カテゴリー: F1マシン

  • F1マシン分析:メルセデスF1、新型ディフューザーで競争力を回復

    F1マシン分析:メルセデスF1、新型ディフューザーで競争力を回復

    メルセデスF1は、F1エミリア・ロマーニャGPに投入した新しいディフュザーでW12の競争力を取り戻した。

    開幕戦では2021年の空力規則の変更によってメルセデスF1が競争力を失ったと世界中が騒いだ。“ローレーキ”がトピックとなったが、多くの専門家はディフューザーへの対応がレッドブルとのギャップの最大の要因だと分析していた。

    その予想通り、3週間のインターバルを利用してメルセデスF1は、W12のリアサスペンションによって生み出されたスペースをより機能させるための新しいディフューザーをイモラに投入した。

    ディフューザーの最も明らかな変更点は、中央セクションの外側のストレーキが完全に再形成され、バーレーンで見られたステップ配置ではなく、傾斜した低いプロファイルになったことだ。

    2021年の規制変更の一環として50mm短縮されたこれらのストレーキは、ディフューザーの拡張ランプを通過する空気を導き、前方のフロアの低圧領域から高速で通過するディフューザーへと繋げる。

    拡張ランプを通る気流が速くてクリーンであるほど、フロアの下の空気圧が低くなり、より多くのダウンフォースが生成される。したがって、その気流を可能な限りクリーンで中断しないようにすることが重要となる。

    ストレーキは気流を整列させ、横方向に分散してディフューザーの幅全体に異なる圧力が作用するのを防ぐ。気流がディフューザーの一部で失速した場合、ストレーキがなければ、失速は横切って移動し、失速を広げる。再形成されたストレーキは、マシンが様々な車高と速度粋でこの流れを調整するのにより効果的であることがわかる。
    メルセデスF1 ディフューザー
    新しいディフューザーの明らかな追加点は、中央セクションの下隅にある2つのチャンネルの開放だ。ギアボックスの周りのフロアから空気を送り、それをここに向けているようだ。

    これらの出口穴(おそらく入口も)は金曜日には開放され、土曜日には塞がれていたことで、単なるチューニングデバイスであることを示唆している。通過する空気の量が多くなり、バーレーンのラップよりもサスペンションを酷使するイモラの高速コーナーでおそらくより有用だ

    高速コーナーでは、マシンに作用するダウンフォース(速度と二乗)にディフューザーの角度が効果的に減少し、これらのチャネルが開くと、ディフューザーの外側部分の圧力の一部が緩和され、失速する傾向が減少する可能性がある。

    これはすべて、規制によって失われたダウンフォースを可能な限り取り戻すためのメルセデスの試みの一部だ。サスペンションのレイアウトも変更された。すでに昨年のW11は、下部のウィッシュボーンを一掃してそこの気流のためにより多くのスペースを空ける方法において、かなり急進的でした。

    空気がこのコークスボトルプロファイルを流れるように誘導される速度が速いほど、気流が合流したときにディフューザーの出口ランプを流れる空気を掃気する効果が強くなる。サスペンションアームなどの障害物があると、コークスボトルセクションからのこの重要な流れが明らかに遅くなる

    W12では、下部リンク(画像の黄色)が分離され、結合されたウィッシュボーン(ドライブシャフトは赤で、トーリンクは青)ではなくなり、外側の端に別々の取り付けポイントがある。これにより、取り付けポイントをフロントリンクと共有することによる制約がなくなったため、リアリンクをコークスボトルの気流の経路からさらに後方にわずかに高く取り付けることができる。
    メルセデスF1 リアサスペンション

  • アストンマーティンF1、空力ルールの意図を疑問視…FIAに調整を要求

    アストンマーティンF1、空力ルールの意図を疑問視…FIAに調整を要求

    アストンマーティンF1のチーム代表を務めるオトマー・アフナウアーは、2021年の空力ルール変更の背景にある意図を事後的に疑問視しており、それらを調整して“公平”にする必要があると主張して金曜日のイモラのパドックに論争を巻き起こしている。

    FIA(国際自動車連盟)は、昨シーズンにピレリのF1タイヤに発生したいくつかの故障を受け、タイヤの安全性を保護することを目的としてダウンフォースレベルを下げるために2021年に空力ルールにいくつかの変更を導入した。

    新型コロナウイルスの影響を考慮して基本的にシャシーの開発が凍結される中、F1チームは、ブレーキダクト、バージボード、さらに重要なことにサイズとプロファイルが縮小されたフロアの設計に変更を加えることを余儀なくされた

    プレシーズンテストと先月のF1バーレーンGPでは、この空力ルール変更が、“ローレーキ”コンセプトを採用しているチーム、つまり、メルセデスとアストンマーティンに悪影響を及ぼしていることが明らかになった。対照的にレッドブル RB16Bなど“ハイレーキ”のマシンはそれほど大きな影響は見られなかった。

    金曜日にオトマー・サフナウアーは Sky F1 の取材に対し、空力ルール変更の意図を公然と疑問視し、支配的なメルセデス、ひいては同じ設計コンセプトに依存するアストンマーティンを遅くするために意図的に行われたと示唆した。

    「意図を知るのは難しい。これはFIAにむけての質問だ」とオトマー・サフナウアーは語った。

    「安全上の理由から行われた規制の変更だが、この種のガバナンスはFIAのみに委ねられている」

    「正しいことは、FIAと話し合い、何が起こったのか、そして、その理由を正確に調べ、より公平にするためにできることがあるかどうかを確認することだと思う」

    「我々はチームとして、できる限りすべてを取り戻そうと努力しなければならないが、同時に、FIAと話し合って、もう少し公平にするために何かできるかどうかを確認する必要がある」

    オトマー・サフナウアーは、不正行為が疑われる場合、FIAに対する訴訟手続きも却下せず、そのような一連の行動はおそらくFIAとの話し合いの後に検討されるだろうと主張した。

    だが、変更に賛成票を投じていたにも関わらず、事後になって、疑問を呈するというアストンマーティンの姿勢には、仲間のチームはあまりいい印象を受けていない。

    メルセデスF1のチーム代表トト・ヴォルフは、空力ルール変更による悪影響を受けたにもかかわらず、シーズン途中のルール変更を却下している。

    「コメントをする前に全体像を把握する必要があるため、これは難しい問題だと思う」とトト・ヴォルフは語った。

    「この段階では、誰かに指を指すのは正しくことではないと思うので、当面は話したくはない」

    「シーズンのその段階で何かを求めることができるかわからないので、そのままにしておく必要があると思う」

    オトマー・サフナウアー (アストンマーティンF1 チーム代表)

  • 2021年F1マシン:勢力図を変えた空力ルールの変更点をおさらい

    2021年F1マシン:勢力図を変えた空力ルールの変更点をおさらい

    2021年のF1世界選手権で実施された空力ルールの変更は、シーズン前の予想に反して勢力図に大きな変更を与えることになった。

    新型コロナウイルスの影響を受け、F1は大幅なレギュレーション変更の導入を2022年に延期することを決定。2021年は基本的に2020年のシャシーをそのまま使用することになった、FIA(国際自動車連盟)はダウンフォースを制限するためにルール上で介入した。

    リア周りのダウンフォースを制限するこれらのルール変更は、当初、そこまで競争力に影響はないと考えられていた。しかし、実際に2021年F1マシンがコース上を走ると王者メルセデスが大幅にパフォーマンスを低下させていることが判明。ライバルのレッドブル・ホンダがパフォーマンスを向上させていることから“レーキ角”を焦点に様々な議論を生んでいる、ここで改めて2021年のルール変更についておさらいする。

    タイヤによる空力制限
    2021年の技術変更の主な動機は、安定した技術ルールの下で毎年自然に発生するマシンの開発と性能の向上により、ピレリのタイヤが受けるメカニカル的なストレスを制限することにあった。

    18インチのピレリのF1タイヤのデビューは2022年に延期されたため、F1は現在の13インチのタイヤを継続している。同じコンパウンドが過去2シーズンで使用されており、より大きなダウンフォースでは伝達される力を吸収することができなかっただろう。

    これに加えて、新型コロナウイルスによって、ピレリは2020年の最初の6か月間、21本のタイヤの開発プログラムに適切に取り組むことができなかった。昨年後半で、ピレリはタイヤの構造を強化し、より高い応力に耐えられるように注意を払った。

    昨年のシルバーストンでの2回のレースは、現在のF1マシンでタイヤがどれだけのストレスを経験しなければならないかを示す明確な例となった。レース優勝者のルイス・ハミルトンを含むいくつかのマシンがタイヤの故障に見舞われた。ハミルトンは3輪でラインを横切って勝利を収めました。これは、タイヤ酷使するサーキットでの高いタイヤ摩耗とブリスターによるものだった。

    11月1日、FIAは2021年シーズンのピレリのタイヤを承認した。これは、以前にホモロゲートされたタイヤよりも大きなカーカスを備えている。それらはより大きなメカニカル的な力に対処するのにより効率的であり、より低い圧力でもブリスターが減少することが期待されている。

    FIAはダウンフォースを10%削減することを目指した
    タイヤへの介入にもかかわらず、FIAのニコラス・トンバジスは、全体的なダウンフォースを2020年と比較して約10%削減することを目的として、2021年の空力ルールを修正するために介入した。これは明らかに、新しいシーズンに向けてタイヤの安全マージンを維持することを目的としていた。

    ダウンフォースを制限するために、FIAは当初、2019年以降、以前よりも広い面積を持つリアウイングによって生成されるダウンフォースを制限することによって介入することを考えていた。しかし、FIAの技術者は、代わりにフロア面積に介入することを決定し、後車軸(RWCL)に向かって斜めにカットすることで空力的影響を減らした。
    2021年 F1マシン:フロア
    フロアでのカットは、マシンの縦軸に直交するCC平面から正確に開始される。これは、エンジンマウントが配置されているフレームの後部と一致する(技術第3.7条に従って、フロントアクスルから1800mm)

    フロアは2020年の構成と比較して約3分の1縮小される。これにより、リアタイヤへの空気の流れの影響を減らす複雑なスロットとエアチャネルが自動的に消える。様々なダクトは、マシンの空気力学が空気の流れを密閉するのに役立ち、シングルシーターのグラウンドエフェクトとリアディフューザーの効率を高める一種の“ミニスカート”を再現しえちた。

    しかし、フロア面積の削減だけでは全体的なダウンフォースを目標の10%を達成するためには十分ではないため、技術会議で強い疑問を引き起こした。F1チームのテクニカルディレクターは、チームがパフォーマンス不足を迅速に回復できるという事実に強い疑問を表明していた。

    したがって、FIAは、ディフューザーとリアブレーキダクトの制限に直接介入する空力ルールに2つの注記を追加した。

    ディフューザーの場合、ルールにより、車の中心線から250mmの横方向のオフセットで抽出チャネルの内部エリアに制限が課されられる。2020年と比較すると、フィン(つまり、抽出チャネルの内部ドリフト)は、車の基準面から50mm未満である必要がある。これは、底部の中央部分の“段差”と実質的に一致する。これは、フロア斜めのカットとともに2021年マシンのリアダウンフォースを減らすのに役立ち、ディフューザーの効率を制限する。
    2021年F1マシン:ディフューザー
    一方、リアブレーキダクトの変更は、カンチレバーウィングレットに関係しているため、エンジニアによる極端な探求によって、マシンのこの領域が非常に複雑になり、マシンの最小要素からでも最大の空力効果を発揮していた。

    何年もの間、フロントとリアの両方のブレーキダクトは、ブレーキシステムを冷却するという単一のタスクを実行しておらず、空力要素となっている。後部では、一連のカンリレバーフィンが可能な限り最大の荷重を後車軸に伝達し、コーナリング時に最高のトラクションと最大のグリップを実現しようとしている。ハブキャリアの背面図を表す下の図では、FIAが後輪軸から50mmの高さで、ウィングレットのカンチレバー延長を80mmに制限した様子を観察できる。黄色で強調表示するウィングレットは、ブレーキベルからブレーキグリップの後ろに突き出ている。
    2021年F1マシン:リアブレーキダクト
    “ハイレーキ”と“ローレーキ”
    現在のグリッドのF1マシンは、レッドブル・ホンダの“ハイレーキ+ショートホイールベース”とメルセデスの“ローレーキ+ロングホイールベース”を両端としてコンセプトが分かれる。

    レッドブルの“ハイレーキ”とはフロントよりもリアの車高を高くして前傾姿勢を取らせることで、フロントを密封させてリアとの気圧の差を作り出し、マシン全体をディフューザーのように機能させてダウンフォースを発生させようというコンセプト。マシン側面から乱流がフロア下に入り込むとダウンフォース発生量に変化を及ぼすというデメリットがあった。

    一方、メルセデスの“ローレーキ”は、前後の車高に変化をつけず、ロングホイールベースによってフロア面積を大きくとってフロアを地面に近することでダウンフォースを発生させるとコンセプトとなる。

    2021年の空力ルールの変更は、両方のコンセプトに異なる影響を与えるが、現段階ではローレーキのマシンが打撃を受けていると考えられている。

    フロア面積の縮小とそれに伴う複雑なスロットの制限は両方のコンセプトに影響を与えているが、最も影響が大きいのはディフューザーの寸歩の変更だと考えられている。

    レッドブル・レーシングは、バーレーンでリアが非常に安定しており、リアのダウンフォースの損失が最も少ないように見える。これは、ダウンフォースだけでなく、タイヤの摩耗やオーバーヒートにも寄与する。

    ハイレーキのコンセプトが魅力的な理由は、リアのギャップを大きくすることでディフューザーのパフォーマンスを向上させ、空気の流れを急速に拡大させ、強力な真空効果を生み出すことにある。

    ハイレーキで非常に高い最低地上高を採用していたレッドブルは、すでに地面から離れたドリフトでディフューザーを操作することに慣れており、ライバルとは異なり、それがもたらす不利な点を克服することをすでに学んでいる。そのため、ディフューザーの寸法変更の影響が少なかったと考えられている。

    2021年F1マシン:レーキ角

    Z字型のフロアデザインがトレンドに?
    2021年のF1マシンは、空力ルールの変更に対応したフロアソリューションで2つの相反した設計トレンドを見せているが、最終的には“Z字型”のフロアが主流になっていきそうだ。

    メルセデス、アストンマーティン、レッドブル、アルファタウリ、アルピーヌの5チームは、フロアが先細りになり始める場所から約200mm後方に斜めのカットアウトを作成した。この手法は、利用可能な総フロア面積の一部を放棄することになるが、フロアの形状に関してより柔軟性がある。

    Z字型のフロアは、基本的にマシンの中心線に対して平行なフロアエッジを備えており、上記5チームは、斜めのエッジがリアへの気流に与える影響と考えたことを示唆している。

    2021年F1マシン:Z字型フロア

  • アストンマーティンF1 「メルセデスの問題克服への対応から学べる」

    アストンマーティンF1 「メルセデスの問題克服への対応から学べる」

    アストンマーティンF1のチーム代表を務めるオトマー・サフナウアーは、同じ空力哲学を採用して2021年の空力ルール変更による影響を受けているメルセデスの問題克服の方法から学ぶことができると語る。

    昨年、レーシング・ポイントは、メルセデスF1の空力哲学をコピー。“ピンク・メルセデス”と揶揄されつつも競争力を高めた。しかし、今年はリア周りの空力ルール変更の影響と思われるパフォーマンス低下に悩まされ、開幕戦F1バーレーンGPではランス・ストロールの10位入賞がやっとだった。

    元の空力コンセプトであるメルセデスF1も今シーズンは苦しんでいるが、それでもF1バーレーンGPではレッドブル・ホンダを倒すことができた。そして、オトマー・サフナウアーは、メルセデスF1がすでにレースに勝てるまでパフォーマンスを回復した事実は、アストンマーティンF1にとって励みになることだと語る。

    メルセデスと同じローレーキ哲学からどれだけ学ぶことができるかと質問されたオトマー・サフナウアーは「我々は確かに彼らが達成できるラップタイムを見てみなければならないと思う」ととコメント。

    「我々は同じパワートレイン、同じギアボックス、同じリアサスペンションを採用しているので、彼らがそれらでラップタイムを出すことができるのであれば、我々は近づくことができるはずだ。それは我々にいくらかの希望を与える」

    しかし、アストンマーティンF1がマシンに抱えている問題に加えて、今シーズンはミッドフィールドが非常に拮抗している。オトマー・サフナウアーは、2021年にマクラーレンやフェラーリのペースに匹敵するのは簡単なことではないことを認識している。

    「レッドブル、マクラーレン、フェラーリなど、今年は昨年よりも多くのチームがメルセデスにかなり近づいていると思う」とオトマー・サフナウアーは語った。

    「3か月前の位置を振り返り、現在のメルセデスの位置を見れば、ラップタイムを見るだけで全体像が得られる」

    だが、今季の苦戦を考えれば、2021年マシンから2022年マシンへどの時点で焦点を切り替えるかが重要になってくるだろう。

    オトマー・サフナウアーは「それは本当に良い質問だ。もし知っていれば話すが、残念ながら分からない」とコメント。

    「来年に費やすことで今年どれだけ多くを得ることができるかというのがトレードオフになる必要があり、それを予測することは本当に難しい。そのため、現時点では、並行して進めていく」

  • 2021年F1マシン:Z字型のフロアデザインがトレンドに?

    2021年F1マシン:Z字型のフロアデザインがトレンドに?

    2021年のF1マシンは、空力ルールの変更に対応したフロアソリューションで2つの相反した設計トレンドを見せているが、最終的には“Z字型”のフロアが主流になっていきそうだ。

    2021年のF1世界選手権では、ピレリのタイヤの耐久性を考慮して、ダウンフォースを10%削減するための空力ルール変更が適用された。ブレーキダクト、ディフューザーの寸法の規制に加え、フロア面積の削減が最も大きな変更となる。

    開幕戦では、2つのフロアデザインに分かれた。フェラーリ、アルファロメオ、ハース、マクラーレン、ウィリアムズの5チームは、レギュレーションの意図したとおりに後部が細くなるフロアを備えている。彼らはフロアエッジに空力パーツを多用し、気流の変化を避けてきたチームだ。

    2021年F1マシン フロアを斜めにカットしたチーム

    一方、メルセデス、アストンマーティン、レッドブル、アルファタウリはプレシーズンテスト、アルピーヌは開幕戦からZ字型のエッジを備え、上記チームのフロアが先細りになり始めた場所から約200mm後方にセクションカットアウトを作成した。この手法は、利用可能な総フロア面積の一部を放棄することになるが、フロアの形状に関してより柔軟性がある。

    Z字型のカットアウトを選択したチームは、基本的に、前の年と同様に、マシンの中心線に対して平行なフロアエッジを備えており、斜めのエッジがリアへの気流に与える影響に不満を持っていたことを示唆している。

    とはいえ、全員が同じ道をたどったわけではなく、各チームのデザインには個性が見られる。特に、レッドブルは、メルセデスが選択したものと比較して、マシンの中心線と平行になるように、フロアのエッジをはるかに長く断面にする設計を選択した。

    Z字型のエッジは、他の気流構造が壊れたり、意図した道から外れる可能性のあるフロア上のポイントに気流構造/渦を作成するのにも役立つ。Z字型のフロアを採用するチームは、フロア輪郭に沿って取り付けられたフィンでこれをさらに強調しており、アストンマーティンはおそらくこの点で最も積極的だ。

    アストンマーティンは2列のフィンを備えており、サイドポッドの周りを移動する気流に影響を与えるポイントに配置される。ただし、その役割は、真っ直ぐなフロアのエッジを念頭に置いて流れ構造を再調整することにある。

    F1マシンのこのエリアは、各チームが相互作用するフロー構造から段階的な利益を見つけ、それに応じて微調整するため、今シーズンの開発の発展を促すエリアになると考えられる。

    たとえば、アルピーヌはこの点ですでに本格的に努力を払っている。バーレーンでZ字型フロア組みに加わっただけでなく、フィンとの組み合わて構成している。

    アルピーヌのこの変更は、シーズンのこの早い段階でF1チームの関心がどこにあるかを強調しており、フロアが先細りする部分とリアタイヤ前の2つの重要な領域が最も開発が進められていく部分になると考えられる。

    アルピーヌは、プレシーズンテストから開幕戦までに、フロアの前面だけで3ヴァージョン目、リアタイヤ前で4バージョン目のフィンの配列を投入している。開幕戦ではフロア前面には1つのフィン、リアタイヤ前には4つのストレーキを備えたものを投入した。

    アルピーヌF1 フロア設計

  • F1分析:レッドブルの“ハイレーキ”がルール変更の影響を受けなかった理由

    F1分析:レッドブルの“ハイレーキ”がルール変更の影響を受けなかった理由

    “ハイレーキ”コンセプトを採用するレッドブル・ホンダの2021年F1マシン『RB16B』は、“ローレーキ”のメルセデスに対して2021年の空力ルール変更の影響を受けなかったようだ。それを決定づけた主な部分は“ディフューザー”にあると MOTORSPORTWEEK は分析する。

    F1バーレーンGPでは、メルセデスが勝利を収めたが、F1プレシーズンテスト、そして、開幕戦の週末ではレッドブル・ホンダが最速のマシンであることが明らかになった。

    マックス・フェルスタッペンは予選でルイス・ハミルトンに約0.4秒差をつけてポールポジションを獲得している。

    ダウンフォースを削減するために実施された2021年の空力ルールの変更は、レッドブルと比較してメルセデスに影響を与えているのは明らかだ。その要因として両チームの“レーキ”に関する哲学の違いが注目を集めた。

    過去10年間、エイドリアン・ニューウェイが設計したレッドブル・レーシングのマシンは、リアの車高がフロントよりもはるかに高い前傾姿勢をとった“ハイレーキ”コンセプトを採用してきた。

    対照的に、メルセデスは、ロングホイールベースを備えた比較的フラットなコンセプトを採用してきた。昨シーズンは、レッドブルほど積極的ではなかったが、メルセデスはマシンより角度をつけていた。同じことがフェラーリにも当てはまる。フェラーリは2018年以降、かなり強調されたレーキセットアップを使用していたが、現在グリッド上にあるマシンはどれもレッドブルほど極端なレーキ角はつけられていない。

    フロア面積を削減し、ディフューザーが短くなった2021年の空力ルール変更は、ローレーキを採用するメルセデスとアストンマーティンに最も打撃を与えたことは、F1バーレーンGPの予選タイムの前年比からも裏付けられている。

    レッドブル・レーシングは、バーレーンでリアが非常に安定しており、リアのダウンフォースの損失が最も少ないように見える。これは、ダウンフォースだけでなく、タイヤの摩耗やオーバーヒートにも寄与する。

    グリッド上のいくつかのチームは、ある時点でレッドブルのハイレーキセットアップをコピーしようとしたが、エイドリアン・ニューイと彼のチームが行ったのとまったく同じ方法でそれを利用することに成功したチームはほとんどなく、しばしば以前のコンセプトに戻した。

    ハイレーキのコンセプトが魅力的な理由は、リアのギャップを大きくすることでディフューザーのパフォーマンスを向上させ、空気の流れを急速に拡大させ、強力な真空効果を生み出すことにある。

    ディフューザーが地面から非常に高い場合、マシンのすべてを修正する必要がある。したがって、これは空力ストールのリスクを高め、コーナリング時に不正な気流が床の下を通過して安定性が低下するリスクがある。これが、チームが気流をより適切に制御し、空気の流れが乱れないようにするためにドリフトまたはフィンを導入する理由だ。

    したがって、レッドブルは、ディフューザーの“異なる機能”により、ダウンフォースの損失が少なかった可能性がある。新しいレギュレーションによって、抽出チャネルの内部フィンの最大高が制限された。今年、ディフューザーは基準面から50mm短くなっている。

    しかし、ハイレーキで非常に高い最低地上高を採用していたレッドブルは、すでに地面から離れたドリフトでディフューザーを操作することに慣れており、ライバルとは異なり、それがもたらす不利な点を克服することをすでに学んでいる。

    したがって、他チームは、RB16Bを単にコピーする前にそこを理解する必要がある。エイドリアン・ニューウェイがハイレーキのコンセプトを完成させるのには数年かかった。すでに2010年にニューウェイはセットアップを採用し始め、翌年にはかなりのレベルのレーキ角に達していた。

    ストレートでは、F1マシンがよりフラットなトリムレベルに戻り、リアが低くなる傾向があることも考慮する必要がある。これはすべて非常に微視的に起こるが、ストレートでより水平なセットアップに戻ることには、ドラッグの点で利点がある。

    今年、マクラーレンは規定の抜け穴をついた巧妙なディフューザーを考案して競争力を上げている。今後のシーズンではディフューザーへの対応が勢力図を決定づけることになるかもしれない。

    2021年 F1マシン ディフューザー

  • FIA、F1バーレーンGP後にバルテリ・ボッタスのF1マシンを分解して検査

    FIA、F1バーレーンGP後にバルテリ・ボッタスのF1マシンを分解して検査

    FIA(国際自動車連盟)は、F1バーレーンGP後にバルテリ・ボッタス(メルセデス)のF1マシンを分解して3時間にわたってチェックした。

    2021年の開幕戦の直前、FIAはすべてのチームが規制に準拠していることを確認するために、今年のレース週末ごとに1台のF1マシンをランダムに押収して“分解”と“より詳細な技術チェック”を行うことを決定した。

    「FIAは不正をさらに難しくしたいと考えている」と Auto Motor und Sport の記者を務めるマイケル・シュミットは語った。

    マイケル・シュミットによると、F1バーレーンGPのレス後にランダムに選択されて最初に分解されたマシンはバルテリ・ボッタスのメルセデスだったと語った。

    「3位のシルバーアローは、技術専門家によって3時間テストされた」とマイケル・シュミット氏は述べた。

    FIAの技術代表を務めるニコラス・トンバジスは次のように説明している。

    「我々は、すべての疑問が取り除かれるようにこれを行いたかった。疑惑が排除されるため、これはチームにもメリットがある」

    関連:F1:決勝後に1台のF1マシンをランダムに選択して規則違反を詳細チェッ

  • F1:2025年に燃費の大幅削減のために“アクティブ・エアロ”の導入を計画

    F1:2025年に燃費の大幅削減のために“アクティブ・エアロ”の導入を計画

    F1は、2025年に導入するレギュレーションで燃料消費量と車両重量の大幅な削減を計画しており、パフォーマンスを損なわないために“アクティブ・エアロダイナミスク”の導入に目を向けている。

    今年2月、F1は2025年に“パワフルでエモーショナル”な次世代F1パワーユニットを導入する意向を発表。声明には、環境の持続可能性と社会的および自動車的な関連性、完全に持続可能な燃料、パワフルでエモーショナルなパワーユニットの作成、大幅なコスト削減、新しいパワーユニットメーカーにとっての魅力という5つの主要な目標が記載されいる。

    F1の最高技術責任者を務めるパット・シモンズは、2025年の目標に沿って、パフォーマンスを損なうことなく燃料消費量を3分の1を削減したいと考えている。

    またF1マシンの車両重量の増加にも計画している。最小重量制限は過去8年間で17%以上増加し、今年は752kgに達した。これには、各F1マシンがレースで使用できる最大110kgの燃料は含まれていない。

    パット・シモンズは、従来のガソリンよりも1キログラムあたりのエネルギーを多く生成する合成燃料を導入することで、2025年から燃料を75kg未満に減らすことができることを示していると語る。

    「我々はF1で大衆向けに戦っている。マシンは非常に重い」とマット・シモンズは RaceFans に語った。

    「予選ラップで7.5kgの燃料ではなく2kgの燃料を搭載することが重大なことだと言えるか? それは世界の終わりではない」

    「しかし、エネルギー密度が半分しかないために100kgの燃料でレースを開始する場合、まだマシンは重い。だから、私はそこが重要だと思っている」

    「このマシンで何をしたいのかを決めるときには、私はトップレベルの良い方向に向かうのであれば、マシンから同じパフォーマンスを望んでおり、使う燃料を3分の2にしたいと言った」

    「同じスピード、ほぼ同じラップタイム、ほぼ同じ加速、ほぼ同じブレーキング能力、そして、ほぼ同じコーナリング能力にしたいと言った」

    F1がどのように目標を達成するかについて、パット・シモンズは空力部門に目を向け、マシンのドラッグを減らすことが重要だと考えています。

    「これらのマシンに非常に多くの燃料を使用している理由を理解するためにエンジニアである必要はないドラッグが高いからだ」とパット・シモンズは付け加えた。

    「はるかに多くのハイブリッド化に移行しているという事実は別として、最初にやらなければならないことはドラッグを取り除くことだ」

    「ドラッグを減らせる部分があるのは確かだ。しかし、そのドラッグの減少にはダウンフォースの減少が伴うため、コーナーをそれほど速く走ることはでない。したがって、それは実際にマシンにアクティブな空力を持たなければならないと言うことにつながる」

  • レッドブルF1の“レーキ”が空力ルール変更の恩恵を受けたとの考えは単純?

    レッドブルF1の“レーキ”が空力ルール変更の恩恵を受けたとの考えは単純?

    レッドブル・レーシングを含めた“ハイレーキ”を採用するF1チームが、2021年の空力ルールの変更から直接的な恩恵を受けたという風潮にマクラーレン、アルピーヌ、アルファロメオが反発している。

    王者メルセデスF1が大きくパフォーマンスを落としたことで、F1とFIAが実装してたリア周りのダウンフォースを削減することを狙った空力ルール変更が、“ローレーキ”を採用するメルセデスF1を不釣り合いに傷つけたのではないかという議論に発展している。

    昨年、メルセデスF1のマシンコンセプトを“コピー”したアストンマーティンF1のチーム代表オトマー・サフナウアーは「新しいルールが我々のようなチームに大きな打撃を与えたのは明らかだ」と Auto Motor und Sport に語った。

    しかし、マクラーレンF1のテクニカルディレクターを務めるジェームス・キーは、レッドブルを筆頭とする“ハイレーキ”チームが、新しいルールでフリーキックを獲得したと断言するのは単純すぎると語った。

    「レーキ角が影響を与える場合、それは小さなものにすぎない」とジェームス・キーは語った。

    「我々全員が、昨年より1秒遅いマシンで2021年の開発をスタートした。最も重要なのはそこからどのように発展したかだ」

    アルピーヌF1のエグゼクティブディレクターを務めるマルチン・ブコウスキーは「我々は複雑な気流とそれらが他のコンポーネントと相互作用する方法について話している。 そのため、その(レーキ)理論は単純すぎまる」と同意する。

    レッドブルF1のモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムートマルコは次のように付け加えた。

    「全体的なパッケージが重要だと思う。タイヤも考慮に入れる必要がある」

    最後に、アルファロメオのテクニカルディレクターを務めるヤン・モンショーは次のように述べた。

    「本当に明確な答えを出すには、メルセデスとレッドブルをパラレルワールドに配置する必要がある」

    「マシンは多少のレーキで反応が異なることは想像できたが、最終的には約0.5秒の違いにはならないと思う」

  • F1マシン解説:ローレーキの“弱点”は速度差のある複合コーナー

    F1マシン解説:ローレーキの“弱点”は速度差のある複合コーナー

    2021年のF1開幕戦は、空力規則の変更によってレッドブル・ホンダの“ハイレーキ”とメルセデスの“ローレーキ”がどのような影響を受けたかが話題のひとつとなった。F1ジャーナリストのマーク・ヒューズが The Race で考察した。

    F1バーレーンGPでは、王者メルセデスF1の競争力の低下が話題となった。予選ではレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンがルイス・ハミルトンに0.4秒差をつけてポールポジションを獲得。昨年とは真逆の幕開けとなった。

    新型コロナウイルスの影響によって18インチタイヤの導入が2022年に延期されたことで、2020年に新型タイヤの導入を不採用とされたピレリは、空力開発の発展をまったく見込んでいない設計のタイヤを供給することとなり、F1はリアタイヤへの負荷の増加を抑えるためにリアダウンフォースを10%削減することを目的とした技術規則の変更を行った。

    結局、ピレリは2021年により強固なタイヤ構造を導入することが承認されたが、その理由はF1チームがより低いタイヤ圧で走ることが可能になるからだった。また、ダウンフォースを減らすという目的を達成するための方法は、F1チームに決定が任されていた。フロア面積のトリミングはF1チームが同意したものであり、ローレーキのチームも反対はしなかった。

    フロア下のダウンフォースは、フロア面積あたりに生成される負圧量に総面積を賭けたものとなる。前傾姿勢をとったハイレーキのマシンは単位面積あたりでより多くの負圧を生成し、ローレーキはそれを補うためにホイールベースを長くして長いフロアを設けている。

    だが、F1チームがレギュレーション変更に同意した当初は、フロア面積の削減と、フロアを密閉する渦を生成するスロットを禁止することにより、、多くの総床面積を失うことになるローレーキのマシンに影響がでるのか、それとも、非常に高いリアライドハイトで流れを維持するためにサイドのシーリング(密閉)に依存していたためハイレーキの方が影響が出るかは定かではなかった。

    だが、F1バーレーンGPでは、ハイレーキのレッドブルが昨年比で1秒程度の遅れだったのに対し、ローレーキのメルセデスは2秒程度と大きく遅くなっており、レーキ哲学が勢力図の変化の要因であることを強く示唆した。

    F1バーレーン予選でのメルセデスからレッドブルへの具体的な“1秒”の差はセクター2のターン5/6と9/10でついた。両方とも複合コーナーであり、ローレーキカーが負けていたメカニズムを強く示唆している。

    それぞれのアプローチには常に賛否両論がある。しかし、ローレーキの主な欠点の1つは、フロア下の空力がうまく機能する速度粋のウィンドウが狭いことだ。

    F1マシンは、低速ではアンダーステア、高速ではオーバーステアを望んでいる。また、高速で十分な安定性を維持するためにアンダーステアをセットアップに組み込む必要があり、単純にそれは低速でのアンダーステアを増加させる。

    それを補う方法は、空気圧の中心点を低速コーナーで前進させることだ。これは、ハイレーキで自然に発生している。速度が下がるとレーキ角が増加し(ダウンフォースが速度とともに減少するほどリアが強く押し下げられなくなるため)、フロントウイング(およびフロアの前縁)が地面に近づき、よりアグレッシブな迎え角となることで低速でのアンダーステアを補うのに役立つ。

    したがって、コーナーの速度差が大きいトラックは、ハイレーキにより有利となる(したがって、メルセデスF1にとって、ハンガロリングとセパンは他のトラックに比べて歴史的に困難となっている)。

    バーレーンでのコーナースピードの差は極端ではないが、ターン5/6とターン9/10に共通しているのは、遅いコーナーに流れ込む速いコーナーであり、理想的に圧力の中心点を大きく変化する必要があると言う点だ、

    ハイレーキのレッドブル・ホンダのバランスは、これらの2つの減速するシーケンスを通じて、メルセデスよりもはるかに一貫しているようだった。これは、事実上メルセデスのラップタイムの赤字のすべてを占めていた場所だった。マシンが通過する速度が一定の従来のコーナーでは、メルセデスはレッドブルと同じくらいの速さをみせていた。

    したがって、レッドブルとメルセデスの差はダウンフォース量と言うわけではなく、複合コーナーでのバランスの変化ものだった。それは間違いなくローレーキに関連する制限となっているようだ。