カテゴリー: F1マシン

  • マクラーレン MP4-25の初ショット?!

    マクラーレン MP4-25の初ショット?!

    マクラーレンは、新車MP4-25を初公開した。とはいっても、写真はシャシーの作業風景のみで、ご覧のようにかなり不明瞭。

    この画像は、マクラーレンの公式Twitterにスタッフが掲載したもの。かなり不明瞭だが、写真中央で作業しているのがMP4-25のシャシーであるという。

    「僕たちの新車MP4-25シャシーの一部を特徴づける舞台裏のショットを見たい?!」

    「2010年F1カーの初ショットがここにあります!僕たちの仲間がMP4-25のシャシーを組み立ています!!!独占公開」

    「あまり簡単にはお見せできません。だから詳細は少しぼやかしています。でも、冬の間にもっと画像を投稿するつもりです!」

    マクラーレン MP4-25 画像

    ・TheFifthDriver (TheFifthDriver) on Twitter
    ・F1-Gate.com (F1Gate) on Twitter

    関連:
    ・マクラーレン、MP4-25を発表 – 2010年1月29日
    ・マクラーレン MP4-25 (主要諸元)

  • マクラーレンが縮めた“2.5秒”と2010年F1勢力図

    マクラーレンが縮めた“2.5秒”と2010年F1勢力図

    2009年シーズン、最も進化を遂げたのがマクラーレンだ。

    開幕戦オーストラリアGPの予選。Q2トップタイムのジェンソン・バトンとルイス・ハミルトンの差は約2.5秒あった。そのマクラーレンが、ヨーロッパGPでポールポジションを獲得するまで戦闘力を高めた。

    そのキーとなったのが、論争となった“ダブルディフューザー”。シーズン前半はダブルディフューザーを搭載したブラウン、トヨタ、ウィリアムズと、非搭載チーム、KERS搭載を選んだマクラーレン、フェラーリ、ルノーとで明暗が分かれた。

    だが、FIAがダブルディフューザーを完全な“合法”と認めたことで、非ダブルディフューザー組はエアロダイナミクスの大きな変更を強いられることとなった。最終的に全チームがダブルディフューザーを搭載し、フォース・インディアがQ3に進出するほど全チームのパフォーマンスは拮抗した。

    ダブルディフューザーは、ただ装着するだけでは効果はなく、フロントエンドを含めたマシン全体のエアロコンセプトの変更が必要になる。実際マクラーレンのマシンは、見た目的にも前半と後半では別マシンのように姿を変えた。

    マクラーレンMP4/24 (オーストラリアGP) マクラーレン MP4/24 (アブダビGP) MP4/24 ディフューザー (オーストラリアGP) MP4/24 ディフューザー (アブダビGP)
    (左がオーストラリアGP、右がアブダビGP)

    さらに改善を難しくしたのが、シーズン中のテスト禁止。それにより金曜日のプラクティスでしか、新パーツのテストができなくなった。マクラーレンは、リソースをフル活用し、全チームで最多と言えるパーツを持ち込み、バック・トゥ・バック・テストまでやってのけた。

    またレッドブルなどが、ダブルディフューザーのためにギアボックスに変更を加えたのに対し、マクラーレンはギアボックスには大きく手を入れずに改善を推し進めた。ギアボックスは4戦連続使用が義務付けられているため、レースごとに変更することはできないからだ。そして、マクラーレンはシーズン中の改善を2010年マシンへの布石と捉えた。

    では、2010年の勢力図はどうなるだろう。

    去年は最終戦までタイトル争いを繰り広げマシン開発が遅れた名門チームのフェラーリとマクラーレンが2010年を見据えてシーズンを過ごした点が興味深い。

    フェラーリは7月にF60の開発を終了。2010年マシンの開発にシフトした。実際、キミ・ライコネンがF60から最大限のパフォーマンスを発揮することに時間を費やしていたのに対し、負傷したフェリペ・マッサに代わったルカ・バドエルとジャンカルロ・フィジケラという“テストドライバー”は金曜日に2010年マシンのパーツのテストを進めていた。また、マシン開発に定評のあるフェルナンド・アロンソを獲得したことも後半以降のパフォーマンスに貢献するはずだ。

    逆に今シーズン、最後までタイトルを争ったブラウンGPとレッドブルがどのようなパフォーマンスをみせるかも興味深い。

    シーズン前半は圧倒的な強さをみせたブラウンGPだが、後半だけを見てみるとタイトル争いは、セバスチャン・ベッテル vs ルイス・ハミルトンだった。2007年からダブルディフューザーを前提にマシンコンセプトを固めてきたブラウンGPが、シーズン中に後付けしたレッドブルに追い越されたのだ。

    2010年は、タイヤの使い方が大きな要素になるのは間違いない。給油禁止により燃料タンク容量が変更されることで前後重量配分へのアプローチも変わってくる。またフロントタイヤの幅が狭くなることも、マシンコンセプトに大きく影響するだろう。今シーズンは、どうしてもフロントヘビーなマシン特性となった。そのためタイヤに厳しかったレッドブルには吉と出るかもしれない。

    シーズン中に進化をとげたマクラーレンとレッドブル、シーズンを捨てて2010年に備えたフェラーリ、そしてチャンピオンを獲得したブラウンGP。2010年も興味深い1年になるのは間違いない。

  • BWWザウバー F1.09 アップグレード (F1スペインGP)

    BWWザウバー F1.09 アップグレード (F1スペインGP)

    BMWザウバーは、F1スペインGPに見た目にもはっきりと違いが表れるほどの大幅なアップグレードを投入してきた。

    開幕4戦ではマシンに変更を加えていなかったBMWザウバーだが、スペインGPには、ノーズ、フロントウィング、サイドポッド、リアウイングなどを変更したほぼBスペックとも言えるマシンを持ち込んできた。

    最も目立つ変更はノーズ形状。ノーズの先端はより高く持ち上げられ、薄く直線的な形状に変更。ノーズ下により多くの空気を取り込もうというコンセプトが見て取れる。ノーズ下に取り付けられていたディフレクターは2つに分割され、ルノーのようにブラックにカラーリングされている。

    フロントウイングには、エンドプレート付近に新たにフラップが追加された。

    BMWザウバー F1.09 ノーズ (F1スペインGP) BMWザウバー F1.09 フロントウイング (F1スペインGP) BMWザウバー F1.09 サイドポッド (F1スペインGP) BMWザウバー F1.09 俯瞰画像 (F1スペインGP)

    サイドポッドは完全に作りかえられ、ラジエーター部のKERS冷却用の出っ張りがなくなっている。今回BMWザウバーは、このパッケージとの兼ね合いからKERSを外している。

    サイドポッド前面は、これまでより深いアンダーカットが施されている。ポッドウイングの形状も改良され、幅が広く中央にはスリットが入れられ、ミラーを含めてより空力を考慮した形状になっている。

    マシンサイドから見ると、滑らかに後方に向かって落し込んだ形状に変更されており、リアの低重心化に加え、ポッド上面の気流の扱いが変更されている。リアウイングの中央部には独特なウイングレットが追加されおり、ダウンフォース向上を狙っていると思われる。

    軽量化も今回のアップグレードの主要事項とされており、上記のエアロ系の変更と併せて全体がよりスッキリとシェイプアップされた印象を受ける。

    話題のダブルディフューザーは、今回のアップグレードでは採用されておらず、導入はまだ未定とされている。

    BMWザウバー F1.09 新旧比較

    BMWザウバー F1.09 (F1スペインGP) BMWザウバー F1.09 (F1中国GP)
    左が新型、右が旧型

  • 2009年 F1マシン 実力分析 (開幕4戦編)

    2009年 F1マシン 実力分析 (開幕4戦編)

    2009年のF1は開幕4戦を終了した。昨年までチャンピオンシップを争ったフェラーリやマクラーレンが下位に沈み、ブラウンGPやレッドブルといったチームが上位に並ぶなど、F1の勢力図は大きく変化した。

    ここまでのマシンパフォーマンスは、プレシーズンでの準備があらわれたマシンの素の特性とも言える。

    ヨーロッパシーズンがスタートし、大部分のF1チームがアップデートを加える前に、各F1マシンの実力を分析してみたい。

    リードを維持することができるか?!ブラウンGP

    ブラウンGP BGP001

    テストで見せていた実力は本物だった。ブラウンGPは、開幕戦でワン・ツー・フィニッシュを飾り、4戦中3勝を挙げるなど圧倒的な強さをみせている。BGP001は、奇をてらった部分はないものの、細部まで意識が行き届いたバランスのとれたエアロマシン。高速コーナーでのダウンフォース、しなやかなに路面ショックをいなすサスペンションなど、グリッドでは別次元のマシンバランスをみせている。レギュレーションの改定により、今年はリアの挙動がパフォーマンスに大きく影響しているが、論争となったダブルディフューザーを組み込んでいるBGP001は、その点でも他のマシンから一歩抜け出している。タイヤに優しいのもBGP001の特徴。今年はタイヤマネジメントもレースにおいてより重要な要素となっているが、ジェンソン・バトン、ルーベンス・バリチェロというタイヤに優しいドライバーをそろえている点もアドバンテージに繋がっていると言える。しかし、その反面、一発の速さに欠けており、中国GPでみせたように、そのタイヤへの優しさが仇となる可能性も秘めている。また、多くのチームがヨーロッパラウンドでダブルディフューザーを含めた大幅なアップデートを投入するため、資金の薄いブラウンGPが他チームの追撃を凌げるかも残りのシーズンのポイントとなるだろう。

    ダブルディフューザー VS ノン・ダブルディフューザー

    レッドブル RB5

    開幕から論争を呼んだダブルディフューザー。しかし、ダブルディフューザーを搭載しないレッドブルが、ブラウンGPに迫るパフォーマンスをみせている。レッドブル RB5は、リアの低重心化に徹底的に焦点をあてたエアロマシン。コーナリングの立ち上がりでは抜群なトラクションを誇る。ただし、一発の速さは兼ね備えているが、その素性によりRB5はタイヤに厳しいマシンともいえる。昨年に例えれば、ブラウンGPがフェラーリで、レッドブルはマクラーレンに近いマシン特性を持っていると言えるだろう。また、レッドブルの好調はタイヤに厳しいマシンをしっかりと抑えつけるセバスチャン・ベッテルのドライビングによるところも大きいといえる。現在、レッドブルはファクトリーでダブルディフューザーの開発を進めており、シーズン後半の伸びが最も期待できるチームといえるだろう。

    トヨタ TF109

    ダブルディフュザー組で安定したパフォーマンスを見せているのがトヨタだ。TF109は、一発の速さ、ロングランともにムラのないパフォーマンスを示している。ただ、その突出した強さがない部分が上位2チームに及ばない部分とも言える。バーレーンでの慎重すぎるタイヤ戦略もチームの特徴を印象付けるものとなった。しかし、トヨタは開幕4戦で積極的に新しい開発を投入しており、大きな開発リソースが後半戦の鍵となるだろう。

    ウィリアムズ FW31

    同じダブルディフューザー組でも、苦戦を強いられているのがウィリアムズだ。金曜日のブラクティスでは優れたパフォーマンスを発揮するFW31だが、予選と決勝では影が薄くなってしまっている。一発の速さ、ロングランでの一貫性が原因と言えるだろう。タイヤのタレが早いのもFW31の弱点だろう。トヨタ、レッドブルと違い、ウィリアムズは開幕前からシーズン中のKERS搭載を見据えてマシンの開発を行っており、シーズン後半にKERSというピースがハマったときがFW31が真の実力を発揮するときかもしれない。

    苦戦が続くKERS組

    今年の目玉といえるKERSだが、搭載したチームは開幕4戦で苦戦を強いられている。先に述べたように今年はリアの挙動がパフォーマンスに大きな影響を及ぼしており、ダブルディフューザーなどリアの空力に注力したマシンに比べ、重量配分に意識をとられたKERS組のパフォーマンス不足は顕著だ。

    マクラーレン MP4-24

    特に開幕4戦では、プレシーズンテストからリアウイングやディフューザーに手を入れていたマクラーレンにその苦悩がみられた。マシンの暴れを抑えるため極端に硬くしたサスペンションにより、コーナーでフロントタイヤが浮いてしまう場面が多くみられ、昨年のチャンピオンであるルイス・ハミルトンの豪快なドライビングはすっかり影を潜めている。しかし、中国GPから新型ディフューザーを投入し、パフォーマンスは劇的に向上。Q3に進出するまで競争力を強めている。KERSはしっかりと使いこなせているため、残りのシーズンでいかにマシンを仕上げていくかが、浮上のポイントといえるだろう。

    フェラーリ F60

    フェラーリもエキゾーストがレギュレーションに違反している可能性があるとして開幕前にリアの設計のやり直しを強いられている。少なからず、パフォーマンス面の影響はあるだろう。F60は、昨年と同じく、タイヤに優しいマシンに仕上がっており、一発の速さに欠けている。また開幕4戦では、KERSを含めた信頼性、ピット戦略の緩みでも、いくつかポイントを落としており、改善が必要なのはパフォーマンスだけではない。マクラーレンが早々に手を打ってきたのに対し、ほとんど新開発を投入しなかったチームの姿勢にも不安を感じる。スペインGPでは、ダブルディフュザーを投入したBスペックマシンを投入する予定であり、そのポテンシャルがシーズン後半を占うと言っていいだろう。

    ルノー R29

    ルノーは、フェルナンド・アロンソありきの成績と言ってもいいだろう。R29のパフォーマンス不足はあきらかであるが、随所でアロンソのドライビングによって光る部分をみせている。ダブルディフューザーを投入し、KERSを外した中国GPでは、軽い燃料ではあるがフロントローを獲得している。ヨーロッパの序盤2戦ではKERSを搭載しないことを決定しており、シーズン後半に向けてのマシン開発の方向性が決め手になると思われる。

    BMWザウバー F1.09

    KERSを最も支持していたBMWザウバーが、KERSに苦しんでいるのは皮肉な話だ。背の高いロバート・クビサは、バーレーンGPで初めてKERSを搭載したが、印象的なパフォーマンスを見せることはなかった。スペインGPでは軽量化を含めた大幅なアップグレードを投入するが、KERSは搭載しないという。ただ、KERSへは依然として固執しており、KERSとエアロダイナミクスの二頭を追う状態となってしまっている。新しい開発を投入しなかったことにドライバーが不満を漏らしており、チーム全体のモチベーションが懸念される。

    カスタマーチームのどちらに軍配があがるか

    トロ・ロッソ STR4

    トロ・ロッソ STR4は、好調なパフォーマンスをみせてるレッドブル RB5と同じレッドブル・テクノロジーのシャシーを採用しているため、そのポテンシャルは侮れない。ただし、新車発表とドライバーラインナップが遅れたことによるテスト不足は否めない。ルーキーのセバスチャン・ブエミとセバスチャン・ブルデーのコンビも決して力強いとは言えない。また、開発はレッドブル・レーシングが優先されるため、そこを経験豊富な技術陣がどう補っていくかがポイントとなるだろう。

    フォース・インディア VJM02

    マクラーレン・メルセデスというパートナーを迎えたフォース・インディアだが、そのマクラーレンが低迷しており、ハズレくじを引いてしまった感は否めない。マクラーレン同様、ダウンフォースとグリップ不足に苦戦しているが、バーレーンGPではダブルディフューザーを投入し、パフォーマンスを改善させた。今後、マクラーレンのKERSを搭載していくことも明言しており、マクラーレンととも戦闘力をあげてくる可能性はある。

    今シーズンはパフォーマンスが接近しており、開発も落ち着いていないため、トロ・ロッソとフォース・インディアにもまだまだ浮上のチャンスといえるだろう。(F1-Gate.com)

  • 2009年 F1マシン 実力分析 (プレシーズン編)

    2009年 F1マシン 実力分析 (プレシーズン編)

    全10チームが参加するF1バルセロナ合同テストが終了した。プレシーズンテストは、各F1チームが異なるプログラムを実施し、燃料量も不明なため、正確な実力は判断できない。それでも、ここまでのテストの結果から各チームのF1マシンの紹介を兼ねて、各F1チームの実力を分析してみたい。

    2009年は大幅なレギュレーション変更があり、F1マシンの外観は大きく様変わりした。オーバーテイク促進を目指し、フロントウイングは低く幅広くなり、リアウイングは狭く高い形状に変更、装飾ウイングも禁止されたことで2009年のグリッドに並ぶF1マシンはバラエティに富んだものとなる。

    台風の目となるか?!ブラウンGP

    ブラウンGP BGP001

    先週のバルセロナでF1パドックを騒然とさせたのがブラウンGPだ。初テストとなるバルロナテストで、ブラウンGPのマシンBGP001は3日目と最終日にトップタイムを記録。しかも、2位以下に1秒近くの差をつける圧倒的なタイムを叩き出した。フェラーリをはじめ、予選シミュレーションを実施していたチームもあり、燃料量が問題ではないだろう。BGP001は、2009年の勝利を目指し、ホンダF1が2008年シーズンを捨ててまで開発を行った意欲作。ロス・ブラウンがはじめから開発に携わったマシンでもある。そのため、エアロ処理など随所にアドバンテージがみられる。エンジンは、土壇場でホンダエンジンからメルセデスエンジンに載せ替えとなった。しかし、バルセロナでは信頼性に問題はみられず、むしろメルセデスエンジンを得たことがプラスに働いているようだ。また、ブラウンGPはKERSを搭載しないことを選択。それにより、30kgといわれる重量をバラストとして用いることが可能。これもシーズン開始時にはアドバンテージとなるだろう。しかし、懸念点はテスト不足。スリックタイヤが復活となり2つのタイヤの特性も変わった今年は、タイヤマネジメントが重要となる。テスト開始が遅れたブラウンGPは、データ量では圧倒的に少ない。しかし、チームを率いるのはかの名称ロス・ブラウン。ロス・ブラウンの経験と采配が、シーズン中盤以降のパフォーマンスの鍵となってくるだろう。

    やはり優勝候補は、フェラーリとBMWザウバー、そしてトヨタ!

    フェラーリ F60

    ブラウンGPのサプライズはあるだろうが、やはり優勝候補はフェラーリと言えるだろう。フェラーリの新型マシンF60は、基本的に前年マシンF2008の流れをくむマシン。F2008は、セッティングのレンジが狭く、サーキットによって、タイヤの温まりやアンダーステアに問題があった。しかし、今年はそのポイントを改善してくることだろう。ドライバーは、昨年最後まで優勝を争ったフェリペ・マッサとキミ・ライコネン。マッサは昨年の経験で一回り成長することが期待されており、ライコネンもF60がフィットすれば競争力を取り戻すだろう。また、フェラーリはKERSの開発が順調に進んでおり、アドバンテージを得る可能性もある。ただし、そこには信頼性という負の要素も存在する。そこを改善し、昨年のような信頼性や些細なミスによる取りこぼしがなければ、優勝候補の筆頭といえるだろう。

    BMW F1.09

    BMWザウバーも良い仕上がりをみせている。BMWは、昨年のカナダGPのクビサの優勝以降、予定通り2009年マシンBMW F1.09にリソースをシフトさせた。シーズン終了後すぐに2009年のエアロパッケージをテストし、KERSのトラック走行も行った。他チームより2か月早いテストがアドバンテージとなっている。しかし、最もKERS導入していたBMWだが、ここにきてKERSの開発が遅れている様子。このKERSの搭載・非搭載がマシンの性能にどれくらい影響するかは未知数といえる。

    トヨタ TF109

    新車発表以来、安定したパフォーマンスを見せているのがトヨタだ。TF109はトヨタらしい堅実なエアロコンセプトを採用。テストでは、ロングランにおいてフェラーリにも並ぶペースをみせており、レース中のパフォーマンスに期待がかかる。トヨタは、早くからシーズン序盤にはKERSを使用しないことを決定し準備を進めている。ハイブリッドで豊富な経験をもつトヨタがKERSの使用を見送った点が興味深い。トヨタは、2009年の勝負の年と定めて並々ならぬ決意で挑んでいる。チーム初優勝、そしてチャンピオンシップを争う資質を今のところは備えているようにみえる。

    レッドブルとウィリアムズはトップチームに食い込めるか

    レッドブル RB5

    プライベーターであるレッドブルとウィリアムズも面白いポジションにつけている。レッドブル RB5は、鬼才エイドリアン・ニューウェイの想像力が随所にみられるエアロマシン。リアサスペンションにプルロッド式を採用し、マシンの低重心化を徹底。ドライバーにも経験豊富なマーク・ウェバーと勢いに乗っているセバスチャン・ベッテルを起用。またルノーが30馬力差といわれたエンジンの改良を認められたことも朗報といえる。それにより、コンマ2秒はアドバンテージを得られることになる。ただし、極端にコンパクト化したリアエンドの排熱性が今から懸念されているのも確か。レッドブルは信頼性の問題を解決すれば今季上位チームの仲間入りを果たすポテンシャルを秘めているといえる。

    ウィリアムズ FW31

    一方のウィリアムズも今シーズンにかける意気込みは強い。ウィリアムズも昨シーズンから今シーズンマシンFW31にリソースをシフトさせてきた。FW31は一見シンプルな構造の中に、独自のディテールが織り込まれたマシン。フェンスのような効果を生み出すサイドポッド、リアエンドへの気流をコントロールする雪かきソリューション、またドライバーコックピット両脇に立てられてスケートフィンなど、アイデアは豊富だ。また、フライホイール式のKERSも重量配分や排熱性でアドバンテージを得られる可能性がある。ただし、そのKERSの開発が遅れていることが懸念事項といえる。

    マクラーレンとルノーの実力はいかに?!

    マクラーレン MP4-24

    マクラーレンのパフォーマンス不足が問題視されている。MP4-24は序盤のテストを2008年仕様のウイングで行っていたことからリアエンドに問題を抱えているとの推測が広まっており、最近のテストではタイムシートの中団以下に沈んでいる。また、2年目のシーズンとなるルイス・ハミルトンとヘイキ・コバライネンのマシン開発能力の真価が問われる年になるともいえるだろう。昨年の優勝マシンMP4-23は、エイドリアン・ニューウェイが設計しその後のトレンドを生んだMP4-20、フェルナンド・アロンソが熟成させたMP4-22の流れを組む完成されたマシンだった。しかし、レギュレーションが改善された今年は、全く新しいマシンということになる。また、ハミルトンとコバライネンはマシンの好みが対極にあるといわれ、そこもデメリットになる可能性がある。ただし、多くの経験をもつマクラーレン。KERSの開発は順調とされており、このまま中団に沈むとは到底思えない。

    ルノー R29

    ルノーもその実力が未知数だ。ルノー R29は、テスト開始では苦しんでいたが、最近のテストでは好パフォーマンスを見せている。しかし、フロントノーズやサイドポッドなどのエアロデザインは奇抜であり、それが正解か不正解かは判断がつかない。アロンソも現段階ではトップ10がやっととの発言をしている。ただし、ルノーもKERSの開発は順調といわれており、テスト中もKERSを搭載しての走行が多い。そして、昨年末にパフォーマンスを向上させ、シンガポールGPと日本GPで優勝するという実績をみせている。2度のワールドチャンピオンの実力とマシン開発力は疑いなく、昨年のように大きく飛躍する可能性はある。

    トロ・ロッソとフォース・インディアは下位争いを脱することができるか?

    トロ・ロッソ STR4

    昨年は親チームであるレッヅブルを凌ぐパフォーマンスをみせたトロ・ロッソ。今年は開幕から新車STR4を手にいれ、昨年よりスタート地点は良い。ドライバーは2年目のセバスチャン・ブルデーとセバスチャン・ブエミの新ダブル・セバスチャン。同じシャシーを採用するレッドブル RB5が好パフォーマンスをみせているため、必然的にポテンシャルは高いと思われる。しかし、予算的には厳しい1年になることが予想され、昨年みせたようなチーム力・エンジニアリング力を見せられるかが鍵となるだろう。

    フォース・インディア VJM02

    フォース・インディア VJM02は、マクラーレン・メルセデスとの提携により、メルセデスエンジン、マクラーレンのギアボックスとKERSを採用する。エンジンとギアボックスをセットで供給されるため、チームはそれ以外の部分にリソースを集中させられるメリットがある。元来、低予算で運営されていたチームだけに、工夫されたディテールには定評のあるチーム。そのメリットをどのように生かせるかが、最下位を脱出する鍵となるだろう。

    しかし、トロ・ロッソ、フォース・インディアともに、新車の発表が遅れたことにより、テスト不足という懸念点が存在する。先にも述べたようにスリックタイヤの使い方がレースを大きく分けることが想像されるため、その差をいかに埋められるかにかかっていると思われる。

    いずれにせよ、テストでは、特にトップチームは本来のパフォーマンスを隠している可能性が大いにあり、全チームの実力はやはりオーストラリアGPの予選で明らかになるだろう。さらに復活したスリックタイヤのマネジメント、KERSの導入なども明暗を分けることになる。最初の4戦で大体のパフォーマンスを把握し、次のヨーロッパラウンドでどのような動きがあるか注目したい。(F1-Gate.com)

  • ブラウンGP BGP001

    ブラウンGP BGP001

    BRAWN GP BGP001
    ブラウンGPの2009年F1マシン「BGP001」。BGP001は、ホンダが2009年参戦にむけて開発していたRA109をベースにメルセデス製エンジン搭載版に改良されたマシン。2008年シーズンの早くから設計・開発に着手していたため、空力デザインに際立ったコンセプトが用いられている。

    ブラウンGP BGP001 主要諸元表

    シャシー構造 カーボンファイバー及びハニカム構造
    サスペンション ウィッシュボーン型、プッシュロッドトーションバー&ダンパー
    ダンバー ザックス製
    ホイール BBS製鍛造マグネシウム
    タイヤ ブリヂストン製ポテンザ
    ブレーキ ブレンボ製キャリパー、ディスク及びパッド(カーボン素材)
    ステアリング ラック&ピニオン(パワーアシスト付)、カーボンファイバーステアリングホイール
    エレクトロニクス FIA(MES製)標準コントロールユニット
    トランスミッション カーボンコンポジットメインケース、電子油圧制御7速セミオートマチック
    クラッチ カーボンプレート
       
    BGP001 フロント BGP001 サイド
       
    <ディメンション>  
    全長 4,700mm
    全高 950mm
    全幅 1800mm
       
    <エンジン主要諸元>
    エンジン名称 メルセデス・ベンツ FO108W
    排気量 2.4リッター
    気筒数 8
    最高回転数 18,000rpm(FIA 規定に則る)
    Vアングル 90°
    ピストン口径 98mm (FIA規定)
    バルブ数 32
    重量 95kg (FIA規定最低重量)
    燃料 Mobile1製無鉛(5.756%のバイオ燃料含む)
    潤滑油 Mobile1製

    関連:ブラウンGP BGP001の空力処理

  • トロ・ロッソ STR4

    トロ・ロッソ STR4

    Toro Rosso STR4 FERRARI
    トロ・ロッソの2009年F1マシン「STR4」。レッドブル・レーシングと同じくエイドリアン・ニューウェイがデザインし、レッドブル・テクノロジーが設計したシャシーを使用する。フェラーリエンジンを搭載。

    トロ・ロッソ STR4 主要諸元表

    エンジン フェラーリ・タイプ056
    シャシー コンポジット・モノコック構造
    ボディワーク素材 カーボンファイバー・コンポジット
    フロントサスペンション 上下カーボンウィッシュボーン、トーションバースプリング、アンチ・ロール・バー、ザックス製ダンパー
    リアサスペンション 上下カーボンウィッシュボーン、トーションバースプリング、アンチ・ロール・バー、ザックス製ダンパー
    ステアリング スクーデリア・トロロッソ
    ギアボックス 7速ギヤボックス
    クラッチ ザックス製トリプルプレート・プルタイプ
    KERS フェラーリ/マニエッティ・マレリ共同開発
    ブレーキ ブレンボ製キャリパー、ディスク及びパッド
    冷却システム スクーデリア・トロロッソ
    コックピット スクデリア・トロロッソ
    シートベルト ウィランズ
    ドライバーシート ドライバー体型成型カーボンファイバー製
    エキゾーストシステム スクーデリア・トロロッソ/FEV
    ホイール Advantiレーシング
    燃料 ALT
    車両重量 605kg (ドライバー、カメラ含む)
    トロ・ロッソ STR4(フロント) トロ・ロッソ STR4(サイド)
  • フォース・インディア VJM02

    フォース・インディア VJM02

    Force India VJM02
    フォース・インディアの2009年F1マシン「VJM02」。フォース・インディアとして初のフルオリジナルモデルとなるVJM02は、メルセデス製エンジン、マクラーレン製ギアボックスを搭載。ギアボックスがマクラーレンのためサスペンション周りはマクラーレンと似た構成にはなっているものの、ハイポインテッドノーズ、極端に落とし込んだポット上面など、全体的にフォース・インディアとしての個性溢れるアグレッシブなデザインが採用されている。ミラーのステーやボーダフィンなどにもフォース・インディアらしい細かな仕事ぶりがみられる。

    フォース・インディア VJM02 主要諸元表

    シャシー カーボンファイバーコンポットモノコック
    フロントサスペンション アルミニウムMMCアップライトカーボンファイバーコンポジットウィッシュボーン、トラックロッド&プッシュロッド、インボードシャシーマウントトーションスプリング、ダンパー&アンチロールバーアセンブリー
    リアサスペンション アルミニウムMMCアップライトカーボンファイバーコンポジットウィッシュボーン、トラックロッド&プッシュロッド、インボードギアボックスマウントトーションスプリング、ダンパー&アンチロールバーアセンブリー
    トランスミッション マクラーレン製
    ホイール フォース・インディア
    ダンパー ペンスキー
       
    VJM02 フロント vjm02 サイド
       
    <ディメンション>
    全長 4,900mm
    全高 950mm
    トレッド前 1,480mm
    トレッド後 1,420mm
    ホイールベース 3,200mm
    重量 605 kg (レギュレーションによる。ドライバー含む)
       
    <エンジン>
    名称 メルセデス・ベンツ FO108W
    排気量 2,400cc
    気筒数 8
    Vアングル 90度
    ピストン口径 98mm (FIA規定)
    バルブ数 32
    最高回転 18,000rpm (FIA規定)
    重量 95kg (FIA規定最低重量)

    関連:フォース・インディア VJM02の空力処理

  • レッドブル RB5

    レッドブル RB5

    RED BULL RB5 RENAULT
    レッドブルの2009年F1マシン「RB5」。デザインはエイドリアン・ニューウェイが手掛け、細いフロントノーズや流れるようなボディワークが特徴。ルノー製エンジンを搭載。

    レッドブル RB5主要諸元表

    シャシー コンポジット・モノコック構造、ルノーV8エンジン搭載(ストレスメンバー)
    トランスミッション 縦置き7速ギヤボックス
    油圧式パワーシフト及びクラッチ・オペレーション
    APレーシング社製クラッチ
    ホイール OZ Racing社製
    フロント:12.7インチ x 13インチ
    リヤ: 13.4インチ x 13インチ
    タイヤ ブリヂストン
    サスペンション アルミニウム合金製アップライト、カーボン製上下ウィッシュボーン及びプッシュロッド、トーションバー・スプリング、アンチロールバー、マルチマチック社製ダンパー
    ブレーキ ブレンボ社製キャリパー、ブレンボ社製カーボンディスク及びパッド
    電子部品 FIA(MES製)標準コントロールユニット
    燃料 トタル・グループ
    KERS ルノーF1 / マネッティ・マレリ
       
    レッドブル RB5 フロント レッドブル RB5 サイド
       
    <エンジン>  
    エンジン ルノーRS27エンジン
    シリンダー数 8
    排気量 2,400cc
    バルブ数 32
    最大回転数 18,000rpm
    シリンダーバンク角 90度
    エンジン構造 アルミ鋳造製シリンダーブロック
    エンジン・マネージメント FIA(MES製)標準コントロールユニット TAG310B
    オイル トタル・グループ
    点火装置 マニエッティ・マレリ社製
    重量 95kg (FIA最小重量)

    関連:レッドブル RB5の空力処理

  • BMWザウバー F1.09

    BMWザウバー F1.09

    BMW Sauber F1.09
    BMWの2009年マシン“F1.09”は、2004年前半にウィリアムズ FW26が装着していた“セイウチノーズ”を連想させる開口幅の広いフロントノーズが特徴的。フロントウイングには2枚のフラップを採用。サイドポッドのショルダーラインは高い位置に設定された。

    BMWザウバー F1.09 主要諸元表

    シャシー構造 カーボンファイバー・モノコック
    サスペンション アッパー&ロワ・ウイッシュボーン(フロント・リアとも)、スプリング&ダンパー内蔵、プッシュロッド付(ザックス・レース・エンジニアリング製)
    ブレーキ 6ピストン・キャリパー(ブレンボ製)、カーボン製パッド&ディスク(ブレンボ、カーボン・インダストリー製)
    トランスミッション 縦置き7速クイックシフト・ギヤボックス、カーボンファイバー製クラッチ
    KERS エレクトリックシステム BMWザウバーF1チーム
    シャシー・エレクトロニクス MES製
    ステアリング BMWザウバーF1チーム
    タイヤ ブリヂストン ポテンザ
    ホイール OZ製
       
    F1.09 フロント F1.09 サイド
       
    <ディメンション>
    全長 4,690 mm
    全幅 1,800 mm
    全高 1,000 mm
    トレッド 1,470 mm(フロント)
    1,410 mm(リア)
    総重量 605 kg (ドライバーを含む。燃料タンクは空状態)
       
    <エンジン> BWM P86/9
    型式 自然吸気V8エンジン
    バンク角 90度
    排気量 2,400 cc
    バルブ数 各シリンダー4バルブ
    バルブ駆動 圧搾空気式
    エンジンブロック アルミニウム
    シリンダーヘッド アルミニウム
    クランクシャフト スチール
    オイル・システム ドライサンプ式
    エンジン・マネージメント 標準化ECU(MES製)
    スパークプラグ NGK製
    ピストン アルミニウム
    コネクティング・ロッド チタニウム
    寸法 全長:518 mm
    全幅:555 mm
    全高:595 mm
    総重量 95 kg
    最高回転数 19,000rpm

    関連:
    BMWザウバー F1.09の空力処理
    BWWザウバー F1.09 アップグレード (F1スペインGP)