カテゴリー: スクーデリア・フェラーリ

  • フェラーリF1 2026年PUの勝負手 ADUO承認で直線性能改善へ

    フェラーリF1 2026年PUの勝負手 ADUO承認で直線性能改善へ

    フェラーリF1が2026年シーズン序盤に見せている好スタートの裏側には、意図的な技術的トレードオフがあったと報じられている。AutoRaceによると、フェラーリは2026年型パワーユニットでハネウェル製の小型ターボチャージャーを選択し、スタート性能を重視する設計を採ったという。

    この判断により、フェラーリは発進時の加速で優位を得た一方、最高速やロングストレートでの伸びを犠牲にしたとされる。

    メルセデスとの差はおよそ25馬力、約2%に相当すると伝えられており、予選やスタートで強さを見せながらも、決勝ではあと一歩届かない展開が続いてきた。

    その状況を変える材料として注目されているのが、FIAの新制度「ADUO(追加開発・アップグレード機会)」だ。フェラーリはこの制度の適用承認を得たとされており、今後の2026年F1勢力図を左右しかねない転機として関心が高まっている。

    フェラーリが選んだ“小型ターボ”の狙い
    マラネロの技術陣は、2026年型ハイブリッドにおいて小型のタービンを採用したとされる。狙いは明確で、レーススタート時の立ち上がりを鋭くし、ライバルよりも素早く加速することだった。

    小型ターボは立ち上がりが速く、低回転域からブーストをかけやすい。そのため、発進直後の重要な局面でMGU-Kへの依存を減らしながら、より即応性の高い加速を実現できる。記事では、シーズン序盤のデータやスタートシミュレーションでも、その効果が確認されていたと伝えている。

    実際にフェラーリは序盤戦で好スタートを決める場面が目立ち、1コーナーまでにポジションを上げる展開も見せてきた。ライバルがターボラグに苦しむ中で、この設計思想は確かな武器になっていたようだ。

    代償となった最高速とストレート性能
    ただし、そのメリットには明確な代償があった。記事によると、小型ターボの採用によってフェラーリは高回転域での出力や直線での伸びを失い、より一般的で大型のユニットを使うメルセデスに対して不利な立場に置かれていたという。

    メルセデスは長いストレートや高速域で明確な優位を持っており、フェラーリは予選やスタートで前に出ても、そのアドバンテージを勝利に結びつけきれなかった。決勝で3位前後にとどまる展開が続いた背景には、この直線性能の差があったと整理されている。

    つまりフェラーリは、スタート性能を取る代わりに最高速を失うという計算済みの賭けに出ていたことになる。

    ADUO承認でフェラーリに修正の機会
    2026年の新パワーユニット規則では、特定メーカーが独走しないようにするため、FIAがADUOを導入した。序盤の技術評価で基準性能より2%以上劣ると判断された場合、そのメーカーにはシーズン途中の限定的な改良機会が認められる仕組みだ。

    フェラーリはこのADUOの承認を正式に受けたとされ、投入時期は早ければカナダGP、あるいは一部ではハンガリーGP前後とも伝えられている。内燃エンジン、ハイブリッドシステム、エネルギーマネジメントの再構成が可能になる見通しだという。

    これが実現すれば、フェラーリは小型ターボによる発進性能の強みを残しながら、これまで弱点だった最高速側を補うことになる。記事はこれを、フェラーリが“両方を手にしようとしている”構図だと表現している。

    スクーデリア・フェラーリ

    アントネッリも警戒「確実に近づいてくる」
    この動きに対し、メルセデスのキミ・アントネッリも警戒感を示した。スカイ・イタリアに対して次のように語っている。

    「大きな変更があるのは分かっている。たとえばフェラーリに認められたADUOによって、彼らはエンジンを開発できるようになる」

    「彼らは間違いなくずっと近づいてくる。なぜなら、すでにマシンは強いし、エンジンまで改善できれば、さらに差を縮めてくるからだ」

    アントネッリは自身のパフォーマンスに集中するとしつつ、メルセデス側にも重要なアップデートがあると示唆した。ただ、その発言からは、今のパワーユニット優位がシーズン終了まで安泰ではないという認識がにじむ。

    バスールも追撃へ ミイアミの空力更新も焦点
    さらにフレデリック・バスールは、ADUO制度をメルセデス追撃の「ゲームチェンジャー」になり得るものとして捉えているとされる。

    加えてフェラーリは、スーパークリッピングなどの課題に対応するため、マイアミGPで大規模な空力アップデートも投入する方針だという。パワーユニットだけでなく、空力面でも差を詰めにいく構えが見えている。

    スタート性能に賭け、弱点を受け入れたうえで、ルールが認める開発機会を使って不足分を埋める。この一連の流れは、フェラーリが2026年にかなり長期的な視点で勝負を組み立てていることを示している。

    2026年F1勢力図を左右する駆け引き
    2026年レギュレーションは、電動と内燃の比率を50対50とする新時代の均衡を掲げてスタートした。しかし実際には、各メーカーが異なる設計思想を持ち寄り、その差が序盤戦の勢力図に色濃く反映されている。

    今回のフェラーリのケースは、その象徴的な例だ。スタート性能を得るために最高速を犠牲にし、その後に制度を活用して不足分を埋めるという流れが事実であれば、フェラーリは規則の中で非常に戦略的な一手を打っていたことになる。

    もちろん、ADUOによる改良だけで即座に勝利へ直結するかはまだ分からない。メルセデスも立ち止まるわけではなく、各陣営の実力をめぐっては、アップグレード適用を意識した“見せ方”があったのではないかという見方もある。

    それでも、フェラーリが2026年シーズンの序盤をただ受け身で過ごしていたわけではないことは見えてくる。スタートで稼ぎ、弱点を見極め、制度の範囲内で反撃の準備を整える。その青写真が現実のものとなるなら、今季のタイトル争いはさらに複雑で興味深いものになりそうだ。

  • シャルル・ルクレール モナコ公から結婚祝い 特注フェラーリ模型を受領

    シャルル・ルクレール モナコ公から結婚祝い 特注フェラーリ模型を受領

    シャルル・ルクレールがモナコでの結婚を受け、モナコ公アルベール2世から特別な贈り物を受け取ったことが明らかになった。贈られたのは、フェラーリのクラシックカーをモチーフにした特注のスケールモデルで、細部にルクレールを象徴する要素が盛り込まれている。

    贈呈は4月2日に開催されたグッドウィル・アンバサダー・アワード・ガラで行われたもので、ルクレールはその場で直接プレゼントを受け取った。

    結婚は事前に非公開で行われており、後に明らかになったことで注目を集めていた。

    今回の贈り物が話題となった背景には、そのデザインの意図がある。モデルにはベビーブルーのスカーフを巻いた犬が添えられており、これはルクレールのシグネチャーカラーを反映したものとみられる。さらに、ファンの間ではパートナーであるアレクサンドラが言及した映画のキャラクターへのオマージュではないかとの見方も広がっている。

    ルクレールとアレクサンドラは2023年初頭から交際を開始し、2025年11月に婚約を発表。その後、2026年シーズン開幕前にモナコで家族のみを招いた小規模な民事婚を行っていた。式は非公開とされたが、1957年型フェラーリでモナコ市街を走る姿が目撃されたことで公になった。

    シャルル・ルクレール

    F1.comの取材に対しルクレールは結婚について「一生忘れない一日だった。僕たちにとっても家族にとっても特別な時間だった」と振り返った。

    「家族だけのとても小さな式で、ある意味とてもプライベートだった。それが僕たちにはすごく良かった」

    また、今後についても言及している。

    「もう一度、親しい友人たちと祝う機会を設けるつもりだ。ただ、しっかり準備するには少し時間がかかると思う」

    「本当に素晴らしい一日だった。そのあとすぐメルボルンへ移動したけど、ずっと幸せな気持ちのままだし、レースに向けてもワクワクしている」

    今回の贈り物は、F1界内外から祝福が集まる中でも象徴的な出来事となった。特にモナコ公自らが用意した特注品という点で、ルクレールの地元での存在感と結びついた祝福として注目を集めている。

    Source: Formula1.com

  • フェラーリF1代表 日本GPのオーバーテイク増を評価「誰にとっても良かった」

    フェラーリF1代表 日本GPのオーバーテイク増を評価「誰にとっても良かった」

    フェラーリF1のチーム代表フレデリック・バスールは、2026年F1日本GPで鈴鹿のオーバーテイク数が増加したことについて、F1全体にとって前向きな一歩だったとの見方を示した。

    2025年の鈴鹿ではオープニングラップ後のオーバーテイク数が15回にとどまったのに対し、今年は最初のピットストップ前、わずか16周までの時点でその数字を上回った。

    エネルギー回生システムやバッテリー展開がレースのあり方に与える影響に不満を示すドライバーもいる一方で、バスールはこの変化を「ショーとして良かった」と受け止めている。

    フェラーリにとっても、シャルル・ルクレールが表彰台を確保した今回の日本GPは収穫のある一戦となった。バスールは、終盤にジョージ・ラッセルと激しく争いながら3位を守り切った走りを高く評価し、チームにとっても次戦までの中断期間に向けた重要な手応えになったと語った。

    鈴鹿のオーバーテイク増加はF1全体にとって前向き
    フレデリック・バスールは、鈴鹿でオーバーテイクが増えたこと自体に大きな意味があったと強調した。

    「まず第一に、全体としてF1にとって良かったと思う。選手権にとっても、みんなにとっても良かった。なぜなら、あれは良いショーだったと思うし、多くのオーバーテイクがあった。過去の鈴鹿よりずっと多かったし、これは全体として良いことだ」とフレデリック・バスールは語った。

    今回の発言は、2026年F1マシンのレーススタイルを巡って賛否が分かれる中でも、実際のレース内容そのものにはポジティブな要素があったことを示すものだ。少なくともバスールは、鈴鹿での展開をF1全体にとって前進と受け止めている。

    フェラーリにとっては3戦連続表彰台の意味も大きい
    バスールは、レース内容だけでなく、フェラーリにとって3戦連続表彰台となった点にも価値があったと述べた。

    「2つ目の点として、我々にとってはこれで3戦連続の表彰台だ。もっと上を望んでいるが、終盤のシャルルの走りは本当に、本当に力強かった。ラッセルと争う中で、メルセデスを、そしてラッセルを後ろに抑えることが我々にとって重要だった。最後の10周は、ファクトリーのみんなにも、チームにも、我々にはそれができると示したと思う」

    「これは重要なことだし、この中断期間に入るうえで最高の形だ。我々はプッシュしなければならないことも、作業しなければならないことも、マシンを開発しなければならないことも分かっているが、長いブレイクになる」

    このコメントからは、単なる3位獲得以上に、メルセデスとの直接対決を制したことがチーム内部に与える心理的な効果を重視していることがうかがえる。ルクレールの走りは結果だけでなく、フェラーリがまだ戦えるという感触を組織全体に与えた。

    スクーデリア・フェラーリ

    ルクレールの駆け引きを高評価 ハミルトンには課題も残る
    終盤の攻防について、バスールはルクレールの判断力とレースマネジメントを称賛した。

    「全体として良い戦いだったし、(ルクレールは)とても賢かった。最終シケインでラッセルを前に出して、ターン1で抜き返せるようにしていた場面もあった。彼はラッセルに対するオーバーテイクモードも含めて、これをとてもうまく管理していた。我々は満足していいし、彼自身も自分のやったことを誇りに思っていい。本当に、本当に力強い走りだった」

    一方で、セーフティカー後に3番手から6位まで後退したルイス・ハミルトンについては、現在のフェラーリF1が抱える弱点にも言及した。

    「今季はっきりしているのは、オーバーテイクモードの範囲内にいなくなると、少しペースを失ってしまい、コース上で列車のような状態になるということだ。(ハミルトンが)前のクルマとの1秒差を失ったとき、少し難しくなった。我々にはストレートでのパフォーマンス不足があることは分かっているし、それについて取り組まなければならないが、現状はそういうことだ」

    この部分は、フェラーリの課題が明確にストレート性能にあることを認めた発言でもある。ルクレールの表彰台は大きな成果だった一方で、ハミルトンのレースは、マシンが置かれた現状をそのまま映し出す内容でもあった。

    中断期間は弱点克服の勝負になる
    マイアミGPまでの想定外の空白期間を前に、バスールは今後の焦点が開発競争にあると語った。

    「我々には、パドックのみんなと同じように多くの仕事がある。これはマシンのホモロゲーションの始まりだ。つまり改善すべきことが山ほどあるということだ。3戦を終えて、マシンの競争力や、どこがまずまずで、どこがそうでないのかを理解するための良いデータが得られた」

    「パフォーマンスはあらゆるところから生まれる。だが我々は、パフォーマンスのあらゆる領域で一歩を踏み出さなければならない。これは我々にとって事実だが、グリッド上の誰にとっても同じだと思う。つまり、他より良い仕事をして、一歩前に進めるかどうかの問題なんだ」

    開幕3戦を終えた時点で、フェラーリは表彰台を積み重ねながらも、まだ明確な弱点を抱えている。だからこそバスールは、今回の鈴鹿を前向きな材料として受け止めつつも、次の勝負は開発で決まるという現実を隠していない。今回の日本GPは、F1全体にとってショー性の面で前進だっただけでなく、フェラーリにとっても現在地と課題を同時に確認する一戦だった。

  • ルイス・ハミルトン F1のファッション文化を変革「ルールを破る必要があった」

    ルイス・ハミルトン F1のファッション文化を変革「ルールを破る必要があった」

    F1のパドック文化において、長年当たり前とされてきた“チームウェア至上主義”に風穴を開けたのがルイス・ハミルトンだ。現在フェラーリに所属するハミルトンは、自身のファッションスタイルを貫くまでに直面した抵抗と、その裏にあった意図を明かした。

    単なる自己表現にとどまらず、現在では「パドック・キャットウォーク」と呼ばれる文化の起点となったこの変化は、F1の商業価値やブランド戦略にも影響を与えている。

    F1に存在した“型にはめる文化”
    ハミルトンは、F1に足を踏み入れた当時の環境について振り返り、強い違和感を覚えていたと語る。

    「レーシングドライバーであるためには、ある種の型にはまる必要があった。夜10時に寝て、決まった服装をする、そういう世界だった」

    「僕のキャリアの大半で、ドライバーは全員、ファッションとは無関係な人たちがデザインしたチームウェアを着てパドックに来ていた。その服はひどいものだった」

    この“統一された見た目”は、個性を排除する文化でもあり、ハミルトンにとっては大きなストレスだった。

    「180日同じ服」に感じた違和感
    ハミルトンは、シーズン中ほぼ毎日同じ服を着ることへの違和感を明確に語っている。

    「シーズンの180日間、同じものを着ているような感覚で、気分がひどく落ち込んだ」

    「自分のスタイルでパドックに来て、あとでチームウェアに着替えることはできないかと頼んだ」

    しかし、この提案はすぐには受け入れられなかった。

    「ボスたちを納得させるのには長い時間がかかった。基本的にはルールを破る必要があった」

    “ルール破り”が生んだ文化
    最終的にハミルトンは、許可を待たずに行動に出た。

    「ある日、自分の服でそのまま現れたんだ」

    この行動は、単なる反抗では終わらなかった。メディアやファンの注目を集め、結果的にF1全体に新たな価値をもたらした。

    「それがどれだけの注目とポジティブな報道を生み、ブランドやチームの価値を高めるかを彼らが理解したとき、毎日それを許可してくれるようになった」

    現在では、このスタイルは当たり前となり、多くのドライバーが自身のファッションを発信している。

    ファッションは“居場所”を見つける手段だった
    ハミルトンにとってファッションは、単なる趣味ではなく、自身のアイデンティティを確立するための手段でもあった。

    「自分はファッションとは無縁の家庭で育ったし、自分を表現するという文化もなかった」

    「多様性のない環境にいると、これ以上目立ちたくないと思うものだ。すでに部屋で唯一の有色人種だったから」

    その後、音楽やカルチャーの影響を受けながら、自分自身のスタイルを築いていった。

    「若い頃は音楽に大きな影響を受けた。プリンスやファレル、メアリー・J・ブライジ、バスタ・ライムスといったアーティストたちに刺激を受けた」

    F1とファッションの融合は次の段階へ
    現在、ハミルトンはフェラーリのファッション展開にも関与している。

    「フェラーリのファッションブランドは成長している。ロンドンに初の店舗を開いたのを見るのは光栄だ」

    F1という競技の枠を超え、ファッション、カルチャー、商業価値を結びつけたハミルトンの影響は、すでに不可逆的な変化となっている。

    そしてその原点は、「ルールを破る」決断だった。

    ルイス・ハミルトン

  • キミ・アントネッリ メルセデスF1の先見性 フェラーリ「体が小さすぎる」と却下

    キミ・アントネッリ メルセデスF1の先見性 フェラーリ「体が小さすぎる」と却下

    2026年F1シーズン序盤、アンドレア・キミ・アントネッリは2連勝を記録し、19歳にして史上最年少で選手権首位に立った。

    その躍進は単なる才能の発露ではない。フェラーリが見送った評価と、メルセデスが下した決断。その対照的な判断が、現在の結果へとつながっている。

    評価の分岐点となったフェラーリの判断
    アントネッリは幼少期から“特別な存在”として知られていた。

    当時フェラーリ育成部門の責任者だったマッシモ・リボラは、アントネッリを将来のスター候補として強く推した。だが、チーム代表マウリツィオ・アリバベーネは「体が小さすぎる」として却下した。

    この判断によって、フェラーリは将来の可能性よりも、当時の完成度やフィジカル面を重視した形となる。

    しかし、この見極めが結果的に大きな分岐点となった。

    メルセデスF1が示した先見性
    フェラーリが見送ったその瞬間、メルセデスが動いた。

    トト・ヴォルフはアントネッリの将来性に賭け、長期的な視点で育成プログラムに組み込んだ。

    重要だったのは、完成されたドライバーではなく、成長過程にある才能を受け入れた点にある。

    その判断は、短期的なリスクを伴うものだったが、結果として現在の成功へと直結している。

    “飛び級”が生んだ課題と学習
    アントネッリのキャリアは異例のスピードで進んだ。

    ジュニアカテゴリーを段階的に積み上げるのではなく、一気にトップカテゴリーへと近づいたことで、経験の蓄積という点では不足もあった。

    2024年モンツァでのクラッシュは、その象徴的な出来事だった。

    期待とプレッシャー、そして膨大な情報量が重なり、判断の余裕を失った結果でもあった。

    速さではなく“抑制”を学んだ転換点
    2026年世代のマシンは極めてピーキーで、限界をわずかに超えただけでコントロールを失う特性を持つ。

    そのためアントネッリにとって必要だったのは、さらに攻めることではなく、どこで抑えるべきかを理解することだった。

    「まだ自分の思うようには走れていない」

    「このマシンはすごく敏感で、限界を少しでも超えると一気に失う」

    「どのコーナーで攻めていいかを理解する必要がある」

    こうした自己認識は、単なる速さから一段階進んだドライバーへの変化を示している。

    アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    崩壊と再構築を経た成長プロセス
    2025年前半、アントネッリは順調に結果を残していた。

    しかし、マシンの変更によってバランスが崩れると、パフォーマンスと自信は同時に揺らいだ。

    「すべてがうまくいかなくなった」

    「結果ばかり考えてしまい、前に進めなかった」

    この停滞を打破したのが、チームとのミーティングによるリセットだった。

    ここで再び基盤を築き直し、後半戦に向けて回復の兆しを見せていく。

    現在の結果が示す“判断の正解”
    2026年のアントネッリは、明らかに変化している。

    判断力とコントロールが伴い、速さを結果へと結びつける段階に入った。

    中国と日本での連勝には状況的な要素もあったが、それだけで説明できる内容ではない。

    鈴鹿では純粋なスピードでも優位性を示し、トップドライバーとしての基盤がすでに整っていることを証明した。

    分かれた評価が生んだ現在
    フェラーリは完成度を基準に評価し、メルセデスは将来性に賭けた。

    その違いが、現在の差として表れている。

    アントネッリはまだ19歳であり、この先も成長の余地を残している。

    その意味で、メルセデスの先見性が問われるのはこれからだが、少なくとも現時点において、その判断は正しかったと言える。

    Source: The Race

  • ルイス・ハミルトン フェラーリF1エンジニア交代は未定 マイアミ変更不透明

    ルイス・ハミルトン フェラーリF1エンジニア交代は未定 マイアミ変更不透明

    2026年F1シーズン開幕前、フェラーリF1はルイス・ハミルトンのレースエンジニア体制を変更した。リカルド・アダミに代わり、新たな担当としてセドリック・ミシェル=グロジャンの起用が計画されていたが、その移行は想定より慎重に進められている。

    現時点では、マイアミGPでの正式交代は確定しておらず、現行体制が継続される可能性が高い状況だ。

    暫定体制として機能したカルロ・サンティの役割
    フェラーリF1は、セドリック・ミシェル=グロジャンの合流までの橋渡しとして、カルロ・サンティを暫定的に起用した。サンティはマラネロのリモートガレージでの経験に加え、2018年にはキミ・ライコネンのレースエンジニアを務めた実績を持つ。

    当初から短期間のサポートが前提とされており、開幕からの数戦を担当する計画だったが、その役割は単なる代役にとどまらなかった。サンティはハミルトンとの連携を構築しながら、新エンジニアへの引き継ぎを支える重要な役割を担っていた。

    セドリック・ミシェル=グロジャンの合流と適応プロセス
    セドリック・ミシェル=グロジャンは、マクラーレンでオスカー・ピアストリのパフォーマンスエンジニアを務めていたが、契約上のガーデニング期間を経てオーストラリアGPからフェラーリに合流した。

    その後、オーストラリア、中国、日本の各グランプリにおいてサンティの業務を観察しながら、チームのオペレーションや内部体制への理解を深めている段階にある。現時点では、フェラーリ内部での経験はまだ限定的であり、完全な引き継ぎには時間を要する状況だ。

    マイアミGPでの交代は既定路線ではない
    開幕3戦終了後は、いつ交代しても不思議ではないタイミングと見られていたが、マイアミGPでの変更は必須ではない。

    むしろ、ハミルトンとサンティの間に築かれた良好な関係性や、ミシェル=グロジャンの適応状況を踏まえ、現行体制の継続が現実的な選択肢となっている。チーム内では、無理に移行を急ぐ必要はないとの判断が共有されている。

    フェラーリF1が優先する“安定性”と移行の最適化
    今回の判断は、タイトル争いという高い緊張感の中で、安定性を最優先とするフェラーリF1の姿勢を示している。

    既存の連携を維持しつつ、新エンジニアの適応を待つことで、ハミルトンにとって最適なサポート環境を確保する狙いがある。エンジニア交代のタイミングは、チームとドライバー双方にとって最も効果的な時期に見極められることになる。

  • フェラーリF1 4月を“ミニプレシーズン”に マイアミGPで巻き返しへ

    フェラーリF1 4月を“ミニプレシーズン”に マイアミGPで巻き返しへ

    フェラーリは、予期せぬ4月のブレイク期間を“ミニプレシーズン”として活用し、巻き返しを図る構えだ。

    開幕からメルセデスに対して明確な遅れを取る中、マイアミGPを“新たなスタート”と位置づけ、開発と準備を集中的に進める。

    では、フェラーリはこの期間で何を行うのか。

    4月を開発集中期間に
    バーレーンとサウジアラビアの中止により生まれた空白期間を受け、フェラーリはテストと開発を集中的に行う計画を立てている。

    まずムジェロではTPC(Testing of Previous Car/旧型車テスト)を実施し、アントニオ・ジョビナッツィ、アーサー・ルクレール、アントニオ・フォコが走行を担当する。

    続いてフィオラノではピレリのテストに協力し、2027年用タイヤの評価を行う。必要に応じて人工的に散水を行い、ウェットおよびインターミディエイトの条件を再現する。

    モンツァで新パーツ投入へ
    4月22日にはモンツァでフィルミングデーを活用し、マイアミGPに向けた新パーツの走行確認を行う予定だ。

    この走行はデモタイヤで200kmの制限内となるが、実戦投入前の重要なチェック機会となる。

    マイアミは“新たな選手権”
    チーム代表フレデリック・バスールは、この期間の重要性を強調している。

    「すべてのチームがマイアミにアップデートを持ち込む。エンジンメーカーもソフトウェア改善に取り組む時間がある。そこから新しい選手権が始まる」

    現状、予選ではメルセデスにコンマ5〜7秒の差をつけられているが、レースでは差は縮まると見られている。

    エンジン開発は制約あり
    ただしフェラーリの最大の弱点であるパワーユニットについては、すぐに改善できる状況にはない。

    「マイアミに向けてエンジンに関する新しいものは持ち込めない。我々は他の部分に集中する」とシャルル・ルクレールは語る。

    そのため、フェラーリは車体や運用面での改善に注力する方針だ。

    中盤の逆転要素も視野
    さらにフェラーリは、シーズン中盤に導入が見込まれるADUOシステムにも期待を寄せている。

    これは遅れを取るメーカーに対し、パワーユニットの改善機会を与える仕組みであり、巻き返しの重要な鍵となる可能性がある。

    巻き返しへ向けた準備
    開幕3戦を終えた段階で、フェラーリはメルセデスに対して明確な差を抱えている。

    その差を縮めるための“再スタート”が、この4月の開発期間だ。

    マイアミGPは、フェラーリにとって単なる次戦ではなく、シーズンの流れを変える重要な分岐点となる。

    Source: GMM

  • メルセデスとフェラーリ F1レギュレーション変更を阻止へ 批判でも動かず

    メルセデスとフェラーリ F1レギュレーション変更を阻止へ 批判でも動かず

    2026年F1レギュレーションをめぐる議論が激化する中、メルセデスとフェラーリが大幅な変更に反対する姿勢を明確にしている。

    鈴鹿で露呈したエネルギー管理問題やドライバーからの強い批判、さらにはマックス・フェルスタッペンの離脱示唆といった状況にもかかわらず、現行ルールの根本的な見直しは進まない可能性が高い。

    F1内部ではすでに複数の改善案が議論されているが、現実には“動かない力”が働いている。

    では、なぜ変更は進まないのか。

    メルセデスとフェラーリが反対
    スペイン紙の報道によると、メルセデスとフェラーリは今季中の大幅なレギュレーション変更に反対している。

    検討されているのは、予選に関する限定的な調整にとどまる可能性が高い。

    現在、メルセデスが優位に立ち、フェラーリがそれに続く構図となっていることが、この姿勢の背景にあるとみられる。

    ヴォルフとバスールは現状を擁護
    メルセデスのチーム代表トト・ヴォルフは、現在のレース内容に問題はないとの認識を示した。

    「レースに美しさが欠けていると不満を言う人はいないはずだ。そう思わないか?」

    「これを好まないのは、保守的で伝統主義的な人々、あるいは過去にとらわれている人たちだけだ」

    一方で、予選については改善の必要性を認めている。

    「問題はレースではない。予選だ。この点は4月9日にロンドンで議論する」

    フェラーリのチーム代表フレデリック・バスールも、レース自体は成功していると評価した。

    「全体としてF1にとって良いことだし、選手権にとっても良い」

    「鈴鹿ではこれまで以上にオーバーテイクがあり、良いショーだった」

    議論されるも進まない改革
    舞台裏では、電動と内燃機関の出力配分の変更や、アクティブエアロの制限緩和といった案も検討されている。

    しかし、上位チームにとって不利になりかねない大幅変更は、現実的には難しい状況だ。

    F1の構造的問題が浮き彫りに
    元F1ドライバーのクリスチャン・アルバースは、この状況を象徴的だと指摘する。

    「メルセデスは今の支配的な状況にある以上、何も言わないのは当然だ」

    「ひとつ確かなのは、FIAが今季のレギュレーションを適切に実装できなかったということだ」

    一方でアストンマーティンのペドロ・デ・ラ・ロサは、より複雑な視点を示している。

    「私は新しいF1を支持しているわけではないが、観客の意見も重要だし、ドライバーの気持ちも理解できる」

    「彼らは限界まで攻めることを愛している。しかし今のF1ではそれができていない」

    「フェルナンドやランスの様子を見ると、彼らが楽しめていないことが分かる。それが悲しい」

    ドライバーの不満、技術的課題、そしてチームの利害。2026年F1レギュレーションを巡る問題は、単なるルール論争ではなく、F1という競技の構造そのものを映し出している。

    Source: GMM

  • メルセデスF1 予選エンジン手法に波紋 フェラーリがFIAに説明要求

    メルセデスF1 予選エンジン手法に波紋 フェラーリがFIAに説明要求

    メルセデスおよびレッドブルのパワーユニットに関する新たな運用手法が明らかとなり、フェラーリがFIAに対して説明を求めている。問題は予選における電動エネルギーの使い方に関するもので、現行レギュレーションの解釈を巡る論点として浮上した。

    この手法は現時点で合法とされる一方、FIAが導入した安全保護の意図と整合するのかが焦点となっている。予選の僅差勝負において影響し得る要素であることから、各メーカーの対応や規制の方向性にも関心が集まる状況となっている。

    フェラーリが問題視した予選時のエネルギー運用
    メルセデスとレッドブルのエンジンが、予選で電動パワーを最大限に活用するための手法を用いていることに対し、フェラーリF1は懸念を示している。この件は専門メディアによって報じられ、パワーユニットの制御に関する新たな論点として取り上げられた。

    報道では、ブリックスワースとミルトンキーンズのパワーユニットが、予選中に“緊急モード”に相当する挙動を活用していると説明されている。現行のレギュレーション解釈では合法とされているが、フレデリック・バスールが率いるフェラーリは、電動出力が350kWから0kWへ急落する際に作動する保護機構の本来の目的と整合していない可能性があると見ている。

    段階的出力低下を回避する仕組み
    メルセデスおよびレッドブル製エンジンを搭載したマシンは、最大出力を放出した後のMGU-Kの出力低下を段階的に進めるのではなく、一定時間にわたり最大出力を維持し、その後に一気に保護状態へ移行させることができる。

    この挙動自体は禁止されていないが、FIAは安全対策として、電動出力が350kWから0kWへ急落した場合にMGU-Kを60秒間停止させる“安全ロック”を設けている。このためレース中の継続使用は難しい一方で、フィニッシュライン直前の短い区間では予選において有効となり得る。

    フェラーリの問い合わせの意図
    報道によれば、この手法はすでに各エンジンメーカーの間で知られており、ソフトウェア制御によって再現可能かどうかの検討が進められているという。

    フェラーリは、現時点で他チームの使用停止を求めているわけではなく、この手法が安全面の観点から将来的に制限される可能性があるのかを確認する目的でFIAに問い合わせを行った。鈴鹿のQ1では、アレクサンダー・アルボンがラップ終盤に急減速を強いられ、システムリセットのために停止する場面も見られたとされる。

    パフォーマンスへの影響は限定的か
    この手法がラップタイムに与える影響については、現時点で明確な数値は示されていない。

    影響の大きさは、最終コーナーからフィニッシュラインまでの直線距離や、最終コーナーの速度特性に依存する要素が大きいとされる。大幅なタイム短縮には至らないものの、予選が僅差で争われる状況においては、ポールポジション争いやセッション通過に影響を与える可能性がある。

    また、アンドレア・キミ・アントネッリおよびジョージ・ラッセルが鈴鹿のQ3でこの手法を使用したかどうかは確認されていない。フェラーリは引き続き、FIAからの見解を待っている状況にある。

  • フェラーリF1 メルセデスとの差を詰める鍵はADUO

    フェラーリF1 メルセデスとの差を詰める鍵はADUO

    フェラーリは2026年F1シーズン序盤、オーストラリアと中国で有望なパフォーマンスを見せた一方、日本GPではメルセデスとの差を改めて突きつけられた。だが、その差を埋める鍵は今後の開発フェーズに残されている。

    シャルル・ルクレールはセーフティカーの不運を乗り越えて3位表彰台を獲得したが、レース全体ではパワーユニット性能の差が明確に表れた。

    メルセデスはキミ・アントネッリが優勝を飾り、さらにマクラーレンもその恩恵を受けてオスカー・ピアストリが高い競争力を示したことで、この分野における「基準」がより明確になった。

    では、この差はどこから生まれているのか。その鍵を握るのが「ADUO(追加開発・アップグレード機会)」だ。

    ADUOが左右するエンジン開発の行方
    2026年のレギュレーションでは、パワーユニット開発はADUOによって管理されている。この仕組みは、各メーカーの性能差に応じてシーズン中のアップグレード可否を決定するものだ。

    最速エンジンとの差が2%以内のメーカーはシーズン中のアップデートが認められない一方、2〜4%であれば1回、4%以上であれば2回のアップグレードが許可される。

    現在のパドックでは、フェラーリのパワーユニットはメルセデスに対してこの2%を超えているとの見方が広がっている。一方でチーム内部では、この範囲内に収まっている可能性もあると認識されており、最終的な評価は流動的な状況にある。

    ただしフェラーリは、こうした判断を待たずに開発を進めており、短期および中期で導入可能な改良案をすでに準備している。

    マイアミ以降が転換点 バスールの見通し
    フレデリック・バスールは日本GPの時点で「マイアミ以降は別の選手権になる」との見通しを示している。これは開発パッケージの投入を見据えた発言とみられる。

    フェラーリは開幕前から空力アップデートを計画しており、実走データと風洞およびシミュレーションとの相関性にも手応えを得ている。そのため、開発の方向性に対する確信は強く、段階的な性能向上が期待されている。

    またSF-26には中速コーナーやブレーキング領域での改善余地があるとされており、シャシー面とパワーユニットの両面で進化が進めば、総合的な競争力の底上げにつながる可能性がある。

    スクーデリア・フェラーリ

    メルセデス優位の構造とフェラーリの反撃余地
    現時点でメルセデスのパワーユニットは明確なベンチマークとなっており、この優位性がレース結果に直結している。一方で、最上位に位置するメーカーはレギュレーション上、シーズン中のアップグレードが制限される。

    この構造は、フェラーリにとってチャンスでもある。

    ADUOの条件を満たせば、フェラーリはシーズン中にパワーユニットの性能向上を図ることが可能となる。すでに準備されている改良が投入されれば、メルセデスとの差を縮める展開も現実的になる。

    メルセデス製パワーユニットはカスタマーチームでも最適化が進みつつあり、マクラーレンも当初はそのポテンシャルを引き出せずに苦戦していたが、継続的な改善によって競争力を高めてきた。エンジン運用の理解が進めばパフォーマンスが向上することが示されており、フェラーリにとっても独自のアップグレードで対応する重要性が増している。

    また、現行レギュレーションではベンチマークとされるメルセデスのパワーユニットはシーズン中のアップデート対象外となる。

    シーズン中盤に向けて、エンジン開発の進展が勢力図を左右することになりそうだ。