カテゴリー: F1オーストリアGP

  • F1イギリスGP:波乱含みの週末を予感させるシルバーストンの天気予報

    F1イギリスGP:波乱含みの週末を予感させるシルバーストンの天気予報

    2025年F1世界選手権 第12戦イギリスGPが開催される今週末、名門シルバーストン・サーキットの天候は、3日間を通して変化に富んだ展開が予想されている。

    開幕日の金曜日(7月4日)は晴天でスタートし、午後にかけて雲が広がるものの概ねドライコンディションが見込まれており、初日の走行セッションは順調に進みそうだ。気温はFP1で24℃、FP2で25℃と比較的温暖で、雨の可能性は20%未満と低い。

    しかし、土曜日(7月5日)の予選日は一転して不安定な空模様となる見通しだ。午前中のFP3は曇天のもとでドライが期待されるものの、午後遅くには雨雲がイングランドを横断する予報で、予選セッション中に降雨が重なる可能性もある。雨量は2~5mm、風は南西からのやや強めの風で、突風は最大時速55kmに達する恐れがある。予選中の気温はおおよそ20℃。

    そして決勝が行われる日曜日(7月6日)は、前線通過後の影響で一日を通して断続的な降雨が予想されている。最大で5mm程度の雨が降るとされ、気温も19℃前後と低めで、コンスタントな西風にさらされる展開が見込まれる。

    イギリスGP F1 イギリスグランプリ

    このような予報は、特に冷涼なコンディションで好調を見せるメルセデスF1にとって追い風となる可能性がある。一方、前戦オーストリアGPで高温下の中、支配的な速さを見せたマクラーレンF1にとっては、やや不安材料となるかもしれない。

    天候の急変がサプライズを呼ぶ展開はF1ファンにとっての醍醐味のひとつ。シルバーストンでは今週末も、戦略と対応力が勝敗を分ける重要な要素となりそうだ。

  • F1パワーランキング:2025年F1オーストリアGPで評価を高めたドライバーは?

    F1パワーランキング:2025年F1オーストリアGPで評価を高めたドライバーは?

    ランド・ノリスはポールポジションを勝利へとつなげ、オーストリアGPで堂々たるパフォーマンスを披露した。混乱や接触が相次いだレースの中で、それらを回避しながらの勝利だった。

    しかし、F1パワーランキング審査員はこの週末をどう見たのか?以下に最新スコアと累積リーダーボードを掲載する。

    F1パワーランキングは、F1.comの5人の審査員がグランプリ終了後に各ドライバーを評価し、週末を通してのパフォーマンスに応じて10点満点で採点。専門家のスコアを平均してレーススコアを作成し、そのスコアは総合パワーランキングのリーダーボードでシーズンを通して集計される。

    1.ランド・ノリス(マクラーレン)
    カナダでのチームメイト、オスカー・ピアストリとの代償の大きいレース終盤の接触から立て直したノリスは、オーストリアGPで週末を通して見事なパフォーマンスを発揮した――プラクティスでは速さを見せ、予選ではポールポジションを獲得し、それを決勝での1位に結びつけた。審査員は改善の余地を見出さなかった。

    2.ガブリエル・ボルトレト(ザウバーF1チーム)
    ガブリエル・ボルトレトは、ルーキーシーズンを勢いづける週末を探していたが、レッドブル・リンクでまさにそれを実現した。キック・ザウバーの効果的なアップデートにも助けられたブラジル人ドライバーは、プラクティスで目を引く走りを見せ、予選では見事なラップを刻んでQ3進出を果たした。そして8番グリッドからスタートした決勝でもそのまま8位をキープし、見事な形で初のF1ポイントを獲得した。

    3.リアム・ローソン(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)
    強い結果が必要だったもう一人のドライバー――いや、むしろそれ以上だったかもしれない――がリアム・ローソンだ。シーズン序盤にレッドブルから降格されて以降、印象を残すのに苦労していたが、最近のイベントでの舞台裏での進歩がシュピールベルクで表面化した。ニュージーランド出身の彼は、かつての自分を取り戻したかのような走りでQ3進出を果たし、決勝では見事な6位フィニッシュを収めた。

    4.シャルル・ルクレール(スクーデリア・フェラーリ)
    シャルル・ルクレールは、オーストリアでの予選においてノリスの最も近いライバルとして浮上したが、それはピアストリとマックス・フェルスタッペンの2人がイエローフラッグに阻まれたことにも助けられていた。レースではマクラーレン勢に対して対抗できなかったが、表彰台の座を確保し、チームメイトのルイス・ハミルトンを抑えてゴールするなど、スクーデリアにとってはより前向きな内容となった。

    5.オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
    ピアストリは、プラクティスと予選を通してノリスの純粋な速さには0.1~0.2秒ほど及ばないように見えたが、Q3終盤のイエローフラッグにより3番グリッドからのスタートとなった。レース開始直後にはほぼ即座に2位に浮上し、週末初めてチームメイトに本格的なプレッシャーをかけたが、形勢を逆転するには至らなかった。

    6.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)
    フェルナンド・アロンソは、イベント序盤ではチームメイトのランス・ストロールの陰に隠れていたが、肝心な場面では前進し、Q3目前まで迫り、決勝では7位フィニッシュを果たした。2度のワールドチャンピオンらしい戦う走りを見せた彼は、ローソンとのバトルを通じてその存在感を発揮し、終盤には教え子であるボルトレトとの接戦を制した。

    7.ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバーF1チーム)
    ニコ・ヒュルケンベルグは、3戦連続ポイント獲得の可能性が予選後には大きく後退していた。Q1で脱落し、最下位となったからだ。しかしレース当日には見事に立て直し、早めのピットインを活用して複数台をオーバーテイクし、周囲の混乱にも乗じて最終的に9位でチェッカーを受けた。

    8.エステバン・オコン(ハースF1チーム)
    エステバン・オコンもレッドブル・リンクでの予選ではQ1敗退となったが、そこから印象的なリカバリーを披露し、17番グリッドから10位まで追い上げた――チェッカーフラッグを受けたときには、ルーキーチームメイトのオリー・ベアマンのすぐ前だった。これにより、フランス人ドライバーは直近4戦中3戦でポイントを獲得し、ハースはコンストラクターズランキングでアストンマーティンを1ポイント上回って7位の座を守っている。

    9.ルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリ)
    フェラーリでの最初のシーズンは、ルイス・ハミルトンにとって浮き沈みの激しいものとなっている――スプリントでのポール獲得から、下位入賞まで様々だ。オーストリアでもSF-25のバランスに苦しんだが、予選・決勝ともにチームメイトのルクレールを後方から支え、スクーデリアにとって今季最高のコンビネーションを提供した。

    10.ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)
    チームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリがオープニングラップでフェルスタッペンに接触したことで、ジョージ・ラッセルは残りの午後をメルセデス唯一の代表として戦うことになった。カナダGPウィナーにとって孤独なレースとなり、今回は5位止まり――ノリスとピアストリのマクラーレン勢からは1分遅れだった。

    惜しくもランク外
    アレックス・アルボンとフェルスタッペンは、今週のトップ10入りをわずかに逃した。ウィリアムズのアルボンは見事なスタートを切ったものの、技術的なトラブルで後退。フェルスタッペンは、アントネッリにターン3で巻き込まれ、リカバリーの可能性も見せることなく1周目でリタイアとなった。

    2025年のF1世界選手権 オーストリアグランプリ

  • 角田裕毅は敗者選出:2025年F1 オーストリアGP WINNERS & LOSERS

    角田裕毅は敗者選出:2025年F1 オーストリアGP WINNERS & LOSERS

    第11戦F1オーストリアGPで勝利を収めたのはランド・ノリスだったが、レッドブル・リンクを後に笑顔を見せたのは彼だけではない。予選から決勝まで随所にバトルが見られ、上位勢から中団グループまで多くのドラマが生まれた一戦となった。

    その一方で、レッドブルにとっては悪夢の週末に。マックス・フェルスタッペンは1周目での接触により無得点、角田裕毅も接触ペナルティで16位と沈み、チームとして77戦続いていたポイント獲得記録がついにストップした。

    F1プレゼンターのローレンス・バレットが、今大会の「勝者」と「敗者」を選出した。

    勝者:ランド・ノリス
    カナダでのチームメイトとの接触を経て、ノリスは週末を通じて圧巻のパフォーマンスを披露。予選では2度もポールに値するタイムを叩き出し、2本目は他をコンマ5秒も引き離す驚異の一撃となった。

    決勝ではオスカー・ピアストリの猛追を抑えて今季3勝目、キャリア通算7勝目を達成。ドライバーズランキングでは首位のピアストリとの差を15ポイントに縮め、地元イギリスGPへ弾みをつけた。

    ランド・ノリス F1 オーストリアグランプリランド・ノリスがオーストリアGPで今季3勝目を挙げた

    敗者:マックス・フェルスタッペン
    過去5戦連続でポール・トゥ・ウィンを飾ってきたレッドブル・リンクだが、今回はグリップ不足に苦しみ予選は7番手。決勝ではターン3でキミ・アントネッリに追突され、まさかの1周目リタイア。

    これでポイント連続獲得は31戦でストップ。今季2度目のDNFとなり、ピアストリとの差は61ポイントにまで広がった。

    勝者:フェラーリ
    大幅アップグレードを投入したフェラーリは、今大会でマクラーレンに次ぐ2番手勢力に浮上。シャルル・ルクレールは予選2位、ルイス・ハミルトンもミスがなければ前列を狙えたと語った。

    決勝では両者とも安定した走りで3位と4位を獲得。チームはメルセデスを1ポイント上回ってコンストラクターズ2位に浮上した。

    シャルル・ルクレール F1 オーストリアGPルクレールが表彰台を獲得し、ハミルトンは今季ベストタイの4位で続いた

    敗者:メルセデス
    気温50℃超という灼熱のコンディションに苦しみ、カナダでの勝利の再現とはならなかった。ジョージ・ラッセルは孤独な5位走行に終始し、アントネッリはスタート直後にフェルスタッペンとの接触でリタイア。

    新人アントネッリはこれで直近5戦中4戦がノーポイント。次戦ではグリッド3番降格ペナルティを受ける。

    勝者:リアム・ローソン
    レッドブルの昇格から再びレーシングブルズに戻ったローソンだが、今季最高の走りを披露。予選では6番手と「レッドブル系最上位」に位置し、決勝でも巧みな1ストップ戦略で自己最高の6位入賞。

    これで今季2度目のポイント獲得。F2で注目を集めるアービッド・リンドブラッドに対するアピールにもなった。

    敗者:ウィリアムズ
    悪夢のような週末。カルロス・サインツは3戦連続のQ1敗退というキャリア初の不名誉記録を更新し、決勝前にはブレーキ火災でDNS。

    アレックス・アルボンは好スタートを見せたものの、マシントラブルで3戦連続リタイア。チームは無得点で終えた。

    勝者:ガブリエル・ボルトレト
    昨年F2で勝利した地で、今季ルーキーの中でも最も充実した週末を過ごした。予選では初のQ3進出、決勝では堂々の8位入賞で初ポイントを獲得し、ファン投票で「ドライバー・オブ・ザ・デイ」に選ばれた。

    F1初入賞を果たし歓喜するガブリエル・ボルトレト

    ザウバーにとっても2001年のキミ・ライコネン以来となるこの地でのベストリザルト。ブラジル人ドライバーとしてはフェリペ・マッサ以来8年ぶりのポイント獲得となった。

    敗者:角田裕毅
    プラクティスでは好調を示したが、予選では再びQ1敗退で18番手スタート。決勝では順位を上げるも、フランコ・コラピントへの接触で10秒ペナルティ。結果、完走者中最下位の16位。

    レッドブルとしてはフェルスタッペンとともにノーポイントに終わり、77戦続いた得点記録がついに途切れた。

    勝者:フェルナンド・アロンソ
    Q3進出は逃したが、決勝では1ストップ戦略を完璧に遂行。連続して7位入賞を果たし、これで3戦連続のポイントフィニッシュ。チームメイトのランス・ストロールと並び14ポイントに到達した。

    フェルナンド・アロンソ F1 オーストリアGPアロンソが巧みな戦略で連続ポイントを獲得

    敗者:アルピーヌ
    日差しの強いオーストリアで、アルピーヌは全体的に厳しい週末に。ピエール・ガスリーは序盤こそポイント圏内を走行するも、グリップの低下で失速。

    フランコ・コラピントは角田に追突されダメージを受け、さらにピアストリを周回遅れにする際には進路を塞ぐ場面もあった。結局チームは無得点で終え、前を行くライバルたちが軒並み加点したことで痛い一戦となった。

  • フェルナンド・アロンソとリアム・ローソンが和解 F1オーストリアGPで親密会話

    フェルナンド・アロンソとリアム・ローソンが和解 F1オーストリアGPで親密会話

    フェルナンド・アロンソとリアム・ローソンの関係が、かつての緊張状態から一転して和解に向かっている。

    これまで2人の間には複数の接触やトラブルがあり、F1界のベテランであるアロンソがルーキーのローソンを「バカ」と呼ぶ場面もあった。一方のローソンも、アロンソが「報復しようとしてきた」と非難するなど、関係は険悪だった。

    しかし、F1オーストリアGPでポイント圏内をかけてバトルを繰り広げた後、2人はメディアエリアで長く親しげな会話を交わしたとされる。DAZNによれば、アロンソはエネルギーマネジメントシステムとDRSの影響で「レーシングブルズの後ろに必死で食らいついていた」とローソンに説明したという。

    「本当?速く見えたけど」とローソンが驚くと、アロンソはこう答えた。

    「ターン4からターン9までは予選ラップのようにプッシュしていた。パワーボタンを押して君についていこうとしていたけど、ターン9からターン4まではもう息をつく間もなかった。

    もし僕がターン1で仕掛けていたら、2周以内に君に抜き返されていたと思う」

    ローソンは笑いながら「マジか、それは知らなかった。ありがとう、抜いてくれなくて!」と返した。レースではローソンが6位、アロンソが7位でフィニッシュしている。

    アロンソはレース後のインタビューで、ローソンとのバトルをこう振り返った。

    「今日はまるで、自転車でグループライドしてて一番後ろに張り付いたまま、前に出られず100km走るような感覚だった」

    「ローソンとはそういう感じだった。僕には前に出るペースがなかったんだ」とアストンマーティンのベテランは語った。

    これまでの確執についても、ローソンはスペイン紙『Marca』にこう語っている。

    「確かに僕のスタイルはアグレッシブだけど、子どもの頃からルイス(ハミルトン)やフェルナンド(アロンソ)に憧れていた。2人のことは本当に尊敬している」

    今季、ルーキーながらも存在感を高めつつあるローソンと、経験豊富なアロンソ。かつて火花を散らした2人の関係が、今回のGPをきっかけに穏やかに変化していく可能性がある。

  • 角田裕毅 レッドブルF1ドライバーとして16年ぶりの最長ノーポイント記録

    角田裕毅 レッドブルF1ドライバーとして16年ぶりの最長ノーポイント記録

    角田裕毅は2025年F1オーストリアGPで16位に終わり、これで4戦連続ノーポイントとなった。レッドブル・レーシングのレースドライバーとして出走する角田にとって、この成績は2009年のマーク・ウェバー以来となる、レッドブルF1ドライバーとしての最長ノーポイント記録である。

    フェルスタッペンのリタイアによってレッドブルの連続ポイント記録は77戦で途切れ、チームに残された唯一の望みは角田裕毅だったが、得点圏には届かず、状況の厳しさを改めて露呈する結果となった。

    ランド・ノリスにとって、これは自身6度目の1-2フィニッシュであり、マクラーレンという唯一の所属チームにおいて初めて自身が1位となる1-2だった。これまでオスカー・ピアストリとともに4回、2021年モンツァではダニエル・リカルドの後ろで2位に入っている。

    今回の勝利により、ノリスはグランプリ通算7勝でピアストリと再び並んだ。これはフアン・パブロ・モントーヤやルネ・アルヌーと同じ勝利数となる。また、キャリア通算12回目のポールポジション獲得も達成し、ゲルハルト・ベルガーやデビッド・クルサードと肩を並べた。

    しかし、ピアストリがファステストラップを奪取したことで、ノリスの今季4度目の「ハットトリック(三冠:ポール・優勝・ファステスト)」達成は阻止された。これでピアストリのファステストラップ数は6に到達し、エマーソン・フィッティパルディ、マイク・ホーソン、フィル・ヒル、ホセ・フロイラン・ゴンザレス、ダン・ガーニー、カルロス・ロイテマン、ハインツ=ハラルド・フレンツェンと並んだ。

    フェルスタッペンはアンドレア・キミ・アントネッリとの接触によりリタイアし、これが31戦ぶりのリタイアかつノーポイントとなった。この記録は自身最長の連続ポイント獲得記録(43戦)には届かなかったが、それでも大きな記録が途切れた形だ。F1史上最長の記録はルイス・ハミルトンの48戦連続である。

    レッドブルとしても、2022年バーレーンGPでのダブルリタイア以降、77戦連続でポイントを獲得していたが、今回のオーストリアGPでついにこの記録が途切れた。なお、史上最長はフェラーリの81戦(2010年ドイツGP〜2014年シンガポールGP)で、あと4戦に迫っていた。

    フェルスタッペンのリタイア後、チームの得点記録をつなぐ最後の望みは角田裕毅に託されたが、厳しい予選結果とレース展開が続いている。今回の予選も含めて、角田はレッドブル育成ドライバーとして過去18年間で最悪となる5戦連続Q1敗退を記録している。

    レースでは16位フィニッシュに終わり、これで4戦連続ノーポイント。これは2009年のマーク・ウェバー以来、レッドブル所属ドライバーとして最長のノーポイント連続記録となる。

    ただし、当時のポイント制度では8位までにしかポイントが与えられず、ウェバーはその連続記録中に9位を記録していた(現在の制度では2ポイント相当)。加えてその後のインテルラゴスでは優勝している。一方で、トップ10フィニッシュを4戦連続で逃したレッドブルドライバーは、2008年のデビッド・クルサード以来となる(ハンガリー~イタリアで11位、17位、11位、16位)。

    角田裕毅 レッドブル F1

    ちなみにマクラーレンがオーストリアで最後に優勝したのは2001年、クルサードによるもので、当時はまだ「A1リンク」と呼ばれていた。現在の「レッドブル・リンク」に改称される前の話だ。

    フェルスタッペンは、レッドブル・リンクで5戦連続ポールポジションを記録していたが、今回はその記録も途切れた。ただし、そのうち1回は2021年のシュタイアーマルクGP(オーストリアGPとは別名)でのものである。

    さらに追い打ちをかけるように、角田がかつてレッドブルで起用された際にシートを奪ったリアム・ローソンが、F1キャリア22戦目で自身最高の6位フィニッシュを記録。これにより、角田はレッドブル支援を受ける4人のドライバーの中で選手権最下位となった。

    ニュージーランド人ドライバーがここまで上位に入ったのはほぼ50年ぶり。最後にそれを達成したのは、1976年のスペインGPで5位に入ったクリス・エイモンだった。

    また、ガブリエル・ボルトレトも8位フィニッシュでF1初ポイントを獲得し、自己最高位を更新。チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグとともにダブル入賞を果たしたが、これはチームがまだアルファロメオと呼ばれていた2023年カタールGP以来のことだった。チーム名がザウバーだった時代の最後のダブル入賞は2018年メキシコGPで、当時はシャルル・ルクレールが7位、マーカス・エリクソンが9位だった。

  • ガブリエル・ボルトレト F1オーストリアGP「アロンソの駆け引きは完璧だった」

    ガブリエル・ボルトレト F1オーストリアGP「アロンソの駆け引きは完璧だった」

    ガブリエル・ボルトレトが、F1オーストリアGP終盤にフェルナンド・アロンソと繰り広げた白熱のバトルを振り返った。自身にとってF1初のポイント獲得となる記念すべきレースの裏には、マネージャーでもあるアロンソとの駆け引きがあった。

    ザウバーのルーキーであるボルトレトは、70周のレースの49周目にフレッシュタイヤを投入。その効果もあり、レース終盤には7番手を走行していたアロンソに急接近した。

    しかし、2度のF1世界王者であるアロンソの老練な走りを前に、最後まで追い抜くことは叶わず、0.5秒差の8位でチェッカーを受けた。

    レースリーダーのランド・ノリスが両者をラップしたことで、実質的に戦いは1周早く終了。これによりアロンソは、ボルトレトの最後の攻撃を受けずに逃げ切る形となった。

    「彼は本当に経験が豊富だ」と20歳のボルトレトは語った。「ブルーフラッグの使い方も完璧だったし、あわやノリスをバックストレートで抜き返しそうな場面もあった。でも、決してルールに反することはせず、完璧にやってのけたんだ」

    アロンソを間近で追ったことで多くを学んだかと問われると、ボルトレトはこう答えた。

    「もちろん学んだ。でも、ああいうのは家に帰って、リラックスした状態で彼のオンボード映像を見て、1本1本のライン取り、ミラーの見方、DRSを得るためのブレーキングの仕方をじっくり研究するべきものなんだ」

    「僕はとにかく抜こうと集中していた。まるで初めてポイントを取ろうとする若造みたいな感じだったよ」

    「彼はというと、リラックスして冷静に守っていた。完全にレースを掌握していたんだ。タイヤの状態は彼の方が悪かったはずなのに、それでも僕を2周も抑えきった。素晴らしい仕事だったと思う」

    レース後、パルクフェルメでアロンソはボルトレトを抱きしめ、F1初入賞を祝福した。

    「彼は『初ポイントおめでとう。本当にいい仕事をしたね』と言ってくれた」とボルトレトは明かす。

    ボルトレトは2022年からアロンソのマネジメントチーム「A14マネジメント」に所属しており、師弟関係にある。

    一方のアロンソは、ボルトレトの猛追を凌ぐためにノリスのラップに合わせた“奇策”を明かした。

    「最後、ガブリエルの方がずっと速かった」とアストンマーティンのアロンソは語る。「もう守れないかと思ったけど、幸いにもランドがちょうどいいタイミングで僕らをラップしていった」

    「ランドが僕らを抜いたことで、次の周がチェッカーフラッグになったんだ。だからP7でフィニッシュできたのはラッキーだった」

    「もちろんランドを抜くつもりはなかったけど、彼のすぐ後ろに留まっていたらガブリエルに抜かれていたと思う。だからちょっと動きを変えて、彼に僕が何をするつもりか分からないようにして混乱させる必要があったんだ」

    若き才能と老練な名手による師弟対決は、ボルトレトにとってもアロンソにとっても特別な一戦となった。

  • 2025年F1 オーストリアGP 決勝:FACTS AND STATS

    2025年F1 オーストリアGP 決勝:FACTS AND STATS

    2025年のF1第11戦オーストリアGPは、チャンピオン争いの勢力図に影響を与える一戦となった。

    マクラーレンが今季4回目となる1-2フィニッシュを飾り、タイトルへの意欲を改めて示す結果となった一方で、レッドブルは地元グランプリでまさかのノーポイント。長く続いたポイント連続獲得記録が、ついに77戦でストップした。

    波乱の幕開けとなったこのレースでは、序盤から接触やリタイアが相次ぎ、ゴールライン直前まで順位争いが激しく展開された。歴史的記録の誕生と崩壊、若手勢の躍進、そしてトップ争いの緊張感が交錯したこのレースでは、多くの重要な統計が生まれた。

    ■ マクラーレンは2025年シーズン4回目となる1-2フィニッシュを記録。これは2007年以来、最多となる数字。

    ■ ランド・ノリスにとっては通算7勝目。

    ■ レッドブル・リンクにおけるマクラーレン最後の勝者は、2001年のデビッド・クルサード。

    ■ マクラーレンでちょうど7勝を挙げているのは、ノリスとピアストリの2名のみ。

    ■ オスカー・ピアストリはオーストリアで2年連続の2位表彰台。

    ■ フェラーリのシャルル・ルクレールは3位でフィニッシュし、過去4戦で3回目の表彰台獲得。

    ■ レッドブル・リンクでの5度目の表彰台となり、これはルクレールにとって最多のサーキット。

    ■ チームメイトのルイス・ハミルトンは4位となり、今季自己最高位タイ(イモラGPでも4位)。

    ■ ハミルトンは2024年の同レースでもメルセデスから4位で完走している。

    オーストリアグランプリリアム・ローソンはキャリア最高位を記録した2人のドライバーのうちの1人

    ■ メルセデスのジョージ・ラッセルは5位でフィニッシュ。モナコ(11位)を除き、今季すべてのレースで入賞。

    ■ レーシングブルズのリアム・ローソンが6位でチェッカーを受け、自身のF1キャリアベストリザルトを更新。

    ■ アストンマーティンのフェルナンド・アロンソは、カナダGPに続く連続7位入賞。

    ■ キック・ザウバーのガブリエル・ボルトレトは8位で初のF1ポイントを獲得。

    ■ これはザウバーにとって、2001年にキミ・ライコネンが4位を記録して以来、レッドブル・リンクでの最高成績。

    ■ チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグは、最後尾からスタートし9位までポジションを挽回してポイントを獲得。

    ■ ヒュルケンベルグは2022年のボッタス以来となる、3戦連続入賞を記録したザウバードライバーとなった。

    ■ チームとしてのダブルポイントフィニッシュは、2023年のカタールGP以来となる。

    オーストリアGPキック・ザウバーにとって好調な一日 2025年初のダブル入賞を達成

    ■ ハースのエステバン・オコンは10位でフィニッシュし、今季5回目のポイントを獲得。

    ■ レッドブルの角田裕毅が16位で完走(最下位)、フェルスタッペンは1周目にリタイア。これにより、レッドブルの77戦連続ポイント記録が途切れた(F1最長記録はフェラーリの81戦)。

    ■ ウィリアムズのアレックス・アルボンとカルロス・サインツはともに完走できず、チームとしては2024年サンパウロGP以来のダブルDNF/DNSとなった。

    ■ アルボンはこれで3戦連続のリタイア。

    ■ フェルスタッペンがF1で最後に1周目でリタイアしたのは2021年シルバーストンでのメルセデスとの接触であり、今回もメルセデスとの接触が原因だった。

    ■ 今回のリタイアにより、フェルスタッペンは31戦連続ポイント獲得記録が終了。過去75戦中74戦でポイントを記録していた驚異的な安定性にも終止符が打たれた。

    ■ メルセデスのキミ・アントネッリはF1デビュー後初のオープニングラップでのリタイア。チームとしては2023年カタールGPのハミルトン以来の1周目リタイア。

    ■ アントネッリは、直近5戦のうちポイントを記録したのはカナダGPの表彰台のみとなっている。

  • フェラーリF1 ハミルトンへの指示にヴィルヌーヴ違和感「ちょっと奇妙だ」

    フェラーリF1 ハミルトンへの指示にヴィルヌーヴ違和感「ちょっと奇妙だ」

    2025年F1オーストリアGPで好成績を収めたフェラーリだが、ルイス・ハミルトンへの無線指示を巡り、元F1王者ジャック・ヴィルヌーヴは「ちょっと奇妙だった」と疑問を呈した。

    スクーデリア・フェラーリはレッドブル・リンクでシャルル・ルクレールが3位、ハミルトンが4位でフィニッシュ。チームとしては今季有数の好結果となったが、ピット戦略を巡って再び無線のやり取りに注目が集まった。

    ハミルトンは50周目終了時にピットインを指示されたが、そのタイミングに納得がいっていなかった様子だ。ピットを求めるレースエンジニア、リカルド・アダミに対し「ピットインしたくない」と無線で返答していた。

    当時ハミルトンは、すでに2回目のストップを終えていたルクレールの前を走行しており、自身のスティントを延長したいと希望していた。

    このやり取りについて、ヴィルヌーヴは自身のInstagramストーリーで次のようにコメントした。

    「フェラーリは上位を争っていて、2台揃って良い結果だった。でもまたしてもエンジニアとドライバーの間でコミュニケーションが噛み合っていないように見えた。モントリオールではルクレールがワンストップを主張して無視されたし、今回はハミルトンだ。ちょっと奇妙だ」

    スクーデリア・フェラーリ F1 ルイス・ハミルトン

    マクラーレンのチーム内バトルを称賛「素晴らしいショーだった」
    序盤戦で注目を集めたのは、ランド・ノリスとオスカー・ピアストリによるマクラーレン同士の激しいトップ争いだった。

    ヴィルヌーヴはこれについても賞賛を惜しまなかった。

    「マクラーレンの2人によるバトルは素晴らしいショーだった。彼らを自由に戦わせたマクラーレンにも拍手だ。最後の最後まで限界ぎりぎりの戦いで、見ていて本当に興奮した」

    「ピアストリは少しやりすぎた場面もあり、落ち着かせる必要があったが、それでも素晴らしいレースだった」

    アントネッリの接触には「F2で走っていれば分かるはず」
    一方、レース序盤に話題となったのが、メルセデスのキミ・アントネッリがターン3でマックス・フェルスタッペンに追突し、両者がリタイアとなったアクシデントだ。

    「ルーキーのアントネッリがフェルスタッペンをリタイアさせるミスを犯したのは、レッドブルにとって良い日ではなかった。1周目のヘアピンで起きたことだが、彼はF2でもここを走っていて、あそこがどれだけ減速するか知っていたはずだ」

    「とはいえ、経験豊富なドライバーですらあのミスをすることはある。今回のことから彼も学ぶはずだ」

    ローソンとボルトレトに称賛「アロンソとのバトルは最高だった」
    また、今大会でキャリア最高位となる6位に入ったリアム・ローソン、そしてF1初ポイントを獲得したガブリエル・ボルトレトにも賛辞を送った。

    「ボルトレトもよくやっていたが、ローソンは本当に素晴らしかった。最後にアロンソとやりあったバトルは最高で、あの7位を守り抜いたのは見事だった。全体的に、楽しくて見応えのあるレースだった」

  • 角田裕毅は「酷いレースだった」とレッドブルF1代表酷評 「2台の差は大きい」

    角田裕毅は「酷いレースだった」とレッドブルF1代表酷評 「2台の差は大きい」

    角田裕毅の2025年F1オーストリアGPは「ひどいレースだった」とレッドブル・レーシングのチーム代表クリスチャン・ホーナーは表現し、角田裕毅に対して厳しい言葉を投げかけた。

    予選ではQ1で0.25秒差にまでフェルスタッペンに迫った角田裕毅だが、最初のアタックは順調だったものの、2回目の走行でターン1でミス。これが響いて3戦ぶりのQ1敗退となった。

    決勝では後方集団を走行中にアルピーヌのフランコ・コラピントに接触し10秒ペナルティを受けた上、終盤までポジションを上げられず最後尾でチェッカー。ホーナーはこう振り返る。

    「裕毅にとってはひどいレースだった。昨日のQ1ですでに歯車が狂い始めた。最初のランは悪くなかったが、2回目でターン1をミスしてしまい、予選順位が悪くなった」

    「そのせいで決勝は渋滞に巻き込まれ、抜くこともできず、ペナルティも受けてしまい、それが悪循環となった」

    「もちろん、彼をサポートできる方法を模索していくが、2台の間には大きな差がある」

    角田裕毅 レッドブル F1

    レッドブルは2024年末にセルジオ・ペレスを放出し、その後継として当初はリアム・ローソン、続いて第3戦から角田裕毅を起用してきたが、どちらもフェルスタッペンに迫ることができていない。

    フェルスタッペンのリタイアにより、31戦連続のポイント獲得記録が途絶え、角田裕毅もノーポイントに終わったことで、レッドブルはホームGPをまさかの「無得点」で終えることになった。

    ホーナーは続けて語った。

    「当然ながら、我々の中では“なぜこうなっているのか”という問いが生まれている。間違いなく、みなさんと同じようにね」

    「何年もかけて進化してきたマシンだからこその特性はあるが、それでも裕毅を助けられるか、シルバーストンで彼の自信を取り戻させられるか、そこに取り組んでいく」

    角田裕毅はこの結果により、ドライバーズランキングでも17位に転落。第2戦終了後に交代したローソンにもポイント数で後れを取る形となった。

  • 2025年F1 オーストリアGP 決勝:トップ3インタビュー&記者会見全文

    2025年F1 オーストリアGP 決勝:トップ3インタビュー&記者会見全文

    2025年F1オーストリアGPの決勝後、優勝したランド・ノリス、2位のオスカー・ピアストリ、そして3位表彰台を獲得したシャルル・ルクレールが、パルクフェルメインインタビューと公式記者会見で激闘の舞台裏を語った。

    特にノリスとピアストリのマクラーレン勢による一騎打ちは、序盤20周にわたる白熱のバトルとしてレースのハイライトとなった。ノリスは「カナダからの最高の巻き返し」と語り、プレッシャーの中での勝利に満足感をにじませた。

    ピアストリは一時ノリスを抜く場面もあったが、「DRS圏外に出てからは詰め直すのが非常に難しかった」と振り返り、作戦の見直しが必要だと認めた。ルクレールは「今日の3位は現状でのベスト」とし、フェラーリのアップグレードが前進にはつながったものの、マクラーレンとの差を埋めるにはさらなる開発が必要だと語った。

    パルクフェルメインインタビュー

    Q:ランド、すごいレースだった。大きなプレッシャーがかかっていたと思うけど、どう乗り切った?外から見ていても本当に壮絶だった。

    ランド・ノリス:そうだね、タフなレースだったよ。ずっとプッシュし続けなきゃいけなかったし、コンディションも厳しくて暑くて疲れた。でもチームにとっては完璧な結果だった。1-2フィニッシュは僕たちが求めていたもので、またそれが実現できた。すごくうれしいよ。カナダのあと、最高の巻き返しだったと思う。

    Q:本当に見事な逆転劇だった。最初の20周、オスカー・ピアストリとの戦いはどうだった?ターン3で一度抜かれた場面は壮絶だったね。

    ノリス:素晴らしいバトルだった、本当に楽しかったよ。ストレスもすごかったけどね。オスカーといい戦いができた。観客のみんなにも楽しんでもらえたならうれしい。車の中は本当に厳しかった。特に彼がDRS圏内にいるときはね。ここはDRSの効果がとても大きくて、1秒以上のギャップを作るのが大変なんだ。でもそれができてからは、うまくコントロールできるようになった。でも、彼は速かった。楽しいバトルだったよ。

    Q:おめでとう。素晴らしいショーだったよ。

    ノリス:ありがとう。

    Q:オスカー、おめでとう。車の中からはどうだった?最初の20周、ずっとプレッシャーをかけ続けていて、本当にすごかった。

    オスカー・ピアストリ:すごくタフだったよ。外から見ても面白かったならいいんだけど、車の中では本当にきつかった。全力を尽くしたし、一度前に出たときにもう少しうまくやれたかもしれない。でも素晴らしいバトルだったよ。限界ギリギリの部分もあったし、ちょっと押しすぎた場面もあった。でもこれがF1だし、僕たちはレースをして勝利を目指すためにここにいるからね。今日はあと一歩届かなかったけど、本当にいいレースだった。チームにも感謝している。あれだけのペースを保ちながらお互いにバトルできたのは、マシンが素晴らしかったからだよ。

    Q:昨日や金曜日の状況を考えると、ここまで戦えるとは思っていなかった?

    ピアストリ:可能性はあると思っていたよ。昨日の予選はイエローフラッグに邪魔されて運が悪かったけど、今週末のペース自体は良かったと思う。だからDRS圏内にとどまれたときは自信があった。でも最初のピットストップでDRS圏内から外れてしまってからは、ギャップを詰め直すのがとても難しかった。もう少し良くできたかどうか、あとで確認したい。

    Q:おめでとう。本当に素晴らしいレースだった。

    ピアストリ:ありがとう。

    Q:シャルル、表彰台おめでとう。最初は優勝争いをしたかったと思うけど、ペースについてはどうだった?週末全体をどう評価する?

    シャルル・ルクレール:チームとしてはすごく良い週末だったと思う。でも、今日のペースは残念ながら足りなかった。ターン1では仕掛けようかと考えたけど、ランドに蓋をされてしまって、その結果オスカーに抜かれる隙を与えてしまった。でも、たとえ2番手を保てたとしても、彼らには追いつけなかったと思うから、今日は3位が精一杯だったと思う。今日の戦いには後悔はない。自分たちの力は出し切ったけど、それでも十分じゃなかった。

    Q:ターン3の動きは良かったね。後方では接触もあったし、あの判断は冷静だったと思う。それとフェラーリの仕上がりについてはどう感じた?週末を通じて改善して、特にレースの序盤は接近していたように見えたけど。

    ルクレール:そうだね。第1スティントでは、彼らに食らいつこうとしてちょっとプッシュしすぎた。その結果、タイヤの劣化が早くなってしまった。でも、それも含めてレースだからね。全力は尽くしたけど、今日は届かなかった。新しいアップグレードを持ち込んで、それで一歩前進できたのは間違いない。でも、マクラーレンとの差を埋めるにはまだまだ足りないから、この方向でさらに進化させていく必要がある。

    Q:次のレースについて。まだ今シーズンは勝利がないけど、どんな意気込み?

    ルクレール:僕も勝ちたいと思っているよ。一番上に立つために全力を尽くす。それが一番の目標だし、チーム全体も勝利にふさわしい働きをしてくれている。次のシルバーストンで勝てることを願っているし、全力で挑むつもりだ。

    オーストリアグランプリ

    記者会見

    Q:おめでとう、ランド。今日の勝利で一番うれしかった瞬間は?

    ランド・ノリス:やっぱり、チェッカーフラッグを受けた瞬間だね。それが一番良かった。でもその前にも、特にオスカーとのバトルは楽しかった。第1スティントでは接近戦もあったし、すごく良いバトルができた。ターン1からターン3まで、ずっとミラーを見ていた感じで、ストレスはあったけど本当に面白かった。その後のレースは、ギャップを広げることもできなかったし、オスカーがずっと迫ってきていたから、気を抜けなかったけど、うまくマネジメントできたレースだったと思う。

    Q:今日のように、長時間にわたってオスカーとホイール・トゥ・ホイールで戦ったのは初めてだと思うけど、彼について新たに分かったことはあった?

    ノリス:いや、特にはないよ。僕たちはすでにいくつかのバトルを経験しているしね。確かに、今日のように長く続いたことはなかったかもしれないけど、お互いがどんなスタイルでレースするかは理解していた。僕たちはハードに、でもフェアに戦いたいと思っている。それはお互いに共有している価値観だよ。もちろん、モントリオールでの件は水に流す必要があったし、僕自身もう過去のこととして受け入れている。あれは起きてほしくなかったことだけど、今日はちゃんとしたバトルができて良かった。限界まで攻める場面もあったけど、アンドレア(ステラ)やピットウォールが冷や汗をかくようなことはなかったと思う。

    Q:今日のレースはとてもハイペースだったけど、全スティントでプッシュしていた?

    ノリス:うん、特に第1スティントはね。レースが始まって10周くらいの時点で、オスカーとのギャップはもう5秒くらいになっていたと思う。その時点でピットウインドウに入れるか疑問だったし、「このままだとタイヤもたないな」と思った。でもオスカーもプッシュしていたし、明らかに今日はフェラーリとは戦っていなかった。前だけを見ていた感じだよ。あと、最初のスティントではバッテリーの回収がうまくいかなくて、それが戦略的に厄介だった。ピットストップの後は、ようやくバッテリーをしっかり回収できて、少し余裕が持てたかな。

    Q:シルバーストンは君のホームグランプリだし、今回のアップグレードが高速コーナーにも合っているなら期待が持てるんじゃない?

    ノリス:ここでの強さは高速コーナーにあると思っているから、来週も同じような傾向が出ればいいなと思っている。でもレイアウトは全然違うし、過信は禁物だよ。今日のアップグレードがちゃんと機能してくれたのは本当に良かったし、それはMTC(マクラーレン・テクノロジー・センター)で頑張ってくれたみんなのおかげだ。開発にも時間がかかったし、ようやくクルマに載せられる状態になったからね。期待通りの効果が出たし、チームも喜んでると思う。僕にとっても、マクラーレンにとっても、シルバーストンは1年で一番のレースだと思っている。僕自身のグランドスタンドもあるし、ファンのみんなが応援してくれるのが本当に楽しみなんだ。

    Q:ありがとう。そしておめでとう。次はオスカー。ランドとのバトルについて、彼から学んだことや、その接近戦の感触は?

    オスカー・ピアストリ:うん、これまでもいくつかバトルはしてきたけど、今日みたいに長く続いたのは珍しかったね。すごくタフなバトルだったよ。限界ギリギリの場面もあって、自分でもちょっと攻めすぎたかなという瞬間もあった。でも、F1で勝利を争うっていうのはそういうことだし、簡単なものじゃない。1回目のピットストップのあと、ランドに少しギャップを与えてしまったのは正解じゃなかったかもしれないけど、最初の20周は本当に白熱したよ。楽しかった。

    Q:なぜランドより4周遅れてピットインしたの?

    ピアストリ:あの状況では自分が2番手でピットすることは分かってたんだ。問題は、DRS圏外に出ると、そこから1秒以内に戻るのがすごく難しいっていうこと。過去にもそれで苦しんだ経験があるから、少し違う作戦を試してみたかった。タイヤを新しめにして終盤に勝負する、そんな感じ。でも思ったほど効果は出なかった。あとでまた見直してみるよ。少なくともあのときは、どうせ遅れるなら違う作戦を取ってみようと思ったんだ。

    Q:オスカーとのバトルは見応えがありました。レース序盤でシャルルをターン1で抜いたのは、どれくらい重要な瞬間だった?

    ピアストリ:あれは大きかったね。あのおかげでスタートからDRS圏内にとどまれたし、このサーキットではDRSが非常に強力だから、それが序盤のバトルで助けになった。結果的に、あの時点でもうランドとの一騎打ちになるのが明らかになっていたから、あの瞬間はレースの鍵だったと思う。

    Q:今日は2人のバトルだったけど、シルバーストンでも同じように2台の争いになると思う?

    ピアストリ:そうなってほしいね。でも、どうなるかは分からない。カナダでは良いと思っていたのに実際はそうでもなかったし、今回は予想以上に良かった。だから、今回の結果には自信を持っていいと思うけど、次もどうなるかはまだ分からない。

    Q:ありがとう、オスカー。ではシャルル、あなたに移りましょう。ここ4戦で3度目の表彰台です。今日のレースで重要だった場面は?

    シャルル・ルクレール:うーん、あまり「重要だった場面」はなかったと思う。スタートはもう少しうまくやって、ランドの横に並べていれば少し違った展開になったかもしれない。でも3〜4周くらいの差しかなかったと思うし、結局は彼らのほうがペースが上だったから、前にいても維持は難しかったと思う。正直に言って、ターン1以降はずっと単独走行だったし、いくつかのマネジメントもしなければならなかった。あまり詳しくは言えないけど、「リフト・アンド・コースト(アクセルオフで燃費・冷却管理する走法)」はちょっとフラストレーションがたまったね。そのせいで第1スティントは少し代償を払ったけど、2回目以降のスティントはだいぶ良くなったよ。

    Q:今回のアップグレードは1レース分走ってみて良い進化だったと思う?

    ルクレール:間違いなく進歩したよ。そして、それが今回の表彰台につながったと思う。チームはできるだけ早く導入できるように必死に努力してくれたし、今も次のアップグレードを一刻も早く投入できるように全力で取り組んでくれている。それがさらに差を縮めてくれることを期待しているよ。マクラーレン、それからレッドブルやメルセデスが調子良い時には、まだ後ろにいるけど、少しずつ近づいていければと思う。

    Q:今日のマクラーレンのペースには驚いた?

    ルクレール:驚いたというより、「最初のスティントは自分たちのほうが悪かった」という感じかな。2回目、3回目のスティントでは悪くなかったと思う。でもレース中は自分のことで精一杯だったから、全員のラップタイムまでは見ていないんだ。終盤のギャップを見て、「あまり見たくない数字だな」と思ったけど、それが今の現実なんだと思う。残念ながら今季は開幕からずっとそのくらいの差がある。だから僕たちは相対的な進歩を目指しているし、今回のステップは間違いなく前進だった。次もまたステップアップできるよう願っている。

    質疑応答:記者からの質問

    Q:ランド、カナダの件を過去のものにしたいと話していたけど、今週末はすべてのセッションでトップタイムだったね。この週末は完璧なリカバリーになったと思う? 何かを証明できた?

    ノリス:うん、自分にとってはすごく満足できる週末だったし、自信にもつながった。誰かに対して何かを証明したいわけじゃないけど、自分自身には証明したいことがある。今回はFP2以降すごく快適にクルマを操れたし、思い通りのパフォーマンスができた。やっとクリーンな週末を過ごせた感じかな。もちろん、こういう結果は簡単には得られないし、サーキット外でも以前より多くの作業をしている。シミュレーターだったり、自分のチームと一緒にだったり、あらゆる面で改善を目指して取り組んでいる。今回はその成果がすぐに表れたのが良かったし、これからも前進し続けたい。

    Q:オスカー、ランドと同じタイミングでピットしていれば、勝てた可能性はあったと思う?

    ピアストリ:それはまだ分からない。あとでちゃんと確認しないとね。さっきも言ったけど、僕はあの場面で2番手で入ることが確実だったし、そのままピットしても少し時間を失うと思っていた。過去にDRS圏外に出てしまって戻れなかった経験があって、あれはもう繰り返したくなかった。だから、タイヤを新しくして終盤に勝負をかけるのが良い作戦かもと思ったんだ。でもうまくいかなかったね。あとになればいろいろ言えるけど、あのときはそれがベストだと思っていたよ。

    Q:ターン4の動きについて、チームは無線で「少しやりすぎだった」と言っていたけど、自分ではどう受け止めた?アンドレアも、ゴール直後に君がやりすぎたことを認めていたと言っていたけど。

    ピアストリ:うん、チームの評価はもっともだと思うよ。あのときはロックアップして、ランドのリアにかなり近づいてしまった。ああいうのは確かに境界を越えかけていたと思う。たとえ何も言われなかったとしても、自分でも「これは繰り返しちゃいけないな」と思った場面だった。

    Q:シャルル、金曜はかなり苦しんでいたけど、土曜にはペースが上がったように見えた。それはセッティング変更によるもの?

    ルクレール:そうだね、マシンのセッティングを大きく変えたよ。FP1は走れなかったから、FP2は状況を把握することが主目的だった。FP3に向けて大きく方向性を変えて、ようやく自分たちの位置を再確認できたという感じ。FP3ではすぐにマシンの感触が良くなったし、レースでもロングランに悪い驚きはなかった。1回のセッションだけでマシンをしっかり仕上げられたのは、チームの素晴らしい仕事だったと思う。

    Q:ランド、今日のレースでは無線でウィル(レースエンジニア)と細かくやり取りしていたけど、特定のコーナーでの助言を求めたりしていたね。これも最近取り組んでいる改善の一環?

    ノリス:そういう面もあるけど、具体的には違うかもしれない。今回のはより一般的な改善の話かな。レースで勝つためにはこういう情報も必要になるんだ。無線なしで自分の感覚だけで走りたい気持ちもあるけど、後ろや前に速いドライバーがいるときに、必要なら助けを求めるのは全然問題ないと思ってる。自分の周りには優秀なエンジニアがいるし、彼らは僕より多くのデータを見ているからね。だから、少しでも速くなるための情報があれば、それを活用したいんだ。ただの合理的な判断だよ。

    Q:ランド、シルバーストンでは14万人のファンが君を待っているし、グランドスタンドもある。それがプレッシャーになることはある?そして、それを有利に働かせたいと思う?オスカー、君は今チャンピオンシップ争いの当事者でもあるけど、イギリスのファンから何か特別なリアクションがあると感じてる?

    ノリス:敵対的な反応は起こらないと思うよ。イギリスのファンは基本的にすごくオープンで、マクラーレンの両方のドライバーを応援してくれてるしね。僕自身には大きなプレッシャーは感じていないよ。もちろん、勝ちたい気持ちは一番強いけど、それがプレッシャーになるわけじゃない。むしろ、毎朝目覚めるのが楽しみになるような、ポジティブな刺激になっているよ。自分のグランドスタンドもあるし、応援してくれるファンがいるのは、やっぱり特別なことだと思う。すごく楽しみなんだ。今すぐにでも行きたい気分だけど、まずはちゃんと寝たい(笑)。

    ピアストリ:特に心配してないよ。数年前はイギリスのファンが僕の名前をチャントしてくれたこともあったし、ちょっとびっくりしたよ(笑)。今年のファンは、全体的に僕たちに対してすごく優しいと思う。今日はフェルスタッペンのファンからのブーイングもなかったしね。それに、僕もマクラーレンというイギリスのチームで走っているから、パパイヤカラーが好きな人たちは2人とも応援してくれているはず。もちろんランドのファンのほうが多いとは思うけど、それは当然だし、全く問題ないよ。

    Q:3人に質問です。レース中にまだ多くのトラックリミットによるラップタイム抹消が見られました。一方で、オーストリアGPは今後もカレンダーに残ることが決まっています。このサーキットは今のF1に適していると思いますか?

    ノリス:驚いたよ、正直。ターン3くらいかな?でも、僕たちはただのミスでコース外に出てるだけなんだ。ロックアップしてはみ出したら、それだけで警告される。つまり、ミスしたことに対してペナルティを受けてるんだよね。

    ルクレール:もう問題にはなっていないと思う。最近このサーキットに加えられた変更は良い方向に働いているし、以前のような問題はほとんどない。今日誰かがペナルティを受けたかは分からないけど、今のルールでも十分にペナルティとして機能しているよ。実際、コース外に出た時点でタイムを失うから、もうそれ以上の議論はいらないと思う。

    ノリス:その通り。今はグラベルが主要なコーナーの外にあるから、コース外に出たとしてもタイムは稼げない。僕も今日は一度はみ出して、すごくタイムを失った。去年はオーバーテイクしようとして外に出て5秒ペナ食らったけど、ああいうのは正直ばかげてると思う。でも全体的には、数年前と比べて本当に良くなった。昔は200件くらいオフがあったけど、今日はたぶんゼロだよね。