カテゴリー: F1ドライバー

  • F1ハンガリーGP 記者会見 パート2:ルクレール、ローソン、ストロール

    F1ハンガリーGP 記者会見 パート2:ルクレール、ローソン、ストロール

    2025年F1第14戦ハンガリーGP木曜会見「パート2」には、リアム・ローソン(レーシングブルズ)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、ランス・ストロール(アストンマーティン)が出席。ルクレールはバスールとの長期契約を歓迎し、各ドライバーはシーズン前半戦を振り返るとともに、後半に向けた展望と開発への関与について語った。

    また、視界不良時のレース判断、カルチャー改革、フェラーリの内部体制、2026年新規則への取り組みなど、多岐にわたる話題が交わされた。

    終盤にはフェルナンド・アロンソの発言を受けて、チャンピオン争い外のドライバーのモチベーションについても意見が問われた。

    Q:ルクレール選手、今朝大きなニュースがありました。フレデリック・バスール代表がフェラーリと長期契約を結びました。この件についてどう思いますか?

    シャルル・ルクレール:本当にうれしいよ。サプライズというほどじゃないけど、やっぱりうれしい。ここ1か月くらい、いろいろ噂が飛び交っていたからね。公式に発表されたことが何より大事だし、とても良いニュースだと思ってる。

    Q:あなたはフレッド以前からチームにいますが、彼がこの30か月でフェラーリにもたらしたものは?

    ルクレール:他の時代と比較するつもりはないけど、フレッドは本当に素晴らしいビジョンを持っている。フェラーリで働く上で特に難しいのは、感情が日々の仕事にすごく関わってくること。イタリア人は本当に情熱的で、そこがフェラーリの特別なところでもあるけど、フレッドはその感情をうまく切り離して、どんなに外野が騒がしくても冷静にチームの現状を見極められる。それは本当に大事なことなんだ。あとは、ファクトリーの一人一人から最大限の力を引き出すのが本当にうまい。全部が組み合わさると、大きな差になる。

    Q:スパでは表彰台も獲得しました。今のマシンで安定して表彰台争いができると感じていますか?

    ルクレール:結果だけ見ればそう言えるね。この6戦で4回表彰台に上がってる。でも今の段階で「グリッド上で2番目に強いチームだ」とまでは言えないと思ってる。とはいえ、その方向に向かって前進はできているし、最近のアップグレードも前のチームとの差を詰める助けになってる。ただ、今週末に関しては正直分からない。僕にとってはこのブダペストが今季で一番苦手なサーキットだからね。今回はそのジンクスを打ち破りたい。

    Q:なぜハンガロリンクが苦手なのでしょうか?

    ルクレール:分からないんだよ。分かってたら対処できるんだけど。これまでここではあまり成功したことがない。たぶん僕のドライビングスタイルと合ってないんだと思う。ほかのサーキットよりも努力が必要な場所だけど、それはそれでいいと思ってる。

    Q:モナコではあれだけ強いのに、「壁のないモナコ」とも言われるこのコースが苦手というのは不思議ですね?

    ルクレール:もしかしたら「壁」がないのが原因かもね(笑)。でも正直、理由は分からない。それでも良い週末にできる自信はあるよ。どうなるか見てみよう。

    Q:ランス選手、ここでシーズン前半戦を振り返っていただけますか?13戦を終えて、3度のポイント獲得がありましたが、全体としてどんな印象でしょうか?

    ランス・ストロール:僕たちは自分たちが望むほど競争力がある状態じゃない、それは間違いないよ。チームとしてはもっと前のポジションで戦いたいし、毎週末もっと多くのポイントを取りたい。スパは僕たちにとって厳しい週末だった。単純に速さが足りなかった。今もシルバーストーンのファクトリーでは、マシンを速くするための開発が続けられてる。楽しいレースもあったし、ウェットのレースでチャンスを活かしてポイントを取れたのは良かったけど、もっと速くなりたい。

    Q:やはり、シルバーストンのような例外的なレースやウェットレースが、今のチームにとってのチャンスになると思いますか?

    ストロール:現時点では、そう感じるね。ドライの通常の週末でも、コースがマシンにすごく合っていて、すべてを最大限に引き出せれば1〜2ポイント取れるかもしれない。でも大抵の場合、今の僕らが何かを掴むには、そういう波乱含みの週末が必要になる。

    Q:マシンのパフォーマンスについて教えてください。スパでは新しいフロントウイングを投入しました。他にもアップデートがありましたが、ハンガロリンクはスパよりもパッケージに合うと思いますか?

    ストロール:分からないけど、そうであってほしいね。様子を見てみよう。

    Q:リアム選手、RBのアラン・パーメイン代表は、スパでのあなたのレースを「ほぼ完璧だった」と評しました。マシンの中ではどう感じていましたか?

    リアム・ローソン:正直に言えば、完璧だとは感じてなかった。ああいうコンディションではすごく難しいんだ。路面が変化してる中で、他のドライバーがスリックタイヤに履き替え始めたとき、僕の感覚ではまだ結構濡れてると感じてた。実際、僕たちはかなり早い段階でスリックに替えたんだけど、もしそのタイミングで僕に意見を聞かれてたら、「まだ早い」って言ってたと思う。それでもああいう展開の中ではうまくチャンスを活かせたし、最近はクルマの調子もすごくいい。どのサーキットでもフリー走行から感触が良くて、大きな問題もなかった。でも今は本当に僅差なんだ。スパの予選でも、2分近いラップタイムの中で、1〜2チームが0.1秒差で並んでるのを見ると、すごく拮抗してると感じるよ。

    Q:日曜のレースは、今年の中でも最も完成度の高い週末だったと思いますか?

    ローソン:どちらかというと、オーストリアの方が完璧だったと思う。予選も最大限に引き出せたし、決勝もそうだった。スパはクルマが速かったけど、予選は完璧じゃなかったし、決勝で取り返せた感じ。でも最近は全体的に安定してきていると思う。ただ、それでも2戦うまくいったくらいじゃ足りない。目標があるなら、毎週末こういう結果を出さなきゃいけない。

    Q:サマーブレイクのこのタイミングで、ここまでの2025年シーズンを振り返ると?

    ローソン:本当に忙しかった。とにかく慌ただしくて、特にシーズン序盤は思ってもみなかった展開の連続だった。最初はかなり不安定だったけど、今はだいぶ落ち着いてきたと思う。シーズンを通してスピードはあったし、ようやくそれが結果として現れるようになってきたのはうれしい。でも全体としては、もっとこういうレースを増やしていかないといけない。前半戦で2〜3戦良かっただけじゃ足りない。これからの後半戦では、週末ごとに細かい部分での積み重ねが結果に大きく影響する。だから毎週末、すべてを引き出すことに集中したい。

    記者からの質問

    Q:シャルル選手とリアム選手に質問です。ローラン・メキースについてですが、お二人は異なる立場で彼と働いた経験があります。人を動かし、関係性を築く力に長けた人物だと言われていますが、どんなふうに仕事をしていた印象ですか?

    ルクレール:僕が一緒に働いていたとき、ローランはまだチーム代表ではなかったけど、それでもチーム内でとても重要な立場にいた。彼は人の気持ちを理解する力がすごくて、僕が言葉にしなくてもどう感じているかを察してくれるんだ。そういう人はなかなかいないよ。彼がチーム代表になるのは当然だと思ってたし、実際にアルファタウリに行った時もうれしかった。今ではレッドブル・レーシングにいるけど、本当にふさわしいと思う。

    ローソン:シャルルが言った通りだね。ローランはまさに“人間味のある人”って感じで、チームに来た瞬間からすぐにリーダーシップを発揮していた。個人的にもよく話しかけてくれるし、僕にとってはすごく話しやすい存在だった。ドライバーに対しても、チーム全体に対してもすごくオープン。正直、僕がパドックで一番好きな人かもしれない。人間としても素晴らしいし、家族も素敵だし、本当に早朝から働くような人。努力家だし、彼が成功しているのは当然だと思うよ。

    Q:リアム選手、今週末はルーキードライバー特集をしています。前半戦を振り返るのではなく、後半戦に向けてどのエリアを重点的に改善・強化したいと考えていますか?

    ローソン:ひとつ挙げるなら、やっぱり予選かな。今は本当にグリッド全体が接近していて、たとえオーバーテイクが可能なコースでも、1周あたり0.1秒や0.2秒の差じゃ抜くのは難しい。だから、予選の順位がそのまま週末全体を左右するんだ。僕自身、調子が良かった週末は予選も良かった。逆に、週末が崩れた時は予選が平均的だった。クルマの状態を予選に向けて万全に仕上げて、そこから僕がすべてを引き出す。それが一番大事なポイントだと思ってる。

    Q:シャルル選手、昨冬はしばらく表舞台から離れていましたが、今季ここまでルイス・ハミルトンの前で走っていることに驚いていますか? それとも想定通り?

    ルクレール:正直に言うと、あまり期待はしてなかった。というのも、他のドライバーのデータを見ていても、「このコーナーで遅れてるのはドライバーのせいなのか、それともクルマの特性なのか」が常に不確かだから。だからこそ、実際に一緒のチームになって比べてみるのがすごく楽しみだった。今のところ、自分のパフォーマンスには満足してるし、このまま続けたい。もちろん、ルイスにとっては新しいチームだから、まだすべてを理解しきれていない部分もあると思う。だから判断するにはまだ早いけど、僕自身はいい感触を持っている。

    Q:ランス選手に質問です。2026年には新しい風洞、新PU、新レギュレーションが導入されますが、すでに来年以降のことを強く意識し始めていますか?

    ストロール:チームとしては、今はどこも2026年に向けた開発に注力してると思う。新しいレギュレーションはすべてのチームにとって大きなチャンスだからね。僕たちにとってもすごくエキサイティングな時期だよ。新しい風洞やシミュレーターが使えるようになったし、多くの人材も加わった。エイドリアン(・ニューウェイ)も加入する。メルボルンの初戦で自分たちの立ち位置がどうなるかは誰にも分からないけど、今はそこに向けて全力で取り組んでいるところだよ。

    Q:シャルル選手、チームのトップマネジメントにおける安定性は、あなたにとってどのくらい重要ですか?

    ルクレール:僕が決定権を持ってるわけじゃないけど、安定性はすごく大事だと思ってる。フレッドは僕たちが頼りにしているリーダーだし、彼が今後もチームにいてくれるのはとても良いことだよ。F1というのは、特に強いチームを築くには時間がかかる世界だから、彼と長く一緒にいられるのはチームにとっても僕にとってもポジティブな要素だと思ってる。

    Q:ルクレール選手、ルイスは先週「フェラーリの改善のためにマラネロのエンジニアに文書を作成して送っている」と言っていましたが、あなた自身は開発にどう関与していますか?もし関わっていないとしたら、取り残される不安はありませんか?

    ルクレール:大丈夫、ちゃんと関わってるよ。僕は自分で文書を作ったりはしていないけど、マラネロに戻ったときには必ずチームとミーティングをして、次に何に取り組むべきかを一緒に話し合ってる。ドライバーごとにチームへのフィードバックの仕方は違うし、僕は僕なりのやり方をしてる。それがルイスとは違っていても、それで取り残されているという感覚はまったくない。しっかり関与してるよ。

    Q:シャルル選手、今のマシンが自分の能力に見合っていないという現状の中で、フレッドの存在は「いずれ戦えるクルマを得られる」と信じさせる材料になっていますか?

    ルクレール:もちろん、フレッドの存在も大きいけど、それ以上に「チームの働き方」を見て、正しい方向に進んでいると感じてるんだ。来年は新しいレギュレーションの導入で、チームにとっても大きな転機になる。こういうルール変更のタイミングで上手くスタートできないと、あとから追いつくのは本当に大変なんだ。だから来年はしっかりと“正しい一歩”を踏み出さないといけない。僕は今も全力でフェラーリを勝てるチームに戻すために集中しているし、それが実現できると信じている。

    Q:ルクレール選手、フレッドがフェラーリに来てからの3年間で、チームの文化に変化があったと思いますか?

    ルクレール:確実に変わった部分がある。フレッドの持つ“ビジョン”が一番の変化だと思う。それをチームに浸透させたことが大きい。フェラーリの美しさって、感情がとても強く表に出るところなんだけど、逆にそれが苦しい時にはマイナスにもなる。そんな中で、フレッドは常に冷静で、どんな状況でもチームが感情に流されすぎないように保ってくれる。英語で言うと“ルーシッド”——冷静沈着ってやつ。それをもたらしてくれたのが、フレッドだと思う。

    Q:ルクレール選手、今季のフェラーリには高い期待が集まりましたが、それがシーズン序盤の失望につながり、フレッドに対する噂も過熱したように思います。この点についてどう感じていますか?

    ルクレール:その通りだと思う。シーズン開幕時の期待がとても大きかったからこそ、現実とのギャップがあったときに、それが一層悪く見えてしまった。みんな「フェラーリがチャンピオンを獲る」と思っていたのに、そうならなかった。そうなると、あらゆる憶測が出てきて、それがどんどん膨らんでしまう。でも、そういったことは僕たちにはコントロールできない。フェラーリではいつも起きることだし、これからもそうだと思う。僕たちがやるべきことは、そういうノイズからできるだけ離れて、自分たちの仕事に集中すること。それが一番大切なんだ。

    Q:シャルル選手、今年のクルマは扱いが難しいにもかかわらず、すでに5回表彰台に上がっています。今のあなた自身のパフォーマンスはキャリアの中でもトップレベルだと感じていますか?

    ルクレール:自分自身のパフォーマンスには満足してるよ。でも「キャリア最高の瞬間か」と言われたら、それは違う。だって僕は勝ちたいからね。もちろん、常に改善したいとは思ってるし、たとえばシルバーストンの週末は自分としてもかなり悪かった。そういう週末は少なくしたい。それ以外ではかなり満足してるし、良い傾向だと思う。クルマのアップグレードによって、ドライバーである僕やルイスにとっての“扱いやすさ”も改善されてきた。それによって限界を引き出しやすくなったし、序盤のように極端なセッティングに頼る必要も減った。それがミスの減少にもつながってると思うし、結果にも表れてきている。

    Q:シャルル選手、フレッド・バスール代表はユーモアのある人物という印象があります。彼の人柄はフェラーリの雰囲気づくりにどんな影響を与えていますか?何か裏話があれば教えてください。

    ルクレール:確かにフレッドはすごく面白い人だよ。そのユーモアセンスがチームの雰囲気にも良い影響を与えていると思う。もちろん僕たちはプロフェッショナルとして仕事をしているけど、チームディナーのときなんかは本当に和やかで、まるで家族のような雰囲気になる。僕自身、フェラーリと一緒に育ってきたような感覚があるし、今もそこに居続けられることがうれしい。フレッドもその一員として完全に溶け込んでいるし、難しい状況でも彼のジョークが場を和らげてくれる。今回の契約延長は、本当に良いニュースだったよ。

    Q:シャルル選手、現在コンストラクターズ選手権でメルセデスと接戦ですが、2位で終えることにどれほどの意味があると考えていますか? 来季の風洞使用時間が減ることを考慮しても、やはり2位を狙うべきでしょうか?

    ルクレール:間違いなく、3位よりは2位の方がいいと思ってる。もちろん、2位になると風洞時間が少なくなるという側面はあるけど、レースをしてる以上は、トラック上で1つでも上を目指したい。それが自然な姿勢だよ。最終的に来年どれだけの開発時間が使えるかは、その結果次第だけど、それは後で対応すればいい。僕たちの目標は明確で、まずはレースで勝てるチームに戻ること。そのためにも、今は1戦1戦を大事にして、少しでも高い順位を目指す。それが何より大事だと思う。

    Q:シャルル選手、現時点でのクルマやアップグレードの理解を踏まえて、今後のカレンダーの中で「ここは自信がある」と思えるサーキットはありますか?

    ルクレール:正直、今の時点では「ここならマクラーレンより速い」と思えるサーキットはないかな。マクラーレンはどの週末でも安定して強い。レッドブルは週によって上下があるし、僕たちフェラーリやメルセデスも同じような状況だけど、マクラーレンだけは常に一定のパフォーマンスを出してる。だから今は、「ここなら勝てる」と思えるサーキットはないけど、逆にそう思ってなかった場所で驚けることを期待してるよ。

    Q:3人全員に質問です。フェルナンド・アロンソ選手が最近「今後シーズン後半は、チャンピオン争いをしているマクラーレンの2人以外にとっては退屈な時間になる」と発言していました。この見方に同意しますか?

    ストロール:確かに、マクラーレンの2人にとっては僕たちよりエキサイティングな展開になると思う。でも、どのレースでも何が起きるか分からないし、僕たちにもそれぞれの戦いがある。例えば僕たちにとっては、1ポイントでも獲得できたらそれは大きな成果だし、マクラーレンは毎週末勝利を目指して戦っている。それぞれ違う戦いがあるってことだよ。僕は毎週末を楽しみにしてるし、何が起きるか分からないから面白い。来年のことを考えると、すべてのチームにチャンスがある。そこが楽しみなところでもあるね。

    ルクレール:僕も同意するよ。でも「マクラーレンの2人以外は楽しめない」ってのはちょっと極端かな。僕たちにも戦いはある。もちろん、ワールドチャンピオン争いをしているとは言えないけど、僕たちはレースで再び勝つために努力している。そのために走るのはすごくモチベーションがあるし、早くそうなれることを願ってる。レースがある限り、やる気もあるし楽しみもあるよ。

    ローソン:2人が言ったことに同感だね。今の中団はすごく接戦だから、僕たちから見ても毎週末の展開がすごくエキサイティングなんだ。順位も、週末の流れ次第で大きく変わる。それぞれの立場で違った戦いがあるし、僕たちはその戦いに集中してる。だから、退屈という感じではないよ。

    Q:ランス選手に最後の質問です。あなたはF1の異なる世代のマシンでウェットレースを経験していますが、なぜ現在のマシンはここまで視界が悪いのでしょうか?2008年のような“名レース”はもう期待できないのでしょうか?

    ストロール:条件の話だよね?僕の印象では、マシンが大きくなって、タイヤも太くなってきたことで、スプレーが年々ひどくなってる。今は視界が一番の問題。特にクルマとタイヤが大きいせいで、巻き上げる水しぶきも大きくなってる。たとえばスパで、オー・ルージュを時速300キロで駆け上がるときに、何も見えない状態なんて、レースできる状況じゃない。昔より悪化しているかは分からないけど、スプレーと視界が最大の課題なのは確か。本当の意味でウェットレースを成立させるには、視界改善にもっと取り組む必要があると思う。

  • F1ハンガリーGP 記者会見 パート1:ピアストリ、オコン、ガスリー

    F1ハンガリーGP 記者会見 パート1:ピアストリ、オコン、ガスリー

    2025年F1第14戦ハンガリーGP木曜会見「パート1」には、選手権リーダーのオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、ハースのエステバン・オコン、アルピーヌのピエール・ガスリーが出席。前戦スパでの振り返りとともに、今季後半戦に向けた展望が語られた。

    視界不良によるレースコントロールの判断をめぐる議論にも及び、3人はそれぞれの立場から冷静に見解を共有。タイトル争い、チーム内の信頼関係、雨天時のリスク判断など、多岐にわたる話題が飛び出した。

    Q:スパでの走りは素晴らしかったですね、オスカー。オーバーテイク、タイヤマネジメント、プレッシャーへの対処——その中で最も満足したのは?

    オスカー・ピアストリ:いろんな要素が組み合わさってたと思う。特に1周目のオーバーテイクは勝利のカギになったと思ってるし、ローリングスタートだったことを考えると、スタートもかなり良かった。それが好位置につけられた理由だと思う。あとミディアムタイヤのマネジメントも重要だったね。週末全体を通してペースが良かったし、日曜以前の段階から手応えがあった週末だったよ。

    Q:そしてタイトル争いですが、現在3位のフェルスタッペンに81ポイント差。これはランド・ノリスとの一騎打ちと見ていいですか?

    ピアストリ:そうだと思うよ。ここ数週末は、常に僕とランドの争いになってるしね。今後の特定のサーキットでも、彼とはしっかり競り合うことになるだろう。もちろん、フェルスタッペンやフェラーリ、メルセデスが食い込んでくる可能性もあるけど、それは予測できない部分だ。僕自身はとにかく1戦1戦勝ちにいくだけ。ランドとは同じマシンに乗っているから当然彼が一番のライバルになるよ。

    Q:この週末のハンガリーは、ちょうど1年前にあなたが初優勝した地ですね。今回も二人の争いになりそうですか?

    ピアストリ:どうだろうね。チームとしてはこのサーキットは過去にも好成績を収めているし、僕が加入してからの2年間はいつも調子がいい。今回も強さを発揮できると思うよ。でも今年は、期待したほど優位に立てなかったサーキットもあるし、逆に意外と差を広げられた場所もある。何が起こるかは分からないけど、前方で戦えると思ってる。

    Q:エステバン、まずはスパを振り返りましょう。スプリントは良い結果でしたが、決勝は残念でした。日曜の戦略やタイヤ選択については何を学びましたか?

    エステバン・オコン:まず全体としてはポジティブな週末だったと思ってる。強いクルマがあって、ポイント圏内で戦える力があったし、それを金曜と土曜のスプリントでは最大限に活かせた。僕が5位、オリバーも7位で大量得点だった。ただ土曜の予選はうまくいかなかったし、決勝はさらに悪かった。我々には速いクルマがあるけど、それをきちんと活かせるように全部を揃える必要がある。今週末はそこを目指すよ。

    Q:アップデート以降、特に高速コーナーで好調なクルマですが、今週末はどうなりそうですか?

    オコン:問題なく競争力を発揮できると思う。僕自身も好きなサーキットだし、いい思い出もある。アップデート以降、明らかに一歩前進できているし、あとは正しいゾーンに入れるかどうかだ。予選が非常に重要になるから、そこで最大限を引き出す必要がある。あと、また雨が降るかもしれない。ここ2戦は戦略で最大限の結果が出せなかったから、今回こそはうまくやりたいね。

    Q:そしてこのハンガリーGPでシーズン前半が終わります。この新チームでの前半戦を自己評価すると?

    オコン:全体的に見れば、いい方向に進んでると思う。もちろんスムーズじゃない週末もあったけど、「これは完璧だった」と言える週末も何度かあった。学びも多かったし、開幕戦オーストラリアでは最後尾だったけど、そこからは本当に見事な巻き返しができたと思う。チームは難しい状況でも諦めずに反応してくれたし、そういう姿を見ると僕も誇らしい。今は中団が団子状態だから、1戦ごとの結果が年末に大きな差になる。常に全力で戦うよ。

    Q:ピエール、ここ2戦は好成績ですね。シルバーストンで6位、スパで10位。最近のクルマの進化についてはどう感じていますか?

    ピエール・ガスリー:確かに、ここ2戦は良い結果だった。天候が順位を少しシャッフルしたけど、僕らは正しい判断ができたし、持っているパッケージを最大限に活かすことができた。シルバーストンもスパも戦略が完璧だったし、チームとしての運用がうまくいってる。もちろん、もう少しパフォーマンスが欲しいけど、今は与えられたマシンでベストを尽くすだけだね。

    Q:あなた自身のパフォーマンスにも触れたいのですが、ここ2戦は特に素晴らしかったです。ご自身ではどう評価していますか?

    ガスリー:すごく満足してるよ。でもそれはチームが僕に自信を与えてくれるクルマを用意してくれているおかげだ。今季は厳しいシーズンだけど、みんなが一丸となって毎週末にベストを尽くそうとしている。結果が14位や12位でも満足できないけど、それでも毎回ベストを尽くす姿勢は変わらない。その積み重ねがシルバーストンの6位やスパの10位に繋がったんだと思う。後半戦も同じ気持ちで臨むよ。

    記者からの質問

    Q:ピエール、今あなたは選手権で最下位に位置しています。エンストンのチームがここまで下位に沈んだのはトールマン時代の1985年以来です。9月にスティーブ・ニールセンが新たなマネージングディレクター/チーム代表に就任しますが、最下位脱出のために彼がすべきことは何でしょうか?

    ガスリー:現実として、バルセロナ以降クルマの仕様は変わっておらず、今後もシーズン末まで同じ状態が続く。だから達成可能な目標については現実的になる必要があると思う。スティーブが9月に来てくれることは心強いけど、彼の影響が現れるのは2026年以降になるはずだ。今は2026年に向けてチーム全体が取り組んでいて、その方向性には手応えを感じている。来季以降、競争力あるマシンを用意してくれると信じている。今季の成績が悪いからといって、トラック上やファクトリーで悪い仕事をしているわけじゃない。中団が極端に拮抗している中で、我々は2026年に向けた決断をしており、それが今季の成績に影響しているだけだ。正直言えば、コンストラクターズで9位だろうが10位だろうが、実質的には何も変わらない。でもその分、来年表彰台や勝利、トップ5争いができるクルマを得られるなら、僕はそっちを選ぶ。

    Q:オスカー、昨年スプリントでの初優勝のあと「本物の勝利とは言えない」と話していました。でも現在の選手権ではスプリントがタイトル争いを左右する状況です。スプリントに対する姿勢は変わりましたか?

    ピアストリ:いまだにスプリント勝利は“本物”の勝利とは思ってないけど、重要ではある。今のチームの立ち位置だと、スプリントで得られるのは1ポイントや2ポイントで、それ以上のリスクを取る意味がない場面も多い。すごくうまくやっても大きな見返りはないけど、何か失敗すれば大きな代償を払うことになる。それでも、取れるポイントはすべて取っていくべきだし、普通のレースと同じようにベストを尽くしていくだけだよ。

    Q:スパの予選後、あなたは自分が最速でベストなドライバーだと今も思っているかと聞かれました。改めて、今季タイトルを獲れる自信はありますか?

    ピアストリ:自信はある。もちろん毎週末が完璧というわけじゃないけど、僕のキャリアでも完璧な週末なんてそう多くはない。大事なのは年間を通して安定した強さを保つことだと思ってる。ここ数戦、特にスパでのパフォーマンスにはかなり満足しているし、自分の力を発揮できていると感じてる。この調子を維持できれば、タイトル獲得も可能だと思ってるよ。でも簡単なことじゃないのは確かだね。

    Q:皆さんに質問です。スパ後、「なぜレースをしないのか?」という声がありました。セナやシューマッハが同じ状況ならどうしたかと語る人もいました。ドライバーとして、視界ゼロで走る危険と、観客が求める“ヒーロー的な走り”の境界線はどこにあると思いますか?

    ガスリー:正直に言えば、保守的過ぎた理由を説明するほうが、無理にレースさせて大事故が起きた後の説明よりはるかに楽だと思う。シルバーストンでも視界が悪くて他車に衝突する場面があったけど、あれはレースじゃない。我々はウェット路面でのドライビングを見せたいし、オーバーテイクもしたい。でもそれにはまず、前方が見えなければ話にならない。スパでは事前に「保守的になる」と明言されていたし、実際そうだった。過剰に保守的だったかもしれないけど、それを批判すべきだとは思わない。むしろ、どうやって適切な判断ラインを見つけるかを話し合っていくべき。FIAも改善しようとしているし、僕らドライバーもウェットで走るのは嫌いじゃない。でも視界が全くないままストレートで走るのは、事故を呼び込むだけ。今回の判断は説明できるものだったし、僕は間違っていたとは思わない。

    オコン:僕が初めてスパに行ったのは2012年で、グリッドのかなり後ろだった。あのときもウェットだったけど、まったく前が見えなかった。ちょうど今回のアイザックとキミの接触に似ていたね。僕は安全のために右に避けて視界を確保しようとしたんだけど、そのとき隣の車が初めて視界に入った。もし左に動いてたら、完全にぶつかってたと思うし、大怪我してたかもしれない。そんな状況は何度も経験してきたけど、まったく楽しくないよ。今回FIAが慎重な判断をしたのは正しかった。視界が2メートル先までしかない状態で走るなんて、事故のもとだよ。僕らはもうそんな犠牲を見たくない。

    ピアストリ:ピエールがよくまとめてくれたと思う。ここ数年、FIAには「どこまでが許容範囲か」というフィードバックを継続的に伝えてきた。テレビで見るより、車内からの視界はずっと悪いんだ。FIAは僕らの意見にしっかり耳を傾けてくれていて、それはありがたいことだと思ってる。むしろ「安全側に振ってくれ」と伝えてきたし、今回はその通りになった。もしスパで大事故が起きてたら、今ここにいる誰もが違う空気になってただろう。今後もFIAと調整を続けて、より良い判断にしていければいいね。

    Q:オスカー、タイトル争いにおいて、最も速いドライバーであることと、ミスを最小限に抑えることでは、どちらがより重要だと思いますか?

    ピアストリ:理想的には、どちらも必要だよ。どちらの主張にも一理ある。たとえば、すごく安定していても、毎回2位じゃあまり意味がない。やっぱり両方を備えていることが必要なんだ。今のグリッドのレベル、特に僕のチームメイトのレベルを考えたら、自分のベストを出し続ける必要がある。もちろん、それだけリスクもあるから、多少のミスは避けられない。でも、安全に行こうとしてペースを落としたら、それはそれで勝てない。だから、どちらも必要なんだ。

    Q:オスカー、あなたとランドのパフォーマンスの差は週末ごとに大きく変動しています。特にスパでは予選と決勝でその差が顕著でした。今後、シーズン後半のプレッシャーが高まる中で、二人の間でタイトルを分ける決定的な要素は何だと思いますか?

    ピアストリ:正直言って、答えはさっきと似てるよ。シーズン終盤でも、勝つために必要なのはシーズン序盤と同じ。つまり、周りの誰よりも速くて、ミスを最小限に抑えること。それが変わることはない。毎回安定していても、ランドに毎回負けてたらチャンピオンにはなれない。速さと安定性のバランスを取らなきゃいけない。でも、僕らはロボットじゃないから、100%ノーミスで行くのは無理だ。だからこそ、ミスを減らすことに加えて、速さも絶対に必要になる。保守的すぎると結局やられるよ。

    Q:オスカー、マクラーレンにはかつて1988〜89年にセナとプロストの有名なチーム内タイトル争いがありました。チーム内でその歴史を参考にしたような話題はありましたか?たとえば、「ああならないようにしよう」など。

    ピアストリ:特別にその話題が出たわけじゃないよ。でも誰もがセナとプロストの歴史は知ってるし、ああいうライバル関係がどうなったかも分かってる。だからこそ、今のチーム文化を維持することの大切さは、改めて話さなくても自然と共有できてると思う。僕たちはこの強いパッケージを何年も維持したいと考えているし、そのためにチームにポジティブな雰囲気と自信を与えることが、速く走ること以外にできる貢献だと思ってる。だから、今は良い関係を維持することが大事なんだ。みんな、悪い方向に進む例は見てきてるからね。

    Q:では、マクラーレンのコンストラクターズタイトルが決まったあとに初めて自由に戦えるようになる、という意味ですか?

    ピアストリ:その質問の意図が完全には分からないけど、今シーズン最初から僕たちは自由に戦えてるよ。

    Q:皆さんに質問です。雨天時の視界の悪さについてですが、これは車両固有の問題だと思いますか?それとも他の方法で軽減できる余地があると思いますか?

    ガスリー:つまり「それは車両の問題か?」ってことだよね?今のクルマは、確かにスプレー(巻き上がり)がひどい。タイヤからのスプレーを減らすためにホイールカバーのような装備でテストが行われているけど、現時点でどう進んでいるかは分からない。でも、将来的にはスプレーを減らす工夫をしなきゃいけないのは確かだよね。スプレーが少なくなればウェットレースも成立するし。今のところ、視界が確保できればウェットタイヤの出番はなくなるし、それじゃ本末転倒。だからやっぱりこの問題に取り組む必要があるよ。

    Q:皆さんに質問です。ハンガロリンクには新しい施設が完成しました。新スタンドやピットビル、広いガレージなどがあります。印象は?

    ピアストリ:今のところ、座ってるこの場所以外あまり見てないけど、外から見た限りすごくきれいに見える。ファンがより良い体験をできるなら、それは素晴らしいことだよ。たった1年でここまで作ったのはすごいね。本当に大きな作業だったと思う。

    オコン:主催者がここまで短期間でやり遂げたのは本当にすごいと思う。あのグランドスタンドが決勝のときに満員になってるのを見るのが楽しみだよ。いつもこの場所はたくさんのファンがいるけど、それがさらに広がったのはいいことだし、ピット出口も広くなって出やすくなると思う。ホームストレートの再舗装部分はまだ見てないけど、パドックが去年とまったく違ってて、正直びっくりしたよ。

    ガスリー:とにかく美しいね。僕も同じ感想だよ。

    Q:エステバン、天候が4年前と似てくるかもしれませんが、あの日のようなパフォーマンスを今のマシンで再現できると思いますか?

    オコン:現実的に言えば、無理だね。それが正直な答え。もちろん、こういう天候ではチャンスが広がるけど、ここ2戦はそのチャンスをうまく活かせていない。今回はうまくいくかもしれないけど、バラエティ豊かな展開になりそうなのは間違いないね。ハンガリーでは毎年、何かしらドラマがあるからね。

    Q:オスカー、昨年はランドにアンダーカットされて、チームラジオでもいろいろやり取りがありました。でも彼がポジションを譲ってくれて勝利を手にしました。あの出来事は、チームメイトとしての自分にどんな影響を与えましたか?

    ピアストリ:チームの健全な関係性が現れた出来事だったと思うよ。ちょっと気まずい状況だったけど、どんな状況でもチームが正しい判断をしてくれるし、僕たちドライバー同士もその判断を尊重する信頼関係があるってことが示された。あれでチーム内の信頼がより強まったと思う。

    Q:最後にもう一つ。オスカー、去年のこの場所ではまだグランプリ未勝利でしたが、12か月後の今はチャンピオンシップリーダーです。あなたの中で、何が一番変わりましたか?

    ピアストリ:いろんな分野で少しずつ成長できたと思う。去年も、うまくいった週末ではレースに勝てるだけの力があると感じてたけど、平均的な日や悪い日が多かった。でも今年は、そういった“良い日”がすごく増えた。それが一番の違いだと思う。特定のひとつの分野というより、複数の点を見直して改善した。その結果、自分が発揮できるベストにより近づけている。そこが一番の変化かな。

  • F1ドライバーたちが語る「雨天視界ゼロ」問題 スパの教訓と将来への提言

    F1ドライバーたちが語る「雨天視界ゼロ」問題 スパの教訓と将来への提言

    2025年F1第14戦ハンガリーGPの木曜記者会見では、前戦スパ・フランコルシャンでのスタート遅延に関する議論がドライバー間で交わされた。

    スパでは、極端な視界不良によりレースが約80分中断され、安全面を重視したレースコントロールの判断が注目を集めた。

    F1ドライバーは、それぞれの経験を踏まえて「見えない状況では誰も安全に走れない」と警鐘を鳴らしつつ、今後の対応に向けて建設的な姿勢を示した。

    ピアストリはスパでの判断について、「FIAに『これ以上は限界だ』って何度も言ってきたから、そういう声が今回の判断に反映されたと思う」と語った。

    「ちょっと保守的すぎるって言いたくなる気持ちも分かる。でも、もし誰かが大クラッシュしてたら、今ここで話してる空気はまったく違ってたはずだよ。最終的には、安全が最優先だ」

    同じくスパで走行したオコンは、過去の経験から「視界ゼロ」のリスクを説明した。

    「僕は2012年のスパでレースをしたことがあるけど、最後尾スタートで、前が全然見えなかった。反射的に右に避けたら、もう1台横にいた。もし逆方向に動いてたらクラッシュだった。スピードは時速160〜170キロで、ブレーキングポイントも分からない。正直、コントロール不能なんだ」

    ガスリーも「レースをしたい気持ちはもちろんある」と前置きしながら、冷静に語った。

    「でも、前のクルマが見えない中では何もできない。ケメルストレートで時速300キロで走ってても、スプレーで前が全然見えない。何かがあっても避けようがない。FIAは批判されるべきじゃないし、むしろ我々ドライバーと一緒にどうすればもっと良い判断ができるのかを考えていくべきなんだ」

    ストロールは、マシンの進化による物理的な要因を強調した。

    「クルマが大きくなって、タイヤも太くなって、スプレーがひどくなってる。視界の問題が一番大きい。スパみたいなコースでは、オー・ルージュで300キロ出してても、上が何も見えない。そんな状況で“レースしろ”ってのは無理がある。昔もウェットは難しかったけど、今は特にひどい。視界改善が必要だよ」

    フェラーリのシャルル・ルクレールも「改善のためにはスプレーの量を減らすしかない。ホイールカバーなどのテストが行われていると聞いているが、今は条件がそろわないとウェットタイヤが使えないというジレンマもある。抜本的な技術改善が必要だと思う」と提言した。

    F1では現在、FIAがホイールカバーなどスプレー低減デバイスのテストを継続しているが、実戦投入にはまだ至っていない。ドライバーたちの声は共通しており、視界の確保がなければ、今後も“走れないレース”が続くという危機感が漂っている。

    今週末のハンガリーGPでは、天候が崩れる可能性もある。果たしてFIAとドライバーの間で得られたフィードバックが、次なる判断にどう生かされるか注目される。

  • 2025年F1 ベルギーGP 決勝:トップ10 ドライバーコメント

    2025年F1 ベルギーGP 決勝:トップ10 ドライバーコメント

    2025年F1 ベルギーGPの予選でトップ10入りしたドライバーのコメント。7月27日(日)にスパ・フランコルシャンで2025年のF1世界選手権 第13戦 ベルギーグランプリの決勝レースが行われた。

    雨の影響でスタートが大幅に遅れたベルギーGPは、路面の変化とタイヤ戦略が勝敗を分ける展開となった。レース序盤、マクラーレンの2台が主導権を握り、1周目の攻防でピアストリがノリスを抜いて首位に浮上。そのまま堅実なマネジメントで今季6勝目を挙げた。

    フェラーリのシャルル・ルクレールは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンを終始抑えきり、今季5度目の表彰台を獲得。ウィリアムズのアルボンはハミルトンの猛追を振り切ってミッドフィールドの首位を守り、レーシングブルズのローソンとザウバーのボルトレトも価値あるポイントを獲得した。

    1位:オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
    「大好きなレースのひとつで勝てて最高の気分だ。1周目が勝負だと分かっていたから、全力で仕掛けたし、それがうまくいって誇りに思っている。その後のレースも上手くマネジメントできた。ミディアムタイヤでは終盤少し苦しんだけど、コントロールできていたと思う。素晴らしいマシンを用意してくれたチームに感謝したい。次のハンガリーが楽しみだ」

    2位:ランド・ノリス(マクラーレン)
    「チームにとっては素晴らしい結果で、今世紀初となるスパでの1-2を達成できたのは嬉しい。僕自身のレースからも多くのポジティブな点を得られたし、エンジニアと一緒に内容を見直してハンガリーに向かいたい。チーム全体の週末のパフォーマンスに誇りを持っていいと思う」

    3位:シャルル・ルクレール(フェラーリ)
    「マラネロのチームがアップグレードのために多くの努力をしてくれたことを知っているから、今日の進歩にはみんな誇りを持っていいと思う。あのパッケージのおかげで表彰台に乗れたし、マックスを抑えることもできた。スリックタイヤに替えた後は、P3を守り抜くことだけに集中した。期待通りの改善が見られたから、今後さらにその性能を引き出せるよう頑張りたい」

    4位:マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
    「今日は少し残念な結果で、運がなかった部分もあった。ウェット向けにセットアップしたけど、実際にはドライレースになってしまった。リアウイングの選択も影響が大きかった。スリックに替えてからはルクレールに少しずつ離されていったし、最後はタイヤも厳しくて抜けなかった。今回のレースで弱点が明確になったから、今後に向けて改善していく」

    5位:ジョージ・ラッセル(メルセデス)
    「今日はP5が最大限の結果だった。僕たちのペースは他の上位勢に比べてあまり強くなく、レースも孤独な展開になってしまった。ここ数戦で何が失われたのか、しっかり分析して、夏休み前のハンガリーで挽回したい」

    ベルギーGP F1 ベルギーグランプリ(2025年のF1世界選手権ピアストリが今季6勝目、マクラーレンが今世紀初のスパ1-2達成

    6位:アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)
    「今日は本当に満足している。ミッドフィールドのトップに立てたし、ルイスを抑えきれたのも良かった。序盤のウェットでは少し苦戦してラッセルに抜かれたけど、それ以降は安定して走れた。チームも素晴らしい仕事をしてくれたし、パッケージがうまく機能しているのを実感できた」

    7位:ルイス・ハミルトン(フェラーリ)
    「今日はポジティブな一歩になった。戦略もピット作業も完璧だったし、セットアップの見直しでマシンの感触も良くなった。チャレンジの多い週末だったけど、最後は良い形で締めくくれた。ハンガリーに向けていい弾みがついたし、アップグレードを持ち込んでくれたチームに感謝している」

    8位:リアム・ローソン(レーシングブルズ)
    「今日はすごく楽しめたよ。ああいうコンディションではまず生き残ることが大事なんだけど、チーム全体がうまくまとめてくれた。ドライタイヤに替えたタイミングも良くて、空気がクリアな時は本当に速かった。今後もこの勢いを保って、夏休み前にもう一度ポイントを取って締めくくりたいね」

    9位:ガブリエル・ボルトレト(ザウバー)
    「またトップ10に戻れてうれしい。難しいコンディションだったけど、集中を切らさずに正しい判断ができたと思う。パッケージを最大限に引き出せたし、週末を通じて好調だった。もちろんもっと上を目指したいけど、今日の結果には満足しているし、自信を持ってハンガリーに臨めそうだ」

    10位:ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
    「かなり激しいレースだったけど、うまく判断できて1ポイントを取れたのは良かった。低ダウンフォースのセットアップにして、ストレートでの攻防に備えていたし、スリックに替えるタイミングも良かった。長く続いた防戦の末のポイント獲得なので、今日は満足しているよ。毎年スパは特別な場所だけど、こうして家族やアントワーヌの母と一緒に過ごせて良かった」

  • 2025年F1 ベルギーGP 決勝:11位以下 ドライバーコメント

    2025年F1 ベルギーGP 決勝:11位以下 ドライバーコメント

    2025年F1 ベルギーGPの決勝で11位以下だったドライバーのコメント。7月27日(日)にスパ・フランコルシャンで2025年のF1世界選手権 第13戦 ベルギーグランプリの決勝レースが行われた。

    中団以下では、タイヤ交換のタイミングと直線スピードが勝負を左右した。ハースのベアマンが4戦連続の11位でポイント圏目前まで迫った一方、ヒュルケンベルグは2ストップを試みるも届かず12位。角田裕毅はチームとのピットインタイミングの齟齬により大きく順位を落とし、悔しい13位でレースを終えた。

    後方勢では、メルセデスのアントネッリとアストンマーティン勢がセットアップの選択に苦しみ、ウィリアムズのサインツもギャンブル戦略が裏目に。最後尾のハジャーは技術的なトラブルに泣き、レーシングブルズのダブル入賞の夢は潰えた。レースは全20台が完走し、それぞれが夏休み前の貴重なデータを持ち帰る一戦となった。

    11位:オリバー・ベアマン(ハース)
    「ミディアムタイヤへの最初のストップが少し遅れてしまい、P11でのフィニッシュにつながったと思う。実はエンジンにトラブルがあって3つポジションを落としてしまったんだ。ガスリーの前に出ていたし、ヒュルケンベルグも2回ストップしたから、実質的にP10を守るレースをしていたことになる。マシンの感触はすごく良かったし、自信もあったけど、結局抜けなかった。悔しいけどポジティブな面もあるし、ハンガリーは僕らに合うと思うから楽しみだね」

    12位:ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)
    「最初のフォーメーションラップのあとに1時間以上待たされた時点で、今日は普通のレースじゃないって感じだったね。1秒差でポイントを逃したのはやっぱり悔しいよ。フロントタイヤがかなり落ちてロックやアンダーステアがひどくなって、残り11周でピットするしかなかった。特に僕の方は高ダウンフォースのセットアップだったから、低ダウンフォースのガスリーに対抗するのは厳しかった。それでも週末を通してはまずまずのペースだったし、ガビがポイントを取ってくれたのは良かったよ」

    13位:角田裕毅(レッドブル)
    「今日は正直、波のあるレースでした。チームとの間でちょっとしたミスコミュニケーションがあって、最後のコーナーでピットインのコールがあったんですが、そのときにはもうピットレーンの入口を過ぎていました。そこから1周余分に走らなくてはならず、ポジションを落としてしまいました。その後はピエールを抜こうとベストを尽くしたんですけど、ストレートスピードが足りなくて、DRSも使えなかったので難しかったです。全体としてはフラストレーションのたまるレースでしたが、いくつか学びもあったので、気持ちを切り替えて次のブダペストに臨みたいと思います」

    14位:ランス・ストロール(アストンマーティン)
    「厳しい週末だったね。やれることは全部やったと思うし、今日の結果は現状のマックスだと思う。戦略的にもミスはなかったし、判断も間違ってなかった。ただ、最終的にはポイントを取りたいんだよ。1週間後のハンガリーは全然違うタイプのコースだから、そっちに期待してる」

    15位:エステバン・オコン(ハース)
    「今日は完全に読み違えたレースだった。マシンのペース自体は悪くなかっただけに悔しい。インターで2周引っ張りすぎたし、そのあと投入されたのが中古のミディアムタイヤだったのも影響した。これからしっかり見直す必要がある」

    角田裕毅 ベルギーGP F1 ベルギーグランプリ(2025年のF1世界選手権角田裕毅は不運の13位、後方勢は戦略ミスと技術的問題に苦しむ

    16位:アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)
    「ウェットレースを想定してセットアップを変えたことで、最初の数周はマシンの感触がすごく良くて、いくつかポジションも上げられた。でもその後、路面が乾くにつれてストレートでのスピード不足が響いて、前のクルマを抜くのが難しくなった。2ストップを試してみたけど、結局ハースのオコンの後ろに詰まってしまって、結果は変わらなかったね。難しい週末だったけど、すぐにハンガリーがあるし、気持ちを切り替えて勢いを取り戻したい」

    17位:フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
    「ベルギーではいろんなことがうまく噛み合わなかった。僕たちはウェット向けのセットアップで行ったけど、結局レースはほとんどドライだった。何台かは抜いたけど、ペースが足りなかった。新しいアップグレードも持ち込んだんだけど、思っていたほどの成果は得られなかったね。データをしっかり見直して、ハンガリーで巻き返したい」

    18位:カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)
    「昨日の予選前に変更したセットアップが高くついて、ピットレーンスタートになった時点でリスクを取るしかなかった。ウェット用に大きく構えたけど、赤旗で雨の時間帯が減って、レースはドライに傾いたから完全に裏目に出た。ピットストップでも問題があって、全体としては残念なレースになってしまった。ただスプリントではいい内容を見せられたし、アレックスのマシンで新パッケージも機能していたから、来週に期待したい」

    19位:フランコ・コラピント(アルピーヌ)
    「厳しくて長いレースだった。何台かがピットレーンスタートだったから、スタート時点ではチャンスがあると思っていた。路面が乾くまでは良かったけど、僕らは低ダウンフォース仕様で行ってたから、ミディアムタイヤに替えてからはトラフィックの中で苦しんだ。サインツに合わせてもう一度ピットに入ったけど、順位を上げるには至らなかった。ピエールがポイントを取ってくれたのは良かったし、僕らも次のハンガリーに向けてまた準備していくよ」

    20位:アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)
    「レース中ずっとマシンに問題があって、かなりのラップタイムを失っていたんだ。それがなければ全然違う展開になってたと思う。ドライブしていても問題があるのは分かっていたけど、できる限りのことはしたつもりだよ。マシン自体は週末を通じて良かったから悔しい。チームには申し訳ないけど、次のハンガリーで挽回するよ。ダブルポイントも狙えた展開だったから、なおさら悔しいね」

  • 2025年F1 ベルギーGP 予選:トップ10 ドライバーコメント

    2025年F1 ベルギーGP 予選:トップ10 ドライバーコメント

    2025年F1 ベルギーGPの予選でトップ10入りしたドライバーのコメント。7月26日(土)にスパ・フランコルシャンで2025年のF1世界選手権 第13戦 ベルギーグランプリのスプリントと予選が行われた。

    スパ・フランコルシャンでの土曜は、予選とスプリントの二本立てで緊張感あふれる一日となった。マクラーレン勢が圧巻のスピードを披露し、ランド・ノリスが今季4回目のポールポジションを獲得。僚友オスカー・ピアストリもわずか0.085秒差で2番手につけ、フロントロウを独占した。

    スプリントではフェルスタッペンがそのトップスピードを活かして優勝を飾るなど、勢力図は接近戦の様相を見せている。ウィリアムズやレーシングブルズ、ザウバーといった中団勢がQ3に複数名を送り込むなど、上位10台はわずか0.7秒の差にひしめく大接戦となった。アレクサンダー・アルボンが今季ベストとなる5番手を確保すれば、角田裕毅もアップグレードの恩恵を最大限に活かして7番手へ。コンマ1秒で明暗が分かれる予選で、各ドライバーは明日の決勝に向け好位置を築いた。

    1番手:ランド・ノリス(マクラーレン)
    スプリント:3位/予選:1位(1:40.562)
    「まずまずのラップだったし、すごく満足してる。昨日からずっと自信はあったし、今日もその気持ちは変わらなかった。クルマの調子は週末を通じて抜群だよ。オスカーもすごく良い仕事をしてるし、お互いに高め合ってる。このバトルはキツいけど、楽しいよ。明日の天気はどうなるかわからないけど、晴れでも雨でも両方楽しみにしてる」

    2番手:オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
    スプリント:2位/予選:2位(1:40.647)
    「明日は2番手スタート。Q3の最後のラップでターン14でタイムを失ってしまって、悔しい。細かい差だったけど、クルマの感触はとても良かった。天気が読めない状況だけど、フロントロウからスタートできるのはいいこと。今夜しっかり準備して、明日のレースに臨むよ」

    3番手:シャルル・ルクレール(フェラーリ)
    スプリント:4位/予選:3位(1:40.900)
    「今日の結果にはとても満足している。ポールからは3テンポ離れているけど、今日のパフォーマンスをすべて引き出せたと思う。FP1からクルマには自信があったし、アップグレードについても多くのことを学べた。マクラーレンは強力だけど、明日はしっかり戦いたい」

    4番手:マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
    スプリント:1位/予選:4位(1:40.903)
    「スプリントで勝てたのは最高だった。ストレートのスピードに助けられたし、バッテリーの使い方も良かった。ただ予選はちょっと期待外れ。Q3では思ったようなグリップが得られず、バランスも合わなかった。最終コーナーでホイールスピンがあったり、1周目で既にタイムを落としていたりして、すごく悔しい。明日は天気がどうなるか次第だけど、表彰台は狙いたい」

    5番手:アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)
    スプリント:16位/予選:5位(1:41.201)
    「今日はすごく嬉しい。金曜の問題を解決できたのが大きかった。ラップは難しかったし、どこでタイムを稼げるか見えにくかったけど、Q3で大きく前進できた。タイヤのスイートスポットをうまく見つけられたのが勝因。レースペースも良さそうだから、明日はしっかり結果を出したい」

    ベルギーGP F1 ベルギーグランプリ 角田裕毅

    6番手:ジョージ・ラッセル(メルセデス)
    スプリント:12位/予選:6位(1:41.260)
    「昨日を除けば今季でもっとも厳しい予選だった。セクター1と3は良かったけど、全体としてはリアのグリップ不足に苦しんでいた。とはいえP6からスタートできるのはまだチャンスがあるということ。雨になれば少し苦しいかもしれないけど、トップ10圏外よりはずっといい」

    7番手:角田裕毅(レッドブル)
    スプリント:11位/予選:7位(1:41.284)
    「スプリントはちょっと苦しい展開になって、僕のペースとマネジメントが噛み合っていなかったんですけど、そこからすごく早く立て直してくれたチームには本当に感謝しています。明日の決勝が100戦目なんですけど、自分でも信じられないくらいあっという間でしたし、今日この位置に戻ってこられたことがすごく嬉しいです。クルマにアップグレードされたフロアを入れてくれたおかげで、今までよりも限界近くまで攻めることができました。滑りにくくなって、すごく扱いやすかったですね。メカニックのみなさんが予選までに準備してくれて、本当にすごい仕事をしてくれました。天気は雨の予報もあるけど、僕らはハイブリッドなセットアップでどちらにも対応できるようにしてるので、できればドライがいいかなと思っています。とにかく明日はポイントを取ることに集中して、全力で頑張ります。予選のあとにローラン(メキース)が笑顔で迎えてくれたのが嬉しかったですね。昔レーシングブルズで一緒に働いた頃のことを思い出しました」

    8番手:アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)
    スプリント:8位/予選:8位(1:41.310)
    「今朝のスプリントは良かった。すごくいいペースを見せられたし、ポイントを取れた。予選では序盤からリズムに乗れたし、満足してる。ただ、P8よりも上を期待してた。最初はすごく良いスタートを切れていたし、アレックス(アルボン)はわずか0.1秒前だったから、もっとできたはず。クルマの安定感も良くて、自信を持って走れた。明日はポイントを狙える位置からスタートできるし、天気がどうなっても戦えるように準備は整っている」

    9番手:リアム・ローソン(レーシングブルズ)
    スプリント:10位/予選:9位(1:41.328)
    「チームにとっては良いセッションだったし、2台そろってQ3に進出できたのは嬉しい。でも、P5までがすごく近かったから悔しさもある。セッションを通してスピードはどんどん上がっていたけど、最後に少しタイムを落としてしまった。それが大きかった。明日はとにかくミスのない走りをして、クルマの力を最大限に引き出したい」

    10番手:ガブリエル・ボルトレト(ザウバー)
    スプリント:9位/予選:10位(1:42.387)
    「またQ3に進出できて嬉しいよ。今日は少し運にも助けられたね。ハミルトンのタイムが抹消されてQ2に進めた。Q1では正直うまくいかなくてイライラしてたけど、Q2では全力を出し切った。スプリントは地味なレースだったけど、貴重な走行時間になった。だんだんとクルマに慣れてきていて、毎週末が充実してる。天気がどうなっても全力でいくよ」

  • 2025年F1 ベルギーGP 予選:11番手以下 ドライバーコメント

    2025年F1 ベルギーGP 予選:11番手以下 ドライバーコメント

    2025年F1 ベルギーGPの予選で11番手以下だったドライバーのコメント。7月26日(土)にスパ・フランコルシャンで2025年のF1世界選手権 第13戦 ベルギーグランプリのスプリントと予選が行われた。

    中団から後方にかけては、コンマ数秒の差でQ3進出や敗退が分かれる極めてタイトな争いが繰り広げられた。予選11〜14番手にはハースとザウバーの4台が並び、予選・スプリントともに手応えのある内容を示した。

    ウィリアムズのカルロス・サインツJr.はQ1では好調だったものの、Q2で伸び悩み15番手止まり。ハミルトンはトラックリミット違反によりタイムが抹消され、まさかのQ1敗退に終わった。後方5台には、アルピーヌ、メルセデス、アストンマーティンが並ぶ厳しい展開。いずれのチームもパッケージ全体での苦戦を認めており、明日の決勝は天候変化とレース展開に活路を見出す形となる。アロンソやアントネッリにとっては追い上げのチャンスを、そしてストロールにとっては立て直しを図る重要な一日となる。予報では雨も見込まれる中、後方勢の奮起が注目される。

    11番手:ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
    スプリント:リタイア(DNF)/予選:13位(1:41.633)
    「スプリントはグリッドにつく前にウォータートラブルが出てしまって、結局スタートできなかった。本当に悔しかったけど、チームが直してくれて走行テストはできた。予選は全体的にいい感触だったし、Q1も突破できた。でもQ2では、誰か前にいてくれればトウが使えたんだけど、自分が先頭だったからタイムを稼げなかった。小さな差でQ3を逃したけど、そういう細かい要素が結果を左右するから仕方ない。明日はできるだけポジションを上げていきたい」

    12番手:エステバン・オコン(ハース)
    スプリント:5位/予選:11位(1:41.525)
    「スプリントはすごく満足してる。チームにとって6ポイントは大きいし、上位陣には届かなかったけど、自分たちのレースではトップを取れた感じ。予選もかなり接戦だったけど、クルマのバランスの問題を改善できたのはポジティブ。P11スタートなら、まだチャンスはあると思うから最大限を引き出したい」

    13番手:オリバー・ベアマン(ハース)
    スプリント:7位/予選:12位(1:41.617)
    「予選の1コーナーでタイヤが温まりきってなくて、いきなり0.3秒ロスした。でもその後はすごくいいラップができたから、それが余計に悔しい。Q3に行けたはずのペースはあったからね。明日は雨になる可能性があるし、ダウンフォースをしっかり持たせたセットアップにしてるから、その点が有利に働いてくれるといい」

    14番手:ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)
    スプリント:18位/予選:14位(1:41.707)
    「予選はあまりうまくいかなかった。ストレートでの速さが足りなかったし、いいトウも得られなかったのが響いた。でもクルマの感触自体は昨日よりだいぶ良くなってた。スプリントではあまり学べなかったけど、セットアップを変えたことで前進はできた。明日は天気次第だけど、うまくチャンスをものにしたい」

    15番手:カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)
    スプリント:6位/予選:15位(1:41.758)
    「今日の結果にはガッカリしてる。Q1ではいいラップができたけど、Q2でタイムを伸ばせなかった。グリップがつかめなかったんだ。週末を通してセットアップの方向性を試してきたけど、今日はうまくいかなかった。明日は雨が降るかもしれないし、まだ諦めていないよ」

    ベルギーGP F1 ベルギーグランプリ

    16番手:ルイス・ハミルトン(フェラーリ)
    スプリント:15位/予選:16位(1:41.939)
    「今日はいい日ではなかったけど、新しいサスペンションやアップグレードからは多くのことを学べた。予選に向けてもいくつか変更を加えたけど、僕のミスでラップタイムが抹消されたのは申し訳ない。明日のレースは難しくなるけど、ポイントを目指して全力で走るよ」

    17番手:フランコ・コラピント(アルピーヌ)
    スプリント:19位/予選:17位(1:42.022)
    「今日は全体的にフラストレーションの溜まる1日だったけど、昨日から進化できた部分もあって、クルマの感触は良くなってきた。予選でももう少しでQ2に届きそうだったから悔しいよ。スプリントではピットレーンスタートだったから、実質的にはロングランのテストとして使えた。明日は雨の可能性もあるし、何が起こるかわからないから準備は万全にするつもり」

    18番手:アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)
    スプリント:17位/予選:18位(1:42.139)
    「ここ数戦、ずっと厳しい流れが続いていて、今日も例外じゃなかった。金曜からクルマのバランスに苦しんでいて、それが予選にも影響した。自信が持てないとラップにも表れる。明日は天候によって展開が変わるかもしれないから、ポジションを上げるチャンスはあると思ってる」

    19番手:フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
    スプリント:14位/予選:19位(1:42.385)
    「この週末は全然うまくいってない。雨を見越してセットアップを変えたけど、今日はまったくペースがなかった。今の順位はチームの本来の実力を表してない。まだクルマには自信があるし、明日は何とか挽回したい」

    20番手:ランス・ストロール(アストンマーティン)
    スプリント:13位/予選:20位(1:42.502)
    「今日はペースがまったくなかった。P20でも驚きはしなかったよ。週末を通してずっと苦しんでる。どこを直せるか調べないとね。明日は雨が降りそうだから、何か起こることに期待するしかない」

  • 2025年F1 ベルギーGP スプリント予選:トップ10 ドライバーコメント

    2025年F1 ベルギーGP スプリント予選:トップ10 ドライバーコメント

    2025年F1 ベルギーGPのスプリント予選でトップ10入りしたドライバーのコメント。7月25日(金)にスパ・フランコルシャンで2025年のF1世界選手権 第13戦 ベルギーグランプリのスプリント予選が行われた。

    2025年F1ベルギーGPスプリント予選は、マクラーレンのオスカー・ピアストリが他を圧倒する走りでポールポジションを獲得。マックス・フェルスタッペンはマクラーレン勢に割って入り2番手につけ、3番手にはランド・ノリスが続いた。マクラーレンが今週末の本命であることを改めて示す結果となった。

    その後方にはシャルル・ルクレール(フェラーリ)と、アップデートの効果を活かしたハース勢が連なり、ウィリアムズのカルロス・サインツJr.も6番手と健闘。アルピーヌのピエール・ガスリー、レーシングブルズのアイザック・ハジャー、そしてザウバーのガブリエル・ボルトレトがそれぞれSQ3に進出し、明日のスプリントでポイント争いに挑む。

    1番手:オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
    「この結果には本当に満足している。今日は一日を通してクルマのペースが良くて、スプリント予選にも自信を持って臨めた。SQ2ではちょっとヒヤッとした場面もあったけど、必要な時にすべてをまとめて、すごく満足できるラップを決められた。明日のスプリントで何ができるかを見て、グランプリ予選に向けて気持ちを切り替えていきたい」

    2番手:マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
    「今日のスプリント予選で2番手、2台のマクラーレンに割って入る形になったのは、僕たちにとって本当に良い結果だったと思う。クルマのパフォーマンスは最大限に引き出せたし、走っていて楽しかった。ラップ自体も良かったけど、FP1からずっとギャップが大きかったから、それは驚きではなかった。今は自分たちに集中して、クルマのバランスを整えて速くなることが重要だ。アップグレードについては、スプリント週末だと影響を正確に評価するのが難しいけど、改善を続けてパフォーマンスを引き出そうとしている。他のチームも同じように取り組んでいるし、そういうものだ」

    3番手:ランド・ノリス(マクラーレン)
    「明日のスプリントに向けて良いスタート位置は確保できたけど、もちろんもう少し上に行きたかったという気持ちはある。今夜いくつか取り組むべき点はあるけど、まだ金曜日だしね。明日のスプリント、そして夕方の予選で最大限を引き出せるよう準備していく」

    4番手:シャルル・ルクレール(フェラーリ)
    「今日の感触は複雑だ。一方で、マシンの感触が良く、アップグレードで目指していたステップが実現できたから満足している。でも、ポールポジションとは7テンチの差があって、マクラーレンはこのサーキットで普段以上に速く見える。スプリントは4番手スタートだし、今日はこれ以上は難しかった」

    5番手:エステバン・オコン(ハース)
    「すごく楽しかったし、本当に嬉しい。チームのみんなにおめでとうを言いたい。シルバーストンではマシンがすごく扱いづらくて、何が悪かったのかをこの2週間で分析してきた。今日はマシンを大きく改善できたし、すごく良いフィーリングだった。2台ともSQ3に進出できたのは今季初だし、これはスプリント予選なので慎重さは必要だけど、明日も再現したい」

    ベルギーGP F1 ベルギーグランプリ

    6番手:カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)
    「6番手という結果には満足している。FP1の半分を逃したあとに、チームと僕自身で大きく立て直せたのは良かった。スプリント予選ではしっかり周回を重ねられたし、マシンにはアップデートも入っているから、それを理解してセットアップをさらに最適化していく必要がある。計画通りにいけば、僕たちはもっと速さを出せるはずだ。明日もさらに良くしていきたい」

    7番手:オリバー・ベアマン(ハース)
    「プラクティスではミディアムとソフト、あるいはハードとソフトの組み合わせが選べたけど、僕たちはミディアムを選んだ。予選準備としては少し難しい選択ではあったけど、ミディアムで良い感触を得られたし、ソフトでのラップはまとめられなかったけどクルマには速さがあると分かっていた。2台ともSQ3に進出できたのはチームの努力の結果だし、エステバンも素晴らしい仕事をした。シルバーストンのアップグレードに続いて今回も良いパフォーマンスが出ているから、この調子を維持したい」

    8番手:ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
    「今日の結果には満足しているし、忙しい金曜日にうまく立て直せたことが良かった。プラクティスでは少し苦戦したけど、セッション間でセットアップを調整して直線スピードを伸ばすためにダウンフォースを少し削った。そのぶん中間セクターは少し厳しかったけど、スパではそういうバランスが必要なんだ。SQ1ではルイスのイエローフラッグに助けられた面もあるけど、それもレースの一部。Q2では良いラップが決まってSQ3に進めたし、最終的に8番手。明日はポイントを狙っていく」

    9番手:アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)
    「今日はスパで良い1日だった。SQ3では今大会初めてソフトタイヤを使ったけど、そのラップはあまり楽しめなかった。ミディアムの方が自信が持てていたので、少し残念だ。P9より上の結果も出せたはずだと思う。とはいえ、明日のスプリントではポイントを取れるチャンスがあるし、午後の予選で日曜の決勝に向けて良い位置を目指したい」

    10番手:ガブリエル・ボルトレト(ザウバー)
    「SQ3に進めたのは本当に嬉しい。スプリント予選とはいえ、突破できたという実感はやっぱり良いものだ。セッション全体を通じてマシンの感触は良くて、SQ3でももう少し絞り出せたかもしれないけど、全体としては良い内容だった。マシンには競争力があるから、明日のレースペースがどれくらい持続するか見ていきたい。すべてをうまくまとめれば、次のセッションでもこのポジションを守って戦えるはずだ」

  • 2025年F1 ベルギーGP スプリント予選:11番手以下 ドライバーコメント

    2025年F1 ベルギーGP スプリント予選:11番手以下 ドライバーコメント

    2025年F1 ベルギーGPのスプリント予選で11番手以下だったドライバーのコメント。7月25日(金)にスパ・フランコルシャンで2025年のF1世界選手権 第13戦 ベルギーグランプリのスプリント予選が行われた。

    惜しくもSQ3進出を逃したのはリアム・ローソンと角田裕毅。両者とも0.1秒以内の接戦だったが、あと一歩届かなかった。角田裕毅は新パーツの投入が遅れたこともあり、繊細なマシンバランスに苦しんだ様子だ。

    メルセデス勢は、アントネッリのスピンを起点に流れを崩し、ラッセルも中団で脱落。今季ここまでとは異なる厳しい展開に直面している。そのほか、アストンマーティン勢は新フロントウイングを試すも中団止まり。ウィリアムズのアルボンは直線スピード不足、ザウバーのヒュルケンベルグは渋滞と不運に見舞われた。フェラーリのハミルトンとアルピーヌのコラピントは、ともにスピンやグリップ不足でまったく流れに乗れず、後方に沈んでいる。

    11番手:リアム・ローソン(レーシングブルズ)
    「クルマのパフォーマンス自体は良かったけど、最終シケインで小さな問題があった。そのわずかな違いが結果を左右してしまったのは残念だ。今日の走行から学びを得て、明日に向けて改善していく。どの週末も同じように、クルマの力を最大限に引き出すことが大事。風向きの変化がここスパでは結構影響するし、シルバーストンでも同じだったけど、重要なのはチームとしてすべてをまとめて戦うことだ」

    12番手:角田裕毅(レッドブル)
    「今日はあまりうまくいきませんでした。スプリント予選ではトラクションでちょっと苦しんでいて、あと0.06秒というすごく僅差で敗退してしまいました。自分としては全力を尽くしましたが、やっぱり悔しいです。チームとしてもあとから振り返ると改善できる部分はあると思いますし、見直していきます。今週末は僕のマシンに新しいパーツが入る予定だったんですけど、少し遅れることになってしまいました。ただ、その中でもエンジニアたちとはいい形で連携できていると思っています。今のパッケージだとすごく繊細で、全部うまく噛み合わないとタイムが出しづらいので、引き続き集中して頑張ります」

    13番手:ジョージ・ラッセル(メルセデス)
    「FP1では良いペースを見せられていたけど、SQ1でキミのスピンによって撒かれたグラベルを踏んでしまって、その後の走行でマシンの反応が悪くなった。その影響でSQ2ではペースが落ちてしまったと思う。P13で敗退したのは正直ショックだったし、予想外だった。普段の競争相手と比べてもギャップが大きかったから、その原因は見つかるはずだ。明日は今日見せたFP1のような速さを取り戻したい。スプリントでのポイント獲得は簡単じゃないけど、本戦がまだ残っているし、そこに向けて全力を尽くす」

    14番手:フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
    「この象徴的なサーキットに戻ってくるのはいつも嬉しい。天候はドライだったし、SQ1では良い内容だった。全力を尽くして走ったけど、残念ながらその勢いをSQ2にはつなげられなかった。新しいフロントウイングを試すことができてダウンフォースも増えたから、明日のスプリントや週末を通じてさらに学びを深めていく」

    15番手:ランス・ストロール(アストンマーティン)
    「ベルギーに戻って来るのは最高だ。スパは本当に特別なサーキットで、毎年戻ってくるのが楽しみ。高速のコーナーでクルマが生き生きと感じられるのが魅力だ。SQ1ではクリーンなラップができたけど、SQ2では数回スナップがあって、フロアにもダメージを負った。明日のスプリントは15番手からのスタートになるけど、何ができるか見ていく」

    ベルギーGP F1 ベルギーグランプリ

    16番手:アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)
    「FP1のあとで修復したと思っていた問題が、スプリント予選でもまだ影響していた。直線でかなりのラップタイムを失っていたので、別の対処法を試す必要がある。クルマ自体の仕上がりは良くて、このサーキットとの相性もいいから、まだ週末には希望を持っている」

    17番手:ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)
    「スプリント予選は常に独特の難しさがある。フォーマットが短く、タイヤも1セットだけ、そして最初のラップがすべてを左右する。最初の走行は思い通りにいかず、2回目のアタックではウォームアップラップのタイミングで渋滞に巻き込まれた。ローソンの直後に出てしまって、ラップが台無しになった。タイヤの状態も良くなかったし、全体的にうまく噛み合わなかった。プラクティスのあとで調整した内容は良い方向だったから、まだポテンシャルはあると思う。明日に向けてデータを分析して、スプリントを活かしていく」

    18番手:ルイス・ハミルトン(フェラーリ)
    「全体として厳しい1日だった。アップグレードの効果を評価する時間が限られていて、予選までに十分な準備ができなかった。SQ1では良いラップを走っていたけど、突然リアがロックしてコントロールを失った。何が引き金になったかははっきりしていないけど、今夜チームとデータを確認して、明日に向けて前進していく」

    19番手:フランコ・コラピント(アルピーヌ)
    「今日は全体的にマシンのバランスとグリップで苦しんでいた。いくつかの変更を試したけど、プラクティスの走行が限られていたから、スプリント予選には万全な状態では入れなかった。今夜は改善の余地があるかを見直して、明日に向けて立て直していく。ここは高速コーナーが多くて、マシンへの信頼感が特に重要なサーキットだ。天気予報も不安定なままだし、チャンスが来ることに期待したい」

    20番手:アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)
    「スプリント予選がこういう形になってしまって残念だった。FP1ではマシンの感触が良くて、SQ1の最初のラップの前半も調子が良かった。でも、ターン14で少しスロットルを踏みすぎてスピンしてしまった。そのときにダメージを負って、2回目のラップではパフォーマンスを出せなかった。もっとできるはずだったから悔しいけど、自分のミスだったので、明日の予選に向けて集中していく」

  • F1ベルギーGP:記者会見 Part.2 – ハミルトン、アントネッリ、サインツ

    F1ベルギーGP:記者会見 Part.2 – ハミルトン、アントネッリ、サインツ

    2025年F1第13戦ベルギーGPに先立ち、スパ・フランコルシャンのパドックで木曜恒例のドライバー記者会見「パート2」が行われた。

    登壇したのは今季フェラーリに加入したルイス・ハミルトン、メルセデスのルーキー、キミ・アントネッリ、そしてウィリアムズで新たな挑戦を続けるカルロス・サインツの3名。各ドライバーが前半戦の自己評価や、所属チームでの苦労、新レギュレーションへの見解など、多岐にわたるテーマについて語った。

    特に注目を集めたのは、ハミルトンが語るフェラーリ内での積極的な提言や、アントネッリの将来を巡る契約問題、サインツが古巣フェラーリ時代に共に働いたローラン・メキースのレッドブル新代表就任に対するコメントだった。また、3人は2026年の新技術規定に向けた適応の難しさや、現代F1のレース環境における心身の負荷にも言及し、舞台裏でのリアルな姿を明かしている。

    Q:カルロス、とても準備万端に見えますね。ではまずあなたから始めましょう。シーズンの折り返し地点に来ましたが、あなた自身とウィリアムズについて通信簿を書くとしたら、どう評価しますか?

    カルロス・サインツ: うーん、難しい質問だけど……アップダウンがあったって書くかな。正直、フラストレーションの多い前半だった。クルマに十分な速さがあると感じてるし、チームにもすぐに順応できた。シーズン序盤からスピードはあったと思うけど、結果を2つ連続で出すのが本当に難しかった。信頼性の問題があったり、他のドライバーとの接触があったり、オーストリアではスタートすらできなかったり。Q1でトラフィックに引っかかったり、戦略ミスもいくつかあった。だから、結果という面では何一つ噛み合ってない。でも、その中にもスピードはあったし、正しい方向に進んでる手応えはある。ただ、結果がついてこないときって、やっぱりもどかしいんだよね。

    Q:ウィリアムズというチームについて特に適応が難しかった点は?

    サインツ: いろいろな要素があるけど、やっぱりミッドフィールドに戻ってきたことの難しさかな。Q1で何度か、ほんの10ミリ秒差で落ちたことがあるけど、その10ミリ秒が週末全体を左右する。トップ3やトップ4のクルマなら後方スタートでも挽回できるけど、中団ではみんなレースペースが似てるから、追い上げは相当難しい。あと、フェラーリとはまったく違うクルマだってこと。制限やドライビングスタイル、求められるセットアップがまるで違う。でもその部分には割とすぐ慣れたと思う。それよりも、エンジニアやチーム、戦略面の意思決定におけるコミュニケーション、どうやって正しい判断にたどり着くか……そういった部分に慣れるには少し時間が必要だったかな。

    Q:キミ、ではあなたにも同じ質問を。前半戦を振り返って、自分とメルセデスにどんな評価をしますか?

    キミ・アントネッリ: チャレンジングだった。いい瞬間もあったけど、落ち込むことの方が多かったと思う。ヨーロッパラウンドは正直うまくいかなかった。自分のミスもあったし、いくつか問題もあった。まだまだ学ぶことが多いし、情報を整理して身につけるのが難しい時もある。特に連戦になると、週末ごとの学びをすぐに次に活かすのが大変で……そこが難しかった。予選も課題のひとつだね。最後の数テン分を詰めるところで、まだ思ったように合わせ込めてない。でも、全体としてはポジティブだと思う。たくさん学んでるし、いい結果もいくつか出せた。後半戦では、自分の中で一歩上の安定感を見つけることが重要かな。

    Q:これまで17週間で12戦という過密日程でしたが、F1のスケジュールに順応するのは大変でしたか?

    アントネッリ: うん、やっぱりリズムがすごく速かったと思う。特にトリプルヘッダーのあとなんかは、どうやって自分のエネルギーを管理するかを見直さないといけなかった。どこでリカバリーして、どこで集中するか。そういう精神面のマネジメントが必要だってことも学んだよ。今は後半戦に向けて、より明確なビジョンと準備があると思う。

    Q:ルイス、ようこそ。今週末のフェラーリには注目が集まっています。先週ムジェロで新パーツのテストをしたそうですが、クルマの感触はどうでしたか?

    ルイス・ハミルトン: テストじゃないよ。あれはただのフォトシュート。10周か14周くらい走っただけで、撮影用の走行だった。テストじゃない。

    Q:なるほど。ただ、その10周でも何かフィーリングの変化は感じましたか?

    ハミルトン: 前と同じだったよ。数週間前と変わらなかった。

    Q:オーストリアでは新しいフロアが導入され、今週は新しいサスペンションも入っています。今週末はこのクルマの真のポテンシャルが見える週末になりそうですか?

    ハミルトン: いや、どうかな。まずは明日、そのサスペンションを試すことになるけど、そこから何か学べると思う。微調整して、そこから性能を引き出せるかどうか試していく。シミュレーターでは違いは特に感じなかったけど、サーキットによっては何かしらメリットがあるかもしれない。ただ個人的には、ムジェロで“新しいパーツが届いた”という事実がポジティブだった。バーレーンでフロアを一度アップグレードしてから、しばらく何もなかった。次がオーストリアだったと思うけど、期待したほどじゃなかった。レッドブルとかメルセデスは、毎週のように小さなパーツを持ち込んでるよね。でもうちは大きな改良を段階的にやってるから、そういう意味でも今回の新パーツは嬉しかった。ファクトリーが懸命に開発を進めてくれてるのが見えた。あとはその効果が結果として現れるのを待つだけだね。今週末にそれを試してみる。

    記者からの質問

    Q:キミ、契約交渉や発表のタイミングについてですが、夏休み前は発表が多くなる時期です。現在の進捗はどうですか?トトはあなたとジョージのラインアップになる可能性が高いと話していますが、自分の契約年数に関して発言権はありますか?

    アントネッリ: それは100万ドルの質問だね。

    Q:(笑)それが報酬額ってこと?

    ハミルトン: 契約交渉、手伝ってやろうか?トトの扱い方なら知ってるよ。

    アントネッリ: はは、ありがとう(笑)。でも、正直、不安に思ったことはないよ。自分の状況はわかってるし、チームが何を望んでいるのか、将来をどう見ているのかも理解してる。トトも最近そのことをはっきり話してくれてるし、それも嬉しかった。チームはうまく機能してるし、ジョージとのコンビネーションもうまくいってる。ふたりでチームのパフォーマンスを引き出そうと努力してるし、雰囲気もすごく良い。ファクトリーに戻っても、みんなが今年だけじゃなく来年以降も見据えて努力してるのが伝わってくる。すごくいいダイナミクスがあるんだ。来年に向けてチームが何がベストかは分かってると思うし、自分としても良い立場にいると思ってるよ。

    Q:カルロス、ローラン・メキースとはフェラーリで共に働いていましたね。彼がレッドブルの新チーム代表に就任しましたが、彼が何をチームにもたらすと思いますか?

    カルロス・サインツ: 彼は非常に優秀なプロフェッショナルだと思ってる。フェラーリで一緒に仕事したとき、彼はとにかくハードワークしていたし、ドライバーのことをすごくよく理解してくれた。ドライバーとのコミュニケーション能力が特別なんだ。それはドライバーにとってすごく心地いいし、信頼できる関係を築ける。FIA、フェラーリ、ビザ・キャッシュアップRBを経て、今レッドブルに来るわけだけど、F1トップチームを率いる経験と資質は十分あると思う。本当にぴったりの人選だと思うよ。彼にとっても素晴らしいチャンスだし、そのポジションにふさわしい人材だと思う。

    Q:ルイス、あなたはマクラーレン時代からクリスチャン・ホーナー率いるレッドブルと戦ってきました。彼が突然チームを去ったことには驚きましたか?そして彼の退任によってチームは変化に時間がかかると思いますか?

    ハミルトン: 前の質問をちゃんとは聞いてなかったけど、僕はレース週末以外は基本的にF1の話題にはあまり注意を払ってないんだ。だから驚いたわけでも、驚かなかったわけでもない。自分のことに集中してる。チームのCEOや責任者が交代すれば、その人のやり方や方針で変化があるのは当然だし、それには時間がかかるものさ。

    Q:ルイス、フォトシュート以外の期間はファクトリーにいましたか?F1のオフ期間には何をしていましたか?

    ハミルトン: 2週間にわたってファクトリーにいたよ。毎週何日かずつね。前のレースの振り返りや、変えるべきことについての準備をしていた。僕は多くのミーティングを主導してる。チーム幹部を集めて何度も話をした。ジョン・ベネデットやフレッド、それにロイックとも何度も会ってる。エンジン、フロントサスペンション、リアサスペンション、今のクルマでの問題点、来年のマシンに持ち越したいこと、改善すべき点……そういう内容を全部まとめて、書面にして送ってる。最初の数戦のあとにも1通送っていて、今回の休み中にも2通目を送った。構造的に改善すべき点と、現行マシンの技術的な内容が主だね。あと、2026年マシンの開発も始めた。初めて試したよ。エンジニア30人くらいが部屋に集まって、全員と一緒にブリーフィングする。すごく大きな取り組みだ。それ以外はトレーニングに励んでた。ちょっとハードにやりすぎたかもしれない。今週末は少し身体が重い(笑)。

    Q:カルロス、今季ウィリアムズは中団の他チームほど多くのアップグレードを投入しない方針をかなり早い段階で決めました。その影響もあって、過去5戦で最もポイントが少ないチームになっています。これは特定のレースが影響しただけですか? それとも懸念すべき傾向ですか?

    サインツ: F1に“秘密”なんてないよ。シーズン中にあまりアップグレードを投入しないっていう決断をチームがした以上、いつかは後れを取ることになる。それがF1ってものだからね。中団チームだって常に何かしら持ち込んでくる。3~4戦ごとにパッケージを入れてきたりする。ウィリアムズもシーズン序盤にフロントウイング関連のアップデートを入れたけど、正直それ以降はほとんど何も持ってきてない。でもそれも想定済み。来年に向けた判断としては正しいと今も信じてるし、我々はそのプロセスを信じてる。実際、来年のマシンに向けてかなり大きな開発をしているし、もうすでに何回かシミュレーターでも走らせてる。デブリーフでも、今年の話よりも来年の話をしてるくらいだよ。今季レース中でもね。

    一番悔しいのは、マイアミとかイモラみたいにクルマがすごく速かったレースで、両方ともトップ5を狙えたのに、それを逃したことだ。実際、あの2戦では終始トップ5圏内にいたしね。そこでコントロール外のトラブルがあったことで、20〜30ポイントは失ってる。もしそれが取れてたら、選手権でもう少し余裕があったはず。今は少し競争力を失っているけど、それでも少しでもポイントを拾っていかなきゃならない。以前みたいにP5やP4は難しいかもしれないけど、P10やP8あたりは狙えるし、それが今の選手権には大事なんだ。

    Q:カルロス、できればルイスにもお聞きしたいのですが……アレックス・アルボンが今朝、2026年マシンをシミュレーターでテストしたと話していて、すごく複雑でドライバーにとって考えることが多いと言っていました。ドライバー目線で、2026年の技術規則はどれくらい違ってくると思いますか?

    サインツ: めちゃくちゃ複雑。走りながら、頭をすごく使う感じだよ。ただ、ルイスも経験あると思うけど、2013年から2014年の大きなレギュレーション変更──V8からV6ハイブリッドに変わったときも、バッテリーの使い方とか管理がすごく複雑になった。でも最初はみんな驚いたけど、結局慣れるんだよね。今はそれが“普通”になってるし。たぶん2026年も同じで、最初は「なんだこれ!?」って思うことばかりだろうけど、何戦かすれば慣れてくる。それが“新しい普通”になる。問題は、その“新しい普通”が“前の普通”より良いのかってところ。それはみんなが意見を言いたいところだと思うけど、僕らドライバーとしては、与えられたものに適応するしかない。1周で6~7回スイッチ切り替えろって言われたら、やるだけ。そうやって上達してきたから。

    Q:ルイス、あなたがシミュレーターで走った2026年マシンについての印象は?

    ハミルトン: 僕がF1で好きなのは、こうやってレギュレーションが変わることで技術革新や開発が進むことなんだ。チーム全体にとって、毎回の変化が大きな学びになる。それが僕らを本気で追い込んでくれるし、創造力も必要になる。ドライバーとしても、年を追うごとに操作はどんどん複雑になってる。カルロスが言ったように、今回の変化では特にパワーユニットの使い方や設計面で、ドライバーが関与する部分が大きくなってると思う。結論を急ぐつもりはないけど、うまくいくかもしれないし、逆にそうじゃないかもしれない。実際に走ってみなきゃ分からない。今僕が面白いと思ってるのは、今年のマシンを戦わせながら、同時に来年・再来年のマシンも開発してるってこと。それが楽しい。もしずっと同じマシンで、少しずつしか変化しない世界だったら、全然面白くないよ。

    Q:ルイス、今週末は新しいサスペンションを搭載していますが、スプリント週末で天候も不安定な中、そういった新パーツを最適化するのはどれくらい難しいですか?

    ハミルトン: ものすごく難しいよ。時間がないから、情報は2台分で最大限に集める必要がある。全セッションをしっかり走ることも重要だ。もしウェットなら、むしろ学びにはなるけど、ファインチューニングという意味では、今週末だけで最適化しきるのはたぶん無理。何戦かかけて最適化していくことになると思う。

    Q:ルイス、前戦であなたはレッドブルを「素晴らしいチーム」と評していましたが、ホーナー退任によってそのチームにどんな影響があると思いますか? あなたにとっては、ある種ひとつの時代の終わりと感じますか?

    ハミルトン: 僕の人生には何も影響はないよ(笑)。でもまあ……彼のキャリアの歩みを見ると、確かに素晴らしかったと思う。最初に彼と話したのは2005年頃かな? 彼がアーデンの代表で、僕はまだF3からGP2に上がるタイミングで、彼のオフィスで会った記憶がある。正直、最初の印象はあまり合わなかったけどね(笑)。でも、それ以降の彼のキャリアの進展は本当に見事だった。あれだけの大きな組織をまとめて成功させるには、才能と手腕が必要だし、それを彼は持っていたと思う。だから、今後の幸運を祈ってる。

    Q:カルロス、「High Performance Podcast」であなたは2024年の苦しいシーズンやフェラーリ内の政治的な話にも触れていました。F1というスポーツそのものに対して、何かフラストレーションを感じていますか?また、個人やチーム、スポーツ全体にとって改善すべき点は?

    サインツ: いや、F1に対してフラストレーションは全くないよ。F1が大好きだ。確かに、僕らは年間通してたくさんのインタビューを受ける。その中には、もっと深く話せるようなフォーマットもある。「この場」みたいな短い取材では、10分かけて何かを説明したりはできない。だからこそ、ポッドキャストみたいなフォーマットは好きだ。自分の思いをじっくり話せるし、メンタル面やトレーニング、私生活のことも含めて、若い世代や他のアスリートに何か伝えられることがあると思ってる。F1の中で僕らも感情のジェットコースターを経験しているし、それを少しでもシェアできたらいいと思う。F1に対してネガティブな気持ちは一切ない。クルマに乗るたびに楽しいし、これまで在籍してきたチームには友人もたくさんいる。素晴らしい人たちと出会えたし、スパでレースできることが本当に楽しみだよ。

    Q:ルイス、先ほどフェラーリに対していくつか文書を送ったと話していましたが、なぜそのような行動を取ったのでしょうか?そして、チームの反応はどうでしたか? 彼らはその提案に応えてくれましたか?

    ハミルトン: 僕がそれをやる理由は、このチームにはとてつもないポテンシャルがあると感じているからなんだ。情熱の面では他に比べるものがない。でも同時に、チームはすごく大きな組織で、いろんな部分がちゃんと機能しているわけじゃない。だからこそ、ここ20年でこれだけの素晴らしいドライバー──キミ、フェルナンド、セバスチャンといったチャンピオンたち──がいながら、チームはタイトルを取れていない。

    僕はその状況を自分の身にも起こさせたくない。だから、全力で動いている。これまで2つの素晴らしいチームで経験を積んできたおかげで、比較対象がある。その中で、何かを変えなきゃ結果も変わらないと気づいた。だから、すべての分野において疑問を投げかけている。経営陣にも、現場にも。で、チームの反応はというと、すごく前向きだった。マーケティング面やスポンサー対応、エンジニアの働き方など、いろんな分野で改善が進んでる。まだ課題は多いけどね。僕がやっているのは、チームの中で仲間を増やして、みんなの士気を上げて、一丸となって前進すること。僕にはあまり時間が残されてない。この若者(キミ)ほどにはね(笑)。だから、今が勝負なんだ。このチームには世界選手権をいくつも勝てるだけの力があると本気で信じてる。すでに素晴らしい歴史があるけど、僕が在籍している間にそれを実現したい。それが唯一の目標だ。