カテゴリー: ホンダF1

  • アストンマーティン・ホンダF1 マイアミGP予選でキャデラック超え「小さな一歩」

    アストンマーティン・ホンダF1 マイアミGP予選でキャデラック超え「小さな一歩」

    2026年F1第4戦マイアミGPは現地時間5月2日(土)、スプリントレースと予選を実施。アストンマーティン・ホンダは厳しい暑さの中でスプリントを走り切り、高温環境下におけるパワーユニットの機能と信頼性を確認した。

    午後の予選では18位、19位にとどまったものの、ホンダ F1 トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアの折原伸太郎は、キャデラック勢の前に出たことを「小さな一歩」と受け止めた。

    高温のマイアミで信頼性を確認
    マイアミGPは米フロリダ州のマイアミ・インターナショナル・オートドロームで開催され、土曜日にはスプリントレースと予選が行われた。決勝は現地時間5月3日(日)に予定されている。

    折原伸太郎は、非常に暑いコンディションの中でも一日を通してセッションを重ねられたことをポジティブに評価した。

    「今日もスムーズにセッションを重ねられた一日になりました。非常に暑いコンディションの中ではありましたが、スプリントレースを最後まで走り切り、高温環境下においてPUがどのように機能するか、信頼性も含めて確認できたことはポジティブでした」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    キャデラック超えも「目指すポジションではない」
    一方で、予選結果は18位、19位。アストンマーティン・ホンダにとって満足できる位置ではなく、依然としてパフォーマンス面で大きな課題を抱えている。

    それでも、キャデラック勢の前のグリッドを確保できた点について、折原伸太郎は前進の兆しとして受け止めた。

    「午後の予選でキャデラックより前のグリッドを確保できたことも、小さな一歩だと捉えています。もちろん、18位、19位という結果は我々が目指すポジションではなく、さらなるパフォーマンスの向上が必要であることは十分認識しています」

    マイアミの高温環境で信頼性を確認できたことは収穫だが、順位が示す通り、アストンマーティン・ホンダはまだ競争力の底上げを必要としている。決勝では完走とデータ収集を重ねながら、次戦以降に向けた改善材料をどこまで積み上げられるかが焦点となる。

  • ホンダF1 5週間の開発で振動問題に進展 折原伸太郎「正しい方向に進んでいる」

    ホンダF1 5週間の開発で振動問題に進展 折原伸太郎「正しい方向に進んでいる」

    ホンダは、2026年F1マイアミGPでエンジン振動の低減と信頼性向上を目的とした追加対策を投入する。アストンマーティンとの新ワークス提携は開幕から厳しい状況が続いているが、日本GP後の5週間の中断期間を使い、ホンダとアストンマーティンは問題解決に向けた作業を進めてきた。

    ただし、今回の対策がすぐにパワーユニットのパフォーマンス向上として表れるわけではない。ホンダ側は「いくらか進歩した」としながらも、マイアミで大きなジャンプを期待すべきではないと慎重な見方を示している。

    日本と英国で進められた集中作業
    ホンダは2026年シーズンからアストンマーティンと新たなワークス提携を開始した。シルバーストンを拠点とするチームを優勝争い、さらにはタイトル争いに導くための重要なピースと位置づけられていたが、開幕3戦は極めて厳しいものとなった。

    エイドリアン・ニューウェイが「最後の最後にまとまった」と認めたAMR26は、製造遅延の影響もあり、速さと信頼性の両面で苦戦。ここまでアストンマーティンが決勝で完走扱いとなったのは、日本GPでフェルナンド・アロンソが18位に入った1回だけだった。

    その前のオーストラリアGPと中国GPでは、アロンソとランス・ストロールの走行が深刻な振動問題によって制限されていた。

    折原伸太郎「正しい方向に進んでいる」
    バーレーンGPとサウジアラビアGPが中止となったことで生まれた長いインターバルの間に、アストンマーティンとホンダは舞台裏で解決策の検討と実装を進めてきた。

    F1パドックがマイアミ・インターナショナル・オートドロームに再集結する中、ホンダのトラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアである折原伸太郎は、新体制の現状について次のように説明した。

    「レースの間は長く、しかし非常に濃密な期間でした。日本と英国の双方で、アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラワン・チームと協力しながら、多くの作業を進めてきました」

    「日本GPは、その作業が正しい方向に進んでいることを示してくれましたし、さらに前進し続けるためのモチベーションにもなりました」

    「そのレース後、我々は初めてAMR26の1台をさくらの施設に残し、さらなる静的テストを行う機会を得ました。振動を低減し、それによって信頼性を高めることに取り組みました」

    折原伸太郎は、マイアミGPで追加対策を投入できる段階まで進んだとしながらも、即効性については慎重な見方を示した。

    「いくらか進歩したことで、マイアミ、そしてシーズン後半に向けてさらなる対策を実装できるようになりました」

    「現実的には、この進歩がコース上でのパワーユニット性能に目に見える影響を与えることはありません。そのため、ここで大きな前進を期待すべきではないと考えています」

    ホンダF1 折原伸太郎

    アロンソ「まずは振動と信頼性、性能は次の段階」
    フェルナンド・アロンソも、ホンダが問題解決に向けて懸命に取り組んでいると説明した。マイアミでは、アストンマーティンが「より良い位置」に立てるかを慎重に見極めることになる。

    「シルバーストンでは空力性能について、まだ引き出せるペースがあると考えている。そしてさくらでは、信頼性と振動、さらにパフォーマンスという2つのことに取り組んでいる」

    「ここには振動と信頼性に対するいくつかの解決策を持ち込んでいるようだ。実際に走らせたとき、マシンにポジティブなニュースがあることを願っている。パフォーマンスは次のステップで来ることを期待している」

    ストロール「問題は分かっているが、一夜では解決しない」
    ランス・ストロールも、アロンソと同じ見方を示した。アストンマーティンとホンダにはまだ改善の余地が大きく残されているが、それを実際のパーツやアップグレードとして形にするには時間がかかると強調した。

    「問題は分かっていると思う。いくつかの答えについても考えはある。でも、パーツを作り、アップグレードをマシンに載せ、すべての問題を直すことは別の話だ」

    「一夜にして起こることではない。だから今週末は振動に集中している。それが良くなることを願っているし、その後はシーズンを通じて、できる限り多くのパフォーマンスを持ち込もうとしている」

    「僕たちは大きく離されているし、それは分かっている。でもベストを尽くしている」

    ホンダとアストンマーティンにとって、マイアミGPは反転攻勢の始まりというより、まずは深刻な振動問題を抑え込み、通常の開発サイクルに戻るための試金石となる。パワーユニットの性能向上は次の段階に残されているが、信頼性の回復なくしてAMR26の本来の評価は始まらない。

  • アストンマーティン・ホンダF1 マイアミGPで崩壊 F2以下の衝撃タイムと107%超

    アストンマーティン・ホンダF1 マイアミGPで崩壊 F2以下の衝撃タイムと107%超

    アストンマーティンは2026年F1マイアミGPのスプリント予選で深刻なパフォーマンス不足と信頼性問題に直面し、両車が最後尾に沈む厳しい結果となった。ランス・ストロールはほぼ走行できず、フェルナンド・アロンソも107%ルールを超えるタイムに終わるなど、チームは今季最悪レベルの内容となった。

    フリー走行から兆候は現れていた。走行時間の半分をガレージで過ごし準備不足のまま予選に突入。

    その結果は、単なる不運ではなく構造的な問題を強く示唆するものとなった。F2より遅いラップタイムという異例の事態も含め、状況は深刻さを増している。

    走行不能に近いストロール 技術トラブルが直撃
    ストロールはブレーキトラブルにより、ほとんど走行できないままセッションを終えた。

    「ブレーキに問題があったけど、正確な原因はまだ分かっていない。少なくとも数周は走りたかったが、結局1周も完了できなかった。シーズン序盤から抱えている問題と同じような状況だ」

    フリー走行でも十分な走行時間を確保できておらず、マシンのセットアップも進まないまま予選に臨むことになった。今回のマイアミではアップデートも投入されておらず、問題解決の糸口すら見えない状況だ。

    アロンソは107%超え F2以下の衝撃的タイム
    アロンソは1周の計測には成功したものの、ミスにより大きくタイムを失い、1分41秒311にとどまった。

    このタイムはF1の基準から大きく遅れるだけでなく、同週末のF2最下位タイム(1分41秒157)をも下回るという衝撃的な内容だった。このF2最下位タイムは、皮肉にもアストンマーティンの育成ドライバーであるキアン・シールズ(AIXレーシング)が記録したものだった。

    さらに、このラップはSQ1トップのランド・ノリスの107%を大きく超えており、本来であればスプリント出走資格を失う可能性があった。しかしスチュワードはフリー走行でのタイムを考慮し、両車の出走を特例で許可。結果としてアストンマーティンは21番手・22番手からスプリントに臨むことになった。

    構造的問題が露呈 アストンマーティンの底打ち感
    今回の内容は単なる一度の失敗ではなく、マシンの根本的な競争力不足と信頼性問題が同時に表面化したものだ。ストロールの走行不能、アロンソの107%超え、そしてF2以下という比較は、その深刻さを端的に示している。

    アップデートなしで臨んだマイアミで状況はさらに悪化し、アストンマーティンはシーズンの中でも最も厳しい局面に突入している。ここから立て直せるかどうかが、今後の勢力図を左右する重要な分岐点となりそうだ。

  • アストンマーティンF1 アップデート未掲載に反論「何もしてなかったわけではない」

    アストンマーティンF1 アップデート未掲載に反論「何もしてなかったわけではない」

    アストンマーティン・ホンダF1は、2026年F1マイアミGPの週末において、FIAの公式アップデートリストに変更が記載されなかったことを受け、その見方に対する反論を示した。外から見れば“開発なし”とも受け取られかねない状況だが、チームはこの5週間の中断期間で多くの作業を進めてきたと強調している。

    チームアンバサダーのペドロ・デ・ラ・ロサは「何もしていなかったわけではない」と明言し、振動対策やドライバビリティ、パワー供給、重量削減といった領域での改良が行われてきたと説明。

    ただし、それらは空力アップデートのように一覧化される性質のものではなく、公式書類には反映されない“見えない開発”である点を強調した。

    アップデート未掲載が招いた誤解
    アストンマーティンのマシンAMR26は、FIAが公開したアップデートリストにおいて変更点が記載されなかった。これは通常、空力パーツなど外部から確認できる改良が対象となるためであり、今回のように記載がない場合は“開発が行われていない”という印象を与えやすい。

    しかし、チーム側はこの解釈を否定する。今回の中断期間では、目に見えるパーツの更新ではなく、内部的な改良やセットアップ領域に重点が置かれていたとされる。

    デ・ラ・ロサ「表に出ない作業がある」
    ペドロ・デ・ラ・ロサは、公式リストの限界について次のように説明した。

    「伝えるべきことはすでにすべて話されている。振動、ドライバビリティ、パワー供給、重量削減に多くの作業を行った。これらはFIAの変更表に要約できるものではない。空力ではないからだ」とペドロ・デ・ラ・ロサはDAZNの取材に対して語った。

    「我々が腕を組んでいたと思う人がいないようにしてほしい。日本にマシンを置いてきて、そのエンジンとギアボックスでテストを行ったことは非常に生産的だった。空力の改善や変更が存在しないからといって、マシンの皮膚の下で作業が行われていないということにはならない」

    この発言が示す通り、今回の開発は“外から見えない領域”に集中している。振動の低減やパワーユニット周辺の最適化などは、構造や組み付け、制御に関わる要素が多く、パーツ単位のアップデートとして記録されにくい。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    コース上の証明が求められる段階
    ただし、こうした主張が評価されるかどうかは、最終的にコース上のパフォーマンスに委ねられる。マイアミのフリー走行では依然として後方に沈む結果となっており、“見えない開発”の成果がすぐに表れる状況ではない。

    デ・ラ・ロサも、まずは現状の変化を慎重に見極める必要があると認めている。

    「まず、変更がレースに向けて正しい方向に進んでいるかを分析しなければならない。そのうえで、何が使えるのかを理解する必要がある。開発プログラムは続いているが、時間を与えなければならない」

    アップデート未掲載という事実と、内部で進められている開発との間に生じたギャップ。アストンマーティン・ホンダF1は、その“見えない作業”を結果として示せるかが問われている。

  • フェルナンド・アロンソ F1マイアミGP初日「振動は改善したが速さは変わらない」

    フェルナンド・アロンソ F1マイアミGP初日「振動は改善したが速さは変わらない」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)は、2026年F1第4戦マイアミGP初日を終え、マシンのフィーリングと課題について語った。特に焦点となったのは、日本GP以降に対策が進められてきたホンダ製パワーユニットの振動と、依然として改善されていないパフォーマンス面だった。

    インターバル期間を経て投入された対策により振動は軽減されたものの、他チームがアップデートを進める中で競争力の差は広がりつつあるという認識を示している。

    「振動は良くなっていた。日本GP以降、この3戦の間にいくつか修正を入れたので、エンジンの振動は少なくなっている。ただ残念ながらパフォーマンスには手をつけていない」

    「だから僕たちはまだ他と比べて少し遅れていると思う。彼らは日本以降にクルマを改善しているし、僕たちは信頼性だけを改善した。なのでパフォーマンス面では少し後ろにいる状況だ」

    パフォーマンスが開幕3戦から悪化しているのか、それとも単に周囲が進歩した結果なのかという点については、後者との見方を示した。

    「クルマ自体は同じだ。他のチームは日本やここマイアミでアップデートを入れてきている。だから僕たちは少し差を広げられていると思う」

    「ただそれは受け入れているし、僕たちのシーズンプログラムは他とは少し違う。今は落ち着いて進める必要がある」

    アストンマーティンは現時点で信頼性の確保を優先する段階にあり、パフォーマンス改善は今後の課題となる。振動問題の進展は見られたものの、競争力の面では依然として厳しい状況が続いている。

  • ランス・ストロール F1マイアミGP初日「ブレーキに問題があった」

    ランス・ストロール F1マイアミGP初日「ブレーキに問題があった」

    ランス・ストロール(アストンマーティン・ホンダ)は、2026年F1第4戦マイアミGP初日を振り返り、スプリント予選での走行中断の原因がブレーキトラブルにあったことを明かした。アップデートなしで臨んだ週末は厳しい立ち上がりとなり、十分な走行機会を得られなかった。

    セッション中にはコース上でストップする場面が見られ、その後の走行は叶わなかった。原因については現在も調査中だという。

    「ブレーキに問題があった。正確にはまだ分からないので、今調べているところだ」とストロールはコメント。

    本来であればアタックラップを含めて周回を重ねる予定だったが、トラブルによって計画は崩れた。

    「1周か2周は走れると思っていたけど、問題が出てしまって今日は走れなかった」

    また、限られた走行の中で得られた手応えについても、シーズンを通して抱えている課題が解消されていないと語った。

    「それほど多くはない。今シーズンずっと抱えているのと同じ問題が多い」

    アストンマーティンはこの日、信頼性とパフォーマンスの両面で苦戦。ストロールの走行不足は週末全体の戦略にも影響を及ぼす可能性があり、厳しいスタートとなった。

  • ホンダF1 マイアミGP初日 折原伸太郎「振動対策は想定どおり機能」

    ホンダF1 マイアミGP初日 折原伸太郎「振動対策は想定どおり機能」

    ホンダは、2026年F1第4戦マイアミGPの初日を通じて、振動対策と信頼性の両面で前進を確認した。約1か月の中断期間を経て投入したアップデートが、実走行の中で機能していることが明らかになった。

    フリー走行1(FP1)とスプリント予選が行われた初日は、開発成果の検証という意味合いが強いセッションとなった。ホンダにとっては、開幕から課題となっていた振動問題への対応が焦点となっていた。

    振動対策は想定どおり機能 ドライバーからも好感触
    ホンダ F1 トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアの折原伸太郎は、この数週間の取り組みについて次のように説明した。

    「レースがなかった4週間は、HRCさくらの施設で振動対策に取り組んできました。これはバッテリーに対するものだけではなく、ドライバーへの振動低減、ドライバビリティ向上を含めた対策です。」

    その成果については、初日の走行で明確な手応えを得ている。

    「今日のセッションでは、これらの対策が想定どおり機能していることが確認でき、この点についてドライバーからも前向きなフィードバックを得られました。我々にとってポジティブな要素であり、HRCとアストンマーティン、両者の努力の結果だと考えています。」

    ホンダF1 マイアミグランプリ

    PUは安定稼働 信頼性の前進を確認
    パワーユニットの観点でも、初日は大きなトラブルなくセッションを終えたことが評価されている。

    「FP1、スプリント予選ともに、PUの観点ではスムーズなセッションとなり、信頼性の面でも前進できたと受け止めています。」

    これまで課題とされてきた信頼性については、着実な改善が見られている状況だ。

    エネルギーマネジメントは継続課題
    一方で、2026年レギュレーションの特徴であるエネルギーマネジメントについては、依然として最適化の途上にある。

    「新レギュレーションのもとでエネルギーマネジメントの最適化も進めていますが、まだ模索を続けている段階です。スプリントレース、そして予選を通じて、さらなる改善につなげられるよう、引き続き取り組んでいきます。」

    振動と信頼性という基礎部分に進展が見られた一方で、パフォーマンス面での課題は残る。マイアミのスプリントと予選は、ホンダにとって次のステップへ進めるかを測る重要なセッションとなる。

  • アストンマーティン・ホンダF1 ニューウェイ体制は「広報上のオウンゴール」

    アストンマーティン・ホンダF1 ニューウェイ体制は「広報上のオウンゴール」

    アストンマーティンF1は、エイドリアン・ニューウェイを中心に据えた2026年F1プロジェクトで大きな期待を集めてきた。しかし、AMR26が競争力を示せない状況のなかで、その体制そのものに対する疑問が強まっている。

    元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、ニューウェイをチーム代表の役割に置いた判断に疑問を呈し、さらにジョナサン・ウィートリーのアウディ離脱発表後にローレンス・ストロールが出した声明について、アストンマーティン側の「広報上のオウンゴール」だったと指摘した。

    ニューウェイのチーム代表起用に「想像したことはなかった」
    エイドリアン・ニューウェイは2024年8月にアストンマーティンF1加入が発表され、2025年3月にマネージングテクニカルパートナーとして正式に着任した。そこから2026年F1レギュレーションに向けた新車プロジェクトを主導してきた。

    しかし、AMR26が実戦で競争力を欠いていることが明らかになると、状況は一変した。ニューウェイが巻き返すという期待はなお残っている一方で、批判は増えており、特にニューウェイをチーム代表的な役割に置いた判断に視線が集まっている。

    クルサードは、F1でニューウェイの働き方をよく知る人物のひとりだ。1994年にニューウェイ設計のウィリアムズでF1デビューし、1997年から2004年まではマクラーレンで再びニューウェイと仕事をした。さらに2005年にレッドブルへ移籍した後も、同年末にニューウェイが加入し、2009年のクルサード引退まで同じチームで過ごした。

    クルサードはポッドキャスト『Up to Speed』で、ニューウェイについてこう語った。

    「キャリアの大半でエイドリアンと一緒に仕事をしてきたが、彼がチーム代表になる姿はまったく想像したことがなかった」

    「彼は非常に優れた技術的思考を持っている。レーシングドライバーであり、技術的な問題解決の専門家だ」

    その一方で、クルサードはチーム代表に求められる政治的・メディア対応的な側面について、ニューウェイに向いている役割ではないとの見方を示した。

    「チーム代表が常に対処しなければならないF1の政治、そして時にメディアとの間で生まれる政治は、繊細な問題だ。特にエイドリアンの年齢、60代半ばという年齢ではなおさらだ」

    「年月を重ねると、自分が進んでやることと、もうやらないことがあると分かってくる。なぜなら、これから先の道のりは、すでに歩んできた道のりより短いからだ」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    ストロール声明は「広報上のオウンゴール」
    クルサードは、ジョナサン・ウィートリーをめぐるアストンマーティンの対応についても言及した。

    ウィートリーのアウディ離脱は、ニューウェイの恒久的な後任としてローレンス・ストロール率いるアストンマーティンに加わる将来と関係していると見られている。しかし、アウディがウィートリーの退団を発表した直後、ストロールはアストンマーティンの公式チャンネルを通じて個人声明を出し、ニューウェイが引き続きその役職にとどまると強調した。

    クルサードは、この動きの背景に強い関心を示しつつ、アストンマーティンの広報チームにとっては結果的に逆効果だったと指摘した。

    「これは長期的な戦略だ。だから、ローレンス・ストロールの声明の先にあるものをもっと知りたい。あの声明では、エイドリアンがチームのパートナーであり、株式を持っており、当初の計画を続けていくと再確認していた」

    「私には、これは短期的な戦略だったものを修正しただけのように見える。そして実際には、広報上のオウンゴールになった。多くの人に疑問を抱かせたからだ。『本当にうまくいくのか?』と」

    「今では、我々がすでに思っていたこと、つまり決して機能しないのではないか、という考えを抱かせている」

    アストンマーティンは、ニューウェイ加入、ホンダとのワークス体制、フェルナンド・アロンソの存在によって、2026年F1シーズンの大きな注目チームと見られていた。しかし、現時点では期待が成果に結びついておらず、チームの技術体制とマネジメント構造の両方が問われる状況になっている。

  • ホンダF1は追いつけない?“屈辱的”ADUO見直しの議論

    ホンダF1は追いつけない?“屈辱的”ADUO見直しの議論

    2026年F1のパワーユニットを巡り、ホンダにとって看過できない“前提”が出来上がりつつある。

    The Raceによると、F1首脳陣とパワーユニットメーカーの間で、ADUO(追加開発・アップグレード機会)の運用見直しを巡る議論が進められているという。

    問題は、その議論の出発点だ。

    ADUOの正式な評価は現時点で確定していない。それにもかかわらず、パドック内ではホンダが支援対象となる可能性が高いとの前提で話が進められているようだ。

    まだ“負けていない”のに始まる救済議論
    本来、ADUOは評価の結果として適用される制度だ。誰がどれだけ遅れているのかが確定し、その上で開発機会が与えられる。

    しかし今回の流れは逆だ。

    評価が確定する前に、特定メーカーを前提とした制度見直しが議論されている。

    これは極めて異例の状況と言える。

    そしてその“前提”に置かれているのがホンダである以上、この議論は技術的な問題にとどまらない意味を持つ。

    “救済される側”というレッテル
    仮にホンダが最終的に遅れていると評価されるとしても、それは結果論だ。

    だが現状は、その結果が出る前から「助けられる側」として扱われている構図になっている。

    しかもその必要性を、ライバルであるメルセデスのトト・ヴォルフが公然と口にしている。

    「問題を抱えているエンジンメーカーは1社だけだ。我々はそこを助ける必要がある」

    この発言が示すのは、単なる現状認識ではない。

    “誰が遅れているか”という議論を、事実上固定してしまう力を持っている。

    複数回アップグレードでも足りないという前提
    現行のADUO規則では、4%以上の遅れがあれば2026年に最大2回のアップグレードが認められる。

    ホンダはこの4%側に位置している可能性が高く、制度上はすでに複数回の開発機会を得られる立場にあるとみられている。

    それにもかかわらず見直し議論が浮上しているということは、こうした枠内の開発では追いつけない可能性があると見られているということだ。

    つまりホンダは、制度上の最大支援を前提としてもなお足りないと判断されている。

    この認識自体が、すでに一つの評価と言える。

    “支援”の中身は開発力そのもの
    ADUOは単なるアップグレード回数の問題ではない。

    内燃機関やターボ、MGU-K、バッテリーといった主要構成の改良に加え、開発予算やベンチテスト時間の拡大も含まれる。

    それでもなお制度見直しが議論されているという事実は、単なる技術的遅れではなく、開発サイクルそのものに差があるとの見方を示唆している。

    ホンダF1 本田技研工業

    “同意”を巡る温度差
    ただし、この案が実現するかは別問題だ。

    アウディやレッドブル・フォードが、2026年のパワーユニットをゼロから開発しながら支援なしで競争力を発揮している現状を踏まえれば、この措置に対する温度差が生まれるのは避けられない。

    実際、こうした規則変更にはパワーユニットメーカーの大多数に加え、FIAとFOMの承認が必要とされる。

    誰をどこまで引き上げるのかという問題は、単なる技術論ではなく、利害が直接ぶつかる領域でもある。

    “救済”の前提が意味するもの
    今回のADUO見直し報道が示しているのは、制度の変更そのものではない。

    それが必要とされている理由だ。

    評価が確定する前から、特定メーカーが支援対象と見なされる。

    そして、その支援ですら不十分かもしれないと考えられている。

    この二重の前提こそが、ホンダにとって最も重い意味を持つ。

    それは単なる技術的遅れではなく、“追いつけないかもしれない存在”として見られているという現実だからだ。

    なお、ホンダ救済を巡るADUO規則見直しについては、その後、投票が直前で停止される異例の展開となっている。

    今回の投票停止は、こうした議論の難しさを象徴する動きとも言える。

  • ランス・ストロール F1レギュレーションを痛烈批判「F3の方が1000倍楽しい」

    ランス・ストロール F1レギュレーションを痛烈批判「F3の方が1000倍楽しい」

    ランス・ストロール(アストンマーティン)は、2026年F1レギュレーションに対してこれまでで最も強い言葉で批判を展開した。マイアミGPを前にしたメディア対応で、現行マシンのコンセプトやレースの在り方そのものに疑問を投げかけている。

    一方で、同じパドック内でも見解は分かれており、バルテリ・ボッタスやF1首脳陣は現状をより冷静に評価している。ドライバー体験と競技全体の方向性、そのギャップが改めて浮き彫りとなった。

    ストロール「レギュレーションは完全に間違っている」
    ストロールは、2026年レギュレーションについて明確に否定的な見解を示した。

    「うまくいけば、ハーフスロットルや、レースや予選を台無しにするあらゆる要素が改善されることを願っている」

    「まだ“本来のF1マシン”には程遠いと思う。バッテリーのことを気にせず、常に全開でプッシュできる状態じゃない」

    「僕たちはあるべき姿から大きくかけ離れている」

    「レギュレーションは本質的に完全に間違っている。僕はエンジニアじゃないけど、できることはたくさんあるはずだ」

    その不満は、単なるパフォーマンスではなくドライビング体験そのものにも及んでいる。

    「今のF1は、運転していてそこまで楽しくない」

    「休みの間に他のカテゴリーのクルマにも乗った。フォーミュラ3のマシンもテストしたけど、あれは1000倍楽しかった」

    「なぜなら、自分の右足次第だからだ。どれだけパワーを使うかは自分で決められるし、それがそのまま返ってくる」

    “かつてのF1”との決定的な違い
    ストロールは過去のF1と比較し、現在のカテゴリーが持つ個性の希薄化にも言及した。

    「V8やV10時代のオンボード映像も見たけど、当時はもっと激しくて、もっとエキサイティングだった」

    「今と比べると、あの頃の方がずっと濃密だった。残念だけど、またああいう方向に戻ってほしい」

    さらに、この問題については多くのドライバーが同様の考えを持っているとしつつも、自由に発言できない状況があると示唆した。

    「同じことを言えるドライバーもいれば、契約の関係で言えないドライバーもいる」

    「それがF1だ。とても政治的な世界になり得る」

    ランス・ストロール F1レギュレーション

    ボッタスは慎重姿勢「正しい方向への一歩」
    一方で、キャデラックF1のバルテリ・ボッタスはより抑制的な評価を示した。

    「まだ小さな一歩だけど、正しい方向への一歩だ」

    「もっと大きな変更もできるだろうが、同時に結果を出しているチームを不当に不利にしてはいけない」

    現行レギュレーションの課題を認めつつも、バランスを重視する立場を取っている。

    ドメニカリは危機論を否定「F1は非常に健全」
    こうしたドライバーの不満とは対照的に、F1 CEOのステファノ・ドメニカリは強く現状を肯定した。

    「F1にはまったく問題はない。非常に良い状態にある。それだけははっきりさせておきたい」

    ドライバーの“現場感覚”と、運営側の“全体最適”の間にある温度差は明確であり、2026年レギュレーションを巡る議論は今後も続いていく可能性が高い。