カテゴリー: スクーデリア・フェラーリ

  • ルイス・ハミルトン F1レギュレーションに苦言「ドライバーに発言権はない」

    ルイス・ハミルトン F1レギュレーションに苦言「ドライバーに発言権はない」

    ルイス・ハミルトン(フェラーリ)は、F1のレギュレーションを巡る議論において、ドライバーの影響力が極めて限定的であるとの見解を示した。安全性やレース内容への懸念が高まる中で予定されているFIAの会合についても、大きな変化にはつながらない可能性があると懐疑的な姿勢を見せている。

    FIAとF1は4月に新レギュレーションの見直しを行う予定だが、エネルギーマネジメントやレースの質に関する批判が強まる中でも、実効性のある改善が行われるかは不透明な状況となっている。

    ハミルトンは今回の会合について率直な見方を示した。

    「正直なところ、あまり期待していない」とルイス・ハミルトンは語った。

    「ただ、大きな変更が行われることは願っている」

    ハミルトンの懐疑的な姿勢の背景には、意思決定プロセスにおけるドライバーの関与の少なさがある。

    「ドライバーには発言権がない」

    「僕たちには何の力もない。委員会にも入っていないし、投票権もない」

    さらにハミルトンは、議論の構造そのものが結論を難しくしている可能性にも言及した。

    「関係者が多すぎる。そういう状況では、良い結果になることはあまりない」

    今回の見直しは、現在のレース内容に対する不満が高まる中で実施される。予選でのリフト・アンド・コーストや、決勝でのバッテリー使用のばらつきによって、パフォーマンスの不安定さや“人工的なオーバーテイク”が問題視されている。

    懸念はF1日本GPでさらに強まった。オリバー・ベアマン(ハースF1チーム)は、スプーンカーブ進入で減速していたフランコ・コラピント(アルピーヌ)を避けようとしてクラッシュを喫した。

    このインシデントはエネルギー運用の違いによって最大50km/hもの速度差が生じる可能性を示し、安全面での問題を浮き彫りにした。

    ベアマンは大きな負傷を免れたものの、この事故を受けてレギュレーションへの批判はさらに強まり、FIAはチームや関係者との議論を前倒しで進めることとなった。

    ハミルトンは現状のパフォーマンス差についても言及し、パワーユニットの特性に不確定要素が多いと指摘した。

    「明らかにパフォーマンスの面では、僕たちはメルセデスのエンジンに大きく左右されている」

    「それが何なのかはまだ分からない。ターボが大きいのか、クランクパワーがあるのか、それとも別の要因なのか。いずれ分かるだろう」

    「僕たちはそれを解明して、もっと努力しなければならない」

    同様の懸念は他のドライバーからも上がっている。グランプリ・ドライバーズ・アソシエーションのディレクターを務めるカルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)は、チーム側の意見が優先される構造に警鐘を鳴らした。

    「チームの意見だけを聞いていることが問題だ」とカルロス・サインツJr.は述べた。

    「彼らはテレビで見て楽しんでいるかもしれないから、レースは問題ないと思うだろう」

    「でもドライバーの視点では、50km/hもの速度差がある状況はレースとは言えない」

    FIAは特にエネルギーマネジメントに関する可変要素の見直しを検討しているとされるが、ドライバーたちは今回の会合の結果について慎重な見方を崩していない。

    「本当に僕たちの意見に耳を傾けてほしい」とサインツは語った。

    「チームの声だけでなく、僕たちが伝えているフィードバックに焦点を当ててほしい」

    「マイアミまでに状況を改善するプランを示してほしいし、このレギュレーションを中期的に改善していく計画も必要だ」

    「すべてをマイアミで解決できなくてもいい。まず一歩前進して、シーズン中や来年に向けて大きな改善を進めていくべきだ」

    次戦マイアミGPは5月1日から3日にかけて開催される予定となっている。

  • シャルル・ルクレール メルセデスF1の“無線トリック”暴露「逆をやっていた」

    シャルル・ルクレール メルセデスF1の“無線トリック”暴露「逆をやっていた」

    シャルル・ルクレール(フェラーリ)は2026年F1日本GP決勝で3位表彰台を獲得した。セーフティカー明けにはジョージ・ラッセル(メルセデス)との激しい攻防を制し、今季3戦で2度目の表彰台を手にした。

    レース終盤、両者はルイス・ハミルトン(フェラーリ)を交わして直接対決に突入。ラッセルが最終シケインで一度前に出たものの、ルクレールは翌周のターン1で抜き返し、その後の攻防を制した。

    ルクレール「無線の指示と逆のことをしていた」
    シャルル・ルクレールはレース後、メルセデス陣営が無線を利用した駆け引きを仕掛けていたと明かした。

    「いくつかの場面ではかなり接近していたし、正直かなり“ずる賢い”こともしていた。彼のエンジニアが無線でいろいろ指示していたと思う」

    「僕のエンジニアは彼のエンジニアが無線で何を言っているかを教えてくれていたけど、彼はその逆のことをしていた。それでかなりプレッシャーを感じた」

    「あるときは『バックストレートで全部使うように指示されている』とか、あるいはメインストレートだったかもしれないけど、そう言われていた。でも4周連続でまったく逆のことをしていた」

    「だからかなり早い段階でそれに気づいて、守ることができた」

    終盤の攻防とセーフティカーの影響
    一方でルクレールは、終盤の攻防についても振り返っている。

    「最後のコーナーでは一度驚かされたけど、とても楽しいレースだった」

    「ただ、セーフティカーのタイミングが僕たちにとっては少し不運だった。レース結果が大きく変わったとは思わないけど、セカンドスティントは確実に少し難しくなった」

  • ルイス・ハミルトン 表彰台を阻んだ謎のパワー不足「本当に混乱している」

    ルイス・ハミルトン 表彰台を阻んだ謎のパワー不足「本当に混乱している」

    ルイス・ハミルトン(フェラーリ)は2026年F1日本GP決勝で、原因の分からないパワー不足に見舞われ、表彰台争いに加わることができなかったと明かした。

    ハミルトンはレース序盤を6番手で走行し、セーフティカー中のピットストップによってチームメイトのシャルル・ルクレールとマクラーレンのランド・ノリスを一時は逆転した。

    しかし、その後は後方に抑え続けることができず、ルクレールとの争いの末に再び順位を落とし、最終的にはスタート時と同じポジションでフィニッシュした。

    ハミルトン「ただ守るだけのレースになった」
    ルイス・ハミルトンはCrash.netの取材に対し、日本GPでの苦戦を次のように振り返った。

    「まあまあだった。僕にとっては本当に平均的な週末だった」

    「レースではなぜかパワーに苦しんでいた。とにかく出力が足りなかった」

    「ずっと守っているだけだった。周りのマシンのほうが今日は明らかにパワーがあったように見えた。だから、なぜそうなっていたのかを理解する必要がある。僕のエンジンの出力が落ちていたのか、それとも別の理由なのか。とにかく理解しなければならない」

    中国GPでも見られたルクレールとの一時的な接近戦について問われると、ハミルトンはその内容を大きく評価しなかった。

    「特にいいバトルではなかった」

    「シャルルでさえ、同じクルマなのに僕よりパワーがあるように見えた。だから、なぜそうなのかを理解する必要がある。彼は3位を獲得する素晴らしい仕事をした。でも、どこかでパワーが足りていなかった」

    「新しいタイヤでも前を守れなかった」
    一方でハミルトンは、2026年F1マシンでのレース自体は引き続き楽しめているとも語った。ただ、日本GPはその中でも特に厳しい内容だったと示唆している。

    「基本的には運転を楽しんでいる」

    「さっき言ったように、ただ理解しないといけない。タイヤをうまくマネージメントできた本当にいいスティントがあったけど、それでもついていけるだけのペースがなかった。集団にかろうじてしがみついているだけというのは、決して楽しいことではない」

    「それにフレッシュタイヤに替えてからも、パワーの面で前にいる相手を抑え続けることができなかった。本当に混乱している。だから、理解しようとしないといけない」

    バスール「1秒圏外になると厳しくなる」
    フェラーリのチーム代表フレデリック・バスールは、問題の少なくとも一因として、前車から1秒以上離れることでオーバーテイク用のブーストを失ったことを挙げた。対して、ハミルトンが争っていた相手は依然としてその恩恵を受けていたという。

    「今季は、オーバーテイクモードの範囲内にいられなくなった瞬間、少し流れを失うのは明らかだ」

    「そして、コース上では列車のような状態になる。前のクルマとの1秒差を失うと、少し難しくなる」

    「我々はストレートラインのパフォーマンスに不足があることを分かっているし、その改善に取り組まなければならない。だが、現状はそういうことだ」

  • ルイス・ハミルトン F1日本GP後 FIAを批判「ドライバーに発言権はない」

    ルイス・ハミルトン F1日本GP後 FIAを批判「ドライバーに発言権はない」

    ルイス・ハミルトン(フェラーリ)はF1日本GP後、2026年F1レギュレーションをめぐる議論について、ドライバーには意思決定の権限がなく、FIAはチームの意見ばかりを聞いていると批判した。

    鈴鹿ではエネルギーマネジメントによる速度差が問題となっており、ドライバー側からは安全面への懸念が強まっているが、その声が反映されていない現状が浮き彫りとなった。

    ハミルトン「ドライバーに発言権はない」
    ルイス・ハミルトンは、レギュレーション変更に関する議論にドライバーが関与できていない現状を明言した。

    「ドライバーには発言権がない」

    「僕たちには力がない。委員会にも入っていないし、投票権もない」

    ドライバーが意見を出しているにもかかわらず、意思決定に関与できない構造が問題として指摘された。

    サインツJr.「チームだけを見れば問題に見えない」
    カルロス・サインツJr.も、現在の状況はチームの視点だけで判断されていることが原因だと指摘した。

    「それが、チームの声だけを聞いたときに起こる問題だ。テレビで見ていれば、彼らはレースは問題ないと思うのかもしれない」

    「でもドライバーの立場でレースをしていて、50km/hもの速度差が生まれると分かれば、それはレースではない」

    「こんな速度差があるカテゴリーは世界中にない。大きな事故が起きるのはそういうときだ。意表を突かれるし、遅れてディフェンスしたときに、自分か後ろのクルマが巻き込まれる」

    さらにサインツJr.は、FIAに対して改善を求めた。

    「僕たちのフィードバックに耳を傾けてほしい。チームの声だけではなくてだ」

    「マイアミまでに状況を改善するプランを出してほしいし、このレギュレーションを今後も改善し続けるための中期的なプランも必要だ」

    ベアマンの事故で問題が顕在化
    日本GP決勝ではオリバー・ベアマンがクラッシュを喫し、フランコ・コラピントとの間に約50km/hの速度差があったとされる。この事故により、ドライバーが指摘してきたリスクが現実のものとなった。

    ベアマンに深刻なけがはなく、ハースF1チームはコラピントに責任はないと説明している。

    FIAは事故後、関係者とともに今後の対応を協議していく方針を示しており、2026年F1レギュレーションをめぐる議論は今後さらに重要性を増すことになる。

  • シャルル・ルクレール F1日本GP3位「セーフティカーで少し不運だった」

    シャルル・ルクレール F1日本GP3位「セーフティカーで少し不運だった」

    シャルル・ルクレール(フェラーリ)は、2026年F1日本GPで3位に入り、終盤の激しい防御戦を制して表彰台を獲得した。

    セーフティカーのタイミングで不利な展開となりながらも、タイヤマネジメントで持ちこたえ、ジョージ・ラッセルの猛追を抑え切った。「かなり汗をかくレースだった」と振り返り、厳しい状況での戦いを明かした。

    「かなり汗をかくレースだった。セーフティカーで少し不運だったし、その時点でキミやルイスと比べて不利な状況になった。でもそこからはプッシュし続けて、タイヤを最後まで持たせることに集中した。思っていたほど不利ではなかったし、タイヤの状態も良かった」

    終盤の防御については、駆け引きもあったと明かす。

    「かなり接近していたし、彼らは無線でいろいろ言っていた。僕のエンジニアがそれを教えてくれたけど、実際には逆のことをしてきたりしてプレッシャーをかけられた。でもすぐに理解して対応できた。ただ最後のコーナーでは少し驚かされた」

    それでもレース自体は楽しめたと語る。

    「楽しいレースだった。ただオスカーに届くには少し足りなかった」

    スタート直後についてはポジティブに捉えている。

    「2番手に上がれて満足していた。ただオスカーは特に最初のラップでとても速くて、かなり引き離された。その後はできるだけ近づこうとしたけど、彼の方が少しペースが良かった」

    シャルル・ルクレール スクーデリア・フェラーリ F1 日本GP

    今後の課題については、明確にパワーユニットを挙げた。

    「最初の3戦を振り返ると、改善すべき点は明らかで、それはパワーユニットだ。ただマイアミには新しいものを持ち込めない。でもそれだけじゃない。タイヤの使い方、エアロ、シャシーなど、すべての面で改善していく必要がある」

    2026年マシン特有のレースについては肯定的な側面も語った。

    「このクルマでは違うレースの仕方が必要になるのは間違いない。特にスーパークラッピング中のライン変更は危険な状況を生む。ただレース自体は楽しめている。予選では改善が必要だけど、レースではドライバー側の適応も重要だと思う」

  • フェラーリF1 メルセデスのフロントウイング問題に言及「抗議には遅すぎた」

    フェラーリF1 メルセデスのフロントウイング問題に言及「抗議には遅すぎた」

    スクーデリア・フェラーリのチーム代表フレデリック・バスールは、日本GPを前に議論を呼んだメルセデスのフロントウイング問題について、フェラーリが抗議を行わなかった理由を明かした。

    中国GPで確認された“二重の閉じ方”とされる挙動は注目を集めたが、FIAはメルセデスの説明を受け入れ、この問題をクローズしている。

    「気づいた時には遅かった」 フェラーリが抗議しなかった理由
    フレデリック・バスールは、フェラーリがなぜ正式な抗議に踏み切らなかったのかについて、次のように説明した。

    「リアルタイムでは気づいていなかった。レースを分析して初めて分かったが、その時には抗議するには少し遅すぎた」

    「この件について論争をしたいわけではない。我々は自分たちのチームに集中したいだけだ」

    FIAはメルセデスの説明を受理
    問題となったフロントウイングは、中国GPで“二重に閉じる”ような挙動を見せたとされ、パドック内で議論を呼んでいた。

    しかしFIAは、メルセデス側の説明を受け入れ、これは計算ミスによって発生したものであり、パフォーマンス上の利点を意図したものではなく、むしろ対処すべき問題だったと結論づけた。

    フェラーリは自チームの改善に集中
    バスールは現状について、ライバルとのギャップに過度に目を向けるべきではないと強調した。

    「今は差を見ることよりも、確実にポイントを積み重ねることが重要だ」

    「マイアミからはまた別のシーズンのようになるはずだ」

  • F1日本GP 鈴鹿好きのハミルトンも苦言「最も楽しくない部類のトラック」

    F1日本GP 鈴鹿好きのハミルトンも苦言「最も楽しくない部類のトラック」

    ルイス・ハミルトン(フェラーリ)は2026年F1日本GP予選を6番手で終えた後、鈴鹿サーキットに対して異例とも言える厳しい見解を示した。これまで“好きなコース”として知られてきた鈴鹿について、2026年型マシンでは「最も楽しくない部類のトラック」と語っている。

    エネルギーマネジメントの影響により、全開で攻め続けることができない現状に強い違和感を示したハミルトン。

    フェラーリのパフォーマンス不足に加え、新レギュレーションがドライビング体験そのものにも影響を及ぼしていることを浮き彫りにした。

    ハミルトン「現状では全く足りていない」
    ポールポジションはアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が獲得し、ハミルトンはそのタイムから0.789秒遅れ。さらにマクラーレン勢とチームメイトのシャルル・ルクレールにも後れを取る結果となった。

    「昨日は少し苦戦していたけど、今日はかなり良くなった」

    「Q1は問題なかったし、その後もどんどん良くなっていった。でも、トップの連中とは何マイルも離れている」

    「自分なりに最大限を引き出しているけど、現状では全く足りていない」

    エネルギー管理が決定的な差に
    「デプロイメントが大きな要因なのは間違いない」

    「最初のアタックでは少なくともルクレールより上だった。でもバックストレートで2.5テンポ失った。オーバーステアが出て、少しアクセルを戻したことでアルゴリズム全体が変わってしまった」

    「本来なら立て直してそのまま走り続けられるはずだけど、このレギュレーションではそうならない」

    「だから理想的ではないし、こういう部分はあまり良くないと思う」

    メルセデスとマクラーレンに対する評価
    「彼らは明らかにいいクルマを持っているし、マクラーレンもメルセデスエンジンの使い方を理解してくれば、さらに差は広がると思う」

    「ギャップを縮めるためには本当に大きな仕事が必要だ」

    「エンジンも要因のひとつだけど、少なくとも今週末に関してはシャシーもメルセデスには及んでいない」

    「彼らはコーナーでも最速だ」

    ルイス・ハミルトン スクーデリア・フェラーリ

    「これまでで最も楽しくない部類」の鈴鹿
    「特に最初のセクションは限界で走っているけど、ターン6以降はバッテリーをセーブしないといけないから、同じようには攻められない」

    「そういう意味では、これまでで最も楽しくない部類のトラックだ」

    「ラップ全体でフルパワーを使えないというのは、レースとしてあまり良い要素ではないと思う」

    決勝の展望も不透明
    「正直、どんなレースになるのか全く分からない」

    「レースペースでは誰も抜けなかったし、ここはもともとオーバーテイクが多いサーキットではない」

    「前戦よりも少なくなると思うけど、少しはあることを期待している」

    「ターン1は可能性があるかもしれないけど、そこはストレートモードの区間だし、最終コーナーを立ち上がる時にはバッテリーがほとんど残っていないことが多い」

    フェラーリは中国GPではメルセデスに迫る場面もあったが、鈴鹿では再び明確な差を突きつけられる形となった。ハミルトン自身が「何マイルも離れている」と表現したように、そのギャップは依然として大きい。

  • シャルル・ルクレール フェラーリF1に苛立ち「ストレートで何もできない」

    シャルル・ルクレール フェラーリF1に苛立ち「ストレートで何もできない」

    シャルル・ルクレール(フェラーリ)は2026年F1日本GP予選で4番手を記録したが、その結果以上に内容への不満を隠さなかった。Q3のアタック自体には満足しているとしながらも、ストレートでのロスが決定的だったと振り返っている。

    オーストラリア、中国に続いて繰り返される課題はエネルギーマネジメントであり、特に予選の最終局面で差が広がる状況が続いている。極めて繊細な制御が求められる現行パワーユニットでは、小さな操作の違いが大きなタイム差につながる構造となっている。

    エネルギーマネジメントが生む“見えないロス”
    コーナーを速く抜けることで回生やデプロイのタイミングが変化し、ストレートでのエネルギー切れを引き起こす――こうした現象がルクレールのラップにも影響していた。350kWの電動パワーと限られたバッテリー容量の組み合わせは、わずかなズレでも一気にパフォーマンスを損なう。

    特にスプーン立ち上がりでは、前回のラップより約6km/h速い状態でアクセルに戻したものの、オーバーステアによってわずかにリフト。その結果、加速の立ち上がりを失い、最終的には最大8km/hもの差に転じた。

    パワーユニットはストレート前半で一時的に優位を示したものの、エネルギーが尽きると差は再び拡大。130R以降では内燃エンジン主体となり、最終的には再び均衡するという、典型的な“電力切れ”の挙動が見られた。

    ルクレール「ドライバーにはどうにもできない」
    「大丈夫だ、あのオーバーステアについてはそれほど心配していない。多くの人はそこでタイムを失ったと思っているだろうけど、実際にはコーナースピードを上げたことでかなり稼いでいた。むしろポジティブに近かった。あの後のラップで何かを犠牲にしたとは思っていないし、最大限プッシュした。全体としては良いラップだった」

    「ただ、パワーユニットはエネルギー管理の観点で非常に敏感だし、小さな違いが大きな差になる。僕たちはQ3でシステム最適化の面で少し苦しんだ。その結果、特に第2、第3セクターのストレートでタイムを失っている。本当にフラストレーションが溜まる。ドライバーとしてできることは限られているからだ」

    「完璧ではなかったが、ラップにはとても満足している。ただ自分自身と比べてもストレートで大きくタイムを失った。それが本当にフラストレーションだ。分かっていても実際に起きるとステアリングを叩きたくなる。ストレートでは100%の状態になると、できることはほとんどない」

    「何が起きたのかは分からないが、Q3では14コーナーから16コーナーにかけてかなり失った。それでもそれ以外は良いラップだった。8コーナーでの場面はあったが、8/9のシークエンスは良かった。全力を尽くしたし、うまくいった部分も多いが、4番手という結果には少し失望している」

    シャルル・ルクレール スクーデリア・フェラーリ 日本GP

    決勝はスタート勝負 マクラーレンとメルセデスに挑む
    決勝に向けてルクレールは、マクラーレンに対してはプレッシャーをかけられると見ている。一方でメルセデスに対しては依然としてレースペース面での優位を認めており、特にクリーンエアに入った際の差は大きいと分析する。

    鈴鹿はオーバーテイクが難しいサーキットであることから、スタートでのポジションアップが鍵となる。フェラーリは条件が揃えば互角に戦えるものの、タイヤマネジメントや展開次第では差を広げられる展開も想定されている。

    「良いスタートが決まればプレッシャーをかけられるかもしれない。ただ、その後はいずれ抜かれてしまうと思う。彼らはレースペースで大きなアドバンテージを持っている」

    「もし最後のラップまで戦い続けることができれば勝つチャンスもあるだろう。でも彼らがクリーンエアを得た瞬間、僕たちが再び追いつくのは不可能になる」

  • ルイス・ハミルトン フェラーリF1の課題を指摘「現時点では速さが足りない」

    ルイス・ハミルトン フェラーリF1の課題を指摘「現時点では速さが足りない」

    ルイス・ハミルトン(フェラーリ)は、2026年F1日本GPの金曜プラクティスを終え、フェラーリF1は現時点でライバル勢に対して十分な速さがないとの認識を示した。

    フェラーリはフリー走行1回目、2回目ともに5番手と6番手に留まり、鈴鹿サーキットではマクラーレンやメルセデスに対して後れを取る形となった。ハミルトンはFP2を6番手で終え、トップのオスカー・ピアストリから0.847秒差だった。

    ハミルトン「現時点ではただ速くない」
    ルイス・ハミルトンは、マシンの挙動について聞かれると、これまでにも経験してきた傾向に近いものだと語った。

    「ここで以前に経験したものと似たようなことだと思う」

    「素晴らしいサーキットだ。クルマ自体のフィーリングは全体としては悪くない。ただ、現時点では単純に速さが足りないと思うし、原因はバランスにあると思う」

    「一晩かけてしっかり取り組んで、どうすればもっと良いセットアップにできるのかを見つけないといけない」

    土曜日にフェラーリが差を縮められるかと問われたハミルトンは、現状では簡単ではないとの見方を示した。

    「難しいと思う。結局のところ、今のところストレートではかなりタイムを失っていて、マクラーレンと比べるとターン1までにコンマ4秒ある」

    「だからデプロイメントもその一部だし、そこはもっと良くできるはずだ」

    「それに、もしセットアップを正しいところに持っていければ、クルマからさらにパフォーマンスを引き出せる余地もあると思う」

    鈴鹿で浮かんだ電力マネジメントの難しさ
    2026年F1レギュレーションについて好意的な立場を取ってきたハミルトンだが、鈴鹿ではエネルギーマネジメントの難しさがドライバーにとって負担になっていることも認めた。

    「スーパークリッピングは間違いなく良くない」

    「スーパークリッピングをしなければならないのは良くないことだ。場所によっては、もうパワーが残っていないから、いわば惰性で進入していくような感じになる」

    「このサーキットに関して言えば、それが今回のルール変更でいちばん楽しくない部分だと思う。でも、それ以外のセクションではクルマのフィーリングは本当にいいし、運転していてやはり素晴らしい」

    ルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリ) F1 日本GP

    フェラーリ首脳陣も現状を冷静に分析
    一方、フェラーリのスポーティングディレクターを務めるディエゴ・イオベルノは、金曜の勢力図はおおむね想定の範囲内だったと説明した。

    「ギャップはおおよそ我々の予想通りだと思う」

    「特にショートランに関しては、最初の2戦とかなり近い傾向でもある。それでも、改善を目指していかなければならない」

    「我々はできることをやっている。データを分析し、クルマのマネジメントに関する小さな問題を修正しようとしている。ドライバーたちも完全には満足していないし、ルイスが自信の欠如について不満を口にしていたのも聞いたと思う」

    「このコースは難しいし、後半区間は新舗装になっている。重要なポイントは、1周目からタイヤをしっかり機能させることになるだろう」

    フェラーリにとって鈴鹿初日は、戦闘力不足とセットアップの難しさがあらためて浮き彫りになった一日だった。ハミルトンが指摘したストレートでのロスと、ドライバーが求める信頼感をどこまで改善できるかが、予選以降の巻き返しの鍵になりそうだ。

  • フェラーリF1会長エルカーン「2025年は期待に届かなかった」株主書簡で総括

    フェラーリF1会長エルカーン「2025年は期待に届かなかった」株主書簡で総括

    フェラーリ会長のジョン・エルカーンは、持株会社エクソールの株主に宛てた公開書簡の中で、フェラーリF1の2025年シーズンについて「期待に届かなかった」と率直に振り返った。一方で、フェラーリは敗戦から学び、より強く戻ってくる意志を持ち続けてきたとも強調している。

    2026年F1シーズン序盤のフェラーリは、その言葉を裏づけるような立ち上がりを見せている。

    レギュレーション刷新を受けて、フェラーリはメルセデスに次ぐ有力勢力として浮上しており、ここまで全戦で表彰台を獲得。シャルル・ルクレールがメルボルンで3位、ルイス・ハミルトンも中国でフェラーリ移籍後初表彰台を記録した。

    ジョン・エルカーンが2025年を総括
    2025年のフェラーリF1は未勝利に終わり、大型補強として迎えたルイス・ハミルトンも、フェラーリでの初年度に表彰台を記録できなかった。F1では厳しい1年となった一方で、フェラーリは他カテゴリーで成果を収め、ル・マン24時間で連覇を達成し、世界耐久選手権でもダブルタイトルを獲得した。

    ジョン・エルカーンは株主向け書簡の中で、耐久レースでの成功を高く評価しつつ、F1に関しては明確に物足りなさを認めた。

    「2025年は、勝利と教訓の両方をもたらした」

    「フェラーリは耐久レースにおいて素晴らしい1年を過ごし、世界耐久選手権のマニュファクチャラーズタイトルとドライバーズタイトルの両方を獲得し、ル・マンで再び勝利を収め、さらにマカオでGT3ワールドカップも制した」

    「こうした成功は、フェラーリが前回の耐久世界タイトルを獲得してから半世紀以上を経て成し遂げられたものであり、ピットレーンのメカニックからエンジニア、ドライバーに至るまで、共通の目標に向かって献身する全員を結びつける、並外れたチームスピリットを反映していた」

    耐久レース復帰の成果を強調
    ジョン・エルカーンは、フェラーリが耐久レースに復帰する決断を下した時期にも触れ、その判断が困難な時期に行われたものだったと説明した。

    「耐久レースへの復帰を決断したのは、新型コロナウイルスによる孤立の時期という困難な時代だった。そのため、こうした勝利を再びサーキットで共に祝うことができた意義は、なおさら大きかった」

    さらに、ル・マン100周年大会での勝利と、その後の継続的な成功についても言及した。

    「同じく重要なのは、その決断のあと、フェラーリが最後にル・マンへ参戦してから50年を経て、その100周年大会で勝利を取り戻したことだ」

    「さらに、異なる3つのドライバーラインアップで3連勝を達成した。これは、チームの結束と総合力の証明だった」

    スクーデリア・フェラーリ

    F1は“期待に届かなかった”
    その一方で、F1についての評価は厳しかった。

    「対照的に、F1は期待に届かなかった」

    ただしジョン・エルカーンは、失敗を前進の材料に変える姿勢こそがフェラーリの本質だと強調している。

    「だがフェラーリは常に、レースとは勝つことと同じくらい学ぶことでもあると理解してきた」

    「フェラーリ創設者のエンツォ・フェラーリは、自ら“失敗の博物館”と呼ぶものを持っていた。そこには進歩を追い求める中で壊れた部品が集められていた」

    「その考え方は、今もなお不可欠だ。説明責任、そしてより強く戻ってくるという決意である」

    2026年は巻き返しの兆し
    2025年末には、ジョン・エルカーンがルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールに対して「運転に集中し、話すのは控えろ」と厳しい言葉を投げかけたことで波紋を広げたが、2026年シーズンのフェラーリはここまで確かな前進を示している。

    フェラーリは2026年F1コンストラクターズ選手権で2位につけており、首位メルセデスとの差は31ポイント。ドライバーズランキングでは、フェラーリ勢最上位のシャルル・ルクレールが首位ジョージ・ラッセルに17ポイント差としている。

    2025年の反省を率直に認めたジョン・エルカーンの言葉は、フェラーリがただ現状を受け入れるのではなく、敗戦の中から改善点を見つけ出し、再浮上への土台を築いてきたことを示している。2026年のフェラーリは、その姿勢を結果で証明しようとしている。