カテゴリー: スクーデリア・フェラーリ

  • フェラーリF1 ルイス・ハミルトン担当サンティ続投へ 初勝利で信頼獲得

    フェラーリF1 ルイス・ハミルトン担当サンティ続投へ 初勝利で信頼獲得

    ルイス・ハミルトンのフェラーリでのレースエンジニアを務めるカルロ・サンティが、2026年シーズン後半も引き続きその役割を担う見通しとなった。

    サンティは当初、暫定的なレースエンジニアとして起用されたが、開幕から7戦を通じてハミルトンとの連携を築き上げ、フェラーリは現時点で交代を検討していないという。

    暫定起用から正式続投へ
    カルロ・サンティは、2025年にハミルトンを担当したリカルド・アダミが社内の別職務へ異動したことを受け、プレシーズンテストからレースエンジニアを務めてきた。

    当初は新たな専任エンジニアが決まるまでの暫定措置とみられていたものの、開幕から継続してハミルトンをサポート。バルセロナ・カタルーニャGPでは、両者はフェラーリ移籍後初勝利を挙げ、サンティもハミルトンとともに表彰台へ上がった。

    BBC Sportによると、フェラーリにサンティを交代させる計画はなく、チーム広報担当者は次のように説明している。

    「カルロとルイスは非常にうまく仕事ができている。彼を交代させる計画はない」

    ルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリ)

    ハミルトン「新たな絆を築けた」
    バルセロナ・カタルーニャGPでフェラーリ初勝利を飾ったハミルトンは、表彰台にサンティを招いたことを喜び、その働きを高く評価した。

    「彼が表彰台にいてくれて本当にうれしかった。今年、彼は途中から僕の担当として飛び込んできた。お互い面識もなく、一度も話したことがなかったし、彼について何も知らなかった」

    「でも会ってすぐに打ち解けることができた。以前とは違うエンジニアと信頼関係を築けたのは本当に素晴らしいことだ。長い間ボノと一緒に仕事をしていたから、その感覚を失っていたけれど、今はボノがキミ(アントネッリ)を担当している」

    「彼とあの舞台を共有できたことは本当に良かった。彼はとても物静かな人で、感情を表に出すのは得意ではない。でも笑顔を見せてくれて、僕は何度も抱きしめて『ありがとう』と伝えた」

    「今回の経験が、彼にとってエンジニアという仕事への情熱を再び呼び起こすきっかけになったならうれしい。それは僕自身がドライバーとして感じたことでもある」

    ライコネンとも勝利を経験
    サンティはこれまでフェラーリで長年エンジニアを務め、キミ・ライコネンのレースエンジニアも担当した経験を持つ。

    2018年アメリカGPでは、ライコネンがF1最後の優勝を飾った際にもレースエンジニアを務めており、2026年にはハミルトンとともに再び勝利を味わうことになった。

    ハミルトンとサンティは短期間で強い信頼関係を築き、フェラーリは両者のコンビネーションを高く評価している。スペインGPでの初勝利を経て、サンティは引き続きハミルトンのレースエンジニアとしてシーズンを戦う見通しだ。

  • ヘルムート・マルコ「ハミルトンのフェラーリでの成功はF1にとって大当たり」

    ヘルムート・マルコ「ハミルトンのフェラーリでの成功はF1にとって大当たり」

    2026年シーズンのフェラーリで復調を遂げたルイス・ハミルトンについて、元レッドブル首脳のヘルムート・マルコが「F1にとってはまさに大当たりだ」と高く評価した。

    ハミルトンは今季、モントリオールとモナコで2戦連続2位を獲得すると、前戦スペインGPでは優勝。ドライバーズランキングでも首位キミ・アントネッリとの差を41ポイントまで縮め、タイトル争いへ本格的に加わっている。

    一方、フェラーリは今週末のオーストリアGPで、FIAが2026年から導入した「追加開発機会(ADUO)」制度のアップグレードトークンを初めて使用し、パワーユニットを改良する予定だ。

    主な狙いは2026年仕様パワーユニットの性能向上とされており、ハミルトンとシャルル・ルクレールは、長いストレートが特徴のレッドブル・リンクで、その恩恵を受けることが期待されている。

    マルコ「ハミルトンがフェラーリで勝つことはF1にとって大きな利益」
    マルコはオーストリア紙『Kleine Zeitung』のインタビューで、現在は現場を離れ、ファンの立場からF1を見ていることについて次のように語った。

    「今はみんなと同じように普通のテレビ視聴者だ」

    「すべてのデータを受け取り続けることもしないと決めた。エネルギー回生を含む複雑なエンジンレギュレーションはあるが、全体としてレースはかなり面白い」

    そのうえで、宿敵でもあったハミルトンがフェラーリで再び勝利を挙げるようになったことについて、スポーツ全体にとって大きな価値があると強調した。

    「スポーツにとっては、ルイス・ハミルトンがフェラーリで勝つことは、まさに大当たりのようなものだ」

    モナコGPのルール運用には苦言
    一方でマルコは、F1には依然として改善すべき点もあると指摘。特にモナコGPで話題となったペナルティ運用を問題視した。

    「リバティ・メディアとFIAは、もっと緊密に連携し、一貫性を持つ必要がある」

    「例えばモナコでのペナルティ騒動は、ひどいルールだった。サッカーならゴールの大きさはいつも同じで、ルールも単純で明確だ。F1は複雑すぎる」

    「現場は恋しくない」
    83歳となったマルコは、F1の第一線を退いた現在の生活にも満足しているという。

    現場に戻りたいとは思わないかと問われると、次のように答えた。

    「いや。私は以前から、辞める時は本当に辞めると言ってきた」

    「テレビでレースを見るのを楽しんでいる。その方が細かい部分までよく分かる。あれほど移動が大変だったことも、辞めて初めて実感した。現場にいる間は、それが当たり前になっていて気付かなかった」

    ハミルトンの復活とフェラーリの競争力向上は、タイトル争いをさらに盛り上げる要素となっている。マルコは、その構図がF1全体の人気や注目度を高めることにつながるとの見方を示す一方で、競技運営についてはより分かりやすく一貫したルール作りを求めた。

  • フェラーリの問い合わせでFIAが動く メルセデスF1のディフューザーに規制強化か

    フェラーリの問い合わせでFIAが動く メルセデスF1のディフューザーに規制強化か

    FIA(国際自動車連盟)が、メルセデスのディフューザー設計の運用方法について技術的な明確化(クラリフィケーション)を発行する準備を進めていると、RacingNews365が報じた。

    メルセデスは今季投入したアップグレードパッケージの一環として、リアディフューザー後端に延長部品を追加。2026年の新技術規則下で各チームが革新的な解釈を模索する中、メルセデス独自のアイデアとして注目を集めていた。

    2026年はレギュレーションが大幅に変更されたことで、各チームが新たな設計コンセプトを導入している。メルセデスのディフューザーに加え、フェラーリとレッドブルが採用する、軸を中心に回転する通称「マカレナ・リアウイング」もその一例とされる。

    しかし、このメルセデスのディフューザーに対してライバルチームが関心を示しており、フェラーリがFIAに対して合法性についての見解を求めたという。

    F1では過去にも、競合チームがライバルの革新的な設計についてFIAへ問い合わせを行うケースが数多くあった。問い合わせを行うチームは、その技術を自ら開発可能か判断する目的で確認することもあれば、規則解釈の明確化を求める場合もある。

    また、FIAは必要と判断した場合、規則の明確化を通じて当該設計の模倣を防いだり、既存の設計の使用中止を求めたりすることができる。

    オーストリアGPから適用の可能性
    こうした措置は即時適用される場合もあれば、チーム側に対応期間が与えられる場合もある。

    RacingNews365によると、今回のメルセデスのディフューザーに関しては後者のケースに該当する見込みだという。

    現在、FIAは関連文書の作成を進めており、オーストリアGPから適用される方向で準備が進んでいるとされる。しかしメルセデスは、その適用開始を次戦のイギリスGPまで延期するよう求めているという。

    その理由は物流上の問題にある。すでにチームの輸送トラックはオーストリアへ向けて出発しており、現地で仕様変更に対応することが難しいためだ。

    メルセデスは、自らのフロアおよびディフューザー設計は現行規則の範囲内で合法だと考えている。しかし、FIAの明確化によって設計変更が必要になれば、修正版を投入するために追加の作業が必要になる。

    今回の動きは、2026年の新世代マシンを巡る技術開発競争が激化する中で、各チームがライバルの革新的な解釈を厳しく監視していることを改めて示している。フェラーリの問い合わせを受けたFIAの判断が、今後の開発競争や勢力図にどのような影響を及ぼすのか注目される。

  • フェラーリF1 ADUO初活用 オーストリアGPでPUアップグレード投入

    フェラーリF1 ADUO初活用 オーストリアGPでPUアップグレード投入

    スクーデリア・フェラーリは、2026年F1第8戦オーストリアGPで今季初となるパワーユニットのアップグレードを投入することを正式に発表した。また、シャルル・ルクレールはFP1を欠場し、フェラーリ育成ドライバーのディーノ・ベガノビッチが代役を務める。

    フェラーリは2026年の新パワーユニット規則導入後、ライバル勢に対して出力不足が指摘されており、今回のアップグレードはFIAのADUO(Additional Development Upgrade Opportunities)制度を活用した最初の開発トークンとなる。

    ADUOを活用した最初の一歩
    フェラーリはレッドブル・リンクで内燃エンジン(ICE)の改良版を投入する。

    ただしチームは、今回のアップデートによって即座に大幅な性能向上が得られるとは考えていない。むしろ開発プログラムで得られた成果を実戦投入する第一歩と位置付けている。

    フェラーリのパワーユニット技術責任者エンリコ・グアルティエリは次のように説明した。

    「ファクトリーのチーム全体は現在、ADUO制度によって与えられた追加開発機会を最大限活用するため、計画された開発ロードマップに沿って精力的に作業を続けている」

    「シュピールベルクに持ち込むアップデートは比較的小規模なものだ。ここ数週間で開発プログラムから得られた改善を実戦に反映した成果でもある」

    「継続的な改善、迅速な対応、そして得られた成果を可能な限り早く投入するという、このスポーツの本質を体現するものだ」

    フェラーリは性能差縮小を目指す
    フェラーリのパワーユニットは、メルセデスやレッドブル・フォードと比較して出力面で不利な状況にあるとみられている。

    今回のアップグレードはその差を縮めるための第一弾であり、今後もADUO制度を活用した追加開発が続く見通しだ。

    チーム内部では、今回の改良だけで勢力図が大きく変化するとは考えられていないものの、シーズン後半へ向けた重要な基盤になると評価されている。

    ルクレールに代わりベガノビッチがFP1出走
    オーストリアGPのFP1では、ルクレールに代わってフェラーリ育成ドライバーのディーノ・ベガノビッチがSF-26をドライブする。

    ベガノビッチは第7戦スペインGPでもルイス・ハミルトンのマシンでFP1を担当しており、今回が今季2度目の公式セッション出走となる。

    フェラーリにとっては、シーズン中に4回実施が義務付けられているルーキードライバー起用規定の半分を消化することになる。

    ベガノビッチにとっても、将来的なF1昇格へ向けて貴重なアピールの機会となりそうだ。

    【関連】
    ・F1オーストリアGP テレビ放送時間・配信日程(フジテレビNEXT・FOD)

  • 元フェラーリF1エンジニア ハミルトンは“シューマッハの再来”になれると確信

    元フェラーリF1エンジニア ハミルトンは“シューマッハの再来”になれると確信

    ルイス・ハミルトンの待望のフェラーリ移籍後初勝利は、F1界全体で大きな話題となった。しかし、元フェラーリのレースエンジニアであるロブ・スメドレーによれば、その成功を最も喜んでいるのはマラネロのチーム内部だという。

    2026年シーズン序盤、フェラーリでの適応に苦しんだハミルトンには厳しい視線も向けられていた。しかし、モナコGPとカナダGPでの連続2位に続き、スペインGPで圧倒的な勝利を挙げたことで状況は一変した。

    スメドレーは、現在も多くの元同僚と連絡を取り合っていると明かし、フェラーリ内部の熱狂ぶりを次のように語った。

    「みんな本当に喜んでいる。私は昔の同僚たちとのグループチャットにいくつも参加しているが、彼らは文字通りルイスに夢中なんだ。みんな彼を愛している」

    シューマッハとの共通点
    スメドレーは、以前からハミルトンとミハエル・シューマッハを重ね合わせて見ていたという。

    「私たちは以前から話していた。これはミハエルの物語になる可能性があるとね」

    「もしルイスがマシンを完全に理解し、チームを引き上げ、レースで勝ち始め、そして世界選手権へ導くことができれば、彼らは間違いなく彼を愛するようになる」

    1990年代にフェラーリへ加入したシューマッハは、低迷していた名門を再建し、歴史的な黄金時代を築いた。スメドレーは、ハミルトンとフェラーリの関係にも同様の可能性を見いだしている。

    成功を支える並外れた努力
    スメドレーはまた、ハミルトンの成功が才能だけによるものだという見方を否定した。

    「彼は本当に多くの努力をしている。人々はルイスを誤解しているんだ。公の場で見せるキャラクターによって、本当の姿が見えにくくなっている」

    さらに、歴代のチャンピオンたちに共通する資質についても語った。

    「面白いことに、マックス・フェルスタッペン、ルイス、ミハエル、セバスチャン・ベッテルのような偉大なドライバーたちは、みな人々が思っている以上に懸命に働いている」

    「彼らは自分自身のすべてを注ぎ込んで今の地位にたどり着いたんだ」

    ルイス・ハミルトン スクーデリア・フェラーリ

    ルクレールとの力関係にも変化
    スメドレーは、フェラーリ内部でのハミルトンの存在感が急速に高まっているとも指摘した。

    「ドライバー2人のパフォーマンスバランスを見ると、今のルイスはチーム全体を自分の周りに引き寄せている」

    「イタリアの新聞を読んでも、フェラーリの友人たちと話しても、みんな彼を愛しているし、まるで祭り上げているような状態だ」

    近戦ではハミルトンがシャルル・ルクレールを上回るパフォーマンスを見せていると分析する。

    「ここ数戦を見る限り、ルイスはシャルルよりかなり前にいる。シーズン終盤にはもっと均衡するだろうが、最終的にはルイスが上回ると思う」

    フェラーリ再建の中心人物となるか
    ハミルトンにとってスペインGPでの初勝利は、単なる1勝以上の意味を持つかもしれない。

    スメドレーの見立てが正しければ、ハミルトンはコース上で結果を残しているだけでなく、フェラーリを再び王座へ導くために必要な「人心掌握」にも成功しつつある。シューマッハがかつて築いたような強固な信頼関係を築ければ、フェラーリの新たな黄金時代の礎となる可能性も十分にある。

  • フェラーリF1 オーストリアGPで“魔法のような”新燃料投入 エンジン性能向上へ勝負

    フェラーリF1 オーストリアGPで“魔法のような”新燃料投入 エンジン性能向上へ勝負

    スクーデリア・フェラーリは今週末のF1オーストリアGPで、大きな注目を集めるパワーユニットアップグレードを投入する見通しだ。新たな燃料と組み合わせた独自の開発アプローチにより、エンジン性能の向上を狙っている。

    FIAのADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities)制度によって追加開発の権利を得たフェラーリは、メルセデスとの差を縮めるだけでなく、マシン全体のパフォーマンス向上を目指している。

    フェラーリが進める異例の高温エンジン戦略
    フェラーリは今季、エンジン内部へ送り込む空気の温度を他メーカーよりも高く設定する独自のコンセプトを採用している。

    一般的なF1パワーユニットでは吸気温度を70~80度程度に抑えることが多いが、フェラーリは約100度で運用していると報じられてきた。

    高温化は熱効率の面で不利になる可能性がある一方で、冷却システムやボディワーク設計の自由度を高めるメリットがあるとされる。結果として空力性能を優先したマシン設計が可能になり、フェラーリはこの方向性に一定の手応えを得ているようだ。

    今回のオーストリアGPでは、その上限をさらに引き上げ、110度近辺での運用を目指しているとイタリアメディア『Motorsport IT』は伝えている。

    新シェル燃料との組み合わせで出力向上を狙う
    今回のアップグレードの鍵となるのが、シェルが開発した新仕様の燃料だ。

    報道では、エネルギー密度を高めた「高カロリー燃料」と表現されており、フェラーリの高温運用コンセプトと組み合わせることで、これまでにない性能領域へ到達することを目指しているという。

    この取り組みは現地メディアから「魔法のようなトリック」とも評されている。

    フェラーリはADUO制度の評価において、ベンチマークとされたレッドブル・フォード製パワーユニットに対し4~6%程度の性能不足が認定されたとされる。そのため追加アップグレード枠を活用し、エンジン出力向上を進めている。

    エンジンだけでなく空力効率改善も重要課題
    フェラーリの狙いは単純な馬力向上だけではない。

    ストレートスピード改善には出力増加と同時に空気抵抗の削減も重要であり、今回の高温コンセプトはその両面に貢献する可能性がある。

    マクラーレンのランド・ノリスはバルセロナで、フェラーリが強力なエンジンを手に入れれば「ライバル勢にとって恥ずかしいレベルになる」と語っていた。SF-26のシャシー性能を高く評価しているからだ。

    もしフェラーリがレッドブル・リンクでメルセデスと互角以上の戦いを見せることができれば、このアップグレードの効果を示す重要な証拠となるだろう。

    タイトル争いへの試金石となるオーストリアGP
    オーストリアGPは一般的に高出力エンジンが求められるサーキットとして知られており、メルセデス勢が有利と見られている。

    一方で、メルセデスは今季バッテリー関連の信頼性問題に苦しんでおり、一部ではオーストリアGPでパワーユニット出力をやや抑えて運用する可能性も報じられている。

    その状況でフェラーリのアップグレードが期待通りの成果を発揮すれば、ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールは優勝争いへ本格的に加わる可能性がある。

    オーストリアGPでの結果は、フェラーリが2026年のドライバーズ選手権とコンストラクターズ選手権の両方で本格的な挑戦者になれるかを占う重要な週末となりそうだ。

    【関連】
    ・F1オーストリアGP テレビ放送時間・配信日程(フジテレビNEXT・FOD)

  • シャルル・ルクレールが認めたハミルトン優位「今のF1マシンは彼向き」

    シャルル・ルクレールが認めたハミルトン優位「今のF1マシンは彼向き」

    2026年シーズン、フェラーリでルイス・ハミルトンが復調を遂げている背景について、シャルル・ルクレールが興味深い見解を示した。

    シーズン開幕前には、フェラーリのSF-26はチーム在籍期間の長いルクレール向けに開発されたとの見方もあった。しかし実際には、ハミルトンが近戦で優勢を見せ、5年ぶりのタイトル争いに名乗りを上げる勢いを見せている。

    ルクレールが語るハミルトン復活の背景
    ハミルトンの好調ぶりについて、『The Athletic』の取材に応じたルクレールは、フェラーリのマシン開発だけが要因ではないと説明した。

    ルクレールは、2026年の新世代マシンがハミルトンのドライビングスタイルにより適しているとの見方を認めている。

    「今のマシンは、以前のレギュレーションのマシンよりも彼にとって自然に感じられると思う。以前のマシンは少し独特な運転特性があった」

    「こうした小さな違いが大きな差につながるんだ」

    2022年から2025年までのグラウンドエフェクト時代のマシンは、多くのドライバーが扱いに苦労したことで知られていた。特にハミルトンはメルセデス時代から、その特性との相性の悪さをたびたび指摘していた。

    一方、2026年から導入された新レギュレーションでは車両コンセプトが大きく変更されており、その変化がハミルトンの強みを再び引き出している可能性がある。

    フェラーリの改革とハミルトンの躍進
    近年のフェラーリは予選で速さを見せながらも決勝で苦戦する傾向があったが、2026年はその課題の改善が進んでいる。

    さらにチーム内部では、フレデリック・バスール代表主導の下でハミルトン向けの大胆なセットアップ変更や開発方針の見直しも行われたと報じられている。

    その結果、ハミルトンはモナコGPで2位表彰台を獲得すると、続くカナダGPでも上位争いを展開。そしてバルセロナ・カタルーニャGPではフェラーリ移籍後初勝利を挙げ、一気にランキング2位へ浮上した。

    ボッタスも好調の要因を分析
    かつてメルセデスでハミルトンのチームメイトを務めたバルテリ・ボッタスも、その復活劇について言及している。

    ボッタスは、競争力の向上だけでなく精神面の充実も大きな要素だと指摘した。

    「レースで良い結果が出れば人は幸せになるものだし、彼は今とても良い状態に見える」

    「彼の能力が失われていないことを証明していると思う」

    2025年には衰えを指摘する声も少なくなかったハミルトンだが、2026年はレギュレーション変更を追い風に再びタイトル争いの中心へ戻ってきた。

    ルクレール自身が認めたように、新世代マシンとの相性こそが、その復活を支える重要な要因の一つとなっている。

  • メルセデスF1代表 ハミルトンの王座争いを警戒「血の匂いを嗅げば襲いかかる」

    メルセデスF1代表 ハミルトンの王座争いを警戒「血の匂いを嗅げば襲いかかる」

    ルイス・ハミルトンが2026年F1タイトル争いに本格参戦する可能性が高まっている。メルセデス代表のトト・ヴォルフは、かつて共に6度のワールドチャンピオンを獲得した元エースについて、「間違いなくタイトル候補だ」と断言した。

    ハミルトンは前戦バルセロナ・カタルーニャGPでフェラーリ移籍後初優勝を達成。今季ここまで日曜日の決勝で無敗だったメルセデス勢を初めて打ち破り、ランキング2位へ浮上した。

    ヴォルフ「血の匂いを嗅げば襲いかかる」
    ハミルトンはバルセロナで3ストップ戦略を選択し、ジョージ・ラッセルとキミ・アントネッリのメルセデス勢を逆転。終盤のバーチャル・セーフティカー(VSC)も味方につけて今季初勝利を手にした。

    一方、ランキング首位のアントネッリは終盤にパワーユニットトラブルでリタイア。これによりハミルトンとの差は41ポイントまで縮まった。

    レース後、ヴォルフはハミルトンとのタイトル争いについて次のように語った。

    「正直なところ、彼とはタイトル争いをしたくない。なぜなら彼が何をできるか知っているからだ」

    「彼は血の匂いを嗅げば襲いかかる。長年それを見てきた。ルイス・ハミルトンという列車が走り出したら、それを止めるのは非常に難しい」

    さらにハミルトンを本物のタイトル候補と見ているか問われると、ヴォルフは即座に肯定した。

    「もちろんだ。まだシーズン序盤だし、差は41ポイントしかない。1回のリタイアで25ポイントを失う。十分に逆転可能な差だ」

    「だからこそ、僕たちは完走を逃すことができない。マシンとパワーユニットの性能向上を続け、ミスを避け、戦略面でも賢く戦わなければならない」

    フェラーリ移籍2年目で復活
    ハミルトンは直近3戦連続で表彰台を獲得している。

    これはフェラーリ加入初年度だった2025年に24戦を戦いながら一度も表彰台に上がれなかった状況とは対照的だ。

    オフシーズンにはSF-26の開発に深く関与し、新たなレースエンジニアであるカルロ・サンティとの関係も軌道に乗ったことで、ハミルトンは本来の速さを取り戻しつつある。

    2026年規則がハミルトン向き
    ヴォルフは、2026年から導入された新世代マシンがハミルトンのドライビングスタイルに合っている可能性も指摘した。

    「努力の成果だと思う」

    「そして、このクルマは前世代のグラウンドエフェクトカーとは違う。あの頃はポーパシングや非常に硬いセットアップがあり、ドライバーが感覚を掴むのが難しかった」

    「今は空力や車両ダイナミクスの面で、より従来型のマシンに戻っている。もちろんパワーユニットの管理は大きく異なるが、彼が力強く走っているのは明らかだ」

    さらにヴォルフは、フェラーリ内部の環境もハミルトンの好調を支えていると分析した。

    「彼とレースエンジニアの関係も非常に良さそうだ」

    「表彰台に立つ彼の表情をテレビで見たが、本当に幸せそうだった」

    ルイス・ハミルトンと交際が噂されるキム・カーダシアン

    私生活の充実も後押しか
    最近のハミルトンは米国の著名人であるキム・カーダシアンとの交際が報じられている。

    ヴォルフは冗談交じりに、その存在も好調の一因かもしれないと語った。

    「ガールフレンドの存在も助けになっているのかもしれないね」

    「私自身もパートナーを持つことで安定した家庭生活を得られた。彼らもうまくいっているように見える」

    「感情面、私生活、そして仕事面。そのすべてが良い状態にある時、人は勝てるものなんだ」

    バルセロナで待望のフェラーリ初勝利を挙げたハミルトン。ヴォルフが警戒するように、“ハミルトン特急”が再び走り始めたとすれば、アントネッリとメルセデスにとって最大の脅威となるかもしれない。

  • フェラーリF1 メルセデス追撃へ方針転換か 小型ターボ放棄を検討

    フェラーリF1 メルセデス追撃へ方針転換か 小型ターボ放棄を検討

    フェラーリが、2026年型パワーユニット「SF-26」の象徴だった小型ターボチャージャーを放棄する可能性が浮上した。メルセデスとの出力差を縮めるため、より大型のターボへの変更を検討しているという。

    フェラーリは、FIAのADUO(追加開発・アップグレード機会)制度によって認められた2回の開発トークンを活用し、シーズン後半までにメルセデスとの「出力同等化(パワーパリティ)」を実現したい考えだ。

    フェラーリはオーストリアGPで最初のPUアップグレード投入へ
    フェラーリは2026年レギュレーションへの対応で、メルセデスほど優れたエンジンを開発できなかったことを認識している。

    FIAはADUO制度の評価で、フェラーリ、アウディF1、ホンダの内燃エンジン(ICE)がベンチマークより4〜10%劣っていると判断。それぞれ2回の開発トークンを認めた。一方、メルセデスは約2%差と評価され、1回のアップグレードが許可されている。

    ただし、ベンチマークとされたのはレッドブル・フォードのICEであり、レッドブルは「実際にはメルセデスの方が優れている」としてFIAの判断に異議を申し立てている。

    フェラーリはすでに最初のアップグレード計画を進めており、次戦オーストリアGPで改良版パワーユニットを投入する見通しだ。この仕様は高温条件への対応力向上も目的としている。

    第2弾アップグレードはザントフォールトまたはモンツァか
    『The Race』によると、フェラーリは第2弾アップグレードの準備も並行して進めている。

    最初の改良はオーストリアGPで投入される予定だが、2回目のアップデートは夏休み明け最初のオランダGP、あるいは母国イタリアGPでの投入が有力視されている。

    フェラーリはモンツァに向けて、メルセデスと同等の出力を実現した状態でホームレースを迎えることを目標としている。

    小型ターボという武器を捨てる可能性
    その目標達成のため、フェラーリは今季の特徴だった小型ターボを放棄する可能性まで検討しているという。

    2026年レギュレーションではMGU-Hが廃止されたため、多くのメーカーがターボレスポンスや出力特性の最適化に苦戦した。

    フェラーリはライバルよりも約10mm小さいターボを採用することで、プレシーズンテストから優れた発進加速を披露。MGU-H廃止による影響を最小限に抑え、スタート性能で優位に立っていた。

    しかしシーズン開幕後、ライバル勢が改善を進めたことでその優位性は薄れつつある。

    今年5月時点では、フェラーリはシーズンを通して小型ターボを維持する方針と報じられていた。しかし現在は方針転換の可能性が浮上している。

    大型ターボを採用することで追加出力を得られると考えられており、小型設計による損失は最大7馬力に達するとされる。

    メルセデスとの差は約30馬力か
    報道によると、フェラーリの2026年型パワーユニットは現状でメルセデスに対し約30馬力劣っているとされる。

    しかし、オーストリアGPで投入予定の最初のアップグレードだけでも約20馬力分の改善が期待されており、さらに第2弾アップデートと大型ターボ導入が実現すれば、その差をほぼ解消できる可能性がある。

    フェラーリはルイス・ハミルトンのバルセロナ・カタルーニャGP優勝によって勢いを取り戻したが、タイトル争いへ本格的に加わるためには、依然としてパワーユニット性能の向上が不可欠だ。

    今後のADUO開発が、2026年勢力図を左右する重要な要素となりそうだ。

  • ルイス・ハミルトンがルクレールに心理戦? ラルフ「フェラーリF1で焦りが見える」

    ルイス・ハミルトンがルクレールに心理戦? ラルフ「フェラーリF1で焦りが見える」

    ルイス・ハミルトンがフェラーリ移籍後初勝利を挙げたバルセロナ・カタルーニャGPの裏で、シャルル・ルクレールに対する“心理戦”が始まっていた可能性が指摘されている。

    元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、ルクレールが予選でクラッシュを喫した背景に、ハミルトンの発言が影響した可能性があると分析。さらに、近年フェラーリのエースとして君臨してきたルクレールが、チーム内で勢いを増すハミルトンの存在によって焦りを抱えているとの見方を示した。

    ハミルトンの発言がルクレールを刺激したと分析
    バルセロナ・カタルーニャGPの予選で、ルクレールはターン4でマシンの挙動を乱してクラッシュ。モナコGPに続く2戦連続の大クラッシュとなり、フェラーリSF-26を大破させた。

    ルクレールはセッション後、自身のミスを恥じていると認めたが、その翌日の決勝ではチームメイトのハミルトンが2026年シーズン初勝利を獲得。フェラーリにとっても今季初優勝となった。

    ラルフ・シューマッハはポッドキャスト『Backstage Boxengasse』で、この流れの中にハミルトンによる心理的な揺さぶりがあったと語った。

    「シャルルは今、気をつけなければならない。現時点ではルイスに少し上回られているからだ」

    「しかもルイスは記者会見ですでに心理戦を始めていた。『あのコーナーはもっと速く進入した』と言っていた」

    シューマッハは、ルクレールがハミルトンの走りを再現しようとして限界を超えた可能性があるとみている。

    「シャルルはそれを真似しようとしたのだと思う。そして予選でスピンしてしまった」

    「ドライバーには『あとコンマ1秒か2秒を絞り出せる』と思うポイントがある。シャルルもそこでチームメイトより速くなろうとしていたのだろう」

    「だが彼は自分を過大評価してしまった。実際にはコーナーへ約9km/hも速く進入していた」

    ルクレールは焦る必要はないと主張
    ハミルトンはバルセロナで4戦連続となるルクレール先着を達成。予選でも直近4戦中3回でルクレールを上回っている。

    それでもシューマッハは、純粋な速さでは依然としてルクレールが上だと考えている。

    「純粋なスピードという点では、私は今でもシャルル・ルクレールの方が上だと思っている」

    「ただ今は少し力みすぎている。マシンを必要以上に攻めすぎているんだ」

    「ルイス・ハミルトンが前にいるからといって慌ててはいけない。私は以前から、ルイスがフェラーリに適応するには時間がかかると言ってきた」

    「一時は本当に諦めかけているようにも見えた。なぜならペース差がかなり大きかったからだ」

    シューマッハは、現在のルクレールが実力不足ではなく自信を失っている状態だと分析する。フェラーリ加入当初は苦戦していたハミルトンが勝利を手にしたことで、チーム内の力関係にも変化の兆しが見え始めている。今後の数戦は、両者の主導権争いを占う重要な期間となりそうだ。