投稿者: dbcheck

  • フェラーリF1 ハミルトンのフォルススタート判定に異議「センサーは検知せず」

    フェラーリF1 ハミルトンのフォルススタート判定に異議「センサーは検知せず」

    ルイス・ハミルトンがF1イギリスGPで科されたフォルススタート(false start)による5秒加算ペナルティについて、フェラーリのフレデリック・バスール代表は「やや厳しすぎる判定だった」との見解を示した。

    チームのセンサーではマシンの動きは検知されなかったと説明し、ハミルトンのミスと断定する見方にも反論した。

    フォルススタート判定に「少し厳しすぎる」
    ハミルトンはイギリスGPのスタートで好発進を決めたものの、スタート直後にフォルススタートの疑いで審議対象となった。

    スチュワードは、5つある赤信号のうち3つ目が点灯した後、スタートシグナルが出る前に44号車が前進したと判断。オンボード映像では、タイヤ側面の黄色いピレリロゴが前方へ回転していることが確認できたとして、競技規則B5.11.1条違反で5秒加算ペナルティを科した。

    一方、バスール代表はチームの計測データと映像との違いを指摘した。

    「センサーではマシンがグリッド上で動いたことは確認できなかった。ただ、映像ではタイヤのステッカーが少し動いているように見える。それがフォルススタートかどうかを判断するのは私の役目ではない」

    「センサーが動きを検知していない状況であれば、少し厳しすぎる判定だったと思う」

    「ミス」との指摘にも反論
    記者から、このフォルススタートはハミルトンの「ミス」の一つではないかと問われると、バスール代表はその表現自体に異議を唱えた。

    「ミス? その言い方は少し厳しすぎる」

    「グリッド上で2mmほど動いた可能性はあるが、それをミスと言うのは少し厳しいと思う」

    フェラーリは、映像上ではわずかな動きが確認できたことは認めつつも、車載センサーでは動きを検知しておらず、判定基準との違いに疑問を示した形だ。


    ハミルトンとフェラーリの連携は着実に前進
    レース終盤にはセーフティカー中のピットストップによってハミルトンは2位から3位へ順位を落としたが、バスール代表はドライバーとチームの関係性は着実に深まっていると強調した。

    「これは双方から来ているものだ。我々はルイスをより深く理解し、彼もチームをより理解している」

    「彼はかなり前から2026年型マシンの開発プロジェクトに関わってきた。すべては小さな積み重ねだ。何か一つの劇的な変化があったわけではなく、一つひとつの積み重ねによって、今は全体がより噛み合うようになっている」

    今回のフォルススタート判定についてフェラーリは完全に否定しているわけではないが、車両データでは動きを確認できなかったとして、5秒加算という裁定は厳しかったとの立場を示した。一方でバスール代表は、ハミルトンとチームの連携は着実に向上しており、その成果が近年の競争力向上にもつながっているとの認識を示している。

  • フェラーリとレッドブルの“マカレナ”F1ウイングに安全性懸念 FIAが調査開始

    フェラーリとレッドブルの“マカレナ”F1ウイングに安全性懸念 FIAが調査開始

    FIA(国際自動車連盟)が、フェラーリとレッドブル・レーシングが採用する革新的なリヤウイング「マカレナ・ウイング」の安全性について調査を開始した。

    きっかけとなったのは、F1イギリスGP決勝でマックス・フェルスタッペンがリヤウイングのトラブルによってクラッシュした一件だ。FIAは両チームの技術責任者と協議を進めており、必要と判断すれば追加の安全対策や設計変更、さらには将来的な禁止措置も視野に入れている。

    フェルスタッペンのクラッシュがFIAを動かす
    今回の調査の発端となったのは、シルバーストンでのフェルスタッペンのクラッシュだった。

    レース終盤、ストウ・コーナーで突然マシンの挙動を乱したフェルスタッペンはグラベルに飛び出してリタイア。原因の詳細は公表されていないが、リヤウイングの不具合が関係していることが判明している。

    フェルスタッペンは、そのわずか1週間前のオーストリアGP予選でも、空力の気流再付着(エアフロー・リアタッチメント)の問題によって最終コーナーでコースアウトしており、短期間で2度続いたトラブルに強い危機感を示した。

    「本当に危険だった。ケガをしていてもおかしくなかった。オーストリアでも今回も運が良かっただけだ。だから腹が立つんだ」

    この発言を受け、FIAは安全面から状況を精査する必要があると判断した。

    「マカレナ・ウイング」とは何か
    問題となっているのは、パドックで「マカレナ・ウイング」と呼ばれる新世代リヤウイングだ。

    従来型DRSとは異なり、上部フラップが大きく回転する構造となっており、フェラーリでは直線モードに入る際に約225度も時計回りに回転するとみられている。

    この大胆な動きによって空気抵抗を大幅に低減し、さらにごくわずかな揚力を発生させることで転がり抵抗まで減らすことを狙っている。

    現在このコンセプトを実戦投入しているのはフェラーリとレッドブルのみで、他チームよりも積極的な可動機構を採用している。

    レッドブルは従来型への回帰も検討
    レッドブル代表ローラン・メキースは、ベルギーGPまでに原因究明を進め、安全性を最優先すると説明した。

    「安全面についてはあらゆる可能性を検証する。必要であれば、どんな対応でも行う」

    レッドブルはこの可動式リヤウイングをマイアミGPから使用している。

    そのため、今回の問題がウイング設計そのものによるものなのか、それとも別要因なのかを慎重に分析している段階だという。

    原因を完全に特定できなければ、シーズン序盤まで使用していた従来型リヤウイングへ戻す可能性も排除していない。

    FIAはフェラーリにも説明を求める
    今回の調査はレッドブルだけが対象ではない。

    FIAは同じコンセプトを採用するフェラーリとも技術協議を進めており、可動式リヤウイング全体の安全性を再評価している。

    両チームの設計は事前にFIAの承認を受けており、導入時点で安全性の確認も行われている。

    現在の技術規則では、リヤウイングはストレートモードからコーナーモードへ400ミリ秒以内に切り替わらなければならず、さらにシステムに異常が発生した場合は、自動的にコーナーモードへ戻る「フェイルセーフ設計」が義務付けられている。

    今回の協議では、これらの安全機能が実戦環境でも十分に機能しているかが重点的に確認されている。

    禁止措置に発展する可能性も
    FIAが安全性に十分な保証を得られない場合、チームに追加の安全対策を義務付ける可能性がある。

    例えば、機械的なバックアップ機構の追加や、コーナー進入時の作動ロジック変更などが選択肢として考えられる。

    さらに踏み込めば、このタイプのリヤウイング自体を安全上の理由から禁止する可能性もある。

    マクラーレンを含む他チームも低ドラッグ型リヤウイングの開発を進めており、このコンセプトは今後さらに普及するとみられる。そのため、FIAが早い段階で一定の方向性を示す可能性もある。

    技術規則第C1.2条では、危険と判断された部品を装着したマシンについて、スチュワードは即時に参戦を禁止できる権限を持つことも定められている。

    フェラーリでは大きな問題は発生せず
    一方、フェラーリでは同様のトラブルは発生していない。

    このリヤウイングはプレシーズンテストで初登場し、中国GPではフリー走行で使用されたものの、万全を期してレース投入は見送られた。

    その後、マイアミGPから本格投入されて以降は継続使用されているが、これまで重大な不具合は報告されていない。

    今回のFIAの調査は、レッドブルの連続トラブルをきっかけとしながらも、今後普及が見込まれる可動式リヤウイング全体の安全基準を見直す重要なケースとなりそうだ。

    Source: The Race

  • アルピーヌF1 セレブ投資家との提携をルノーCEOが総括「成功ではなかった」

    アルピーヌF1 セレブ投資家との提携をルノーCEOが総括「成功ではなかった」

    ルノーのフランソワ・プロヴォCEOは、アルピーヌF1に出資する少数株主グループ「オトロ・キャピタル(Otro Capital)」との提携について、「成功ではなかった」と率直に認めた。オトロは現在保有する株式の売却を模索しているが、ルノーは経営権を維持する方針を改めて強調している。

    2023年に大きな話題となったライアン・レイノルズらハリウッドスターを迎えた投資スキームは、商業面での相乗効果が期待されていた。

    しかし、プロヴォCEOはチーム運営への実質的な貢献はなかったと評価しており、新たな投資家を迎える場合も「価値観を共有できる相手」を重視する姿勢を示した。

    セレブ投資家との提携は「成功ではなかった」
    アルピーヌは2023年、レッドバード・キャピタル・パートナーズ、オトロ・キャピタル、マキシマム・エフォート・インベストメンツによる総額2億ユーロの出資を受け、チーム株式の24%を売却した。

    この投資には俳優ライアン・レイノルズ、ロブ・マケルヘニー、マイケル・B・ジョーダンら著名人も加わり、メディア露出やマーケティング強化、ブランド価値向上が期待されていた。

    しかし、イギリスGPの週末に『The Race』の取材に応じたプロヴォCEOは、その成果について厳しい評価を下した。

    「チームを運営しているのは我々だ。オトロには運営を支援する権限も付加価値もない。だから責任はすべて我々にある」

    「我々が仕事をしている。オトロとのパートナーシップは成功ではなかった。その点については双方とも評価できていると思う」

    「彼らは株式を売却したいと考えており、それによって十分な利益を得ることになるだろう」

    「売却には我々の承認が必要だ。それは早ければ近いうちかもしれないし、もっと先かもしれない。しかし、運営面への影響は全くなく、それが私にとって最も重要だ」

    オトロは株式売却を模索 ルノーは慎重姿勢
    オトロは現在、保有する24%の株式売却先を探している。

    これまでにはメルセデスや元レッドブル代表のクリスチャン・ホーナーの名前も候補として報じられたが、メルセデスは価格が高すぎるとして5月に交渉から撤退した。

    報道によれば、オトロは24%の持ち分に約7億2000万ドルを求めており、これはアルピーヌ全体の企業価値を約30億ドルと評価する水準だった。

    ルノーは9月まで売却に対する拒否権を保有しており、メルセデス撤退後は新たな交渉を一旦停止したという。

    プロヴォCEOは、急いで新たな投資家を探す必要はないと語る。

    「私にとって急ぐ理由はない。原則は2つある。第一にルノーは支配権を維持する。我々は株式を売却するつもりはない」

    「第二に、もしオトロが株式を売却するなら、新しい少数株主とは親密な関係、共通の目標、共通の利益を持てる相手でなければならない」

    「だから私は急いでいない」

    グッチ・レーシング・アルピーヌF1チーム

    F1参戦継続を明言 エンジン復帰は否定
    アルピーヌは2026年からルノー製パワーユニットの開発を終了し、メルセデス製パワーユニットのカスタマーチームへ移行した。また、2027年からはグッチがタイトルスポンサーとなり、「グッチ・レーシング・アルピーヌF1チーム」として参戦することも決定している。

    2025年はコンストラクターズ最下位に終わったものの、2026年シーズンは開幕9戦終了時点でランキング5位につけている。

    2025年7月にルカ・デ・メオ前CEOの後任として就任したプロヴォCEOは、ルノーがF1から撤退する考えはないと断言した。

    「F1は、あらゆるカテゴリーを含めても世界最大のスポーツイベントだ」

    「8億人以上のファンがおり、毎年さらに1億人ずつ増えている。世界中の若い世代にも支持されている」

    「その中で我々のような歴史あるメーカーが参戦している以上、F1に残り、本来あるべきポジションを取り戻すことは当然の判断だ」

    また、現在の最優先課題はチーム再建であり、短期間での結果ではなく安定した組織づくりだと説明した。

    「我々はF1に残る。この戦略が変わることはない」

    「今の課題は立て直しだ。チームは不安定になっており、パフォーマンスも非常に悪かった」

    「だから今年の唯一の最優先事項は、チームを安定させ、強固な土台を築くことだ」

    一方で、2031年に検討されているV8エンジンへの回帰については支持を示しながらも、それがルノーのエンジンサプライヤー復帰を意味するものではないと明言した。

    「私はV8の方向性を支持している。しかし、それはルノーがエンジンメーカーとして復帰する機会になるからではない。それは我々の戦略ではない」

    「もちろん『絶対にない』とは言えない。しかし、私の唯一の優先事項は短期的な立て直しと強固な基盤づくりであり、エンジン開発へ戻ることではない」

    ルノーは経営権維持と再建を最優先
    今回の発言からは、ルノーがセレブ投資家との提携を期待通りの成果が得られなかったと総括していることが明確になった。一方で、F1参戦継続の意思は揺るがず、今後も経営権を維持しながら、価値観を共有できる新たなパートナーを慎重に見極める姿勢を貫く構えだ。チーム再建を最優先課題とするアルピーヌの新たな経営方針が、今後の競争力向上につながるか注目される。

  • オスカー・ピアストリにアウディF1移籍説浮上 ウェバーが交渉と報道

    オスカー・ピアストリにアウディF1移籍説浮上 ウェバーが交渉と報道

    オスカー・ピアストリにアウディF1移籍説が浮上した。マネジメントを務めるマーク・ウェバーがアウディと接触していると報じられ、2027年以降を見据えた移籍の可能性に注目が集まっている。

    レッドブル移籍説が取り沙汰されるなか、新たな候補としてアウディの名前が浮上した背景には、マクラーレンとの関係や将来のキャリア戦略があるとみられる。現時点では憶測の域を出ないものの、ドライバー市場の動向を占う話題として関心を集めている。

    レッドブル移籍説に加えてアウディも候補に浮上
    オーストリアGPのパドックでは、マックス・フェルスタッペンが契約に盛り込まれているパフォーマンス条項を行使し、2027年にマクラーレンへ移籍する可能性が噂された。

    その場合、後任として以前からレッドブルと関連付けられてきたオスカー・ピアストリが加入する「交換トレード」の可能性も取り沙汰された。

    現時点ではフェルスタッペンがレッドブル残留へ傾いているとみられ、マクラーレンも現在のドライバーラインアップを維持する姿勢を示している。ただし、双方とも将来的な可能性を完全には否定していない。

    そうしたなか、ドイツ人ジャーナリストのラルフ・バッハは『F1-Insider』で、ピアストリ陣営がアウディとも接触していると報じた。

    ウェバーが水面下で移籍先を模索か
    報道によると、2025年の「パパイヤルール」を巡る一連の騒動以降、ピアストリ陣営とマクラーレンの関係には緊張が続いているという。

    さらに、ピアストリのマネージャーであり、現在は主に商業面を担当しているマーク・ウェバーは、マクラーレンとの関係が悪化し、チームのホスピタリティエリアへの立ち入りも認められていないと伝えられている。

    ウェバーはレッドブルとの強い人脈を持つ一方で、アウディとも交渉を進めているとされる。

    バッハは次のように語っている。

    「何よりも警戒すべきなのは、その方面だけではない。オスカー・ピアストリのマネージャーであるマーク・ウェバーは、ピアストリのマクラーレンでの将来性が薄れてきたと見ており、パドックを駆け回っている」

    「彼はレッドブルにもコネクションがあり、この業界を知り尽くしている。そして当然ながら、アウディとも話し合いを進めていると聞いている」

    「資金面だけでなく、若いドライバーがメーカーとともにプロジェクトを築き上げられる環境でもある。だからヒュルケンベルグだけでなく、ピアストリにとっても非常に興味深い選択肢になり得る」

    オスカー・ピアストリ F1 アウディ

    アウディのシート事情も影響
    報道では、アウディではニコ・ヒュルケンベルグのシートが安泰ではないとの見方も紹介されている。

    メーカー直轄チームとして2026年から本格参戦したアウディは、将来のプロジェクトを担う若手エースの獲得を模索しているともみられており、ピアストリはその条件に合致する存在と考えられている。

    一方で、ウェバー自身はピアストリの去就について発言が「必要以上に大きく取り上げられる」ことを警戒しているという。それでも今回の報道からは、ピアストリ陣営がマクラーレン残留だけにこだわらず、複数の選択肢を検討していることがうかがえる。

    現在、ピアストリはドライバーズランキングでランド・ノリスを1ポイント上回っている。しかし、マクラーレンの競争力不足やチームとの関係性を考慮すれば、アウディという新たな挑戦が現実味を帯びる可能性もありそうだ。

    【関連】
    ・オスカー・ピアストリ 2026年限りでマクラーレンF1離脱を検討との報道

  • レッドブルF1 ランビアーゼ離脱の影響が表面化 フェルスタッペンの苦戦に拍車

    レッドブルF1 ランビアーゼ離脱の影響が表面化 フェルスタッペンの苦戦に拍車

    レッドブル・レーシングは2026年F1イギリスGPで再び厳しい週末を過ごした。オーストリアGPで今季自己最高の2位を獲得してからわずか1週間後、マックス・フェルスタッペンにとってシルバーストンは一転して悪夢の舞台となった。

    レース終盤にはアンドレア・キミ・アントネッリのトラブルもあり表彰台圏内を走行していたが、残り4周でストウコーナー進入時にRB22のコントロールを失ってクラッシュ。そのままグラベルに捕まりリタイアを喫した。

    こうした苦戦の背景にはマシン性能だけでなく、チーム内部の体制変化も影響しているとの見方が浮上している。

    シルバーストンで露呈した深刻な危機感
    レース後、フェルスタッペンは現在の状況への苛立ちを隠さなかった。

    Sky Sports Germanyに対し、次のように語っている。

    「多くの問題を抱えていることもそうだが、そもそもマシンが遅すぎることが腹立たしい」

    さらにRB22の改善策について問われると、「現時点では何とも言えない」とコメント。ミルトンキーンズのチーム内では現在、全体的に悲観的なムードが漂っていると伝えられている。

    こうした状況に追い打ちをかけているのが、長年フェルスタッペンのレースエンジニアを務めてきたジャンピエロ・ランビアーゼのマクラーレン移籍だ。現地では、この移籍を巡る話題そのものがチームの置かれた厳しい状況をさらに悪化させているとの見方も出ている。

    ランビアーゼの段階的な離脱がレッドブルに影響
    オランダ紙『De Telegraaf』のF1ポッドキャストで、ジャーナリストのエリック・ファン・ハーレンは、ランビアーゼの退任準備がチーム運営にも影響を及ぼしていると説明した。

    元F1ドライバーのクリスティアン・アルバースとの対談で、ファン・ハーレンは次のように語っている。

    「ランビアーゼはもうすべてに関わっているわけではない。ミーティングなどへの関与も以前ほどではない」

    「この移行期間はチームにとって少々厄介な問題になっている。ただ、いずれ退団する人物なのだから、それ自体は自然な流れでもある」

    ランビアーゼはフェルスタッペンと長年コンビを組み、レース戦略だけでなく、マシンセットアップの方向性を決める上でも重要な役割を担ってきた。その存在感の大きさを考えれば、徐々に現場から距離を置く状況がチームに影響を及ぼしても不思議ではない。

    セットアップにも苦戦したイギリスGP
    イギリスGPではフェルスタッペンが週末を通してRB22のバランスに不満を抱えていた。

    スプリントフォーマットのため金曜日のフリー走行は1回しかなく、その限られた走行機会の中でレッドブルのエンジニア陣は理想的なマシンバランスを見つけることができなかった。その影響は予選から決勝まで尾を引き、レース中も本来の競争力を発揮できなかったとみられている。

    フェルスタッペンの去就も依然として不透明
    ファン・ハーレンは、チーム内にはフェルスタッペンの将来を巡る緊張感も存在すると指摘する。

    レッドブルは2027年に向けて自社製パワーユニットの開発や新風洞の稼働など将来計画を進めている。

    「レッドブル側は『初めて自社エンジンを開発しているが、年初と比べれば大きく前進している。来年には新しい風洞も完成する』という考えだ」

    一方で、フェルスタッペン本人は現在の状況に強い不満を抱いているという。

    「彼は今、まったく違う方向を見ている。あまり前向きではない」

    さらにファン・ハーレンは、レッドブル首脳陣がフェルスタッペンから早期に将来についての意思表示を得たいと考えている一方で、本人は決断を急いでいないと説明した。

    「彼らは以前から答えを求めている。もちろん懇願しているわけではないが、とにかく返答が欲しいんだ。しかしフェルスタッペンは『急ぐつもりはない。まだ何も決めない』という姿勢を貫いている。そのことが双方に多少の摩擦を生んでいるのは間違いない。これは私の見立てだ」

    今回の報道は、レッドブルの苦戦がマシン開発だけの問題ではなく、主要スタッフの離脱準備やチーム内の雰囲気、さらにフェルスタッペンの将来を巡る不透明感など、複数の要因が重なって生じている可能性を示している。シーズン後半に向けてチームが状況を立て直せるかどうかは、技術開発だけでなく組織全体の安定性も大きな鍵となりそうだ。

    【関連】
    ・マックス・フェルスタッペン F1夏休み後に契約解除条項を行使可能に

  • モンツァ 2027年からF1スプリント開催決定 3年間契約を締結

    モンツァ 2027年からF1スプリント開催決定 3年間契約を締結

    モンツァで開催されるF1イタリアGPが、2027年からスプリントレース開催地に加わることが決まった。主催するイタリア自動車クラブ(ACI)がF1との3年間契約で合意したことを明らかにした。

    さらに2026年イタリアGPはすでに決勝日のチケットが完売。フェラーリ復活への期待やアンドレア・キミ・アントネッリ人気も追い風となり、主催者は臨時グランドスタンドを増設して対応する。

    2027年からモンツァでスプリント開催
    イタリア自動車クラブ(ACI)のジェロニモ・ラ・ルッサ会長は、ミラノで行われた2026年イタリアGPのイベント発表会で、モンツァが2027年から3年間にわたりスプリントレースを開催すると発表した。

    「合意に達した。来年から3年間、スプリントレースを開催することになる」とラ・ルッサ会長は明らかにした。

    これによりモンツァは、F1が近年拡大を進めているスプリントフォーマットの開催地に新たに加わることになる。

    2026年イタリアGPはすでに完売
    ラ・ルッサ会長は、2026年イタリアGPがすでに完売していることも明かした。

    需要の高まりを受け、当初予定になかった臨時グランドスタンドを追加するという。

    「予定にはなかった仮設スタンドを設置した。当初はACI会員向けとなるが、その後一般にも開放する予定だ」

    フェラーリの復調や地元開催への期待が高まる中、モンツァへの関心は例年以上に高まっている。

    フェラーリ復活とアントネッリ人気に期待
    F1のステファノ・ドメニカリCEOは、シルバーストンでのフェラーリ勝利を受け、今年のイタリアGPも特別な週末になるとの見方を示した。

    「文化はF1にとっても重要な要素だ。昨日のシルバーストンには非常に多くの観客が集まった。この勢いがモンツァGPにもつながることを期待している」

    さらに、フェラーリとアンドレア・キミ・アントネッリというイタリアを代表する存在が、大会への注目度をさらに押し上げると語った。

    「決勝日はすでに完売している。そして再び脚光を浴びるフェラーリがあり、われわれの国を代表するキミ・アントネッリもいる」

    「素晴らしいグランプリになるための条件はすべて揃っている」

    今回の発表により、モンツァは2027年から3年間スプリント開催地となることが正式に決定した。2026年大会もすでに完売となるなど人気は非常に高く、フェラーリ復活とアントネッリ人気を背景に、イタリアGPへの期待は一段と高まっている。

  • フレデリック・バスール ハミルトン残留を明言「2027年もフェラーリにいる」

    フレデリック・バスール ハミルトン残留を明言「2027年もフェラーリにいる」

    ルイス・ハミルトンの2027年以降の去就を巡る憶測が続くなか、フェラーリのチーム代表フレデリック・バスールが、現時点で最も明確な形で残留を示唆した。

    一方で、契約延長交渉については「まだその時期ではない」と強調し、現行契約を尊重する姿勢を示している。また、シャルル・ルクレールについても全面的な信頼を口にし、チームは両ドライバーを平等に支えていると説明した。

    ハミルトンの2027年残留を明言
    ドイツの『Auto Motor und Sport』によると、ハミルトンのフェラーリとの契約には2027年まで継続できるオプションが含まれているとの見方が広がっている。その発動は成績、あるいは本人の意思が大きく影響すると報じられている。

    こうした状況のなか、イタリア紙『Corriere della Sera』から「ハミルトンは2027年もフェラーリに残るのか」と問われたバスール代表は、短く「はい」と答えた。

    その後、シルバーストンでも契約延長について質問を受けると、笑みを浮かべながら慎重な姿勢を崩さなかった。

    「契約延長について誰が話したんだい?」

    「彼とは契約延長について話し合うことになるし、ほかのドライバーとも同じだ。彼はまだ我々と契約中であり、契約延長を議論する時期ではない」

    ハミルトン「ここは自分の居場所」
    ハミルトンはシルバーストンでスプリント予選のポールポジションを獲得。フェラーリは今季中に2回目のADUOパワーユニットアップグレードを投入する計画を進めるなど、さらなる戦闘力向上を目指している。

    そんななか、ハミルトンは『Sky Italia』の取材で、フェラーリでの生活に完全に馴染んだと語った。

    「8回目のワールドチャンピオン? 現実的に考えているけれど、そのために努力している」

    「僕はこの仕事が大好きだし、それが前へ進み続ける力になっている。子どもの頃の自分との強いつながりも感じているし、ここは自分の居場所だと思っている」

    「まだ自分には与えられるものがあると思う。フェラーリへの移籍は文化もまったく違うから二重の衝撃だった。でも今は、このチームの一員でいられることを本当に光栄に思っている」

    ルクレールへの信頼も強調
    一方、最近のマシン開発がハミルトン寄りに進められているのではないかとの見方について、バスール代表は明確に否定した。

    「シャルルも毎日のようにチームへ多くの要求をしている」

    「我々がルイスを迎え入れた理由のひとつは、彼が持ち込む経験にある」

    また、「ハミルトン向けのマシンになっているのではないか」との指摘にも次のように反論した。

    「いや、我々は特定のドライバー専用のF1マシンを作っているわけではない」

    「ドライバーのフィードバックを反映することはある。彼らの意見は重要だが、その違いはごくわずかなものだ」

    さらに、開発への適応に苦戦していると認めているルクレールについても、心配はしていないと強調した。

    「決して速さの問題ではない」

    「彼はより多くの周回で、すべてをうまくまとめる必要がある。新しいマシンや最新アップデート、新しいブレーキに適応することも必要だ」

    「そして何より冷静でいることだ。私はまったく心配していない。ここには彼を支える1000人のスタッフがいる」

    今回の発言からは、バスール代表がハミルトンの長期的な残留に前向きな姿勢を示す一方で、ルクレールへの信頼も揺らいでいないことがうかがえる。フェラーリは両ドライバーの強みを生かしながら、タイトル獲得に向けた体制づくりを進めている。

  • メルセデスF1代表 信頼性に危機感「3回のリタイアでは王者になれない」

    メルセデスF1代表 信頼性に危機感「3回のリタイアでは王者になれない」

    メルセデスF1代表のトト・ヴォルフは、F1イギリスGPで再び発生したマシントラブルを受け、2026年のタイトル争いにおいて信頼性が深刻な課題になりつつあるとの認識を示した。

    シルバーストンではアンドレア・キミ・アントネッリが優勝争いを演じていたものの、縁石を乗り越えた際のダメージによってペースを失い、勝利のチャンスを逃した。ヴォルフはドライバーではなく、マシン側の問題だったと強調している。

    信頼性がタイトル争いの最大の課題に
    アントネッリは優勝したシャルル・ルクレールを追撃していたが、縁石を通過した際にマシンへダメージを負い、戦闘力を失った。

    ヴォルフは、このトラブルはドライバーのミスではないと説明した。

    「事実として、この部品は壊れてはいけないものだ」

    メルセデスはここ数戦でバッテリー関連の信頼性問題にも苦しんでおり、一方でフェラーリは再び優勝を挙げて復調ぶりを印象づけた。

    ヴォルフは、信頼性の問題がタイトル争いに直接影響していると危機感を示した。

    「3回もリタイアして世界選手権を勝ち取ることはできない」

    「間違いなく、選手権争いはまだ終わっていない」

    ラッセル「25ポイント差は妥当」
    アントネッリのリタイアにより、チームメイトのジョージ・ラッセルはランキング差を25ポイントまで縮めた。

    ラッセルは、その差は両者のパフォーマンスを考えれば妥当だと受け止めている。

    「僕のパフォーマンスと彼のパフォーマンスを、この9戦を通して振り返れば、25ポイント差で彼がリードしているのは妥当だと思う」

    「今年ここまで、彼は僕よりいい仕事をしてきた。だから前にいるのは当然だ」

    「25ポイント差であるべきなのか、10ポイントなのか、35ポイントなのかは議論の余地がある。でも10〜30ポイント差くらいというのは、おおむね妥当なところだと思う」

    一方で、自身のタイトル獲得については慎重な見方を示した。

    「正直に言えば、このままのパフォーマンスでは選手権を争うことはできない。だから今週末の内容には満足していない」

    アントネッリ「選手権は意識せず自由に戦う」
    5連勝を達成していたアントネッリは、不運な結果にも冷静な姿勢を崩さなかった。

    「5連勝という素晴らしい流れが続いていたし、すべてがうまくいき過ぎていたのかもしれない」

    「今回は優勝を狙っていたし、本当に勝てるチャンスがあった。十分に勝負できる位置にいたのに、その挑戦すらできなかったのは残念だ」

    「大事なのは、もっと強くなって戻ってくることだ」

    また、ランキング争いを意識して走るつもりはないと強調した。

    「選手権のことを考えながらレースをしたくはない。3戦前には66ポイントリードしていたのに、今は25ポイント差になっている」

    「2度リタイアして多くのポイントを失った。だからこそ、余計なことを考えず、自由な気持ちでレースをする必要がある」

    今回のシルバーストンでは、メルセデスの速さそのものは優勝争いが可能なレベルにあった。しかし、相次ぐ信頼性トラブルが貴重なポイントを失わせており、タイトル獲得へ向けては速さだけでなく耐久性の改善が急務となっている。

  • アストンマーティン・ホンダF1 大型アップグレード後もAMR26開発継続を示唆

    アストンマーティン・ホンダF1 大型アップグレード後もAMR26開発継続を示唆

    アストンマーティンは、2026年シーズン後半に予定している大型アップグレード投入後も、マシン開発を継続する可能性があることを明らかにした。

    チームはハンガリーGPで今季最大のアップグレードを投入し、その後のオランダGPではホンダ製パワーユニットの改良版を導入する計画だ。ただし、これらがどの程度の戦力向上につながるかについては慎重な姿勢を崩していない。

    大型アップグレード後も開発継続を視野
    シルバーストンで、エイドリアン・ニューウェイは今後のアップグレードによって最低でもポイント争いに加わりたいとの目標を語った。

    「少なくともポイントを獲得できる位置には行きたい」

    「トップ10入りを約束できるわけではないが、少なくともQ2へ進出できるようになれば、その先は戦えると思う」

    一方、トラックサイド責任者のマイク・クラックは、その効果を現時点で断言することはできないと説明した。

    「その質問は木曜日にも受けたが、答えはシンプルだ。現時点では分からない」

    「シミュレーションが示す結果と、実際にサーキットで起きることはまったく別だ」

    「まずはマシンをコースへ持ち込み、自分たちがどの位置にいるのか確認する必要がある」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    予算制限も見据えながら今後を判断
    クラックは、ハンガリーGPでシーズン最大のアップグレードパッケージを投入し、その後のオランダGPでホンダの改良型パワーユニットを導入する計画を改めて明かした。

    そのうえで、それ以降も追加開発を続ける可能性があると説明している。

    「その後に何ができるかを見極めることになる」

    「予算上限についてはさまざまな議論があるので、どこまで資金を投入できるか判断しなければならない」

    「しかし、開発はまだ終わっていないと確信している」

    アップグレードは長期計画で進行
    フェラーリをはじめ各チームの開発競争が注目されるなか、クラックはアップグレードは短期的なレース結果に左右されるものではなく、長期的な計画に基づいて進められるものだと強調した。

    「毎週アップグレードを投入するのであれば、かなり前から計画しておかなければならない」

    「『オーストリアで結果が悪かったから翌週にアップグレードを投入する』というようなことはできない」

    「どのチームにも独自の開発計画があり、それぞれの制約の中で仕事を進めている」

    今回の発言からは、アストンマーティンがハンガリーGPの大型アップグレードとオランダGPでのホンダ製パワーユニット改良版を重要な転換点と位置付けつつも、その結果次第ではシーズン終盤に向けてさらなる開発を続ける姿勢であることがうかがえる。

    【関連】
    ・エイドリアン・ニューウェイ アロンソに謝罪「私の責任」 2027年残留も熱望

  • フェラーリF1がマドリンクで撮影走行 ライバルに先駆けて新スペインGP攻略へ

    フェラーリF1がマドリンクで撮影走行 ライバルに先駆けて新スペインGP攻略へ

    フェラーリは今週、新たなF1スペインGPの開催地となるマドリード市街地サーキット「マドリンク」でプロモーションイベント(撮影日)を実施する。完成前のコースではあるものの、F1チームとして初めて実走データを得られることになり、2026年スペインGPに向けて一歩先んじる機会となる。

    ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールがSF-26を走らせる予定であり、走行距離はレギュレーションで定められた200kmまで。

    デモタイヤを使用するため本格的な性能評価はできないものの、新サーキットの特徴を実際に確認できる点は大きな意味を持つ。

    フェラーリがマドリンクで初走行へ
    フェラーリは7月9日(木)、2026年スペインGPの新開催地となるマドリンクでプロモーションイベントを実施する。

    F1のプロモーションイベントでは年間2回まで撮影日が認められており、各チームはデモ用のピレリタイヤを装着した現行マシンで最大200kmを走行できる。フェラーリは今季すでにモンツァで1回目を消化しており、今回が2回目となる。

    このイベントではハミルトンとルクレールがSF-26をドライブし、F1チームとして初めてマドリンクを走行することになる。

    完成前でも得られる貴重なデータ
    現時点のマドリンクは、まだFIA公認取得前の建設途中の状態にある。

    運営関係者はCrashに対し、「縁石もガレージもピットレーンも完成していない。ツーリングカーで周回できる程度だ」と説明している。

    そのため、本番と同じ条件での評価は不可能だ。

    さらに路面は新品で、使用するのはレース用ではなくデモタイヤであることから、タイムやグリップレベルを比較することに大きな意味はない。

    それでもチームはコースレイアウトや基本的なセットアップの方向性、高速バンクコーナー「ラ・モヌメンタル」の特性などについて実走から情報を収集できるとみられている。

    フェラーリ F1 スペイングランプリ(マドリンク)

    ライバルより一歩リードする可能性
    マドリンクで最初に走行するF1チームとなることは、フェラーリにとって一定のアドバンテージとなる可能性がある。

    もちろん完成前の路面やデモタイヤという制約から得られるデータは限定的だが、シミュレーションでは得られないドライバーの感触やコースの実際の印象を把握できる点は貴重だ。

    一方で、ウィリアムズのカルロス・サインツJr.は5月にプロモーション活動の一環として市販車で同コースを走行しているものの、F1マシンによる走行は今回のフェラーリが初めてとなる。

    勢いに乗るフェラーリ
    フェラーリは先週末のF1イギリスGPで通算250勝という節目を達成したばかりだ。

    シャルル・ルクレールはスタート直後にポールポジションのアンドレア・キミ・アントネッリをかわして主導権を握り、セーフティカー終了でフィニッシュした波乱のレースを制して今季初優勝、自身通算9勝目を挙げた。

    ハミルトンもスプリントでポールポジションを獲得したが、決勝終盤のセーフティカー導入時にフェラーリが2台ともピットへ入れる戦略を選択。ステイアウトしたジョージ・ラッセルに逆転を許し、3位でレースを終えた。

    今回のマドリンクでの撮影日は、完成前という制約はあるものの、フェラーリにとって新たなスペインGP開催地をライバルに先駆けて体験できる貴重な機会となる。実際の競争力へ直結するほどのデータは得られない可能性が高いが、ドライバーの感触やコース特性の把握は、9月のマドリード初開催へ向けた準備として価値ある一歩となりそうだ。