カテゴリー: F1エミリア・ロマーニャGP

  • アントネッリ F1エミリア・ロマーニャGP「ファンの熱気に呑まれた」

    アントネッリ F1エミリア・ロマーニャGP「ファンの熱気に呑まれた」

    メルセデスF1の18歳ルーキー、キミ・アントネッリは、母国イタリアで迎えたF1エミリア・ロマーニャGPを「キャリア最悪の週末」と振り返り、周囲の過熱した盛り上がりに自らが飲まれてしまったと率直に認めた。

    地元ボローニャから列車でわずか30分のイモラに凱旋したアントネッリは、クラスメート全員をサーキットに招待し、チームに100皿のラザニアを差し入れるなど話題を集めたが、その舞台裏では緊張感とプレッシャーに苛まれていたという。

    しかしその舞台裏で、彼のメンターであるメルセデスF1代表トト・ヴォルフの姿はなかった。ヴォルフはロサンゼルスで長男の卒業式に出席しており、今回のGPでは初めて現場との無線やデータ通信すら完全に遮断された状態だった。

    ヴォルフは事前に独紙『Bild』の取材にこう語っていた。

    「これが初めて完全に現場と遮断されるレースになる。キミにとってこのグランプリはとても重要なものになるだろう。イタリア・メディアからのプレッシャーも相当なはずだ。だからこそ、『自分にとって良くないものはすべて排除しろ』と伝えたんだ」

    しかし現実には、アントネッリは今季ここまでで最も苦戦。最終的にはマシントラブルによりリタイアとなったものの、本人もその内容に納得していない。

    「自分のドライビングにもっと取り組む必要がある」とチェッカーフラッグ後に振り返った。

    「どこを改善できるかを見極めないといけないし、特に暑いコンディションでのレースペースを上げる必要がある。自分にとって最悪の週末だったと思う」

    そして彼は、自身にとって初めての“ホームレース”を取り巻いた雰囲気が、冷静さを欠く原因になったと率直に語った。

    「ファンの熱気にうまく対応できなかった。リラックスできていなかったし、走っている間も緊張していた。でも今回の経験で、次の母国レースまでに学びを得られたと思う」

    「もっと自分のための時間を取るべきだった。いろんなところでエネルギーを無駄にしてしまって、それがパフォーマンスにも影響した」

    アンドレア・キミ・アントネッリ F1 エミリア・ロマーニャGP メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    ヴォルフの不在中、現場でチームをまとめたのは広報責任者のブラッドリー・ロードで、彼は独『Sky Deutschland』に対し、「イモラはチームにとって痛い後退だった」と語った。

    さらに、1997年F1ワールドチャンピオンのジャック・ヴィルヌーヴは、メルセデスとアントネッリに対して厳しい言葉を投げかけた。『Sky』のインタビューで皮肉交じりにこう述べた。

    「可愛い話だよね、友達を連れてきたなんて。でもここは職場なんだ。職場に友達や家族を連れてくるもんじゃない」

    またヴィルヌーヴは、メルセデスの育成責任者グウェン・ラグリューが、イモラGPを巡る“サイドイベント”について「あまり快く思っていなかった」との情報も伝えた。

    一方、現地イモラにはモトGPのレジェンド、バレンティーノ・ロッシの姿もあった。アントネッリとは過去にカートでも親交があるロッシは、母国レースで苦戦した後輩に対し『Sky Italia』を通じてエールを送った。

    「彼にとって、イモラでの初めての週末は本当に厳しいものだったと思う。でもそれがイタリアで走るということなんだ」

    「経験を積んでいけば、そのうち人付き合いも断れるようになるさ」

  • ピエール・ガスリー F1エミリア・ロマーニャGP「攻めすぎて自滅してしまった」

    ピエール・ガスリー F1エミリア・ロマーニャGP「攻めすぎて自滅してしまった」

    アルピーヌF1のピエール・ガスリーは、F1エミリア・ロマーニャGPの決勝を13位で終え、入賞には届かなかった。予選で今季最高の10番手を獲得しながらも、レースでは序盤のミスが響いた。

    その原因は、スタート直後のシャルル・ルクレールとのバトルだった。

    「正直に言えば、自分のレースには満足していない。あのミスは起こしてはいけないものだった」とガスリーはレース後に語った。

    「攻めすぎた。外側からルクレールに並ぼうとしたとき、イン側に十分なスペースを残しているつもりだったけど、実際にステアリングを切ったらまったくグリップがなくて、コーナーを曲がり切れなかった」

    このミスでガスリーは一気に4つのポジションを失い、その後は2ストップ戦略に切り替えることとなった。

    「その後は1ストップ勢と戦える展開になっていたと思うけど、終盤のセーフティカーで彼らはフリーピットストップができた。運も味方してくれなかった」

    ピエール・ガスリー アルピーヌF1チーム エミリア・ロマーニャGP F1

    それでも、アルピーヌのマシンには一定の速さがあると手応えを得たようだ。

    「ワンラップでの速さはあったし、次のモナコでは予選がすべて。今回の予選でのパフォーマンスを活かして、しっかりと勝負したい」

    3戦連続でノーポイントに終わっているアルピーヌだが、モナコでは予選順位が鍵を握るため、巻き返しのチャンスはあるとみられている。

  • リアム・ローソン F1エミリア・ロマーニャGP「VSCでレースは終わった」

    リアム・ローソン F1エミリア・ロマーニャGP「VSCでレースは終わった」

    レーシングブルズのリアム・ローソンは、イモラでの苦しい週末を振り返り、バーチャル・セーフティカー(VSC)のタイミングによってレースの流れが完全に崩れたと語った。

    予選では、ローソンはQ2進出にコンマ1秒強届かず敗退。一方でチームメイトのアイザック・ハジャーはトップ10入りを果たし、好調ぶりを維持した。

    決勝では29周目に発生したVSC(バーチャル・セーフティカー)により、大きく戦略が狂わされた。これはエステバン・オコンがパワーユニットの問題でハースをコース外に止めたことによるものだった。

    その後46周目にはフルセーフティカーが導入され隊列が再び接近したものの、その時点でローソンはすでに防戦一方の状況にあり、最終的には14位でフィニッシュ。今季まだポイントを獲得できていないニュージーランド出身のルーキーは、次戦モナコへの思いを次のように語った。

    「VSCとセーフティカーは僕たちにとって全然うまくいかなかった」とローソンはメディアに語った。

    「残念だったよ。ポジションを挽回しようと頑張っていたし、ポテンシャルも感じていたんだけど、VSCのせいでレースは終わったようなものだった」

    「マシンは週末を通して速かった。予選ではそれを試すことすらできなかったし、今日のレースでも示すことはできなかった。モナコは全然違うサーキットだし、あそこに行くのが待ちきれない」

    「アイコニックなサーキットで、F1マシンで走るのはきっと特別な体験になると思う。モナコはみんなにとっても全然違う挑戦になる。あそこでうまく走るには全く違うスタイルでマシンを操らなきゃいけない。でもすごくワクワクしてるし、悪い週末の後だけに、早くあの場所でリスタートを切りたい気持ちだよ」

    リアム・ローソン エミリア・ロマーニャGP F1 ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム

    レーシングブルズのマシンが、低速で狭く、ツイストが連続するモナコ市街地に適応するかどうかについては、「現時点では判断が難しい」としつつも、ローソンは次のように続けた。

    「去年のレース結果を見ても、今年同じような展開になるとは限らないしね。でも今のマシンはいい方向に進んでるとは思う」

    さらに今年のモナコGPでは、新たに義務づけられた「2回のピットストップ」ルールがレース展開に変化をもたらす可能性もあると指摘した。

    「これは可能性を広げる要素になり得る」と述べたうえで、ローソンはこう締めくくった。

    「でも最終的にはマシンの速さがものを言うし、予選の重要性はこれまで通り変わらないと思う。だから、僕たちもそこに全力で集中していくよ」

  • フェルナンド・アロンソ F1エミリア・ロマーニャGP「結果はただただ不運だった」

    フェルナンド・アロンソ F1エミリア・ロマーニャGP「結果はただただ不運だった」

    フェルナンド・アロンソは、今季初めてマシンに競争力が感じられたにもかかわらず、F1エミリア・ロマーニャGPで5番グリッドから11位まで後退してしまったレースについて、「純粋な不運だった」と悔しさを滲ませた。

    今回導入されたアップグレードと、予選に向けてミディアムタイヤを1セット温存するという戦略的判断が功を奏し、アストンマーティンの両マシンが今季初めてQ3進出を果たした。アロンソは5番グリッドからスタートし、レース序盤はその位置をキープして走行していた。

    ランス・ストロールも数ポジション後方からスタートし、チームはダブル入賞の可能性も見えていた。しかしアロンソが早めにピットインした後、直後に導入されたバーチャル・セーフティカー(VSC)によって、多くのドライバーが“安上がりな”ピットストップを行い、アストンマーティン勢の前に復帰してしまったことで、流れが一変した。

    さらに状況は悪化。レース終盤のセーフティカー導入により、他の多くのドライバーが再びタイヤ交換を行ったのに対し、アストンマーティンには投入可能な新品タイヤが残っておらず、戦略的な対応が難しい状況となった。そうした中、アロンソは自身のレースをこう総括した。

    「ただただ運が悪かった。今日のクルマは本当に素晴らしかった。レース序盤はマクラーレンや(ジョージ)ラッセルについていけたし、これほど前方で競争できるとは予想していなかったから、うれしいサプライズだった」

    「P6かP7あたりで両マシンをフィニッシュさせられると考えていたけど、VSCのせいで他のドライバーたちが僕らの前でピットアウトすることになって、僕らのレースは終わってしまった。とても不運だったし、クルマは本当に競争力があった。いいバトルもできた」

    「終盤の数周でも、9周で3~4台をオーバーテイクした。今年はこんな走りをあまり経験できていないから、大きな前進だよ」

    フェルナンド・アロンソ F1 エミリア・ロマーニャGP アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチームアロンソはイモラでトップグループで戦った。

    特に注目すべきは、アロンソがその終盤に古いミディアムタイヤで見せたペースだった。彼は11位まで順位を上げ、今季いまだ届いていないポイント圏にあと一歩と迫った。

    ポジティブな材料としては、アストンマーティンのアップグレードパッケージが明確な成果を示したことが挙げられる。アロンソのチームメイトであるストロールは15位に終わったが、それはピットストップ後に交通に巻き込まれた影響が大きく、アップグレードの実力を判断するにはさらなるデータが必要だとしている。

    「来週はまったく違うタイプのサーキットでレースがあるから、そこでこの勢いを維持できるかどうか見てみよう」とアロンソは締めくくった。

    なお、アストンマーティンはコンストラクターズランキングで7位をキープしており、8位のレーシングブルズに対して4ポイント差をつけている。

  • 角田裕毅 F1エミリア・ロマーニャGP「Q1のヒーローになろうとした」背景を語る

    角田裕毅 F1エミリア・ロマーニャGP「Q1のヒーローになろうとした」背景を語る

    角田裕毅は、F1エミリア・ロマーニャGPの決勝でピットレーンスタートから10位入賞を果たし、徹夜でマシンを修復したメカニック陣の「大きな」働きに対して感謝の意を表した。

    土曜の予選Q1序盤、角田裕毅は大クラッシュを喫し、赤旗の原因となった。レッドブルのマシンはグラベルに飛び込み、バレルロールするほどの激しいアクシデントで、4輪すべてに深刻なダメージを負った。

    幸いにも角田裕毅本人は無傷でレース出走に支障はなかったが、メカニックたちはマシンの修復に夜通し取り組むこととなり、その結果、日曜の決勝はピットレーンからのスタートとなった。

    レースでは、バーチャル・セーフティカー(VSC)とセーフティカー(SC)のタイミングにも助けられながら、角田裕毅は着実に順位を上げていった。そして、終盤にキミ・アントネッリがリタイアしたことで10位に浮上し、1ポイントを獲得した。

    「少なくともチームに何か返せたのは嬉しいです。特にあれだけの作業を夜通しやってくれたメカニックたちのことを思うと、本当に大きな仕事だったと思います」

    「何かを返せたことには満足していますが、それでも昨日の予選のことはすごくフラストレーションが残っています。あまり眠れませんでした。でも、切り替えるしかありません。とにかく、チームに何かを返せたという点ではまだ納得しています」

    角田裕毅 レッドブル F1 エミリア・ロマーニャGP

    角田裕毅「Q1のヒーローになろうとした」予選クラッシュの背景を語る
    角田裕毅は、F1エミリア・ロマーニャGPの予選で喫した大クラッシュについて、自身が「Q1のヒーローになろうとした」ことが原因だったと振り返った。週末序盤の好調なパフォーマンスにより、過度な期待を自分に抱いていたという。

    金曜のフリー走行では、角田裕毅はチームメイトのマックス・フェルスタッペンに0.1秒差以内で迫るなど、上々の滑り出しを見せていた。その手応えが、逆に焦りや無理な攻めにつながったと語る。

    「正直、ワンラップのペースはすごく良かったです。特にFP2まではマックスとかなり近いタイムを出せていましたし、FP3ではあまりラップのチャンスがなかったんです。だからこそ予選には自信を持って臨んでいましたが、期待しすぎてしまった。Q1の最初のラップでヒーローになろうとしてしまって、それは本当に必要のないことでした」

    角田裕毅は、今後の予選に向けては「一度立ち止まって見直す必要がある」と述べ、冷静な判断と着実なアプローチの重要性を強調した。

    「そういった部分を一度立ち止まって見直して、次はもっと良くしていきたいと思っています」

  • アイザック・ハジャー F1エミリア・ロマーニャGP「セーフティカーは残念だった」

    アイザック・ハジャー F1エミリア・ロマーニャGP「セーフティカーは残念だった」

    レーシングブルズのルーキー、アイザック・ハジャーがF1エミリア・ロマーニャGPで見事9位入賞を果たし、チームに貴重な2ポイントをもたらした。スタート直後に順位を落としながらも、巧みなタイヤマネジメントと安定したレース運びで順位を回復し、ルーキーとは思えない走りを披露した。

    「ここイモラでの週末はとても良かったし、自分のパフォーマンスにも満足している」とハジャーは語った。

    「レース序盤のスタートで2つ順位を落としてしまったのは痛かったが、改善すべきポイントとして受け止めている。全体としてペースは良かったし、タイヤマネジメントについてはチームと一緒に素晴らしい仕事ができたと思う」

    中盤には7位まで浮上し、上位フィニッシュが視野に入っていたが、終盤のセーフティカー導入により状況が一変した。「レースのある時点では7番手を走っていて、これは持ち帰れるかもしれないと思っていた。でも、セーフティカーが出たのは残念だった。何か他の選択肢があったかどうか、チームと一緒に見直していくつもりだ」と語りつつ、「ポイントが取れたのはうれしいし、チームの仕事に誇りを感じている」と締めくくった。

    また、次戦モナコに向けては「ルーキーとしてモナコで走るのは印象的で、間違いなく難しい挑戦になる。でも、初めてF1マシンであの街を走れるのが本当に楽しみ」と期待を語った。

    アイザック・ハジャー エミリア・ロマーニャGP F1 ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム

    メキース代表「DRSトレインに阻まれたが、確かな進歩」
    レーシングブルズのチーム代表ローラン・メキースも、ハジャーの成長を高く評価するとともに、チームとしての前進を実感している。

    「ヨーロッパに戻ってのレース、しかもファエンツァに近い我々の“ホーム”で戦えるというのは、チームにとって特別な意味を持つ週末だった。両拠点のスタッフが協力して開発したアップグレードを実戦で試すことができ、実際にその成果がパフォーマンスに表れたのは非常に心強い」

    「アイザックにとってはF1でのイモラ初挑戦だったが、非常に成熟した走りを見せてくれた。予選・決勝を通して安定しており、特に決勝ではほぼ理想的なワンストップ戦略を成立させた」

    一方で、戦略上の判断が難しかった場面についても触れた。「1回目のセーフティカーは我々にとって有利に働いたが、2回目では非常に悩ましい選択を迫られた。新品タイヤへの交換も視野に入れたが、結果としてステイアウトを選択。しかし、その後はサインツやラッセルの後方でDRSトレインに巻き込まれ、持ち前のペースを発揮しきるのが難しくなってしまった。それでも9位フィニッシュと2ポイント獲得は、我々の進化を裏付ける結果だ」

    「モナコはまったく異なるタイプのコースだが、今回のイモラで得た教訓――特に予選に向けたセットアップとドライバーの集中力――は必ず活きてくる。我々は一歩ずつ、確実に前進している」

  • フランコ・コラピント F1エミリア・ロマーニャGP「まだ準備が整っていない」

    フランコ・コラピント F1エミリア・ロマーニャGP「まだ準備が整っていない」

    アルピーヌF1での初戦に挑んだフランコ・コラピントは、予選でのクラッシュと決勝16位という厳しい週末を振り返り、「まだ準備が整っているとは言えない」と率直に語った。

    土曜予選では激しいクラッシュを喫し、赤旗の原因となったコラピント。決勝では16番グリッドからのスタートとなったが、序盤のコーナーで慎重すぎる走行を見せてポジションを落とし、数周後にはグラベルにはみ出してしまう場面もあった。

    それでも21歳のアルゼンチン人ドライバーは、ロングスティントでC5タイヤ(ミディアム)を効果的に使い、レースを通じて重要な経験を積んだと前向きに捉えている。

    「序盤のペースは他のドライバーと比べて良かったし、C5タイヤでかなり長く走れた。1ストップ戦略だったんだけど、ピットインしてすぐにVSC(バーチャル・セーフティカー)が出てしまって、かなり厳しい状況に置かれた」とコラピントは振り返る。

    「VSC中にタイヤを交換したドライバーたちと比べて8周古いタイヤで走っていたから、ペースを維持するのが難しかった。それでも、マシンについて学べたし、良い経験になった」

    フランコ・コラピント アルピーヌF1チーム F1 エミリア・ロマーニャGP

    さらに次戦モナコGPに向けても意欲を見せた。

    「これから自分たちに合うサーキットが増えてくると思う。モナコは特に自信が問われる場所だけど、僕はまだその域には達していない。けれど、乗るたびにどんどん学んでいる。自信を高めて、来週末のモナコに臨みたい」

    なお、コラピントは昨年のF1ではシーズン後半にウィリアムズから出走しており、モナコを走るのは今回が初めてとなる。予選が大きな意味を持つモナコにおいては、チームメイトのピエール・ガスリーが示したワンラップの速さが心強い材料となるだろう。

  • カルロス・サインツJr. F1エミリア・ロマーニャGP「フェラーリより速かった」

    カルロス・サインツJr. F1エミリア・ロマーニャGP「フェラーリより速かった」

    カルロス・サインツJr.は、F1エミリア・ロマーニャGPで8位入賞を果たしたにもかかわらず、満足しきれない複雑な心境を抱えてイモラを後にした。チームメイトのアレクサンダー・アルボンが5位でフィニッシュし、ウィリアムズにとってはダブル入賞となったが、サインツにとっては「もっと上を狙えた」レースだった。

    6番グリッドからスタートしたサインツは、序盤は堅実な走りを見せていたが、チームは彼を比較的早い段階でピットに呼び入れた。

    多くのドライバーがロングスティントを選ぶ中、この戦略は裏目に出てサインツはトラフィックに巻き込まれることとなった。

    その直後からサインツは無線で「1ストップ戦略が正しい」と訴えており、自身が最善でない戦略に置かれていることを察していた。だが、その後のバーチャル・セーフティカー(VSC)とセーフティカー(SC)による混乱もあり、最終的にはポイント圏内の8位まで巻き返した。

    「正直、今はちょっと不満だ。今週末はマシンのペースが良くて、今日はトップ5も狙えたはずだった」とサインツは語った。

    「メルセデスよりも速かったし、フェラーリよりも速かった。週末を通して本当に良い感触があった。でもなぜか、日曜になると上手くいかない。レースの進め方が課題なんだ」

    「今日はすごく早くピットに入ったけど、あの時点で“ちょっと早すぎるんじゃないか”と感じていたし、結果的にも早すぎた。もっとチームとして互いの理解を深めないと、今のままだと大きなポイントを失い続けることになる」

    カルロス・サインツJr. ウィリアムズ・レーシング F1 エミリア・ロマーニャGPサインツは序盤はアルボンをリードしていたが、チームメイトの後ろでフィニッシュした。

    開幕戦から数戦はウィリアムズに苦戦していたサインツだが、最初のトリプルヘッダーを経て感触をつかみ、以降は安定したパフォーマンスを見せている。ここ3戦連続でポイントを獲得していることは本来ならポジティブな成果だが、彼は今のマシンの競争力を考えると、それでも物足りないと感じている。

    「数戦前、いや1年前の自分に“フェラーリやメルセデスと純粋なペースで戦ってP8に不満を感じている”なんて話したら、すごく喜んでいただろうね」とサインツは語る。

    「でも現実として、この2週連続で僕たちには彼らを倒せるクルマがあった。でもそれを成し遂げられなかった。だから今は満足できない。これだけの速さがあるなら、ちゃんと日曜に活かさないと意味がない」

    「チームとしてもっと良くなる必要があるし、互いの理解を深めて、日曜に物事を複雑にしすぎないようにしないといけない。今日は15番手から8位まで追い上げる展開になるとは思ってなかったけど、なんとかやりきった」

    それでもイモラでのフラストレーションが残る一方で、ウィリアムズでの新生活における順応が進んでいることには手応えもある。

    「まだシーズン7戦目なのに、これだけのスピードとマシンとの一体感を示せているのなら、今後はもっと良くなっていけると確信している。だから前向きな気持ちを保って、チームとして互いに成長し続けていきたいと思っている」

  • シャルル・ルクレール F1エミリア・ロマーニャGP「受け入れられない状況」

    シャルル・ルクレール F1エミリア・ロマーニャGP「受け入れられない状況」

    シャルル・ルクレールは、F1エミリア・ロマーニャGPで6位に終わったことに落胆を示し、「今のフェラーリでの自分の状況は受け入れがたい」と語った。

    土曜の予選ではQ2で敗退。決勝では巻き返してポイント圏内に入ったものの、週末全体のパフォーマンスには納得していない様子だった。

    今季のルクレールは、サウジアラビアGPの3位による表彰台が唯一のハイライトであり、ランキング首位のオスカー・ピアストリとは85ポイント差がついている。

    「レース前にも言っていたけど、今日は“心で戦うレース”だった。肘を張って走らなきゃいけないときがあるんだ」とルクレールはSky Sports F1に語った。

    「そういうときは限界ギリギリで走るし、時には少しオーバーすることもある。でも、11番手スタートの時点で、今の僕たちの立ち位置を受け入れることなんてできなかった」

    「リスクは取った。ピエール・ガスリーとの件については、僕が特に限界を越えたとは思っていない。あれはレーシングインシデントだと考えている」

    「アレックス(アルボン)とのバトルは確かにギリギリだった。ただ、ルールの書き方からすれば、あのときの僕はギリギリで収まっていたと思う。もう一度映像を確認する必要はあるけど、自分の行動を後悔はしていない。今日はすべてを出し切る日だった。2回目のセーフティカーのときにピットに入らなかった時点で、厳しいレースになるのは分かっていたからね」

    シャルル・ルクレール スクーデリア・フェラーリ F1 エミリア・ロマーニャGP

    ルクレールは昨シーズン、地元モナコGPで劇的な初勝利を挙げ、これまでの呪縛を解き放ったが、今年の同レースでは再現は難しいと見ている。

    モナコでの展望を問われると、「すごく厳しい週末になると思う」と語った。

    「モナコは、僕たちのクルマの弱点がかなり露呈するサーキットなんだ。だから正直わからない。でも、予想できない要素もたくさんある」

    「予選でどれだけリスクを取るか、マシンのセットアップもかなり特殊になる。だから、いい意味で驚かされることを願っているよ」

  • F1エミリア・ロマーニャGP なぜオコンはVSCでアントネッリはSCだったのか?

    F1エミリア・ロマーニャGP なぜオコンはVSCでアントネッリはSCだったのか?

    2025年F1エミリア・ロマーニャGPでは、一見するとよく似た2つのインシデントが、F1のレースコントロールによって異なる対応を受けた。

    29周目、エステバン・オコンがマシントラブルに見舞われ、ハースをターン7とターン8の間の芝生上に停車させた。

    この際レースコントロールはバーチャルセーフティカー(VSC)を導入。VSCではドライバーが速度を落とすことでレースを中立状態にし、マーシャルが安全にマシンを撤去できるようにする。この方式は通常のセーフティカー(SC)よりも処理時間が短く、ドライバー間のギャップもおおむね維持される。

    今回オコンのケースでは、2つの理由から迅速な対応が可能だった。まず、彼の停止位置がガードレールの切れ目(マシンを外へ運び出せる出口)に近かったこと。さらに、このポイントでマシンが止まるのはこの日初めてだったこともあり、VSC処理は約3分40秒で完了した。

    だが、46周目になると、アンドレア・キミ・アントネッリもメルセデスのマシントラブルに見舞われ、芝生上――今度はターン8寄りの位置――に停止。ここではレースコントロールはVSCではなく、通常のセーフティカーを導入した。この判断には、一部から疑問の声も上がった。

    「フェルスタッペンが支配していたレースを再活性化させようとしていたのでは?」と考えた人もいたかもしれない。

    エミリア・ロマーニャGP F1

    だが実際のところ、その判断は明快だった。というのも、もっとも近い撤去ルートのひとつには、すでにオコンのハースが置かれており、そこに2台目のマシンを収容するスペースがなかったのだ。

    もうひとつの出口はターン8とターン9の間にあったが、この部分は上り勾配になっているため、メルセデスを移動させるには回収車が必要だった。これがセーフティカー導入の決め手となった。

    通常のセーフティカーは、VSCに比べて処理に時間がかかる。まずセーフティカーが出動し、全車がその後方に隊列を組む必要がある。そして、コースが安全になった段階で、オリバー・ベアマンのような周回遅れの車両が再びリードラップに戻れるよう、追い越しの許可が出される。

    その結果、セーフティカー導入から手続き終了がアナウンスされるまでにかかった時間は約14分――つまり8周分に相当した。