カテゴリー: キャデラックF1チーム

  • セルジオ・ペレス レッドブルF1からの解雇は「キャリアで最善の出来事だった」

    セルジオ・ペレス レッドブルF1からの解雇は「キャリアで最善の出来事だった」

    セルジオ・ペレスは、自身がレッドブルを離れる直前にクリスチャン・ホーナーへ伝えた最後の言葉を明かし、さらにマックス・フェルスタッペンのF1における歴史的な位置付けについての自身の見解を語った。

    キャデラックF1チームの2025年準備が最終段階に向かいつつある中、セルジオ・ペレスはメキシコシティを訪れ、約1年前に始まったレッドブル離脱の瞬間を振り返った。

    記者会見で“チェコ”ペレスは、現在はレッドブルを離れているホーナーとの最後の会話について「本当にありがとうと伝えた」と語った。

    「そしてここに来る人にはとても申し訳ないともね。というのも、ここでは本当に大変な思いをするからだ」

    セルジオ・ペレスは2021年にレッドブルに加入したが、当初から自身の立場がフォースインディア/レーシングポイント時代のような“チームの基準点”ではなく、マックス・フェルスタッペンのために構築された体制の中で働く役割になることを理解していたと振り返った。

    それでも状況を変えようと試みたが、結局は毎年同じ展開に落ち着き、マシン開発がフェルスタッペンのドライビングスタイルに合わせて進められていると強調するコメントを続けていた。

    「最初の日から僕らは賢く立ち回らないといけなかった。自分の役割は理解していたし、このプロジェクトはフェルスタッペンのために開発されていることも分かっていた。」

    「加入した時、僕は彼らを少し緊張させ始めた。でも、多くの利害関係があって、そのシステムを自分が背負うことはできないとも分かっていた。」

    「レッドブルで起きたことは、結局のところ、僕にとって最善のことだったと思う。レッドブルにいて、僕が置かれていた状況は本当に大変だった。」

    「そして、これまで来たドライバーも、これから来るドライバーも同じ問題に直面し続けるだろう。なぜなら、あれは非常に扱いの難しいマシンで、常にフェルスタッペンのスタイルに合わせて適応しなければならないからだ。」

    さらにペレスは、フェルスタッペンに対して大きな尊敬を抱いていることも明かした。

    「彼はこのスポーツの歴史上、最高のドライバーになると思う。レッドブルのプロジェクトは彼のために作られている。」

    一方で、現在では誰もレッドブルに“2人目のドライバー”がいることを気にしておらず、専門メディアでさえフェルスタッペンの“副操縦士”の席に十分な注目を払わない状況にあると指摘した。後任たちが苦戦しているにもかかわらず、である。

    「僕は賢く立ち回る必要があった。未来を考え、物事がどう進むかを見ないといけなかった。ドライバーの人生は短い。そして今日では、誰も2番手ドライバーがいることを覚えていない。」

  • ミック・シューマッハ キャデラックF1落選でキャリア再考 インディカー参戦決断

    ミック・シューマッハ キャデラックF1落選でキャリア再考 インディカー参戦決断

    ミック・シューマッハ(26歳)は、キャデラックF1チームの2026年ラインアップから外れたことが大きな転機となり、モータースポーツで「自分が何を求めているのか」を見つめ直す結果につながったと明かした。

    2023年のハースF1以来、メルセデスおよびマクラーレンのリザーブとしてF1との関係を保ってきたが、最終的にはアルピーヌからFIA世界耐久選手権に参戦。その後もシングルシーターへの意欲が強く、今回インディカーへの挑戦を決断した。

    キャデラック落選が下した“決断”
    シューマッハは、キャデラックF1が2026年のドライバーとしてセルジオ・ペレスとバルテリ・ボッタスを選んだことについて、「理解できる判断だった」と語る一方で、最終盤まで自分も候補に残っていたと明かした。

    「状況としてはタフだったけれど、彼らが別の方向に進むという判断は理解できる。最後の最後まで僕たちは候補にいたけれど、別の方向に向かった。それを受けて、自分は何を望むのかを理解しなきゃいけなかった」

    「F1グリッドに戻ることを目指し続けるのか、それとも自分が楽しめるレースをするのか。僕にとって、それはシングルシーターだった。だからこそ、この機会が訪れて本当にうれしい」

    RLLでインディカーデビューへ
    シューマッハはセブリングやロードコースを含むテストを経て、Rahal Letterman Lanigan Racing(RLL)からインディカーデビューを果たす。

    「シングルシーターの道を再び極めるのは興味深い挑戦で、より落ち着いて取り組めている。インディカーはベストな選択だったし、長期的に続けられるか自分に確認する必要があった。ここにいるということは、100%コミットしているということだ」

    “F1復帰の扉は閉じていない”
    インディカーへの転向について、F1への道が閉ざされる懸念はないと強調する。

    「F1は特別な世界だけれど、シングルシーターであることは変わらない。いろんなドライバーが他のカテゴリを経験しながらF1に関わり続けた例はいくつもあるし、僕がインディカーに移ることで扉が閉ざされるとは思わない」

    ミック・シューマッハ インディカー・シリーズ

    オーバル完全参戦へ“覚悟の決断”
    ルーキーの一部はオーバルを限定参戦するが、シューマッハはシーズンを通して全オーバルに挑む。

    「半端な形ではなく、100%で取り組みたかった。オーバルもその一部だ。もちろん危険性についても考えたけれど、モータースポーツ全体が危険なのは同じだ」

    「多くの人と話して前向きな意見も否定的な意見も聞いたうえで、自分で判断した。スピードはものすごく速いし、サイド・バイ・サイドの戦いもある。でもリスクを受け入れて、その上でレースを楽しみたい」

    “学ぶことは多い、でも楽しみしかない”
    インディアナポリス・モーター・スピードウェイでのテストは大きな自信につながったという。

    「本当の意味でのオーバル走行はまだ家のシムでしか経験していないけれど、実車で学ぶのが楽しみだ。良いことも悪いこともあり、それがパフォーマンスに影響する。学ぶべきことはたくさんあるけれど、それが楽しみだ」

    シューマッハは4種のオーバル、2つのロードコース、そしてセブリングでのストリートシミュレーションを含む大規模なプレシーズンテストに臨む予定だ。

  • キャデラックF1 初テストの舞台裏 “架空のFIAメール”“ERS緊急手順”も検証

    キャデラックF1 初テストの舞台裏 “架空のFIAメール”“ERS緊急手順”も検証

    キャデラックF1チームが、イタリア・イモラで行われたセルジオ・ペレスによるTPC(旧型車テスト)を通じて、最初の実走テストから得た主要な学びを明かした。今回使用されたのは2023年仕様の黒いフェラーリで、キャデラックF1チームにとって初めての本格的なオン・トラック走行となる。

    チームはまだ自前のマシンでの正式走行には至っておらず、それは2026年1月に予定されるフィルミングデーまで待つことになる。その後、2月末のバルセロナ合同テストへ向け準備が進められる。

    “架空のFIAメールアドレス”、ERS緊急手順、スタート手順まで──新チームが直面した実践的課題
    キャデラックF1チームを率いるグレアム・ロードンは、今回のTPCテストがエンジニアリングや現場の動きを“リアルに再現する”ための重要な機会だったと語ったとされている。

    ロードンはメディアに次のように語ったとされている。

    「とても有益な演習だった。われわれは“レース・レディ”のプログラムを持っているが、新チームとして扱うべき経験値は膨大だ。シニアポジションには合計で2,500年以上の経験が集まっているが、全員が一緒に働き始めてからはまだ1年にも満たない」

    ロードンは、エンジニアリング部門では“レース週末の丸ごとリハーサル”を行っていたと説明した。

    「ヘッドセットを装着して、実際のレース週末と同じように週末全体を回す。提出書類も、われわれが作った“架空のFIAメールアドレス”宛にすべて送る仕組みで、部品供給の問題やレース中のトラブルなど、起こり得るシナリオはすべてシミュレーションされる」

    キャデラック F1

    しかし、“実車を触る練習”だけはシミュレーションではどうしても再現できない。そのギャップを埋めるのが今回のTPCテストだったとロードンは強調した。

    「メカニックにはシミュレーションでは練習できない領域がある。だから今回のTPCの焦点は“クルマをテストすること”ではなかった。これはわれわれのマシンではなく、貸してくれたフェラーリには本当に感謝している。可能な限りリアルに近づけたかったし、タイヤブランケットの手順、スタート手順、Q1からQ2への迅速なターンアラウンドなど、F1マシンでしか学べないプロセスがある」

    さらにロードンは、ERS関連の緊急対応手順がチームにとって重要な実地学習になったと明かした。

    「やるべきことは山ほどあった。コースインして戻ってくる動作、戻ってきたクルマをどう扱うか、ERSシステムにアラームが出た場合の対処、ピットレーンにマシンが戻ってくる時の動き、そして異なるチーム出身のメカニックに“パワーユニットが違えばERS緊急時の手順も異なる”ということを思い出させる作業もあった」

    ロードンは最後に、「本当に有益だった。他の新規参入チームにも、同じプロセスを強く勧めたい」と締めくくった。

  • セルジオ・ペレス レッドブルF1離脱の真実とキャデラックでの再出発を語る

    セルジオ・ペレス レッドブルF1離脱の真実とキャデラックでの再出発を語る

    セルジオ・ペレスがF1に戻ってくる。2026年、キャデラックF1からグリッドに復帰することが決まり、1年のブランクの中で失いかけていた情熱と自信を取り戻したと語った。レッドブルでの困難な最終シーズンは精神的なダメージを与えたが、離れて初めて“F1が自分にどれだけ大切だったか”を理解したという。

    2023年にはドライバーズランキング2位を獲得し、チームのコンストラクターズタイトル連覇に貢献。翌2024年の序盤にはレッドブルとの契約延長まで結んだ。

    しかしシーズン後半に成績が急落し、最後の8戦でわずか9ポイント。契約を2年残したまま、チームと合意してシーズン終了での離脱に至った。

    ペレスは「自分の望む形ではない離れ方」だったと振り返る。

    レッドブル離脱後に見えた「休みが必要だった」という事実
    キャデラックのシルバーストーン拠点でのシート合わせの際、ペレスは当時の心境をこう語った。

    「そのときは(休みが必要だとは)感じていなかった。でもF1にいると、次の年、次のレース、次の契約のことで頭がいっぱいで、まるで自動運転みたいなんだ」

    「でも僕みたいに外に出ることを強制されると、いろいろ分かるんだ。スポーツが違って見えてくる」

    レッドブルでの最後の半年間は特に厳しかったという。

    「最後の6カ月は、あらゆる面で本当に厳しかった。スポーツに対するモチベーションを失いかけていた。でも、それは許されない。F1は僕にすべてを与えてくれたんだから」

    「F1を去るときには、大きな笑顔と敬意を持って去りたい。スポーツには本当に全てをもらったからね」

    セルジオ・ペレス レッドブル時代

    「F1が恋しかった」休養が復帰の引き金に
    F1を離れた当初、ペレスは自分が何をしたいのか分からなかったという。

    「最初の2カ月くらいはよかった。でも気づけばレースのために早起きしていた。F1を見続け、パドックにいる友人にも話を聞いていた」

    「そのとき、『僕は思っていたよりF1を恋しがっている』と分かったんだ」

    その頃、キャデラックとの会話が本格化する。

    「キャデラックとの話が始まって、彼らのレーシングへの情熱が見えた。そこではっきりした。『まだ自分には何か残っている』って」

    “夢のようなシナリオ” 休養後に得たリフレッシュと新たな挑戦
    キャデラックは2026年参戦に向け、GMの大規模投資を背景に経験豊富なスタッフを集めている。ペレスはその中心的役割を担い、すでにシミュレーター作業や会議を重ねている。

    「今振り返ると、まるで夢のシナリオだ。1年休んでリフレッシュして、そして15年のF1生活を経てもう一度エネルギーを取り戻して戻ってこられたんだから」

    「新しいチームで、ほとんどゼロからのスタートだ。チームと一緒に働き、あらゆる分野でチームを前に進めていくつもりだ。シミュレーターでもね」

    F1で忘れていた「楽しさ」を思い出させてくれた休養
    長いF1キャリアのなかで、ペレスは「楽しむこと」を忘れていたと語る。

    「F1はバブルなんだ。ドライバーは多くのことで頭がいっぱいになる。ちょっとしたタイムを削れたかも、あれができたかも…そんなことばかり気にしてしまう」

    「でも一番大事なのは楽しむこと。僕たちは、自分の好きなことを仕事にできているんだから」

    「それが一番大きな教訓だ。僕たちは競争心が強すぎて、楽しむことを忘れてしまうんだ」

    経験豊富なスタッフと共にゼロから作るチーム「影響を与えられる喜び」
    キャデラックは2026年に向けて、多くの経験者を集めている。

    「メルボルンに向けて準備するだけじゃなく、競争力を持って準備しなければならない。経験豊富な人たちが周りにいるのは大きな助けになる」

    「みんなパドック歴が長く、何かを証明したいという情熱を持っている」

    契約以降、ペレスは会議にも積極的に参加し、方向性を示している。

    「チームと行ったり来たりして、特定の分野でプッシュしたり、方向を与えたりしてきた。自分が影響を与えられるチームというのは素晴らしいよ。僕が求めれば、ちゃんと応えてくれる」

    「重要なのは成長速度」初年度から“驚きを与える存在”へ
    ペレスは初年度の順位よりも、チームがどれだけ早く進歩できるかを重視している。

    「どこからスタートするかは関係ない。重要なのはどれだけ早く前進できるかだ。僕たちは多くの人を驚かせられると思う。それが僕たちの目標なんだ。初日からF1に強いインパクトを与えたい」

    そして、この挑戦が“最後のプロジェクト”だと強調する。

    「これは僕の大きな、最後のプロジェクトだ。成功した復帰にしたい」

  • キャデラックF1、周冠宇のリザーブ起用を躊躇 “ネガティブ反応”を恐れ保留

    キャデラックF1、周冠宇のリザーブ起用を躊躇 “ネガティブ反応”を恐れ保留

    キャデラックF1は2026年デビューに向けて準備を加速させる一方で、セカンド体制となるリザーブドライバー決定が難航している。最有力候補は元ザウバーの周冠宇だが、アメリカの大手自動車ブランドであるGMが「中国人ドライバー起用によるネガティブな反応」を懸念しているとの報道が浮上した。

    チームはすでにバルテリ・ボッタスとセルジオ・ペレスの2年契約を締結し、経験豊富なラインアップを確保した。しかし、両者をバックアップするリザーブ枠はいまだ空席のままだ。

    ペレスは今週、イモラでフェラーリSF-23を用いたTPC(旧型車テスト)に参加。キャデラックに加入後初のF1走行となり、1分18秒82を記録した。キャデラックは自前のマシンを持たないため、2026年のエンジンサプライヤーとなるフェラーリと協力しテストを実施した。

    “最有力”は周冠宇 だがキャデラックは発表をためらう理由
    複数の関係者によると、キャデラックは2026年のリザーブドライバーとして周冠宇を最有力視している。周冠宇は2022〜2024年にザウバーで68戦に出場し、2025年はフェラーリのリザーブとして活動中。来季キャデラックが使用するフェラーリエンジンとギアボックスにも精通しており、人材としての適合性は高い。

    しかしGM側は、“中国人ドライバーを起用することによる世論の反応”を懸念しており、正式発表を急がない姿勢だとされる。

    周冠宇は本来、2026年のキャデラックのレースシート候補でもあったが、最終的にチームは経験豊富なボッタスとペレスのペアを選択。周冠宇はリザーブ候補としてリストに残る形となった。

    候補探しは難航、クロフォードも断念
    キャデラックは当初、アメリカ人ドライバーであるジャック・クロフォードをリザーブ候補として検討していた。しかしクロフォードはアストンマーティンでフェルナンド・アロンソとランス・ストロールのリザーブを継続することを選択。2025年F2ランキング2位の逸材を確保することはできなかった。

    また、リザーブを務めるにはF1出走可能なスーパーライセンスと“直近の実戦経験”が必要であり、この条件を満たすドライバーは限られている。キャデラックはF2参戦を控えるコルトン・ハータをテストドライバーとして抱えているものの、リザーブとして即時投入できる状態ではない。

    キャデラック F1 フェラーリ

    フェラーリとの関係を活用し、周冠宇を“兼任”起用か
    報道によると、キャデラックはフェラーリとの技術提携をさらに深め、周冠宇をリザーブとして“共同起用”する可能性を検討している。2026年、フェラーリエンジンを使用するチームはフェラーリ、ハースF1チーム、そしてキャデラックF1の3チーム。周冠宇はハースのリザーブも兼任できる可能性が指摘されている。

    周冠宇はすでにフェラーリのリザーブ要員として働いているため、技術面での適応もスムーズだと見られる。

    キャデラックF1の残る課題は“第3の戦力”
    キャデラックF1は大型プロジェクトであり、ボッタスとペレスの2年契約により一定の安定性は確保された。しかし、新規参入チームにとってリザーブドライバーの重要性は大きい。特に2026年は大規模なレギュレーション変更の年であり、シミュレーター作業やテスト参加がチームの競争力に直結する。

    周冠宇はその役割に適した実績を持つものの、GMが“発表タイミング”を慎重に見極めていることで、決定が遅れていると見られる。

    Source: F1 OVERSTEER

  • キャデラックF1、セルジオ・ペレス起用は実力重視「人気でも資金でもない」

    キャデラックF1、セルジオ・ペレス起用は実力重視「人気でも資金でもない」

    キャデラックF1は、2026年のドライバーとしてセルジオ・ペレスを起用した理由について、外部からの「人気頼み」「スポンサー頼み」といった声を完全に否定した。

    ペレスは昨季限りでレッドブルを離れ、2025年はシートを失った状態だった。しかし、リアム・ローソンと角田裕毅がフェルスタッペンの隣で苦戦したことで、むしろペレスの評価は再浮上していた。

    夏休み後、キャデラックはバルテリ・ボッタスとのコンビでペレスの復帰を正式発表したが、両者とも30代後半という“高年齢ラインアップ”に対しては賛否が分かれていた。

    キャデラックF1代表のグレアム・ロードンは、ESPNの取材に対し、ペレス起用の基準はあくまで「実力」だと明言している。

    ロードンは「チェコを選んだのは彼の実力だ。非常に速いドライバーであり、我々のチームづくりに貢献してくれている」と語り、人気や商業的価値は“結果的に嬉しい副産物”だと強調した。

    ペレスは昨年アブダビ以来F1マシンを走らせていないものの、近日中にフェラーリSF-23でテストを実施する予定だ。ロードンは、人気面についても前向きな姿勢を示しつつ、「彼を選んだ理由は速さに尽きる」と繰り返した。

    さらにロードンは、新チームがF1に登場する稀有さを強調し、「チェコの全てのファンに、我々の旅に参加してほしい」と語るなど、チームとしてファンベースを取り込む姿勢も示している。

    セルジオ・ペレス F1 キャデラック

    一方で、キャデラックがペレスに期待するのは単なるスピードだけではない。

    中団に長く身を置き、フォースインディア時代から“予算規模以上の結果”を出し続けてきた実績。複数チームでの経験、トップチームで直面した環境や要求水準――こうした「経験値」こそ、参入初期のチームにとって最大の財産になるとロードンは語る。

    「チェコが持つスピードはもちろん知っているが、それだけではない。複数のチーム、そしてトップチームで培った経験を、我々の構築に生かしたい」と述べ、新興チームとしてのロードマップにおいてペレスが“即効性と指針”を兼ね備えた存在であることを強調した。

    キャデラックF1は2026年に向けて開発が進む中、ベテラン二人のコンビに明確な意図を持っている。

    経験とスピードを武器に、参入初年度から存在感を示せるかどうかが焦点となりそうだ。

  • セルジオ・ペレス 旧型フェラーリF1マシンで“ルクレール並み”のペースを披露

    セルジオ・ペレス 旧型フェラーリF1マシンで“ルクレール並み”のペースを披露

    セルジオ・ペレスは2024年末にレッドブルを離れて以来、初めてF1マシンに姿を見せ、その直後からミルトンキーンズのチームで経験した“悪夢”を完全に乗り越えたことを示した。

    今週、イモラの伝統的なサーキットで、30年ぶりとなる“黒いフェラーリF1マシン”が走行した。キャデラックがF1コンストラクターとして初めてのテストに臨んだためだ。

    キャデラックはフェラーリとのエンジン供給契約によって、2028年末までフェラーリからパワーユニットの供給を受けることになっており、この関係を通じて新チームの多数のスタッフがグランプリで求められる数々の作業を初めて体験した。

    フェラーリのエンジニアたちは未来のライバルとなる相手にアドバイスを提供し、レース中に行われる高速ピットストップのこなし方や、タイヤを最適に準備するための方法を伝授した。

    模擬的なグランプリ形式の作業はチーム全体にとって有益だったが、特にステアリングを握ったペレス本人にとって大きな収穫となった。

    キャデラックF1初テストで見せた“復活の走り”
    Motorsport.comのレポートによれば、キャデラックがイモラでサーキットを借り切った2日間は、アメリカの新チームを包む雰囲気がきわめて明るく、前向きなものだったという。

    ペレスはテストの中で、全長3.05マイルのイモラを184周走行した。これはグランプリ3回分に相当する距離だ。レポートは、35歳の彼が最初の周から“プッシュし始め”、F1マシンに戻れたことに“明確な”喜びを示していたと伝えている。

    “ルクレール比較”で浮かび上がるペレスのタイム
    テスト初日、ペレスが記録した最速ラップは、シャルル・ルクレールが2022年のイモラFP2で残したタイムより“ほぼ1秒速かった”とされる。

    今回使用されたマシンは、2022年型の後継である2023年仕様のSF-23で、2023年のエミリア・ロマーニャGPは洪水による中止のため比較対象は2022年のデータとなる。

    さらにペレスは翌日、ハードタイヤにもかかわらず1分17秒270という“優れた”ラップを記録した。このタイムは、ルクレールが2024年FP1で記録した1分16秒990にわずかに届かない程度だった。

    キャデラック側はペレスのペースに非常に満足しており、特にレッドブル時代の“悪夢”が彼の才能を損なっていないことに安堵したという。

    フェラーリとキャデラックの連携がもたらした収穫
    テストでは、フェラーリのエンジニアがキャデラックのスタッフに対して、タイヤの準備やピットストップの手順など、グランプリ運営に必要な知識を直接伝えた。キャデラックの新加入スタッフにとって、実際のF1現場の作業フローを経験できる貴重な機会となった。

    “模擬グランプリ”形式で行われた作業は、チーム全体の理解を深め、実戦で必要な要素を掴むための助けとなった。

    セルジオ・ペレス(キャデラック) フェラーリ SF-23

    キャデラックF1は2026年、どの位置に着地するのか
    キャデラックは2026年、新規参入初年度を迎えることになる。前回の新規勢は2016年のハースで、開幕年を8位で終えている。

    エンジンについては、ゼネラルモーターズが将来的に独自パワーユニットを製造する計画だが、当面はフェラーリのカスタマーチームとして参戦する。Sky Sportsのテッド・クラビッツは、2026年において「キャデラックはレッドブルより強力なエンジンを得る可能性がある」との見方を示している。

    キャデラックF1は2026年に向けて順調な滑り出し
    イモラでの2日間のテストは、キャデラックF1が2026年の参戦初年度に向けて本格的に動き始めたことを象徴する出来事となった。ペレスは旧型フェラーリを用いながらもすぐに適応力を示し、チーム全体もF1の作業に初めて触れる大きなステップを踏んだ。

    ペレスの走行データは、キャデラックF1が参入初年度において決して劣勢ではないことを示す材料となり、チームは確かな手応えを得た。

    Source: F1 OVERSTEER

  • キャデラックF1 2026年マシンの年内ファイアアップ&1月初走行を宣言

    キャデラックF1 2026年マシンの年内ファイアアップ&1月初走行を宣言

    キャデラックF1チームは、2026年シーズン開幕前に向けてマシン開発を急ピッチで進めており、来年1月末のバルセロナ・プレシーズンテスト(1月26〜30日)より前に“初走行”を実施する計画を明らかにした。

    チームプリンシパルのグレアム・ロードンはブラジルGPで取材に応じ、セルジオ・ペレスとバルテリ・ボッタスが駆るフェラーリ製PU搭載マシンについて「50日以内に初めてのファイアアップを行う」「初走行は1月に実施する」と説明した。

    キャデラックF1、初走行は1月予定 “50日以内”に初ファイアアップ
    キャデラックの初代F1マシンは、年明け前に初ファイアアップを済ませ、1月にプロモーションイベント規定に基づくシェイクダウン走行を行う計画だ。走行距離は最大200kmになる見込み。

    ロードンは次のように語った。

    「すべて順調に進んでいる。実際、50日以内に初めてエンジンに火を入れ、来年1月には初走行を行う。その後、1月末のバルセロナテストに向かう」

    しかしその一方で、キャデラックが直面するスケジュールの厳しさも強調した。

    「こうしたプロジェクトでは“時間”こそ最大の敵だ。2026年3月第1週のメルボルンでレースをするという期限は絶対に動かない。我々のエントリーが確定したのは2025年3月で、時間的な余裕は非常に小さい。その間に、マシンの設計、製造、人員登用、施設の整備など、すべてを完了させなければならない。本当に大きな挑戦だ」

    2026年の大規模レギュレーション変更が“追い風”に?
    キャデラックF1は、アンドレッティ体制から始まった長年のプロジェクトを経てFIAとF1から参戦承認を受けたものの、そのデビューは偶然にも2026年の大規模レギュレーション変更と重なった。ロードンはこれについて「メリットとデメリットがある」と語る。

    「ルールが安定している年なら、目指すべき基準がはっきりしている。たとえば今なら、マクラーレンやフェラーリが速いと把握している。しかし2026年については誰も速さの予測ができない。基準がはっきりしないのは不利だが、それこそがスポーツであり、ファンが魅了される部分でもある」

    「有利な点は、レギュレーション大変更により既存チームも同じく新たな挑戦を強いられることだ。どのチームも自分たちの立ち位置を読めていない。そこがエキサイティングなところで、我々のチャンスでもある」

    キャデラックは経験豊富な人材を集めつつも、チームとしてはまだ結成から1年に満たない。ロードンはその点を次のように説明した。

    「我々には合計で“数千年分”のF1経験が集まっているが、チームとして一緒に働いてきた期間は1年未満だ。まず最初の挑戦は、チームとして円滑に機能すること。そしてどんな位置からスタートしても、どれだけ速く改善できるかが重要になる」

    「だからこそ、レギュレーション変更の年に参入できるメリットは大きいと考えている」

    キャデラック F1 フォーミュラ1チーム

    キャデラックF1へ追い風か、さらなる試練か?
    キャデラックの参入は“時間との戦い”である一方、2026年の技術規則刷新が追い風になる可能性もある。既存チームが築いてきた優位性がリセットされ、勢力図が大きく変動する可能性が高いためだ。

    特に以下の点がキャデラックの強みになる。

    ■ 規則変更により、全チームが“ゼロから”の開発となる
    ■ 既存チームとのギャップが小さくスタートできる
    ■ ペレス、ボッタスという経験豊富なドライバーを擁する

    一方で、マシン製造・人員採用・ファクトリー構築を同時並行で進める負荷は莫大であり、初年度は信頼性確保に全リソースが割かれる可能性が高い。

    それでも、ロードンの言う通り「どれだけ速く改善できるか」が参入初年度の鍵を握る。シェイクダウン → バルセロナ5日間テスト → メルボルン開幕戦という超タイトスケジュールの中で、キャデラックF1がどこまで戦闘力を引き上げられるか注目だ。

  • セルジオ・ペレス F1ファンのノリスへのブーイングに持論「良い面もある」

    セルジオ・ペレス F1ファンのノリスへのブーイングに持論「良い面もある」

    セルジオ・ペレスは、2025年F1メキシコGPとブラジルGPでランド・ノリスに向けられたブーイングについて、「良い面もある」と語り、F1ファンの情熱が強く表れた出来事だったと指摘した。メキシコシティのスタジアムセクションでは、優勝直後のノリスへのインタビュー中にブーイングが鳴り響き、ブラジルGPでもスプリントと決勝の両方で同様の反応が見られた。

    一方で、ノリスはメキシコとブラジルで連勝し、ドライバーズ選手権の首位を奪還。とはいえ、モンツァでのチームオーダーをきっかけとしたファンの不満が続いており、表向き落ち着いているノリスも内心では疲れを見せているとされる。

    ノリス連勝の裏で続く“ブーイング問題”とペレスの見解
    ランド・ノリス(マクラーレン)はメキシコとブラジルで連勝し、2025年F1ドライバーズ選手権の首位に返り咲いた。しかし、その一方でファンからブーイングを浴びる場面が続いた。

    メキシコシティGPでは、オートドローモ・エルマノス・ロドリゲスのスタジアムセクションで、一部のファンが圧勝したノリスへのインタビュー中にブーイングを送った。ブラジルGPの週末でも同様の反応が見られた。

    続くノリス批判とF1ファンの複雑な感情
    一部では、ノリスに向けられたブーイングは、モンツァでのチームオーダーでノリスが得をした件への不満を表していると指摘されている。モンツァ前、ドライバーズ選手権ではピアストリが34ポイントリードしていたが、現在は24ポイント差を付けられる形で逆転されている。

    マクラーレンはイタリアGPで、先にピットインしたピアストリがノリスをアンダーカットする形になったことを受け、ポジションを返すよう指示。これは「ピアストリが前に出ることはない」という事前説明と異なる展開だった。

    ランド・ノリスはメキシコシティGP優勝後、マクラーレン車上で歓喜を見せたが、同時にファンの一部からブーイングを浴びていた。

    ピアストリはモンツァ以降の6レースで一度もノリスを上回れておらず、メキシコでも42.065秒差のP5。ブラジルでもスプリント、決勝共にノリスは優勝し、ファンからは再びブーイングが起きた。

    セルジオ・ペレスはこのブーイングについて「良くないことだ」としながらも、ファンが本音を見せる“ある意味での良さ”もあると述べた。

    ペレスはロイター通信に語った。
    「レースに勝ったドライバーにブーイングするのは良いことではない。でも同時に、ファンの本音や情熱を見られるのは良いことでもある」

    「ただし、敬意を持ってやるべきだ。勝者への敬意は常に必要だ。でも、まあ、こういうものだよ」

    ブラジルでは、レース前のドライバー紹介でノリスの姿がビッグスクリーンに映し出されるだけでブーイングが起きており、ノリスは表向きは気にしていないと語るものの、内心では疲れを見せているという。

    ファンが不満を抱える理由としては、モンツァでのチームオーダーで「ピアストリが不当に順位を譲った」とされる構図が残っているためだ。しかしマクラーレンとしては、ノリスのピットストップが遅れたことで起きた予期せぬ状況を収拾すべく、苦渋の判断を取らざるを得なかった。

    ランド・ノリス マクラーレン

    ペレス発言に見える“F1ファン文化”の特徴
    セルジオ・ペレスが示した視点は、ラテンアメリカを中心とした“感情表出型のスポーツ文化”にも通じる。彼の発言は、
    ・熱狂的な応援
    ・結果への強い反応
    ・好き嫌いが明確に表れるファン気質
    といった地域性を踏まえたものでもある。

    「良い面もある」という言葉は、ブーイングそのものを肯定したというより、F1というスポーツの“情熱の強さ”を読み取った発言と言える。

    ノリスは今後もブーイングに直面するのか
    ノリスがタイトル争いを主導する限り、特定の地域でのブーイングは続く可能性が高い。
    ・モンツァの後遺症
    ・連勝による“勝者への反発”
    ・ピアストリ支持層の不満
    など、複数の要因が絡み合っているためだ。

    ただし、ペレスが指摘したように、これは“情熱の裏返し”でもあり、ノリスが嫌われているという単純な構図ではない。

  • キャデラックF1のテストで登場 “黒いフェラーリ”はシューマッハ以来28年ぶり

    キャデラックF1のテストで登場 “黒いフェラーリ”はシューマッハ以来28年ぶり

    フェラーリSF-23の“ブラックアウト仕様”がイモラで走行した。フェラーリのF1マシンが黒一色でコースを走るのは、1997年にミハエル・シューマッハがフィオラノでF300をテストして以来、実に28年ぶりとなる。

    今回の黒いフェラーリは、2026年からF1に参戦するキャデラックが、オペレーション構築のためにフェラーリから借り受けた車両だ。スポンサー表示や赤の差し色を完全に排した漆黒のSF-23がサーキットを走る光景は、F1の歴史でもごく限られたケースといえる。

    1997年シューマッハ以来の“漆黒のフェラーリ”
    1997年のクリスマス前日、開発中のF300を空力パーツ未完成の状態で走らせた際、シューマッハは黒いプレーンカラーのマシンをテストした。それ以来、フェラーリのF1マシンが黒のまま正式に走行する例はほとんどなく、今回のイモラ走行は極めて稀なシーンとなった。

    今回のSF-23はスポンサー表示や赤の差し色を完全に排した“漆黒”の仕様。キャデラックがオペレーションテストのために完全な“匿名状態”のマシンを求めたことから実現した。

    フェラーリ F1 ミハエル・シューマッハ

    キャデラックは実質“チームづくりのリハーサル”に
    キャデラックは2026年のデビューに向け、今回のテストを「プレシーズンテストの総リハーサル」と位置づけている。ガレージ作業の動線確認やピットストップ練習、データ解析体制の構築、エンジニアとドライバーのコミュニケーション統一など、グランプリ週末に必要なあらゆるプロセスを実走環境で検証するのが狙いだ。チーム代表グレアム・ロードンは、この取り組みを「車ではなく、人間をテストする機会だ」と説明しており、黒いフェラーリでの走行は、組織としての完成度を高める重要なステップとなっている。

    ペレスは約1年ぶりの実走でフィジカル状態を確認
    全身黒のスーツとヘルメットで登ステアリングを握ったセルジオ・ペレスにとっても、このテストは重要な機会となった。レッドブル離脱後ほぼ1年ぶりのF1走行となる今回、ペレスは自身のフィジカル状態を確認する目的もあると語る。

    「1年ぶりの走行で、冬の間にどこを鍛えるべきかが明確になる」

    ペレスはイモラでの初日走行を終え、翌14日にも2日目のテストを予定している。