カテゴリー: ハースF1チーム

  • オリバー・ベアマン アストンマーティンF1躍進を警戒「本来なら争う相手ではない」

    オリバー・ベアマン アストンマーティンF1躍進を警戒「本来なら争う相手ではない」

    オリバーベアマンは、F1第11戦ハンガリーGPで大幅アップグレードを投入したアストンマーティンF1が中団争いへ加わったことについて、「本来なら争う相手ではない」と危機感をあらわにした。

    ハースF1は今季序盤こそ好調だったが、近戦ではライバル勢の開発競争についていけず苦戦が続いている。一方のアストンマーティンはハンガリーGPでBスペック仕様のAMR26を投入し、フェルナンド・アロンソが今季初めてQ1突破を果たすなど、大きな前進を示した。

    アストンマーティンの前進に「本当に苦しい」
    予選でアロンソにわずかに及ばなかったベアマンは、アストンマーティンとの争い自体がハースにとって厳しい現実を示していると認めた。

    「本当に苦しいよ。それだけ僕たちが今どれだけ苦戦しているかを物語っている」

    「ただ同時に、ここはストレートが最も短いサーキットだから、彼らにとって最も相性のいいコースだったとも思う。だから、この状況がずっと続くとは考えていない」

    「それでも、僕たちがもっとレベルアップしなければならないという現実を突きつけられた」

    キャデラックF1のバルテリ・ボッタスも、ハンガリーのレイアウトがアストンマーティンに有利だったとの見方を示している。

    しかし、その希望も長くは続かない可能性がある。アストンマーティンはハンガリーで実施したフィルミングデーで改良版ホンダ製パワーユニットを初走行させており、この新仕様は夏休み明けのオランダGPで実戦投入される予定となっている。

    オリバー・ベアマン(ハースF1チーム)

    「クルマが本来の性能を発揮していない」
    ハンガリーGPでは完走車中最後尾の17位に終わり、トップから2周遅れという厳しい結果に終わったベアマン。苦戦の原因について自身ではなくマシン側にあると説明した。

    「クルマが本来あるべき性能を発揮していないことが分かっているし、自分としてはいい仕事ができたと思っている」

    「できる限りのことはやった。でもスパで感じたクルマとはまったく別物だった。スパと比べても、チームメイトのマシンと比べても、ダウンフォース量に大きな差が出ていることを確認している」

    「だから原因はクルマだ。本当に、本当にひどい週末だった」

    さらにベアマンは、ハースが抱える最大の問題はパフォーマンスの一貫性の欠如だと指摘した。

    「今週末は僕のマシンだったけれど、別の週末にはエステバン(オコン)のクルマが突然10~15ポイント分のダウンフォースを失うこともある」

    「結局は運任せなんだ。運よく当たりのクルマならいい週末になるし、外れを引けば本当に長い週末になる。今回はその長い週末だった」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    アストンマーティンとの差はさらに広がる可能性
    今回のハンガリーGPでは、アストンマーティンは空力アップグレードだけで中団グループへ復帰する兆しを見せた。さらに夏休み明けのオランダGPでは、改良版ホンダ製パワーユニットの投入も控えており、ライバル勢にとっては一段と厳しい状況になる可能性がある。

    一方のハースは、コストキャップ上限を下回る予算で運営しているとみられ、開発競争で後れを取っているとの見方もある。ベアマンの「本来なら争う相手ではない」という言葉は、アストンマーティンの急速な前進以上に、ハースが置かれている厳しい現状を象徴する発言と言えそうだ。

  • ハースF1富士TPCで見えた坪井翔と福住仁嶺起用の賛否 議論を分けたTPCの役割

    ハースF1富士TPCで見えた坪井翔と福住仁嶺起用の賛否 議論を分けたTPCの役割

    TGRハースF1チームが7月28日から29日にかけて富士スピードウェイで実施したTPC(Testing of Previous Cars)は、日本のモータースポーツファンにとって特別な2日間となった。

    2025年型VF-25を使用した今回のテストでは、坪井翔と福住仁嶺がF1マシンをドライブ。日本人ドライバーが母国で最新世代に近いF1マシンを走らせる機会は極めて珍しく、平日の開催にもかかわらず多くのファンが富士スピードウェイを訪れ、その走りを見守った。

    しかし、今回のTPCを巡る議論は、単純な賛否では語れないものだった。

    日本では「国内トップドライバーがF1マシンに乗る姿を見られた」という喜びが広がる一方で、「TPCは本来、若手育成のための制度ではないのか」という疑問も投げかけられた。そして海外では、坪井翔や福住仁嶺という個人以上に、「トヨタとハースはTPCをどのような育成プログラムとして運用していくのか」という点が大きな論点となった。

    一見すると、日本は歓迎、海外は批判という構図にも見える。

    だが、実際に交わされていた議論を追っていくと、対立していたのは坪井翔と福住仁嶺の評価ではなかった。

    議論の中心にあったのは、「TPCを何のための制度と考えるのか」という認識の違いである。

    日本では、国内トップカテゴリーで実績を積み重ねたドライバーがF1マシンへ乗ること自体に大きな価値が見いだされた。一方、海外ではTPCをF1への育成プロセスの一部と捉える見方が強く、限られた走行機会を誰へ与えるべきかという議論へ発展していった。

    同じ出来事でありながら、評価の出発点は大きく異なっていたのである。

    TPCとは何か 今回の議論を理解するための前提
    今回の反応を理解するうえで、まず整理しておきたいのがTPCという制度の位置付けだ。

    TPC(Testing of Previous Cars)は、FIAが認める旧型F1マシンによるテスト制度である。原則として使用できるのは2年以上前のマシンだが、2026年はレギュレーションが全面的に変更されたことから、前年型となる2025年型マシンの使用が特例として認められた。

    現在のF1では、現行マシンによるプライベートテストは厳しく制限されている。そのためTPCは、若手ドライバーへF1マシンを経験させる場として活用されるだけでなく、リザーブドライバーの走行機会やチームスタッフの育成、オペレーション確認、各種システムの習熟など、多くの目的を担うプログラムとなっている。

    ハースも今回の富士テストについて、ドライバー育成だけではなく、エンジニアやメカニックを含めたチーム全体の育成プログラムであることを強調していた。

    つまりTPCは、単なるデモランでもファンサービスでもない。

    一方で、将来のF1ドライバー候補へ経験を積ませる役割も期待されていることから、「誰を起用するのか」が常に議論の対象となる制度でもある。

    今回の富士テストも、その二面性が色濃く表れたケースだった。

    トヨタとハースは2025年から技術提携を進め、その一環としてTPCを活用してきた。平川亮や宮田莉朋、小林可夢偉、そして坪井翔もこれまでテストへ参加しており、今回初めて福住仁嶺が加わった。

    そのため、今回の起用は単独の出来事ではなく、「トヨタ・ハース提携がどのような育成プログラムを目指しているのか」を示す一つの材料として受け止められたのである。

    ハースF1チーム 富士スピードウェイ

    日本では「F1に乗る姿」そのものが歓迎された
    日本国内で最も目立ったのは、坪井翔と福住仁嶺の起用を歓迎する声だった。

    その多くは、「F1デビューへ近づいた」という期待よりも、「国内トップドライバーがF1マシンを走らせる姿を日本で見られる」という事実そのものを喜ぶものだった。

    平日開催にもかかわらず、「2日とも富士へ行く」「仕事を調整してでも見たい」「日本でF1マシンの本格走行を見られる機会は貴重だ」といった声が相次ぎ、現地からは走行写真や動画、ガレージ周辺の様子が次々と発信された。

    イベントとしての注目度の高さは、TPCという制度の認知度以上に、「F1マシンが富士を走る」という特別感の大きさを物語っていた。

    福住仁嶺の起用には、とりわけ感慨深いという反応が多かった。

    GP3でランキング3位に入り、欧州でF1を目指した経験を持ちながら、その夢は叶わなかった。それでも帰国後はSUPER GTやスーパーフォーミュラで第一線を走り続け、日本を代表するドライバーの一人としてキャリアを築いてきた。

    そうした歩みを知るファンからは、「ようやくF1マシンへ乗る姿を見ることができた」「長年応援してきたので本当にうれしい」「努力が報われた瞬間だった」といった声が多く聞かれた。

    坪井翔についても同様である。

    スーパーフォーミュラ王者、SUPER GT王者という国内最高峰カテゴリーでの実績を考えれば、「国内でこれだけ結果を残したドライバーがF1マシンへ乗るのは当然」「トップカテゴリーを戦ってきた証しだ」と受け止める意見が目立った。

    現地ではガレージ前へ姿を見せた福住に拍手が送られたという報告や、坪井を含めてサインを求めるファンの列ができたという投稿も見られ、会場全体が2人を温かく迎える雰囲気に包まれていたことが伝わってくる。

    ここで印象的なのは、多くのファンが今回のTPCを「F1昇格への選考」ではなく、「国内モータースポーツで積み重ねてきたキャリアが最高峰カテゴリーで評価された瞬間」と受け止めていたことだ。

    もちろん、年齢や現在の立場を考えれば、今回の走行がそのままF1レギュラーシートにつながると考えているファンは多くない。

    それでも、「F1へ乗る価値」と「F1へ昇格する可能性」は別の話だという見方が、日本では広く共有されていた。

    国内最高峰で結果を残したドライバーが、世界最高峰のマシンを操る。その姿を見ること自体に意味がある――。

    そう考えるファンが多かったからこそ、今回のTPCはまず歓迎ムードで受け止められたのである。

    しかし、その一方で、「だからこそ別の選択肢もあったのではないか」という声も確かに存在した。

    その議論は、坪井や福住の実力を疑問視するものではなく、TPCという制度の目的そのものへ向けられていくことになる。

    歓迎一色ではなかった国内 「若手を乗せるべき」という声はなぜ上がったのか
    歓迎ムードが広がる一方で、日本国内ではもう一つの議論も静かに広がっていた。

    それは、「TPCは本来、誰のための制度なのか」という問いである。

    「坪井も福住も素晴らしいドライバーだと思う」

    「2人の実績に異論はない」

    そう前置きしたうえで、「それでもTPCは若手へ経験を積ませる場ではないのか」という意見が少なからず見られた。

    「育成プログラムというなら、将来F1を目指す若いドライバーへ機会を与えた方がいい。」

    「国内トップドライバーへの評価としては理解できるが、育成とは少し意味が違う。」

    「限られた走行日数だからこそ、将来につながる投資に使ってほしい。」

    こうした声は、坪井や福住を否定するものではなく、TPCという制度の運用方法に対する問題提起だった。

    実際、「坪井が日本で最速クラスのドライバーであることは誰もが認めている」「福住にもF1マシンへ乗る資格は十分ある」と評価するコメントと、「それでも若い世代へ機会を与えるべきではないか」という意見は矛盾なく共存していた。

    つまり、日本で起きていた議論は「起用された2人がふさわしくない」という話ではなく、「TPCという限られた機会を、どのような目的で使うべきか」という制度論だったのである。

    その背景には、トヨタとハースの提携に対する期待の大きさもある。

    2025年に両者の技術提携が発表された際、多くのファンは「日本人ドライバーがF1へ近づく新たなルートができるのではないか」と期待を寄せた。

    宮田莉朋がF2へ参戦し、平川亮がリザーブドライバーとして活動するなど、少しずつF1との接点は増えていたものの、「トヨタからF1ドライバーが誕生する」という明確な道筋は、まだ見えているとは言い難い。

    だからこそ、TPCにも「未来への投資」という役割を期待する声が生まれた。

    もし将来的にF1を目指す若手がいるのであれば、その経験を少しでも早く積ませるべきではないか――。

    そうした考え方は決して否定的なものではなく、トヨタ・ハース提携への期待が大きいからこそ生まれた意見でもあった。

    もっとも、その一方で、「TPCを若手だけの制度と考える必要はない」という反論もあった。

    ハース自身が説明しているように、TPCはドライバーだけではなく、エンジニアやメカニックを含めたチーム全体の育成プログラムでもある。

    そうした環境では、経験豊富なドライバーが的確なフィードバックを返すことに大きな意味がある。

    マシンの挙動を正確に伝えられるドライバーであれば、エンジニアにとっても貴重なデータが得られる。レースオペレーションを確認するうえでも、安定して走行できるベテランドライバーを起用するメリットは小さくない。

    そのため、「育成とは若手だけを意味するものではない」「チーム全体を育てるというTPC本来の目的を考えれば、今回の人選は十分理解できる」という意見も少なくなかった。

    つまり、日本国内でも議論は単純な賛成と反対には分かれていない。

    「国内トップドライバーへの評価」という考え方と、「未来のF1ドライバーへの投資」という考え方。その二つの価値観がTPCという制度の中で交差し、「誰を乗せるべきだったのか」という議論につながっていったのである。

    ハースF1チーム トヨタ

    海外では最初から論点が違っていた
    海外でも、坪井翔と福住仁嶺の起用は大きな話題となった。

    しかし、日本とは異なり、議論の出発点は2人への評価ではなかった。

    多くのファンにとって最初の疑問は、「彼らは誰なのか」という点だった。

    スーパーフォーミュラやSUPER GTを日常的に追っている海外ファンは決して多くない。坪井の名前を初めて目にしたという反応も珍しくなく、福住についても「GP3時代は知っているが、その後はどういうキャリアを歩んだのか」という質問が目立った。

    そのため、SNSや掲示板では、日本のファンが2人の実績を紹介し、それを受けて「国内でそこまで成功しているドライバーなら理解できる」というやり取りが数多く見られた。

    ただ、海外ではそこで議論が終わらない。

    2人の経歴を理解した後、多くのファンが関心を向けたのは、「では、なぜ今この2人だったのか」という点だった。

    「TPCは将来のF1ドライバーへ経験を積ませる場ではないのか。」

    「もっと若い育成ドライバーを起用する選択肢はなかったのか。」

    「このプログラムはトヨタのF1育成戦略の一部なのか。」

    こうした疑問が次々と挙がり、議論は自然とトヨタとハースの提携全体へ広がっていった。

    特にRedditなどでは、「actual young drivers(本当に若い育成対象のドライバー)」という表現が繰り返し使われ、TPCを将来のF1候補へ経験を積ませる制度として捉える意見が目立った。

    一方で、「経験豊富なドライバーから得られるフィードバックはチームにとって非常に重要だ」「TPCはオーディションではなく、チーム全体の開発と育成を目的とした制度だ」と擁護する声もあり、海外でも意見は決して一方向ではなかった。

    興味深いのは、ここでも議論の中心が坪井や福住個人ではなく、TPCという制度の使い方に置かれていたことである。

    海外が注目したのは「トヨタはF1への道筋を描けているのか」
    海外で交わされた議論は、やがてTPCという制度そのものから、トヨタの育成戦略全体へと広がっていった。

    繰り返し見られたのが、「このTPCは、トヨタがF1ドライバーを育成するプロジェクトの一部なのか」という問いだった。

    トヨタとハースは2025年から技術提携を開始し、TPCやシミュレーター、エンジニア交流などを含む協力関係を築いてきた。しかし、その先にどのような育成ロードマップがあるのかは、まだ明確には示されていない。

    そのため海外では、「TPCの先に何があるのか」という視点から提携を評価する声が少なくなかった。

    「この経験はFP1につながるのか。」

    「リザーブドライバーへの昇格を見据えたものなのか。」

    「最終的にF1レギュラーシートまで到達できる仕組みが用意されているのか。」

    こうした疑問は、今回の起用だけに向けられたものではなく、トヨタがF1とどう向き合おうとしているのかという、より大きなテーマへと発展していった。

    その過程で、しばしば比較対象となったのがホンダだった。

    ホンダは長年にわたり、若手ドライバーを欧州へ送り出し、F3、F2を経てF1へ挑戦する環境づくりを続けてきた。もちろん、そのすべてが成功したわけではないが、「F1へ向かうルート」が見えやすかったことは事実である。

    一方、トヨタは国内モータースポーツへの関与が非常に深く、スーパーフォーミュラやSUPER GTとの結び付きも強い。そのため、欧州のジュニアカテゴリーを軸とするホンダとは育成の考え方自体が異なっている。

    海外ファンの中には、「トヨタは国内カテゴリーを重視しすぎているのではないか」という見方もあれば、「国内で経験を積んだドライバーへF1マシンを経験させることにも十分な価値がある」と評価する声もあった。

    つまり、ホンダとの比較は優劣を論じるものではなく、「トヨタはどのような方法でF1を目指す人材を育てようとしているのか」という関心の表れだったのである。

    だからこそ、「path to the grid(F1グリッドへの道筋)」という言葉が繰り返し使われた。

    海外ファンが知りたかったのは、坪井翔や福住仁嶺がF1へ行けるかどうかではない。

    TPCという取り組みが、将来の日本人ドライバーをF1へ送り出す仕組みの一部として機能するのかどうかだった。

    「ご褒美」という言葉が映し出した評価軸の違い
    今回のTPCを巡る議論を象徴する出来事の一つが、トヨタタイムズが福住仁嶺の初めてのF1走行を紹介した際に用いた「ついに”ご褒美”の日がやってきた」という表現だった。

    日本では、この言葉に共感する反応が多く見られた。

    F1という夢を追い続けながら叶わず、それでも国内トップカテゴリーで結果を残し続けてきた福住の歩みを知るファンにとって、「ご褒美」は長年の努力が報われたことを表す自然な言葉だった。

    「ここまで頑張ってきたからこそ得られた機会だ。」

    「長く応援してきたファンとして本当にうれしい。」

    「キャリアへの最高の評価ではないか。」

    そうした受け止め方は、国内ファンの間で広く共有されていた。

    一方で、「TPCは育成プログラム」という視点に立つ人たちは、この表現に少し違った印象を抱いていた。

    もしTPCが将来のF1ドライバーを育てる場なのであれば、「ご褒美」ではなく、「挑戦」や「次のステップ」といった意味合いの方が強いのではないか――。

    そんな考え方である。

    もっとも、この言葉自体が強い批判を受けたわけではない。

    むしろ印象的だったのは、「ご褒美」という一言が、それぞれのファンがTPCへ期待している役割を映し出していたことだった。

    TPCを国内トップドライバーへの評価と捉える人にとっては、「ご褒美」はしっくりくる。

    一方で、TPCをF1育成のプロセスと考える人にとっては、「未来への投資」というイメージの方が強い。

    同じ言葉であっても、TPCという制度をどう理解しているかによって、その響きは大きく変わっていた。

    TPCが残したもの
    今回の富士TPCは、イベントとして見れば大きな成功だったと言える。

    平日開催にもかかわらず多くのファンが富士スピードウェイへ集まり、日本人ドライバーがF1マシンを走らせる姿に歓声を送り、その様子は国内外で広く共有された。

    トヨタとハースの提携によって、日本でF1マシンが走る機会が増えたこと自体を歓迎する声も多く、日本のモータースポーツファンに新たな夢を示したことは間違いない。

    一方で、育成プログラムとしての評価は、今回のTPCだけで結論づけられるものではない。

    ここで得た経験がFP1出走やリザーブドライバーとしての活動、さらにはF1への挑戦へどうつながっていくのか。その積み重ねがあって初めて、トヨタ・ハース提携の育成プログラムは評価されることになる。

    今回の議論から見えてきたのは、日本と海外で賛否が真っ二つに分かれていたという単純な話ではなかった。

    日本では「国内トップドライバーへの評価」として歓迎され、海外では「将来のF1育成」という観点から議論された。その評価軸は異なっていたものの、どちらにも共通していたのは、トヨタとハースの提携が日本人ドライバーに新たな可能性をもたらしてほしいという期待だった。

    だからこそ、富士で行われた2日間のTPCが投げかけた問いは、「坪井翔と福住仁嶺を起用したことは正しかったのか」ではない。

    トヨタ・ハース提携は、日本人ドライバーをF1へ送り出す新たな道となり得るのか。

    今回交わされた数多くの議論は、その未来への期待の大きさを物語っていた。

  • ハースF1 富士TPCに7900人 坪井翔と福住仁嶺が2日間を完走

    ハースF1 富士TPCに7900人 坪井翔と福住仁嶺が2日間を完走

    7月29日(水)、静岡県の富士スピードウェイでTGRハースF1チームによるTPC(Testing of Previous Cars/旧型車テスト)が終了した。2日間にわたるテスト最終日は好天に恵まれ、坪井翔と福住仁嶺が2025年型マシン『VF-25』で精力的に周回を重ねた。

    初日は雨の影響で走行時間が制限されたものの、2日目は朝からドライコンディションとなり、気温・路面温度ともに高い厳しい環境のなかでプログラムを消化。

    2日間合計では100周を大きく超える周回を重ね、2025年マシンのデータ収集とドライバー評価を進めた。

    坪井翔が2日間最速タイムを記録
    午前のセッション3では、前半2時間を坪井、後半2時間を福住が担当。両者ともハードタイヤで走行を開始した後、新品ミディアムタイヤを装着してアタックランを実施した。

    坪井はセットアップ変更やスタート練習を挟みながら徐々にタイムを更新し、最終的に1分17秒914を記録。このタイムが2日間を通じた最速タイムとなった。

    一方、福住は最高速336.449km/hを記録しながら1分18秒442をマーク。セクター1では坪井のベストを上回る区間タイムを刻んだものの、高い路面温度の影響もあってセクター2、3でタイムを伸ばし切れず、コンマ5秒差となった。

    今回のベストタイムは昨年のTPCで記録された1分17秒470には届かなかったが、今年は真夏の高温コンディションでタイムが出にくい状況だったことが大きく影響した。坪井も「コンディションが整っていれば1分16秒台には十分入れた」と手応えを語っている。

    また、今回のテストではタイヤ温度の管理も大きな課題となった。アタックラップ後はピットでブロワーを使用してタイヤを冷却し、「プッシュラップ→インラップ→アウトラップ→プッシュラップ」というサイクルで走行を繰り返した。

    坪井は「リヤタイヤの温度管理が難しく、冷却しないと2周目はフロントとリヤのバランスがまったく合わずアタックできなかった」と振り返っている。

    午後はロングランでレースシミュレーション
    午後の最終セッション4は14時30分から17時まで実施され、午前とは異なりロングランを中心としたプログラムが組まれた。

    最初にステアリングを握った福住は、アタックランを終えた後に18周の連続走行を実施。1分24秒前後の安定したペースを維持し、レース距離を想定した走行データを収集した。

    その後、シート交換などを経て坪井が走行を担当。1分19秒133を記録した後、連続走行へ移行し、前半は1分23秒台、終盤は1分22秒台を中心に周回を重ねた。

    午後だけで2人は合計48周を走破し、2日間にわたるTPCの全プログラムを完了した。

    ハースF1チーム 富士スピードウェイ

    F1マシンで得た大きな収穫
    2日間のテストでは、スーパーGTとスーパーフォーミュラで活躍する坪井、そして今回がF1マシン初ドライブとなった福住が、ともに多くの経験を積んだ。

    福住は「1分18秒2くらいまでは見えていた。もう少しまとめられた部分はあったが、この暑いコンディションの中で攻め切れたので悔いはない」と振り返った。

    一方の坪井も、高温コンディションでもF1マシンのポテンシャルを十分に引き出せたことに手応えを示しており、日本を代表するトップドライバー2人にとって充実した2日間となった。

    なお、今回のTPCには2日間合計で7900人が来場。昨年から127.4%増となる観客が富士スピードウェイを訪れ、日本で近代F1マシンが走る貴重な機会を楽しんだ。ハースF1チームのTPCは、日本のモータースポーツファンの関心の高さを改めて示すイベントとなった。

  • ハースF1 富士TPC初日終了 福住仁嶺がF1初走行で77周を走破

    ハースF1 富士TPC初日終了 福住仁嶺がF1初走行で77周を走破

    ハースF1チームは7月28日、富士スピードウェイでTOYOTA GAZOO Racing(TGR)とのドライバー育成プログラムの一環として実施しているTPC(Testing of Previous Cars/旧型車テスト)の初日を終了した。

    この日は午前・午後の2セッションが行われ、福住仁嶺がF1マシンでの初走行を含めて計77周を走破。午後は天候の変化に翻弄されながらも、2025年型マシン『VF-25』で貴重な走行距離を積み重ねた。

    午前はF1初ドライブで54周を走破
    当初3時間で予定されていた午前セッションは、午後からの天候悪化が予想されたため1時間延長され、9時から13時まで実施された。

    ウエットコンディションでスタートしたセッションでは、まず昨年に続いてTPCへ参加する坪井翔が15周を担当。その後、マシンは福住へ引き継がれ、シートやペダル類の調整を終えた福住が自身初となるF1マシンでの走行に臨んだ。

    福住はウエットタイヤで走行を開始すると、路面の乾燥に合わせてスリックタイヤへ変更。1プッシュ・2クールダウンを繰り返すプログラムを消化しながら徐々にペースを上げ、DRSも使用した走行でベストタイム1分18秒080を記録した。最高速度は336.449km/hに達し、午前だけで54周を走破した。

    午後は雨待ちの展開 終盤にはオーバーランも無事帰還
    午後のセッションは、午前の延長に伴い予定より1時間遅れの14時30分にスタートした。

    昼過ぎから再び雨が降り始めたものの、水量がウエットタイヤには不足していたため、福住は序盤に9周を走行したあと約1時間の待機を強いられた。

    その後、雨脚が強まったタイミングで走行を再開すると、ベストタイムを1分33秒745まで更新。さらに終盤にもコースへ戻ったが、雨が強くなったGRコーナー(第1コーナー)でオーバーランを喫した。幸いマシンはバリアなどへの接触はなく、そのままピットへ戻り、午後の走行を終えた。

    午後は福住のみが23周を走行し、予定されていた坪井の走行は行われなかった。

    ハースF1チーム トヨタ

    2日目も福住と坪井がセッションを分担
    富士TPC初日は、午前のドライコンディションと午後の不安定な天候という対照的な条件のなかで終了した。

    福住は初めてF1マシンをドライブしながら1日で77周を走破。チームにとっても車両やタイヤ、各種システムのデータを収集する充実した一日となった。

    29日の2日目は、午前のセッション3を福住、午後のセッション4を坪井が担当する予定となっている。

  • 【動画】福住仁嶺 ハースF1初走行へシート合わせ完了「富士への準備完了」

    【動画】福住仁嶺 ハースF1初走行へシート合わせ完了「富士への準備完了」

    ハースF1チームは、福住仁嶺が富士スピードウェイで実施されるTPC(Testing of Previous Cars:旧型F1マシンテスト)に向けてシート合わせを行う動画を公開した。

    SNSでは「Seat fit for @Nirei_Fukuzumi We’re ready for Fuji (福住仁嶺のシート合わせ完了。富士への準備は整った)」と投稿し、テストへの準備が順調に進んでいることを報告した。

    福住は7月28日と29日に富士スピードウェイで開催される「Haas+ Fans First」のTPCイベントで、初めてF1マシンをドライブする予定となっている。

    公開された動画には、笑顔でシート合わせを進める福住の様子が収められている。小松礼雄代表が「すごいスケジュールで来たよね」と声を掛ける場面もあり、福住も笑顔で応じるなど、初のF1ドライブを前にした現場の和やかな雰囲気が伝わる内容となっている。

    今回のTPCでは、スーパーフォーミュラとSUPER GTで活躍する福住と坪井翔がステアリングを担当。坪井は昨年に続いて2年連続の参加となる一方、福住にとってはキャリア初のF1マシン走行となる。

    福住は2016年にGP3へ参戦し、翌2017年にはランキング3位を獲得。2018年にFIA F2へ参戦した後、日本へ活動の場を移し、スーパーフォーミュラとSUPER GTで実績を重ねてきた。2019年にはSUPER GT GT300クラスでタイトルを獲得し、今季は鈴鹿でスーパーフォーミュラ初優勝も記録するなど好調を維持している。今回のF1初走行は、「TGR Haas Driver Development Program」の一環として実現した貴重な機会となる。

    「Haas+ Fans First」では、F1マシンの走行に加え、ピット作業を間近で見学できる「激感ピット」やファンミーティングなど、さまざまなプログラムが予定されている。福住にとって念願のF1初ドライブとなるだけに、その走りに大きな注目が集まりそうだ。

  • 平川亮 ハースF1で今季2度目のFP1完了「ようやくきちんとしたラップを走れた」

    平川亮 ハースF1で今季2度目のFP1完了「ようやくきちんとしたラップを走れた」

    ハースF1のリザーブドライバーを務める平川亮は、F1ハンガリーGPのフリー走行1回目(FP1)で今季2度目の走行機会を得た。空力テストをこなしながら25周を走行し、ベストタイムは1分22秒001で17番手を記録した。

    前戦オーストリアGPに続くFP1出走となった平川は、今回もオリバー・ベアマンに代わってVF-26をドライブ。前回より空力テストの項目が少なかったことで、マシンやハンガロリンクでの走行に多くの周回を充てることができた。

    平川亮「ようやくきちんとしたラップを走れた」
    セッション後、平川は難しいコンディションの中でも収穫の多い走行だったと振り返った。

    「今日またマシンに乗ることができて良かったです。もっと周回を重ねたいという気持ちはいつもありますが、今日は最初に空力テストを行いました。ただ、前回のFP1ほど項目が多くなかったので、マシンやコースを学ぶための周回を多く走ることができました」

    「正直に言うと、コンディションは本当に難しかったですし、マシンも少し扱いづらかったです。最後にタイムアタックはできましたが、トラフィックの影響で何度かアタックを中断しなければならず、なかなか難しいセッションでした」

    「それでも最後にはきちんとしたラップをまとめることができ、タイヤも有効に使えました。今日はその点に満足しています」

    平川亮(ハースF1チーム)

    ハースF1の小松礼雄代表も、平川の走行は予定どおりプログラムを消化できた一方で、チーム全体としては明暗が分かれた一日だったと総括。エステバン・オコンは好調な走りを見せた一方で、午後のFP2ではベアマンがマシンのフィーリングに苦しみ、ガレージの反対側では原因究明が課題となっていることを明かした。

    平川は今回も限られた走行機会の中でチームのテストプログラムを着実に消化し、シーズン中の貴重な実戦経験を積み重ねた。

  • オリバー・ベアマン 契約条項により2027年末でフェラーリF1育成卒業?

    オリバー・ベアマン 契約条項により2027年末でフェラーリF1育成卒業?

    オリバー・ベアマンは2028年以降のフェラーリ昇格を目指しているが、元ハースF1代表ギュンター・シュタイナーは、2027年までにワークスシートを得られなければフェラーリとの育成契約から解放される可能性が高いとの見方を示した。

    シュタイナーは、ジュニアドライバー契約には一定期間内にワークスチームへ昇格できなかった場合に自由契約となる条項が盛り込まれているのが一般的だと説明。

    レッドブル・レーシングからの関心も報じられるベアマンは、来季のドライバー市場で「フリーエージェント」になる可能性があると語った。

    シュタイナー「ベアマンは来年フリーエージェントになる」
    オリバー・ベアマンは2021年からフェラーリ・ドライバー・アカデミーに所属。2024年のサウジアラビアGPではカルロス・サインツJr.の代役としてフェラーリからF1デビューを果たし、その後フェラーリのカスタマーチームであるハースから2025年にフル参戦を開始した。

    しかし、フェラーリはルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールのラインアップを2027年も維持する方針を示しており、ベアマンにとってワークス昇格への道は容易ではない。

    シュタイナーは『Red Flags Podcast』で次のように語った。

    「オリー・ベアマンは来年にはもうフェラーリのジュニアではなくなっていると思う。もしフェラーリのワークスチームにいなければ、彼はフリーエージェントだ」

    「通常、この種の契約には『一定期間内にワークスチームへ昇格できなければ、自由に他チームへ移籍できる』という条項が入っているものだ」

    「フェラーリは彼を引き留めようとするだろうが、それができるかは分からない。一方で、オリーにも現時点では多くの有力シートがあるわけではない」

    「彼を手元に残したいなら、一定期間内にフェラーリのシートを与えると約束する必要がある。そうでなければ、彼が残る理由はないだろう」

    レッドブル・レーシングがベアマンに関心を示しているとも報じられているが、その実現はマックス・フェルスタッペンの去就に左右されるとみられている。

    オリバー・ベアマン(フェラーリF1育成ドライバー)

    オコンの後任候補にはラファエル・カマラを指名
    ベアマンは2026年シーズン序盤、オーストラリアGPで7位、中国GPで5位入賞を果たしたものの、ハースの戦闘力低下もあり、その後は1ポイント獲得にとどまっている。それでもランキングでは13位につけ、チームメイトのエステバン・オコンを大きく上回る成績を残している。

    シュタイナーは、両者がそろって完走・正式リザルトに記録されたセッションでは、ベアマンが20対5でオコンを上回っていることを挙げ、オコンの将来には厳しい見方を示した。

    「チャンピオンシップ全体で見ても、チームメイト間の差が最も大きいケースだと思う。タイム差を見ても、常にかなり開いている。彼(オコン)にハースでの将来はないと思う。今年が最後になるだろう」

    後任候補としては、フェラーリ育成ドライバーのラファエル・カマラの名前を挙げた。昨年のFIA F3王者であるカマラは、現在FIA F2選手権でランキング3位につけている。

    一方で、角田裕毅については「ホンダとの結び付きが強い」と指摘。ハースがトヨタとのタイトルスポンサー契約を結んでいることから、移籍の可能性は低いとの見方を示した。

    「角田裕毅は難しいだろう。彼は明らかにホンダのドライバーだ。トヨタのチームへ移るのは簡単ではない」

    「私なら、オコンの後任候補はカマラだと思う」

    今回のシュタイナーの発言は、ベアマンやオコンの契約内容を知る立場からの情報ではなく、F1パドックで一般的な契約慣行を踏まえた推測とみられる。ただし、2027年以降のシート争いを占ううえで、フェラーリ育成ドライバーの将来が大きな注目点になっていることは間違いない。

  • ハースF1 小松礼雄がオリバー・ベアマンの将来に言及「決定権は我々にはない」

    ハースF1 小松礼雄がオリバー・ベアマンの将来に言及「決定権は我々にはない」

    ハースF1のチーム代表を務める小松礼雄は、オリバー・ベアマンの将来を最終的に決める権限がチームにはないことを認めた。フェラーリ育成ドライバーであるベアマンをめぐっては、2027年にレッドブル・レーシングやフェラーリへ移籍する可能性が取り沙汰されている。

    一方、ハースではエステバン・オコンの去就も不透明とされ、フェラーリ育成のラファエル・カマラを含む複数のドライバーが2027年の候補として報じられている。

    しかし、小松礼雄は現時点で来季のドライバーについて何も決まっていないと強調した。

    ベアマンの契約はフェラーリが管理
    ベアマンはフェラーリの育成プログラムに所属しており、その契約上の権利もフェラーリが握っている。

    マックス・フェルスタッペンがレッドブル・レーシングを離れる場合、その後任候補のひとりとしてベアマンの名前が浮上している。また、ルイス・ハミルトンがフェラーリを離れることになれば、フェラーリが自チームの育成ドライバーを呼び戻す可能性もあるとみられている。

    小松礼雄は、ハースとしてベアマンの残留を望む可能性はあるものの、最終的な判断を下す立場にはないと説明した。

    「もちろん、我々はオリーの契約について、自分たちに何ができるのかに集中しています」

    「ただ、彼の契約はフェラーリと結びついています。我々が良い仕事をして、オリーが素晴らしい結果を残せば、当然ながらチームに残ってほしいと思います。しかし、それを決めるのは我々ではありません」

    「ですから、我々は自分たちでコントロールできることだけに集中しています」

    ベアマンはハースでのパフォーマンスを通じて評価を高めており、その活躍が続けば続くほど、上位チームへの移籍をめぐる憶測も強まる構図となっている。

    小松礼雄(ハースF1チーム)

    オコンを「100%支持」 2027年の決定はまだ
    ハースは2027年に向けて複数のドライバーと関連付けられている。特にオコンの将来をめぐる報道が増えており、後任候補としてカマラらの名前が挙がっている。

    しかし、小松礼雄は現在の最優先事項はベアマンとオコンから最大限のパフォーマンスを引き出すことだと述べ、オコンへの全面的な支持を表明した。

    「もちろん、現在は今いる2人のドライバーから最大限を引き出すことに完全に集中しています」

    「我々はエステバンを100%支持しています。現時点で考えているのはそれだけです」

    この発言は、ハースがすでにオコンの交代を決定したとの見方を否定するものだ。少なくともチームの公式な立場としては、2027年のドライバー選考は確定しておらず、今後のパフォーマンスが判断材料になる。

    フェラーリからカマラ起用の圧力はなし
    小松礼雄は、フェラーリがハースに対してカマラの起用を求めているとの見方も否定した。

    「はっきりさせておきます。確かにラファは良い仕事をしていますが、フェラーリが彼を起用するよう我々に圧力をかけているということはありません」

    「我々はパフォーマンスに基づいてドライバーを選びます。最も優れたパフォーマンスを発揮したドライバーが、我々のドライバーになります」

    ハースは長年にわたりフェラーリからパワーユニットや技術支援を受け、フェラーリ育成ドライバーを起用してきた。しかし、小松礼雄の説明によれば、ドライバー選考はフェラーリの意向だけで決まるものではなく、ハース自身が成績を基準に判断する方針だ。

    ベアマンの将来についてはフェラーリが重要な決定権を持つ一方、ハースの2027年のラインナップは現役ドライバーを含めたパフォーマンス競争によって決まることになる。ベアマンがハースで活躍を続ければ、チームにとっては残留を望みながらも引き留められないという難しい状況が生まれる可能性がある。

  • ハースF1 カマラはリザーブ就任か フォルナローリが2027年最有力

    ハースF1 カマラはリザーブ就任か フォルナローリが2027年最有力

    ハースF1の2027年ドライバー候補を巡る争いで、マクラーレン育成のレオナルド・フォルナローリが一歩リードしているようだ。

    現在、ハースF1はオリバー・ベアマンの残留が有力視される一方、2026年限りで契約満了となるエステバン・オコンの後任選びを進めている。フェラーリ育成のラファエル・カマラも候補に挙がっているが、最新報道ではフォルナローリが優勢となっている。

    フォルナローリが本命 カマラはリザーブ候補
    マクラーレンとフェラーリは、それぞれ育成ドライバーであるレオナルド・フォルナローリとラファエル・カマラをハースF1に送り込もうと働きかけている。

    フォルナローリは最近、スペイン・ヘレスでハースF1のプライベートテストに参加。マクラーレンはローン移籍という形でイタリア人ドライバーをF1デビューさせることに前向きだとされる。

    一方のカマラは現在F2でランキング首位ニコラ・ツォロフを36ポイント差で追っているものの、ブラジル『UOL』は2027年にハースF1のリザーブドライバーへ就任する可能性が最も高いと報じた。

    同メディアによれば、ベアマンが2028年にフェラーリへ昇格した場合、カマラがその後継としてレギュラーシートを獲得するシナリオが描かれているという。

    また、別の報道ではハースF1がフォルナローリとの2027年契約について基本合意に達したとも伝えられており、2026年はF1参戦機会を得られなかったイタリア人が、来季いよいよ最高峰カテゴリーへデビューする可能性が高まっている。

    ハースF1チーム

    小松礼雄代表「国籍ではなく実力で選ぶ」
    ドライバー選考について、ハースF1の小松礼雄代表はベルギーGP週末に「国籍は判断材料ではない」と改めて強調した。

    トヨタとの提携によって平川亮も候補として名前が挙がっているが、小松代表はスポンサーやメーカーとの関係ではなく、純粋なパフォーマンスで判断する方針を貫く考えを示している。

    「私にとって国籍は関係ありません。私は最初の日からアキオさん(豊田章男会長)にも、その点は誤解が生じないよう明確に伝えていました」

    「国籍でドライバーを選べば、その判断に関わる全員、そしてドライバー本人の信頼性を損なうことになります」

    「たとえ実力があったとしても、『トヨタだから』『資金があるから』選ばれたと思われるのは正しくありません。それはトヨタにも、アキオさんにも、チーム代表にも、ドライバー本人にも利益になりません」

    「だから私は最初からアキオさんに『ドライバーは100%パフォーマンスで選びます』とはっきり伝えていました」

    現時点ではフォルナローリが最有力候補とみられるものの、ハースF1は最終決定まで各候補の実績を慎重に見極める姿勢を崩していない。2027年のシート争いは、F2後半戦の結果も含めて今後さらに注目を集めそうだ。

    【関連】
    ・ハースF1 2027年のフォルナローリ獲得でマクラーレンと基本合意との報道

  • ハースF1 2027年のフォルナローリ獲得でマクラーレンと基本合意との報道

    ハースF1 2027年のフォルナローリ獲得でマクラーレンと基本合意との報道

    ハースF1が2027年シーズンに向け、マクラーレンのリザーブドライバーを務めるレオナルド・フォルナローリの獲得で基本合意に達したと報じられた。

    『The Race』によると、現時点では「レター・オブ・インテント(基本合意書)」が交わされている段階であり、契約が成立したわけではない。ただし、フォルナローリは2027年のハースF1の有力候補として位置付けられているという。

    レンタル移籍が実現への条件
    報道では、フォルナローリがハースF1へ加入する場合、マクラーレンからのレンタル移籍となる見込みだとされている。

    2024年にFIA F3王者、2025年にはFIA F2王者に輝いたフォルナローリは、現在マクラーレンのリザーブドライバーを務めている。ハースF1はエステバン・オコンとの契約を見直す場合、その後任候補としてフォルナローリを真剣に検討しているという。

    一方で、契約がまとまる保証はなく、現時点では「基本合意」にとどまっていると報じられている。

    オコンは苦戦 ベアマン残留が有力
    2026年シーズンのハースF1では、オリバー・ベアマンとエステバン・オコンがレギュラードライバーを務めている。

    ベアマンは開幕から8戦で18ポイントを獲得し、ドライバーズランキング11位と好調なパフォーマンスを見せている。一方のオコンはわずか3ポイントにとどまり、ランキング16位と苦戦。こうした状況から、2027年に向けてシート喪失の可能性が取り沙汰されている。

    フェラーリ所属のベアマンについては、2027年もハースF1で走ることが広く予想されている。

    角田裕毅の名前も候補に
    ハースF1の2027年シートを巡っては、フォルナローリのほか、2025年限りでレッドブル陣営のシートを失った角田裕毅の名前も候補として報じられている。

    現時点ではフォルナローリが有力候補とされるものの、最終的なラインアップはオコンの今後の成績や、マクラーレンとの交渉次第となりそうだ。

    マクラーレン首脳も高評価
    フォルナローリは先月のスペインGPでFP1に出走し、ランド・ノリスに代わってマクラーレンをドライブ。ジョージ・ラッセルから0.853秒差の5番手タイムを記録し、高い評価を得た。

    セッション後、マクラーレンF1代表のアンドレア・ステラはフォルナローリについて次のように語っている。

    「将来的にはマクラーレンで走る可能性もあるが、まずはレオナルドとともにF1参戦の可能性を探っていきたい」

    「今回の機会は十分に値するものだった。数か月にわたって彼と仕事をしてきたが、人間性もドライバーとしての能力も非常に高く評価している。本当に興味深い才能だ」

    現時点では契約締結には至っていないものの、フォルナローリは2027年のハースF1候補として具体的な交渉が進んでいるとみられている。