カテゴリー: デビッド・クルサード

  • デビッド・クルサード F1のPUグリッド降格廃止を提言「時代遅れのルール」

    デビッド・クルサード F1のPUグリッド降格廃止を提言「時代遅れのルール」

    F1ではパワーユニット(PU)の使用基数制限を超えるとグリッド降格ペナルティが科されるが、元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、この制度は「過去の時代の遺物」であり、見直すべきだと主張した。

    ベルギーGPではランド・ノリスやアイザック・ハジャーらがPU関連の交換によってグリッド降格を受けた。しかし、両者とも決勝では力強い追い上げを見せており、クルサードは現在の制度がレースを不必要に左右しているとの考えを示している。

    信頼性向上のための制度は役目を終えた
    F1では各シーズンに使用できるPUコンポーネント数が制限されており、規定を超えて交換した場合はグリッド降格ペナルティが科される。

    そのため各チームは、オーバーテイクしやすいサーキットであえて追加コンポーネントを投入し、降格を受け入れる戦略を取ることが一般的になっている。

    しかし、クルサードは『Up To Speed』ポッドキャストで、このルール自体が現代のF1にはそぐわなくなっていると指摘した。

    「こうしたペナルティ全体を見直すべき時期に来ていると思う」

    「これはチームに信頼性を高めさせるために導入された、昔の時代の考え方だ」

    「でも今では、信頼性を確保することはすべてのチームにとって当然の利益になっている」

    ベルギーGPで追い上げたノリスとハジャーを称賛
    ベルギーGPでは、ランド・ノリスがPU交換による10グリッド降格を受けて13番グリッドから、アイザック・ハジャーは複数コンポーネント交換による30グリッド降格で最後尾からのスタートとなった。

    それでもハジャーは早めにハードタイヤへ交換する戦略を成功させ、見事な追い上げで6位入賞を果たした。

    クルサードはその走りを高く評価した。

    「ハジャーは早めにハードタイヤへ替え、その後は本当に素晴らしい走りだった」

    「マシンの速さを生かして6位でフィニッシュした」

    一方、ノリスについても、バーチャル・セーフティカー中にピットインする選択肢はあったとしながら、その後の追い上げを称えている。

    「ランド・ノリスはバーチャル・セーフティカー中にピットへ入ることもできたかもしれない。でも、最終的には7位まで順位を上げた」

    「2人とも非常に力強いレースを見せてくれた」

    制度見直しの議論が再燃する可能性
    現在のPU使用制限はコスト抑制と信頼性向上を目的に導入された制度だが、近年は各メーカーの信頼性が大きく向上し、戦略的なグリッド降格が恒例化している。

    クルサードは、もはや本来の目的を果たした制度であり、現代のF1に合わせて見直すべき時期に来ているとの考えを示した。

  • アレクサンダー・アルボンのマネジメントチームにデビッド・クルサードが加入へ

    アレクサンダー・アルボンのマネジメントチームにデビッド・クルサードが加入へ

    デビッド・クルサードが、ウィリアムズF1のアレクサンダー・アルボンのマネジメントチームに加わる見通しとなった。F1で13勝を挙げた元ドライバーが、アルボンのキャリアを支える新たなアドバイザーとして重要な役割を担うことになる。

    『RacingNews365』によると、クルサードは現在アルボンの専属マネージャーを務めるジャック・ヘックストール=スミスと連携し、既存のマネジメント体制を強化する形で参画するという。

    長年にわたりF1の第一線で培ってきた経験を生かし、アルボンに助言を与えることが期待されている。

    クルサードがアルボンをサポート
    アレクサンダー・アルボンはここ数年、レッドブル・レーシングの元スタッフであるジャック・ヘックストール=スミスが専属マネージャーを務めてきた。

    ヘックストール=スミスは今後も引き続きマネジメントを担当する一方で、その体制にデビッド・クルサードが加わることになるという。ヘックストール=スミスとクルサードは以前から親しい関係にあることで知られている。

    今回の体制強化により、アルボンはマネジメント面だけでなく、F1で246戦に出走し13勝を挙げた経験豊富なクルサードから、ドライバーとして直接助言を受けられるようになる見込みだ。

    スパでも助言する姿を確認
    その動きはすでにベルギーGP初日のフリー走行1回目でも見られた。クルサードはスパ・フランコルシャンのパドックでアルボンと熱心に話し込む姿が目撃されている。

    クルサードはレッドブル・レーシングのアンバサダーを務めており、アルボンが同チームに所属していた頃から交流がある。また、両者は過去にビジネス面でも関係を築いていたという。

    苦戦する2026年シーズンで新たな支えに
    アルボンは2020年限りでレッドブル・レーシングのレギュラーシートを失い、2021年はF1参戦を休止。その後、2022年にウィリアムズF1から復帰した。

    以降はチームの中心ドライバーとして安定したパフォーマンスを発揮し、2025年にはカルロス・サインツJr.とともにコンストラクターズランキング5位獲得に貢献。これはウィリアムズにとって8年ぶりの好成績だった。

    しかし2026年は、マシン性能不足に苦しむウィリアムズF1とともに厳しいシーズンを送っている。経験豊富なクルサードがマネジメント体制に加わることで、アルボンにとっては今後のキャリアを支える心強い存在となりそうだ。

  • メルセデスF1 フェルスタッペンに巧妙なピット戦術? クルサードが指摘

    メルセデスF1 フェルスタッペンに巧妙なピット戦術? クルサードが指摘

    オーストリアGP決勝でマックス・フェルスタッペンとジョージ・ラッセルが優勝を争うなか、メルセデスがピットレーンで巧妙な駆け引きを仕掛けていた可能性が浮上した。

    F1TVの解説を務めた元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、実況席から見えたメルセデスの動きについて「意図的だった」との見方を示し、フェルスタッペンのピットストップにわずかな影響を与えたと指摘している。

    クルサードが目撃したメルセデスの駆け引き
    レッドブルは50周目にフェルスタッペンを2回目のピットストップへ投入し、新しいタイヤでジョージ・ラッセルを追いかける戦略を選択した。

    その直前、3番手を走るアンドレア・キミ・アントネッリも同時にピットへ向かうように見えたため、メルセデスのクルーは作業位置に並んでいた。しかし実際にはアントネッリはステイアウトし、フェルスタッペンだけがピットへ入った。

    クルサードは、この際にメルセデスのクルーがフェルスタッペンの進入ラインを狭くする位置に残っていたと説明した。

    「ピットレーンで興味深いことを見た。通常、隣のガレージがピットインしない場合は、礼儀としてエアライン(ホース類)を引き下げ、クルーもスペースを空けるものだ」

    「だがメルセデスはクルーをピットボックスへ送り出した。アントネッリは結局ピットインしなかったが、フェルスタッペンはメルセデスのクルーを避けるように回り込んで自分たちのボックスへ入らなければならなかった」

    「完全にルールの範囲内だ。ただ、ほんのわずかだが遅くなった」

    パーマーも「タイムロスはあった」と分析
    同じくF1TVで解説を務めたジョリオン・パーマーも、フェルスタッペンが通常より大きく旋回する必要があったと分析した。

    「メルセデスのクルーを避けるために余計なコーナリングを強いられ、わずかなタイムロスが生じた。もちろん彼らにはそこに立つ権利がある」

    さらにパーマーは、もしレッドブルがフェルスタッペンをピットへ入れなければ、メルセデスはアントネッリをピットへ呼び込んでいた可能性が高いとの見解も示している。

    勝敗を左右したのは予選と戦略
    フェルスタッペンはラッセルより遅らせて2回目のピットストップを行い、タイヤの優位性を築いて終盤に猛追した。しかしチェッカー時点で差は1.6秒までしか縮められず、逆転には届かなかった。

    今回のオーストリアGPでは、レッドブルが投入した軽量化を中心とするアップグレードの効果が確認され、決勝ペースではフェルスタッペンが優勝に最も近い速さを見せていたとの評価もある。

    一方で、予選でのクラッシュによる不利なスタート位置や物議を醸したラッセルのポールポジション、そして決勝での戦略やピットレーンでの細かな駆け引きが重なり、今季初の2位に終わった形となった。

  • 元F1ドライバーのクルサード フォーミュラE Gen4に衝撃「人生で経験したことがない」

    元F1ドライバーのクルサード フォーミュラE Gen4に衝撃「人生で経験したことがない」

    元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、モナコでフォーミュラEの新型Gen4マシンをドライブし、その加速性能に強い衝撃を受けた。

    来季から実戦投入されるGen4は、常時四輪駆動を採用し、最高出力600kW(815馬力)、0-100km/h加速1.8秒、最高速335km/hを誇る。クルサードはモナコE-Prix第2戦を前に、サーキット・ド・モナコで4周を走行した。

    常時四輪駆動と600kWが生む「別世界」の加速
    クルサードは走行直後、RacingNews365のインタビューで、まず常時四輪駆動と600kWのパワーが最も印象的だったと語った。

    「そうだね、信じられない感覚だった。僕にとっては忙しくもあった! フォーミュラEがポルシェを数周ドライブする機会をくれたのは本当にありがたかった。まず市街地コースを思い出すためにもね」

    「最初に際立っていたのは、常時四輪駆動と600kWのパワーだ。加速は、自分のキャリアで慣れていたものを超えていた。最後にはスタンディングスタートもやったが、とても一貫していた。100km/hまで2秒未満だ。リアタイヤを空転させる心配なく、ただこうして加速できるのは印象的だった」

    モナコの縁石にも対応する柔軟性
    クルサードは、Gen4が単に直線加速に優れているだけでなく、モナコ特有の縁石に対しても扱いやすさを感じたと説明した。

    「言えるのは、マシンにはある程度のしなやかさがあって、縁石でマシンがそれほど跳ね回らないということだ。僕は、いわば縁石に敬意を払って走っていた。レースドライバーなら容赦なく乗っていくだろうが、僕に与えられた数周では、それを確かめる時間ではなかった。知っての通り、シケインはミスをすればバリアに飛ばされる」

    「全体として、最も馴染みのある感覚は、シケインやラスカスでのフロントアクスルから来るものだった。タイヤが少し滑っているのを感じられる。どんなレーシングカーにも、どの時点でもグリップの限界はある。そこが、僕が慣れていた感覚に最も近かった」

    「だが、コーナーを立ち上がって加速した瞬間からは、グリップと加速が別世界だった」

    フォーミュラE Gen4 デビッド・クルサード

    「人生で経験したことがない」トンネルのワープ感
    Gen4はF1との差を大きく縮めると見られており、モナコではラップタイム差が5秒以内に収まる可能性もある。加速性能は現行F1マシンより30%速いともされ、その感覚はクルサードを言葉に詰まらせた。

    フォーミュラEの国際放送で、クルサードはこのマシンを「普通ではない」と表現し、モナコのトンネルは「ワープスピード」のようだったと語った。

    「まさにそういう感覚だった。もちろん、加速を理屈として理解することも、マシンを信頼することもできる。だが、ライトがワープスピードのように流れていくと言った時、あれは人生で経験したことがないものだった」

    「それが、僕がもうレーシングドライバーではないからなのか、それとも四輪駆動と600kWがあまりに印象的で、頭が適応しなければならないからなのかは分からない」

    「もちろん、数周走る頃には慣れてきた。ただ、何もレースをしていない状態から、突然ハイパフォーマンスカーに乗ったわけだ。幸い、数週間前にポール・リカールでクラシックRB7をドライブしていたので、感覚はすでに目覚めていた」

    「だが、プロのドライバーがこのコースをどれだけ速く走れるのかを見るのは、本当に驚きになると思う。僕はあらゆる場所で大きな余裕を残していたし、パフォーマンスのポテンシャルははるかに大きいと感じた」

    Gen4は、フォーミュラEがこれまで積み重ねてきた電動レーシングカーの進化を一段引き上げる存在となる。クルサードの反応が示すのは、単なる数値上の進化ではなく、F1経験者の身体感覚さえ揺さぶる加速と駆動性能が、すでに現実のものになっているということだ。

  • デビッド・クルサード F1レースエンジニア論「ドライバーの“心理学者”でもある」

    デビッド・クルサード F1レースエンジニア論「ドライバーの“心理学者”でもある」

    マックス・フェルスタッペンの長年のレースエンジニアであるジャンピエロ・ランビアーゼが、2028年からマクラーレンに移籍することが明らかになるなか、元F1ドライバーのデビッド・クルサードが“ドライバーとレースエンジニアの特別な関係”について語った。

    クルサードは、レースエンジニアの役割は単なる技術サポートではなく、ドライバーの精神面を支える“心理学者”としての側面も持っていると説明。フェルスタッペンが「ランビアーゼ以外とは働きたくない」と過去に語っていた背景にも、その深い信頼関係があるとの見方を示した。

    フェルスタッペンとランビアーゼの関係に再注目
    ジャンピエロ・ランビアーゼの離脱発表は、マックス・フェルスタッペンのレッドブル残留問題にも新たな憶測を呼んでいる。

    フェルスタッペンは以前からランビアーゼとの関係を非常に重視しており、「他のレースエンジニアとは仕事をしたくない」とも受け取れる発言をしていた。

    そのため、2028年からランビアーゼがマクラーレンで競技部門ディレクターに就任することは、フェルスタッペンの将来にも影響を与える可能性があるとみられている。

    「レースエンジニアは心理学者でもある」
    デビッド・クルサードはポッドキャスト「Up To Speed」のなかで、F1におけるレースエンジニアの役割について次のように語った。

    「レースエンジニアというのは、単に車両ダイナミクスや空力、エアロモデル、そしてレースカーのセットアップに必要なあらゆる要素を理解しているだけではない。ある意味では心理学者でもある」

    「なぜなら、シーズン中にはドライバーが最高の状態だと感じる週末もあれば、どん底に感じる週末もある。それは人生の自然な流れと同じだ」

    「だからこそ、背中を押すべきタイミングなのか、少し落ち着かせるべきタイミングなのか、その間にある微妙なバランスを理解していなければならない」

    “絶対的な信頼”が必要な関係
    クルサードはさらに、歴代F1でも名コンビと呼ばれたドライバーとエンジニアの関係性を例に挙げながら、その重要性を強調した。

    「長年にわたって記憶に残るドライバーとエンジニアの名コンビは、この関係性を公に示してきたと思う」

    「この関係が重要であることは明白だ。単なる仕事上の関係以上のものなんだ」

    「そこには絶対的な信頼が必要になる。ドライバーは、自分のレースエンジニアが自分の利益のためにできる限りのことをしてくれていると100%信じなければならない」

    フェルスタッペンとランビアーゼの強固な関係は、近年のレッドブル成功の象徴のひとつだった。そのコンビ解消後、フェルスタッペンが新たなエンジニアとどのような関係を築くのかにも注目が集まりそうだ。

  • ナイジェル・マンセル “クルサードをガレージ出禁”要求 ウィリアムズF1秘話

    ナイジェル・マンセル “クルサードをガレージ出禁”要求 ウィリアムズF1秘話

    1994年のF1シーズンは、アイルトン・セナの事故死によって大きく揺れた歴史的シーズンとして知られている。その混乱の中でウィリアムズF1に昇格したデビッド・クルサードが、当時のチーム内で起きた“意外なエピソード”を振り返った。

    その中心にいたのは、1992年F1ワールドチャンピオンのナイジェル・マンセルだった。クルサードによれば、1994年日本GPの週末にマンセルが「自分をガレージから外してほしい」と要求していたという。

    セナ亡き後に訪れた突然の昇格
    当時、デビッド・クルサードはウィリアムズのリザーブドライバーを務めていた。しかし、イモラで発生したアイルトン・セナの死亡事故を受け、急遽レースシートへ昇格することになった。

    チーム全体が深い悲しみと混乱に包まれる中、若きクルサードは極めて難しい状況でF1キャリアをスタートさせることになった。

    その一方で、ウィリアムズはナイジェル・マンセルをフランスGP、ヨーロッパGP、日本GP、オーストラリアGPの4戦限定で呼び戻し、デイモン・ヒルとともにシーズンを戦わせていた。

    マンセルが要求した“クルサード排除”
    クルサードは、1994年日本GPの鈴鹿で起きた出来事を次のように振り返った。

    「ナイジェルとマシンを共有していた頃、日本GPに到着したのを覚えている。ナイジェルは、僕がガレージにいないよう求めていた。気が散ると思っていたんだ」

    この要求に対し、ウィリアムズF1のメカニックたちは独特のユーモアで応じたという。

    「ウィリアムズのメカニックたちは、いつもの冗談好きなノリで、僕の写真に赤い禁止マークを付けた“立入禁止サイン”を作って、ガレージ入口に貼っていた」

    チーム内の空気を和ませる意図もあったが、同時にマンセルをからかう意味合いも含まれていた。

    「それはナイジェルを少しからかう意味もあった。フランク・ウィリアムズが『いや、彼は我々のレース兼テストドライバーだ。クルマが何をしているか聞く必要がある』と言ったからだ」

    豪雨の鈴鹿で感じた“安堵”
    1994年日本GPは、豪雨に見舞われた過酷なレースとしても知られている。ストレート上でもマシンが次々とコースアウトする危険なコンディションの中、最終的にはデイモン・ヒルが優勝し、ミハエル・シューマッハが2位、マンセルは4位でレースを終えた。

    クルサードは当時をこう振り返る。

    「日本のあのレースは土砂降りだったのを覚えている。スタートストレートでもクルマが次々にコースアウトしていた」

    「当時はどんなコンディションでもレースをしていた」

    「現代F1を批判したいわけじゃない。今そうした状況で走らないのには、ちゃんとした理由がある」

    「でも、僕はガレージの中でクルマがあちこち飛び出していくのを見ながら、『マシンに乗っているのが僕じゃなくてナイジェルで本当に良かった』と思っていた」

    1995年にクルサードが後継者へ
    マンセルはこの短期復帰を最後にウィリアムズを離脱。その後、デビッド・クルサードが本格的に後継者として定着し、1995年にはエストリルでF1初優勝を挙げた。

    さらに1996年にはマクラーレンへ移籍し、名門チームで通算12勝を積み重ねることになる。

    1994年の鈴鹿で起きた“ガレージ出禁騒動”は、そんなクルサードのキャリア初期を象徴する、知られざるエピソードのひとつとなっている。

  • 「アントネッリはセナではない」元F1ドライバーが“ロッシ型”と評価

    「アントネッリはセナではない」元F1ドライバーが“ロッシ型”と評価

    メルセデスのルーキー、キミ・アントネッリに対する評価を巡り、元F1ドライバーのデビッド・クルサードが独自の見解を示した。アントネッリをアイルトン・セナになぞらえる声がある中で、クルサードはそれを明確に否定している。

    2026年シーズン序盤からタイトル争いに加わり、中国GPと日本GPで連勝を挙げたアントネッリは、史上最年少で選手権首位に立つなど強烈なインパクトを残している。その急成長ぶりが過去の偉大なドライバーとの比較を生んでいるが、評価の軸は必ずしも一致していない。

    セナではなくロッシに近いとクルサード
    デビッド・クルサードはポッドキャスト「Up To Speed」でこう語った。

    「彼はアイルトン・セナというより、むしろバレンティーノ・ロッシに近いと思う」

    「MotoGPを見ない人のために言えば、ロッシは世代を象徴する存在だった。ただ今でも少年のような雰囲気を持っている。今はGTでレースをしていて、ル・マンのようなレースにも出ている」

    「二輪から四輪へと転向したが、それでも“ピーターパン”のような存在に見える。だからキミ・アントネッリも、自分の世代におけるピーターパンのような存在になる可能性があると思う」

    アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    バクストンは“ロッシ像”に異論
    これに対し、共同司会を務めるウィル・バクストンは異なる視点を示した。

    「でもロッシはパンクだった。パンクロックそのものだった。坊主頭にピアス、圧倒的な存在感があった」

    「トップに上り詰める前から、ジュニア時代からずっとあのエネルギーと個性を持っていた。キミはバレンティーノよりずっとシャイだ」

    「キミがチャンピオンシップに対して強く発言する姿は想像しにくい。一方でロッシには常に予測不能な部分があって、それが人々を惹きつけた。だからこそ愛された。彼はとてもユニークでカリスマ的だった」

    「キミにカリスマがないと言っているわけではない。とても魅力的だ。ただ、まったく異なるタイプの個性だと思う」

    “才能の型”をどう捉えるかが評価の分岐点
    アントネッリの評価が分かれる背景には、「速さ」だけでなく「キャラクター」や「存在感」をどう捉えるかという違いがある。

    クルサードは“長く愛される存在”としての資質をロッシに重ねたのに対し、バクストンはロッシの持つ強烈な個性とカリスマ性を重視し、アントネッリとは異なると指摘した。

    いずれにせよ、アントネッリがすでに比較対象としてセナやロッシの名前を引き合いに出される存在になっていること自体が、その異例のスタートとインパクトの大きさを物語っている。

  • F1レギュレーション修正の効果は即見えず?クルサード「マイアミGPでは判断困難」

    F1レギュレーション修正の効果は即見えず?クルサード「マイアミGPでは判断困難」

    デビッド・クルサードは、2026年F1レギュレーションの微調整について、マイアミGPの段階ではその効果を正確に判断するのは難しいとの見解を示した。

    日本GPからマイアミGPまでの5週間のインターバル中、FIAとFOMは各チームや関係者と協議を行い、エネルギーマネジメントや安全性への懸念を受けて規則の微調整を決定している。ただし、その影響は即座に現れるものではない可能性がある。

    マイアミでは変化が見えにくい理由
    クルサードは、マイアミのコース特性が評価を難しくすると指摘した。

    「興味深いのは、こうした変更の結果がどう見えるかだが、マイアミでは必ずしもそれが見えるとは限らないと思う。あのサーキットの特性があるからだ」

    「低速から中速コーナーが多く、何か特別なものを感じられるような象徴的な区間があまりない。だから、数レースは様子を見る必要があると思う」

    “追い抜きの質”が変わる可能性
    一方で、変更自体には明確な効果があるとの見方も示している。

    「違いは出ると思う。それは間違いない。ただし、これまで人々が興奮してきたようなオーバーテイクは減るかもしれない」

    「適切な位置でトリガーを拾ってブーストを得たことでパワー差が生まれ、それで抜く――それは本当にオーバーテイクと言えるのか? ただのパワーサージだろう」

    「そうした“見かけのオーバーテイク”は減るかもしれないが、その分より意味のあるものになる。ドライバーがポジショニングを考え、スリップストリームを活かしていく形になるはずだ」

    「ブーストの要素は残るだろうが、それは以前のDRSと同じようなものだ。だから、僕は楽観的に見ている」

    F1レギュレーション

    即効性より“数戦単位”の評価が鍵
    今回の規則調整は、鈴鹿でのオリバー・ベアマンのクラッシュを含む安全面の議論と、エネルギー回生・放出によるレースの質への懸念を背景に進められたものだ。

    ただしクルサードの指摘どおり、マイアミのような特性のサーキットでは変化が表面化しにくい可能性がある。真の評価は、異なるタイプのコースを経た数戦後に見えてくることになりそうだ。

  • デビッド・クルサード セナのF1テレメトリー比較で衝撃「走りの常識が違った」

    デビッド・クルサード セナのF1テレメトリー比較で衝撃「走りの常識が違った」

    デビッド・クルサードは、ウィリアムズ在籍時にアイルトン・セナのテレメトリーを重ね合わせて比較した経験について語り、その走りに強い衝撃を受けたことを明かした。

    1994年、セナがウィリアムズに加入した当時、クルサードはテストドライバーを務めており、同じマシンで直接データを比較する貴重な機会を得ていた。この経験が、後にトップドライバーとしての基準を大きく引き上げることになる。

    セナの異質なコーナー進入
    クルサードはポルトガルのエストリルでのテストを振り返り、高速コーナー進入でのセナのアプローチが従来の常識とは異なっていたと説明する。

    「本当に印象的だったのは、高速コーナーの進入でのコミットメントだ。普通はコーナーに対して様子を見ながら入るものだ。そうすれば立ち上がりでスピードを乗せやすいからだ」

    「でも彼は違った。どれだけの確信と覚悟を持っていたのかが分かる走りだった。当時のマシンにはパワーステアリングがなかったから、一度高速コーナーにコミットしたら、それ以上ステアリングを切り足す余裕はほとんどない」

    「それでも彼は進入でマシンを回転させ、リアタイヤにしっかり乗せていた。僕がこれまで戦ってきたドライバー、そして見てきた偉大なドライバーたちに共通しているのは、リアタイヤを信じて使える能力だ」

    「限界に近づいてマシンが滑り出しそうな感覚を受け入れられるかどうか、それが分かれ目になる」

    比較で浮き彫りになった“信念”の差
    この比較によって浮き彫りになったのは、単なる技術ではなく「どこまで踏み込めるか」という信念の差だった。

    一般的なドライバーはリスクを抑え、出口速度を優先する。しかしセナは進入から限界まで攻め、グリップを最大限に引き出すことで結果的に全体のパフォーマンスを高めていた。

    この特徴は、現代ではマックス・フェルスタッペンにも見られる資質だとされる。限界域でマシンをコントロールしながらも破綻させない能力は、歴代のトップドライバーに共通する要素である。

    セナがクルサードを評価
    クルサードはまた、テスト中に自身のフィードバックをセナが聞き、その内容を比較していたことにも触れている。

    「その日の後、彼がフランク・ウィリアムズと個人的に話をして、僕がテストドライバーとして残るべきだと認めてくれたと聞いている。そして将来的にF1でチャンスを与えるべきだとも言ってくれた」

    この評価は実際のキャリアにもつながり、クルサードはウィリアムズで25戦に出走し、9度の表彰台を獲得することになる。

    セナとの比較で得た経験は、単なる思い出ではなく、トップレベルで戦うために必要な基準そのものだった。限界で踏み込む覚悟と、リアタイヤを信じる感覚――その差が、偉大なドライバーとその他を分ける決定的な要素であることを、クルサードの証言は示している。

  • アストンマーティンF1 アロンソ“誇張疑惑” クルサード「振動で辞めるのか?」

    アストンマーティンF1 アロンソ“誇張疑惑” クルサード「振動で辞めるのか?」

    アストンマーティンのフェルナンド・アロンソを巡り、中国GPでのリタイアの背景に新たな議論が浮上している。ホンダ製パワーユニット由来とされる激しい振動が原因とされたが、その説明に疑問の声が上がった。

    元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、アロンソの症状について「リタイアするほどではない」と指摘し、むしろホンダへのプレッシャーの一環ではないかとの見方を示した。

    アストンマーティンとホンダの関係は、開幕から信頼性問題に揺れている。こうした状況に加え、ジョナサン・ウィートリーの加入報道などチーム内外の動きも重なり、様々な憶測が広がっている。

    クルサード「振動はリタイア理由にならない」
    クルサードは、アロンソの中国GPでのリタイアについて懐疑的な見方を示した。

    「こういう状況でドライバーがやるべきことは、自分の仕事に集中することだ。エンジンを設計しているわけでも、クルマを作っているわけでもない」

    「彼がクルマの中で何を感じているかは分からないが、映像は見た。僕もタイヤの変形やホイールバランスの脱落による振動を経験してきた」

    「ステアリングには物理的に振動が伝わるものだ。それでもグランプリでピットインしてやめることはなかった。重要なのはポイントだからだ」

    さらにクルサードは、建設現場の例を引き合いに出し、次のように語った。

    「一日中ジャックハンマーを使っている作業員を見たことがあるか? 彼らは『今日は手が痛いから働かない』とは言わない」

    「だからこれは、ホンダに注目を集め続けるための都合のいい話ではないのかと疑っている。振動はドライバーよりも信頼性の問題だと思う」

    「ドライバーなら、コンマ1秒のためなら何でもやる。国歌を逆に歌いながらチェーンソーでジャグリングすることだってやるはずだ」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ホンダは予算超過も辞さず?
    クルサードは、問題解決に向けたホンダの対応についても言及した。

    「彼らは立て直すだろうが、そのためには予算上限を超える必要がある。罰則を受けることになっても、そのエンジンを機能させ、チームにチャンスを与えるためには必要なことだ」

    また、現在の状況がかつてのマクラーレンとホンダの関係に似ているとも指摘した。

    「以前にも同じような困難があった。マクラーレンとホンダの関係はうまくいかなかったが、その後レッドブルで成功につながった」

    アロンソに残された時間
    クルサードは、アロンソのキャリアについても厳しい見方を示した。

    「これは彼にとって最後のチャンスだと思う。アストンマーティンでのキャリアが終わった後、フェラーリやレッドブルに行くことはない」

    「彼は45歳になる。素晴らしいドライバーだし尊敬しているが、キャリアの最後の1年か2年に差し掛かっている」

    「他チームに移籍するか? 誰が彼を欲しがるのか。そして彼自身もそうは言わないだろう。最終的に勝てるクルマができるまで、今の場所で続けるしかない」