは後ろのマグヌッセンよりも速かった。他の人たちやルノー勢と比較してどうかはわからないけど、僕たちは両方のコンパウンドでデグラデーションもなく速かった」

    「今週末はクルマのセットアップとタイヤについてメルボルンよりもはるかに理解していたのは間違いない。それが今後数レースでも役立つことを願ってる」

  • ホンダF1 「パッケージとして着実な進化を感じている」/ F1バーレーンGP

    ホンダF1 「パッケージとして着実な進化を感じている」/ F1バーレーンGP

    ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治が、トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーが4位入賞を果たしたF1バーレーンGPの決勝レース後にコメントを発表した。

    トロロッソ・ホンダが2戦目にして4位入賞という大殊勲の結果を残した。5番グリッドからスタートしたピエール・ガスリーは、終始安定したパフォーマンスで後続からのプレッシャーを跳ね除け、上位勢のリタイアというチャンスをしっかり掴んで4位でフィニッシュ。

    ピエール・ガスリーと新生トロロッソ・ホンダはF1初入賞。ホンダF1としても2015年にF1復帰してからのベストリザルトとなる。

    田辺豊治は「今日はエキサイティングなレースの中で、両ドライバーともに安定したレースを見せ、2台とも完走できたことに満足しています」とコメント。

    「開幕戦でのPUのトラブルの後、HRDさくらとミルトンキーンズにいるメンバー全員が、本当に懸命に作業を続けてくれました。その努力が今日の結果に結びついたと思っています。また、ここまでの信頼性改善と、トロロッソによるシャシーのアップデートにより、パッケージとして着実な進化を感じています」

    「今夜だけはこの瞬間を楽しみたいと思いますが、まだまだ始まりにすぎません。また明日からは、来週、上海での中国PGに向けた準備に全力で取り掛かります」

    関連:F1バーレーンGP 結果:セバスチャン・ベッテルが優勝!ガスリーが4位!

  • 【F1】 F1パワーユニットと熱の関係

    【F1】 F1パワーユニットと熱の関係

    F1パワーユニットの話題でたびたび登場する”熱”の問題。具体的にどんな影響があるのか、ホンダF1のエンジニアが解説した。

    常に温かい場所を求めて年間カレンダーが組まれているF1において、気候に関する不満を聞くことはほとんどない。ただ、F1マシンのパワーユニットは非常に高温な状態で機能しているので、あまりにも暑すぎる気温は、そのパフォーマンスに影響を及ぼす場合がある。

    第2戦の開催地バーレーンは、昼間の気温は30℃以上、夜になって下がっても20℃中盤。そのような環境で、パワーユニットはどうなるのだろう?

    ホンダF1のチーフエンジニア中村聡は「気温が上がると水温、油温、吸気温度も上昇します。特に温度が上昇するのが、インダクション(エンジンが外気を吸入する部分)です。ここの温度が上がると、マシンのパフォーマンスや信頼性に大きな影響が出てしまいます」と説明する。

    「燃焼のタイミングが悪いと、高温が原因でノッキング(異常燃焼の一種)が発生する場合があります。すると、それを防ぐためにパフォーマンスを一時的に引き下げなくてはいけません。なので、エンジニアは常に温度が上がり過ぎないように気を付けています。ノッキングはマシンにダメージを与えてしまうため、パフォーマンスと信頼性の面で大きな悪影響があります」

    外気温が30℃を超えると、エンジニアはより注意深く温度をモニターするようになりる。何故なら、パワーユニットもその変化を敏感に察知するからだ。

    「パワーユニットにとって最適な気温は20~21℃です。また、極端に低い気温に対しては、エンジンマッピングを行っていません。実際のレースで必要がないからですが、そういった意味で、低すぎる外気温もパフォーマンス面ではよくはありません。エンジンマッピングを行っていれば、パフォーマンスをより向上させることができると思います。温度が上昇した際に最も問題となるのが、排気管とターボです。我々はセンサーで常に温度をモニタリングしています」

    パワーユニットのMGU-Hは排気ガスから生じる熱をパワーに変換するが、それでもときに排気温度が1,000℃に達する。これは、思いきりブレーキをかけて、ディスクロータが赤熱しているときと同じ温度だ。

    パワーユニットは、水温が120~130℃の高温域で作動するように設計されている。冷却システムに圧力をかけているためにそのようなことが可能だが、一般的な乗用車はそういった設計になっておらず、冷却水の温度は三分の二ほどまでしか上がることがない。また、外気温からの影響を抑えると同時に、路面の衝撃からもパワーユニットを守られていなければならない。

    「分かりやすく言えば、路面温度が高いということは気温も高いということを意味します。熱はパワーユニットの下から来るので、熱シールドでそれを防ぐ必要があります。多くのコンポーネントは、熱シールドで守られています。中でも特に多くの熱シールドで保護されているのが排気管で、MGU-Hとタービンによるエネルギー回生において重要な役割を担っています」

    オーバーヒートは、すべてのマニュファクチャラーが真っ先に対抗策を考えなければならない問題だ。ドライバーはレース中に他のマシンの背後にとどまり続けるなと言われる。より多くのクリーンな空気を取り入れ、効率よくマシンの冷却を行うためだ。高温になり過ぎてしまった場合、まずパワーユニットにその影響が出る。

    「排気温度の限界を超えた場合、燃料流量が自動的に低下します。これは安全装置の一種です。燃料が少なくなるため、マシンのパワーとスピードは低下します。排気システムがオーバーヒートを起こしてしまうと、ウェイストゲートバルブが故障したり、タービンブレードが1,000℃以上で作動し続け、タービンブレードに大ダメージを与えたりします。なので適切な温度に保つ必要があります」

    前を走るマシンからの風を避けてクリーンな空気を確保することは、レース中にパワーユニットを冷却するための有効な手段だ。また、マシンがコースインする前にも高温への対策が施されている。

    「走行前はパワーユニットを冷却するため、マシンの一部と冷却インレットを開きます。サイドポッド、排気ダクト、ラジエーターのサイズも冷却のために重要です。排気ダクトを開けることで、熱をより効率的に排出することができます。しかし、大きなダクトを使うと空力効率が悪くなります。なので、エンジンの冷却とパフォーマンスは常にバランスをとる必要があるのです」

    このトレードオフは、空力的な影響を最小限に抑えるべく、ホンダとトロロッソが協力して行う。冷却システムはマシンの設計に組み込まれていて、空気はダクトに向かって流れるようにデザインされている。マシンがピットに戻ると、レース中のようなパワーユニットを冷やすための向かい風がない。そこでピットクルーの出番だ。

    「パワーユニットを冷却するため、ピットでは、ドライアイスと送風機を使います。今シーズンは、昨年よりもっと大きな送風機を導入しました。トロロッソはいい設備を持っているので、去年よりも効率的に冷却を行えます」

    走行時間を短縮しようと思えば、パワーユニットの温度は上昇する。HRDさくらでは、そんな状況でパワーユニットがどう動作するかのテストをしている。

    「パワーユニットをダイナモでテストする際には、エアコンを切るなどして人工的に暑い環境を作ります。テストのデータを収集すれば、どこがパワーユニットの限界なのか分かります。ですので、実際にコンポーネントが壊れるまでダイナモで走行させることはありません」

    バーレーンには、熱だけでなく砂の問題もある。バーレーン・インターナショナル・サーキットは首都マナーマから32kmほど南の砂漠地帯にあり、砂漠の砂が風でトラックに運ばれてくることがある。

    「夕暮れ時に行われるのでバーレーンの温度はそこまで不安材料ではありません。問題は砂です。レース会場が砂漠地帯にあることが大きな問題になるでしょう。砂が中に入ってベアリングが壊れることもあります。砂が風で飛ばされるのを止めることはできないので、どうしようもないのです」

    エアフィルターに砂が詰まるとパフォーマンス効率が下がるので、頻繁にフィルターを交換する。

    「F1はラウンドごとに挑戦すべきことがあります。だからこそ我々はレースをするのです」

  • トロロッソ・ホンダ:F1バーレーンGP 予選レポート

    トロロッソ・ホンダ:F1バーレーンGP 予選レポート

    トロロッソ・ホンダは、F1バーレーンGPの予選でピエール・ガスリーが決勝での5番グリッドを獲得、ブレンドン・ハートレーは11番手スタートとなり、初ポイントの獲得に挑む。

    2018年シーズン第2戦バーレーンGP、2日目にはプラクティス3と予選が行われた。午後3時から1時間のプラクティス3で、ピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレーは順調に周回を重ね、マシンのセットアップを進めた。

    このセッションで、ガスリーは10番手、ハートレーは13番手となり、予選に向けて好調な仕上がりを見せる。

    午後6時からの予選Q1で、ブレンドン・ハートレーがまずアタックを開始したが、セクター2でオーバーランを喫し1分32秒773に終わる。ピエール・ガスリーは1回目のアタックを1分30秒699にまとめた。その後、ブレンドン・ハートレーは早々に2回目のアタックを開始。1分30秒458とタイムを大きく更新する。

    セッション残り5分の時点で他車のアクシデントによる赤旗中断となった。再開後、ピエール・ガスリーは2回のアタックで1分30秒121、ブレンドン・ハートレーは3回目のアタックで1分30秒412とともにベストラップを出し、ガスリーは9番手、ハートレーは13番手でQ2進出を果たした。

    続いて行われたQ2でもピエール・ガスリーは好調を持続し、1回目のアタックで出した1分29秒836で9番手となり、自身初、そしてトロロッソ・ホンダとしても初めてのQ3進出を成し遂げた。ブレンドン・ハートレーも2回目のアタックでタイムを更新し1分30秒105をマークしたが、小さなミスもあり、Q3進出にはわずか及ばず11番手に終わった。

    トップ10によって争われるQ3で、ピエール・ガスリーは2回のアタックを行い、自身のベストタイムを更新する1分29秒329で予選6番手となった。決勝レースでは、4位のルイス・ハミルトン(メルセデス)がギアボックス交換によるペナルティーを科されたため、ピエール・ガスリーは3列目5番手からのスタートとなる。

    F1バーレーンGP 決勝レースは、4月8日(日)午後6時10分(日本時間9日午前0時10分)より行われる。

    ピエール・ガスリー (6番手)
    「僕のF1キャリアで一番いい予選順位だった。素晴らしい気分だ。スタッフは週の初めから懸命の作業を続けていましたし、そのおかげでいい結果に結びついた。マシンの感触も凄くいいし、今の状態に満足している。フリー走行の最初から速く走れている感覚があった。しかしQ3まで行くためには、全力でアタックする必要があった。最終的にはそれを実現できてとてもいい気分だ。明日の決勝では最高のスタートを決められればと思っている。決勝レースとコンディションが似ているプラクティス2でのロングランではいいペースで走ることができたので、決勝も期待できると思う。もちろん後ろから追いかけてくるハミルトンやフェルスタッペンは凄く速いだろう。でもルノーやハースとはいい勝負ができると思う。マシンを今日のようないい状態にセッティングするために、今夜はやることがたくさんある。明日の決勝ではより多くのポイントを獲得したい」

    ブレンドン・ハートレー (11番手)
    「今日はメルボルンでの開幕戦のデジャブのようだった。あの時は僅差でQ2進出を逃し、今日は僅差でQ3進出を逃した。昨日のセッションでピエールに後れを取っていたことを考えると、今日は確実に前進できたと思う。チームがマシンに施したアップデートはすごく効果があったし、素晴らしい仕事をしてくれたおかげで、タイムを縮めることができた。今日初めて新しいパッケージを使ったので、最初は少し出遅れていた部分はあると思う。でも最終的にはQ3進出に限りなく近づけた。チームのみんなのおかげだと思う。鳥に衝突してしまいフロントウイングがダメージを受け、タイヤを2回交換することになったのはツイてなかった。Q3まであと少しというところだっただけに、最終コーナーでのミスは悔しく思っている」

    ジェームス・キー (トロロッソ テクニカルディレクター)
    「オーストラリアでの開幕戦後、シャシーや空力面の改良に多くの力を割いてきました。どちらもうまくいき、我々の狙い通り、パフォーマンスの向上につながったと思います。金曜日にピエールのマシンでエアロのパッケージやシャシーのセットアップを試し、有益なデータを得ることができました。今日はブレンドンのマシンでも同様のアプローチを行い、ピエールと同じくいい手ごたえを得ることができました。開幕戦よりもいい状態で走れていて、我々の目標とする場所に近づいていると思います。さらに前進していくためのいい土台が築けてきました。初めてQ3進出を果たしたピエールに『おめでとう』と言いたいです。彼は素晴らしい走りをしました。週末を通じてマシンの感触はいいようですし、それが今日のいいパフォーマンスにつながっています。僅差の戦いの中で全力の走りを見せ、今日のような結果を出したことは素晴らしいです。ブレンドンについても今日のパフォーマンスもよかったと思っています。Q2ではニュータイヤで1周しか走ることができなかったために、コンマ1秒以下の僅差でQ3進出を逃したことは残念です。それでも彼は今日一日で大きな前進を見せました。明日は両マシンともいいポジションから決勝に臨めると思っています」

    田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)
    「ピエールがQ3に進出。ブレンドンはわずかな差でQ3進出を逃したものの、2人とも非常に力強いパフォーマンスを見せてくれました。開幕戦のメルボルンと比較して、このサーキットが我々のマシンの特性に合っているという部分は大きいですが、ともかくチームにとっては非常に前向きな一日になりました。チームが今回のために用意した空力パッケージがよく機能していますし、今日一日問題なくセッションを終えられたこともよかったと感じています。今日はチーム全員がいい仕事をしてくれました。この結果で得た勢いを活かし、万全の準備で明日に臨みたいと思います」

    関連:F1バーレーンGP 予選:セバスチャン・ベッテルがポールポジション!

  • ホンダF1 「予選結果で得た勢いを活かして万全の準備で決勝に挑む」

    ホンダF1 「予選結果で得た勢いを活かして万全の準備で決勝に挑む」

    ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治が、F1バーレーンGPでの予選を振り返り、決勝への意気込みを語った。

    トロロッソ・ホンダは、ピエール・ガスリーがQ3進出を果たして6番手タイムを記録。5番手のダニエル・リカルド(レッドブル)から0.931秒差という好パフォーマンスを披露した。

    チームメイトのブレンドン・ハートレーもわずか0.074秒差でQ3進出を逃して11番手。バーレーンGPに投入した新しいエアロパッケージを含め、開幕戦から大きな進歩を示した。

    ピエール・ガスリーは、ルイス・ハミルトンのグリッド降格ペナルティにより、5番グリッドからレースをスタートする。

    田辺豊治は「ピエールがQ3に進出。そして、ブレンドはわずかな差でQ3進出を逃したものの、2人とも非常に力強いパフォーマンスを見せてくれました」とコメント。

    「今日はチーム全員がいい仕事をしてくれました。この結果で得た勢いを活かし、万全の準備で明日に挑みたいと思っています」

    関連:F1バーレーンGP 予選:セバスチャン・ベッテルがポールポジション!

  • ホンダF1 「順調にセッティングを煮詰めることができた」

    ホンダF1 「順調にセッティングを煮詰めることができた」

    ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治が、F1バーレーンGP初日のトロロッソ・ホンダの作業を振り返った。

    前戦でピエール・ガスリーのマシンに発生したトラブルの原因を特定し、その対策としてトロロッソ・ホンダはガスリーのパワーユニットのICE、ターボチャージャー、MGU-Hを交換。ブレンドン・ハートレーのパワーユニットも、ターボチャージャーとMGU-Hを交換して第2戦の初日に臨んだ。

    パワーユニットとしては、通常の金曜と同様に、サーキット特性に合わせたドライバビリティやエネルギーマネージメントの調整を実際。チームは予定通りにプログラムを完了し、初日を終えている。

    「開幕戦が行われたメルボルンは一部が公道でしたが、今回はより一般的なサーキット環境でのレースになります」と田辺豊治はコメント。

    「ここバーレーンでは、かつてのように昼間のレースではないため、パワーユニットにとって熱の問題はそこまで大きくありません。夕方に行われるレースと予選にコンディションが近いという意味で、今日はFP2のほうがより重要なセッションでしたが、昼間のFP1から大きくコンディションが変わるため、エンジニアにとっては難しい一日でした」

    「今日は通常の金曜のプログラムを行い、順調にセッティングを煮詰めることができました。チームにとっては悪くない一日だったと感じています」

    関連:
    ・F1バーレーンGP フリー走行2回目:キミ・ライコネンがトップタイム
    ・F1バーレーンGP フリー走行1回目:ダニエル・リカルドが最速タイム

  • ホンダF1 「ガスリーの開幕戦のMGU-HトラブルはICEにもダメージ」

    ホンダF1 「ガスリーの開幕戦のMGU-HトラブルはICEにもダメージ」

    ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治が、2018年のF1第2戦バーレーンGPにむけての作業を説明。開幕戦でのMGU-Hのトラブルの影響でピエール・ガスリーのICE(エンジン)にもダメージが及んでいたことを明らかにした。

    開幕戦を20番手スタートのピエール・ガスリーは、好スタートを見せて1周目に17番手までポジションアップすると、レース序盤でさらに順位を上げて16番手につけていた。しかし、14周目に、突如スロー走行となってピットへ戻り、MGU-H関連のトラブルによりリタイアとなった。

    ホンダF1は、ピエール・ガスリーのF1パワーユニットをHRDさくらで調査。ダメージはICEにも及んでおり、2戦目にして早くもMGU-H、ターボ、そして、ICEを投入することを明らかにした。また、対策を施したMGU-Hとターボは万全を期してブレンドン・ハートレーにも投入される。

    2018年のF1世界選手権では、ドライバーが年間に使用できるICE、ターボチャージャー、MGU-Hは3基までとなり、MGU-K、コントロールエレクトロニクス、エネルギーストアは2基に削減。それ以降はペナルティが科せられることになり、トロロッソ・ホンダの両ドライバーは早くもハンデを背負うことになった。

    「非常に厳しい結果に終わった開幕戦を経て、チームは第2戦の開催地、バーレーンに向かいます。メルボルンでは、レース中にガスリー選手のパワーユニットのMGU-Hにトラブルが発生し、その影響でICEにもダメージを受けました。そのため、今回のバーレーンGPにはMGU-Hとターボ、ICEを交換して臨みます。MGU-Hとターボは、オーストラリアで抱えたトラブルの解析を行い、対策を施したものを投入する予定です」と田辺豊治はコメント。

    「解析結果を踏まえ、万全を期すため、今回はハートレー選手にもガスリー選手と同じMGU-Hとターボの投入を決定しました。年間で使用可能なPUが3基に制限されている中、2戦目で2基目のコンポーネントを投入することは非常に重い決断です。この先、同じことを繰り返すことが無いように開発を続けます」

    「開幕までは非常にいい流れで来ていただけに、チームやファンの期待を裏切るような結果になったことはとても残念に思っています。ここ、バーレーン・インターナショナル・サーキットはPUにとってタフな環境ですが、一歩一歩、進化を見せられるよう、まずは目の前の戦いに挑みます」

    MGU-Hとは
    MGU-Hは、エンジンから出る排気の熱をエネルギーに変換する。通常、エンジンの燃焼室を出た高温の排気は、排気管を通じて大気に放出される。この熱エネルギーを再利用するために、専用のモーター/ジェネレーターユニットを作動させて電気を作っているのが熱エネルギー回生システム。このユニットは、MGU-Hと呼ばれている。MGU-Hの「H」は、Heatの略で「熱」(排熱エネルギー)を意味している。ターボ車の場合、減速を終えて次に加速しようとアクセルを踏んでも、排ガスの流量が増えてタービンが本来の性能を発揮するのに一定の時間を要してしまう(ターボラグ)。そこで、MGU-Hを利用してコンプレッサーを回転させ、タービンが排気の到達を待たずに機能させることで、ターボラグの解消を行っている。全開加速時は、タービンに供給される排気エネルギーが増えるため、エンジンが必要な空気を圧縮するためのコンプレッサーの仕事を上回る場合がある。その際、使いきれなかった排気エネルギーによってMGU-Hで発電し、その電力を、直接MGU-Kに送る。MGU-Hでの発電量は制限されておらず、バッテリーの充放電エネルギー制限に縛られることなく、エンジンにMGU-Kの出力を上乗せして走ることができる。言い換えれば、余った排気エネルギーを、効率良く加速に使うことができる。コーナー出口の全開加速では、MGU-Hからだけでなく、バッテリーからもMGU-Kに電力を供給する場合がある。こうすることで、MGU-Kをレギュレーションで決められた最大出力(120kW)で駆動し、フル加速することができる。

  • トロロッソ、ホンダとの初陣で戦力ダウンが露呈?

    トロロッソ、ホンダとの初陣で戦力ダウンが露呈?

    トロロッソ・ホンダの初陣となった2018年のF1世界選手権の開幕戦オーストラリアGPは厳しい結果となった。

    マクラーレンのエンジンサプライヤーだった3年間で信頼性とパフォーマンス不足が露呈していたホンダは、今シーズンから新たにトロロッソとタッグを組んだ。冬季テストではホンダのF1パワーユニットに大きな信頼性トラブルは発生せず、あとはどれだけ速さを見せられるかという疑問を残して開幕戦を迎えた。

    その疑問は初日のフリー走行から不安となって現れる。ブレンドン・ハートレーはトップから1.994秒差の16番手、ピエール・ガスリーは2.014秒の17番手タイム。ザウバーの2台とウィリアムズの新人セルゲイ・シロトキンをわずかに上回るタイム。だが、予選・決勝ではまだ速さを見せるのではないかとの期待をもたせた。

    だが、予選ではブレンドン・ハートレーが16番手、ピエール・ガスリーは20番手と2台揃ってQ1で敗退。金曜日から序列が変化することはなかった。特に昨年とのラップタイム比較では大きな不安を残した。残りのチームが昨年よりもタイムを改善しているのに対し、トロロッソ・ホンダだけが昨年からタイムを下げていたのである。

    予選ベストラップ 前年比

    チーム 2018年 2017年 改善幅
    マクラーレン 1:23.692 1:25.425 -1.8
    ザウバー 1:24.556 1:26.465 -1.7
    レッドブル 1:21.879 1:23.485 -1.6
    ルノー 1:22.532 1;24.975 -1.1
    フォース・インディア 1:24.005 1:24.997 -1.1
    メルセデス 1:21.164 1.22:188 -1.0
    ハース 1:22.187 1:24.074 -0.9
    フェラーリ 1:21.828 1:22.458 -0.6
    ウィリアムズ 1:24.230 1:24.443 -0.2
    トロロッソ・ホンダ 1:24.532 1:24.443 +0.04

    迎えた決勝でも戦いに交わることはできず、ブレンドン・ハートレーが最下位15位。ピエール・ガスリーはリタイアという厳しいスタートとなった。

    レースペースでは戦力ダウンが顕著に現れるものとなった。レースペースを改善できなかったのはハース、ウィリアムズ、トロロッソの3チーム。だが、ハースは25周目に2台がリタイアしており、各チームがファステストタイムを記録したレース後半にはコース上にいなかった。ウィリアムズも昨年フェリペ・マッサが記録したタイムを下回ったものの、ランス・ストロール個人としてはタイムを改善させている。実質、レースペースを改善できなかったのはトロロッソ・ホンダだけとなる。

    決勝ファステストラップ 前年比

    チーム 2018年 2017年 改善幅
    マクラーレン 1:26.958 1:29.440 -2.4
    ルノー 1:27.081 1:28.486 -1.4
    レッドブル 1:25.945 1:26.964 -1.0
    フォース・インディア 1:27.600 1:28.336 -0.7
    フェラーリ 1:26.373 1:26.538 -0.4
    ザウバー 1:28.759 1:29.052 -0.2
    メルセデス 1:26.444 1:26.593 -0.1
    ウィリアムズ 1:28.511 1:28.045 +0.4
    ハース 1:28.805 1:27.568 +1.2
    トロロッソ・ホンダ 1:28.176 1:26.711 +1.4

    特に戦力の差となって現れたのはドライバーだ。昨年、トロロッソは3年目のカルロス・サインツと4年目のダニール・クビアトでシーズンをスタート。カルロス・サインツはルノーに移籍する直前のF1シンガポールGPのレースでは4位入賞を果たしている。しかし、後任として加入したピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレーは1度ずつQ2に進出したのみ。特に後半戦はルノーのF1パワーユニットに信頼性トラブルはあったものの、最高位はピエール・ガスリーの12位。ポテンシャルのあるマシンでポイントを獲得することはできていなかった。

    F1オーストラリアGPでも、二人の事実上ルーキードライバーにはミスが多かった。アルバート・パークが初めてのコースであり、フリー走行3回目が雨という悪条件があったものの、予選ではピエール・ガスリーが予選でコースアウトを喫して最下位20番手、決勝ではブレンドン・ハートレーがオープニングラップの1コーナーでブレーキをミスして大きなフラットスポットを作り、早々に戦線から脱落している。

    結果はシャシー、エンジン、ドライバー、チーム力で決まるもの。トロロッソが今季型シャシーで失敗をした可能性もあるが、残りの要素も大きな割合を占めることになる。

    ホンダに関しては、昨年のマクラーレン・ホンダの予選ベストタイムはフェルナンド・アロンソの1分25秒872、今年はブレンドン・ハートレーが1分24秒532をマークしており、ホンダのF1パワーユニットとしては約1.4秒のタイムアップを果たしたことになる。しかし、決勝でMGU-Hの故障でリタイアという開幕戦で最もやってはいけない信頼性トラブルが発生した。

    トロロッソの両ドライバーは、予選で0.2~0.3秒を稼げればQ2に進出できており、マシンにはポテンシャルがあると語っている。だが、自らが招いたミスによりそれを実現できなかったわけであり、他のドライバーも完璧な仕事ができていたわけではない。経験不足というハンデは、今後のレースの様々な場面でさらに大きな違いを生り、“ドライバーのミス”が注目ワードとなるかもしれない。

    ターゲットに挙げたフォース・インディアは、開幕戦に“ほぼ新車”を持ち込んでおり、フリー走行3回目でセットアップを見送って、第2戦バーレーンGPに照準を合わせている。また、ホンダの元相方のマクラーレンは予選ペースで1.8秒、レースペースでは2.4秒という改善を果たしている。マクラーレンもまた冬季テストの信頼性トラブルにとって開幕戦仕様のマシンは妥協を強いられており、第2戦ではさらなるタイムアップを見込んでいる。

    2018年のF1世界選手権のメルセデス、フェラーリ、レッドブルの上位グループ、ハース、マクラーレン、ルノー、フォース・インディアの中位グループ、そして、トロロッソ・ホンダ、ウィリアムズ、ザウバーの下位グループという勢力図がより明確になったと感じられた開幕戦。

    序盤戦で、中団グループの中でマクラーレンやフォース・インディアのテールを追いかける位置につけるにはまだまだ多くの課題が残っている。

    昨年、マクラーレン・ホンダは初ポイント獲得まで8戦を要した。トロロッソ・ホンダは何戦を要することになるだろう?

  • ブレンドン・ハートレー 「1周目のタイヤ交換だけで走り切る予定だった」

    ブレンドン・ハートレー 「1周目のタイヤ交換だけで走り切る予定だった」

    トロロッソ・ホンダのブレンドン・ハートレーは、F1オーストラリアGPの決勝を1回のピットストップだけで走り切るつもりだったことを明らかにした。

    16番グリッドからスーパーソフトで決勝をスタートしたブレンドン・ハートレーは、オープニングラップの1コーナーのブレーキングでタイヤをロックさせてフラットスポットを作ったことで緊急ピットイン。ソフトタイヤに交換した。

    「ターン1でフロントをロックさせたことで1周目の直後にピットインしなければならなくなった」とブレンドン・ハートレーはコメント。

    「ペダルを踏んだ瞬間からフロントブレーキがロックしてしまい、解除できなかった。間違いなく僕がこれまでの人生で経験したなかで最大のフラットスポットだったし、続けるチャンスはなかった」

    ブレンドン・ハートレーは、クルマのダメージによってタイヤがパンクすることがなければ、さらにピットストップすることなくソフトタイヤで残りのレースを走り切れると思っていたと語る。

    「ソフトタイヤでレースの最後まで走り切るプランだったし、最後にウルトラソフトをうまく長持ちさせられたことを考えれば、それは可能だったと思う」とブレンドン・ハートレーはコメント。

    「全ては順調だったし、完璧なタイミングでバーチャルセーフティカーが入ったことで、再び戦いに絡むことができていた」

    「でも、そのスティントの終盤にクルマのリアに問題が発生して、タイヤがパンクした。同時に多くのダウンフォースも失った。それによってスローダウンしなければならなかったし、バーチャルセーフティカーが解除させてすぐに2回目のピットストップをしなければならなかった」

    「そこで間違いなくレースが終わりだった。その後はちょっと苦労した。ダウンフォースを失っていたし、余計なピットストップを行ったからね」

    「最初の問題ではソフトタイヤで最後まで走れれば、まだレースで巻き返せる可能性はあったし、面白くなっていただろう。でも、パンクによって本当にゲームオーバーになってしまった」

  • トロロッソ・ホンダ 「結果を厳粛に受け止めてもう一度仕切り直す」

    トロロッソ・ホンダ 「結果を厳粛に受け止めてもう一度仕切り直す」

    新生トロロッソ・ホンダの初陣となった開幕戦オーストラリアGPは厳しいものとなった。しかし、長いシーズンの戦いはまだ始まったばかり。一丸となって挑戦を続けるチームスタッフが2018年初戦を振り返る。

    「テストはテスト、本番ではなにが起こるか分からない」順調に終わったバルセロナテストのあと、ホンダF1のテクニカルディレクターの田辺豊治は気を引き締めるように語っていた。

    そして、新生トロロッソ・ホンダの2018年シーズンの開幕戦は、その言葉通り、F1の難しさ、本番レースの厳しさを見せつけられる結果となってしまった。

    トロロッソとホンダによる初のコンビネーション、初めてアルバートパークを走る2人のドライバーなど、すべてが新しい組み合わせで立ち向かった最初の実戦では、これまでのテストともプラクティスとも違うシーンが次々と映し出される。予選ではブレンドン・ハートレーがQ2進出にわずかに届かず、ピエール・ガスリーはアタックラップでコースアウトを喫し最下位。2台揃ってQ1敗退となった。そして、レースではハートレーがスタート直後にタイヤをロックさせてフラットスポットを作り、緊急ピットイン、その後スローパンクチャーに見舞われる。マシンのバランスも前日より悪くなりペースは上がらず、15位完走は果たしたがトップから周回遅れの最下位となった。さらには、好スタートでポジションを上げたピエール・ガスリーが、序盤にMGU-Hのトラブルでリタイアという厳しい場面が次々と続いた。

    「MGU-Hのトラブルは、これから現物を分解、解析してみないと、はっきりとしたことは分かりません。次戦に向けてトラブルの原因を特定し、対策を施します」とレース後に語った田辺豊治は“想定外”のトラブルに落胆を隠せなかったが、「2台完走という目標に届かなかった結果を厳粛に受け止め、もう一度仕切り直します」と決意を示す。

    「我々にとって始めはすべてが勉強」と言うチーム代表のフランツ・トストもレース後「非常に厳しい結果に終わったが、前を向いて進んでいかなければならない」とコメント。

    予想以上に厳しい結果に終わった開幕戦、モータースポーツの頂点にそびえるF1が、新人ドライバーと新生チームに真剣勝負の高いハードルを見せつけるかたちとなった。しかし、21戦に渡る長い戦いは今始まったばかりだ。

    本番での厳しさを味わい、予選、決勝ともに最下位からのスタートとなった新生トロロッソ・ホンダは、一丸となってこの高いハードルに挑むしかない。

    そして、この開幕戦では一つのピリオドが打たれた。参戦準備からこれまでの3年間現場のチーフを務めたHRDの中村聡が、開幕戦を最後に現場から離れ、4月からは日本のSakuraをベースにパワーユニット(PU)の開発に携わることとなる。ここ数カ月で、中村聡以外にも何人かのメンバーが入れ替えというかたちで、ミルトンキーンズからSakuraに拠点を戻している。現代F1のサーキット現場を見た者が開発現場に戻り、その知識と経験を開発に還流できることは、ホンダの開発体制としてようやく次のステップに進んだということでもある。

    「これまで厳しい戦いでしたし、自分としての達成度は50%くらいしかない。もちろん悔しい思いばかりです。これから日本の開発部門とレース現場をよりうまく繋げる仕事となりますが、これまで経験した中で感じたホンダに足りないものを埋めて、より効率的にレベルを上げるやり方などを考え実践していきます。この3年で実感したことは『F1は難しい』ということ。当たり前ですが、我々がトップに追いつくには彼らの倍以上のスピードが必要です。今の複雑なF1のPUにおいて、それは言葉では言い表せないくらい難しいことです。でも勝つためには、それを乗り越えなければならない。このままでは終われないんです」と中村聡はチーフエンジニアとして最後となる現場で力強く語った。