カテゴリー: F1マシン

  • 2019年 F1プレシーズンテスト:総合タイム&周回数・走行距離

    2019年 F1プレシーズンテスト:総合タイム&周回数・走行距離

    2019年のF1世界選手権にむけた8日間にわたるプレシーズンテストが終了した。

    テストの舞台となったのはF1スペインGPの舞台となるカタロニア・サーキット。前半4日間は降雪を含めた悪天候に見舞われた昨年とは異なり、今年は前半・後半とも好天に恵まれ、全体の走行距離は8774周(40842.970km)と昨年の8018周(37323.790km)を大きく上回った。

    2019年のF1世界選手権では、後続マシンの乱気流を抑えてオーバーテイクを改善することを目的にフロントウイング、リアウイング、バージボード、ブレーキダクトの重要な空力エリアに変更が加えられ、ダウンフォースが失われることで大幅なスピード低下が予想されていた。しかし、実際には昨年までの最速タイムを上回ることになり、さらにはF1スペインGPの予選で記録されたコースレコードにも迫ることになった。

    好調だったのはフェラーリ。初日から新車SF90は“オンザレール”と評される優れたパフォーマンスを発揮し、最終日にはセバスチャン・ベッテルがこれまでのプレシーズンテスト記録を更新する1分16秒221をマーク。昨年のスペインGPの予選でルイス・ハミルトンが記録したコースレコードの1分16秒173に0.048秒まで迫った。しかし、最終日にはホイールリムの故障によってセバスチャン・ベッテルがクラッシュ、3日目には冷却系のトラブルが見つかるなど、チームとしての周回数としては2番手となる997周でテストを終えた。

    フェラーリとは対照的に最初の7日間はロングランに焦点を当てたプログラムを消化していた不気味がられていたメルセデスだが、最終日にそのパフォーマンスを解放。ルイス・ハミルトンがセバスチャン・ベッテルから0.003秒差となる1分16秒221をマーク。第2週のテストでは新車W10に早くも大幅な空力アップデートを投入。第2週の初日には油圧系のトラブルに見舞われたものの、ルイス・ハミルトンが638周、バルテリ・ボッタスが552周と走行距離では1-2を達成。チームとしても走行距離では1位となる1190周を走り込んでおり、堅実な信頼性を築いたことでシーズンにわたって安定した進歩が予想される。

    ルノーもまずまずのポテンシャルを示した。ニコ・ヒュルケンベルグがフェラーリとメルセデスに次ぐ1分16秒843を記録。昨年はシャシーとパワーユニットの両方で期待通りのパフォーマンスを示せなかったルノーだが、今季は両方を新設計。信頼性でも3位となる961周を走り込んで、改善を示した。

    トロロッソ・ホンダは、今回のテストのサプライズかもしれない。ルーキーのアレクサンダー・アルボンがニコ・ヒュルケンベルグから0.039秒差、ダニール・クビアトが0.055秒差というパフォーマンスを示し、“ベスト・オブ・ザ・レスト”争いを予感させるポテンシャルを示した。走行距離でも3位のルノーと26周差の4位につけており、STR14はパフォーマンスと信頼性の両方で堅実なテストとなった。

    マクラーレンも近年のなかでは最も有望な冬季テストを過ごした。カルロス・サインツがダニール・クビアトから0.015秒差となる1分16秒913を記録。テストでのラップタイムは参考にならないかもしれないいが、1分16秒台に入れることができたのはマクラーレンまで。決してポテンシャルが低くはないことを示した。

    最も残念だったのがレッドブル・ホンダ。パフォーマンスではフェラーリ、メルセデスに次ぐ3番手に位置していると予想されつつも、3日目にピエール・ガスリーが不用意なミスで大クラッシュ。最終日に旧仕様パーツを混ぜてマシンを組み立てたがギアボックストラブルが発生。マックス・フェルスタッペンがアタックラップを走ることができず、ポテンシャルがわからないまま開幕戦を迎えることになった。周回数も全チームで8位。その後ろにはレーシングポイントとウィリアムズしかいない。

    その影響もあり、ホンダはエンジンメーカーの中で最も少ない周回数となる1768周でテストを終えた。しかし、ホンダのF1エンジンのトラブルではなく、トロロッソが示したように逆に信頼性とパフォーマンスは大きなステップを果たしている。

    次に全てのマシンが揃って走るのは、2週間後に迫ったオーストラリア・メルボルンでの開幕戦になる。

    2019年 F1プレシーズンテスト 総合タイム

    順位 ドライバー チーム Day ベストタイム タイヤ
    1 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 4 1分16秒221 C5
    2 ルイス・ハミルトン メルセデス 4 1分16秒224 C5
    3 シャルル・ルクレール フェラーリ 3 1分16秒231 C5
    4 バルテリ・ボッタス メルセデス 4 1分16秒561 C5
    5 ニコ・ヒュルケンベルグ ルノー 4 1分16秒843 C5
    6 アレクサンダー・アルボン トロロッソ 3 1分16秒882 C5
    7 ダニール・クビアト トロロッソ 4 1分16秒898 C5
    8 カルロス・サインツ マクラーレン 4 1分16秒913 C5
    9 ロマン・グロージャン ハース 4 1分17秒076 C5
    10 ランド・ノリス マクラーレン 3 1分17秒084 C5
    11 ピエール・ガスリー レッドブル 3 1分17秒091 C5
    12 ダニエル・リカルド ルノー 4 1分17秒114 C5
    13 キミ・ライコネン アルファロメオ 4 1分17秒239 C5
    14 ランス・ストロール レーシングポイント 3 1分17秒556 C5
    15 ケビン・マグヌッセン ハース 4 1分17秒565 C5
    16 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ 3 1分17秒639 C5
    17 マックス・フェルスタッペン レッドブル 4 1分17秒709 C3
    18 セルジオ・ペレス レーシングポイント 4 1分17秒791 C5
    19 ジョジ・ラッセル ウィリアムズ 3 1分18秒130 C5
    20 ロバート・クビサ ウィリアムズ 4 1分18秒993 C5

    ドライバー別 周回数&走行距離

    順位 ドライバー チーム 周回数 距離
    1 ルイス・ハミルトン メルセデス 638 2969.890km
    2 バルテリ・ボッタス メルセデス 552 2569.560km
    3 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 534 2485.770km
    4 ニコ・ヒュルケンベルグ ルノー 509 2369.395km
    5 キミ・ライコネン アルファロメオ 497 2313.535km
    6 アレクサンダー・アルボン トロロッソ 489 2276.295km
    7 カルロス・サインツ マクラーレン 473 2201.815km
    8 シャルル・ルクレール フェラーリ 463 2155.265km
    9 ダニエル・リカルド ルノー 452 2104.060km
    10 ダニール・クビアト トロロロッソ 446 2076.130km
    11 ピエール・ガスリー レッドブル 439 2043.545km
    12 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ 425 1978.375km
    13 ロマン・グロージャン ハース 407 1894.585km
    14 ケビン・マグヌッセン ハース 403 1875.965km
    15 ランド・ノリス マクラーレン 400 1862.000km
    16 マックス・フェルスタッペン レッドブル 394 1834.070km
    17 ランド・ノリス レーシングポイント 336 1564.080km
    18 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ 299 1391.845km
    19 セルジオ・ペレス レーシングポイント 289 1345.295km
    20 ロバート・クビサ ウィリアムズ 268 1247.540km
    21 ピエトロ・フィッティパルディ ハース 61 283.955km

    マシン別 周回数&走行距離

    順位 チーム マシン 周回数 走行距離
    1 メルセデス W10 1190 5539.450km
    2 フェラーリ SF90 997 4641.035km
    3 ルノー R.S.19 961 4473.455km
    4 トロロッソ STR14 935 4352.425km
    5 アルファロメオ C38 922 4291.910km
    6 マクラーレン MCL34 873 4063.815km
    7 ハース VF-19 871 4054.505km
    8 レッドブル RB15 833 3877.615km
    9 レーシングポイント RP19 625 2909.375km
    10 ウィリアムズ FW42 567 2639.385km

    エンジン別 周回数&走行距離

    順位 メーカー エンジン 周回数 走行距離
    1 フェラーリ 064 2790 12987.450km
    2 メルセデス M10 EQ Power+ 2383 11092.865km
    3 ルノー E-Tech 19 1834 8537.270km
    4 ホンダ RA619H 1768 8230.040km
  • 2019年 F1バルセロナテスト2回目:総合タイム&周回数・走行距離

    2019年 F1バルセロナテスト2回目:総合タイム&周回数・走行距離

    2019年のF1世界選手権に向けた2回目のF1プレシーズンテストとなる4日間のバルセロナテストが終了した。

    2月26日(火)から3月1日(金)の4日間にわたってスペイン・バルセロナのカタロニア・サーキットで行われた1回目のバルセロナテストは、悪天候が続いた昨年のバルセロナテストとは対照的に全日程で好天に恵まれた。

    2回目のF1プレシーズンテストは、信頼性を重視した1回目とは異なり、各チームが開幕戦オーストラリアGPに向けてパフォーマンスを重視してセットアップ作業を進め、残念ながら最終日にギアボックス問題に見舞われたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を除いた全員がピレリの最も柔らかいC5タイヤでベストタイムを記録した。

    トップタイムを記録したのはフェラーリのセバスチャン・ベッテル。これまでのプレシーズンテスト記録を更新する1分16秒221をマーク。昨年のスペインGPの予選でルイス・ハミルトンが記録したコースレコードの1分16秒173に0.048秒まで迫った。しかし、最終日にはホイールリムの故障によってセバスチャン・ベッテルがクラッシュ、3日目には冷却系のトラブルが見つかるなど、周回数としては9番手となる339周で走行を終えている。

    2番手タイムを記録したのはメルセデスのルイス・ハミルトン。3日目までロングランを重視していたメルセデスだが、最終日にようやくパフォーマンスランを実施。フェラーリとの大きなパフォーマンス差を囁かれていたメルセデスだが、初日から大量の空力アップデートを投入し、W10が十分に戦えるポテンシャルを秘めていることを示した。初日には油圧系のトラブルに見舞われたものの、全チームで最多の580周を走行して信頼性の高さも示している。

    ルノーもまずまずのポテンシャルを示した。ニコ・ヒュルケンベルグがフェラーリとメルセデスに次ぐ1分16秒843を記録。昨年はシャシーとパワーユニットの両方で期待通りのパフォーマンスを示せなかったルノーだが、今季は両方を新設計。信頼性でもメルセデスに次ぐ528周を走り込んで、改善を示した。

    トロロッソ・ホンダは、今回のテストのサプライズかもしれない。ルーキーのアレクサンダー・アルボンがニコ・ヒュルケンベルグから0.039秒差、ダニール・クビアトが0.055秒差というパフォーマンスを示し、“ベスト・オブ・ザ・レスト”争いを予感させるポテンシャルを示した。

    マクラーレンも近年のなかでは最も有望な冬季テストを過ごした。カルロス・サインツがダニール・クビアトから0.015秒差となる1分16秒913を記録。テストでのラップタイムは参考にならないかもしれないいが、1分16秒台に入れることができたのはマクラーレンまで。決してポテンシャルが低くはないことを示した。

    最も残念だったのがレッドブル・ホンダ。フェラーリ、メルセデスに次ぐ3番手に位置していると予想されつつも、3日目にピエール・ガスリーが不用意なミスで大クラッシュ。最終日に旧仕様パーツを混ぜてマシンを組み立てたがギアボックストラブルが発生。マックス・フェルスタッペンがアタックラップを走ることができず、ポテンシャルがわからないまま開幕戦を迎えることになった。

    2019年 F1バルセロナテスト2回目 総合タイム

    順位 ドライバー チーム Day ベストタイム タイヤ
    1 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 4 1分16秒221 C5
    2 ルイス・ハミルトン メルセデス 4 1分16秒224 C5
    3 シャルル・ルクレール フェラーリ 3 1分16秒231 C5
    4 バルテリ・ボッタス メルセデス 4 1分16秒561 C5
    5 ニコ・ヒュルケンベルグ ルノー 4 1分16秒843 C5
    6 アレクサンダー・アルボン トロロッソ 3 1分16秒882 C5
    7 ダニール・クビアト トロロッソ 4 1分16秒898 C5
    8 カルロス・サインツ マクラーレン 4 1分16秒913 C5
    9 ロマン・グロージャン ハース 4 1分17秒076 C5
    10 ランド・ノリス マクラーレン 3 1分17秒084 C5
    11 ピエール・ガスリー レッドブル 3 1分17秒091 C5
    12 ダニエル・リカルド ルノー 4 1分17秒114 C5
    13 キミ・ライコネン アルファロメオ 4 1分17秒239 C5
    14 ランス・ストロール レーシングポイント 3 1分17秒556 C5
    15 ケビン・マグヌッセン ハース 4 1分17秒565 C5
    16 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ 3 1分17秒639 C5
    17 マックス・フェルスタッペン レッドブル 4 1分17秒709 C3
    18 セルジオ・ペレス レーシングポイント 4 1分17秒791 C5
    19 ジョジ・ラッセル ウィリアムズ 3 1分18秒130 C5
    20 ロバート・クビサ ウィリアムズ 4 1分18秒993 C5

    ドライバー別 周回数&走行距離

    順位 ドライバー チーム 周回数 距離
    1 ルイス・ハミルトン メルセデス 331 1540.805km
    2 ケビン・マグヌッセン ハース 278 1294.090km
    3 ダニエル・リカルド ルノー 266 1238.230km
    4 カルロス・サインツ マクラーレン 264 1228.920km
    5 ニコ・ヒュルケンベルグ ルノー 262 1219.610km
    6 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ 259 1205.645km
    7 バルテリ・ボッタス メルセデス 249 1159.095km
    8 キミ・ライコネン アルファロメオ 245 1140.475km
    9 ダニール・クビアト トロロッソ 232 1079.960km
    10 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 231 1075.305km
    11 アレクサンダー・アルボン トロロッソ 221 1028.755km
    12 ロバート・クビサ ウィリアムズ 220 1024.100km
    13 ロマン・グロージャン ハース 209 972.895km
    14 ピエール・ガスリー レッドブル 201 935.655km
    15 セルジオ・ペレス レーシングポイント 192 893.760km
    16 ランス・ストロール レーシングポイント 185 861.175km
    17 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ 170 791.350km
    18 シャルル・ルクレール フェラーリ 168 782.040km
    19 ランド・ノリス マクラーレン 164 763.420km
    20 マックス・フェルスタッペン レッドブル 157 730.835km

    マシン別 周回数&走行距離

    順位 チーム マシン 周回数 走行距離
    1 メルセデス W10 580 2699.900km
    2 ルノー R.S.19 528 2457.840km
    3 ハース VF-19 487 2266.985km
    4 ウィリアムズ FW42 479 2229.745km
    5 トロロッソ STR14 453 2108.715km
    6 マクラーレン MCL34 428 1992.340km
    7 アルファロメオ C38 415 1931.825km
    8 レッドブル RB15 358 1666.490km
    9 フェラーリ SF90 339 1578.045km
    10 レーシングポイント RP19 337 1568.735km

    エンジン別 周回数&走行距離

    順位 メーカー エンジン 周回数 走行距離
    1 メルセデス M10 EQ Power+ 1396 6498.380km
    2 フェラーリ 064 1241 5776.855km
    3 ルノー E-Tech 19 956 4450.180km
    4 ホンダ RA619H 811 3775.205km
  • アルファロメオ・レーシング、Sダクト周りにフィンを追加

    アルファロメオ・レーシング、Sダクト周りにフィンを追加

    アルファロメオ・レーシングは、F1バルセロナテスト2でC38のモノコック上面に追加のフィンをテストしている。

    Sダクトの出口の両側に4つの垂直なフィンが備えられ、フロントサスペンションのアッパーエレメントをカバーするバネルに装着されている。このフィンは、Sダクトから排出される空気を直接マシンの外側に向けることに役立つと考えられる。

    まだ、この実験段階のためかパネルはモノコックには完全にフィットしておらず、段差になっているためノーズコーンの気流に悪影響を与える形で搭載されているが、今後、効率性を向上させていくと思われる。

    また、アルファロメオ・レーシング C38は、ステアリングアームとフロントサスペンションが独立していることも特徴だ。大部分のチームがフロントウィッシュボーンの下側、もしくはウィッシュボーンのカバーないに取り付けている。明確な理由は明らかではないが、空力的な理由、もしくはモノコック内のパッケージングに関連した措置だと思われる。

  • 2019年F1マシン | 各チームのフロントウイングへのアプローチ

    2019年F1マシン | 各チームのフロントウイングへのアプローチ

    2019年のF1世界選手権でオーバーテイクを改善することを目的として空力レギュレーションを変更。その影響は各チームのF1マシンのフロントウイングへのアプローチに大きな違いをもたらしている。

    2019年のF1世界選手権では、後続マシンへの乱気流を低減してオーバーテイクを促すために新しい空力レギュレーションを導入。フロントウイング、リアウイング、ブレーキダクト、バージボードといった重要な空力エリアに変更が加えられた。

    フロントウイングは幅が1800mmから2000mmに拡大し、デザインを単純化。カスケード・フラップなどを禁止とし、エンドプレートを単純化することで最適なダウンフォースを得るためにフロントウイングから空気をタイヤの外側に流す“アウトウォッシュ”効果を抑え、乱気流の発生を抑えることで後続マシンが近づきやすくなることが狙いだ。

    フロントウイングを設計するときは常にふたつの課題がある。1つは可能な限りベストな方法でフロントタイヤの周囲に気流を導くためにフロントウイングを利用すること。もう1つはウイングそのもから直接ダウンフォースを生成することにある。新レギュレーションではこのトーレドオフのポイントが変更された。

    ウイングの幅が両端で100mmずと広くなったことでタイヤの高さに近づき、チームは気流をタイヤの周囲に導く複数エレメントのエンドプレートの禁止を克服することができた。しかし、気流をそのように導くためには、ウイングの形状を変更する必要があった。

    2019年F1マシンのフロントウイングは、大きく“ダウンフォース生成型”メルセデス/レッドブルと“気流重視型”のアルファロメオとフェラーりの2つに分けられる。メルセデス/レッドブルはそれぞれマシンから最も遠い場所で最大限の高さを利用しているが、アルファロメオ/フェラーリはタイヤ前のスペースを開けるためウイングを細くしている。

    アルファロメオ・レーシング C38アルファロメオ・レーシング C38
    アルファロメオ C38は、フロントタイヤのすぐ前のエレメント面積を最小限にした最も極端な例だ。フラップアジャスターの外側(気流の方向を決めるために外側を向いている)は、エレメントが劇的に下降しており、タイヤのすぐ前が広く空いている。これは気流をタイヤの周囲に導く簡単な方法だが、ダウンフォースを生成するウイングのフラップエリアが減少する。

    フェラーリ SF90フェラーリ SF90
    フェラーリ SF90は、アルファロメオのコンセプトよりも極端ではないバージョンとなる。5枚のエレメントが中立セクションから高くなり、ウイングの外側に向かって下降している。ウイングの底面は外側が上向きになっており、その下で大きな“のど”をつくり、気流をタイヤの周囲に導いている。アッパーエレンメントは下降し、規定されている最大高よりも低い位置でその上向きのカーブと合流している。

    トロロッソ・ホンダ STR14トロロッソ・ホンダ STR14
    トロロッソ・ホンダ STR14は、レッドブル・レーシングとは反対のアプローチを採用し、アルファロメオ/フェラーリのような幾何学的形状。最大高を利用しているのは内側の端だけで、エレメントはタイヤ前方の外側に向かって下降している。エレメント自体より洗練されたフェラーリほど極端な起伏がない。

    レーシングポイント RP19レーシングポイント RP19
    レーシングポイント RP1のフロントウイングは、ちょうど中間的なコンセプトを採用。アッパエレメントはかなり緩やかに下降し、その加わりにウイングの底面は上向きになり、その下で大きな“のど”を作っている。

    マクラーレン MCL34マクラーレン MCL34
    マクラーレン MCL34も中間的なコンセプト。エレメントは中立セクションから急上昇しており、レーシングポイントよりもアグレッシブ。ウイング底面はより明確に外側に向かって上昇。フラップアジャスターの内側のエレメントは外側よりも高く、段差状になっている。

    ルノー R.S.19ルノー R.S.19
    ルノー R.S.19のウイングエレメントは翼端板に非常に緩やかに束ねられている。ウイング底面の“のど”部分も非常に穏やかだ。高さはフェラーリより高く、メルセデスより低い。

    ハース VF-19ハース VF-19
    ハース VF-19は、フェラーリの風洞で空力学者によって考案されているが、フェラーリ SF90とは逆のコンセプトを採用している。メルセデスの形状に近く、アッパーアレメントはほぼ平行。代わりにウイング底面を上昇し、ウイングエリアを最大化させているが、アウトウォッシュ効果は少なくなる。

    ウィリアムズ FW42ウィリアムズ FW42
    ウィリアムズ FW42のウイングエレメントはタイヤ前の最大高を使用しており、2枚の均整のとれたアッパーエレメントが3枚の細いロワーエレメントと合流している。底面の上昇もかなり穏やか。パワフルな乱気流を作りだすために高い位置でエンドプレートに接合されている。

    レッドブル RB15レッドブル RB15
    レッドブル RB15は、比較的大きなエレメントを採用。外側は最大高だが、内側は大きく下降している形状。タイヤ前はフラップアジャスターで仕切られているが、外側は上昇しており、マクラーレンとは逆のアプローチ。ウイング底面は非常に穏やかな形状をしている。

    メルセデス W10メルセデス W10
    メルセデス W10は、内側から外側に向かって一様に上昇する形状。タイヤ前の高さも最大だ。だが、ウイング底面の外側への上昇はもっとも顕著で大きな“のど”領域を作り出している。エンドプレートの上部はわずかに内側に配置されており、エレメントと連動してアウトウォッショの乱気流を作り出そうとしている。

  • フェラーリ、メルセデス型の“スキャロップ”ホイールリムをテスト

    フェラーリ、メルセデス型の“スキャロップ”ホイールリムをテスト

    フェラーリは、先週のF1バルセロナテストで、昨年メルセデスが採用して論争となったリアホイールのアッセンブリーからインスピレーションを得た新しいデザインのホイールリムをテストした。

    フェラーリはテスト2日目にこの新しいホイールをテスト。新しいホイールリムにはホイール内の温度をコントロールすることを目的とした多くの隆起が備えられている。

    これらはタイヤからの熱を逃がしてラバー内の熱分布を均一に保つこで、リアタイヤのデグラセーションを抑える効果があると考えられている。

    昨年、タイヤマネジメントに複数の問題を抱えたメルセデスは、F1ベルギーGPでこの“スキャロップ”リムを投入。それ以降の残りのレースでも継続して使用し、チームが6勝を挙げる助けとなった。

    フェラーリは同様の措置によって、高温で発生するタイヤ磨耗とブリスターを管理することを目的としてリアタイヤの熱を放出するためにこのホイールをテストしたと考えられている。

    メルセデスのデザインと比較して、フェラーリのホイールリムは熱管理の効果を拡大するために隆起したセクションの数が多くなっている。

    マクラーレンも類似したホイールデザインを採用。マクラーレンのものはタイヤへの熱電とを最小限に抑えるためにブラックの保温ペイントが施されていた。

    昨年、メルセデスが採用したホイールは、ブレーキアッセンブリーからの熱の伝達をさらに最小限に抑えて冷却させるためにスペーサーにいくつも小さな穴をあけられていたが、フェラーリとマクラーレンがそこまでコピーしているかは現状では判明していない。

  • 2019年 F1バルセロナテスト1回目:総合タイム&周回数・走行距離

    2019年 F1バルセロナテスト1回目:総合タイム&周回数・走行距離

    2019年のF1世界選手権に向けた最初のF1プレシーズンテストとなる1回目のバルセロナテストが終了した。

    2月18日(月)から2月21日(木)の4日間にわたってスペイン・バルセロナのカタロニア・サーキットで行われた1回目のバルセロナテストは、降雪などを記録し悪天候が続いた昨年のバルセロナテストとは対照的に全日程で好天に恵まれた。

    1回目のプレシーズンテストはパフォーマンスよりも信頼性を築き上げることが鍵となってくる。今年もF1カレンダーは21戦で開催され、ドライバーが年間に使用できるF1エンジン、ターボチャージャー、MGU-Hは3基までとなり、MGU-K、コントロールエレクトロニクス、エネルギーストアは年間2基となる。

    最も多くの周回数を走行したのはメルセデス W10。ルイス・ハミルトンが全ドライバーで最多の307周を走破。バルテリ・ボッタスも303周を走り、合計で610周を走り込んだ。

    2番手にはフェラーリ、3番手にはアルファロメオ、そして、ホンダ勢はトロロソが4番手、レッドブル・レーシングが5番手に続いている。

    エンジン別ではホンダが2015年のF1復帰以降、最も多くの周回数を走行。レッドブル・レーシングとトロロッソへの2チーム供給となったことでルノーよりも多くの周回数を走行。メルセデスのカスタマーのレーシングポイントがトラブルに見舞われ、ウィリアムズが1.5日しか走行しなかったこともあるが、3チーム供給のメルセデスさえも上回った。

    4日間の走行トップタイムを記録したのはルノーのニコ・ヒュルケンベルグ。ピレリの最も軟らかいC5タイヤで1分17秒393をマーク。昨年のポールタイム(1分16秒173)に1.220秒差まで迫った。

    しかし、ピレリは各タイヤコンパウンド間に0.6秒のパフォーマンス差があることを発表しており、均等にコンパウンド間に0.6秒の優劣をつけると以下のようなタイム順となる。

    1.シャルル・ルクレール(フェラーリ) – 1分16秒846 (C3 -1.2秒)
    2.セバスチャン・ベッテル(フェラーリ) – 1分16秒961 (C3 -1.2秒)
    3.ロマン・グロージャン(ハース) – 1分17秒363 (C3 -1.2秒)
    4.ルイス・ハミルトン(メルセデス) – 1分17秒377 (C4 -0.6秒)
    5.ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー) – 1分17秒393 (C5)
    6.ケビン・マグヌッセン(ハース) – 1分17秒520 (C3 -1.2秒)
    7.ピエール・ガスリー (レッドブル) – 1分17秒580 (C3 -1.2秒)
    8.マックス・フェルスタッペン(レッドブル) – 1分17秒587 (C3 -1.2秒)
    9.アレクサンダー・アルボン(トッロッソ) – 1分17秒637 (C5)
    10.ダニール・クビアト(トッロッソ) – 1分17秒704 (C5)

    あくまで仮定の数字に過ぎないが、フェラーリが頭一つ抜き出ている。またタイムシートでは15番手だったレッドブルのピエール・ガスリーとメルセデスのルイス・ハミルトンとの差は0.203秒と十分に戦えるレベルであることもわかる。

    また、ハース、ルノー、トロロッソがコンマ5秒以内に位置しており、昨年同様に“ベスト・オブ・ザ・レスト”を戦いは非常に激しいものになると予想されている。

    ただし、各エンジンメーカーともにエンジンのパワーをフルには発揮しておらず、まだまだそのポテンシャルは測れない。

    第2回目のプレシーズンテストは2月26日(火)から3月1日(金)までの4日間、今回と同じスペイン・バルセロナのカタルニア・サーキットで行われる。各チームとも1回目のデータを踏まえ、エンジンもよりパワフルなモードを走らせることになり、開幕戦にむけて本格的にパフォーマンスを煮詰めるテストとなるため、より勢力図がはっきりしていくるだろう。

    2019年 F1バルセロナテスト1回目 総合タイム

    順位 ドライバー チーム Day ベストタイム タイヤ
    1 ニコ・ヒュルケンベルグ ルノー 4 1分17秒393 C5
    2 アレクサンダー・アルボン トロロッソ 4 1分17秒637 C5
    3 ダニール・クビアト トロロッソ 3 1分17秒704 C5
    4 キミ・ライコネン アルファロメオ 3 1分17秒762 C5
    5 ダニエル・リカルド ルノー 4 1分17秒785 C5
    6 バルテリ・ボッタス メルセデス 4 1分17秒857 C5
    7 ルイス・ハミルトン メルセデス 4 1分17秒977 C4
    8 シャルル・ルクレール フェラーリ 4 1分18秒046 C3
    9 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 1 1分18秒161 C3
    10 ランド・ノリス マクラーレン 4 1分18秒431 C4
    11 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ 4 1分18秒511 C3
    12 カルロス・サインツ マクラーレン 1 1分18秒558 C4
    13 ロマン・グロージャン ハース 4 1分18秒563 C3
    14 ケビン・マグヌッセン ハース 4 1分18秒720 C3
    15 ピエール・ガスリー レッドブル 4 1分18秒780 C3
    16 マックス・フェルスタッペン レッドブル 3 1分18秒787 C3
    17 ピエトロ・フィッティパルディ レッドブル 3 1分19秒249 C4
    18 ランス・ストロール レーシングポイント 4 1分19秒664 C2
    19 セルジオ・ペレス レーシングポイント 1 1分19秒944 C3
    20 ジョジ・ラッセル ウィリアムズ 4 1分20秒997 C3
    21 ロバート・クビサ ウィリアムズ 4 1分21秒542 C2

    ドライバー別 周回数&走行距離

    順位 ドライバー チーム 周回数 距離
    1 ルイス・ハミルトン メルセデス 307 1429.085km
    2 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 303 1410.465km
    3 バルテリ・ボッタス メルセデス 303 1410.465km
    4 シャルル・ルクレール フェラーリ 295 1373.225km
    5 アレクサンダー・アルボン トロロッソ 268 1247.540km
    6 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ 255 1187.025km
    7 キミ・ライコネン アルファロメオ 252 1173.060km
    8 ニコ・ヒュルケンベルグ ルノー 247 1149.785km
    9 ピエール・ガスリー レッドブル 238 1107.890km
    10 マックス・フェルスタッペン レッドブル 237 1103.235km
    11 ランド・ノリス マクラーレン 236 1098.580km
    12 ダニール・クビアト トロロッソ 214 996.170km
    13 カルロス・サインツ マクラーレン 209 972.895km
    14 ロマン・グロージャン ハース 198 921.690km
    15 ダニエル・リカルド ルノー 186 865.830km
    16 ランス・ストロール レーシングポイント 151 702.905km
    17 ケビン・マグヌッセン ハース 125 581.875km
    18 セルジオ・ペレス レーシングポイント 97 451.535km
    19 ピエトロ・フィッティパルディ ハース 61 283.955km
    20 ロバート・クビサ ウィリアムズ 48 223.440km
    21 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ 40 186.200km

    マシン別 周回数&走行距離

    順位 チーム マシン 周回数 走行距離
    1 メルセデス W10 610 2839.550km
    2 フェラーリ SF90 598 2783.690km
    3 アルファロメオ C38 507 2360.085km
    4 トロロッソ STR14 482 2243.710km
    5 レッドブル RB15 475 2211.125km
    6 マクラーレン MCL34 445 2071.475km
    7 ルノー R.S.19 433 2015.615km
    8 ハース VF-19 384 1787.520km
    9 レーシングポイント RP19 248 1154.440km
    10 ウィリアムズ FW42 88 409.640km

    エンジン別 周回数&走行距離

    順位 メーカー エンジン 周回数 走行距離
    1 フェラーリ 064 1489 6931.295km
    2 ホンダ RA619H 957 4454.835km
    3 メルセデス M10 EQ Power+ 946 4403.630km
    4 ルノー E-Tech 19 878 4087.090km
  • 2019年F1マシン、空力レギュレーション変更にも関わらず高速化

    2019年F1マシン、空力レギュレーション変更にも関わらず高速化

    F1の技術チーフたちは、2019年F1マシンが昨年よりも速くなると予測している。

    F1は2019年のF1世界選手権に向けて空力レギュレーションを変更。後続マシンへの乱気流を減少させ、オーバーテイクを増加させることを目的に、フロントウイング、リアウイング、ブレーキダクト、バージボードといった空力パーツを簡素化させた。

    当初、F1チームは2018年よりも1周あたりのスピードが最大2秒遅くなると予想していた。

    フェラーリのF1チーム代表を務めるマッティア・ビノットは、2019年F1マシン『SF90』の発売時に「風洞で最初にテストした際、我々は1周あたり1.5秒の影響があると予測した。それが我々が弾き出した数値だ」と語っていた。

    しかし、今週行われたF1プレシーズンテストでは、2019年F1マシンはすでに12か月前に匹敵するラップタイムを生み出しており、スピードの後退は見られなかった。

    4日間の総合トップタイムとなったニコ・ヒュルケンベルグの1分17秒393秒は、セバスチャン・ベッテルが2018年の最終テストで記録した1分17秒182からわずか0.211秒差でしかない。

    しかし、2018年の1回目のバルセロナでの最速タイムはルイス・ハミルトンが1分19秒333であり、1回目のテストでのタイムを比較すれば、違いは特に劇的に見える。

    今年のラップタイムは、昨年よりも良好な気象条件と路面が改善されて速くなったことも一因ではあるが、チームが予想されたていたダウンフォースの喪失を回復することに成功したことはほぼ間違いない。

    ルノーF1チームのテクニカルディレクターを務めるニック・チェスターは、来週のテストではタイムがさらに改善すると予想していたおり、2018年のタイムを上回るのは間違いないと考えている。

    「テストの終わりまでには、クルマは去年のこの時期よりも大幅に速くなっているだろう。おそらく2018年の終わりより少し速くなるだろうと考えている」とニック・チェスターはコメント。

    「2019年の終わりまでにかなり速くなっているだろう。

    トロロッソのテクニカルディレクターを務めるジョディ・エギントンは、当初の見積もりは悲観的だったが、F1エンジニアの損失回復傾向は決して過小評価されるべきではなかったと語る。

    「F1エンジニアは、課題を克服するのが得意です」とジョディ・エギントンはコメント。

    「キーポイントは、人々がラップタイムのデルタについて話していたとき、私はそれが少しわけのわからないことになっていると思った」

    「新しい規制に合わせて構成されたクルマを風洞に入れた最初の瞬間、我々は多くの負荷、多くの空力バランスを失ったし、我々のエアロマップの形は望んでいたものではなかった」

    「それは多くのチームにとって似通っていただろう」

    「それでできるだけ早くそれを回復することに取り組むようになる。我々の場合、機会を見つけるために常に学んでいる。我々はそれを生かしているし、歴史上、チームは大きな損失を迅速に回復し、潜在的により制限された規制の範囲内でさえも機会を見つけることに素晴らしく優れていることを証明してきた」

    「その点で言えば、エンジニアリング的な良い挑戦だ。開幕戦でどのような展開になるか見てみよう」

    2019年 F1バルセロナテスト1回目 各ドライバーの最速タイム&使用タイヤ
    2019年 F1バルセロナテスト1回目 各ドライバーの最速タイム&使用タイヤ

  • 2019年F1マシン 走行画像 | 画像ギャラリー

    2019年F1マシン 走行画像 | 画像ギャラリー

    2019年のF1プレシーズンテストが2月18日(月)にスペイン・バルセロナのカタロニア・サーキットでスタート。ウィリアムズを除く9チームが2019年F1マシンでテストを行っている。

    現時間9時にテストセッションがスタート。マシン完成が遅れているウィリアムズを除いた9チームが新車でのテストを開始。2時間が経過した時点でセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がトップタイムを記録している。

    開始1時間ではガレージでマシンを調整していたレッドブル・ホンダも本格的な走行をスタート。マックス・フェルスタッペンが9周を走行して1分21秒8088をマークしている。

    メルセデス W10

    フェラーリ SF90

    レッドブル・ホンダ RB15

    マクラーレン MCL34

    ルノー R.S.19

    トロロッソ・ホンダ STR14

    アルファロメオ・レーシング C38

    レーシングポイント RP19

    ハース VF-19

    2019年 F1 バルセロナテスト 1日目(2時間経過時点)

    Pos ドライバー チーム マシン タイム 周回
    1 セバチャン・ベッテル フェラーリ SF90 1分20秒920 26
    2 キミ・ライコネン アルファロメオ C38 1分20秒945 21
    3 カルロス・サインツ マクラーレン MCL34 1分21秒420 25
    4 ロマン・グロージャン ハース VF-19 1分21秒500 12
    5 マックス・フェルスタッペン レッドブル RB15 1分21秒808 9
    6 セルジオ・ペレス レーシングポイント RP19 1分21秒850 6
    7 バルテリ・ボッタス メルセデス W10 1分22秒637 23
    8 ダニール・クビアト トロロッソ STR14 1分22秒985 12
    9 ニコ・ヒュルケンベルグ ルノー R.S.19 1分23秒665 17
  • 2019年のF1マシンは“への字”型フロントウイングがトレンド?

    2019年のF1マシンは“への字”型フロントウイングがトレンド?

    2019年のF1マシンは、“への字”型のフロントウイングが新たなトレンドになりそうだ。

    2019年のF1世界選手権では、後続マシンへの乱気流を低減してオーバーテイクを促すために新しい空力レギュレーションを導入。フロントウイング、リアウイング、ブレーキダクト、バージボードといった重要な空力エリアに変更が加えられた。

    フロントウイングは幅が1800mmから2000mmに拡大し、デザインを単純化。カスケード・フラップなどを禁止とし、エンドプレートを単純化することで最適なダウンフォースを得るためにフロントウイングから空気をタイヤの外側に流す“アウトウォッシュ”効果を抑え、乱気流の発生を抑えることで後続マシンが近づきやすくなることが狙いだ。

    この変更により、ダウンフォースを得るために、気流をアンダーボディに導く“インウォッシュ”型にせざるを得ず、ダウンフォースと空力バランスに大きな変更を及ぼすことになると考えられている。

    2019年F1マシンを公開したチームのうち、7チームは昨年までと同じようなエンドプレートに向かって上昇する形状のフラップを備えているが、フェラーリ、アルロメオ・レーシング、トロロッソ・ホンダの3チームは昨年とは異なる外側に向かって下降する“への字”型のフロントウイングを採用していることが明らかになっている。

    アルファロメオ・レーシング 2019年F1マシン フロントウイングトロロッソ・ホンダ STR14 フロントウイング

    アルファロメオ・レーシングのフロントウイングが最も大胆で、フラップがフロントタイヤの直前で終了してフロントタイヤがほぼ丸見えの形状を採用。フロントウイングの幅が広くなったことで、フロントタイヤにアウトウォッシュへと気流を導くためのカスケード・フラップの役割を持たせているようだ。元フェラーリのテクニカルディレクターのシモーネ・レスタの加入による個々のパーツのデザインの変化も興味深い。

    トロロッソ・ホンダは、STR14発表時のプレスフォトでは昨年と類似した形状のものが装着されていたが、2月13日に実施したシェイクダウン時には異なるフロントウイングを搭載。アルファロメオほど大胆ではないが、アウトウォッシュ効果を狙っているのは間違いないだろう。

    フェラーリは、プレスフォトの時点でへの字型のフロントウイングを公開。への字型に下降しているのに加え、正面から当たった空気をタイヤの外側に逃がすためにフラップが捻じれているのがわかる。例年であれば、プレシーズンテスト、さらには開幕戦まで手の内は隠すものだが、この形状が2019年の空力レギュレーションのもとで効果が立証されている表れかもしれない。

    フェラーリ フロントウイング 新旧比較

    他の7チームもすでに同様のソリューションを準備して隠しているだけかもしれない。しかし、フロントウイングはマシン後方の空力に大きく影響を与えるため、付け替えるだけで済むというものではない。通常、大幅なアップグレードパッケージとして改良版が投入されることが多い。

    すでにメルセデスやレッドブルは昨年レベルのダウンフォースに到達していると語っており、レースの質が改善されることに疑問を投げかけている。

    への字型フロントウイングが2019年の空力レギュレーションで正解となるのか、それとも他の革新的なソリューションが隠されているのか。2月18日(月)から始まるプレシーズンテストに注目だ。

  • 【動画】 レッドブル・ホンダ RB15 シェイクダウン (7分Ver.)

    【動画】 レッドブル・ホンダ RB15 シェイクダウン (7分Ver.)

    レッドブル・レーシングは、ホンダF1との初の現場作業となるのシルバーストンでの『RB15』のシェイクダウンの様子を収めた7分間に及ぶ動画を公開した。

    新生レッドブル・ホンダは2月13日(水)に2019年F1マシン『RB15』を披露。ホンダの2019年F1エンジン『RA619H』を搭載し、シェイクダウン限定の斬新なカラーリングを施したマシンをシルバーストン・サーキットに持ち込み、マックス・フェルスタッペンがステアリングを握り、ノートラブルで36周を走り込んだ。

    動画では、初走行に備えてレッドブル・レーシングとホンダのスタッフが強力してマックス・フェルスタッペンがRB15での走行を準備する様子から、初めてホンダのF1エンジンを積んだマシンでインスタレーションラップを完了させるまでの様子、その後、より長いラップを走行するRB15の姿やインタビューなどが収められている。レッドブル首脳陣やドライバー、スタッフたちの笑顔が印象的だ。

    インタビューではレッドブル・レーシングのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、プレシーズンテストにむけて新しいパートナーであるホンダと作業を開始することがいかに重要なものだったかと語った。

    「新車の初めて走るのを見るのはいつだって素晴らしいことだ」とクリチャン・ホーナーはコメント。

    「RB15はホンダのF1パワーユニットを搭載する我々の初めてのクルマだ。ここシルバーストンでの1回限りのカラーリングもとてもカッコいい。もちちん、今日は撮影がすべてではあるが、来週バルセロナに向かう前に、すべてのシステムが機能し、クルマが基本的に適切な状態であることを確認できる本当に重要な機会だ。来週はもう少し気温が温かくなることを願っているよ! 今後8日間のテストが行われる。メルボルンでの新シーズン初戦までにできるだけその進歩を最大限に引き出せるように走行時間を最大限に生かすことが重要だ」

    シェイクダウンを担当したマックス・フェルスタッペンも初めて走らせたホンダのF1エンジンは“とてもポジティブ”だったと語る。

    「クルマに飛び乗るのは本当にエキサイティングだったし、走ってみてすぐにかなりノーマルに感じることができた」とマックス・フェルスタッペンはコメント。

    「感触は良かったし、問題もなかったので、それについてはとても満足している。それに今日だけだとは言え、カラーリングもとても美しいよね。もちろん、今日はフィルミングデーだし、新車から引き出せる量は限られているけど、公式テスト前にこのような一日を過ごすのは本当に重要だなことだ「第一印象を得て、マシンやエンジンに少しでも問題がないかを確認する。幸いなことに何も問題はなかったし、このような機会を得られたことはとてもポジティブだ。これから僕たちは本格的なテストに臨むし、そこでどのようなものを得られるかがわかる。クルマやエンジンをもう少し理解できる。でも、ここまでのところはとてもいい感じだ」

    今回は走行するチャンスはなかったピエール・ガスリーも「凄いクルマだと思う」とピエール・ガスリーはコメント。

    「いつもレッドブルはは新車発表で素晴らしい1回限りのカラーリングを披露してきたし、今回のは間違いなく最高のカラーリングのひとつだ。チームにとってホンダとの新たなストーリーの始まりだし、ここまでのところは本当に順調に進んでいる」

    「今は来週マックスのポジションにたどり着いて、クルマがどんな感じかをしっかりと感じるのが待ち切れない。僕にとって冬休みはかなり長く感じた。チームとの仕事にとりかかるのを本当に待っていた。夢見ていたことだからね。だから、バルセロナでクルマに乗るのを本当に楽しみにしているよ」
    レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコも、レッドブル・ホンダ RB15が勝てるマシンに仕上がっていると自信を見せる。

    「成功作だと確信している。典型的なニューウェイカーのマシンに仕上がっているが、冷却インレットなどはすべてホンダを考慮して作られている」とヘルムート・マルコはコメント。

    「クルマはシェイクダウンの初めからスムーズに走っていた。ミルトン・キーンズの誰もが楽観的で非常に興奮している。ホンダのF1エンジンは昨シーズン終盤の時点でパワーの面でルノーを上回っていた。そして、この冬の間に彼らはさらに改善している」

    「我々が得たデータは非常にポジティブなものだ。クルマの数値はポジティブなものであり、現在の我々には初めてパーティモードがある。それによって上位グループで戦えることを願っている」

    クリスチャン・ホーナーは、ホンダのF1エンジンを得たことで、今年はマシン特性にあったサーキットだけではなく、パワーセンシティブなサーキットでも一貫して勝利に挑むことを目標に掲げた。

    「我々の目標が進歩であることは明らかだ。過去2シーズでは我々はメルセデスとフェラーリと残りのフィールドの隙間に位置していた。前年は3勝だったが、我々はマシン特性に適した会場では競争力を発揮し、4勝を挙げることができた。本来なら5勝を挙げるべきだったがね」

    「我々の課題は、すべてのサーキットでより一貫性を発揮し、もっと勝利に挑むことだ。そして、昨年よりも多くの馬力を得て、そのギャップを縮めることだ。輝きを放ったサーキットやパワーによって制限されることなく、様々な種類のサーキットでより一貫して勝利にチャレンジすることが我々の目標だ」