カテゴリー: スクーデリア・フェラーリ

  • シャルル・ルクレール F1バーレーンテスト2日目最速も「タイムに意味はない」

    シャルル・ルクレール F1バーレーンテスト2日目最速も「タイムに意味はない」

    スクーデリア・フェラーリのシャルル・ルクレールは、2026年F1バーレーン公式プレシーズンテスト2日目にトップタイムを記録した。午前62周、午後80周の計142周を走破し、1分34秒273でこの日の最速タイムをマークした。

    しかしルクレールは、見出しを飾るタイムに惑わされるべきではないと強調。初回テストで割り当てられた走行を終えた今、重要なのはデータ収集と基礎作業の積み重ねだと語った。

    「今回の最初のテストでの僕の走行はこれで完了だ。我々は問題なくプログラムを完遂できた。それは常にポジティブなことだ」とルクレールは語った。

    「ラップタイムを見るのはいつだって楽しいが、テストではそれに大きな意味はない。重要なのは自分たちと自分たちの作業に集中し続けることだ」

    「マシンのフィーリングは悪くないが、まだ本当に初期段階だ。今日はできるだけ多くの周回を重ね、計画していたテストをすべて消化することが目的だった」

    「これからも作業を続け、一歩ずつ積み上げていく」

    シャルル・ルクレール スクーデリア・フェラーリ

  • フェラーリF1「新PU均衡システムは悪用できない」グアルティエリが自信

    フェラーリF1「新PU均衡システムは悪用できない」グアルティエリが自信

    フェラーリのパワーユニット部門責任者エンリコ・グアルティエリは、2026年F1レギュレーションで導入される新たなエンジン均衡システムについて「十分に規定されており、悪用は難しい」との見解を示した。

    FIAは2026年の新ハイブリッド時代に向け、特定メーカーが大きく抜け出す事態を防ぐため「追加開発・アップグレード機会(ADUO)」と呼ばれる仕組みを導入する。これは、一定のパフォーマンス差が生じた場合に遅れを取ったメーカーへ追加の開発機会を与える制度だ。

    パドックでは、意図的にパフォーマンスを抑えて制度を利用する「サンドバッギング」の可能性を指摘する声もあるが、グアルティエリはそうした懸念を否定した。

    「シーズン中に追加のアップグレードや開発機会を得るためのADUOメカニズムについてだが」とグアルティエリは語った。

    「これは我々全員にとって新しいプロセスだ。FIAにとっても新しく、パワーユニットメーカーにとっても新しい。だが、許可される内容の定義において、かなり明確に規定されていると感じている」

    2026年はフェラーリ、メルセデス、レッドブル・フォード、ホンダ、アウディの5メーカーが参戦する。それぞれアーキテクチャが異なる中での監視体制となるが、グアルティエリは制度の堅牢性に信頼を置く。

    「もちろん結果に慣れるまでには時間がかかるだろう。しかし、このメカニズムが目指す最終的なターゲットに向けて機能するには十分に堅牢だと考えている」と述べた。

    「現時点ではこのプロセスに満足している。もちろん必要があればFIAとは常に連絡を取り合うが、今のところ我々にとって問題はない」

    スクーデリア・フェラーリ

    持続可能燃料と“分子”の視点
    パフォーマンスの政治的均衡を担うのがADUOなら、技術面での大きな変化は完全持続可能燃料の導入だ。

    2026年パワーユニットでは先進的な持続可能燃料が使用されるが、グアルティエリはエンジニアリングの観点から見ると、エンジン側の“欲求”自体は大きく変わらないと説明する。

    「新燃料、つまり先進的持続可能燃料についてだが、最終的な燃料の組成という点では大きな変化ではないと言える」と語った。

    「最終的に重要なのは分子であり、それらの分子がどのような特性を発揮できるかだ。燃料は基本的に以前とほぼ同じ考え方で設計される」

    一方で、最大の変化は性能そのものではなく、燃料の供給過程にあるという。

    「エンジンの“食欲”は大きく変わらない。つまり燃料設計は以前とほぼ似ている」と続けた。

    「本当に大きく変わったのは、供給チェーンや原料、つまり燃料がどのような原材料から作られるかという点で、持続可能性の理由から厳しい制約を満たさなければならないことだ」

    「これは従来から追求してきた性能や効率性に加えて新たに加わった要素だ。我々と燃料サプライヤーが最終的な燃料設計を定義するプロセスそのものを変えた」

    2026年F1は技術面でも政治面でも新時代を迎える。だがフェラーリは、供給網の制約からFIAの新制度までを含め、その複雑な環境を精密に乗りこなす準備が整っているとの姿勢を示している。

  • ルイス・ハミルトン 2026年F1マシンに本音「GP2より遅いんじゃない?」

    ルイス・ハミルトン 2026年F1マシンに本音「GP2より遅いんじゃない?」

    2026年F1プレシーズンテスト初日、バーレーンで走行を終えたルイス・ハミルトンが、新世代マシンについて率直な感想を口にした。

    フェラーリのSF-26をドライブしたハミルトンは、新車について「楽しい」と評価する一方で、体感的な遅さにも言及した。

    「ダウンフォースはかなり少ない。マシンは短くなって軽くなったし、キャッチしやすい」

    テスト中にスピンも喫したハミルトンは、こう続けた。

    「かなりラリーみたいだよ。今ってGP2より遅いんじゃない? そんな感じがするよ」

    実際のラップタイムを見ると、初日午前の最速はマックス・フェルスタッペンの1分35秒433。2025年基準と比べると約4秒遅い水準だが、F2のポールタイムよりは速い。それでもハミルトンは“体感的な遅さ”を強く感じているようだ。

    ハミルトン自身は4時間のセッションを4番手で終え、フェルスタッペンからちょうど1秒差だった。

    「博士号が必要なくらい複雑」
    ハミルトンは、新レギュレーションの複雑さについても率直だった。

    「ファンはたぶん理解できないと思う。ものすごく複雑なんだ」

    「この前ミーティングで説明を受けたけど、全部を完全に理解するには博士号が必要なくらいだよ」

    2026年型は電動出力が増え、エネルギーマネジメントとアクティブエアロの制御が大きな鍵を握る。レースがバッテリー管理勝負になるのかと問われると、ハミルトンは正直に答えた。

    「正直、まったく分からない。何が起こるか想像もつかないよ」

    「エネルギーマネジメントは重要になると思う。どのチームがデプロイメントをうまくやれるか、そしてどのドライバーがそれを一番うまく扱えるかだね」

    ルイス・ハミルトン 2026年 フォーミュラ1カー

    “楽しい”けど、まだ判断は早い
    一方で、マシンそのものについてはポジティブな側面も強調している。

    「前の世代とはまったく違うフィーリングだ。でもまだ本当に初期段階だよ」

    「タイヤも空力も最適化できていないし、車高もメカニカルバランスもこれからだ」

    バーレーン特有の強い突風と高温も、バランスを難しくしているという。

    「今日は本当に風が強かった。ここでこんなにガスティなのは記憶にないよ。午前の走行はいつも楽しくないしね」

    それでも最後はこう締めくくった。

    「でも全体的には、前より楽しいマシンだよ」

    “GP2より遅い”という表現はあくまで感覚的なものだが、2026年F1がこれまでとはまったく違うカテゴリーに近づきつつあることを象徴する発言とも言える。

    本当の勢力図が見えてくるのは、まだもう少し先になりそうだ。

  • フェラーリF1 バーレーン初日は132周走破「まだ序列は語れない」

    フェラーリF1 バーレーン初日は132周走破「まだ序列は語れない」

    スクーデリア・フェラーリは2026年F1プレシーズンテスト初日をバーレーンで迎え、SF-26で合計132周を走破。大きな技術的トラブルもなく、データ収集を着実に進める一日となった。

    午前はルイス・ハミルトン、午後はシャルル・ルクレールがステアリングを握り、ともに生産的な走行を完遂したが、現時点での勢力図を語るには時期尚早だと口を揃えた。

    「マシンに戻って周回を重ねられたのは楽しかった。今日はコンディションがかなり厳しく、砂やほこりが多く、風も非常に強かった」とハミルトンは述べた。

    「我々の位置について判断するにはまだ早すぎる。この段階では全チームが異なるプログラムを実行している。だから最も重要なのは自分たちに集中し、学び続けることだ」

    それでも、フェラーリ内部の雰囲気は前向きだという。

    「非常に集中したチームだと感じている。今後数日間、段階を踏んで作業を続け、改善していく」

    スクーデリア・フェラーリ バーレングランプリ

    午後に走行し、この日3番手タイムを記録したルクレールも、初日は励みになる内容だったと語る一方で、結論を急ぐことは避けた。

    「僕にとって生産的な半日だった。大きな問題なくプログラムを完遂できたのは、この段階では常にポジティブだ」とルクレールは述べた。

    「ここはコンディションがまったく異なるので、バルセロナとはかなり感触が違った。ただ、それこそが必要なことだ。別のサーキットで経験を積み、さまざまな状況でマシンがどう振る舞うかを理解することが重要だ」

    「これまでのところ、データは概ねシミュレーションで予測していた内容と一致している。それは励みになる要素だ。今後はプログラムの継続に集中し、開幕戦に向けて可能な限り万全の状態を整えていく」

  • フェラーリF1、2026年F1エンジン規則の“サンドバッグ論”を一蹴

    フェラーリF1、2026年F1エンジン規則の“サンドバッグ論”を一蹴

    スクーデリア・フェラーリは、2026年F1パワーユニットに導入される新たな救済制度を巡り、一部でささやかれている「意図的に性能を隠す(サンドバッグ)」可能性を明確に否定した。

    2026年F1ではエンジン開発が凍結される一方で、性能面で後れを取ったメーカーに対しては、シーズン中の追加開発を認める新制度が導入される。フェラーリのエンジン責任者エンリコ・グアルティエリは、この仕組みについて「十分に定義されており、悪用される心配はない」との認識を示している。

    新制度ADUOへの評価
    FIAは2026年F1から「追加開発・アップグレード機会(ADUO)」と呼ばれる制度を導入した。これは、メルセデス、フェラーリ、レッドブル・フォード、ホンダ、アウディの5メーカーを対象に、シーズン進行率25%、50%、75%の時点で性能測定を行い、遅れが確認された場合に限り追加開発を認めるというものだ。

    この制度について、グアルティエリは次のように語っている。

    「このADUOのメカニズムは、シーズン中に追加のアップグレードや開発機会を得られるというものだ」

    「これは我々全員にとって新しいプロセスだ。FIAにとっても新しく、パワーユニットメーカーにとっても新しい。だが、何が許されているのかという定義は非常によく定められていると感じている」

    「当然、実際の結果や運用には慣れるまで時間がかかるだろう。しかし、この仕組みが最終的に目指している目的に対しては、十分に堅牢だと考えている」

    「現時点では、我々はこのプロセスに完全に納得している」

    さらに、制度の運用についてはFIAと継続的に連携していることも明かした。

    「必要であれば、常にFIAと連絡を取り合っている。ただ、今のところ特に問題はない」

    サンドバッグの懸念を否定
    この制度については、将来的な開発優遇を狙って意図的に性能を抑える、いわゆる「サンドバッグ」が起こり得るのではないかという指摘もある。しかし、フェラーリはその懸念を共有していない。

    グアルティエリの発言からは、ADUOが十分に細かく規定されており、制度を“ゲーム化”する余地は小さいという自信がうかがえる。

    スクーデリア・フェラーリ F1 エンジン

    持続可能燃料への対応
    2026年F1パワーユニットでは、電動化の拡大に加え、完全な持続可能バイオ燃料の使用が義務付けられる。これについてもグアルティエリは、フェラーリにとって本質的な変化は限定的だと説明している。

    「新しい燃料、つまり先進的な持続可能燃料について言えば、最終的な燃料組成という意味では、大きな変化ではない」

    「結局のところ重要なのは分子そのものと、その分子が持つ性質だ。燃料は従来とほぼ同じ考え方で設計されている」

    「エンジンが求める特性自体は大きく変わらない。つまり、燃料設計は以前使っていたものとかなり似ている」

    一方で、これまでとの大きな違いは供給プロセスにあるという。

    「大きく変わった点は、燃料がサプライチェーンや原料に関する制約を満たさなければならないことだ。これは持続可能性の観点から求められている」

    「性能や効率だけでなく、原材料の出所まで考慮する必要があり、それが我々と燃料サプライヤーの燃料設計の進め方を変えた」

    フェラーリは、新制度と新燃料の双方に対し、現時点では冷静かつ前向きな姿勢を示している。2026年F1のパワーユニット競争において、制度面での“抜け道”よりも、純粋な開発力が問われることになりそうだ。

  • シャルル・ルクレールが選んだ相棒はウインディ ポケモン30周年キャンペーン

    シャルル・ルクレールが選んだ相棒はウインディ ポケモン30周年キャンペーン

    シャルル・ルクレール(フェラーリ)は、ポケモン30周年を記念したグローバルキャンペーンに参加し、自身とポケモンとの個人的な関係について語った。

    このキャンペーンは、ポケモン赤・緑(海外版ではRed and Blue)の発売から30年を迎える節目に合わせたもので、レディー・ガガ、トレバー・ノア、ジス、マイトレイ・ラマクリシュナン、ラミネ・ヤマル、ヤング・ミコら、さまざまな分野で活躍する著名人が登場している。

    ポケモン・カンパニー・インターナショナルが制作した「What’s Your Favorite」と題されたCMでは、それぞれの出演者が“相棒ポケモン”とともに登場する構成となっており、ルクレールはウインディをパートナーとして選んだ。
    ポケモンデーである2月27日を前に、ルクレールはインタビューで、ポケモンが自身にとってどのような存在であるのかを明かしている。

    ポケモン30周年キャンペーンへの参加理由
    「ポケモンは、僕が心から好きなブランドだし、子どもの頃にとても大きな存在だった。世界中の若い人たちにインスピレーションを与えてきた存在でもあるし、30年間もこれほど多くの喜びを届けてきたブランドとパートナーになれるのは、とても特別なことだと感じた。」

    異なる分野の著名人と並ぶことについて
    「ポケモンは本当にインクルーシブな存在で、年齢やバックグラウンド、興味の違いを超えて人々をつないでくれる。今回のキャンペーンでは、まったく異なる世界から集まった人たちが一緒になっている。その中に加わることができたのは光栄だし、みんなが子どもの頃に愛していたものを通じてつながれているのは、とても素敵なことだと思う。」

    世代を超えるブランドとしてのポケモン
    「僕にとってポケモンは、遊び心や楽しさ、そして想像力を象徴する存在だ。愛着の湧くキャラクターがいて、記憶に残る物語があって、誰かと共有できる思い出がある。世界中の多くの人たちと同じように、僕もポケモンと一緒に育ってきた。それが、30周年を祝うことに特別な意味を与えているんだ。」

    最初に強く印象に残ったポケモン
    「やっぱりピカチュウだね。初期の頃、彼は本当に想像力をかき立ててくれた。でも、それこそがポケモンの魅力で、ものすごく多様なキャラクターがいるから、人それぞれに心に残る存在がいる。とても豊かでクリエイティブな世界だと思う。」

    シャルル・ルクレール(スクーデリア・フェラーリ)

    相棒にウインディを選んだ理由
    「速くて、忠実なところだね。その2つの要素には強く惹かれる。スピードは僕の人生において大きな部分を占めているし、情熱そのものでもあるから、自然と結びついた。それに、ウインディは思いやりがあって守ってくれる存在でもある。実は、僕の犬のレオがもっと大きくなったような存在にも感じられて、そこがとても個人的な理由になった。」

    ポケモンの魅力は強さか、個性か、デザインか
    「正直、全部だね。ポケモンは本当に創造性にあふれた世界で、誰にとっても何かしら刺さる要素がある。あえて選ぶなら、個性とデザインがいちばん大事かもしれない。それと、名前も大好きだ。すごく遊び心があって、よく考えられている。」

    30年経っても愛され続ける理由
    「楽しくて、インクルーシブで、世界観がとても豊かだからだと思う。キャラクターの多様性もそうだし、関わり方も本当に幅広い。年齢に関係なく語りかけてくる、そういう稀有なブランドだからこそ、今もアイコン的な存在であり続けているんだ。」

    自身が楽しんできたポケモンの関わり方
    「僕の場合は、ずっとカードだった。集めることが子どもの頃の大きな楽しみで、パックを開けたり、新しいポケモンを見つけたり、友だちとその瞬間を共有したりした記憶が強く残っている。そういう体験は今でも鮮明に覚えているし、とても大切な思い出だ。」

  • フェラーリF1、SF-26はなぜSダクトを捨てたのか 開発の裏側

    フェラーリF1、SF-26はなぜSダクトを捨てたのか 開発の裏側

    スクーデリア・の2026年F1マシン、SF-26は、バルセロナでのシェイクダウンを経て、次なる検証の舞台となるバーレーンを待つ段階にある。

    外観上は大きな変化を誇示していないが、マラネロでは実走行データと風洞、シミュレーターとの相関が確認され、マシンの基礎性能に対する手応えが着実に積み重なっている。

    その中で注目を集めているのが、フェラーリがSF-26でSダクトを採用しなかったという技術的判断だ。かつて有効な武器として機能していたデバイスを、なぜ今になって捨てたのか。その背景には、2026年レギュレーションを見据えた冷却思想の転換と、より先を見据えた開発戦略がある。

    バルセロナでの走行後、ゲスティオーネ・スポルティーバではロイック・セラ率いる技術陣が、SF-26の挙動を細かく分析している。サキールで行われる最初のセッションに向けては、すでに最初のアップデートパッケージが準備されており、開幕前から計画的な開発サイクルが進められている。

    ルイス・ハミルトンは、各チームが任意で3日間のみ走行可能だった5日間のカタルーニャ走行を、総合トップタイムで終えた。ただし、フェラーリがスペインで追い求めていたのはタイムそのものではない。目的は、パワーユニットとシャシーの統合における挙動を把握し、マシン全体の理解を深めることだった。

    その成果として、空力部門は実走行と風洞実験の間に良好な相関を確認している。さらに、そのデータはシミュレーターにも反映され、ドライバーが感じるフィードバックは、バルセロナでの実走行により近いものへと改善された。これは、今後の開発スピードと精度を左右する、極めて重要な収穫だ。

    Sダクトを捨てたフェラーリの選択
    SF-26は、2026年型マシンの中で唯一、非常に小型で三角形状のエアボックスを採用して登場した。この特徴は、パワーユニットの冷却システムの大部分をサイドポッド内部に集約する設計思想と深く結びついている。ラジエーターの開口部は三角形で、下部に設けられた縦スリットは、あくまで必要な空気流量を確保するためのものに過ぎない。

    取材によれば、フェラーリはSF-23で導入し、SF-24でも継続して使用していたSダクトを、SF-26では採用していない。Sダクトは、サイドポッド下部のえぐれた空間への空気の充填を改善し、フロアに向かう流れの質を高める役割を果たしていた。また、サイドポッド上部へ排出される冷却空気は、ボディ形状と組み合わさることで、抵抗を増やさずにダウンフォースを増加させる効果もあった。

    しかしSF-26では、その役割を別の形で置き換えている。現在は、ヘイローの付け根後方に設けられた排出口が、サイドポッド内部の熱を効率的に引き抜く役割を担っており、Sダクトに頼らない冷却レイアウトが構築されている。

    スクーデリア・フェラーリ

    冷却思想の転換と今後の進化
    フェラーリがこの選択を可能にした背景には、内燃エンジンの特性がある。SF-26に搭載されるエンジンは鋼製シリンダーヘッドを採用しており、より高温域での作動が可能だ。この特性により、必要とされる放熱面積をサイズ面でも重量面でも抑えることができ、サイドポッド形状の自由度が高まっている。

    その結果、今後はさらに引き締まったサイドポッド形状が投入される可能性が高い。冷却を犠牲にすることなくボディワークを攻めることができるため、空力面での伸び代も確保されている。

    SF-26は、派手な革新よりも、確実な相関と堅実な開発を重視してスタートを切ったマシンだ。Sダクトを捨てた判断は、その象徴とも言える。フェラーリF1が描く2026年の戦い方は、バーレーンでの本格検証を経て、徐々に輪郭を現していくことになりそうだ。

  • ルイス・ハミルトン陣営が激変 フェラーリF1初年度の苦闘を経て迎える大刷新

    ルイス・ハミルトン陣営が激変 フェラーリF1初年度の苦闘を経て迎える大刷新

    ルイス・ハミルトンは新シーズンを前に、サーキット外の体制を大きく刷新している。レースエンジニア、マネジメント、コミュニケーションの各分野に及ぶ変化は、フェラーリ加入初年度となった2025年の厳しいシーズンを経て行われたものだ。

    最大の焦点は、2025年シーズン中に緊張関係が伝えられたリカルド・アダミに代わるレースエンジニアが、いまだ正式に発表されていない点にある。

    伊ジャーナリストのレオ・トゥリーニが執筆するコラムの中で、元フェラーリドライバーのイヴァン・カペリは、この状況を異例だと指摘した。

    「新しいレースエンジニアが、まだ正式に任命されていないのは不思議に感じる」とカペリは語った。

    「数時間の問題なのかもしれないが、こうしたことは事前に明確にされているべきだ」

    ガレージの外でも、ハミルトンの周囲にいたおなじみの顔ぶれがパドックから姿を消している。長年にわたり広報を務め、プロジェクト44関連の業務も統括してきたガブリエラ・クワク・イェボア、通称エラは、7度のワールドチャンピオンと袂を分かった。次の去就については明らかにされていない。

    さらにハミルトンは、マネージャーのマーク・ハインズとも再び別れる決断を下した。関係者によれば、別れは友好的なものだったという。両者はジュニア時代から共に歩み、ハインズは2015年から2021年にかけてプロジェクト44のCEOを務めた後、2024年に再びハミルトンとタッグを組んでいた。

    そのハインズは現在、アメリカの自動車メーカーであるキャデラックのF1参戦準備に向け、フルタイムで同プロジェクトに加わっている。事情に詳しい関係者は、ハインズが全グランプリに帯同し、レース関連のロジスティクスを統括していたにもかかわらず、今回の決別は双方合意によるものだったと説明している。

    ルイス・ハミルトン スクーデリア・フェラーリ

    サーキット外では、ハミルトンとキム・カーダシアンの関係を巡る憶測も再燃している。パリでの控えめながら豪華な会合が報じられたことで、再び注目が集まった形だ。

    競技面に目を向けると、カペリはこの一連の変化を、厳しいシーズンを経てもなお闘志を失っていないドライバーの姿勢の表れだと見ている。

    「ルイスはまだリスクを取る覚悟があると思う」とカペリは述べた。

    「彼は悪い年を終えたばかりで、それを自覚している。だからこそ挽回を狙うはずだ。彼のキャリアが悲しい終わり方を迎えるとは、とても想像できない」

    一方で、クルマから完全に離れた分野でも、ハミルトンは新たな情熱を見つけている。かつて誇っていた車両コレクションの多くを手放した後、現在はトレーディングカードの収集に熱中しているという。

    「カードを集めているんだ」とハミルトンはフランス版『ヴォーグ』の取材で明かした。

    「ポケモンやスター・ウォーズ、アスリートのカードだね。子どもの頃は学校で交換して集めていたけど、今はどんどん増えている。毎週のようにカードを買っているよ」

    キャリア終盤に差しかかりながらも、環境を刷新し、新たな刺激を求め続けるハミルトン。その姿勢は、2026年F1シーズンに向けた再起への強い意志を物語っている。

  • フェラーリF1、メルセデス型PUを研究 2027年仕様エンジン開発に着手

    フェラーリF1、メルセデス型PUを研究 2027年仕様エンジン開発に着手

    2026年F1レギュレーション下でメルセデスのパワーユニットが序盤から存在感を示す中、フェラーリF1が次の一手として2027年仕様エンジンの開発に着手したと報じられている。焦点となっているのは、圧縮比の挙動に関するメルセデス型の技術的アプローチだ。

    イタリアの有力コメンテーターによれば、フェラーリは短期的な対応ではなく、中長期的な視点でパワーユニットの再設計を進めているという。

    FIAの解釈を踏まえつつ、動的圧縮比を実現する独自の解決策を模索する動きが浮かび上がっている。

    2026年F1レギュレーションの導入を受け、メルセデスのパワーユニットはテスト初期から好調な走りを見せている。その背景として、ライバルチームの間では新たな圧縮アプローチの存在が噂されている。

    ここ数週間、ピットレーンのエンジニアたちの間で議論されているのは、燃焼室上部のプレチャンバー点火プラグ付近から細い通路で接続された、約1立方センチメートルとされる極小の補助容積を用いる理論だ。この仕組みが、作動時の圧縮挙動に影響を与えている可能性があると考えられている。

    同様の噂は、レッドブル・フォードのパワーユニットプロジェクトにも及んでいる。こうした概念が不正にあたるのかとオーストラリアのチャンネル9から問われたクリスチャン・ホーナーは、その見方を明確に否定した。

    「それは大きな言い方だ」とホーナーは述べた。

    「F1とは限界を押し広げるものだ。レギュレーションをどう解釈するかの勝負でもある。最も保守的なチームが、最前線に立つことは決してない。常に枠を押し広げなければならない」

    スクーデリア・フェラーリ

    一方で、イタリアの著名コメンテーターであるレオ・トゥリーニは、フェラーリがすでに次の段階を見据えた動きを始めていると指摘する。ただし、その照準は2026年ではなく、さらに先の2027年に定められているという。

    トゥリーニは自身の「クオティディアーノ」コラムで、フェラーリエンジン部門責任者エンリコ・グアルティエリが、動的圧縮比の実現を狙った大幅な変更を盛り込んだ2027年仕様パワーユニットの開発を承認したと記している。

    フェラーリは、FIAがニコラス・トンバジス率いるシングルシーター部門の判断として、メルセデスのコンセプトを完全に合法と見なしたと受け止めており、それを前提にマラネロ独自の解釈を追求しているという。

    その中核となるのが、熱膨張係数の高い素材を用いた新設計のコンロッドだ。温度上昇によって生じる圧縮低下を相殺する狙いがあり、成功すればダイナモ上でのテスト開始は2026年半ばになる見通しとされている。実戦投入は、早くとも2027年以降になる可能性が高い。

    トゥリーニが見積もる性能向上は、5〜10馬力程度だ。

    2025年シーズンに苦戦を強いられたフェラーリだけに、現時点での見通しは依然として慎重だ。SF26に何を期待すべきかと問われた元フェラーリドライバーのイヴァン・カペッリは、笑いながらこう返した。

    「次の質問は?」

    しかし、さらに問い詰められると、口調はやや前向きに変わった。

    「SF26には、かなり独創的なソリューションがいくつも採用されている」とカペッリは語る。

    「新しいレギュレーションは、エンジニアに多様な道を許している。解釈は一つではない」

    そして、こう締めくくった。

    「フェラーリには競争力を持つ義務がある。トップ勢と肩を並べる存在になると期待している」

  • フェラーリ、ブレンボとの50年以上の協力関係を延長 F1とWECで協業継続

    フェラーリ、ブレンボとの50年以上の協力関係を延長 F1とWECで協業継続

    フェラーリは、ブレーキシステムの開発で世界をリードするブレンボとの長年にわたる協力関係を更新し、契約を延長したと発表した。両社のパートナーシップは50年以上に及び、2026年以降も主要な国際競技で継続される。

    今回の合意により、ブレンボは引き続きフェラーリのテクニカルパートナーとして、F1および耐久レースの両プロジェクトを支えることになる。

    この契約は、F1に参戦するスクーデリア・フェラーリに加え、FIA世界耐久選手権に参戦するフェラーリ・ハイパーカー・プロジェクトも対象としている。

    ブレンボのサポートは、2023年にデビューし、2025年には53年ぶりにマラネロへ耐久選手権のコンストラクターズタイトルをもたらしたフェラーリ499Pの競技活動にも引き続き及ぶ。

    2026年シーズンに向けて、ブレンボはF1マシンおよびフェラーリのハイパーカーに対し、油圧系および摩擦材を含むブレーキシステム一式を供給する。これらは、現代のトップレベル競技が求める極限の要求に応えるべく設計された専用ソリューションとなる。

    今回の契約更新は、フェラーリとブレンボが、革新性、品質、パフォーマンスという両イタリアブランドの技術的・競技的アイデンティティを体現する価値観を、今後も共有し続けることを示すものだ。

    スクーデリア・フェラーリ