カテゴリー: F1ベルギーGP

  • 角田裕毅は敗者選出:2025年F1 ベルギーGP WINNERS & LOSERS

    角田裕毅は敗者選出:2025年F1 ベルギーGP WINNERS & LOSERS

    オスカー・ピアストリがランド・ノリスをオープニングラップで抜き、ベルギーGP決勝で堂々たる勝利を挙げた。スプリントではマックス・フェルスタッペンに屈したものの、週末全体としては見事な巻き返しを果たした。

    だが、スパでのウェット・ドライ混在の難しい週末で光ったのはピアストリだけではない。一方で失速したドライバーたちもおり、明暗がはっきりと分かれた。ここでは、F1第13戦ベルギーGPのスプリントフォーマットにおける6人の勝者と5人の敗者を振り返る。

    勝者:オスカー・ピアストリ
    ピアストリは、直近3戦で勝利なしという今季最長のスランプに陥っており、ここ2戦ではいずれもノリスに敗れていた。

    スプリントではポールポジションからスタートしながらも、現チャンピオンのマックス・フェルスタッペンに勝利を奪われたが、日曜の本戦ではノリスをすぐに追い詰めてオーバーテイクを決め、ミディアムタイヤを巧みにマネージして余裕を持って勝利を手にした。

    今季6勝目を挙げたことで、ピアストリの連続ポイント獲得記録は31戦となり、この記録を超えているのはフェルスタッペンとルイス・ハミルトンのみ。また、スプリントでの2位も含め、ドライバーズ選手権でノリスに対して16ポイントのリードを築いた。

    ベルギーGP F1 オスカー・ピアストリオスカー・ピアストリがベルギーGPで勝利を取り戻した

    敗者:アイザック・ハジャー
    レーシングブルズはスパの高速コーナーで強力なパフォーマンスを見せ、アイザック・ハジャーはその速さを生かしてスプリントで1ポイントを獲得した。

    日曜の本戦でも8番グリッドから好調な走りを見せていたが、8周目にストレートでのスピードを失うトラブルに見舞われて失速。これによりリタイアを喫し、グランプリでの連続ノーポイント記録は4戦に伸びた。

    勝者:シャルル・ルクレール
    フェラーリはスパにアップグレードを投入したが、それでもマクラーレンに比べればまだ性能にギャップがあるとルクレールは認めている。

    とはいえ、アップデートにより過激なセットアップを選ばずに済むようになり、マシンに対してより快適さを感じていた。

    その成果はベルギーで現れ、スプリントでは4位、決勝では今季5回目の表彰台、そしてスパで3年連続の3位を達成した。

    ベルギーGP F1 シャルル・ルクレールシャルル・ルクレールのスパでの3位は今季5度目の表彰台となった

    敗者:カルロス・サインツ
    カルロス・サインツの波乱のシーズンはベルギーでも続いた。練習走行では燃料系トラブルで走行時間を失ったが、スプリントではウィリアムズにとって史上最高となる6位を獲得。

    しかし、予選ではセットアップの方向性を誤り、アレクサンダー・アルボンから10グリッド差の15位に沈んだ。

    決勝ではウェットセットアップで賭けに出たが、レース序盤のウェットコンディションはすぐに回復し、周囲と戦うにはペース不足だった。これで直近5戦でのポイント獲得は1回のみとなった。

    勝者:リアム・ローソン
    ハジャーがメカニカルトラブルに苦しむ一方で、リアム・ローソンは、チーム代表アラン・パーメインの言葉を借りれば「ほぼ完璧なレース」を披露した。

    インターとスリックの両タイヤを巧みに使い分け、ザウバーのガブリエル・ボルトレトを突き放して8位フィニッシュを決めた。

    これで直近3戦のうち2戦でポイントを獲得し、ドライバーズ選手権でハジャーに6ポイント差まで迫った。

    ベルギーGP F1 リアム・ローソンリアム・ローソンがベルギーで見事な8位入賞を果たした

    敗者:メルセデス
    メルセデスにとっては屈辱的な週末となった。マクラーレン、レッドブル、フェラーリに対して明らかにペースが劣っていた。

    スプリントではジョージ・ラッセルとキミ・アントネッリの両者がノーポイントに終わり、日曜の決勝ではラッセルが5位を確保したが、勝者からは34秒遅れだった。

    アントネッリはウェットセットアップが序盤には有効だったものの、レース後半ではストレートスピード不足に悩まされてポイント圏外に沈んだ。コンストラクターズ選手権でメルセデスはフェラーリに28ポイント差をつけられている。

    ベルギーGP F1 メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツジョージ・ラッセルはスパでの5位について「実際のペースを上回った結果」と語った

    勝者:ピエール・ガスリー
    アルピーヌは現状、グリッド最下位クラスの戦闘力しか持っていないが、ガスリーはスプリント予選でトップ10入りを果たす見事なパフォーマンスを見せた。

    しかし、スプリントではウォータリークが発覚して出走できず、決勝はトップ10圏外からのスタートとなった。

    それでも、低ダウンフォース仕様を採用したマシンはストレートで速さを見せ、旧友の角田裕毅と激しいバトルを展開した末に、1ポイントをもぎ取った。

    敗者:角田裕毅
    角田裕毅にとっては波乱の週末となった。スプリント予選ではSQ3進出を逃し、スプリントでもポイントを取れず11位に終わった。

    だが、スプリントと予選の間にレッドブルがアップグレードされたフロアを彼のマシンに装着し、ぶっつけ本番で適応しながら予選ではレッドブル加入後最高位の7番手を獲得した。

    決勝では、ピットインのタイミングでのチームとのミスコミュニケーションにより、ピットレーン通過後にピットイン指示が出されたためにインターで余計な1周を走る羽目に。これでポイント圏外に沈み、戦列から脱落した。

    勝者:ルイス・ハミルトン
    ルイス・ハミルトンは、スプリント予選とGP予選の両方でQ1敗退を喫したことは「許されない」と語ったが、週末を通じてフェラーリとの適応が進んでいる兆しが見られた。

    新しいコンポーネントによりスプリント予選ではブレーキングでロックしてスピンしてしまったが、その後はブレーキングの感覚が今年一番良くなったと感じていた。

    決勝ではピットレーンスタートにもかかわらず、滑りやすいコンディションの中でかつてのハミルトンのような追い上げを見せ、完璧なタイミングでのピット戦略も功を奏してトップ10入り。最終的に7位でフィニッシュし、ファンから「ドライバー・オブ・ザ・デイ」にも選ばれた。

    ベルギーGP F1 ルイス・ハミルトンルイス・ハミルトンはピットレーンスタートから7位まで巻き返した

    敗者:アストンマーティン
    アストンマーティンはスパにアップグレードを投入したが、期待した効果は見られなかった。

    フェルナンド・アロンソとランス・ストロールは予選で最下位となり、決勝でも14位と17位に終わる厳しい週末となった。

    ベルギーでは唯一ポイントを獲得できなかったチームであり、コンストラクターズ選手権では8位争いでハースにわずか1ポイント差まで詰め寄られている。

    勝者:ハース
    ハースはスプリント週末で驚きの活躍を見せ、スプリント予選で2台揃ってトップ7入りし、その好位置を生かしてダブル入賞を果たした。

    エステバン・オコンはチーム今季最高位タイとなる5位でフィニッシュし、オリー・ベアマンも7位に入った。

    決勝ではオコンがリタイアし、ベアマンも今季4度目の11位でフィニッシュと惜しくもポイントを逃したが、スプリントで稼いだポイントにより、前方3チームとのギャップを詰めることに成功した。

  • 角田裕毅 F1ベルギーGP決勝展開:ピットイン指示の遅れで痛恨の13位

    角田裕毅 F1ベルギーGP決勝展開:ピットイン指示の遅れで痛恨の13位

    角田裕毅は、2025年F1ベルギーGP決勝でポイント獲得目前まで迫ったものの、スリックタイヤへの交換タイミングをめぐるチームとのコミュニケーションミスにより、大きく順位を落とした。

    スパではレース直前に新型フロアが投入され、その効果もあって予選ではレッドブル・レーシング昇格後で自己最高となる7番グリッドを獲得。しかし決勝では、路面が乾き始めた段階で「ピットインしたい」と自ら要望したにもかかわらず、チームからの返答は遅れ、すでにピット入口を通過した後に無線が届いた。

    1周余計にインターミディエイトで走行することになった角田は、その間に5ポジションを失い、レース後半はDRSトレインの中で抜け出せず苦戦。さらに終盤には新品タイヤのヒュルケンベルグにも抜かれ、最終的に13位でチェッカーを受けた。アップグレードの手応えを予選で示しただけに、戦略面での綻びが悔やまれるレースとなった。

    2025年F1第13戦ベルギーGP レース展開

    スタート直前の豪雨で赤旗、セーフティカー先導の幕開け
    土曜のスプリントが晴天のもと最適なコンディションで開催された一方で、日曜午後の決勝では開始30分前にスパ・フランコルシャン・サーキットを激しい雨が襲い、ドライバーとチームは予想外の展開に見舞われた。

    レースは予想通りセーフティカー先導でスタート。ポールポジションのランド・ノリスが先頭を走り、マクラーレンのチームメイトであるオスカー・ピアストリが続いた。全ドライバーはピレリのインターミディエイトタイヤを装着し、水しぶきの中でグリップを探った。

    パワーユニットおよびセットアップの変更により、カルロス・サインツ、ルイス・ハミルトン、アンドレア・キミ・アントネッリ、フェルナンド・アロンソはピットレーンからスタートし、セーフティカー隊列の最後尾に加わった。

    しかし1周も満たないうちにレースコントロールは赤旗を提示。ノリスが「セーフティカーの後ろは全然見えない」と報告する中、全車がピットレーンへ戻る事態となった。

    ベルギーGPマクラーレンのランド・ノリスが先頭で走行

    80分の遅延を経てレース開始、ピアストリがノリスを攻略
    再び強い雨が降ったことでスタート手順が一時中断され、約80分の遅延ののちにようやくレースが再開された。明るい空の下、再びセーフティカー先導でコースインし、ラップ5からローリングスタートで正式にレースが始まった。

    ノリスがピアストリ、シャルル・ルクレール、マックス・フェルスタッペンを従えてラ・ソースを先行するも、オー・ルージュからケメルストレートにかけてピアストリが背後に迫り、レ・コンブのブレーキング前に楽々とオーバーテイク。

    ピアストリはその周の終わりには1秒差を築き、後方ではジョージ・ラッセルがアレクサンダー・アルボンを抜いて5番手に浮上。ランス・ストロールはサインツとハミルトンに抜かれて18番手に後退した。

    ハミルトンが怒涛の追い上げ、13番手からスリックに賭ける
    フェラーリのルイス・ハミルトンはラップ7にサインツを最終シケインでかわして16番手へ浮上。続くラップでフランコ・コラピントをレ・コンブ外側からパスし、さらにラップ8ではニコ・ヒュルケンベルグをシケインでオーバーテイク。ラップ9にはピエール・ガスリーもスタブロで抜いて次々とポジションを上げた。
    ラップ10時点でピアストリはノリスに1.7秒差を築き、「そろそろスリックが必要かも」と無線で報告。ルクレールは5.5秒遅れでフェルスタッペンに追われていたが、スプリントよりダウンフォースを増やしたことで直線の伸びが不足し、ケメルストレートで仕掛けきれなかった。
    ハミルトンはラップ11終わりに13番手からいち早くスリック(ミディアム)へ交換。これに続いてガスリー、ヒュルケンベルグ、アロンソもピットイン。

    ベルギーグランプリフェラーリのルイス・ハミルトンが怒涛の追い上げを見せる

    タイヤ選択で命運分かれる、ピアストリは先手で9秒差に
    ラップ12にピアストリがトップからピットインしミディアムを選択、ノリスはもう1周インターで走行したが、この間に大半のドライバーがスリックへと切り替えた。角田裕毅、アイザック・ハジャー、エステバン・オコンだけが古いインターで走行を継続。

    オコンはルクレール、フェルスタッペン、ラッセルのブロック役となるが、ブランシモンで3台が高速で抜き去った。ノリスはこのラップでハードに交換するが、左フロントタイヤの装着に手間取り、ピアストリに9.1秒遅れてコース復帰。

    後方ではルクレール、フェルスタッペン、ラッセル、アルボン、そして7番手まで浮上したハミルトンが接近戦を展開。リアム・ローソン、ヒュルケンベルグ、ガブリエル・ボルトレトがトップ10を形成。

    中団の争いと後半の展開、ピアストリは持ちこたえる
    ラップ20にザウバー勢がケメルストレートで順位を入れ替え、アントネッリがコラピントを抜いて15番手に。ハジャーはミディアムからハードへと2度目のピットを実施。
    レース中盤、ピアストリは8.1秒リードを築くも「このタイヤで最後までは厳しいかも」と無線。11番手のガスリーの背後には角田、オリー・ベアマン、アロンソ、アントネッリが形成するDRSトレインが迫る。

    2025年のF1世界選手権ウィリアムズのアレクサンダー・アルボンが6位フィニッシュ

    ノリスはラップ26でプーオンをワイドに走り1秒ロス。アントネッリはレ・コンブでアロンソを抜いて14番手へ。サインツはトラックリミット違反で警告旗を受ける。

    終盤、アロンソ、アントネッリ、ヒュルケンベルグらが続々と2度目のピットへ。ヒュルケンベルグは14番手からオコンをケメルでパスし、前方のストロールに6秒差まで急接近。
    アントネッリはレ・コンブでオコンを一度抜くも、直後のコーナーで抜き返され、アロンソも後方から接近。

    残り数周でノリスが猛追も、Piastriが逃げ切り優勝
    ラップ38時点でノリスは差を5.5秒に縮め、ラップ41には3.8秒まで接近。残り数周で「ラ・ソース付近で雨の可能性」との無線が入る。

    ファイナルラップ直前のラ・ソースでノリスがややオーバーシュートし、追撃は終了。最終的にピアストリが3.4秒差で逃げ切り、ドライバーズ選手権のリードを16ポイントに広げた。

    ルクレールは20秒遅れの3位でフィニッシュし、フェルスタッペンを抑えた。5位には単独走行のラッセル、6位にはアルボン、そして7位には18番手スタートから11台抜きのハミルトンが入った。

    ローソン、ボルトレト、ガスリーがポイントを獲得。ベアマンは惜しくも11位で、角田裕毅は最終盤にヒュルケンベルグにも抜かれて13位。ストロール、オコン、アントネッリ、アロンソ、サインツ、コラピント、ハジャーが完走し、遅延を除きフルグリーンでチェッカーを迎えた。

  • ハースF1のベアマン、スウェーデン休暇中にカート記録へ本気の挑戦

    ハースF1のベアマン、スウェーデン休暇中にカート記録へ本気の挑戦

    ハースF1のルーキー、オリバー・ベアマンは、サーキットから離れていてもその競争心が止まることはない。

    イギリスGPとベルギーGPの3週間のインターバル中、ベアマンはグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに登場した後、リフレッシュを兼ねてスウェーデンで休暇を過ごしていた。しかし、滞在先の近くに偶然見つけたカート場が、彼とそのガールフレンドの休暇予定を一変させることになる。

    「スウェーデンにバカンスで来ていて、滞在先のすぐ近くにカート場があったんだ。まったくの偶然だったよ」とベアマンは語る。

    「彼女の家族から『このラップレコードを破ってみて』って言われて、正直最初は“楽勝でしょ”って思った。でも初日は0.3〜0.4秒遅れだったんだ」

    「そのコースはすごく面白くて、1周29秒の短いレイアウトだったから、ミスできない。すごく正確に走らないといけなくて、全部のテクニックを駆使したよ。相手も速かったんだ」

    ベアマンはこの“休暇中のサイドクエスト”を完全に本気で取り組み始めた。数時間の格闘の末、燃料を抜いたり、エンジンを冷却するためにブロワーを使ったり、ガールフレンドと二人三脚でマシンを整備する姿まで見せた。

    「本気の、本気の戦いだった。最終日は新品タイヤを履いて、ランごとに空気圧を調整して、完全に“本番仕様”で挑んだんだ」

    「2時間くらいずっと走ってた。壁をちょっと動かしたりしながら(笑)、完璧な1周をまとめようとして、結局0.05秒差でレコードを更新できた。ずっと0.03〜0.04秒届かないラップが15回くらい続いてて、そこまで来たら、もうやめられないんだよ」

    「燃料を抜いて軽量化してるところを撮った写真もあるよ。エンジンはブロワーで冷却して、タイヤは彼女が整備してくれた。企業用カートだったけど、その日は暑くて、エンジンのパフォーマンスがすごく落ちてた。だからボディワークも一部外して冷やしたんだ。完全にハイテク作戦だった」

    「誰かがストレートで僕にスリップストリームを与えて、最後の瞬間に避けてくれたりね。服装もできるだけ軽くするために、普通の格好だったけど短パンと薄いTシャツで走った。ストレートでも頭を下げて空力を意識したし、本気でやってたよ」

    ハースF1チーム F1 オリバー・ベアマン

    この挑戦は単なる遊びではなく、ベアマンにとってはF1の激務から離れ、自分の原点であるモータースポーツへの情熱を再確認する時間にもなった。

    「昔からカートが大好きだったから、スウェーデンは本当に素晴らしかったし、美しい国だった。最高の休暇の過ごし方だったよ」と語る。

    「毎日カートに乗る予定ではなかったけど、悪くないよね? モータースポーツへの愛を思い出させてくれるし、F1でのハードな戦いの間に気分をリセットできた。シルバーストンでは難しい週末を過ごしたから、それを振り返る時間にもなった。でも今はレースウィークが始まって、スパが待ちきれないよ」

    とはいえ、ベアマンには最後に1つだけ疑問が残っていた――なぜこの“地元のカートキング”は、そんな驚異的なラップタイムを記録できたのか?

    「分からないよ。彼、F1に行くべきじゃない?(笑)もしくは体重が20キロとか、それくらい軽いんじゃないかと思ってる」

    「とにかく暑すぎたのが問題だったと思う。もし記録を破れなかったら、翌朝の6時とか7時、もっと涼しい時間に出直すつもりだった」

    「聞いた話だと、その人は4月か5月、氷点下20度とかのときに記録を出したらしい。だからそれが理由だと思ってる。まあ、それを言い訳にしてるんだけどね!」

  • F1ベルギーGPが80分遅延した本当の理由 “安全か、ショーか”で揺れた現場

    F1ベルギーGPが80分遅延した本当の理由 “安全か、ショーか”で揺れた現場

    2025年F1ベルギーGPは予定より80分遅れてスタート。何度もセーフティカーがコースを周回し、最終的にはローリングスタートとなったが、なぜこれほどまでに長い遅延が生じたのか──その舞台裏が明らかになってきた。

    当日の朝に降った激しい雨は、2021年にわずか2周のみで終了した“幻のレース”を思い起こさせた。今回は完全なやり直しとはならなかったが、名門スパでの“ウェット・クラシック”を期待していたファンにとっては、ほとんどがドライで進んだレース展開に肩透かしだった。

    開始遅延をめぐってはパドック内でも意見が分かれた。カルロス・サインツは「スパのような場所では“念には念を”が正しい」とレースコントロールを支持。フェラーリのフレデリック・バスールも「結果論で批判はできるが、逆の判断をして問題が起きていたらチームは激怒していただろう」と擁護した。

    一方、レッドブル側は驚きを隠さず。ヘルムート・マルコは「“正しいレースディレクター”であれば我々のセットアップは正しかった」と皮肉を交え、マックス・フェルスタッペンも「見えづらいならアクセルを緩めればいい」と不満を露わにした。

    実際には複数の要因が複雑に絡んでいた
    英『Autosport』によると、FIAは当初、現地15時の定刻通りにセーフティカー先導でフォーメーションラップを実施する予定だった。その中でドライバーからの無線報告を確認する手順をとったが、大半のドライバーが「視界が不十分」と判断。唯一、すぐにレースが可能と主張したのはフェルスタッペンだった。

    一時は10分程度の中断ののち再開する案もあったが、FIA規定により「再開の10分前予告」が義務づけられていること、さらにその時間帯に再び雨が予想されていたことから、早期再開は断念された。

    レース開始時刻と3時間ルールの“曖昧さ”
    混乱は続いた。3時間レース制限の開始タイミングをめぐり、チーム間でも認識が分かれたのだ。マクラーレンはランド・ノリスに「レースはまだ始まっていない」と伝えた一方、ハースの小松礼雄代表は「始まっている」と解釈。これは規則第5.4d条が原因で、「セーフティカー先導でのフォーメーションラップ開始時、スタートシグナルが点灯したら3時間の計測開始」と定められているためだ。

    FIAは後に「これは正式なレース開始後の中断時にのみ適用され、今回のようなスタート手順中は適用外」と明言。したがってパルクフェルメ(車両保管)状態は維持され、セットアップ変更も禁止された。

    レッドブルはこのパルクフェルメ規定によって不利を被ったと見られたが、チーム代表のローラン・メキースは「セットアップ変更が可能だったとしても我々は変えなかっただろう」と語っている。

    ベルギーGP F1 ベルギーグランプリ(2025年のF1世界選手権)再び注目されたスパの天候問題、ローリングスタートで開幕

    再出走までのプロセスと“ローリング”決定の理由
    最終的に赤旗解除後、FIAは16時にメディカルカーを走行させ、アラン・ファン・デル・メルウェから「一部コーナーに依然としてスタンディングウォーターがある」との報告を受けた。これを受けてさらに10分間の排水作業が行われ、16時20分に再開アナウンス。

    ただし、この時点でもレースは「再開」ではなく「正式スタート前」の段階であったため、計測はまだ始まっていなかった。

    当初はセーフティカー先導で2周のみ走行予定だったが、ケメルストレート後半の水しぶきによる視界不良が解消されず、さらに1周追加。合計4周目にはスタンディングスタートかローリングスタートかの判断が焦点となった。

    FIAは最終的に「グリッド上の左右のグリップ差が大きすぎる」ことを理由に、ローリングスタートを選択。片側が完全に濡れている一方でもう一方は乾いており、安全性とフェアネスの観点から判断されたという。

    F1と“ウェットレース”──永遠のジレンマ
    これにより、最終的なグリーンフラッグは予定より90分以上遅れた。フェルスタッペンは「これが“ウェットレース”とは思えない。クラシックなウェットレースはもう見られないだろう」と失望を隠さなかった。

    Pirelliのフルウェットタイヤへの不満は多くのドライバーが抱えており、2026年に向けた改良も予定されているが、最大の問題は依然として「スプレーによる視界不良」だ。そこにスパの歴史的トラウマが加われば、FIAが慎重になるのも無理はない。

    興行としては物足りなかったかもしれないが、安全性を最優先したFIAの判断は、少なくとも“2021年の再現”は避ける形で結果を残した。だが「安全」と「ショー」の両立というF1の永遠の課題は、今回もまた強く印象づけられる一幕となった。

  • 2025年F1 ベルギーGP 決勝:トップ10 ドライバーコメント

    2025年F1 ベルギーGP 決勝:トップ10 ドライバーコメント

    2025年F1 ベルギーGPの予選でトップ10入りしたドライバーのコメント。7月27日(日)にスパ・フランコルシャンで2025年のF1世界選手権 第13戦 ベルギーグランプリの決勝レースが行われた。

    雨の影響でスタートが大幅に遅れたベルギーGPは、路面の変化とタイヤ戦略が勝敗を分ける展開となった。レース序盤、マクラーレンの2台が主導権を握り、1周目の攻防でピアストリがノリスを抜いて首位に浮上。そのまま堅実なマネジメントで今季6勝目を挙げた。

    フェラーリのシャルル・ルクレールは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンを終始抑えきり、今季5度目の表彰台を獲得。ウィリアムズのアルボンはハミルトンの猛追を振り切ってミッドフィールドの首位を守り、レーシングブルズのローソンとザウバーのボルトレトも価値あるポイントを獲得した。

    1位:オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
    「大好きなレースのひとつで勝てて最高の気分だ。1周目が勝負だと分かっていたから、全力で仕掛けたし、それがうまくいって誇りに思っている。その後のレースも上手くマネジメントできた。ミディアムタイヤでは終盤少し苦しんだけど、コントロールできていたと思う。素晴らしいマシンを用意してくれたチームに感謝したい。次のハンガリーが楽しみだ」

    2位:ランド・ノリス(マクラーレン)
    「チームにとっては素晴らしい結果で、今世紀初となるスパでの1-2を達成できたのは嬉しい。僕自身のレースからも多くのポジティブな点を得られたし、エンジニアと一緒に内容を見直してハンガリーに向かいたい。チーム全体の週末のパフォーマンスに誇りを持っていいと思う」

    3位:シャルル・ルクレール(フェラーリ)
    「マラネロのチームがアップグレードのために多くの努力をしてくれたことを知っているから、今日の進歩にはみんな誇りを持っていいと思う。あのパッケージのおかげで表彰台に乗れたし、マックスを抑えることもできた。スリックタイヤに替えた後は、P3を守り抜くことだけに集中した。期待通りの改善が見られたから、今後さらにその性能を引き出せるよう頑張りたい」

    4位:マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
    「今日は少し残念な結果で、運がなかった部分もあった。ウェット向けにセットアップしたけど、実際にはドライレースになってしまった。リアウイングの選択も影響が大きかった。スリックに替えてからはルクレールに少しずつ離されていったし、最後はタイヤも厳しくて抜けなかった。今回のレースで弱点が明確になったから、今後に向けて改善していく」

    5位:ジョージ・ラッセル(メルセデス)
    「今日はP5が最大限の結果だった。僕たちのペースは他の上位勢に比べてあまり強くなく、レースも孤独な展開になってしまった。ここ数戦で何が失われたのか、しっかり分析して、夏休み前のハンガリーで挽回したい」

    ベルギーGP F1 ベルギーグランプリ(2025年のF1世界選手権ピアストリが今季6勝目、マクラーレンが今世紀初のスパ1-2達成

    6位:アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)
    「今日は本当に満足している。ミッドフィールドのトップに立てたし、ルイスを抑えきれたのも良かった。序盤のウェットでは少し苦戦してラッセルに抜かれたけど、それ以降は安定して走れた。チームも素晴らしい仕事をしてくれたし、パッケージがうまく機能しているのを実感できた」

    7位:ルイス・ハミルトン(フェラーリ)
    「今日はポジティブな一歩になった。戦略もピット作業も完璧だったし、セットアップの見直しでマシンの感触も良くなった。チャレンジの多い週末だったけど、最後は良い形で締めくくれた。ハンガリーに向けていい弾みがついたし、アップグレードを持ち込んでくれたチームに感謝している」

    8位:リアム・ローソン(レーシングブルズ)
    「今日はすごく楽しめたよ。ああいうコンディションではまず生き残ることが大事なんだけど、チーム全体がうまくまとめてくれた。ドライタイヤに替えたタイミングも良くて、空気がクリアな時は本当に速かった。今後もこの勢いを保って、夏休み前にもう一度ポイントを取って締めくくりたいね」

    9位:ガブリエル・ボルトレト(ザウバー)
    「またトップ10に戻れてうれしい。難しいコンディションだったけど、集中を切らさずに正しい判断ができたと思う。パッケージを最大限に引き出せたし、週末を通じて好調だった。もちろんもっと上を目指したいけど、今日の結果には満足しているし、自信を持ってハンガリーに臨めそうだ」

    10位:ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
    「かなり激しいレースだったけど、うまく判断できて1ポイントを取れたのは良かった。低ダウンフォースのセットアップにして、ストレートでの攻防に備えていたし、スリックに替えるタイミングも良かった。長く続いた防戦の末のポイント獲得なので、今日は満足しているよ。毎年スパは特別な場所だけど、こうして家族やアントワーヌの母と一緒に過ごせて良かった」

  • 2025年F1 ベルギーGP 決勝:11位以下 ドライバーコメント

    2025年F1 ベルギーGP 決勝:11位以下 ドライバーコメント

    2025年F1 ベルギーGPの決勝で11位以下だったドライバーのコメント。7月27日(日)にスパ・フランコルシャンで2025年のF1世界選手権 第13戦 ベルギーグランプリの決勝レースが行われた。

    中団以下では、タイヤ交換のタイミングと直線スピードが勝負を左右した。ハースのベアマンが4戦連続の11位でポイント圏目前まで迫った一方、ヒュルケンベルグは2ストップを試みるも届かず12位。角田裕毅はチームとのピットインタイミングの齟齬により大きく順位を落とし、悔しい13位でレースを終えた。

    後方勢では、メルセデスのアントネッリとアストンマーティン勢がセットアップの選択に苦しみ、ウィリアムズのサインツもギャンブル戦略が裏目に。最後尾のハジャーは技術的なトラブルに泣き、レーシングブルズのダブル入賞の夢は潰えた。レースは全20台が完走し、それぞれが夏休み前の貴重なデータを持ち帰る一戦となった。

    11位:オリバー・ベアマン(ハース)
    「ミディアムタイヤへの最初のストップが少し遅れてしまい、P11でのフィニッシュにつながったと思う。実はエンジンにトラブルがあって3つポジションを落としてしまったんだ。ガスリーの前に出ていたし、ヒュルケンベルグも2回ストップしたから、実質的にP10を守るレースをしていたことになる。マシンの感触はすごく良かったし、自信もあったけど、結局抜けなかった。悔しいけどポジティブな面もあるし、ハンガリーは僕らに合うと思うから楽しみだね」

    12位:ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)
    「最初のフォーメーションラップのあとに1時間以上待たされた時点で、今日は普通のレースじゃないって感じだったね。1秒差でポイントを逃したのはやっぱり悔しいよ。フロントタイヤがかなり落ちてロックやアンダーステアがひどくなって、残り11周でピットするしかなかった。特に僕の方は高ダウンフォースのセットアップだったから、低ダウンフォースのガスリーに対抗するのは厳しかった。それでも週末を通してはまずまずのペースだったし、ガビがポイントを取ってくれたのは良かったよ」

    13位:角田裕毅(レッドブル)
    「今日は正直、波のあるレースでした。チームとの間でちょっとしたミスコミュニケーションがあって、最後のコーナーでピットインのコールがあったんですが、そのときにはもうピットレーンの入口を過ぎていました。そこから1周余分に走らなくてはならず、ポジションを落としてしまいました。その後はピエールを抜こうとベストを尽くしたんですけど、ストレートスピードが足りなくて、DRSも使えなかったので難しかったです。全体としてはフラストレーションのたまるレースでしたが、いくつか学びもあったので、気持ちを切り替えて次のブダペストに臨みたいと思います」

    14位:ランス・ストロール(アストンマーティン)
    「厳しい週末だったね。やれることは全部やったと思うし、今日の結果は現状のマックスだと思う。戦略的にもミスはなかったし、判断も間違ってなかった。ただ、最終的にはポイントを取りたいんだよ。1週間後のハンガリーは全然違うタイプのコースだから、そっちに期待してる」

    15位:エステバン・オコン(ハース)
    「今日は完全に読み違えたレースだった。マシンのペース自体は悪くなかっただけに悔しい。インターで2周引っ張りすぎたし、そのあと投入されたのが中古のミディアムタイヤだったのも影響した。これからしっかり見直す必要がある」

    角田裕毅 ベルギーGP F1 ベルギーグランプリ(2025年のF1世界選手権角田裕毅は不運の13位、後方勢は戦略ミスと技術的問題に苦しむ

    16位:アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)
    「ウェットレースを想定してセットアップを変えたことで、最初の数周はマシンの感触がすごく良くて、いくつかポジションも上げられた。でもその後、路面が乾くにつれてストレートでのスピード不足が響いて、前のクルマを抜くのが難しくなった。2ストップを試してみたけど、結局ハースのオコンの後ろに詰まってしまって、結果は変わらなかったね。難しい週末だったけど、すぐにハンガリーがあるし、気持ちを切り替えて勢いを取り戻したい」

    17位:フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
    「ベルギーではいろんなことがうまく噛み合わなかった。僕たちはウェット向けのセットアップで行ったけど、結局レースはほとんどドライだった。何台かは抜いたけど、ペースが足りなかった。新しいアップグレードも持ち込んだんだけど、思っていたほどの成果は得られなかったね。データをしっかり見直して、ハンガリーで巻き返したい」

    18位:カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)
    「昨日の予選前に変更したセットアップが高くついて、ピットレーンスタートになった時点でリスクを取るしかなかった。ウェット用に大きく構えたけど、赤旗で雨の時間帯が減って、レースはドライに傾いたから完全に裏目に出た。ピットストップでも問題があって、全体としては残念なレースになってしまった。ただスプリントではいい内容を見せられたし、アレックスのマシンで新パッケージも機能していたから、来週に期待したい」

    19位:フランコ・コラピント(アルピーヌ)
    「厳しくて長いレースだった。何台かがピットレーンスタートだったから、スタート時点ではチャンスがあると思っていた。路面が乾くまでは良かったけど、僕らは低ダウンフォース仕様で行ってたから、ミディアムタイヤに替えてからはトラフィックの中で苦しんだ。サインツに合わせてもう一度ピットに入ったけど、順位を上げるには至らなかった。ピエールがポイントを取ってくれたのは良かったし、僕らも次のハンガリーに向けてまた準備していくよ」

    20位:アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)
    「レース中ずっとマシンに問題があって、かなりのラップタイムを失っていたんだ。それがなければ全然違う展開になってたと思う。ドライブしていても問題があるのは分かっていたけど、できる限りのことはしたつもりだよ。マシン自体は週末を通じて良かったから悔しい。チームには申し訳ないけど、次のハンガリーで挽回するよ。ダブルポイントも狙えた展開だったから、なおさら悔しいね」

  • アイザック・ハジャー F1ベルギーGP決勝「レースを通してマシンに不具合」

    アイザック・ハジャー F1ベルギーGP決勝「レースを通してマシンに不具合」

    アイザック・ハジャーにとって、2025年F1ベルギーGP決勝は悔しさの残る一戦となった。

    序盤はポイント圏内を走行していたが、レースを通して抱えていたマシンの不具合によりペースを失い、最終的には下位に沈む結果に。スリックタイヤに履き替えた後はDRSが有効となる中で次々にオーバーテイクを許し、「何もできなかった」と語った。

    チームメイトのリアム・ローソンが8位入賞を果たしただけに、レーシングブルズにとってはダブル入賞の可能性もあったレース。ハジャーは「それができたはずだった」としながらも、不具合による機会損失に強い悔しさをにじませた。

    Q:アイザック、とても悔しい午後になったように見えました。序盤はポイント圏内を走っていましたが、マシンに何か問題があったのでしょうか?

    アイザック・ハジャー: うん、レースのほぼ全体を通して何らかの問題を抱えてたんだ。自分でもそれはわかってたし、ラップタイムにもけっこう響いてた。

    それでも何とか最善を尽くそうとしてたけど、ピットインしたあとは完全にドライになってDRSも使える状況で、ただただ抜かれるだけだった。本当に悔しかった。

    マシン自体のフィーリングはすごく良かったから、なおさら何もできなかったのが辛い。

    div class=”imagecap”>アイザック・ハジャー(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム) ベルギーGP F1 ベルギーグランプリ「何もできなかった」と語るほど厳しい展開に見舞われたアイザック・ハジャー

    Q:「悔しい」と言ってましたが、それだけマシンが良かったからこその感情ですよね?今日は本来なら大きなチャンスだったのでは?

    アイザック・ハジャー: そう思うよ。正直、リアムがフィニッシュしたポジションくらいは僕にも可能だったはずだし、チームとしてもダブル入賞できるレースだった。

    だからこそ本当に残念だし、チャンスを逃してしまったのが悔しいんだ。

  • カルロス・サインツJr. F1ベルギーGP決勝「すべてが裏目に出た週末」

    カルロス・サインツJr. F1ベルギーGP決勝「すべてが裏目に出た週末」

    カルロス・サインツJr.にとって、2025年F1ベルギーGPはほぼ何もかもうまくいかない週末となった。

    スプリントでは好調だったものの、予選では誤ったセットアップ選択により15番手に沈み、決勝はピットレーンスタートを選択。マシンに抱えていた異常を修正し、高ダウンフォース仕様のリアウイングでウェットに備えたが、レースは予想に反してドライとなり、全体として巻き返しの余地は限られた。

    サインツは、自らが進めたセットアップ方向の判断にも責任を感じていると認めたうえで、「一貫性がない状況に何か大きな変化が必要かもしれない」とも言及。ハンガリーGPに向けては、流れを取り戻すための対策を引き続き模索していく姿勢を示した。

    Q:カルロス、今日は本当に厳しいレースでしたね。何もかもうまくいかないように見えましたが、実際どうだったのでしょう?

    カルロス・サインツ: うん、正直言って予選が悪かった時点で、この週末はほぼ終わってたね。

    予選後にいろいろ分析してみて、セットアップの方向性を間違えてたってわかったんだ。スプリントであれだけ速かったから、余計に後悔してる。あの方向に行こうって僕自身もチームに強く提案してたから、その判断には責任を感じてるよ。結局その判断で予選が悪くなってしまった。

    それに加えて、マシンに異常も見つかっていて、どうせ15番手スタートならピットレーンからスタートして異常を修正したほうがいいと判断した。そこに高ダウンフォースのリアウイングもつけて、ウェットになると見込んでたけど、結局乾いた路面でそれが裏目に出た。追い上げはできなかった。

    カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ・レーシング) ベルギーGP F1 ベルギーグランプリ誤ったセットアップ選択と想定外の天候に翻弄されたカルロス・サインツJr.

    Q:今季はこうした「リズムに乗れない週末」が繰り返されていますね。何か打開策はあると思いますか? それとも時間が必要な段階でしょうか?

    カルロス・サインツ: 正直、わからない。時間が解決するのかもしれないし、もっと大きく何かを変えてみないといけないのかもしれない。

    今回もスプリントやQ1のラップはすごく良かったのに、そのあと全然改善できなくて、そこから崩れていくっていうのが繰り返されてる。でも毎回違う原因だから、パターン化できないんだよね。だからこそ、今後も考え続けていく必要があるし、しっかり向き合ってハンガリーに臨みたいと思ってるよ。

  • フェルナンド・アロンソ F1ベルギーGP決勝「コンディションが合わなかった」

    フェルナンド・アロンソ F1ベルギーGP決勝「コンディションが合わなかった」

    フェルナンド・アロンソは2025年F1ベルギーGP決勝をピットレーンスタートから走行し、厳しいコンディションの中でレースを完走した。

    レース序盤はウェットだったものの、その後は降雨がなくフルドライへと変化。アップグレードを投入していたアストンマーティンにとっては、決して理想的な状況ではなかった。

    新パッケージの性能を最大限に引き出すにはまだ時間が必要だとしつつも、「チャンスのあるレースでしっかり得点する」姿勢に変わりはないと強調。残るシーズンを通じて、最適なタイミングを見極めながら戦っていくと意欲を見せた。

    Q:今日は興味深い展開でした。まるでレースディレクションが“ドライになるのを待っていた”ようにも感じられましたが、あなたの視点から見て、判断は正しかったと思いますか?

    フェルナンド・アロンソ: うん、正しかったと思う。序盤は十分に安全とは言えなかったから、待機は必要だった。

    そのあとレース中にはもう雨が降らなかったから、完全にドライになった。でもそれは、僕たちのセットアップや選択にはあまり合わないコンディションだった。僕はピットレーンスタートだったし、正直あまり速さを感じられなかったね。

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム) ベルギーGP F1 ベルギーグランプリピットレーンスタートから追い上げを試みるも、フルドライに苦戦したフェルナンド・アロンソ

    Q:今週末はアップグレードも導入されましたね。シーズン後半は、この新パッケージでどこまで対応していけそうですか?

    フェルナンド・アロンソ: うん、できる限りのことはしていくつもりだよ。レースによって僕らのパッケージに合う時もあれば、そうでない時もある。

    だから、チャンスのあるときにしっかりポイントを取ることが重要だと思ってる。まだ改良の余地はあるし、うまく合わせ込んでいきたいね。

  • エステバン・オコン F1ベルギーGP決勝「2つの判断ミスがすべてを台無しに」

    エステバン・オコン F1ベルギーGP決勝「2つの判断ミスがすべてを台無しに」

    エステバン・オコンにとって、2025年F1ベルギーGP決勝はレース展開と戦略が噛み合わない苦しい一戦となった。

    マシンのペース自体には手応えがあったものの、チームは2つの戦略ミスを犯し、流れを大きく失ってしまったとオコンは振り返る。

    まず、スリックタイヤへの交換が2周遅れたこと、そして新品タイヤを温存していたにもかかわらず、使い古しのセットで残りの85%を走行した判断について「パフォーマンスを自ら捨てたようなもの」と指摘。チーム全体での見直しを求めるとともに、次戦へ向けた立て直しの必要性を強調した。

    Q:エステバン、今日は全体的にうまくいかない展開でしたね。ポジション取りも戦略も、かみ合っていなかった印象です。

    エステバン・オコン: そうだね、今日は正直、完全に間違った判断の連続だったと思う。チームとしてすべてを見直す必要がある。

    クルマのペースは悪くなかったんだ。ドライになってからは特に、ちゃんとスピードがあることが見えていたしね。でも、2つ大きなミスがあった。ひとつは、スリックに替えるタイミングが遅すぎたこと。あともうひとつは、新品タイヤが準備されていたのに、それを使わずにユーズドのセットで85%も走ったことだよ。これは完全にパフォーマンスを失う選択だった。

    エステバン・オコン(ハースF1チーム) ベルギーGP F1 ベルギーグランプリ「85%を古いタイヤで走った」と戦略ミスに悔しさをにじませたオコン

    Q:なぜそんな選択を?新品があったにもかかわらずユーズドを選んだ理由は?

    エステバン・オコン: それはチームとして検証していくつもりだし、正直、僕たちにとっても驚きだった部分はある。

    本当に理由を突き詰めないといけないし、何がどうしてそうなったのか、ちゃんと確認する必要があるね。