カテゴリー: ホンダF1

  • ホンダF1を後押し FIAがADUO改定で「10%以上遅れ」に追加支援

    ホンダF1を後押し FIAがADUO改定で「10%以上遅れ」に追加支援

    FIA(国際自動車連盟)は2026年F1パワーユニット規則の性能調整制度であるADUOについて、技術・財務・運用面の規定を更新し、世界モータースポーツ評議会の臨時会合で承認した。

    今回の変更では、基準となるエンジンに対して10%以上遅れているメーカーを対象に、新たな支援カテゴリーが設けられた。これは、2026年F1シーズン序盤から性能と信頼性の両面で苦戦しているホンダにとって、大きな追い風になる可能性がある。

    カナダGP後に最初のADUO評価
    ADUOの最初の評価は、2026年F1第5戦カナダGP後に実施される。当初、この評価時期をめぐっては議論があった。バーレーンGPとサウジアラビアGPが中止されたことで、当初予定されていたマイアミGP後の実施を維持すべきだという意見と、基準側とされるメルセデスが主張した改訂カレンダー第6戦モナコGP後まで待つべきだという意見が分かれていた。

    最終的にFIAは中間案を採用し、初回評価をカナダGP後に設定した。2回目の評価も当初予定より1戦前倒しされ、第12戦後ではなく第11戦後に行われる。3回目の評価は変更されず、第18戦後に実施される。

    10%以上遅れたメーカーに230時間の追加ベンチテスト
    今回の最大の変更点は、最良のエンジンに対して10%以上遅れているメーカーを対象とした新カテゴリーの創設だ。

    ADUOでは、FIAが評価するのはパワーユニット全体ではなく、内燃エンジンの性能に限られる。この分野では、現時点でメルセデスが基準とされており、550馬力をやや上回る出力を持つとされている。

    一方、ホンダについては、内燃エンジンで60〜70馬力の不足があると報じられており、基準から10%以上遅れている計算になる。そのため、新たに設けられた10%以上の救済カテゴリーは、事実上ホンダを念頭に置いた措置と受け止められている。

    運用面では、性能差に応じて追加ベンチテスト時間が段階的に設定された。

    ■ 基準との差が2%未満:0時間

    ■ 2%以上4%未満:70時間

    ■ 4%以上6%未満:110時間

    ■ 6%以上8%未満:150時間

    ■ 8%以上10%未満:190時間

    ■ 10%以上:230時間

    10%以上遅れているメーカーには、最大230時間の追加ベンチテストが認められる。これは、現行の性能差を縮めるための開発機会としては大きな意味を持つ。

    予算面でも最大1100万ドルの追加枠
    財務面でも、性能差に応じた追加予算枠が設定された。10%以上遅れているメーカーには、今後2年間で1100万ドルの追加予算が認められる。ただし、この予算は2026年中には使用できず、翌年以降の開発に充てられる。

    ■ 基準との差が2%未満:0ドル

    ■ 2%以上4%未満:300万ドル

    ■ 4%以上6%未満:465万ドル

    ■ 6%以上8%未満:635万ドル

    ■ 8%以上10%未満:800万ドル

    ■ 10%以上:1100万ドル

    さらにFIAは、2026年F1レギュレーション導入初年度に基準エンジンから10%以上遅れているメーカーに対し、追加で800万ドルの予算枠を認める規定も導入した。これは1100万ドルの枠に上乗せされるもので、今後2シーズンにわたって使用できる。

    ホンダ F1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ホンダ救済色が強いADUO変更
    今回のADUO変更は、ホンダに対する支援色が強い。10%以上という新カテゴリーは、該当するメーカーが存在しなければ意味を持たない制度であり、現時点でその対象に最も近いのがホンダだと見られている。

    この変更には、トト・ヴォルフの意向も反映されている可能性がある。ヴォルフは以前から、ADUOは大きく遅れたメーカーを支援するための制度であり、フェラーリやレッドブルがメルセデスとの差を縮めるための仕組みではないという考えを示していた。

    ただし、追加のベンチテスト時間や予算枠が認められたとしても、10%を超える差を短期間で埋めるのは容易ではない。ホンダにとっては、信頼性と性能の両面で立て直しを進めるための重要な機会になる一方、成果が表れるまでには時間が必要になる。

    アストンマーティンとホンダにとって、2026年F1シーズン序盤は厳しいスタートとなった。それでも、FIAがADUOを通じて救済枠を拡大したことで、今後の開発競争には新たな流れが生まれる可能性がある。

    Source: SoyMotor.com

  • アロンソ アストンマーティンF1振動問題は「エンジンではなくタイヤだった」

    アロンソ アストンマーティンF1振動問題は「エンジンではなくタイヤだった」

    フェルナンド・アロンソは、アストンマーティンF1が2026年シーズン序盤から抱えてきた最大の問題である振動を、少なくともマイアミGPの時点では乗り越えたとの見方を示した。

    AMR26は開幕前から振動と信頼性の問題に悩まされ、ホンダとの新パートナーシップにとっても厳しい船出となっていた。しかし、日本とシルバーストンの両拠点で続けられた作業により、アストンマーティンはようやく次の段階に進める土台を手にしつつある。

    アロンソが否定した“いつもの振動”
    マイアミGPの金曜日には、アロンソが無線で不満を訴え、手元を確認する映像もあったことで、再び振動問題が疑われた。しかし、アロンソはそれが従来のパワーユニット起因の振動ではなかったと説明した。

    「タイヤにフラットスポットができたことが原因だった。エンジンではなく、ホイール側のものだった」とフェルナンド・アロンソは語った。

    これにより、アストンマーティンにとって2026年最大の懸念だった振動問題はいったん区切りがついた形となる。

    さくらとシルバーストンが進めた修正作業
    振動問題の改善は、バーレーンテスト以降に続けられてきた作業の成果だ。特に日本GP後の5週間の中断期間では、鈴鹿で使用した1台をホンダのさくらの施設に持ち込み、対策が進められた。

    ホンダのトラックサイド主任エンジニアである折原伸太郎は、マイアミGPを終えて信頼性面の前進を認めている。

    「グランプリとスプリントを信頼性の問題なく完走できました。これは良い進歩です」

    信頼性の不安が和らいだことで、チームはようやく次の課題に取り組めるようになった。

    「次の焦点は、エネルギーマネジメントのためにデータを最適化することです。ドライビングの面でも同じです。そして、パワーユニットには改善すべき点が多くあります。それが我々にとって次のステップです」

    フェルナンド・アロンソ アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    性能向上はまだ先でも“土台”は整った
    アストンマーティンが振動問題を克服したとしても、それがすぐにパフォーマンス向上を意味するわけではない。アロンソの見立てでは、本格的な改善は第12戦から第14戦あたり、つまり欧州ラウンド終盤まで待つ必要がある。

    それまでのアストンマーティンは、大規模な空力アップデートではなく、信頼性、ドライバビリティ、エネルギーマネジメント、パワーユニット運用の改善を通じて、安定した基礎を築く方針とみられる。

    マイアミGPで2台が走り切ったことは、その意味で単なる完走以上の意味を持つ。アストンマーティンは2026年最大の“亡霊”をひとまず背後に置いた。ただし、競争力を取り戻すまでには、まだ別の課題が待っている。

    Source: Marca

  • エイドリアン・ニューウェイ 入院報道の裏で進むアストンマーティンF1の内部事情

    エイドリアン・ニューウェイ 入院報道の裏で進むアストンマーティンF1の内部事情

    エイドリアン・ニューウェイ(アストンマーティン)は、健康問題による入院治療を受けたとの報道が浮上するなか、その“長期不在”を巡って様々な憶測が広がっている。

    英Daily Mailは、ニューウェイが最近「体調不良」に見舞われ、病院で治療を受けていたと報道。PlanetF1は、現在のニューウェイが「主に自宅から業務を行っている」と伝えた。

    一方、アストンマーティンF1は詳細な説明を避け、「チームメンバーの個人的事項についてはコメントしない」としつつ、「エイドリアンは仕事をしており、先週はキャンパスにも来ていた」と説明している。

    ただ、ニューウェイの“消失”を巡っては、単なる健康問題だけでは説明できないとの見方も浮上している。

    ニューウェイはなぜF1パドックから姿を消したのか
    2026年シーズン開幕戦オーストラリアGPで、ニューウェイはホンダ製パワーユニットの状況について厳しいコメントを残し、大きな話題を呼んだ。

    しかし、その後の中国GP、日本GP、マイアミGPには姿を見せていない。

    スペインメディアは、ニューウェイがオーストラリアGPへ姿を見せたのは、2026年シーズン開幕戦であり、チーム代表として欠席できない事情があったためだと指摘している。

    表向きには、ニューウェイがシーズン全戦へ帯同しないことは以前から予定されていたとされる。PlanetF1によると、ニューウェイは年間10〜14戦程度のみ現場入りする予定で、これは前任のアンディ・コーウェルに近いスケジュールだったという。

    ただ、スペインメディアは、現在のアストンマーティンF1の状況そのものがニューウェイの役割を変化させている可能性を指摘している。

    AMR26はシーズン序盤、ホンダ製パワーユニット由来とされる深刻な振動問題に苦しみ、フェルナンド・アロンソは日本GPまで大きな不快感を訴えていた。

    マシン自体もダウンフォース不足が指摘されており、アストンマーティンF1は開幕4戦を終えてノーポイント。現在はキャデラックF1と争う位置まで後退している。

    そのため、「現時点ではサーキットへ行っても評価すべき新パーツが存在しない」との見方も出ている。

    実際、現場ではマイク・クラックが実質的なチーム代表として振る舞っており、ニューウェイはファクトリー側で技術開発へ集中しているとの報道もある。

    エイドリアン・ニューウェイ アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    “管理職ニューウェイ”は暫定構想だった可能性
    そもそも、ニューウェイのアストンマーティンF1加入時から、「チーム代表」という肩書き自体に驚きの声は少なくなかった。

    これまでのニューウェイは、空力設計と技術開発に集中する“純粋なエンジニア”として知られてきた人物であり、スポンサー対応やメディア業務を含むマネジメント型のチーム運営とは距離を置いてきた。

    そのため、現在の体制はあくまで暫定的なものではないかとの見方も強まっている。

    PlanetF1は、ニューウェイ自身が新たな正式チーム代表の選定を主導していると報じており、その最有力候補としてアウディを離脱したジョナサン・ウィートリーの名前が浮上している。

    ウィートリーはレッドブル時代にニューウェイと長年仕事を共にしており、セバスチャン・ベッテルやマックス・フェルスタッペンとのタイトル獲得を支えた。

    ただし、ウィートリーが実際にアストンマーティンF1へ加わるには、アウディとのガーデニング休暇(競業避止期間)が障害になる可能性もある。報道では6か月〜1年規模になるとの見方もあり、短縮にはアウディ側との交渉が必要とされている。

    そのため、ニューウェイとクラックによる現在の体制は、正式な新代表体制が整うまでの“移行期間”として機能している可能性もある。

    アストンマーティンF1は“再建モード”へ
    もっとも、アストンマーティンF1内部では、ここ数週間で一定の前進も報告されている。

    マイアミGPでフェルナンド・アロンソは、ホンダPUの振動問題について「もう問題はない」と説明。ホンダのさくら拠点と共同で進めてきた対策が成果を上げ始めているとみられている。

    ただし、依然としてパフォーマンス不足は深刻で、メルセデス勢との差は大きい。

    そうした状況のなか、ニューウェイは現場よりもファクトリー開発を優先し、2026年マシン後半戦アップデート、さらには2027年型AMR27の基盤構築へ集中している可能性が高い。

    入院報道によって広がった“ニューウェイ失踪説”だが、その裏ではアストンマーティンF1の技術危機と組織再編が同時進行しているのかもしれない。

  • フェルナンド・アロンソ アストンマーティンF1の苦境でも“楽しみ”を模索

    フェルナンド・アロンソ アストンマーティンF1の苦境でも“楽しみ”を模索

    フェルナンド・アロンソは、2026年F1シーズンに苦戦が続くアストンマーティンについて、レース中に“自分たちを楽しませている”と冗談交じりに語った。

    2026年F1マイアミGP後、アロンソはチームメイトのランス・ストロールとともに、実戦の中でエネルギーマネジメントを学ぶために様々な実験を続けていると明かした。

    「そうだね、自分たちを楽しませようとしているんだ」とアロンソは語った。

    「ランスと僕は毎朝いつも話している。レースで一緒に走るのか、それとも待つのかとかね。冬のテストで十分な周回をこなせなかったから、エネルギーマネジメントなどを少し学ぼうとしているんだ」

    「チェコ(セルジオ・ペレス)とも同じようなことを試していた。ちょっとしたエンターテインメントだ。そして今日は彼らより少しペースがあった」

    フェルナンド・アロンソ F1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    キャデラックF1のセルジオ・ペレスも、アロンソとのバトルを楽しんでいたことを認めた。

    「フェルナンドとのバトルはいつだって本当に楽しい。彼はとてもアグレッシブで、非常に頭脳的なドライバーだ」

    「彼が離れていく時は何かを仕掛けようとしているし、近づいてくる時も同じだ。彼の動きは常に計算されている」

    「それに彼は本当にクリーンなドライバーだ。あまり早く改善しないでほしいね。そうすれば、この戦いを楽しみ続けられるから」

    一方で、アストンマーティンの現実は依然として厳しい。

    長らく悩まされてきた振動問題や信頼性面には改善の兆しが見えているものの、パフォーマンス向上には時間がかかる見通しだ。

    「信頼性の問題がなかったのはポジティブな点だ」とアロンソは語った。

    「問題なく完走できたのは2戦連続だ。でもレースペースは特別なものではなかった。我々はできる限り踏ん張って、ギャップを広げられないようにしていただけだった」

    さらにアロンソは、大規模アップデートはかなり先になると説明した。

    「カナダGPでプラクティスが1回しかないことは、僕たちにはあまり影響しない。新しいパーツの予定がないからね」

    「おそらく第12戦か第14戦まで新パーツは投入されないと思う。ドライビング面では改善できるけど、パフォーマンスではない。だから厳しいレースが続くだろう」

    それでもアロンソは、チームの現状を理解しているとして冷静さを強調した。

    「僕は落ち着いている。この状況を理解しているからだ」

    「チームからは、毎戦コンマ1〜2秒改善してもポジションは変わらないと言われている。我々は19番手か20番手で、前との差は1秒ある。だから毎戦コンマ2秒改善しても順位は変わらないんだ」

    そして最後には、アロンソらしいユーモアも飛び出した。

    将来について真剣に考えるような結果はあるかと問われた44歳のアロンソは、こう冗談を飛ばした。

    「もしどこかのレースで5位を獲得できたら、その日の午後に引退するよ」

  • フェルナンド・アロンソ アストンマーティンF1に厳しい現実「夏まで改善はない」

    フェルナンド・アロンソ アストンマーティンF1に厳しい現実「夏まで改善はない」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は、2026年F1シーズン序盤で苦戦が続くチームの現状について、今後もしばらく状況は変わらないとの厳しい見通しを示した。

    アストンマーティンは2026年F1レギュレーション導入初年度で深刻な低迷に陥っており、マイアミGP終了時点でコンストラクターズランキング最下位。未だノーポイントの状況が続いている。

    マイアミGPでは両マシンがスプリントと決勝を完走し、2025年アブダビGP以来となる2台完走を果たしたものの、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールは15位と17位に終わった。

    一方で、パワーユニットを供給するホンダは、シーズン序盤を悩ませていた振動問題に改善の兆しが見えているとされる。マイアミではアストンマーティンとHRCが対策を進め、ドライバー側からもポジティブな反応が得られていた。

    しかしアロンソは、競争力そのものについては短期間で改善するとは考えていない。

    「一歩ずつ進めていくしかない」とアロンソはマイアミでメディアに語った。

    「これから数戦は厳しいレースになると思うし、同じことの繰り返しになるだろう」

    「もちろん、木曜、金曜、土曜、日曜と毎日メディア対応がある」

    すると記者が冗談交じりに「申し訳ないね」と返し、アロンソは笑いながら続けた。

    「大丈夫だ。君たちは仕事をしているだけだからね。でもメッセージはずっと同じになると思う。夏休み後までは改善はないだろう」

    「カナダで何を期待するか? 同じだ。オーストリアでは? 同じだ」

    「チーム全体のフラストレーションをうまく管理しないといけない。でも僕たちは落ち着いているし、全員が夏以降により良い後半戦にするために全力を尽くしている」

    “小幅アップデートでは意味がない” アロンソが語るコスト制限の現実
    アストンマーティンがマイアミGPにアップデートを持ち込まなかった判断についても、アロンソは理解を示している。

    5週間のインターバルがあったにもかかわらず、フェラーリが11点ものアップグレードを投入した一方で、アストンマーティンは空力アップデートをゼロとした。

    その代わり、チームはホンダとともに振動問題の解決に注力。シャシーをHRCのさくらの施設へ持ち込み、対策作業を進めていた。

    アロンソは、現状の戦力差では小規模アップデートを繰り返しても意味がないと説明した。

    「僕は状況を理解しているから納得している」とアロンソは語った。

    「チームからは、毎戦コンマ1〜2秒の改善を持ち込んでも順位は変わらないと説明されている」

    「僕たちは19番手か20番手で、前との差は1秒ある。だから毎戦コンマ2秒を追加しても順位は変わらないし、それは予算制限やシステム全体に大きな負荷を与えるだけだ」

    「だから1.5秒や2秒レベルの改善が得られない限り、製造ボタンを押すべきではない。僕たちはお金を無駄にすることになる」

    さらにアロンソは、当面はドライバビリティ改善が中心になると説明した。

    「ドライバビリティ面では改善できると思う。でもパフォーマンス面では違う。だからチーム全体で耐えなければならない」

    「しばらくは非常に厳しいレースが続くだろうし、同じ質問と同じ答えの繰り返しになると思う」

    フェルナンド・アロンソ F1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    アストンマーティンF1の希望はエイドリアン・ニューウェイに託される
    アストンマーティンは2026年からホンダとのワークス体制を開始し、新レギュレーション時代でタイトル争いへ加わることを目標に掲げていた。

    ローレンス・ストロール率いるチームは、その切り札としてエイドリアン・ニューウェイを招聘。ニューウェイはこれまでF1で26回のタイトル獲得に関わってきた伝説的デザイナーとして知られる。

    しかし現時点では、AMR26の基本コンセプトそのものに課題があるとみられている。

    内部関係者の間では「仮に現在のメルセデス製パワーユニットを搭載していても苦戦していたはず」との見方も出ており、問題は単純なパワーユニット性能だけではないという。

    ホンダ側の振動対策が一定の成果を見せ始めた一方で、真のパフォーマンス改善はニューウェイ主導による大規模開発を待つ必要がありそうだ。

    そのため、アストンマーティンが本格的な巻き返しを見せるのは、アロンソ自身が語ったように「夏以降」になる可能性が高まっている。

  • アストンマーティン・ホンダF1 ベルギーGPでの“Bスペック”投入計画を否定

    アストンマーティン・ホンダF1 ベルギーGPでの“Bスペック”投入計画を否定

    アストンマーティンF1チームは、7月のF1ベルギーGPに向けて「Bスペック」と呼べるほど大規模なAMR26のアップデートを準備しているとの見方を否定した。

    この憶測は2026年F1マイアミGPのパドックで浮上した。アストンマーティンが同週末に空力アップデートを申告していなかったことが、その根拠のひとつとされた。

    マイアミでアップデートなし “Bスペック説”が浮上
    マイアミGPでは、多くのチームが大規模なアップデートを投入した。FIAのリストでは、フェラーリが11点、マクラーレン、レッドブル、ウィリアムズがそれぞれ7点、レーシングブルズとアルピーヌがそれぞれ6点の改良パーツを申告していた。

    一方で、アストンマーティンは空力面のアップデートを持ち込まなかった。メルセデス、アウディ、ハースF1チームも小規模な変更にとどまったが、メルセデスはモントリオールでより大きなアップデートを投入する計画だとされている。

    現在のアストンマーティンは上位勢との差が大きく、現実的にはキャデラックとの争いに近い位置にいる。そのため、チーム代表であり技術面を率いるエイドリアン・ニューウェイが、レースごとに小規模な改良を重ねるのではなく、一度に大きな進化を目指しているという見方には一定の説得力があった。

    しかし、チーム側はベルギーGPのスパ・フランコルシャンに特別な意味があるとの見方を否定した。

    「“Bスペックカー”という言葉は、チーム内部では使っていない」とアストンマーティンの広報担当者はCrash.netに語った。

    「どのシーズンでも通常そうであるように、レースごとに開発は行われる。一部のレースでは、他よりも大きな変更が入ることもある」

    「マイアミにアップデートを予定していたことは一度もない。我々には何カ月も前から計画された開発戦略があり、アップデートは準備が整ったタイミングで、今後数カ月、そして各レースで投入される」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    否定したのは“開発停止”ではなく“特定レースへの集中投入”
    今回の発言で重要なのは、アストンマーティンが開発そのものを否定しているわけではない点だ。否定したのは、ベルギーGPを節目とする「Bスペック」構想という表現であり、アップデート投入自体は今後も継続される。

    マイアミで更新がなかった理由についても、ベルギーGPへの一点集中ではなく、もともとの開発計画に基づくものだと説明している。

    2026年シーズンのアストンマーティンは苦戦が続いているが、チーム内部では中長期的な改善に向けた開発が進められていることも示唆された。

    マイク・クラック「後方を走りたいレーサーはいない」
    マイアミGPの木曜日、トラックサイド責任者のマイク・クラックは、現在の競争状況がフェルナンド・アロンソとランス・ストロールにとって特に厳しいものであることを認めた。

    「我々は皆レーサーであり、フィールドの後方を走りたいとは思っていない」とマイク・クラックは語った。

    「だから年ごとに改善したいと思うものだが、問題があると分かったときには、現実を冷静に受け止めなければならない」

    「フラストレーションを抱えても意味はない。ただ、それが人間として自然な反応であることは認めなければならない。そして繰り返しになるが、最も表にさらされるのはドライバーたちだ」

    「以前にも述べたが、ランスやフェルナンドのような経験豊富なドライバーがフィールドの後方を走ることは、彼らの本来いるべき場所ではない。その点で、彼らには最大限の敬意を払わなければならない」

    「だから、我々が管理しなければならないフラストレーションのレベルは確かにある。一方で、彼らは素晴らしいプロフェッショナルでもあり、より良い時期が来ることも分かっている」

    アストンマーティンにとって、問題はアップデートの有無だけではない。大きな遅れを抱える現状で、どのタイミングで、どれだけ効果のある開発を投入できるかが問われている。

    チームは“Bスペック”という表現を否定したが、AMR26が今後数カ月でどこまで競争力を引き上げられるかには、引き続き注目が集まる。

  • ホンダF1 マイアミで信頼性改善「次の焦点はエネルギー管理とドライバビリティ」

    ホンダF1 マイアミで信頼性改善「次の焦点はエネルギー管理とドライバビリティ」

    ホンダは、アストンマーティンとの2026年F1プロジェクトで厳しい開幕を迎えてきたが、マイアミGPで今季初めて2台が決勝を完走したことで、次の優先課題を明確にした。

    序盤戦ではパワーユニット由来の振動が大きな問題となり、アストンマーティンのシャシーだけでなく、コックピット内のドライバーにも負担を与えていた。

    しかしマイアミでは、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールが初めてフルレース距離を走り切り、アストンマーティン・ホンダのパッケージにとって重要な節目となった。

    信頼性対策に手応え「大きな問題なく完走できた」
    ホンダのチーフエンジニアである折原伸太郎は、レーシングニュース365を含むメディアに対し、日本GP後からHRCとアストンマーティンが対策に取り組んできたと説明した。

    「日本GPの後、HRCとアストンマーティンがここに対策を持ち込むために非常に懸命に取り組んできたと話しました」

    「それらがうまく機能していることを確認できましたし、ドライバーからもアストンマーティンとホンダにとって良い前進だという前向きなコメントをもらいました」

    「大きな信頼性の問題なく、フルレース距離とスプリントレース距離を走り切ることができました。これは良い前進です」

    ホンダF1 本田技研工業

    次の課題はエネルギー管理とドライバビリティ
    これまでホンダは信頼性への対応を最優先せざるを得なかったが、マイアミで一定の前進を確認したことで、今後はパフォーマンス面の改善に軸足を移すことができる。

    折原伸太郎は、次の焦点としてエネルギー管理とドライバビリティの最適化を挙げた。

    「次の焦点として、エネルギー管理とドライバビリティに関するデータ設定の最適化に取り組むことができます」

    「パワーユニットには、まだ改善できる余地がたくさんあります。それが次です」

    アストンマーティン・ホンダは依然として競争力の面で大きな課題を抱えているが、まず完走できる基盤を整えたことは、開幕から続いた苦戦の中で重要な転換点となる。次に問われるのは、信頼性確保から得られた余地を、どこまで実際のパフォーマンス向上につなげられるかだ。

  • エイドリアン・ニューウェイ 健康問題で入院報道 アストンマーティンF1は詳細語らず

    エイドリアン・ニューウェイ 健康問題で入院報道 アストンマーティンF1は詳細語らず

    アストンマーティンの苦境が続くなか、今度はエイドリアン・ニューウェイの健康問題が報じられた。英Daily Mailによると、ニューウェイは体調不良によって入院治療を受けており、その影響で2026年F1マイアミGPを欠席していたという。

    エイドリアン・ニューウェイは2026年からアストンマーティンに加わり、チーム再建の切り札として期待されている存在だ。

    しかし、チームは新レギュレーション初年度で深刻な不振に陥っており、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールはいまだノーポイント。そんな中で浮上した“健康不安説”は、パドック内でも大きな注目を集めている。

    ニューウェイ欠席の背景に“健康問題”報道
    英Daily Mailは、エイドリアン・ニューウェイが病院で治療を受ける必要がある体調不良に見舞われ、現在も回復過程にあると報じた。

    ニューウェイはもともと全戦帯同するタイプではなく、現場ではマイク・クラックがメディア対応を担うケースが多い。ただ、今回のマイアミGP欠席については、健康上の理由が背景にあったとされている。

    報道によれば、ニューウェイは現在も主に自宅から業務を行っており、苦戦するアストンマーティンの立て直しに取り組んでいるという。

    アストンマーティンF1は深刻な低迷状態
    2026年の新レギュレーション導入後、アストンマーティンは大きく競争力を失っている。

    マイアミGPではフェルナンド・アロンソが15位、ランス・ストロールが17位に終わり、グリッド最後尾ではキャデラックF1と争う状況となった。特にホンダ製パワーユニットを巡る振動問題は依然として解決途上とされており、チーム全体が苦しい立場に置かれている。

    次戦カナダGPまで3週間のインターバルがあるが、その間にどこまで状況を改善できるかが注目される。

    アストンマーティンは詳細コメント避ける
    一方で、アストンマーティン側は今回の報道について詳細な説明を避けている。

    チームの広報担当者は「チームメンバー個人に関する事項についてはコメントしない。エイドリアンは業務を行っており、先週もファクトリーに来ていた」とコメントした。

    ニューウェイ本人の病状や復帰時期については現時点で明らかにされていないが、チーム再建の中心人物だけに、その動向は今後も注目を集めそうだ。

  • アロンソ アストンマーティンF1の現状に自虐「トップ5ならその日に引退」

    アロンソ アストンマーティンF1の現状に自虐「トップ5ならその日に引退」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は、2026年F1マイアミGPで今季自己最高となる15位でフィニッシュした。しかし、依然としてポイント争いには届かず、アストンマーティンの苦戦は続いている。

    そんな中でも、アロンソはユーモアを失っていなかった。今季のアストンマーティンF1の現状を自虐的に語りつつ、「もしトップ5に入れたら、その日の午後に引退する」と冗談を飛ばしている。

    「トップ5ならその場で引退する」 アロンソ節が炸裂
    マイアミGP後、スペイン紙『Marca』の取材に応じたフェルナンド・アロンソは、現在のAMR26の戦闘力について率直な見解を示した。

    「もし今季どこかのレースで5位を獲れたら、その日の午後に引退するよ」

    アロンソはそう冗談交じりに語り、現在のアストンマーティンF1が置かれている厳しい状況を皮肉った。

    2026年シーズンのアストンマーティンは、開幕から深刻な競争力不足に苦しんでいる。マイアミGPではアロンソが15位、チーム全体としてもこれが今季最高順位となった。

    一方で、ホンダの振動問題改善やアップデート投入など、徐々に前進の兆しも見え始めている。ただし、依然として上位勢との差は大きく、アロンソ自身も現状を冷静に受け止めている。

    雨頼みだったアストンマーティンF1
    アロンソは、マイアミGP決勝で唯一期待していたのは天候だったと明かした。

    「僕たちは雨を期待していただけだった。『雨が降るかもしれない、ピットストップを回避できるかもしれない』と思っていた」

    「でも、あまり状況は変わらなかった。前のマシンとはすでに1回ピットストップ分の差があったから、たとえ相手が追加ストップしても、まだ前にいる状況だった」

    「できることはあまりない。でも、戦略マネジメントやタイヤマネジメントについて学ぼうとしている」

    アストンマーティンF1は、現時点で純粋なペース不足を戦略だけで覆せる段階にはなく、アロンソのコメントからも苦戦の深刻さがうかがえる。

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    ランス・ストロールとの“実験”も継続
    アロンソはDAZNの取材では、チームメイトのランス・ストロールと協力しながらマシン理解を進めていることも明かした。

    「毎朝ランスと話しているんだ。もし一緒に走れたらどうするか、離れたら待つべきか、とかね」

    「エネルギーマネジメントなどを少し学ぼうとしている。冬季テストで十分な走行距離をこなせなかったから」

    2026年型マシンではエネルギーマネジメントが重要なテーマとなっており、アストンマーティンF1も依然として最適解を探っている段階にある。

    アロンソはまだ終わっていない
    アロンソの“トップ5なら即引退”発言は冗談ではあるものの、それだけ現在の状況が厳しいことを象徴している。

    それでも、アロンソ自身は現時点で引退を考えているわけではない。むしろ、2027年以降に向けてアストンマーティンF1が競争力を取り戻すことを期待している。

    エイドリアン・ニューウェイ加入、ホンダとの本格体制、そして新時代プロジェクト。アロンソは、その完成形を見るまではまだF1を去るつもりはないようだ。

  • アストンマーティンF1 ホンダと前進も課題明確「大きな差は依然存在」

    アストンマーティンF1 ホンダと前進も課題明確「大きな差は依然存在」

    アストンマーティンは2026年F1マイアミGPを経て、パフォーマンス面では厳しい現実に直面しながらも、開幕前からの進歩に手応えを感じている。

    結果だけを見ればフェルナンド・アロンソは15位に終わり、トップ争いとは大きな差があった。しかしチーム内部では、プレシーズンからの改善という観点で前向きな評価がなされている。

    出発点から見れば確かな前進
    アストンマーティンはプレシーズン段階で深刻な問題を抱えており、連続周回すらままならない状況にあった。

    その状況と比較すれば、マイアミでは2台がスプリントと決勝を完走し、最低限の安定性を確保したこと自体が前進と捉えられている。

    また、予選・決勝ともにキャデラックを上回った点も見逃せない変化だ。日本GPのように最後尾に沈む展開とは明確に異なる内容となった。

    マイク・クラックが語る「顕著な進化」
    マイク・クラック(アストンマーティン トラックサイド責任者)は、ここ数戦の進歩を次のように評価している。

    「ここ数週間で見てきたように、我々の進み方、特に信頼性、振動の低減、そしてドライバビリティの改善は顕著なものだった」

    「すでにかなり実質的な改善が見えているし、この方向で作業を続ける必要がある」

    さらに開幕当初の状況についても振り返る。

    「シーズン序盤には非常に大きな問題を抱えていた。しかし、それを解決したスピードは本当に際立っていた」

    一方で、アップデートの具体的な内容や投入時期については明言を避けている。

    それでも埋まらない“決定的な差”
    進歩が認められる一方で、トップ勢とのギャップは依然として大きい。

    クラックもその現実を認めている。

    「さらなる改善が得られると信じているが、大きな差が存在することも認識しなければならない」

    現状では、1周あたり数秒規模の差があり、単なる改善では埋めきれない領域にある。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    問題はマシンだけではない
    クラックは課題がマシンに限定されないことも強調する。

    「戦略と計画を明確にする必要がある。我々の仕事は、持っているものから最大限を引き出すことだ」

    「すべての面で最適とは言えない。マイアミでは良い仕事をしたが、もっと良くできたはずだ」

    具体的にはエネルギーマネジメントやドライバビリティといった運用面でも改善の余地があると指摘する。

    不足していた走行データが足かせに
    アストンマーティンはシーズン序盤に十分な周回を重ねられなかった影響も抱えている。

    「毎周ごとに新しいことを学んでいるが、シーズン序盤からの走行不足という大きなハンディキャップがある」

    その中で、他チームとの直接比較や接近戦は重要なデータ源となっている。

    「直接のライバルと戦えることは追加の情報をもたらす。それが今後の開発において重要な要素になる」

    カナダGPに向けてアップデート投入も示唆されており、ここから“第2フェーズ”に入るかが注目される。