カテゴリー: スクーデリア・フェラーリ

  • フェラーリF1代表 ダブルイエロー議論も「レースコントロールを信頼する」

    フェラーリF1代表 ダブルイエロー議論も「レースコントロールを信頼する」

    フェラーリは2026年F1第8戦オーストリアGP予選でシャルル・ルクレールが2番手、ルイス・ハミルトンが3番手を獲得した。

    終盤にはマックス・フェルスタッペンのクラッシュによってイエローフラッグが提示される中、ジョージ・ラッセルがタイムを更新してポールポジションを獲得。それでもチーム代表のフレデリック・バスールは、メルセデスと互角に戦えたことを前向きに評価した。

    予選2番手・3番手を前向きに評価
    予選Q3終盤、ルクレールとハミルトンは一時1番手、2番手に並び、フェラーリがフロントロウ独占に迫る走りを見せた。しかし、その直後にフェルスタッペンが最終コーナー手前でクラッシュ。黄旗区間を通過したラッセルが減速しながらもタイムを更新し、ポールポジションを奪った。

    予選後、F1 TVのインタビューで、この結末に落胆しているかと問われたバスールは、それよりもチームの競争力を重視すると語った。

    「いや。まず前向きに受け止めているのは、2番手と3番手を獲得し、予選でメルセデスと戦える位置にいて、おそらく決勝でもいいペースを見せられることだ」

    「それが最も重要だ。まだシーズンは15戦残っているし、一番大切なのはパフォーマンスだからだ」

    イエローフラッグの運用については議論の余地があるとしながらも、最終的にはレースコントロールの判断を尊重する姿勢を示した。

    「今回の件については、メディカルカーが出動している状況でダブルイエローではなかったことが妥当だったのか、いくらでも議論できる」

    「それにミニセクターのデータもないので、5%減速したかどうかも確認できない。それでもレースコントロールを信頼するしかないし、私はその判断を尊重する」

    スクーデリア・フェラーリ

    ルクレールの復調に自信
    ルクレールはモナコとバルセロナ・カタルーニャGPで予選クラッシュを喫し、決勝でもリタイアが続いていたが、今回は2番手を獲得して巻き返しを果たした。

    しかしバスールは、ルクレールの速さそのものを疑ったことは一度もなかったと強調した。

    「心配していたのは、むしろ君たちジャーナリストの方だった。私は正直、まったく心配していなかった」

    「モナコでも最後のアタックではポール争いをしていて、マックスよりコンマ2秒速かった。バルセロナでクラッシュした時も非常にいいラップだった。速さはずっとあった」

    「ミスが続くとプレッシャーは大きくなるものだ。だから今回、いいラップをまとめてすべてを噛み合わせられたことは彼にとって良かった。でも速さ自体は最初からあった」

    決勝はタイヤマネジメントが鍵
    前戦バルセロナ・カタルーニャGPでは、フェラーリは優れたタイヤマネジメントと3ストップ戦略で勝利を飾った。しかし、バスールは同じ展開になるとは考えていない。

    「彼らは減速していても僕たちより速かった!」と冗談を飛ばしつつ、決勝は別の戦いになると語った。

    「でも毎日違うレースだ。2週間前にタイヤマネジメントがうまくいったからといって、明日もうまくいくとは限らない」

    「クリーンエアの中で走ること、自分たちのマシンとタイヤに集中することが大切だ。ライバルとの争いばかりを気にしてはいけない。前戦でもそれができたし、明日も同じことを目指したい」

    フェラーリは予選でメルセデスに一歩及ばなかったものの、フロントロウに迫る速さを示した。バスールは結果そのものよりも競争力を重視しており、決勝ではタイヤマネジメントとレース運びによって逆転を狙う構えだ。

    【関連】
    ・マックス・フェルスタッペン 黄旗対応に驚き「シングルイエローはクレイジー」

  • シャルル・ルクレール フェラーリF1今季最高2番手「自信を取り戻したい」

    シャルル・ルクレール フェラーリF1今季最高2番手「自信を取り戻したい」

    シャルル・ルクレール(フェラーリ)は2026年F1第8戦オーストリアGP予選で2番手を獲得した。モナコ、バルセロナ・カタルーニャGPと予選で不運が続いていただけに、久々のフロントロー獲得を「自信を取り戻すきっかけにしたい」と前向きに受け止めた。

    Q3終盤にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がターン9でクラッシュ。一時はルクレールがポールポジションを獲得したかに思われたが、ジョージ・ラッセル(メルセデス)がシングルイエロー下でアタックをまとめ逆転。ルクレールは2番手となった。

    失っていた自信を取り戻したい
    ルクレールは、ここ数戦の不運が心理面にも影響していたことを率直に認めた。

    「もちろん少しうれしい。でもポールか優勝でなければ満足はしない。できれば、この流れが早く変わってほしい」

    「ここ最近の2戦は土曜日が苦しかった。でも速さ自体はあった」

    「問題は日曜日だった。メカニカルトラブルが続いてポイントを獲れず、それが頭に残っている」

    その影響から、今回はまずミスのない週末を送ることを最優先に考えていたという。

    「だから今は、とにかくクリーンなラップを走り、クリーンな週末を過ごして、またポイントを積み重ねてリズムを取り戻そうという気持ちだった」

    「予選では少し余裕を残して走っている感覚がある。それはここ数戦を考えれば自然なことだ」

    「以前のような自信を取り戻して、このマシンからもっと引き出せるようになりたい」

    シャルル・ルクレール(スクーデリア・フェラーリ)

    ポールよりもクリーンな予選を優先
    ルクレールは最終アタックについて、限界まで攻めるよりもミスなくまとめることを優先していたと説明した。

    「正直に言うと、それほど特別なラップではなかった」

    「今日はとにかくクリーンな予選、クリーンなラップをまとめたいと思っていた。そういう気持ちで走ると、少し余裕を残してしまうこともある」

    それでも、その判断に後悔はないという。

    「でも後悔はしていない。仮にもっと攻めていたとしてもジョージには勝てなかったと思う。だから今日は2番手がベストだった」

    決勝はメルセデスへの挑戦
    フェラーリはルクレールが2番手、ルイス・ハミルトンが3番手と2台揃って上位グリッドを獲得。決勝では2台体制を生かし、メルセデス勢への挑戦を狙う。

    しかしルクレールは、ライバルの速さも高く評価している。

    「簡単ではないと思う。メルセデスは金曜日からずっと非常に速かった」

    「でも諦めるつもりはない。明日はできることをすべてやる」

    「現時点ではメルセデスにアドバンテージがあると思う」

    それでも、久々に予選で結果を残したことはルクレールにとって大きな意味を持つ。失いかけていた自信を取り戻し、フェラーリとともに決勝でメルセデスに挑む。

  • ルイス・ハミルトン メルセデスF1撃破へ「2台でプレッシャーをかけたい」

    ルイス・ハミルトン メルセデスF1撃破へ「2台でプレッシャーをかけたい」

    ルイス・ハミルトン(フェラーリ)は2026年F1第8戦オーストリアGP予選で3番手を獲得した。ジョージ・ラッセル(メルセデス)がポールポジションを獲得し、チームメイトのシャルル・ルクレールが2番手に入った中、決勝ではフェラーリ2台による戦略を武器にメルセデスへ挑む考えを示した。

    フェラーリは予選でルクレールが2番手、ハミルトンが3番手と2台揃って上位グリッドを確保。前方にはラッセル、後方には4番手のキミ・アントネッリがおり、スタート直後から両チームによる戦略戦が注目される。

    フェラーリ2台でメルセデスに挑む
    ハミルトンは、決勝ではフェラーリの2台体制を最大限に生かした戦略が重要になると語った。

    「今週末は勝利を争えるとは思っていなかった。彼らは週末を通して僕たちよりコンマ6秒速かった」

    「一晩でその差をコンマ3秒縮めることができたけど、それでも今日はコンマ2〜3秒ほど遅れている」

    「明日彼らに挑戦するのはとても難しい。でもターン3まで長いストレートがあるから、うまく協力できればチャンスはあると思う」

    「シャルルがすぐ近くにいるのは本当に心強い。戦略面で協力して、彼らにプレッシャーをかけられたらいいと思っている」

    さらに、予選でメルセデスとの差を大きく縮められたことを前向きに評価した。

    「一晩で大きく前進できたと思う。昨日はコンマ6秒離されていたけど、今日はコンマ3秒弱まで縮められた。それは本当にポジティブなことだ」

    「レースペースがどうなるかはまだ分からない。でも明日はもっと彼らに近づけることを願っている」

    「フェラーリ2台がメルセデス2台の間にいる。この状況を生かして、戦略をうまく実行し、ずっとプレッシャーをかけ続けたい」

    ルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリ)

    アップグレードに手応え
    ハミルトンはQ3最初のアタックでターン1とターン3でミスを喫し、その後は燃料不足のため追加アタックができず、実質1回のアタックで予選を終えた。

    それでも予選3番手については納得しているという。

    「彼らは週末を通して速かった。ジョージにはおめでとうと言いたい。でもシャルルと一緒にここへ来られたことは素晴らしいし、フェラーリにとって本当に良い結果だった」

    「これはファクトリーのみんなが積み重ねてきた努力の成果だ」

    また、今大会で投入したアップグレードについても前進を実感している。

    「エンジンには新しいアップグレードが入り、少し前進できた。それに加えてクルマにも細かな改良を加えた」

    「チーム全員が本当にハングリーだ。毎戦少しずつでも改善を続けている姿を見るのは素晴らしい」

    「だからこそ、こうして上位で戦える位置まで来ることができた」

    一方でFP3では好感触だったバランスが、予選ではブレーキング時を中心に変化したことも明かした。

    「今朝のFP3ではとても感触が良かった。でも予選では特にブレーキングで少しバランスに苦しんだ」

    「Q3ではターン1とターン3でミスをして、そのラップを失ってしまった。最初のアタックを失った状況を考えれば、3番手という結果には満足している」

    フェラーリは2台がラッセルとアントネッリの間に割って入る理想的なグリッドを確保した。ハミルトンは、このアドバンテージを生かした戦略でメルセデス攻略を狙っている。

  • フェラーリF1 ADUO初弾投入も効果見えず SF-26に残る課題

    フェラーリF1 ADUO初弾投入も効果見えず SF-26に残る課題

    フェラーリは2026年F1第8戦オーストリアGPで、ADUO(追加開発制度)を活用した初のパワーユニット(PU)アップグレードを投入した。しかし、金曜日のフリー走行では期待されたほどの効果は確認できず、SF-26には依然として複数の課題が残されていることが浮き彫りとなった。

    今回のアップグレードは、ライバル勢との性能差を縮める重要な一歩として期待されていたが、初日の走行ではメルセデスやマクラーレンとの差を埋めるには至らず、マシン全体のバランス改善が急務であることを示す結果となった。

    ADUO初投入も効果は限定的
    フェラーリが投入したADUO初弾では、エンジン性能がおよそ5~7馬力向上したとみられている。しかし、その効果はタイムや最高速には明確に表れなかった。

    FP2でルイス・ハミルトンは1分07秒611を記録したものの、メルセデスのキミ・アントネッリには約0.6秒届かず、最高速でも区間によっては最大14km/hの差が確認された。

    ただし、この結果だけでアップグレードの成否を判断することはできない。

    レッドブル・リンクは標高約700mに位置し、高地特有の空気密度の低さがターボやエネルギーマネジメントに影響を及ぼすサーキットでもある。さらに気温30℃を超える厳しいコンディションのなか、フェラーリは冷却を重視したセッティングや保守的なPUマッピングを採用していた可能性も指摘されている。

    そのため、ADUOによる性能向上が完全に発揮されていなかった可能性もある。

    課題はPUだけではない
    今回の苦戦は、パワーユニットだけで説明できるものではない。

    SF-26はコーナー進入から中間までは十分なグリップを示していた一方で、立ち上がりではリアタイヤがわずかにスライドし、タイヤ温度が上昇することで加速性能を失う傾向が見られた。

    レッドブル・リンクは低速コーナーから全開加速を繰り返すレイアウトだけに、この特性はラップタイムへ大きく影響する。

    ハミルトンは各セクターで少しずつタイムを失い、ストレートだけでなくコーナリング性能やトラクションでもメルセデス、マクラーレンに後れを取った。SF-26は最低速度こそ維持できているものの、コーナー出口で早くアクセルを開けられず、結果として次のストレートでもタイムを失っていた。

    ロングランでも上位勢に及ばず
    ロングランの比較でもフェラーリは苦戦した。

    ジョージ・ラッセルはミディアムタイヤで平均1分11秒220、キミ・アントネッリも1分11秒265と安定したペースを刻んだ。

    これに対し、ハミルトンは平均1分11秒773、シャルル・ルクレールは1分12秒116にとどまり、メルセデスだけでなくマクラーレンにも及ばなかった。

    バルセロナ・カタルーニャGPでは予選シミュレーション以上にロングランで速さを見せていただけに、今回のデータはフェラーリにとって楽観できる内容ではない。

    一夜で巻き返しを目指すフェラーリ
    それでもフェラーリ陣営は土曜日へ向けた巻き返しに自信を見せている。

    現地では走行終了直後からエンジニアがデータ解析を開始し、イタリア・マラネロのシミュレーターとも連携しながらセットアップ変更を進めた。ハミルトンもレースエンジニアのカルロ・サンティ、チーフエンジニアのマッテオ・トニニャッリらと遅くまでミーティングを行い、改善策の検討を続けた。

    ADUO初弾によるアップグレード自体が期待外れだったと結論づけるには時期尚早だ。しかし、初日の走行を見る限り、フェラーリにはPU性能だけでなく、セットアップやタイヤマネジメントを含めたマシン全体の最適化が求められている。予選までの一晩でどこまでSF-26のバランスを改善できるかが、オーストリアGPの結果を左右する重要なポイントとなりそうだ。

    【関連】
    ・2026年F1オーストリアGP 金曜フリー走行:全22人ドライバーコメント

  • ルイス・ハミルトン フェラーリF1に改善要求「まだやるべき仕事がある」

    ルイス・ハミルトン フェラーリF1に改善要求「まだやるべき仕事がある」

    ルイス・ハミルトンは、2026年F1第8戦オーストリアGP初日のフリー走行を終え、フェラーリにさらなるパフォーマンス向上を求めた。FP1、FP2ともに5番手に終わり、トップのキミ・アントネッリから0.6秒以上離される結果となった。

    前戦バルセロナ・カタルーニャGPでフェラーリ移籍後初優勝を飾ったハミルトンだったが、レッドブル・リンクでは厳しいスタートとなった。それでも初日のマシンには手応えを感じており、予選に向けてセットアップ改善に期待を寄せている。

    高温のレッドブル・リンクで苦戦
    オーストリアGP初日は猛暑のなかで行われ、各チームともマシンバランスの最適化に苦しんだ。

    ハミルトンはFP1、FP2とも5番手で走行を終え、FP2ではメルセデス勢とマクラーレン勢の後塵を拝する形となった。

    「堅実だけど厳しい週末のスタートだった。気温が高く、もともと難しいサーキットがさらに難しくなっていた」

    「マシンは走り始めからかなりポジティブな感触だった。でも、このサーキットは本当にシビアで、ほんの少しバランスがずれるだけでラップタイムを大きく失ってしまう」

    予選へ向けフェラーリに改善を要求
    ドライバーズランキングでは首位アントネッリを41ポイント差で追い、3位ジョージ・ラッセルには9ポイント差をつけているハミルトン。直近3戦では2位、2位、優勝と好調を維持しているだけに、予選へ向けて一段の改善を望んでいる。

    「正しいセットアップとバランスを見つけて、マシンからさらにパフォーマンスを引き出すために、まだやるべき仕事がある」

    「重要なのは集中力を保ち、自分たちがどこでタイムを失っているのかを理解し、明日に向けて何ができるかを見極めることだ」

    フェラーリは初日に一定の競争力を示したものの、メルセデスとの差は依然として大きい。ハミルトンは一晩でセットアップを煮詰め、予選で上位争いに加わることを目指している。

    【関連】
    ・F1オーストリアGP フリー走行2回目 結果・タイムシート

  • フェラーリF1発案の「エキゾーストウイング」 2027年から禁止へ FIAが規則改定

    フェラーリF1発案の「エキゾーストウイング」 2027年から禁止へ FIAが規則改定

    フェラーリが2026年シーズンに先駆けて導入した「エキゾーストウイング」が、2027年からF1で禁止されることが正式決定した。

    FIAは技術規則を改定し、排気口周辺にウイングを設置する設計を不可能にする新たな「エキゾースト除外ゾーン」を導入。オーストリアGPではフェラーリが早くもこのパーツを取り外した状態で走行テストを実施しており、将来を見据えたデータ収集を進めている。

    FIAが技術開発競争の激化を未然に防止
    フェラーリが考案したエキゾーストウイングは、ギアボックスとクラッシュストラクチャーを独自に配置することで、テールパイプ後方に小型ウイングを装着する設計だった。

    このデバイスはディフューザーの実質的な長さを拡大するとともに、リアウイングへ流れる気流を整え、リアダウンフォースを増加させる効果があった。

    ライバルチームは同じレイアウトを採用するにはホモロゲーション済み部品の再承認が必要となるため、そのままコピーすることは困難だった。

    その代わり、メルセデス、マクラーレン、レッドブルなどは、レギュレーションで認められていた排気管サポートを利用し、その支持構造を空力デバイスとして活用する設計を取り入れた。

    FIAはこれらの設計が現行規則には適合していると判断していた一方、このまま放置すれば開発競争が過熱し、新たな技術競争へ発展する可能性を懸念。各チームのテクニカルディレクターとの協議を経て、2027年から全面的に禁止することで合意した。

    スクーデリア・フェラーリ

    新たな「エキゾースト除外ゾーン」を導入
    2027年規則では、排気口の外径より20mm大きい円筒状の「エキゾースト除外ゾーン」が新設され、この範囲内にはいかなる車体パーツも配置できなくなる。

    さらに、これまで認められていた排気管サポートに関する規定そのものも削除され、支持構造を空力目的で利用する余地は完全になくなる。

    これにより、フェラーリが生み出したエキゾーストウイングだけでなく、他チームが採用した類似コンセプトもすべて使用できなくなる。

    フェラーリはオーストリアGPで早くも実験開始
    こうした禁止決定が正式発表された同日に、フェラーリはオーストリアGPのフリー走行1回目で育成ドライバーのディーノ・ベガノヴィッチのマシンからエキゾーストウイングを取り外して走行させた。

    このテストは主にデータ収集が目的であり、特に低ダウンフォース仕様が求められるサーキットでは、ウイングを装着しないセットアップが有利になる可能性を評価する狙いがある。

    エキゾーストウイングを外すことで空気抵抗を減らせるほか、排気の背圧も低減できると考えられており、理論上は約10kWの出力損失を防げる可能性があるとされている。

    FIAは2027年のレギュレーション改定によって、排気周辺を利用した空力開発の余地を完全に閉ざす方針を打ち出した。一方でフェラーリは、禁止を待つことなく実戦データの収集を始めており、2026年シーズン後半の低ダウンフォース仕様に生かせるかどうかを検証していく。

  • ルイス・ハミルトン フェラーリで8度目のF1王座へ自信「チャンスはある」

    ルイス・ハミルトン フェラーリで8度目のF1王座へ自信「チャンスはある」

    ルイス・ハミルトンは、フェラーリで初優勝を飾った勢いを維持し、2026年のF1タイトル争いに加わる可能性は十分にあるとの見解を示した。一方で、今季ここまで圧倒的な強さを見せるメルセデスを逆転するには、チーム全体の継続的な開発が不可欠だと強調している。

    バルセロナ・カタルーニャGPでフェラーリ移籍後初のグランプリ優勝を挙げたハミルトンは、その前の2戦でも2位に入り、3戦連続表彰台と好調を維持。

    オーストリアGPを前に、ドライバーズランキングでは首位キミ・アントネッリに41ポイント差の2位につけている。コンストラクターズランキングでもフェラーリはメルセデスとの差を72ポイントまで縮めており、今週末には新型パワーユニットも投入される予定だ。

    「チャンスはある」 開発継続がタイトルへの鍵
    メディアデーで、近年のアップグレードや新型パワーユニットによってタイトル争いに加わる可能性を感じているかと問われたハミルトンは、慎重ながらも前向きな姿勢を見せた。

    「チャンスはあると思う。でも、チャンスがあることと、それを実現するためにチーム全体を結束させて開発を進めることは別の話だ」

    「開発は途中で停滞してしまうこともある。だから僕たちにできるのは、一日一日積み重ねていくことだけだし、それぞれが持てるものをチームにもたらし続けることだけだ」

    さらに、ファクトリーで働くスタッフたちの努力がチームを変えつつあると語った。

    「全員が何が可能なのかを理解している。その可能性が見えると、それが目指すべき北極星になる。そこへ向かって進めばいいと分かるんだ」

    「以前からそうだったかは分からないけど、少なくとも昨年はその北極星がなかった。今年はそれがある。今年は全員がさらに努力を重ねているし、それが結果にも表れ始めている」

    今週末に投入される新型パワーユニットについても期待を寄せた。

    「今週末には新しいエンジンも入る。これで一気に差が埋まるわけではないけど、一歩前進になる。確実に前へ進めるアップデートだ。そのことを本当に誇りに思うし、感謝している」

    ただし、依然として最大のライバルはメルセデスだと認めている。

    「それでも倒すべき相手はメルセデスだ。彼らは今季ほとんどすべてを勝ってきたし、本当に素晴らしいマシンとチームを持っている。ワールドチャンピオンのチームだ」

    「彼らに追いつき、戦えるようになるにはシーズン終了までチーム全員の力が必要になる。でも、不可能だとは思っていない」

    ルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリ)

    引退論から一転 「やるべきことは分かっている」
    また、ここ数年は引退説も取り沙汰されていた状況から、一転して史上最多となる8度目のワールドチャンピオン獲得が話題となっていることについても言及した。

    「以前はいろいろ言っていた人たちが、今ではまったく違うことを言っている。その変化を見るのは不思議なものだ。でも、そういうことは気にしていない」

    「僕にとって一番大切だったのはファンからの愛情だし、みんなが僕と一緒にこの瞬間を喜んでくれたことだった。それは本当に大きな意味があった」

    タイトル争いについても、経験を生かして冷静に臨む考えを示した。

    「チャンピオンシップについては、そういうことに気を取られてはいない。こういう状況は何度も経験してきたし、自分が何をすべきか分かっている」

    「今週末もタイトルのことを考えて来たわけではない。今週末を最高の形でやり遂げることだけを考えている」

    さらに、フェラーリ代表フレデリック・バスールの姿勢にも共感を示した。

    「フレッドも言っていたけど、みんな盛り上がり過ぎなんだ。大切なのは落ち着いて、地に足をつけて、一つひとつ確実に仕事をこなしていくことだ」

    「成功への近道なんてない。チーム全員がそれぞれの役割を果たしているし、みんなの努力を本当に誇りに思っている。僕たちは成長を続けて、さらにレベルアップしていかなければならない。それが僕がここにいる理由なんだ」

    フェラーリはスペインGPでハミルトンの移籍後初勝利を挙げ、勢いを取り戻しつつある。今週末のオーストリアGPでは新型パワーユニットも投入される予定で、ハミルトンはタイトル争いへの可能性を認めながらも、開発の継続と着実な積み重ねこそがメルセデスとの差を縮める唯一の道だと強調した。

    【関連】
    ・フェラーリF1 ハミルトンの「ベーシックすぎる」指摘受けSF-26を全面刷新

  • ルクレール PUアップグレードに期待「チーム全員が限界まで努力している」

    ルクレール PUアップグレードに期待「チーム全員が限界まで努力している」

    シャルル・ルクレールは、フェラーリがオーストリアGPで投入するパワーユニット(PU)アップグレードについて、チーム全体が「限界まで努力して実現させた成果」だと評価し、今週末の表彰台復帰への期待を語った。

    フェラーリは今大会でADUO(追加開発・アップグレード機会)を活用したPUアップグレードを投入。ルイス・ハミルトンが前戦スペインGPで優勝を飾った勢いを維持し、メルセデスとの差をさらに縮めることを狙っている。

    PUアップグレードは「正しい方向への一歩」
    シーズン序盤は好調だったルクレールだが、ここ2戦は相次ぐトラブルに見舞われた。

    母国モナコGPではブレーキトラブルからクラッシュを喫し、スペインGPでもパワーステアリングの故障によりリタイア。速さを示しながらも結果を残せないレースが続いている。

    そうした中で投入される新型PUについて、ルクレールはチームの努力を高く評価した。

    「まず第一に、チームはマシンのあらゆるコンポーネントについて、本当に信じられないほど努力している」

    「開発だけでなく、それを実際に製造する作業もある。全員が限界までプッシュしている」

    「今回のアップグレードは、その成果だ。どれだけ大きな違いを生むか答えるのは難しいけれど、間違いなく正しい方向への一歩だ」

    一方で、現時点ではメルセデスが依然として優位に立っているとの見方も示した。

    「メルセデスには大きなアドバンテージがある。それだけで差を埋められるわけではない」

    「みんなそのことは理解しているし、最大限努力している。少しでも前進できるなら、それは非常に大きなプラスだ。バルセロナと同じように、日曜日にまた勝利という形でチームの努力が報われればいいと思う」

    シャルル・ルクレール(スクーデリア・フェラーリ)

    優勝候補とは見ず「決勝では戦える」
    今回のPUアップグレードは、メルセデスとの差を縮める切り札として期待されているが、ルクレールはフェラーリが今大会の本命になるとは考えていない。

    「そうは思わない。このコースには長いストレートがいくつもある」

    「やはりメルセデスのパワーユニットの方が強力だと思うし、これまであったアドバンテージを多少取り戻してくるはずだ」

    「様子を見よう。バルセロナよりは差が縮まっていてほしいし、どうなるか見てみたい」

    「特に決勝では優勝争いに加われると思う。ただ、予選では少し苦戦するかもしれない」

    「まずはクリーンな週末を送りたい」
    ルクレールにとって今週末の最大の目標は、トラブルなくレースを戦い切ることだ。

    「まずはクリーンな週末を送りたい」

    「モントリオールとモナコではマシンのフィーリングがまったく良くなかった。でもバルセロナではいくつか変更を加えたことで、その感触が戻ってきた。それは良いことだ」

    「ただ、その2戦はいずれもメカニカルトラブルで日曜日にポイントを獲得できなかった。だから本来いるべき位置に戻りたい」

    さらに、チームメイトのハミルトンの活躍にも触れ、週末への期待を語った。

    「ルイスは素晴らしい仕事をしているし、チームも新しいパーツの投入に向けて本当に努力してきた」

    「だから今週末は表彰台、できればそれ以上の結果を期待している」

    ここ2戦連続でノーポイントに終わったルクレールだが、フェラーリはオーストリアGPでPUアップグレードを投入し、さらなる戦闘力向上を目指している。ルクレールは依然としてメルセデス優位と見ているものの、決勝では優勝争いに加われると手応えを示しており、まずはトラブルなくレースを完走し、表彰台復帰を果たせるかが注目される。

    【関連】
    ・F1オーストリアGP テレビ放送時間・配信日程(フジテレビNEXT・FOD)

  • フェラーリF1 ハミルトンの「ベーシックすぎる」指摘受けSF-26を全面刷新

    フェラーリF1 ハミルトンの「ベーシックすぎる」指摘受けSF-26を全面刷新

    ルイス・ハミルトンはモナコGP後、フェラーリの2026年型マシン「SF-26」がアンドレア・キミ・アントネッリのメルセデスと比べて「とてもベーシックだ」と評した。しかし、その後フェラーリはスペインGPに向けてマシンを全面的に刷新し、ハミルトンが求めていた革新性を実現する大規模アップグレードを投入した。

    モナコGPでハミルトンは2位に入ったものの、優勝したアントネッリとの差はセーフティカーや赤旗の影響で縮まったものだった。実際には30秒以上遅れてフィニッシュする展開だったとみられている。

    モナコ市街地コースはフェラーリの長所を引き出し、弱点を隠せるレイアウトと考えられていたことから、レース前には優勝候補との評価も受けていた。しかしチーム内部では、すでに大規模アップグレードパッケージの投入が予定されていた。

    SF-26を全面刷新
    『The Race』のコラムで元F1テクニカルディレクターのゲイリー・アンダーソンは、スペインGP以前のSF-26について「設計はかなりシンプルに見えた」と分析した。

    ただし、それはフェラーリが2026年の新レギュレーションを十分に理解するまで、あえて保守的な設計を選択していたためだと指摘している。

    その後フェラーリは、一部チームが発想すらしていなかった回転式の「マカレナ・リアウイング」を投入。これにより、あらゆる領域で限界を追求する開発姿勢を明確に示した。

    そしてモナコGPからわずか5日後のスペインGPでは、SF-26を全面的に改良した仕様を投入。アンダーソンは「何一つ手つかずの部分はなかった」と表現し、マイアミGPで投入されたアップデートとは異なり、今回は「すべてが即座に機能した」と高く評価している。

    その成果はすぐに表れた。ハミルトンは予選でジョージ・ラッセルからわずか0.064秒差の2番手となり、今季初めてフェラーリをフロントロウへ導いた。

    決勝ではバーチャル・セーフティカー(VSC)の恩恵もあったが、それ以前から優勝争いを展開しており、最終的にフェラーリ移籍後初勝利を飾った。

    ハミルトン「このマシンは必ず勝てる」
    スペインGP予選後、ハミルトンはイタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』に対し、今季の勝利に強い自信を示していた。

    「このマシンは間違いなくレースで勝てる。僕はそう確信している」

    「開発の方向性もそうだし、チーム全体の連携もある。みんな本当に懸命に取り組んでいる。だから、どこかの時点で勝利争いができると確信している」

    その言葉どおり、ハミルトンはスペインGPでフェラーリ加入後初勝利を達成した。これはフェラーリにとっても、カルロス・サインツJr.が2024年メキシコGPで優勝して以来のグランプリ勝利となり、2020~2021年以来で最も長かった未勝利期間に終止符を打った。

    フェラーリの反撃は続くのか
    今回の大規模アップグレードは、ハミルトンが「ベーシックすぎる」と表現したマシンを、フェラーリが短期間で大きく進化させたことを示す結果となった。さらにランド・ノリスは「フェラーリのエンジン性能がさらに向上すればライバル勢を圧倒できる」と評価しており、今後の開発次第ではタイトル争いの勢力図を左右する存在となる可能性がある。

    バルセロナ・カタルーニャGPでの勝利が一時的なものなのか、それともフェラーリ復活の始まりなのか。今後の数戦が、その答えを示すことになりそうだ。

  • ボッタス フェラーリF1で復活のハミルトンを分析「彼のDNAが入ったSF-26」

    ボッタス フェラーリF1で復活のハミルトンを分析「彼のDNAが入ったSF-26」

    ルイス・ハミルトンのフェラーリ移籍後初勝利について、元メルセデスのチームメイトであるバルテリ・ボッタスが、その復調の背景に「マシンへハミルトンのDNAが反映され始めたこと」があるとの見解を示した。

    ハミルトンは2026年シーズン序盤こそフェラーリへの適応に苦しんだものの、モナコGPとカナダGPで連続表彰台を獲得すると、前戦スペインGPでは待望のフェラーリ初優勝を飾った。

    5年間にわたってメルセデスでハミルトンとコンビを組んだボッタスは、その変化が偶然ではないと見ている。

    「ハミルトンのDNA」が宿るマシン
    ボッタスは、ハミルトンが現在のフェラーリで本来の力を発揮し始めた理由について、マシン開発への影響が表れ始めた可能性を指摘した。

    「当然だけど、レースがうまくいけば気分も良くなるものだ。彼はいま本当にいい状態にいるし、それを見るのはうれしい」

    「彼は素晴らしい予選も素晴らしいレースもできる能力を失っていないことを証明したと思う」

    そして、こう続けた。

    「たぶん、このクルマはこれまでとは少し違うんだろう。もしかすると、彼のDNAが少し入った初めてのマシンなのかもしれない」

    「そういう小さな違いが大きな差につながる。この世界では本当にわずかな差で勝負が決まるからね。でも、彼が好調なのを見るのはうれしいよ」

    グラウンドエフェクト時代のF1では、ハミルトンはメルセデス時代を通じてマシンとの相性に苦しみ続けた。2024年には勝利を挙げたものの、常に完全な一体感を得ていたわけではなかった。

    しかしフェラーリは、ハミルトンの加入後にSF-26を全面刷新。近年のアップデートと並行してハミルトン自身の自信も高まり、再び優勝争いを演じるまでに復調している。

    フェラーリ SF-26を駆るルイス・ハミルトン

    ロズベルグも復活劇を祝福
    ハミルトンのフェラーリ初勝利には、2016年F1王者で元チームメイトのニコ・ロズベルグも祝福の言葉を送った。

    かつて激しいタイトル争いを繰り広げたライバルだが、ロズベルグはスペインGP後に率直な喜びを語っている。

    「心から彼と一緒に喜べるよ。すぐに祝福の言葉を伝えた。本当におめでとうと言えてうれしかった。素晴らしいことだからね」

    また、フェラーリ移籍直後の苦戦を見守るのは辛かったと明かした。

    「フェラーリでのスタートは本当に苦しかったし、見ていてつらかった。でも今は自信に満ちあふれ、速さも戻り、レースを楽しんでいる。それが本当に素晴らしい」

    「今回の勝利は歴史的なものだ。本当に特別な勝利だった。彼にとっても、このスポーツにとっても素晴らしい一日になった」

    さらにロズベルグは、この勝利がフェラーリ全体に好循環をもたらすと予想する。

    「いい結果が出れば、さらにモチベーションが高まり、幸せになり、もっと努力するようになる」

    「その流れがチーム全体をさらに高いレベルへ押し上げていくだろう。いまのフェラーリには素晴らしい勢いがある」

    ハミルトンの復活によりフェラーリの勢いは一気に増している。ボッタスが語ったように、SF-26がハミルトンの好みに近づいたことが事実であれば、その小さな変化こそが2026年シーズンを左右する大きな要因になるかもしれない。