カテゴリー: スクーデリア・フェラーリ

  • ルイス・ハミルトン 愛犬ロスコー亡き初のF1イギリスGP「毎日恋しい」

    ルイス・ハミルトン 愛犬ロスコー亡き初のF1イギリスGP「毎日恋しい」

    フェラーリのルイス・ハミルトンが、2026年F1イギリスGPを前に、昨年亡くなった愛犬ロスコーへの変わらぬ思いを語った。

    シルバーストンのパドックで長年行動をともにし、多くのファンから愛されたロスコーがいない母国グランプリは今年が初めてとなる。ハミルトンは「毎日恋しい」と率直な胸の内を明かし、元チームメイトのバルテリ・ボッタスとの思い出話も披露した。

    愛犬ロスコーへの変わらぬ思い
    ルイス・ハミルトンにとって、イングリッシュ・ブルドッグのロスコーは単なるペットではなく、長年にわたりF1キャリアを支えてきた大切なパートナーだった。

    ロスコーは世界中のグランプリでハミルトンとともにパドックを歩く姿が親しまれ、多くのファンからも愛された存在だった。

    2020年にはもう一匹の愛犬ココを心臓発作とみられる症状で突然失い、その後もロスコーがハミルトンを支え続けた。しかしロスコーも2025年9月、肺炎との闘病の末に息を引き取った。

    今年のイギリスGPを前にハミルトンは、いまでも毎日2匹を思い出していると明かした。

    「ちょっと信じられない気持ちだよ。犬を飼っている人なら分かると思うけど、毎日ロスコーが恋しい。そして2匹とも毎日恋しい」

    「もう一台の携帯電話には今でも写真が入っている。本当に不思議な気分なんだ」

    ロスコー

    ボッタスとの“ロスコー秘話”で会場は爆笑
    記者会見では、隣に座っていた元メルセデスのチームメイト、バルテリ・ボッタスとの思い出話も披露された。

    ハミルトンはロスコーが毎晩のようにボッタスのモーターホーム前で用を足していたことを振り返り、会場は笑いに包まれた。

    「夜中になるとロスコーがいびきをかいていて、目が覚めると外へ連れて行っていた。そして必ずバルテリのモーターホームの前でウンチをするんだ」

    「どうしてあそこだったのか分からないけど、いつも同じ場所だった」

    これに対してボッタスは笑顔で「僕にとってはプレゼントだったよ」と返答。

    ハミルトンも「そう、置き土産だね」と笑いながら応じ、会場の笑いを誘った。

    シルバーストンを象徴する存在だったロスコー
    ハミルトンは最後に、ロスコーがファンからどれほど愛されていたかを改めて振り返った。

    「ここへ来るたびに、みんなからたくさん愛情をもらっていた。本当にシルバーストンの一部のような存在だった」

    今年のイギリスGPは、ハミルトンにとってロスコーの姿がない初めての母国レースとなる。それでも思い出は色あせることなく、愛犬は今なおハミルトンの心の中でシルバーストンとともに生き続けている。

  • ルイス・ハミルトン LEGO F1レース欠場示唆「週末で最も危険な時間」

    ルイス・ハミルトン LEGO F1レース欠場示唆「週末で最も危険な時間」

    ルイス・ハミルトンは、F1イギリスGPで実施される恒例のLEGO F1ドライバーズパレードへの参加を見送る可能性を示唆した。

    昨年のマイアミGPで話題となったLEGO製F1カーによるイベントは、今年は全22人のドライバーそれぞれに専用マシンが用意される予定だが、ハミルトンは「週末で最も危険な時間」と冗談交じりに語り、参加に慎重な姿勢を見せている。

    シルバーストンでは13時30分(現地時間)からドライバーズパレードが予定されているが、ハミルトンが欠場すれば22台ではなく21台での開催となる可能性もある。

    ハミルトン「週末で最も危険な時間」
    木曜日のFIA公式記者会見でハミルトンは、LEGO F1カーについてユーモアを交えながら次のように語った。

    「週末で最も危険な時間だよ」

    「前回はシャルル(ルクレール)に運転を任せたんだ。みんながぶつかり合っているのを見るのは本当に面白かった」

    「だから今年、LEGOカーに乗るかどうかはまだ分からない」

    負傷を心配しているのかと問われると、ハミルトンは笑みを浮かべながら明言を避けた。

    「あのLEGOカーについては、あまり言うことはないね。その件については、別のところで話さないといけない」

    ルイス・ハミルトン LEGO フォーミュラ1カー

    ボッタスは初参加を心待ち
    一方、2025年のマイアミGPではF1のシートを失っていたためイベントに参加できなかったバルテリ・ボッタスは、今年キャデラックからF1復帰を果たし、初めてLEGOレースに参加することを楽しみにしている。

    「本当に楽しみにしているよ。去年はマイアミで見ていただけだったけど、すごく楽しそうだった」

    「最高速度は時速25kmに制限されているから、最短距離を走ることが重要になると思う」

    「僕の作戦は最短距離を走ることと、スリップストリームを使うことだ」

    リンドブラッドは「最大限に壊したい」
    レッドブル・レーシングのアービッド・リンドブラッドも、このイベントを心待ちにしている一人だ。

    「LEGOカーを運転すると聞いたときは、本当にワクワクした」

    「僕にとっては勝つことよりも、みんなで楽しむことが大事だ。そして最大限に壊したいね!」

    ストロールは冷静 ノリスは大歓迎
    対照的に、アストンマーティンのランス・ストロールはイベントに特別な期待は抱いていないと語る。

    「そのことで眠れなくなることはないし、朝早く起きて楽しみにすることもない。ただのドライバーズパレードの一つだよ」

    「もしあと600馬力あったら面白かっただろうし、もっとみんな興奮したと思う」

    その一方で、現世界王者ランド・ノリスは「実際のところ、とても楽しみにしている」と笑顔で歓迎しており、ドライバーごとに温度差があるイベントとなっている。

    昨年のマイアミGPではドライバー同士が接触を繰り返し、大きな話題を集めたLEGO F1カー。今年は22台すべてが1人乗り仕様となり、さらに本格的な”レース”になることが期待されているが、ハミルトンが本当に欠場を選ぶのかも注目を集めそうだ。

    【関連】
    ・レゴ製F1マシンがシルバーストン再登場 ドライバー全22人に専用車両を用意

  • フェラーリF1 シルバーストンに追加アップデート投入へ 苦戦脱却を目指す

    フェラーリF1 シルバーストンに追加アップデート投入へ 苦戦脱却を目指す

    フェラーリは、オーストリアGPで露呈した決勝ペース不足を受け、今週末のF1イギリスGPでもアップデート投入を継続する。ルイス・ハミルトンがバルセロナ・カタルーニャGPで今季初優勝を挙げた一方、その後のオーストリアでは期待した成果を得られなかった。

    2026年マシンの開発を継続するフェラーリは、予算上限の制約がある中でも改良を止めず、シルバーストンでは新たな低ダウンフォース仕様のリアウイングをはじめ、空力パッケージの改良を進める予定だ。

    低ダウンフォース仕様をさらに改良
    フェラーリはシルバーストンで、「マカレナ」と呼ばれる低ダウンフォース仕様のリアウイングをアップデートする見込みだ。

    さらに、低ドラッグ仕様のディフューザー改良版や、排気系の追加変更も投入される可能性がある。2026年マシンの競争力向上に向け、シーズン中も開発を積極的に続ける姿勢を鮮明にしている。

    メルセデスも開発ペースに驚き
    フェラーリの継続的なアップデートには、ライバルチームも驚きを隠していない。

    メルセデスのトト・ヴォルフ代表はオーストリアGP後、次のように語った。

    「フェラーリがあれほど大規模なアップグレードを次々と投入できることには少し驚いている」

    「ルールは全員に平等だ……そうであることを願っている」

    フェラーリはオーストリアGPでADUOエンジンアップグレードの第1段階を投入したが、決勝では期待したパフォーマンスを発揮できなかった。

    ディフューザー論争も結果は明暗
    オーストリアGPでは、フェラーリがメルセデスのディフューザー設計についてFIAへ問題提起したことも話題となった。

    FIAはフェラーリの指摘を受け、メルセデスに設計変更を求めたものの、決勝ではメルセデスがダブル表彰台を獲得。一方のフェラーリはハミルトンが5位、シャルル・ルクレールが8位に終わった。

    ドイツ紙『Bild』はこの結果について、「メルセデスが勝利し、フェラーリはその代償を払う結果になった」と皮肉交じりに報じている。

    ライバルもフェラーリの失速に驚き
    オーストリアGPで優勝したキミ・アントネッリは、フェラーリのペース低下に驚いたという。

    「彼らは本当に遅く、エネルギーの使い方も普通ではなかった」

    「2周目のターン1では速度差が大き

  • メルセデスF1代表 フェラーリの開発攻勢に疑問「予算制限は大丈夫なのか」

    メルセデスF1代表 フェラーリの開発攻勢に疑問「予算制限は大丈夫なのか」

    メルセデスのチーム代表トト・ヴォルフは、2026年シーズンを通じて積極的なアップグレードを続けるフェラーリについて、F1のコストキャップ(予算上限)との兼ね合いに疑問を呈した。

    フェラーリはマイアミGP以降、SF-26に継続的な改良を投入。オーストリアGPでは、2026年の新PUレギュレーションに導入されたADUOの影響を反映した初のエンジンアップデートを含む新パッケージを投入していた。

    ヴォルフ「フェラーリは資金が尽きるはず」
    フェラーリは積極的な開発によってメルセデスとの差を縮め、前戦バルセロナ・カタルーニャGPではルイス・ハミルトンがメルセデスに今季初黒星を喫させた。

    一方、オーストリアGPではジョージ・ラッセルが優勝してメルセデスが勝利を取り戻したものの、ヴォルフはフェラーリの開発ペースに改めて言及した。

    「フェラーリがこれほど大規模なアップデートを次々と投入できることには、少し驚いている」

    ヴォルフはレッドブルリンクで日曜日のレース後、Crash.netなどのメディアに対してそう語った。

    「私の考えでは、コストキャップの予算は、そろそろ尽き始めるはずだ。なぜなら、我々にはあれだけ多くのパーツを投入できるだけの予算的な余裕がないからだ」

    「だからシーズン終盤には、彼らも新しいパーツを投入できなくなることを期待している。少なくとも理屈の上ではそうなるはずだし、その頃には我々の方がアップデートを投入していくことになるだろう」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    「他チームはペースを落としている」
    メルセデスはカナダGPで今季初の大規模アップグレードを投入し、オーストリアGPではフロントサスペンションの改良に加え、近戦で課題となっていたバッテリー信頼性を改善するアップデートを導入した。

    コストキャップの制約下で開発を続ける難しさについて問われたヴォルフは、フェラーリだけが例外的な開発ペースを維持していると指摘した。

    「開発ペースを落としていないのはフェラーリだけだ」

    「我々はモントリオールで大きなアップデートを1回投入した。その間にも小さな改良は続けている」

    「レッドブルもマクラーレンも同じような状況だと思う。しかしフェラーリだけは、まるで制限がないかのように見える」

    さらに、オーストリアGPで投入されたADUO関連のエンジンアップデートにも言及した。

    「しかも彼らはADUOへの対応を見越して、新しいエンジンまで投入してきた。ということは、その開発は少なくとも6か月前には始めていたはずだ」

    フェラーリはオーストリアGPでは苦戦し、ハミルトンが5位、シャルル・ルクレールが8位に終わった。それでもヴォルフは、ライバルの積極的な開発姿勢が今後のタイトル争いに影響を与える可能性があるとの見方を示している。

  • ルイス・ハミルトン フェルスタッペンの抗議を一蹴「王者をアウトから抜けない」

    ルイス・ハミルトン フェルスタッペンの抗議を一蹴「王者をアウトから抜けない」

    ルイス・ハミルトンは、2026年F1第8戦オーストリアGPで繰り広げたマックス・フェルスタッペンとの激しいバトルについて振り返り、レッドブルのエースが無線でペナルティを求めたことに対して「王者をアウト側から抜こうとは思わない」と語り、自身のディフェンスに問題はなかったとの認識を示した。

    ハミルトンとフェルスタッペンはレース中盤、2位争いで何度も順位を入れ替える白熱した攻防を展開。接触寸前の場面もありながら、互いにクリーンなバトルを繰り広げ、今大会屈指の名勝負となった。

    フェルスタッペンの抗議にハミルトンが反論
    バトルの最中、フェルスタッペンはフェラーリのハミルトンにコース外へ押し出されたとして、チーム無線でペナルティを要求した。

    問題となった場面では、フェルスタッペンがアウト側から並びかけた際に右側のタイヤをグラベルへ落としたが、スチュワードは調査の必要はないと判断し、審議対象とはならなかった。

    レース後、ハミルトンはこの攻防について次のように語った。

    「最高だった。すごく楽しかった」

    「彼はアウト側へ行った。王者をアウト側から抜けるなんて期待しないものだ。僕だってあの場面で彼のアウト側から行って、そのままポジションを守れるとは思わない」

    「彼は頂点では後ろにいた。だから引くべきだった。僕は十分なスペースは残していた」

    一方のフェルスタッペンも、レース後には冷静な口調でこのバトルを振り返っている。

    「ルイスとのバトルの後でも前との差は縮められていた。楽しい戦いだったけど、その分かなり時間を失ったのも事実だ」

    フェルスタッペンはその後ペースを取り戻し、ジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリのメルセデス勢の間に割って入る2位でフィニッシュ。レッドブルにとって今季最高成績を記録した。

    ルイス・ハミルトン vs マックス・フェルスタッペン

    フェラーリはレースペース不足に苦戦
    一方、ハミルトン自身は終盤にペースを維持できず、バルセロナ・カタルーニャGPでの優勝を再現することはできなかった。最終的には5位でチェッカーを受け、チームメイトのシャルル・ルクレールも8位に終わるなど、フェラーリにとって厳しいレースとなった。

    ハミルトンはマシンのタイヤマネジメントに苦しんだと明かしている。

    「どのタイヤともマシンの相性が良くなかった。本当に厳しいレースだった」

    「序盤は攻められていて悪くなかったけど、どのセットでもリアタイヤが急激に落ちてしまった。バランスも非常に難しかった」

    さらに、フェラーリの課題としてパワーユニットのデプロイメント性能を挙げ、アップグレードには時間がかかるとの見通しも示した。

    「次のパワーアップグレードをいつ投入できるか、全力で取り組まなければならない。改善方法を探る必要があるけど、すぐには実現しないだろう」

    「単純にパワー不足というわけではない。コーナー出口では十分な力を感じる。でも終盤になるとデプロイメントが落ちてしまう。特にメルセデスは最後まで伸び続けている」

    今回のオーストリアGPでは、ハミルトンとフェルスタッペンによる見応えあるバトルが大きな注目を集めた一方で、フェラーリはレースペースとパワーユニット性能に課題を残した。ハミルトンはディフェンスに問題はなかったとの立場を貫くとともに、今後はマシン性能の改善が必要との認識を示している。

  • フェラーリF1代表 戦略ミスを認める「メルセデスを意識しすぎた」

    フェラーリF1代表 戦略ミスを認める「メルセデスを意識しすぎた」

    フェラーリ代表のフレデリック・バスールは、2026年F1第8戦オーストリアGPでチームがメルセデスを過度に意識したことが、戦略判断を誤る一因になったと認めた。

    予選ではシャルル・ルクレールが2番手、ルイス・ハミルトンが3番手を獲得。ジョージ・ラッセルが最後のアタックで逆転ポールを決めたことでフロントロウ独占は逃したものの、フェラーリは好位置から決勝を迎えた。

    しかし決勝では期待したペースを発揮できず、ハミルトンは5位、ルクレールは周回遅れの8位に終わる厳しいレースとなった。

    メルセデスを追いすぎた戦略を認める
    レース後、バスールはチームがメルセデスとの戦いに意識を向けすぎたことを率直に認めた。

    「振り返ってみると、今日はメルセデスを意識しすぎていたかもしれない」

    「2台とも序盤にプッシュしすぎたし、現実的には自分たちのレースではなかったにもかかわらず、彼らについていこうとして戦略面でも少し攻めすぎてしまった」

    「今回の経験から学び、自分たち自身に焦点を戻したい。そしてすぐに来週のイギリスGPへ気持ちを切り替える」

    レース中にはハミルトンもメルセデスとの戦いで戦略的な駆け引きが可能だと示唆していたが、結果的にはその戦略が実を結ぶことはなく、フェラーリは本来のレース運びを見失った形となった。

    スクーデリア・フェラーリ

    予選の速さを決勝につなげられず
    フェラーリはオーストリアGPで改良版パワーユニットを投入。金曜日は旧仕様で走行し、土曜日から新仕様を使用する形で週末を進めた。

    一方で、バスールはバルセロナ・カタルーニャGPでの勝利後だけに、今回の内容には満足できなかったと振り返る。

    「バルセロナのあとだっただけに厳しい週末だった」

    「金曜日のFP1とFP2では非常に苦戦し、レースを想定したコンディションで十分なロングランをこなすことができなかった。その時点で週末のスタートがうまく切れなかったと思う」

    「最終的には予選でパフォーマンスを取り戻し、2番手と3番手を獲得できたのは良い結果だった。しかし、決勝に向けた準備という点では、本来あるべきレベルまで仕上げることができなかった」

    今回のオーストリアGPでは、フェラーリは一発の速さを示した一方で、決勝に向けたセットアップや戦略面で課題を残した。バスールはその反省を踏まえ、チームは早くも次戦イギリスGPでの巻き返しへ向けて準備を進める考えを示している。

  • ルイス・ハミルトン「デプロイメントが最後まで続かない」 フェラーリF1の課題説明

    ルイス・ハミルトン「デプロイメントが最後まで続かない」 フェラーリF1の課題説明

    ルイス・ハミルトンは、2026年F1オーストリアGPで5位に終わった後、フェラーリの課題としてデプロイメント性能を挙げ、メルセデスとの差は「すぐには埋まらない」との見解を示した。

    2週間前のバルセロナ・カタルーニャGPで今季初勝利を挙げたフェラーリは、オーストリアGPでアップグレード版パワーユニットを投入した。しかし、予選3番手からスタートしたハミルトンは表彰台争いに加わることができず、5位でレースを終えた。

    「最後まで伸び続ける」メルセデスとの差
    ハミルトンは、さらなるパワーユニットのアップグレードについて問われると、改善には時間が必要だと認めた。

    「次のパワーアップグレードをいつ投入できるか、本当に懸命に取り組まなければならない」

    「でも、あのマシンたちと走っていると、問題はデプロイメントなんだ。単純なパワー不足というより、コーナー立ち上がりでは十分な加速があるように感じる。でも最後のところではデプロイメントの差が出る」

    「僕たちのデプロイメントは途中で失速してしまう。一方で、特にメルセデスは最後まで伸び続ける。なぜそうなるのか、どう改善できるのかを調べなければならない。でも、その改善はすぐには実現しないだろう」

    ルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリ)

    「なぜここまで遅かったのか分からない」
    レースではスタート直後にチームメイトのシャルル・ルクレールをかわし、一時はジョージ・ラッセルに食らいつく走りを見せた。しかし、その後はタイヤのデグラデーションに苦しみ、3ストップ戦略を採ることになった。

    ハミルトンはレースを振り返り、「今日はなぜここまで遅かったのか分からない」と率直な思いを語った。

    「ペースに本当に苦しんだし、デグラデーションも予想以上に大きかった。僕はレース前から『今日は2ストップでは厳しいと思う』とチームに伝えていたんだ」

    「最初のスティントではジョージについていこうとしてタイヤをかなり使ってしまった。その後のスティントでも、ほとんどずっとパワー不足に苦しんでいた」

    さらに、タイヤ選択やマシンバランスにも不満があったと明かした。

    「今日はどのタイヤも気に入らなかった。本当に厳しいレースだった。ものすごく暑かったし、スタートもうまく決まらなかった」

    「金曜日はストレートだけでコンマ6秒遅れていた。今日がどうだったのかはこれから確認するけれど、それほど小さな差ではなかったはずだ」

    「それにグリップ面でも、今日はみんなについていくことができなかった」

    それでもハミルトンは、バルセロナ・カタルーニャGPでの優勝を含め、今季ここまでのフェラーリの進歩には前向きな姿勢を崩さなかった。

    「バトルは楽しめている。もちろん、僕たちが目指している位置ではない。でも、このサーキットは昔から僕にとって苦手なコースなんだ」

    「だから予選3番手は悪くなかったし、決勝5位も、ここでいつも速いシャルルと比べれば受け入れられる結果だと思っている」

    今回のオーストリアGPでは、アップグレード版パワーユニットを投入したフェラーリだったが、ハミルトンはメルセデスとの差は依然としてデプロイメント性能にあると指摘した。さらなる改善には時間が必要との認識を示しており、今後のアップデートが巻き返しの鍵となりそうだ。

  • シャルル・ルクレール「苦戦には必ず理由がある」 フェラーリF1の現状に困惑

    シャルル・ルクレール「苦戦には必ず理由がある」 フェラーリF1の現状に困惑

    シャルル・ルクレール(フェラーリ)は2026年F1第8戦オーストリアGPを8位で終え、予選2番手から大きく後退する結果となった。

    レース後、ルクレールは「苦戦にはいつも何かしら理由がある」と語り、自身でもマシンに何を求めるべきか明確な答えを見いだせていない現状を率直に認めた。

    前戦までルクレールはモナコGPとバルセロナ・カタルーニャGPで予選中のクラッシュからリタイアが続いていたが、オーストリアでは一転して予選で復調。ジョージ・ラッセルにわずかに及ばなかったものの2番グリッドを獲得し、フェラーリにとって今季初ポールポジションも目前だった。

    しかし決勝ではその速さをまったく再現できず、71周のレースで徐々に順位を落とし、最終的にはトップから1周遅れの8位に終わった。

    「また苦しむ状態に戻ってしまった」
    ルクレールは予選と決勝で別のマシンのようになってしまったことに困惑を隠さなかった。

    「昨日の予選は前進だった。マシンに対する感触も以前より良くなっていて、前向きなフィーリングを得られていた。でも今日は、また苦しむ状態に戻ってしまった」

    「何が起きているのか理解しなければならない。本当に苦しんでいた」

    実際、ルクレールはスタート直後にルイス・ハミルトンへ順位を譲ると、タイヤのデグラデーションに対応するため早めのピットインを実施。その後はいったん上位へ戻したものの、アンドレア・キミ・アントネッリやオスカー・ピアストリとのバトルで徐々に後退した。

    特にピアストリとの接触ではフロントウイングにダメージを負い、その直後にハミルトンにも抜かれる苦しい展開となった。

    新品タイヤ装着後もペースは改善せず、マクラーレン勢に再びかわされて8位が精一杯だった。

    「苦戦には必ず理由がある」
    ルクレールは決勝で苦しんだ原因について、リアグリップ不足とタイヤのオーバーヒートを挙げた。

    「本当に厳しいレースだった。全体的にグリップが非常に低かった」

    「マシンもタイヤも、特にリアタイヤを適正なウインドウに入れることができなかった。リアグリップがまったく足りなかった」

    さらに最大の問題として挙げたのがタイヤ温度だった。

    「ブレーキングを始める時点ですでにオーバーヒートしていて、本当に苦しんでいた」

    レッドブル・リンクでは高い路面温度とタイヤへの厳しい負荷が各チームを悩ませたが、フェラーリは予選で見せた一発の速さを決勝ペースへ結び付けることができなかった。

    シャルル・ルクレール(スクーデリア・フェラーリ)

    「自分でもマシンに何を求めるべきか分からない」
    ルクレールはここ数戦続いている不調について、自身の理解不足も原因のひとつではないかと自己分析した。

    「ここ数週間、本当に懸命に取り組んできた。でも日曜日だったり土曜日だったり、いつも何かしら理由があって苦戦している」

    そして、最も印象的だったのが次の発言だ。

    「今のところ、苦戦にはいつも何かしら理由がある。それはつまり、自分自身がこのマシンに何を求めるべきか、まだ明確なイメージを持てていないということなんだ」

    「そこを見つけ出さなければならない」

    予選仕様についても「昨日は正しい方向だと思っていた」と振り返りながら、「今日は正しい方向ではなかった」と一夜で状況が一変したことを認めた。

    マシン特性の変化にも言及
    ルクレールは単純なオーバーステアやアンダーステアだけでは説明できないとしながらも、今年のマシン特性そのものが週末ごとの競争力を大きく左右していると分析した。

    「もちろんオーバーステアやアンダーステアも関係している。でも今年はマシン特性によるパフォーマンスの変動も非常に大きい」

    「今週末は予選では悪くなかったけれど、レースではチーム全体として競争力が足りなかった」

    「いろいろな要素が重なっているが、おそらく一番大きいのはマシンバランスだ」

    オーストリアGPはフェラーリがADUOパワーユニットのアップグレードを投入した最初のレースとなったが、少なくともルクレールにとっては予選の速さを決勝結果へ結び付けることはできなかった。ランキングでもルクレールは6位に後退し、ランド・ノリスと同ポイント、チームメイトのルイス・ハミルトンには46ポイント差をつけられる苦しい状況となっている。

  • フェラーリF1 カスタマーチームは新PU投入見送り ADUOアップグレードは部品不足

    フェラーリF1 カスタマーチームは新PU投入見送り ADUOアップグレードは部品不足

    フェラーリは2026年F1第8戦オーストリアGPで、ADUO(性能均衡措置)に基づくパワーユニット(PU)のアップグレード第1弾を投入した。しかし、この新仕様はカスタマーチームであるハースとキャデラックにはまだ導入されておらず、両チームは当面従来仕様を継続する方針だ。

    FIAの規則では、メーカーは新仕様のPUをカスタマーチームにも提供する義務があるが、フェラーリはすでにこの条件を満たしている。一方で、実際のレース投入については各チームの判断に委ねられている。

    小松礼雄代表「導入時期はまだ決めていない」
    ハース代表の小松礼雄は、新仕様PUをオーストリアGPで使用しない理由について質問されると、当初は「それはフェラーリに聞いてほしい」と笑顔でかわした。

    その後、改めて理由を問われると、次のように説明した。

    「今回はアップグレード版を使用しません」

    「いつ導入するかはまだ決めていません。この新しい仕様を使うことは義務ではありません」

    また、小松礼雄はフェラーリがレギュレーション上の義務を果たしていることも強調した。

    「我々のパートナーは規則を順守しています」

    背景にあるのはスペアパーツ不足
    ドイツメディア『Auto Motor und Sport』によると、新仕様PU自体はハースとキャデラックにも供給されている。

    しかし、フェラーリのADUOアップグレードは、モナコGP後にFIAから正式承認を受けて以降、開発と生産が急ピッチで進められたことから、交換用スペアパーツの在庫が十分に確保できていない状況だという。

    フェラーリは新仕様PUについて、レース投入可能な状態であり、レギュレーションにも完全に適合していると説明している。それでもハースとキャデラックは、十分な交換部品がないまま信頼性トラブルやクラッシュによる損傷リスクを負うことを避ける判断を下した。

    そのため、カスタマーチームへの本格導入は、生産体制が整うベルギーGP以降になる可能性があるとみられている。

    空力アップデートも投入
    フェラーリはオーストリアGPでPUだけでなく空力面の改良も投入した。

    新しいフロントウイングのエンドプレートに加え、排気口周辺やサイドガイドベーンにも変更を加えている。

    一方で、一部メディアは、フェラーリが金曜日にマシン後方の写真を公開しなかったことにも注目。今季話題となり他チームも模倣している「エキゾーストウイング」について、FIAが禁止を検討しているとの報道もあり、その関連性が憶測を呼んでいる。

    依然としてメルセデスが優勢との見方
    フェラーリは前戦バルセロナ・カタルーニャGPでルイス・ハミルトンが移籍後初優勝を飾り、タイトル争いへの期待を高めた。

    しかし、オーストリアGP初日の走行では依然としてメルセデスが優位との見方もある。

    フェラーリのブランドアンバサダーを務めるマルク・ジェネは、次のように分析した。

    「ターン1では、アントネッリのマシンがフェラーリよりどれだけよく曲がるかが肉眼でもはっきり分かる」

    「それに、キミはここではラッセルよりも明らかに速い」

    フェラーリはADUOによるPUアップグレードと空力改良を同時投入して戦闘力向上を図っているが、現時点ではカスタマーチームへの展開は見送られており、部品供給体制が整うベルギーGP以降に導入が進む見通しとなっている。

  • フェラーリF1代表 ADUO開発は「非常にリスクが高かった」 コスト制限下の舞台裏

    フェラーリF1代表 ADUO開発は「非常にリスクが高かった」 コスト制限下の舞台裏

    フレデリック・バスール代表は、フェラーリが2026年F1オーストリアGPで投入したパワーユニットのアップグレードについて、FIAのADUO制度の判定前から開発を進めていたことを明かし、「非常にリスクが高かった」と舞台裏を語った。

    2026年から導入されたADUO制度では、FIAが各メーカーの内燃エンジン(ICE)の性能を評価し、最も優れたメーカーを基準として、それより性能が劣るメーカーにのみ開発アップグレード枠が与えられる。

    フェラーリはレッドブル・フォードに次ぐ性能と判定され、追加開発の権利を得たが、その判定結果が出る前から開発を進めていたという。

    判定前から開発を進行「非常にリスクが高かった」
    バスール代表は、パワーユニット開発には長い準備期間が必要であると説明し、ADUO制度の判定を待たずに開発を進めた理由を明かした。

    「エンジンはリードタイムが非常に長く、一部の部品は完成まで何か月もかかる」

    「だからコストキャップの観点から見れば、ADUO、少なくともエンジンのステップ2を非常に早い段階で進めるのは、我々にとって非常にリスクが高かった」

    もしフェラーリがFIAから基準メーカー(ベンチマーク)に認定されていれば、アップグレード権利は与えられず、開発費だけが発生する可能性があった。そのため、制度判定前からの開発着手は大きな賭けだったという。

    一方でバスール代表は、今回投入したアップグレードによる性能向上については慎重な見方を示した。

    「だから今週末に大きなパフォーマンス向上を期待しているわけではまったくない」

    フェラーリはオーストリアGPで初のパワーユニットアップグレードを投入。金曜日は走行距離を稼ぐため旧仕様の練習用エンジンも併用しながら、新仕様を静かに実戦投入した。

    金曜は苦戦も「改善すべきはすべて」
    しかし、新パワーユニットを投入した初日のフリー走行では期待した結果は得られなかった。

    ルイス・ハミルトンはFP2を5番手、シャルル・ルクレールは8番手で終え、トップからはそれぞれ大きく離された。

    バスール代表は、その要因をスペインGPと似た環境条件に求めた。

    「今日はコンディションに少し苦しんだ。標高や気温、路面温度、そして空気温度という点では、バルセロナ・カタルーニャGPと少し似ていたと思う」

    「条件は全員同じだが、我々はかなり苦戦した。セットアップ、マシン、ドライビングなど、あらゆる面で改善しなければならない。明日はもっと良い仕事をしたい」

    さらに、タイヤマネジメントが鍵となったバルセロナ・カタルーニャGPとの違いについても言及した。

    「バルセロナではタイヤのデグラデーションがもっと大きく、それが少なくとも決勝では最大のパフォーマンス要因だった」

    「ただ、予選でもポールポジション争いはできていた。純粋なポテンシャルという意味では我々はそこにいる。ただ今は大きく離されているし、バルセロナでも金曜日は決して良くなかった」

    フェラーリは新しいパワーユニットを投入したものの、初日は期待した速さを見せられなかった。ただし、バスール代表はアップグレードの効果を短期的に判断するのではなく、まずはセットアップとマシン全体の最適化を優先すべきとの考えを示しており、予選以降で巻き返せるかが注目される。