カテゴリー: キャデラックF1チーム

  • キャデラックF1も歓迎 V8エンジン復活論が勢い「我々は作り方を知っている」

    キャデラックF1も歓迎 V8エンジン復活論が勢い「我々は作り方を知っている」

    2028年から自社製パワーユニット投入を目指すキャデラックF1が、F1で勢いを増しているV8エンジン復活論を歓迎していることを明らかにした。

    2026年から導入された新世代パワーユニットは電動出力への依存度が高く、多くのドライバーからエネルギーマネジメントの複雑さや走行特性への不満が出ている。こうした状況を受け、FIAやF1首脳陣の間では、よりシンプルなエンジン規則への回帰を求める声が強まっている。

    キャデラックF1にとって追い風となるV8構想
    その議論を歓迎しているのが、2026年からF1参戦を開始したキャデラックF1の親会社であるゼネラルモーターズ(GM)だ。

    GMのマーク・ロイス社長は、デトロイトで開催されたインディカー戦の場で、将来的なV8レギュレーションへの支持を表明した。

    「我々はV8エンジンの作り方を知っている」

    「GTPやGTDプロで長い歴史があるし、それらのエンジンはここミシガン州で製造している」

    「F1でこのような機会が議論されていることを非常に嬉しく思っている」

    一方でロイスは、現在進行中のF1パワーユニット開発計画に変更はないと強調した。

    「2028年投入予定の2.4リッターV6ツインターボの開発をさらに進めている」

    「それが変わるとは思わない。我々はすでに大きな投資を行ってきたし、それは素晴らしいプロジェクトだからだ」

    キャデラックF1は当初から単なるフェラーリ製パワーユニットのカスタマーチームではなく、将来的にワークスメーカーとなることを条件にF1参戦を認められている。

    GMはすでにノースカロライナ州にF1エンジン部門を設立し、ベテランエンジニアのラス・オブレネスを責任者に据えている。自社ユニットの供給開始前からエンジンメーカー会議にも参加しており、本格参戦への準備を進めている。

    そのため、もし将来的によりシンプルなV8規則へ移行すれば、キャデラックF1がフルワークスメーカーとして参入するハードルは大きく下がることになる。

    ドメニカリが描くF1の未来像
    V8復活論を強く後押ししているのがF1のステファノ・ドメニカリCEOだ。

    ドメニカリはフランス紙『レキップ』の取材で、持続可能燃料を活用した内燃機関中心の将来像を語った。

    「個人的には、グリーン燃料が中心的な役割を果たす未来を思い描いている」

    「電動部分との現在のバランスを変え、内燃機関を再び主役に戻すことができる」

    「それこそがモータースポーツの基盤だ」

    ドメニカリは、こうした方向転換によって現在のマシンが抱える重量問題の解決にもつながると考えている。

    「マシン全体の重量を大幅に削減する機会になる」

    「より俊敏でコンパクトなマシンを取り戻し、限界まで攻められるクルマに戻すことができる」

    さらに、長年のF1ファンからも支持を得られるとの見方を示した。

    「この進化は、伝統的なファンたちを喜ばせると確信している」

    2030年頃の大転換は現実味を帯びるか
    V8復活構想は、以前までは一部関係者の理想論として扱われていた。しかし現在は状況が変わりつつある。

    FIA会長のモハメド・ビン・スライエムも2030年から2031年頃を目標に、より軽量でシンプルかつ迫力のあるパワーユニットへの回帰を支持している。

    F1は2026年レギュレーション導入からわずか数か月で、その次の世代のエンジン像を巡る議論を本格化させている。ドメニカリ、FIA、そして新規参入するキャデラックF1までが同じ方向を向き始めたことで、V8復活構想はこれまでになく現実味を帯びつつある。

  • セルジオ・ペレスを称賛するキャデラックF1 「批判への最高の回答」

    セルジオ・ペレスを称賛するキャデラックF1 「批判への最高の回答」

    セルジオ・ペレスのF1復帰には開幕前から多くの疑問の声が上がっていた。しかし、キャデラックF1チーム代表のグレアム・ロードンは、ペレスがその批判に結果と姿勢で応えていると高く評価している。

    2024年限りでレッドブルを離れたペレスは、1年間グリッドを離れた後、2026年にキャデラックF1から復帰。新規参戦チームの苦しい戦いが予想される中でも、経験豊富なバルテリ・ボッタスとともにチームを支えている。

    厳しい状況でも失わないペレスの情熱
    キャデラックF1は開幕5戦を終えてまだポイントを獲得できていない。しかし、中国GPでのボッタスの13位により、コンストラクターズランキングではアストンマーティンを上回っている。

    そうした中でロードンが特に評価しているのが、ペレスの取り組み方だ。

    「チェコ(ペレス)には本当に満足している。彼はかなり大胆な形でF1に戻ってきたからだ」とグレアム・ロードンは語った。

    「彼は大きな注目を集める形でF1を去り、その後しばらくパドックからも離れていた。だから、さまざまなことに再び慣れるまで時間がかかっても不思議ではなかった」

    「だが彼は最初から素晴らしいスタートを切った」

    最高成績はボッタスでも評価は揺るがず
    興味深いことに、キャデラックF1の今季最高成績を記録しているのはペレスではなくボッタスだ。

    ロードンもその事実を認めている。

    「興味深いのは、彼が我々の最高成績を記録したわけではないことだ。最高結果はバルテリのものだし、それは選手権では非常に大きな意味を持つ」

    それでもペレスへの評価は変わらない。

    キャデラックF1が見た“純粋なレーサー”の姿
    ロードンが最も感銘を受けているのは、順位に関係なくレースそのものを楽しむペレスの姿勢だという。

    「私はチェコのレースへの情熱が本当に好きだ。純粋にレースをすることを楽しんでいる」

    「彼は何度かマシンから降りてきたが、我々は16位や17位を争っているような状況だった。それなのに、まるで表彰台争いをしていたかのような熱量を見せていた」

    「彼は明らかに、自分が尊敬するドライバーたちと競い合うことを心から楽しんでいる。それを見るのは本当に素晴らしいことだ」

    ペレス復活の価値は結果だけではない
    セルジオ・ペレスの2026年シーズンは、現時点で目立った結果には結び付いていない。しかし、キャデラックF1が求めていたのは単なる速さだけではなかった。

    新規参戦チームに必要な経験、開発へのフィードバック、そして困難な状況でもモチベーションを失わない姿勢。そのすべてをペレスは示している。

    レッドブル離脱時には厳しい批判も浴びたが、キャデラックF1での挑戦は、少なくともチーム内部から見れば成功への第一歩となっているようだ。

  • バルテリ・ボッタス更迭説を否定 キャデラックF1は全面支持を継続

    バルテリ・ボッタス更迭説を否定 キャデラックF1は全面支持を継続

    バルテリ・ボッタスのキャデラックF1での将来に疑問符が付けられているとの報道が広がった。しかし、複数の関係者によれば、その噂は事実ではなく、チームは依然としてボッタスを高く評価しているという。

    2026年シーズンからF1に参戦したキャデラックは、セルジオ・ペレスとバルテリ・ボッタスという経験豊富なラインナップを起用した。だがカナダGPではペレスが明確に優位なペースを見せた一方で、ボッタスは苦戦。

    これをきっかけに「ボッタスがシートを失う可能性がある」との憶測が広がった。

    ボッタス更迭説は“完全な作り話”との見方
    PlanetF1によると、キャデラック内部に近い関係者は、ボッタス更迭説について「完全な捏造」と強く否定している。

    実際、状況に詳しいある情報筋は、この噂の捏造ぶりについて、小松礼雄がエステバン・オコンに関する誤報を流した情報源に激しく反論した際の騒動になぞらえ、「それと同じレベルだ」と語ったという。

    チームはボッタスの経験を高く評価しており、新規参戦チームであるキャデラックがここまで安定した運営を実現できている背景には、ボッタスとペレスの存在が大きいという。

    実際、キャデラックはまだ無得点ながらも、同じく苦戦するアストンマーティンに匹敵する競争力を示している。チーム側は短期的な結果だけでドライバーを評価する段階ではないと考えているようだ。

    ボッタス自身もカナダGP後にマシンの問題を明かしている。

    「今週末はセットアップ面でいくつか問題があった」

    「セッションごとにマシンの状態がかなり違っていたし、今日も修正できなかった部分があった。クルマは100%の状態ではなかった」

    「まだ十分な自信を持てる状態ではないが、自分のクルマが100%ではなかったことも分かっている」

    コルトン・ハータ起用説の最大の障害
    今回の噂では、キャデラックのリザーブドライバーであるコルトン・ハータがボッタスの後任候補として名前を挙げられた。

    しかし、このシナリオには大きな問題がある。

    ハータは現在FIAスーパーライセンスを保有していない。

    FIA規則ではF1参戦に必要なスーパーライセンス取得のため、過去3年間で40ポイントを獲得する必要がある。

    ハータは2025年限りでインディカーを離れ、F1参戦を目指してF2へ転向したが、現時点ではランキング12位に留まっている。F2では上位8位以内に入らなければ十分なポイントを獲得できないため、現状では2027年のF1参戦資格すら確定していない。

    一方で、FP1走行を通じて追加ポイントを獲得する方法は残されており、キャデラックが今季中にハータへフリー走行の機会を与える可能性はある。

    ただし、現段階でシーズン途中にハータがボッタスの代役としてF1デビューすることは現実的ではない。

    代役候補なら周冠宇が有力
    仮にドライバー交代が必要になった場合、現実的な候補として挙げられているのは周冠宇だ。

    周冠宇はFIAスーパーライセンスを保持しており、チーム代表のグレアム・ロードンがマネジメントを担当していることでも知られる。

    ロードンは以前から周冠宇について高く評価しており、ドライバーに問題が発生した場合には即座に起用できる体制が整っている。

    また、周冠宇は今後バルセロナで行われるピレリタイヤテストへの参加も予定している。

    キャデラックが求めるのは速さよりも経験
    今回の噂が現実味に欠ける最大の理由は、そもそもキャデラックがボッタスとペレスを起用した目的にある。

    新規参戦チームにとって最も重要なのは、ポイント獲得よりも走行距離を積み重ね、組織として学習することだ。

    チーム代表のグレアム・ロードンは、マイアミGPの時点で「すべてが新しいチーム」であることを繰り返し強調していた。

    マシン開発、部品調達、製造、レース運営、戦略判断など、あらゆるプロセスがゼロから構築されているため、ドライバー個人のパフォーマンス差だけで評価する段階にはないという。

    実際、カナダGPではペレス車にサスペンション破損が発生しており、チーム側もアップデートや部品の信頼性評価を続けている最中だ。

    ロードンはチームの現状について次のように説明している。

    「新しいチームにとってはより難しい。すべてのプロセスが新しく、何もかもが真新しい状態だからだ」

    「だがチームには経験豊富なエンジニアがいる。チャンピオンシップを勝った経験を持つ人材も多い」

    「チーム内の雰囲気は非常に良い。困難な状況でもネガティブにならず、むしろ挑戦を楽しんでいる人間が多い」

    2027年もボッタス残留が有力か
    さらにPlanetF1によれば、ボッタスとペレスの契約は単年契約ではないとみられている。

    両者とも複数年オプションを含む契約を結んでいるとされ、少なくとも現時点でボッタスの2027年シートが脅かされている状況ではない。

    ペレスの好調なパフォーマンスが他チームの関心を集めている一方で、ボッタスについてもキャデラック側は長期的な戦力として位置付けているという。

    少なくとも現段階では、「ボッタス更迭」「ハータ昇格」といった話は根拠に乏しく、キャデラックは経験豊富な2人のドライバーとともに、チーム基盤の構築を優先しているようだ。

  • セルジオ・ペレス キャデラックF1の“謎のサスペンション崩壊”に説明要求

    セルジオ・ペレス キャデラックF1の“謎のサスペンション崩壊”に説明要求

    セルジオ・ペレス(キャデラック)は、2026年F1カナダGPで突然発生したサスペンション破損について、チームに徹底した原因究明を求めた。

    ペレスはレース終盤、ピットレーン入口へ低速で向かっていたところ、キャデラックの右フロントサスペンションが突然折れ込み、マシンは片側に沈み込む形で停止した。

    壁への接触や縁石への強い入力は確認されておらず、低速域で起きた構造的な破損は、チームにとって看過できない問題となった。

    接触なしで起きた異常なサスペンション崩壊
    カーボンファイバーの破片がピット入口に散乱し、ペレスのレースはその場で終了した。問題をより深刻にしているのは、明確なきっかけが見当たらなかったことだ。

    「これは理解し、対処しなければならないことだ。今起きていること、そして起きてしまったことは理想的ではない」とペレスはコメント。

    「調査して、できれば対処できるようにしなければならない。理想的ではない。運営面ではまだ大きく不足していると思うし、パフォーマンス面で進歩しているほど、そこでは前進できていない」

    「だから今は、マシンのパフォーマンスを最大限に引き出せるようにしなければならない」

    戦略失敗から始まった苦しいレース
    ペレスのレースは、サスペンションが壊れる前からすでに厳しい展開になっていた。キャデラックはインターミディエイトタイヤでスタートする賭けに出たが、路面状況は予想より早く改善。タイヤは数周で過熱し、ペレスは早々にリカバリーを強いられた。

    「正直、その時点では五分五分だった。その時点では雨が少し弱まったように感じていたが、かなり早い段階で間違ったタイヤを履いていることが明らかになった」

    「3周以内にタイヤを終わらせてしまった。それが最大の問題だった。でも、そこからは立て直すことができた」

    速さと実行力のギャップが浮き彫りに
    ペレスは16番手を走行し、エステバン・オコン(ハースF1チーム)とバトルを展開していた。ペースも戻りつつあり、反撃の流れが見え始めたところで、マシンが耐えきれなかった。

    「良いペースはあったし、ハースとも良いバトルができていた。ハースを抜いたが、残念ながら最後にサスペンション故障が起きた」

    今回の問題は、単なるリタイア以上の意味を持つ。キャデラックはパフォーマンス面で前進を見せている一方で、戦略判断、運営、信頼性がそれに追いついていない。ペレスの発言は、その不均衡に対する強い不満を示している。

    接触なしのサスペンション崩壊は、F1では極めて重く受け止められるトラブルだ。キャデラックがミッドフィールドで信頼を築くには、速さだけでなく、こうした基本的な信頼性問題を即座に解決する必要がある。

  • キャデラックF1 バルテリ・ボッタス更迭説が浮上 セルジオ・ペレスにも移籍の噂

    キャデラックF1 バルテリ・ボッタス更迭説が浮上 セルジオ・ペレスにも移籍の噂

    2026年F1カナダGPの週末で、ドライバー市場の噂が一気に加熱している。マックス・フェルスタッペンを巡るトップチームの動向が注目を集める一方、新規参戦チームのキャデラックにも不穏な空気が漂い始めた。

    伊Sky Italiaのロベルト・キンチェロによると、バルテリ・ボッタスはセルジオ・ペレスに対して予選で大差をつけられたことで、すでにチーム内で立場が揺らいでいるという。

    さらに、ペレス自身にも他チームへの関心があるとされ、2027年に向けてキャデラックのラインアップが大きく変わる可能性が浮上している。

    ボッタスに厳しい視線 予選0.8秒差が波紋
    モントリオールでの予選で、バルテリ・ボッタスはセルジオ・ペレスに対して2回の予選セッションともコンマ8秒差をつけられた。

    「ブレーキに問題があったのかは分からない」とロベルト・キンチェロは語った。

    「だが、コンマ8〜1秒差というのは大きい。彼の立場が安泰だとは思えない」

    キャデラックは参戦初年度、経験豊富なドライバーラインアップでプロジェクトを安定させる方針を取ってきた。しかし、開幕から苦戦が続く中で、早くも将来に向けた方向転換が議論されているという。

    「まだ5月だが、ドライバー市場はすでに本格化している」

    「キャデラックではボッタスのポジションについて議論が始まっている」

    ペレスにも移籍説 キャデラック残留は不透明
    一方で、セルジオ・ペレス自身も長期的にキャデラックに留まる考えではない可能性があるとされる。

    「ペレスは他チームに問い合わせを行っている」とキンチェロは明かした。

    「はっきりしているのは、彼がおそらく引退を望んでいないということだ。彼は走り続けたいと思っている」

    そのためキンチェロは、2027年には少なくとも1席、場合によっては2席とも空席になる可能性があると予測している。

    「おそらく2人のうち少なくとも1人は来年いないと思う」

    「もしかすると、2人ともいないかもしれない」

    キャデラックの次世代候補にハータ浮上
    もしラインアップ刷新が現実となれば、キャデラックは“生き残り”重視の体制から、将来を見据えた若手育成路線へ舵を切る可能性がある。

    その筆頭候補として名前が挙がっているのが、アメリカ人インディカードライバーのコルトン・ハータだ。

    現在はF2でスーパーライセンス獲得に必要なポイントを積み上げており、条件を満たせばキャデラック入りへの道が開けるとみられている。

    「コルトン・ハータがいる」とキンチェロは語った。

    「もしスーパーライセンスを確保できれば、彼にはキャデラック入りへの明確な道筋があると思う」

  • キャデラックF1 カナダGPで進歩示すも無得点 ペレスはサスペンション破損

    キャデラックF1 カナダGPで進歩示すも無得点 ペレスはサスペンション破損

    キャデラックF1は2026年F1カナダGP決勝で、バルテリ・ボッタスが16位、セルジオ・ペレスがリタイアという厳しい結果に終わった。

    チームは2台ともインターミディエイトタイヤでスタートする戦略を選択したが、路面は想定以上に早く乾き、序盤から苦しい展開に。ボッタスはピットレーン速度違反のペナルティも受け、ペレスは追い上げを見せていたなかでサスペンショントラブルによりレースを終えることになった。

    グレアム・ロードン「今季もっとも競争力のある週末だった」
    チーム代表のグレアム・ロードンは、結果以上に内容面での前進を強調した。

    「厳しいレースであっても、有益な学びを得られることはあるし、それが今週末から持ち帰れるものだ。全体として、今季ここまでで最も競争力のある週末だった」

    「さらなるアップグレードを投入し、パフォーマンス面でももう一歩前進できた。実際にミッドフィールドのペースで戦うこともできていた。オペレーション面で改善すべき点があることも理解しているが、我々が行っていることはすべて初めての経験だ」

    「ヨーロッパラウンドに向けて、その課題には対処していく。モナコはこれまでとはまったく異なる挑戦になるので、しっかり振り返り、立て直し、さらに強くなって戻ってきたい」

    ペレス「大きな前進を感じている」
    セルジオ・ペレスは、リタイアこそ喫したものの、マシンの進歩を実感していると語った。

    「順調だったよ。もちろんスタート時のインターミディエイト選択は間違っていたが、どちらへ行くかは50対50だった」

    「そこから挽回して争いに加わり、エステバンと戦い、ハースを抜いた後は良いペースもあった。だが残念ながらサスペンションにトラブルが起きてリタイアせざるを得なかった」

    「それでも、この週末はシーズン開幕以来もっとも競争力のある週末だったし、大きな前進を果たせた。ポジティブな要素はたくさんある。あとはオペレーション面を整理し、進歩を結果につなげていくだけだ」

    ボッタス「少しずつ前進している」
    バルテリ・ボッタスは、依然として課題は多いと認めつつも、チームの成長を強調した。

    「長くて厳しい1日だった。バランスに本当に苦しんだ。レースを通してオーバーステアをまったく改善できず、それが最大の問題だったし、調査する必要がある」

    「結果だけを見ると、進歩があまり見えないこともあるかもしれないが、改善しているのはクルマのペースだけではない。僕たちはあらゆる面で前進を続けている」

    「少しずつだが確実に前へ進んでいるし、時間がかかることは最初から分かっていた。次のレースは2週間後なので、さらに一歩前進できることを願っている」

    キャデラックF1は結果こそ無得点に終わったが、チーム首脳陣とドライバーの双方が“今季最高の競争力”を口にした週末となった。アップグレードによる前進も見え始めており、低速コースのモナコGPでさらなる改善を示せるかが注目される。

  • GMの“総力戦” キャデラックF1を支えるシミュレーション技術の全貌

    GMの“総力戦” キャデラックF1を支えるシミュレーション技術の全貌

    キャデラックF1チームは2026年のF1参戦に向け、わずかな準備期間の中で異例とも言えるスピードで体制構築を進めてきた。

    その背景にあるのが、親会社ゼネラルモーターズ(GM)が長年培ってきたモータースポーツ技術とシミュレーション基盤だ。単なるブランド支援ではなく、NASCAR、インディカー、スポーツカー開発で蓄積された技術資産をF1へ直接投入することで、キャデラックは“ゼロからの新規参戦”という最大の弱点を埋めようとしている。

    既存インフラがキャデラックF1の立ち上げを加速
    通常、新規F1チームはシミュレーター、解析ソフト、データ基盤、車両モデルなどをゼロから構築しなければならない。しかしキャデラックには、GMシャーロット・テクニカルセンターという既存施設が存在していた。

    ノースカロライナ州コンコードにあるこの施設には、複数のドライバー・イン・ザ・ループ(DIL)シミュレーターや空力解析設備、サスペンション解析ツールなどがすでに整備されており、キャデラックF1はそれらを即座に活用することができた。

    GMグローバル・モータースポーツ競技担当副社長のエリック・ウォーレンは、GMが単なるスポンサーとして参入したわけではないと説明する。

    「我々はただのステッカーでありたかったわけではない。本当にチームの一部になりたかった」

    この言葉どおり、GMはキャデラックF1を“広告プロジェクト”ではなく、“企業全体の技術戦略”として扱っている。

    GM キャデラック

    キャデラックは2025年のF1を“仮想参戦”していた
    キャデラックが特に重視したのは、シミュレーターを単なる車両開発だけでなく、組織全体の運営訓練にも利用した点だった。

    チームは2025年シーズン中、複数のグランプリを対象に“仮想11番目のチーム”としてレースをシミュレート。戦略判断、ピット運営、データ処理、エンジニア同士の連携まで含め、本番さながらのレースオペレーションを繰り返していた。

    シニアエンジニアリングコンサルタントを務めるパット・シモンズは、その重要性を強調している。

    「正直に言って、昨年GMの施設がなければ我々はここにいなかっただろう」

    「我々はそのシミュレーターをレーシングカーのように使っていた。それは非常に貴重だった」

    新規参戦チームにとって最大の課題は経験不足だ。しかしキャデラックは、シミュレーターを使った“事前実戦訓練”によって、そのギャップを埋めようとしている。

    NASCAR技術がF1開発を支える
    今回の記事で特に興味深いのは、GMが「F1だけが最先端」という見方を否定している点だ。

    GMはNASCARで培われたタイヤモデルや熱解析、車両ダイナミクス、空力熱モデリング技術が、F1でも十分に通用すると考えている。

    ウォーレンは、「多くの人はNASCARの車は技術的ではないと思っている。しかし重要なのは車そのものではなく、その背後にあるエンジニアリングだ」と説明した。

    さらに、キャデラックのタイヤサイエンス責任者ヘザー・ボビット博士について、パット・シモンズは「おそらく私が一緒に働いた中で最高のタイヤ科学者だ」と高く評価している。

    欧州型F1開発とは異なるアプローチを持つGMが、独自の知見を持ち込もうとしていることは非常に興味深い部分だ。

    キャデラック F1

    F1はGMにとって“研究開発の場”でもある
    もっとも、技術移転は一方向ではない。

    GM側は、F1から得られる技術的利益も極めて大きいと考えている。特に、リアルタイム相関解析、大量データ処理、クラウド管理、高密度センサー解析、AIや機械学習などは、GM全体の技術開発にも応用できるという。

    ウォーレンは、F1の膨大なデータ量こそが最大の価値だと説明する。

    「F1の素晴らしいところは、車に大量のデータが存在することだ」

    「より多くのデータ、より多くのエンジニア、より多くの解析によって、ツールをより速く成熟させることができる」

    つまりGMにとってF1は、単なるブランド露出の場ではなく、将来の量産技術にもつながる“研究施設”として機能している。

    キャデラックF1はまだ建設途中にある
    ただし、キャデラック自身も現在の体制がまだ完成形ではないことを認めている。

    現在はインディアナ州Fishersの新本部建設に加え、2027年稼働予定の最新シミュレーターや、2029年導入を目指す独自パワーユニットの開発も進行中だ。

    パフォーマンス分析責任者ジェームス・ナプトンは、現在の状況をこう表現した。

    「我々は航海しながら船を作っている」

    これはキャデラックF1の現状を非常によく表している。

    まだ基盤構築の途中段階にありながら、同時にF1という世界最高峰カテゴリーで戦わなければならない。その“同時進行”こそが、キャデラックF1最大の挑戦となっている。

  • キャデラックF1 カナダGPでアストンマーティン超え狙う “シンデレラ”脱却へ前進

    キャデラックF1 カナダGPでアストンマーティン超え狙う “シンデレラ”脱却へ前進

    キャデラックF1は、2026年シーズン序盤の苦戦から着実に前進を見せている。F1マイアミGPではセルジオ・ペレスとバルテリ・ボッタスのピットストップが上位水準のタイムを記録し、チーム運営面での成長を印象づけた。

    スペイン『MARCA』は、キャデラックが次戦F1カナダGPを“転機”として捉えていると報道。2026年シーズン開幕時には“グリッドのシンデレラ”とも呼ばれた新興チームだが、今ではアストンマーティンを射程圏に捉えつつあるという。

    高速コーナーを苦手とするマシン特性に対し、低速主体のモントリオールは相性が良いと分析している。

    キャデラックF1が示した“運営力”の進化
    2026年のキャデラックF1は、開幕当初こそ最後尾争いに埋もれていた。しかし、マイアミGPではチームの成熟を感じさせる場面が見られた。

    セルジオ・ペレスのタイヤ交換は2.73秒、バルテリ・ボッタスは2.96秒を記録。いずれもグランプリ全体で上位に入るタイムであり、マクラーレンのランド・ノリスが記録した最速2.43秒との差を大きく縮めている。

    グレアム・ロードンは、チームの改善を次のように語った。

    「今回のピットストップは本当に完璧だった。我々はいくつかの場面で大きな前進を果たせた」

    開幕当初は“学習期間”と見られていたキャデラックだが、徐々に“最後尾のシンデレラ”という立場から脱却し始めている。

    アストンマーティンとの差を縮める開発前進
    キャデラックにとってさらに大きいのは、開発面での前進だ。

    ロードンは、現在のアップデートについて「狙い通りに機能している」と説明。風洞データと実車挙動の相関が改善されたことを明かしている。

    「アップデートは我々の期待通りに機能している。ほぼ継続的に新パーツを投入していく予定だ」

    F1では、シミュレーション上の性能向上が実際のサーキットで再現されない“相関問題”が大きな壁となるケースが多い。フェラーリF1も現在その問題に苦しんでいると報じられている一方、キャデラックは改善傾向を見せており、中団グループだけでなくアストンマーティンとの差を縮める材料になりつつある。

    カナダグランプリ アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    弱点は高速コーナー
    一方で、マシンの課題も明確になっている。

    ボッタスは現在の弱点について次のように説明した。

    「僕たちの最大の問題は高速コーナーと中速コーナーだ」

    現在のキャデラックはローダウンフォース区間やストップ&ゴー型サーキットでは比較的競争力を発揮できる一方、高速域では依然としてダウンフォース不足に苦しんでいる。

    そのため、鈴鹿やシルバーストンのような高速サーキットよりも、低速主体の市街地系レイアウトの方がマシン特性に合っているとみられる。

    F1カナダGPは“シンデレラ脱却”の試金石
    その意味で、次戦F1カナダGPはキャデラックにとって大きな好機となる。

    ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットは、低速シケインと強いブレーキングが連続する典型的な“ストップ&ゴー”サーキットであり、高速コーナー依存度は比較的低い。

    ボッタスもモントリオールでの前進に期待を示している。

    「カナダではもっと近づけることを期待している。ラップは短いし、タイム差も小さくなるはずだ」

    2026年F1グリッド最後尾の“シンデレラ”としてスタートしたキャデラックだが、カナダGPではアストンマーティンを脅かす存在へ変貌できるかもしれない。

  • バルテリ・ボッタス F1マイアミGPで愛車盗難 FBI出動「逃走車に使用?」

    バルテリ・ボッタス F1マイアミGPで愛車盗難 FBI出動「逃走車に使用?」

    バルテリ・ボッタス(キャデラックF1)は、2026年F1マイアミGP週末に滞在していたAirbnbで愛車が盗難被害に遭い、その後FBIまで捜査に乗り出す異例の事態に発展していたことを明かした。

    盗まれたのはキャデラック・エスカレードで、車内にはパドックパスやVIP駐車許可証まで残されていたという。結果的に車両は翌日に発見されたが、ボッタスは「逃走用の車として使われたのではないか」と語っている。

    パドックパス入りの車が消失
    ボッタスは『What’s next?』ポッドキャストで、事件当時の状況を詳細に説明した。

    「金曜日はいつも通り帰宅して、車をAirbnbのドライブウェイに停めた。軽く夕食を食べて、早めに寝たんだ。車の鍵は家の中にあったし、車もロックしていた」

    しかし翌朝、友人から異変を知らされたという。

    「信じられなかったよ。外へ出てドアを開けたら、エスカレードが消えていた。鍵はまだ家のテーブルの上にあるのに見えるんだ。『どうやってAirbnbのドライブウェイから車が盗まれたんだ?』って感じだった」

    この日はスプリントと予選が行われる重要な土曜日だったこともあり、ボッタスは急遽別の移動手段を確保する必要に迫られた。

    「当然、サーキットに遅れそうになった。別の移動手段を探さないといけなかったからね。幸運にも別のエスカレードが送られてきて、それでサーキットへ向かった。でもその時になって『あ、パドックパスが車の中だ』って気づいた」

    「だから当然、パドックパスも持っていなかった。でも何とか解決したよ」

    “F1関係者になりすます”可能性も懸念
    番組内では、盗難犯がボッタス本人になりすましてパドックへ侵入できた可能性も冗談交じりに語られた。

    共同司会のポール・リプケが「その泥棒、ボッタスになりきって1日過ごせたんじゃないか」と話すと、ボッタスもそれを否定しなかった。

    「そうだね。VIP駐車場も使えたし、パドックにも歩いて入れた。サインインしてチームにも行けただろうね」

    「でも結局、彼らはF1レースには興味がなかったみたいだ。翌日には車が乗り捨てられた状態で見つかったから」

    FBIも捜査に参加 “逃走車両”説が浮上
    事件は単なる車両盗難に留まらず、最終的にはFBIまで捜査に加わる事態となった。

    ボッタスは「FBIも関与した。完全な捜査になった」と明かしている。

    車が発見された場所は“犯罪多発地域”だったといい、当局はF1関係者用パスが残されていたことを重く見たようだ。

    「警察とFBIが動いたのは、その理由もあった。VIP駐車パスもあったし、誰かがその車でサーキットへ行けた可能性があったからね」

    「でも彼らはF1には興味がなかったみたいだ。おそらく犯罪に使って、その後で乗り捨てたんだと思う。僕の中では“逃走用の車”だったんじゃないかと思っている」

    「車を失ったのは残念だけど、かなりクレイジーな出来事だった。人生でこんなことは初めてだよ」

    武装警備員まで配置された異常事態
    この事件を受け、ボッタス陣営は週末の残り期間、Airbnb前に武装警備員を常駐させる対応を取った。

    「武装して、防弾ベストも装備した完全装備の警備員だった」

    さらにボッタスは、盗難グループの手口にも驚きを隠さなかった。

    「かなり高度な技術が使われているはずだ。どうやって車に侵入して、しかも即座に追跡装置まで停止できるのか。本当に驚いたよ」

  • キャデラックF1 アストンマーティンとの開発競争に危機感「取り残されたくない」

    キャデラックF1 アストンマーティンとの開発競争に危機感「取り残されたくない」

    セルジオ・ペレスは、キャデラックF1が2026年F1シーズン序盤の開発競争で「取り残されたくない」と語り、アストンマーティンとの戦いが新規参戦チームにとって大きなモチベーションになっていると明かした。

    キャデラックは新規参戦チームとして厳しい船出が予想されていたが、現時点ではグリッド後方で完全に孤立する状況には陥っていない。一方で、ポイント獲得にはまだ距離があり、ペレスは中団争いに加わるためには早急なパフォーマンス向上が必要だと強調している。

    マイアミGPではキャデラックがアップグレードを投入した一方、アストンマーティンは唯一アップデートを持ち込まなかった。タイヤデグラデーションの改善について問われたペレスは、前進はしているものの、まだ作業が残っていると認めた。

    「そこにはまだ少し作業が必要だ。でも、僕たちは正しい方向に進んでいると確信している」とペレスは語った。

    「デグラデーションが始まっても十分に抑えられているときは、中団勢と一緒に走れる場面がある。ただ、彼らはそこからかなりペースを上げることができる」

    「まだ長いシーズンだ。でも当然、僕たちはパフォーマンスを見つけることに大きく急いでいる。アストンマーティンが改善してくることは分かっているし、僕たちは取り残されたくない」

    アストンマーティンは2026年シーズン序盤に苦戦しているものの、昨年は定期的に入賞していたチームであり、2023年には8回の表彰台を獲得していた。キャデラックにとって、その相手と戦えていることは、現実的な比較対象であると同時に開発を加速させる材料にもなっている。

    「彼らと戦うのは楽しい」とペレスは続けた。

    「特にフェルナンドと戦うのはいつも素晴らしいことだ。彼はとてもフェアにレースをする」

    「僕たちはデグラデーションで少し足りなかった。タイヤを少し消耗させすぎていたし、ハードを選んだことについては、振り返ればソフトにしていただろうと思う」

    ペレスは、マイアミで投入したパッケージの理解が今後の鍵になると説明した。次戦カナダに向けて、短期間でデグラデーション問題を整理し、より良い解決策につなげる必要があるという。

    「分析すべきことだが、同時に、このパッケージを理解することがカナダに向けてさらに前進する鍵になる。このパッケージをもっと理解し、より良い解決策を持ち込もうとする必要がある」

    「時間はあまりない。でも短期的にやらなければならないことのひとつは、デグラデーションを修正することだと思う。そこにはいくつかアイデアがある。ただ、そのアイデアをすべてまとめ上げることが、今後数週間でチームにとって最大の作業になる」

    キャデラックにとって、現在の焦点は単にアストンマーティンと争うことではなく、開発曲線で後れを取らないことにある。新規参戦チームとしての評価は一定の水準を保っているが、既存チームがアップデートを重ねる中で、その差を維持するだけでは不十分になる。

    マイアミでのアップグレードは、その第一歩にすぎない。ペレスの発言からは、キャデラックが現状に満足していないこと、そしてタイヤデグラデーションの改善が中団進出への最初の突破口になるという認識が明確に読み取れる。