カテゴリー: F1イギリスGP

  • ザウバーF1代表 ヒュルケンベルグ絶賛「彼ほど表彰台が似合う男はいない」

    ザウバーF1代表 ヒュルケンベルグ絶賛「彼ほど表彰台が似合う男はいない」

    2025年F1イギリスGPでニコ・ヒュルケンベルグがキャリア239戦目にして悲願の初表彰台を達成したことを受け、ザウバーのF1チーム代表ジョナサン・ウィートリーがその快挙を称賛した。

    ヒュルケンベルグは19番手スタートから荒れたウェット・ドライのレースを巧みに乗り切り、3位表彰台を獲得。ザウバーにとっても2012年の日本GP以来となるF1表彰台となった。

    ウィートリーはレース後、「どこから話せばいいか……F1史上最も待ちわびられた表彰台、そしてチームにとっては2012年日本GP以来となる久々の表彰台だった」と喜びを語り、続けてこう述べた。

    「週末を通して浮き沈みはあったが、最終的にすべてをひとつにまとめ、チャンスが巡ってきたときには両手でしっかりと掴み取った」

    「オーストリアでの成功のあと、ガブリエル(・ボルトレト)にとっては悔しい週末になったが、彼はレースごとに成長している。まだF1デビューシーズンの真っ只中であることを忘れてはならないし、彼は次のチャンスを心待ちにしているはずだ」

    「ニコはまさにマスターピースだった。19番グリッドスタートから3位フィニッシュというのは、ザウバーの32年の歴史の中でも最も低いスタート順位からの表彰台記録だ。そして239戦目にしてついに花開いた。これほど表彰台にふさわしいドライバーはいない」

    「今日もまた、我々はチームとして一丸となった。自信と信念を持って臨み、ファクトリーと現場の全員が誇りに思える結果を手にした。本当に素晴らしい一日だった」

    ヒュルケンベルグの表彰台にパドック全体が沸いたイギリスGP。ザウバーはこの勢いを維持したまま、夏休み前最後の戦いとなる次戦F1ベルギーGPへと挑む。

    ザウバーF1チーム ニコ・ヒュルケンベルグ イギリスGP F1

  • F1イギリスGP:角田裕毅 3戦連続でペナルティポイント ベアマンと接触で処分

    F1イギリスGP:角田裕毅 3戦連続でペナルティポイント ベアマンと接触で処分

    角田裕毅はF1イギリスGPでオリバー・ベアマンとの接触により、10秒タイムペナルティとともに今季3戦連続となるペナルティポイントを科された。

    レッドブルのドライバーである角田裕毅は、レース中にターン6でベアマンと接触。スチュワードは接触の原因が角田裕毅にあると判断し、通常のペナルティに加え、ドライバーズライセンスに1点のペナルティポイントを加算した。

    スチュワードは次のように説明している。

    「ターン6の外側で87号車(ベアマン)が22号車(角田)を追い越していた。87号車はコーナーの頂点で明らかに22号車よりも前にいて、コントロールされた走行をしていたため、コーナーへの優先権を有していた」

    「22号車は軽いオーバーステアを喫し、その結果として87号車と接触した。87号車はターン6の出口でスピンを喫し、ターン7の後でコースに復帰する必要があった。このため22号車には10秒のタイムペナルティを科す。ただし、レース中の難しいコンディションを考慮し、ペナルティポイントは1点のみとした」

    角田裕毅はこの処分により、3戦連続でペナルティポイントを受け、累積6点となった。カナダGPでは赤旗中にオスカー・ピアストリを追い越し、オーストリアGPではフランコ・コラピントと接触して、それぞれ処分を受けていた。12 か月のサイクルで 12点のペナルティ ポイントを受け取ったドライバーには、1 レースの出場停止処分が科せられる。

  • 2025年F1イギリスGP決勝 ピレリ総括「主役は間違いなくインターミディエイト」

    2025年F1イギリスGP決勝 ピレリ総括「主役は間違いなくインターミディエイト」

    17年の時を経て、マクラーレンが再び母国レースを制した。しかも前回と同じくイギリス人ドライバーによる勝利だ。2008年にチェッカーフラッグを最初に受けたのはルイス・ハミルトン、そして今日その座に就いたのはランド・ノリスだった。

    さらにチームにとっては、オスカー・ピアストリが2位に入り、今季5度目、通算54回目のワン・ツーフィニッシュという嬉しいオマケもついた。今回の勝利でノリスのF1通算勝利数は8となった。

    そして239戦目を迎えたニコ・ヒュルケンベルグはついにF1初表彰台を獲得。これはF1史上、最も長く表彰台を待ったドライバーという記録だ。この表彰台はザウバーにとっても11回目の快挙(BMWと提携していた時期を除く)であり、最後の表彰台は2012年日本GPの小林可夢偉による3位までさかのぼる。

    イギリスGP F1

    シルバーストンで「イングリッシュ・ウェザー」が大暴れ
    「イギリスの天気」――「天気が気に入らなければ10分待て」「1日で四季すべてを体験できる」など、英国にまつわる天候の決まり文句はいくつもあるが、今日のシルバーストンはそのすべてを体現した。小雨、霧雨、曇天、晴れ間、大雨、気温の変化と、めまぐるしい天気により、今日のレース展開はまさに「イングリッシュ・ウェザー」に左右されたものだった。

    その結果、ピレリが用意した5種類のドライおよびウェットタイヤのうち、エクストリームウェットを除く4種類がすべて実戦投入された。

    フォーメーションラップでは全車がインターミディエイトで出走したが、スタート前にルクレール、ラッセル、ベアマン、ハジャー、ボルトレトの5名がスリックタイヤに交換。ルクレール、ハジャー、ボルトレトはミディアムを、ベアマンとラッセルはハードを選択した。

    また、コラピントもハードタイヤでピットレーンスタートする予定だったが、パワーユニットのトラブルで即リタイアとなった。

    まもなく雨が降るとされる中、路面は乾いていたため、ストロール(ソフト)、アントネッリ(ハード)、ボルトレト(ミディアム)もスリックに切り替えたが、雨は予想より早く到来。インターで走り続けたドライバーたちが有利となった。ただし、アストンマーティンのストロールだけは、最も柔らかいソフトタイヤのグリップを活かして4周のみ良い走りを見せた。

    レース中盤はほとんどインターミディエイトで進行。グリーンバンドのタイヤは非常に長いスティントでも安定したパフォーマンスを発揮し、乾き始めた路面でも、少なくともレーシングライン上では十分に機能した。

    終盤になると再びスリックに戻す状況となり、ミディアムおよびソフトが特に効果を発揮した。

    イギリスグランプリ 2025年のF1世界選手権

    マリオ・イゾラ(ピレリ モータースポーツ部門ディレクター)のコメント
    「F1の75周年を祝うのに、これ以上ふさわしい週末はなかったと言っていいと思う。今日の雨は観客にとっては少し大変だったかもしれないが、それでも4日間で約50万人がシルバーストンに足を運び、最高の時間を過ごせたと思う。

    昨日の予選は予測不能だったし、今日の決勝もまた同様だった。マクラーレンのワン・ツーフィニッシュと、ニコ・ヒュルケンベルグのF1初表彰台に心からおめでとうと言いたい。まさに驚きの結果だが、完全に実力でつかみ取った成果だ。

    技術面に関しては、昨年と同じように5種類のうち4種類のタイヤが実戦で使用された。エクストリームウェットだけが出番なしだったのは少し残念だが、その性能をインターと比較する良い機会にはなったかもしれない。今日の主役は間違いなくインターミディエイトで、スタンディングウォーターが多い場面でも、乾きかけた路面でも競争力を保っていた。

    もちろん、グレイニングや著しい摩耗も見られたが、それは路面状況によるもので、各ドライバーはレース展開に応じてタイヤの使い方を上手く調整していた。

    我々の活動はまだ終わりではなく、火曜と水曜には再びサーキットに戻り、2026年仕様タイヤの開発テストを実施する。ザウバーからはガブリエル・ボルトレトが両日走行し、アストンマーティンからはランス・ストロールとフェリペ・ドルゴヴィッチが交代でテストを行う予定だ」

  • オスカー・ピアストリ F1イギリスGP決勝「自分にはどうにもできない結果」

    オスカー・ピアストリ F1イギリスGP決勝「自分にはどうにもできない結果」

    オスカー・ピアストリは、2025年F1イギリスGPでキャリア2勝目に迫る快走を見せながらも、セーフティカーリスタート時の減速行為によって10秒のタイムペナルティを受け、2位に甘んじた。

    2番グリッドからスタートしたマクラーレンの若手は、レース序盤にマックス・フェルスタッペンをオーバーテイクしてトップに立ち、変わり続ける天候のなかでレースをコントロール。

    しかし中盤のセーフティカー明けに先頭での再スタートを控えていた際、「急減速」による違反判定が下されたことで、優勝争いから後退することとなった。

    「何も言わない方がいいな。何か言うとトラブルになるかもしれない。ニコ(ヒュルケンベルグ)におめでとうと言いたい。それが今日のハイライトだよ。それ以上は控えるよ」とピアストリはコメント。

    冷静さを保ちながらも、その内には大きな悔しさがにじんでいた。決定的なペナルティの場面を、ピアストリは次のように説明している。

    「セーフティカーの後、減速したタイミングでちょうどそのときにライトが消えた。かなり遅いタイミングだったし、加速しなかったけど、先頭としてペースをコントロールする権利はある。レースの最初からずっとそうしていた。だから、自分では違反だとは思っていないし、最初のリスタートでも同じことをしていた。何も変えていない。納得はいっていないよ」

    ペナルティが科されたあとも、ピアストリは懸命に走り抜き、2位を死守。チェッカー後の記者会見では、率直な心情を吐露した。

    「正直、今日のレースは自分にとってすごく良いものだったし、それだけに結果が伴わなかったのは余計に痛い。自分としては本当に強いレースをしたと思ってるし、それが報われなかったと感じると、やっぱり悔しい。自分の手の届かないところで結果が決まってしまうのは、やるせないよ」

    オスカー・ピアストリ F1 イギリスGP マクラーレン

    一方で、自身のパフォーマンスには明確な手応えもあった。

    「今日は自信につながった。マシンも素晴らしかったし、僕自身もいい走りができたと思う。去年のこのレースと似た展開だったけど、チームとしても大きく進歩していることを証明できたと思う。だからこそ、勝てなかったのが本当に残念だよ」

    レース終盤、ピアストリは無線でポジションを戻せないかをチームに確認したことも明かしている。

    「聞くだけ聞いてみた。答えは分かってたけど、少しでも望みがあるならと思って。でも、結果は変わらなかった。ランドは何も悪くなかったし、立場を逆にしても同じ判断だったと思う。だからチームの対応にも不満はない」

    その後、ピアストリはこう締めくくっている。

    「今日は勝てるだけの走りをした。悔しさはあるけど、それをエネルギーに変えて、次の勝利に向けて進むよ。まだチャンピオンシップは終わっていないし、自分の手で結果を勝ち取ってみせる」

    2025年F1イギリスGPで見せた速さと冷静さ――たとえ勝利を逃しても、オスカー・ピアストリがチャンピオン争いの主役のひとりであることに疑いの余地はなかった。

  • ランド・ノリス 地元F1イギリスGPで歓喜の勝利「この瞬間は一生の宝物」

    ランド・ノリス 地元F1イギリスGPで歓喜の勝利「この瞬間は一生の宝物」

    ランド・ノリスが、激しい雨と強い日差しが入り混じる難しいコンディションの中、母国シルバーストンで行われた2025年F1イギリスGPを制した。

    レース中盤のセーフティカー導入に伴って、マックス・フェルスタッペンがスピン、さらにオスカー・ピアストリがリスタート時の違反で10秒のタイムペナルティを受けたことで、ノリスは勝利への道を切り拓いた。自身は一切ミスなく走り抜き、フィニッシュに向かって加速する中で地元ファンからの熱烈な歓声を受けながら、堂々のチェッカーフラッグを受けた。

    ノリスにとってF1キャリア初の母国優勝は、少年時代から思い描いてきた夢の結実だった。マクラーレンにとっても歴史的な一日となった。ノリスはレース直後のパルクフェルメで感極まりながらこう語った。

    「信じられないほど美しい。自分がずっと夢見てきたすべてが詰まった勝利だ。チャンピオンを除けば、これ以上の感情や達成感、誇りはないと思う。ここは自分がF1を好きになった場所で、最初にテレビでF1を観たのがこのシルバーストンだった。当時は君(ジェンソン・バトン)を観てたけど、今日は自分の番だった。本当に信じられないレースだった。ストレスの連続だったけど、ファンの応援が今日の差を生んでくれた。心から感謝してる」

    決して楽な勝利ではなかった。変わりやすい天候に加え、セーフティカー導入や複数のタイヤ戦略判断が必要となる中で、ノリスは一度もペースを乱さなかった。

    「こういうとき、考えすぎるとよくない。何周も前から『何をしたらいい? 誰に手を振ろうか?』とか思ってたけど、実際には頭が真っ白になる。唯一のルールは『やらかすな』ってこと。それだけが頭にあった。最後の数周は観客席を見ながら、この瞬間を焼きつけようとした。次があるかなんて分からないから。でも、この記憶は一生の宝物になる。最高の達成感だ」

    レース直後の記者会見でも、ノリスは興奮を抑えきれない様子だった。

    「どこから話せばいいのか分からないけど、本当にスペシャルな一日だった。自分がF1を観始めたのはたしか2007年か2008年の雨のシルバーストンで、ルイス(ハミルトン)が勝ったレースだった。そのとき観客が総立ちで盛り上がっているのを観て、いつか自分もと思った。そして今日、それを自分の目で見ることができた。家族も友人も、兄弟も、両親も、祖父母もみんな来てくれた。これ以上に特別なことはないよ」

    レース中の判断にも冷静さが光った。タイヤ選択やペース管理での読みが、勝利を引き寄せた。

    「チームとして素晴らしい判断ができた。すべてのタイミングが完璧だったとは言えないけど、全体的にはすごく満足している。スリックに変えるのはもうちょっと早くても良かったかもしれないけどね。レース序盤はオスカーとマックスの争いを静観して、タイヤを温存した。でもそれが裏目に出たかもしれない。特に雨が強まったときは、ターン1や2、9でアクアプレーニングがすごかったし、本当に危ない場面が何度もあった。でも、そんな中でも集中して、チームと落ち着いて話し合えた。それが勝因だったと思う」

    ランド・ノリス F1 イギリスGP

    レース中の無線では「信じられないほどエモーショナルだった」とも語っていた。

    「いや、涙は出なかったよ。出そうとは思ったけどね。自分が感情的になるときは泣くというより笑うタイプなんだ。ただただ純粋な喜び。何もかもが報われた瞬間だった。今日の朝はなぜか自信があった。“誰かが勝つんだ。自分にもそのチャンスはある”って思えた。普段はそこまで前向きになれないけど、今日は不思議とそう思えたんだ」

    シルバーストンの観客へも、心からの感謝を繰り返した。

    「最後の2周、ファンが総立ちで応援してくれてるのが見えた。あの瞬間って、他の誰にも味わえない。記者のみんなも感じられないだろうし、ドライバーの中でもほんの数人しか体験できない。とても自己中心的な瞬間だけど、ものすごく特別で、信じられないほど幸せだった」

    そして、今季ここまでの活躍の背景について聞かれると、自らの努力を強調した。

    「この数戦、調子はいい。でも“勢い”って言葉はあまり好きじゃない。一戦一戦を集中してやってるだけ。今回も、前回も、すごくタフな戦いだった。数秒じゃなくて、コンマ0何秒を争う戦いだ。だからこそ、自分の作業、感覚の改善、それを最大限に活かす努力が必要だった。もちろんマシンのアップグレードもあるけど、それよりも自分の努力の成果だと思いたい。勝てたのはその両方の力があったからだけど、やっぱり自分自身の進化も感じている」

    F1イギリスGPを制し、“現代のブリティッシュヒーロー”の称号を確かなものとしたノリス。母国ファンの声援に包まれたその瞬間は、彼のF1キャリアの新たな象徴となった。

  • ニコ・ヒュルケンベルグ 悲願のF1初表彰台「今日は俺の日 譲れなかった」

    ニコ・ヒュルケンベルグ 悲願のF1初表彰台「今日は俺の日 譲れなかった」

    ニコ・ヒュルケンベルグがF1デビューから15年目、通算239戦目のグランプリとなったF1イギリスGPで、ついにキャリア初となる表彰台を獲得した。劇的な天候の変化に翻弄されたシルバーストンでの決勝で、19番グリッドからの大逆転を果たした。

    2010年にF1デビューを果たしたヒュルケンベルグのこれまでの最高位は4位(過去に3度)だったが、37歳となった今、ついにその壁を突破した。

    ランド・ノリス、オスカー・ピアストリに次ぐ3位でチェッカーを受け、フェラーリのルイス・ハミルトンの猛追をしのぎきった。

    「最高だよ!ずっと待ってた瞬間だろ?でも、自分たちにはそれができると信じてたし、自分の中にもまだ力があると分かってた。信じられないレースだったよ。ほぼ最後尾からスタートして、先週に続いてまた同じことをやるなんて、正直ちょっと現実じゃない感じだ。どうしてこうなったのか分からないけど、クレイジーなコンディションだったし、天候もバラバラでね。サバイバルレースだった。すべてが噛み合って、タイヤの選択も完璧、判断ミスもなかった。本当に信じられない」

    レース終盤には7度のワールドチャンピオン、ルイス・ハミルトンが猛追。しかしヒュルケンベルグは冷静に対処し、自身の手で歴史的瞬間をつかみ取った。

    「最後のピットストップまで現実だと思えてなかったよ。ルイスとのギャップが少し開いたと聞いたときに、『これはいいぞ、ちょっと余裕ができたな』と思った。でもそのあと彼が一気に詰めてきたから、プレッシャーはすごかった。とても激しいレースだったけど、言ったように、ミスはなかったし、自分でもよくやったと思ってる」

    「彼がホームグランプリで全力で来るのは分かってたし、でも『今日は俺の日だ。譲れない』って思ってた。だから攻めたよ。本当にうれしい。毎年ここで応援してくれるみんなに感謝したい」

    週末序盤は最下位争いに沈んでいたが、ピット戦略と判断力で流れを引き寄せた。とくにスリックタイヤへの交換タイミングは完璧だったという。

    「ランスを抜いて、そのあとルイスもすぐにランスを抜いてきたんだけど、彼が近づいてくるのをなんとか抑えられて、むしろ差を広げられてた。インターの摩耗が進むにつれて自分の方が速くなっていった。それで、『これはいけるかも』と感じ始めた。ルイスより1周遅れてスリックに変えた判断も完璧だったと思う。10秒くらい稼げて、それが決定的だった。そこからの10~12周くらいはすごく長く感じたけど、『しっかり走りきれば表彰台だ』と確信を持って走っていた」

    ニコ・ヒュルケンベルグ F1 イギリスGP ザウバーF1チーム

    レース後の記者会見では、表彰台を振り返りながらこう語っている。

    「うれしいよ。でもまだ全部を消化できてないというか、本当に激しいレースだったからね。ランドが言ったように、こういう変化するコンディションの中では常にギリギリのところで走ってる感覚がある。1歩間違えば壁に行くような、そんな緊張感の中でプッシュしないといけないから、とても集中力を使う。終盤はルイスとのバトルになって、少しずつ迫ってきていたけど、運良く最後までキープできた。いろんなことが噛み合った日だったし、大きな達成感がある。昨日は最後尾近くのグリッドだったから、本当に信じられないよ。数日かけてじっくり実感していくことになると思う。2週間あるから、今週はこの結果を存分に味わいたい」

    レース後、表彰台でシャンパンを振る姿には10年分の思いが詰まっていた。

    「やり方はまだ覚えてた。ジュニア時代にはよくやってたけど、そこから長かったね。でもレースがあまりにも早く過ぎていったから、まだ頭の整理がついてない。たくさんの感情や祝福が一気に押し寄せてきて、とにかく今はうれしいし、ホッとしてる。これから数日かけてもっと実感が湧いてくると思うし、喜びをかみしめる時間も取れるだろうね」

    レゴ製のトロフィーにも思わず笑顔を見せた。

    「レゴは大好きだよ!娘も遊べるしね(笑)。まあ、銀とか金だったらもっと良かったけど、文句は言わないよ。楽しめればいいんだ」

    今後の展望について問われると、慎重ながらも手応えを口にした。

    「今日はこれで十分じゃないか(笑)。もし今日がドライレースだったら、まったく違う展開になっていたはずだ。ここ数戦でマシンはかなり良くなってるけど、今日の結果は明らかにコンディションに助けられたところもある。でも中団グループの中では確実に勢いをつかんでいる。現実的にはそこが我々の戦う場所だし、毎レースしっかり最大限を引き出すことが大事だ」

    F1デビューから15年――ヒュルケンベルグがついにたどり着いた表彰台。その言葉の一つひとつに、長年の苦闘と誇りがにじんでいた。

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  • 角田裕毅 F1イギリスGP決勝 「根本的なところで遅すぎた」

    角田裕毅 F1イギリスGP決勝 「根本的なところで遅すぎた」

    角田裕毅(レッドブル)は2025年F1イギリスGPで15位完走。レース中の接触によりタイムペナルティを受け、厳しい展開の中で最後尾でのフィニッシュとなった。

    レースはドライで始まったが、途中から降雨に見舞われ、コンディションは急変。角田裕毅は序盤から下位グループでの混戦に巻き込まれ、ペース不足に苦しんだ。

    「簡単なレースではなかったです。でも、自分自身としてはそれほど荒れた展開ではなかったと思います。ただ、ペースがまったくなくて、ドライのときもそれは同じでした」と角田裕毅は振り返る。

    最大のトラブルは、リスタート直後の接触だった。ハースのオリバー・ベアマンを軽く接触したことで彼をスピンさせ、スチュワードは角田裕毅に10秒のタイムペナルティを科した。

    「オリバーとの接触は本当に微かなものでした。でもあのコンディションでは、それでも大きな影響が出てしまうんです。レース後すぐに彼に謝りに行きました」

    角田裕毅 F1 イギリスGP レッドブル・レーシング

    長いスティントでもペースは上がらず、タイヤのデグラデーションにも苦しめられたという。

    「いつものようにタイヤのデグが大きくて、それが一番の問題でした。レインコンディションではけっこう自信もあったんですけど、それでもペースが全然出ませんでした。ダウンフォースの影響もあると思いますが、それだけじゃなくて、もっと根本的なところで遅すぎました」

    ただし短いスティントでの挙動にはいくつかポジティブな点もあったとし、次戦ベルギーに向けて巻き返しを誓った。

    「スパでは仕様が少し変わる予定なので、それまでにしっかり準備して、良いレースができるように頑張ります」

  • 2025年F1 イギリスGP:ニコ・ヒュルケンベルグがDRIVER OF THE DAY

    2025年F1 イギリスGP:ニコ・ヒュルケンベルグがDRIVER OF THE DAY

    2025年F1イギリスGPでキャリア239戦目にしてついに初表彰台を手にしたニコ・ヒュルケンベルグが、「ドライバー・オブ・ザ・デイ」のファン投票で圧倒的な支持を集めた。

    キック・ザウバーから出走したヒュルケンベルグは、19番グリッドという不利なポジションからスタート。しかし、目まぐるしく変化するシルバーストンの天候を巧みに読み切り、F1での豊富な経験を武器に次々と順位を上げていった。最後は堂々の3位でフィニッシュし、長年の努力が実を結んだ瞬間となった。

    F1公式の投票によれば、ヒュルケンベルグには全体の49%という圧倒的多数の票が集まり、ファンの心を強く打ったことがうかがえる。

    2位には地元で熱い走りを見せたルイス・ハミルトン(11.5%)、3位には優勝を飾ったランド・ノリス(8.6%)が続いた。以下、マックス・フェルスタッペン(5.9%)、ランス・ストロール(5.8%)と続いている。

    ヒュルケンベルグの走りは、単なる表彰台獲得にとどまらず、多くのファンにとって忘れられない感動のレースとなった。

    ドライバー・オブ・ザ・デイ投票結果(上位5名)
    1.ニコ・ヒュルケンベルグ 49%
    2.ルイス・ハミルトン 11.5%
    3.ランド・ノリス 8.6%
    4.マックス・フェルスタッペン 5.9%
    5.ランス・ストロール 5.8%

  • 角田裕毅 2戦連続の最下位 接触でペナルティも反撃ならず F1イギリスGP

    角田裕毅 2戦連続の最下位 接触でペナルティも反撃ならず F1イギリスGP

    レッドブルの角田裕毅は、2025年F1イギリスGP決勝で15位完走となり、前戦オーストリアGPに続いて2戦連続の最下位に沈んだ。中盤のリスタート直後、ターン1でオリバー・ベアマン(ハース)に接触してスピンさせたとして10秒加算ペナルティを科され、ポジションを大きく落とす苦しい展開となった。

    11番手からのスタートとなった角田裕毅は、序盤の雨とインターミディエイトタイヤによる滑りやすい路面の中で慎重な立ち上がりを見せていたが、中団グループの混戦に巻き込まれるかたちで徐々にポジションを落とした。

    転機となったのはレース中盤、セーフティカー明けのリスタート直後(29周目)。ターン1で前を走るオリバー・ベアマン(ハース)のイン側に飛び込みを試みた際に接触。ベアマンはスピンを喫し、角田裕毅には「コリジョンの原因」として10秒のタイムペナルティが科された。

    この接触により角田裕毅は最下位まで後退し、以降は終始単独走行。戦略やタイヤ交換でも挽回の糸口は見つからず、難しいコンディションの中で他車との競り合いに加わることなくレースを終えた。

    好調だった前半戦とは対照的 チーム内での差も浮き彫りに
    今季前半は一発の速さと安定感を武器に、チームメイトのマックス・フェルスタッペンに迫る走りを見せていた角田裕毅。しかしここ2戦は、オーストリアでのスタート直後の接触、そして今回のペナルティと、立て続けに結果を残せないレースが続いている。

    イギリスGPではフェルスタッペンも難しいレースを強いられたが、スピンを喫しながらも着実に順位を回復し5位でフィニッシュ。両者の結果差が開いたことで、レッドブル内の序列や信頼のバランスにも影響を与えかねない状況だ。

    次戦スパでの立て直しが急務 タフなサーキットで巻き返しなるか
    角田裕毅にとっては、気持ちの切り替えとともに、ここからの立て直しが重要になる。次戦はF1屈指のハイスピードコースであるスパ・フランコルシャンを舞台とするベルギーGP。例年、天候の急変やセーフティカーの多発、ストラテジーの幅広さで知られ、波乱が起きやすいグランプリでもある。

    レース展開次第では上位進出のチャンスも見込めるだけに、角田裕毅にとってはリズムを取り戻す絶好の場。冷静さと攻めのバランスを取り戻し、厳しい流れを断ち切れるかに注目が集まる。

    角田裕毅 F1 イギリスGP

    2025年F1 イギリスGP 決勝 順位・結果

    1.ランド・ノリス(マクラーレン)
    2.オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
    3.ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)
    4.ルイス・ハミルトン(フェラーリ)
    5.マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
    6.ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
    7.ランス・ストロール(アストンマーティン)
    8.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)
    9.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
    10.ジョージ・ラッセル(メルセデス)
    11.オリバー・ベアマン(ハース)
    12.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)
    13.エステバン・オコン(ハース)
    14.シャルル・ルクレール(フェラーリ)
    15.角田裕毅(レッドブル)
    DNF.アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)
    DNF.アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)
    DNF.ガブリエル・ボルトレト(ザウバー)
    DNF.リアム・ローソン(レーシングブルズ)
    DNF.フランコ・コラピント(アルピーヌ)

  • F1イギリスGP:ノリスが地元初勝利 ピアストリ2位 ヒュルケンベルグ初表彰台

    F1イギリスGP:ノリスが地元初勝利 ピアストリ2位 ヒュルケンベルグ初表彰台

    ランド・ノリスが地元シルバーストンで行われた波乱のF1イギリスGPを制し、マクラーレンにワン・ツー・フィニッシュをもたらした。ニコ・ヒュルケンベルグはキャリア239戦目にして悲願の初表彰台を獲得した。

    決勝はドライコンディションで始まり、ポールシッターのマックス・フェルスタッペンがリードを守るも、雨が降り始めるとオスカー・ピアストリがトップに浮上。しかしレース中盤にセーフティカーが導入され、戦局は再びリセットされた。

    その後、ピアストリはリスタート時のスローダウンで10秒ペナルティを科され、さらにフェルスタッペンはスピンを喫して順位を落とす波乱の展開に。路面が再び乾いて各車がスリックに履き替える中、ノリスが首位を奪取。ピアストリはピットでペナルティを消化しながらも2位でレースに復帰した。

    そのままノリスはトップを維持し、6.8秒差をつけて優勝。スタンドは地元ドライバーの勝利に大きく沸いた。3位には19番グリッドから怒涛の追い上げを見せたキック・ザウバーのヒュルケンベルグが入り、キャリア初の表彰台を手にした。

    混乱の中で光った判断力と冷静さ タイヤ戦略が明暗を分ける展開に
    レース中盤には、断続的な雨により何度も路面コンディションが変化。セーフティカー導入のタイミングやタイヤ交換判断が勝敗を大きく左右した。マクラーレンは的確なピットインとチーム内での「自由に戦え」との方針を維持しながらも、最終的にはノリスの強さが際立った。

    逆に、ピアストリは序盤の好パフォーマンスから一転してペナルティに見舞われながらも、冷静なマネジメントで2位を確保。ドライビングとタイヤマネジメント、戦略対応力の両面でトップレベルの走りを示した。

    ラスト数周の緊迫戦 ヒュルケンベルグがハミルトンの猛追を封じる
    最終盤においては、ルイス・ハミルトンとニコ・ヒュルケンベルグの表彰台争いが注目を集めた。フェラーリのハミルトンはタイヤを温存しながら追い上げを狙ったが、ヒュルケンベルグが一切のミスなく完璧なラップを重ねて防ぎ切った。プレッシャーの中での冷静な対応はベテランならではの貫禄を見せた。

    ゴール後、ヒュルケンベルグは「ついにこの日が来た」「信じられないレースだった」と語り、チームから「ニコ!ニコ!」の大合唱で迎えられた。キャリア最長の表彰台待望記録に終止符を打つ劇的な一日となった。

    フェルスタッペンは5位に浮上 角田裕毅はペナルティで後退
    フェラーリ移籍後初の母国レースとなったルイス・ハミルトンは4位。スピンから挽回したフェルスタッペンが5位、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)が6位と続いた。7位には終盤ガスリーにかわされたランス・ストロール(アストンマーティン)、8位はアレックス・アルボン(ウィリアムズ)、9位はフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)、10位はジョージ・ラッセル(メルセデス)だった。

    レッドブルの角田裕毅は、再スタート直後にオリバー・ベアマン(ハース)と接触してスピンを誘発し、10秒ペナルティを科され15位で完走した。

    ルーキー勢にも明暗 ベアマンは健闘、アントネッリはリタイア
    ホームレースのオリバー・ベアマンは、序盤の接触にもかかわらず健闘し11位とポイント圏目前でフィニッシュ。カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)は12位、チームメイトのエステバン・オコンが13位で続いた。シャルル・ルクレール(フェラーリ)は早期にスリックへ賭けた判断が裏目に出て14位に沈んだ。

    キミ・アントネッリ(メルセデス)は序盤のクラッシュによる車体ダメージに苦しみ、数度のピットを経た末にリタイア。天候の変化と難しいコンディションが、若手にとっても厳しい洗礼となった。

    5名がリタイア コラピントはピットでトラブル
    リタイアは5名。フランコ・コラピント(アルピーヌ)はピットでエンジンがストールし、スタートすら切れずに終戦。リアム・ローソン(レーシングブルズ)は1周目にオコンとの接触でグラベルに突き刺さりリタイア。ガブリエル・ボルトレト(キック・ザウバー)は雨の中でのスピン、アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)はクラッシュでリタイアを喫した。

    タイトル争い激化 ノリスが首位ピアストリに肉薄
    今回の結果により、ドライバーズランキングではピアストリが首位を維持したものの、ノリスとのポイント差はわずか8に縮まった。両者が圧倒的な速さと安定感を持っている一方で、フェルスタッペンは再び足元をすくわれる形となり、タイトル争いから一歩後退した。

    コンストラクターズランキングでは、マクラーレンが大量ポイントを獲得してライバルたちに大きな差をつける結果に。後半戦に向けて、マクラーレンの戦略と信頼性が今季最大の武器となってきている。次戦以降も熾烈な首位攻防が続くことは間違いない。

    イギリスGP F1 イギリスグランプリ 2025年のF1世界選手権

    2025年F1 イギリスGP 決勝 順位・結果

    1.ランド・ノリス(マクラーレン)
    2.オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
    3.ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)
    4.ルイス・ハミルトン(フェラーリ)
    5.マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
    6.ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
    7.ランス・ストロール(アストンマーティン)
    8.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)
    9.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
    10.ジョージ・ラッセル(メルセデス)
    11.オリバー・ベアマン(ハース)
    12.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)
    13.エステバン・オコン(ハース)
    14.シャルル・ルクレール(フェラーリ)
    15.角田裕毅(レッドブル)
    DNF.アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)
    DNF.アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)
    DNF.ガブリエル・ボルトレト(ザウバー)
    DNF.リアム・ローソン(レーシングブルズ)
    DNF.フランコ・コラピント(アルピーヌ)