カテゴリー: フォーミュラE

  • フォーミュラE日本開催存続に課題 東京E-Prix継続へ3つの選択肢

    フォーミュラE日本開催存続に課題 東京E-Prix継続へ3つの選択肢

    フォーミュラEは、Gen4時代最初のカレンダー策定に向けて、日本ラウンドの存続という大きな課題に直面している。2027年以降も東京E-Prixを維持できるかが焦点となっている。

    日本は長年、フォーミュラEにとって“悲願”とされてきた市場であり、2024年に東京で初開催を実現して以降、その重要性は急速に高まった。現在では参戦メーカーや商業パートナーの間で“外せない開催地”に近い位置づけとなっている。

    一方で、『The Race』によると、Gen4初年度にあたる2027年に向けては、現行の東京ビッグサイト周辺コースが高速化する新型マシンに適しているかという技術的懸念と、興行として大きな赤字を抱えているとされる商業的課題が同時に浮上している。

    日本開催が不可欠とされる理由
    日本には日産に加え、ローラのテクニカルパートナーであるヤマハが関わるほか、Gen4ではブリヂストンがタイヤサプライヤーを務める。さらにポルシェのパートナーであるTDKも関与しており、日本に拠点や強い結びつきを持つ企業がシリーズの技術・商業両面に深く関わっている。

    こうした背景から、日本開催にはこれまで以上の重要性が与えられている。複数の企業が“ホームレース”を求める構図となっており、シリーズとしても維持への圧力が強まっている。

    課題はコース適性と収支構造
    東京・有明のビッグサイト周辺に設けられた現行コースは、より高速化するGen4マシンへの適合性が議論の焦点となっている。全長約1.6マイルのレイアウトは曲がりくねった構成で、一部区間の拡幅や改修が必要になる可能性がある。

    フォーミュラEの最高執行責任者アルベルト・ロンゴは、コースの改修や拡張を検討していることを認めつつ、「たとえ変更できなくてもシミュレーション上は適している」と述べており、現行レイアウトのままでも開催可能との見方も示している。

    一方でより深刻なのが商業面だ。東京E-Prixは高額な開催コストがかかるイベントとして知られており、関係者の間では年間2000万〜2200万ユーロ(約36億8000万円〜40億4800万円)規模と見られている。

    東京都(TMG)も費用の一部を負担しているが、その大半はフォーミュラE側が負担しているとされる。広告収入の創出は電通が主導しているものの、回収できる収益は限定的で、現状ではシリーズ側にとって大きな持ち出しとなっている。

    そのためフォーミュラEは、コスト負担の軽減、あるいは新たなパートナーの確保を模索している。2027年に向けては東京都との新契約が必要となるため、現在は政治的・商業的な交渉が続いている。

    なお、2026年大会は7月25日、26日にナイトレースとして開催される予定で、TDKがタイトルスポンサーとして関与するなど、イベント自体の価値向上に向けた取り組みも進められている。

    また、フォーミュラEは東京都が掲げる「ゼロエミッション東京戦略」とも連動しており、2050年のカーボンニュートラル実現という政策目標との整合性も、開催継続における重要な要素となっている。

    日産のチーム代表トンマーゾ・ボルペは、「日本でレースをしないのは非常に悪いことだ。我々は唯一の日本メーカーであり、選手権全体にとっても良くない」と語る。

    「日本はモータースポーツと自動車メーカーにとって重要な市場であり、他のブランドも日本で走らないことを望んでいないはずだ。選手権にとって日本開催は重要だ」

    最優先は東京残留
    フォーミュラEにとって最も望ましいシナリオは、ビッグサイト周辺での開催継続だ。長年の準備を経て実現した東京開催を短期間で失う余裕はない。

    ロンドンのエクセルとの比較でも、東京は改修余地がある点で優位とされる。エクセルは構造的にGen4対応が難しいとされる一方で、ビッグサイトはコース変更の余地が残されている。
    フォーミュラE 東京

    代替候補はSUGOと富士
    仮に東京での開催が実現しない場合、代替候補としてスポーツランドSUGOが挙がっている。宮城県に位置し、ヤマハが所有する同サーキットは、フォーミュラ・ニッポンやスーパーフォーミュラを長年開催してきた実績を持つ。

    すでにフォーミュラEとの初期的な協議も行われているとされるが、現時点ではあくまで非公式かつ初期段階であり、代替案にとどまる。

    もうひとつの候補が富士スピードウェイだ。全長2.8マイルのレイアウトと長いメインストレートを活かし、Gen4マシンの加速性能と最高速を示す舞台としての可能性がある。

    ただしその場合は、第1コーナーまでの速度を抑えるために仮設シケインの設置が必要になる可能性が高い。

    フォーミュラEにとって日本は、技術・商業の両面で極めて重要な市場だ。東京残留が最優先であることに変わりはないが、実現できなければ代替開催という現実的な選択が迫られることになる。

  • メルセデス主導説が浮上 2026年F1レギュレーションにフォーミュラE影響か

    メルセデス主導説が浮上 2026年F1レギュレーションにフォーミュラE影響か

    2026年F1レギュレーションの策定をめぐり、フォーミュラE創設者のアレハンドロ・アガグは、トト・ヴォルフ率いるメルセデスが重要な役割を果たしたとの見解を示した。電動化の比重が増した新規則に対しては、チーム、アナリスト、ファンの間で賛否が分かれている。

    アガグは、メルセデスがフォーミュラEで得た経験をF1へ持ち込んだと主張している。

    ただし、彼が強調したのは純粋な技術移転というより、レギュレーションの方向性に対する発想と戦略だった。2026年F1パワーユニット規則はメルセデスだけで決まったものではなく、フェラーリ、ホンダ、アウディ、レッドブル、当時のルノーに加え、FIA、FOM、各チームも交えた協議を経て2022年にまとめられた経緯がある。

    フォーミュラEで得た経験をF1へ
    フォーミュラE創設者のアレハンドロ・アガグは、メルセデスが電動カテゴリーで得た知見をF1へ持ち込もうとしていたと語った。

    メルセデスは2018年から2022年にかけてフォーミュラEに参戦した。初年度はトト・ヴォルフが出資するHWAとの協力体制で活動し、その翌年からはワークス体制と自社開発の電動パワートレインで正式参戦した。

    メルセデスは自社名義で3シーズンを戦い、2020-21年と2021-22年にはコンストラクターズタイトル2回、ドライバーズタイトル2回を獲得した。王者となったのはニック・デ・フリースとストフェル・バンドーンだった。その成功の後、メルセデスは同選手権から撤退した。

    その一方で、F1のメルセデスは2021年までの支配的な時代を経て、グラウンドエフェクト時代に入ると苦しい局面を迎えていた。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ フォーミュラE

    アガグ「主な発想源はメルセデスとトト・ヴォルフ」
    アガグによれば、メルセデスがフォーミュラEを離れたのは、そこで起きていたことをF1で再現する狙いがあったからだという。2026年の規則変更ではパワーユニットに占める電気エネルギーの比重が大きく高まり、メルセデスは開幕2戦で2勝を挙げている。

    フォーミュラEでの経験が、この新時代への準備に役立ったのかと問われたアガグは、技術そのもの以上に、構想と戦略の面で優位性があったとの見方を示した。

    「メルセデスがフォーミュラE選手権を去ったのは、フォーミュラEで起きていたことを再現し、それをF1へ持ち込みたかったからだ」とアガグはスペイン紙『マルカ』に語った。

    「今のF1で起きていることの主な発想源は、メルセデスとトト・ヴォルフだ」

    「トトはそこにいて、何が起きていたかを見ていた。そして『これをF1へ持ち込み、F1とフォーミュラEを近づける』と言った。その考えがあったからこそ、彼らはいま優位に立っていて、その差が他との差として表れている」

    もっとも、この発言は2026年エンジン規則が複数の関係者による協議の末に成立したという事実を十分に踏まえたものではない。規則は2022年に発表され、メルセデスのほか、フェラーリ、ホンダ、アウディ、レッドブル、当時のルノー、さらにFIA、FOM、各チームが関与していた。

    「F1はV8に戻るべきだ」
    アガグは現在のF1の方向性に批判的な見方も示した。

    「これはF1にとって良くないと思う」とアガグは述べた。

    「F1は、もっと内燃機関寄りに戻るべきだ。V8エンジンへ戻り、もっと音を取り戻すべきだ。そしてフォーミュラEを電動選手権として位置づけるべきだ。今のF1はその中間にいる。どっちつかずなんだ」

    フォーミュラEは将来的にF1より速くなるのか
    アガグは、現在のF1とフォーミュラEはかなり似ているとも語った。

    「私はこのF1を理解できる。なぜなら、私はフォーミュラEのレースを見ているし、実際のところ今のF1レースを見るのと同じだからだ」

    「スーパーコンデンサーのようなシステムがどう機能するかも完璧に理解している。エネルギーを蓄え、放出する仕組みだ。我々はここでそれを12年間やってきた」

    さらにアガグは、フォーミュラEの将来についても強気な見通しを語った。中期的には、完全電動シリーズがF1より速くなる可能性があるという。

    「それは世界最速の選手権になる」とアガグは語った。

    「来年のGen4マシンはすでにF1にかなり近づく。そして第5世代か第6世代ではF1より速くなるだろう。私はその成長が続くと思っている」

  • 野田樹潤 フォーミュラEテストで高評価 ジャガーが適応力を絶賛

    野田樹潤 フォーミュラEテストで高評価 ジャガーが適応力を絶賛

    ジャガーTCSレーシングは、マドリードで初開催されたフォーミュラEルーキーテストにおいて、野田樹潤(Juju)とブライス・アロンの両名が印象的な走りを披露したと明かした。

    同テストは、ハラマ・サーキットで行われた第6戦でチームが1-2フィニッシュを達成した翌日に実施されたもので、両ドライバーにとって貴重な走行機会となった。

    今回がジャガーでの初走行となったブライス・アロンに対し、野田樹潤は前年11月のバレンシアでのウィメンズテストに続く2度目の参加となった。両者は準備力と適応力の高さ、そしてプロフェッショナルな姿勢でチームに強い印象を残した。

    午前のセッションは、2度の赤旗と混雑したトラフィックの影響により断続的な展開となった。セッション最速は1分29秒216で、ブライス・アロンはトップから3.679秒差の15番手、野田樹潤は3.978秒差の18番手でセッションを終えた。多くのルーキーにとってクリーンな350kWラップをまとめるのは難しい状況だったが、両ドライバーはマシンへの理解とデータ収集に集中した。

    午後のセッションでも状況は大きく変わらず、トラフィックの影響を受けながらの走行となった。ブライス・アロンは1分32秒108で16番手、野田樹潤は1分33秒199で19番手に入り、それぞれ着実に理解を深めた。

    「ジャガーTCSレーシングに戻ることができてうれしく、最初のテストからの進歩も感じることができました。このトラックは難しく、多くの情報を処理する必要がありますが、大きな学びがあり、再びチームと仕事ができて本当に楽しかったです」と野田樹潤はコメント。

    野田樹潤(Juju) フォーミュラE

    「今回の経験は本当に素晴らしく、このチームと仕事をする機会を得られたことに感謝している。学ぶことは多かったが、チームがすぐに順応できるようサポートしてくれたし、一日を通して自分たちが進歩できたことを誇りに思う」とブライス・アロンはコメント。

    「Jujuとブライスは非常に成熟した姿勢とプロフェッショナリズムでこの一日に臨んだ。フォーミュラEマシンでの経験が限られているにもかかわらず、彼らは素早く適応し、大量の情報を吸収し、チームが求める仕事を的確にこなした。フィードバックも的確で、姿勢も申し分なく、将来有望な才能であることを示した」とイアン・ジェームズはコメント。

    ジャガーTCSレーシングは次戦、2026年5月2日と3日に開催されるベルリンE-Prix(第7戦・第8戦)に向けて再び走行を開始する。

  • フォーミュラE創設者 2026年F1レギュレーションを批判「元に戻るべき」

    フォーミュラE創設者 2026年F1レギュレーションを批判「元に戻るべき」

    フォーミュラEの共同創設者であるアルベルト・ロンゴが、2026年F1レギュレーションをめぐる議論に加わり、現在の方向性に疑問を呈した。マックス・フェルスタッペンが新規則を「ジョーク」と切り捨てたことを受け、F1は本来の姿に立ち返るべきだと主張している。

    今季の新レギュレーションについては、メルセデスとフェラーリのドライバーが一定の適応を見せる一方で、グリッド全体では不満の声も出ている。

    ランド・ノリスもオーストラリアGP後に新規則を「人工的だ」と評しており、フェルスタッペンの発言は特に大きな反響を呼んでいる。

    フォーミュラE側から見たF1の変化
    アルベルト・ロンゴは、スペイン紙の取材の中で、F1が新レギュレーションによってフォーミュラEの要素を取り込んでいるように見えることに驚きを示した。

    「率直に言って、F1が何をしているのか本当に理解できないし、私はそれをオープンに言う。なぜF1が我々のレースのやり方に少しずつ近づいているのか理解できない」とロンゴは語った。

    「F1は元の姿に戻ると確信している。このハイブリッドF1には意味がない。我々が12年間やってきたようなレースを提供しているだけだ」

    「彼らにとって少し複雑になっているし、ドライバーですら理解できていない。だからこそトップドライバーから批判が出ているのだ」

    「フェルスタッペンが自分たちの選手権についてこのように語っているのを聞くのは、F1として容認できることではない。だから私は方向転換すると理解しているし、内燃機関へ戻り、自分たちのレースのあり方に忠実になるだろう」

    F1レギュレーション

    新レギュレーションへの不満は広がっている
    今回の発言の背景には、2026年F1レギュレーションに対するドライバー側の不満がある。ノリスは新規則を「人工的」と表現し、フェルスタッペンもまた厳しい言葉で批判してきた。

    ロンゴは、F1がよりハイブリッド志向へ進んでいることで、フォーミュラEに近い性格を帯びながら、同時にトップドライバーたちを苛立たせていると見ている。

    フォーミュラEの立ち位置も強調
    ロンゴはさらに、フォーミュラEがF1とは異なる価値を持つカテゴリーとして設計されてきたことも強調した。

    「2014年にこの選手権を創設した時、我々はこれまでに見たことのないレースで、このスポーツに新しい人々を引きつけることを意図していた」

    「この新レギュレーションによって、2つの異なるリーグが同じようなレース、つまりエネルギー効率と純粋なパフォーマンスではないレースへと収束しつつある。歴史的にレースファンに評価されてきたのは純粋なパフォーマンスだ。我々はまったく違うものを提供している」

    フェルスタッペンはFIAに対してレギュレーション変更を働きかけているが、その訴えがどこまで受け止められているかはまだ明らかではない。バーレーンGPとサウジアラビアGPの中止によって生じた2026年シーズンの5週間の休止期間中に、FIAが協議の場を持つ可能性があるとされており、ドライバーとファン双方の懸念を和らげるために、何らかの修正や調整が行われるかが注目される。

  • 野田樹潤 GEN3 Evoで2度目のフォーミュラEテスト ジャガー新人テスト参加

    野田樹潤 GEN3 Evoで2度目のフォーミュラEテスト ジャガー新人テスト参加

    フォーミュラEのマドリード・ルーキーテストで、ジャガーTCSレーシングは日本の野田樹潤(Juju)とアメリカのブライス・アロンを起用することを発表した。両者は将来有望な若手ドライバーとして、チームの評価を受ける重要な機会を得る。

    今回のルーキーテストはマドリードE-Prix週末の一環として実施され、ジャガーは次世代ドライバーの発掘と育成を目的に2人を起用。チームにとっても将来を見据えた評価の場となる。

    野田樹潤 GEN3 Evoで2度目のフォーミュラEテスト
    野田樹潤は3歳でカートを始め、9歳の時点で日本のサーキットでシングルシーターのテストを行っていた。2024年にはTGMグランプリから参戦し、日本最高峰のシングルシーターシリーズであるスーパーフォーミュラに参戦した初の日本人女性ドライバーとして歴史を作った。

    今回のマドリード・ルーキーテストは、野田樹潤にとってGEN3 Evoマシンでの2度目の機会となる。彼女は2025年にバレンシアで行われたウィメンズテストにも参加しており、フォーミュラEマシンでの経験を積んでいる。

    「ジャガーTCSレーシングがこの機会を与えてくれたことにとても感謝しています」と野田樹潤は語った。

    「昨年バレンシアでジャガーI-TYPE 7をテストできたことは素晴らしい経験でしたし、チームからのサポートとフィードバックによってドライバーとして大きく成長できました」

    「今回、マドリードでの公式ルーキーテストに参加できるのは私にとって大きな瞬間です。できる限り多くのことを学び、自分の力を示したいと思っています」

    野田樹潤(Juju) フォーミュラE

    インディNXT参戦中のブライス・アロンも参加
    ジャガーTCSレーシングのガレージには、アメリカ人ドライバーのブライス・アロンも加わる。フォーミュラEでは初の走行となる。

    22歳のアロンは現在インディNXTに参戦しており、今季で3年目。これまでに2度の表彰台と複数のトップ10フィニッシュを記録している。

    「マドリードのルーキーテストでジャガーTCSレーシングに加われることをとても楽しみにしています」とアロンは語った。

    「フォーミュラEはプロフェッショナルな世界選手権なので、これほど高いレベルで戦っているチームと仕事ができる機会を得られたことは大きなチャンスです」

    「エンジニアやドライバーからできるだけ多くを学び、すべてのラップを最大限に活用したいと思っています」

    ジャガー代表イアン・ジェームス 若手ドライバーの可能性を評価
    ジャガーTCSレーシングのチーム代表イアン・ジェームスは、今回のテストがチームと若手ドライバー双方にとって重要な機会になると強調した。

    「ここ数戦でチームはスピードと粘り強さを示し、それを強い結果につなげてきました」とイアン・ジェームスは語った。

    「マドリードはアントニオの選手権150戦目でもあり、シーズンの中でも特にエキサイティングな瞬間になる可能性があります。我々は築いてきた基盤をさらに強化していきたい」

    「また野田樹潤とブライスという次世代のレースタレントをサポートできることを誇りに思っています。2人はこれまでのキャリアで優れた能力とプロフェッショナリズムを示してきました」

    「このルーキーテストは彼らにとって貴重な機会になります。ハラマ・サーキットで彼らを迎え入れ、次のステップにどう挑むのかを見るのを楽しみにしています」

  • レッドブルF1 フォーミュラE参戦協議浮上 Gen4で関心高まる

    レッドブルF1 フォーミュラE参戦協議浮上 Gen4で関心高まる

    レッドブル・レーシングが、新たなフォーミュラシリーズへの参戦を巡り協議を行っていることが明らかになった。フォーミュラEの最高経営責任者ジェフ・ドッズが言及したもので、次世代マシン「Gen4」の登場が関心を後押しする可能性があるという。

    Gen4マシンはレース条件下で時速200マイル(約320キロ)を超える速度に達し、現行世代よりも1周あたり8〜10秒速くなるとされる。電動フォーミュラの性格を大きく変える存在として注目を集めている。

    「もしレッドブルがこの選手権に何らかの関心を持っているとすれば、それはGen4の登場によってさらに高まるだろう」とジェフ・ドッズは語った。

    「ローラン(メキース)とはよく知っている。常に会話は続いているし、我々は常に話をしている」とも述べ、継続的な対話が行われていることを明かした。

    フォーミュラEとレッドブルの接点はこれまでも存在してきた。セバスチャン・ブエミ、アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ、ジェイク・デニス、ニック・デ・フリース、ダン・ティクトゥム、ジャン=エリック・ベルニュ、ペペ・マルティなど、現在あるいは過去にレッドブルと関わりのあるドライバーがフォーミュラEに参戦している。

    また、ジェイク・デニスはかつてレッドブルの開発ドライバーを務めており、フォーミュラE参戦後にチームから多くの質問を受けたと冗談交じりに語ったこともある。

    新世代のF1マシンは電力側の比重が高まっていることから、2026年のリザーブ兼開発ドライバーの角田裕毅を乗せる可能性もあるかもしれない。

    さらに、ローラン・メキースの妻であるマリアは、フォーミュラEのサステナビリティ戦略アドバイザーを務めており、組織レベルでも一定の接点がある。

    Gen4時代の到来が電動フォーミュラの競争力を一段と引き上げる中、レッドブルがどのような判断を下すのかは今後の焦点となる。

  • フォーミュラE東京E-Prix 2026、チケット先行抽選が4月11日スタート

    フォーミュラE東京E-Prix 2026、チケット先行抽選が4月11日スタート

    フォーミュラEは、2026年7月25日(土)・26日(日)に東京・有明で開催されるシーズン12「TDK Tokyo E-Prix」の観戦チケットについて、先行予約(抽選)の受付を4月11日(土)10時より開始すると発表した。受付期間は4月20日(月)23時59分まで。国内在住者に加え、海外在住者も申し込みが可能だ。

    フォーミュラEは、国際自動車連盟(FIA)が管轄する世界初の電気自動車(EV)による世界選手権で、2025-26年シーズンで12シーズン目を迎える。東京大会「Tokyo E-Prix」は2024年に初開催され、今回で3回目。

    2025年大会は東京初のダブルヘッダーとして実施され、第9戦では日産フォーミュラEチームのオリバー・ローランドが母国開催で日本チーム初優勝を達成した。

    2026年大会はシーズン第14・15戦として、7月25日(土)・26日(日)の2日間、ナイトレース形式で開催される。最新世代マシン「GEN3 Evo」が、東京ビッグサイト周辺の市街地コースを舞台に、東京湾岸の夜景を背景にバトルを繰り広げる。

    会場ではレース観戦に加え、音楽やフード、ゲーム、各種アクティビティなどを含む“モータースポーツフェス”として終日楽しめるコンテンツを展開予定。詳細は後日発表される。

    ■Tokyo E-Prix チケット先行予約(抽選)概要
    ・申込期間:2026年4月11日(土)10:00~4月20日(月)23:59
    ・申込方法:イープラス特設サイトより受付
    ・国内・海外在住者ともに申込可能

    チケットは観客席カテゴリーを拡充し、グランドスタンド1~7の7種類を用意。1日券と2日間通し券が設定され、観戦スタイルや予算に応じて選択できる。

    7月25日(土)の第14戦では、30秒間の超高速充電「ピットブースト」が導入されるレースを実施。グランドスタンド1~4からその戦略的シーンを観戦できる。26日(日)の第15戦では、ファミリーシートも販売予定だ。

    主な観戦席の特徴は以下の通り。

    ■グランドスタンド1
    ホームストレートから1コーナーまでのロングビューが魅力。GEN3 Evoの加速性能とスタート前の緊張感を体感できる。

    ■グランドスタンド2
    コントロールライン横、表彰台正面の最上位席。スタートセレモニーからシャンパンファイトまで、レースの全貌を見届けられる。

    ■グランドスタンド3
    日産フォーミュラEチームおよびローラ・ヤマハABTフォーミュラEチームの応援シート。応援グッズや記念品付き。

    ■グランドスタンド4
    フルブレーキングやアンダーカットなど戦略的攻防を間近で楽しめる“玄人向け”エリア。

    ■グランドスタンド5
    1コーナー周辺の激戦区。接近戦やオーバーテイクの攻防を体感できる。

    ■グランドスタンド6
    手頃な価格帯で、夜景とともに疾走するマシンの姿を楽しめる。

    ■グランドスタンド7
    最終コーナーを見渡すエリア。日曜はファミリーシートを設定。

    このほか、全スタンド最前列に合計50席以上の車いす席を設置し、付添人席も隣接確保する。VIP専用ラウンジやホスピタリティラウンジ、ピットウォークなどの特典内容は後日発表予定としている。

    詳細は東京大会公式サイトおよびイープラス特設ページで案内される。東京の夏の夜を彩る電動フォーミュラの祭典に向け、チケット争奪戦がいよいよスタートする。

    フォーミュラE東京E-Prix 2026

  • F1ドライバーがフォーミュラE Gen4に関心 プライベートテスト打診

    F1ドライバーがフォーミュラE Gen4に関心 プライベートテスト打診

    フォーミュラEの次世代マシン「Gen4」を巡り、現役F1ドライバーとの間で水面下の接触が行われていたことが明らかになった。

    フォーミュラEのCEOジェフ・ドッズは、すでにテスト走行が始まっているGen4マシンについて、複数のF1ドライバーから「個人的に試してみたい」との問い合わせを受けていると明かした。

    Gen4はフォーミュラEの新たなレギュレーションサイクルの幕開けとなるマシンで、今季後半の12月に開幕予定のシーズン13から正式投入される見通しだ。一方、F1も2026年から新パワーユニット規則のもとで新時代に突入しており、両カテゴリーの方向性がパドック内で話題となっている。

    Gen4は常時四輪駆動を採用し、2種類の空力セットアップを備えるほか、最高出力は600kW(815馬力超)に達する。すでに最高速度210mph(約338km/h)を記録しており、ラップタイムはF1とF2の中間に位置する水準になるとされる。

    バーレーンテスト期間中、マックス・フェルスタッペンが2026年F1レギュレーションを「ステロイドを打ったフォーミュラEのようだ」と表現したことで、フォーミュラEはF1パドックの議論の的となった。

    その後、ドッズはフェルスタッペンに対してGen4テストを提案したが、実際には他のF1ドライバーからも関心が寄せられているという。

    「100%だ。Gen4がテストで走り始めてから、実際にF1ドライバーと会話をしてきた。誰かは決して言わないが、『プライベートで乗ることはできるか? ぜひ試してみたい』と聞かれた」とジェフ・ドッズは語った。

    「マックスはその一人ではないが、他にもいる」

    「これはマックスだけでなく、すべてのF1ドライバーに対して完全にオープンな招待だ。このスポーツがどこへ向かっているのかを垣間見たいなら、Gen4に座ってみるべきだ。これは大きな前進だ」

    「Gen4のラップタイムはF1と大きくかけ離れたものにはならない。F2とF1の間に位置するだろう。しかし、その先はどうなるのか?」

    「私の見解では、その先に来るものはF1マシンと同等か、あるいはそれ以上に速くなる。それがフォーミュラEの進んでいる軌道だ」

  • F1をフォーミュラEが超える?ディ・グラッシ「2026年F1マシンは設計が悪い」

    F1をフォーミュラEが超える?ディ・グラッシ「2026年F1マシンは設計が悪い」

    フォーミュラEドライバーのルーカス・ディ・グラッシは、2026年F1レギュレーションに対して厳しい見解を示し、現在の設計思想は「極めて設計が悪い」と批判した。

    マックス・フェルスタッペンが2026年F1マシンを「ステロイドを打ったフォーミュラE」と表現したことを受け、ディ・グラッシはその議論に応じる形で自身の見解を語っている。

    2026年F1では新たなパワーユニット規則が導入され、MGU-Kの出力が強化されることで、電動パートが総出力のほぼ半分を占める構成となった。このエネルギーマネジメント重視の方向性は一部から批判も受けている。

    「F1のハイブリッド規則は極めて設計が悪い」とディ・グラッシは語った。

    「問題はハイブリッドシステムそのものではない。FIAが決めた規則、そしてその規則を決定したFIA内部の一部の人々に責任がある」

    「その規則のロジックは理解できないが、非常に奇妙な規則が存在する。それによってF1マシンは非常に遅くなり、時には効率的でもなく、レースに適した状態でもなくなっている。だからドライバーたちが不満を口にしている」

    フォーミュラ1カー

    ディ・グラッシはさらに、フォーミュラEの技術ロードマップ次第では、将来的にF1を性能面で上回る可能性があると主張した。

    完全電動シリーズは来季、800馬力のGen4マシンを導入予定であり、その後も進化が計画されている。バッテリー技術の継続的な発展により、フォーミュラEが世界最速カテゴリーになる可能性があるという。

    「僕の見解では、フォーミュラEは数年以内に世界最速のマシンになる」と2016/17年王者は語った。

    「Gen4.5やGen5に向けて適切な進化を実現できるかどうかにかかっている。我々にはそのポテンシャルがある」

    「フォーミュラEがF1よりはるかに速くなったら何が起きるのか? 世界最高のドライバーはフォーミュラEで走るのか?」

    「マシンがより速いという理由で、フォーミュラEのドライバーが最終的にF1ドライバーより優れていると見なされるのか? それともF1ドライバーがこちらに来て両方を戦うのかもしれない。フォーミュラEがウインターシリーズ、F1がサマーシリーズになる可能性もある。両方に参戦できるかもしれない。分からない」

    「政治的な力が後押しするかどうかは分からないが、自然な進化としてフォーミュラEのマシンはF1よりはるかに速くなるだろう」

    モナコについて問われると、ディ・グラッシは次のように続けた。

    「今年ではないかもしれないし、Gen4でもないだろう。しかしGen4の1〜2年後、次のサイクルでは、F1より2秒、3秒、4秒、あるいは5秒速くなる可能性がある。四輪駆動やトラクションコントロールも導入される。非常に良いものになる」

    2026年パッケージをテストしたF1ドライバーと話したかと問われると、ディ・グラッシは「何人かと話した」と答えた。

    「シミュレーターで走っている人たちと話したが、規則は非常に奇妙だ。いくつかのサーキットでは多くの問題を生み出している」

  • 2026年F1批判で波紋 フェルスタッペンにフォーミュラE CEOが“試乗招待”

    2026年F1批判で波紋 フェルスタッペンにフォーミュラE CEOが“試乗招待”

    フォーミュラEのCEOであるジェフ・ドッズは、2026年F1マシンを「ステロイドを打ったフォーミュラE」と表現したマックス・フェルスタッペンに対し、サウジアラビア・ジェッダで開催されるE-Prixへの来場とマシン体験を“冗談交じり”に呼びかけた。

    フェルスタッペンはバーレーンでのプレシーズンテスト2日目、新世代F1マシンについてエネルギーマネジメントへの依存度が高すぎると指摘し、「それはもはやF1ではない」との見解を示した。

    その発言は、エネルギー管理を主軸とするフォーミュラEを引き合いに出す形となり、パドック内外で波紋を広げた。

    ドッズはそのコメントについて「まったく驚かなかった」と語り、フェルスタッペンを「伝統的で生々しいモータースポーツを好むタイプ」と表現したうえで、次のように明かした。

    「昨日マックスにメッセージを送った。彼はバーレーンにいて、私はジェッダにいる。もしF1の代わりにこちらに来たいなら迎えに行く、とね。少しいたずら心を込めて書いた」

    「多くのフォーミュラEドライバーやチーム代表が、これは我々にとって大きなチャンスだと連絡をくれた。彼がフォーミュラEに言及してくれただけでも可視性という意味で良いことだ。ここでは接近戦があり、肘を張ったバトルがあり、レースでは150回近いオーバーテイクがあるかもしれない。彼の発言をきっかけに、フォーミュラEを見てみようと思う人が増えれば、それは我々にとって素晴らしいことだ」

    Gen4で“F1に迫る性能差”を主張
    フォーミュラEは2026/27シーズンから新型Gen4マシンを導入する予定で、最大800馬力、常時四輪駆動を特徴とする。現行Gen3 Evoから大幅に進化し、F1とのパフォーマンス差は「非常に小さくなる」とシリーズ側は見ている。

    ドッズは、フェルスタッペンがGen4を走らせれば「きっと気に入る」と断言する。

    「もしマックスがGen4に乗れば、気に入ると思う。600キロワットの純粋なパワー、常時四輪駆動、現行車より70%増の出力、ラップタイムも新時代のF1と大きくは変わらない。瞬時のトルク、アクセル全開で1.8秒で時速100キロに達する。彼の今のF1マシンより速く、GT3よりも速い。本当に気に入るはずだ。これからも挑発し、試乗に招待し続ける」

    マックス・フェルスタッペン フォーミュラE

    “2つの技術の妥協”が違和感の正体
    ドッズは、フェルスタッペンの違和感は2026年F1レギュレーションの根本思想にあると分析する。新規則では電動出力が総出力の約半分を占め、内燃エンジンと電動システムの融合がこれまで以上に進む。

    「彼の言葉を要約すれば、クルマの中で制限を感じているということだろう。かつてのような全開での“生のレース”ではなく、2つの技術の妥協の上に成り立つスタイルに戸惑っているのだと思う」

    「F1では常に何かをマネジメントしてきた。タイヤや燃料を守る必要があった。今回はエネルギーだ。違う戦略が求められているだけだ」

    「しかし2026年は2つの技術を融合させ、それを成立させようとしている。電動技術は世界の流れとして必要だが、同時に内燃エンジンの音や歴史、ドライビングスタイルも守りたい。そのバランスを取るのは非常に難しい」

    「フォーミュラEは常に完全電動であり、1つの技術に最適化してきた。だからこそレース形式もドライビングも一貫している。マックスにとって、F1の妥協構造は簡単ではないのだろう」

    2026年F1の新時代は、電動化と伝統の間で揺れる過渡期にある。その中でフェルスタッペンの率直な言葉は、単なる挑発ではなく、トップドライバーの本能的な違和感を映し出している。

    そしてフォーミュラEは、その隙間を逃さず、積極的に存在感を示そうとしている。