カテゴリー: アストンマーティンF1チーム

  • フェルナンド・アロンソ 2026年F1マシンを語る「高速コーナーは50km/h遅い」

    フェルナンド・アロンソ 2026年F1マシンを語る「高速コーナーは50km/h遅い」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は、2026年F1プレシーズンテストが行われているバーレーンで、新レギュレーション下のマシン特性について言及した。シャシーおよびパワーユニットの大幅変更により電動比率が高まり、ドライビングはこれまで以上にエネルギー管理が支配的になっていると説明した。

    とりわけ高速コーナーでは、かつてのように限界まで攻めるのではなく、次のストレートに向けてエネルギーを温存する走りが求められているという。

    アロンソはバーレーン・インターナショナル・サーキットのターン12を例に挙げ、その変化を具体的に語った。

    「ここバーレーンのターン12は歴史的にとても要求の厳しいコーナーだった。だからターン12を全開で通過できるようにダウンフォースレベルを選んでいた。新品タイヤで全開にできるところまでダウンフォースを削り、レースでも同じことを狙った。1周を速く走るうえで決定的だったのはドライバーのスキルだった」

    「今はターン12を約50km/h遅く走っている。そこでエネルギーを無駄にしたくないし、すべてをストレートに残しておきたいからだ。以前は260km/hだったのが、今は200km/hで走る。あの速度なら誰でも運転できる。チームのシェフだってターン12をあのスピードで走れる。でもエネルギーを浪費したくない。次のストレートのために温存する必要がある」

    この発言は、マックス・フェルスタッペンが2026年型マシンを「ステロイドを打ったフォーミュラE」と表現したことを受けてのものだった。アロンソはその見解を完全には否定しなかった。

    「マックスのコメントは理解できる。ドライバーの視点からすれば、コーナーで5km/h速く走って違いを作りたい。しかし今は次のストレートでどれだけエネルギーを持っているかに左右される」

    「それでもこれはF1だ。常にそうだった。今はエネルギーがテーマだが、2年前に彼がすべてのレースに勝っていたときはダウンフォースだった。彼はコーナーを280km/hで走れたが、僕たちは250km/hしか出せなかった。ダウンフォースがなかったからだ」

    フェルナンド・アロンソ F1

    さらにアロンソは、ドライビングそのものの純粋な感覚という点では、1990年代後半から2000年代初頭の時代が忘れられないと語った。

    「純粋なドライビングという意味では、90年代後半から2000年代初頭は超えられないと思う。コーナーを速く走り、マシンの限界を見つけることがすべてだった」

    一方で、どのレギュレーションであっても競争の本質は変わらないとも強調する。

    「結局のところ、これはF1だ。バイザーを下ろしてコースに出れば、同じモータースポーツだ。ここバーレーンのレンタルカートでも十分に楽しめる。我々は今もモータースポーツを愛しているし、競争を愛している。レギュレーションによってドライビングスキルの影響が少し減っているのは理解しているが、3、4戦すればより明確な答えが出るだろう」

    2026年F1はアクティブエアロと高い電動比率を特徴とし、コーナリング速度そのものよりも、エネルギー配分と展開タイミングがラップタイムを左右する時代へと移行している。高速コーナーを“あえて遅く走る”という現象は、その象徴と言える。

  • アストンマーティンF1 2026年へ向けエンジニア体制再編

    アストンマーティンF1 2026年へ向けエンジニア体制再編

    アストンマーティンは2026年F1レギュレーションを見据え、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールの両側でエンジニア体制の再編を進めていることが明らかになった。新チーム代表エイドリアン・ニューウェイのもと、チームは組織体制の強化を図っている。

    シルバーストン拠点の同チームは、トラックサイドのエンジニアリング構造を拡充。2台体制それぞれに対するシニアレベルの監督機能を強化することで、より安定したパフォーマンス発揮を目指す。

    フェルナンド・アロンソ側では、トラックサイドのチーフエンジニアを務めるクリス・クローニンがシニア・レースエンジニアとして追加の責任を担う。クローニンは昨年までアロンソのレースエンジニアを務めており、今後はチームラジオでの主な窓口となる。現在のレースエンジニアであるアンドリュー・ヴィザードと緊密に連携する体制となる。

    一方、ランス・ストロール側でも再編が行われる。これまでレースエンジニアを務めていたゲイリー・ギャノンは、シニア・レースエンジニアへと昇格する。

    ギャノンは豊富な経験を持ち、ハースF1チームでニコ・ヒュルケンベルグ、ミック・シューマッハ、ロマン・グロージャンらを担当した経歴を持つ。

    2026年シーズンに向け、ストロールの新レースエンジニアにはスティーブン・グラスが就任する。グラスは2019年にレーシングポイント時代のチームへ加入し、直近ではパフォーマンスエンジニアを務めていた。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    今回の人事再編は、プレシーズンテストでの苦戦も背景にある。新型AMR26はバルセロナでの初回テストで走行距離が限られ、先週のバーレーンテストでもペース面で課題を抱えた。

    チームはシーズン序盤が厳しい戦いになる可能性を認識しているが、年間を通じて進歩できると確信している。

    マイク・クラックは次のように語った。

    「我々にはやるべき仕事がたくさんある」

    「新しいマシン、新しいパッケージ、新しいパートナーがあり、それらすべてを統合しなければならない。目の前には多くの作業がある。そして今週、我々は他と同じレベルにはいないかもしれないということを学ばなければならなかった」

    「しかし、このパッケージにはポテンシャルがあると思っているし、それを引き出すために懸命に取り組む必要がある」

  • アストンマーティンF1 前半戦は試練か ホンダPU振動とギアボックス構造問題

    アストンマーティンF1 前半戦は試練か ホンダPU振動とギアボックス構造問題

    2026年F1シーズンのプレシーズンテスト2週目を前に、アストンマーティンの新型AMR26に複数の重大課題が浮上している。シャシーとパワーユニットの両面で遅れが指摘されており、開幕序盤は厳しい戦いを強いられる可能性が高い。

    チームはシルバーストンとホンダのさくらの施設で24時間体制の対応を進めているが、解決には時間を要する問題も含まれている。

    ギアボックスに構造的懸念
    最大の懸念は、新たにアストンマーティンが自社開発したギアボックスとディファレンシャルにある。英国では「新たな負荷に耐えられない」との指摘も出ており、2026年型パワーユニット特有の高回転維持と強い負のトルク要求が構造的な負担となっている。

    現在のレギュレーションでは、電力回収のためエンジンを常に高回転域に保つ必要があり、コーナー進入時の減速局面でもギアボックスには大きなストレスがかかる。この設計を根本的に見直す場合、完成まで約6か月を要すると見られており、早くてもシーズン中盤、7月前後の投入となる見通しだ。

    さらに問題を複雑にしているのが、今週のテスト終了後にFIAへ年間を通して使用するギア比の申請を行わなければならない点だ。一度提出すれば24戦を通じて変更はできない。十分な検証ができていない状態で決断を迫られることになる。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダ F1

    ホンダ製ICEの振動問題
    パワーユニット面では、ホンダ製ICE(内燃機関)に高回転域で大きな振動が発生しているとされる。この問題はギアボックスとの関連も指摘されている。

    2026年仕様のエンジンは3月1日にホモロゲーションが確定するため、開幕戦オーストラリアGPまでに新仕様を投入することは不可能とみられている。ハードウェア面の変更は間に合わず、当面は電子制御ソフトウェアの最適化によって出力を引き出す方向となる。

    日本ではダイナモベンチでの連続運転が続けられているが、根本解決には至っていない模様だ。第7戦カナダGPで、FIAのバランス調整制度を活用した改善の可能性もあるが、2027年まで性能不足を引きずるとの見方もパドック内では出ている。

    冷却と空力効率も課題
    車体側では、重量超過や冷却不足、空力効率の問題も抱えている。ただしこれらはエイドリアン・ニューウェイ率いる設計陣によって比較的早期の改善が期待されている領域だ。

    とはいえ、シャシーとパワーユニット双方の開発遅延が重なった影響は小さくない。シーズン前半は防戦一方となる可能性が高く、真の競争力を発揮できるのは後半戦以降になるとの見方が強まっている。

    Source: Marca

  • アストンマーティンF1 バーレーンでフィルミングデー実施 出遅れ挽回へ

    アストンマーティンF1 バーレーンでフィルミングデー実施 出遅れ挽回へ

    アストンマーティンは、2026年F1バーレーン冬季テストの合間にバーレーン・インターナショナル・サーキットでフィルミングデーを実施した。問題を抱えた初回テストの後、開発プログラムの遅れを少しでも取り戻す狙いだ。

    フェルナンド・アロンソとランス・ストロールがステアリングを分け合い、限られた走行距離のなかで追加データの収集に努めた。

    アストンマーティンは、バーレーンで行われた2回の冬季テストの間の短い休止期間を最大限に活用しようとした。最初の3日間テストは先週実施され、次回は水曜日から金曜日までの3日間で予定されている。多くのチームメンバーがすでにバーレーンに滞在していることから、開発面で生じた遅れを補うためフィルミングデーを実施する決断に至った。

    フェルナンド・アロンソとランス・ストロールを擁する同チームは、厳しいシーズンスタートを迎えている。AMR26は1月末のバルセロナでのシェイクダウン初日に間に合わず、テスト終盤になってようやく数周を走行できたに過ぎなかった。スペインで生じた遅れは、バーレーンでの初回テストでもほとんど挽回できなかった。他チームが順調に走行距離を重ねるなか、アストンマーティンは最少周回数にとどまった。

    そのため土曜日のフィルミングデーは、追加距離を稼ぎ、新型車の弱点をより深く理解する機会として活用された。アロンソとストロールが走行を分担し、レギュレーションで認められた2回目のフィルミングデーを実施。1日は最大200キロメートル、バーレーンでは30周強に制限されており、公式にはプロモーション目的とされるが、実際にはシステム確認や追加走行時間の確保に用いられることが多い。今回のような厳しい状況では、なおさら重要な機会となる。

    新時代への準備不足 走行距離でも最下位
    先週のテストでアストンマーティンは扱いの難しいマシンに苦しんだ。グリップ、バランス、そしてホンダ製パワーユニットの冷却面で課題が表面化した。アロンソとストロールは総合タイムで最下位に沈み、最速タイムからは4秒以上の差があった。ただしテストタイムは例年どおり参考程度の指標にすぎない。

    より深刻なのは走行距離だ。アストンマーティンは3日間で206周にとどまり、周回数でも最下位となった。バルセロナとバーレーンを合わせたAMR26の総走行距離は1,500キロメートル未満で、ほぼすべてのライバルが2,000キロメートルを突破している状況と比べると明らかに後れを取っている。

    もっとも、前向きな兆しもある。ホンダはパワーユニット、とりわけ冷却面で改善可能なポイントを把握していると説明している。さらにパドックでは、エイドリアン・ニューウェイがAMR26の大胆な設計に対するアップデートパッケージの準備を進めているとの声も聞かれており、後れを早期に縮めるための動きが進んでいる。

  • フェルナンド・アロンソ アストンマーティンF1に前向き「秒単位で改善可能」

    フェルナンド・アロンソ アストンマーティンF1に前向き「秒単位で改善可能」

    フェルナンド・アロンソは、2026年F1プレシーズンテスト初週で苦戦が報じられるなかでも、アストンマーティン・ホンダのF1マシンのポテンシャルに前向きな姿勢を示した。

    チームメイトのランス・ストロールが「4秒のパフォーマンスを見つける必要がある」と語った状況下で、アロンソは現状を冷静に分析しつつ、改善の余地は大きいと強調している。

    アストンマーティンのAMR26は、エイドリアン・ニューウェイが初めて設計を手がけたマシンとして注目を集めてきた。しかし1月のバルセロナでのシェイクダウン以降、その仕上がりや完成度については厳しい視線も向けられている。

    ニューウェイは最近、マシンのいくつかの領域が「土壇場で完成した」ことにより、一定の問題が生じる可能性があると説明していた。

    さらに、今季から搭載されるホンダの新パワーユニットも新たな課題となっている。ホンダはアストンマーティンとの独占契約でF1に復帰し、事実上のワークス体制となったが、それに伴いギアボックスなど一部コンポーネントはチーム側が自前で開発・製造する必要がある。これまでパワーユニット供給元のメルセデスが担っていた部分だ。

    バーレーンテスト初日、ストロールはわずか36周にとどまり、「4秒分のパフォーマンスを見つける必要がある」と語った。

    現在の立ち位置について問われたアロンソは、次のように語っている。

    「難しいところだと思う」

    「ランスがそう言ったのは、バルセロナで僕たちは4秒半遅れていたし、バーレーンテスト最初の2日間も4秒半から5秒くらいだったからだと思う。ここ3日間はそういう傾向に見えた」

    一方で、現状のラップには多くのミスや未最適化の要素が含まれているとも指摘する。

    「昨日、ターン4でコースオフしたラップがあった。その後フィニッシュラインまでで0.8秒改善した。今やっているすべてのラップにどれだけエラーがあるか、その数字が物語っている」

    AMR26の即時的な大幅改善については慎重な見方を示しつつも、セッティング次第で大きく状況が変わる可能性を強調した。

    「セッティングを1つ変えるだけで、0.8秒上下するラップもある」

    「だから0.2秒を探しているという話ではない。最適化できれば、秒単位でパフォーマンスを引き出せるかもしれない」

    「来週には、より明確な状況が見えることを願っている。現実的に見て、メルボルンで最速になることはないだろう。僕たちはスローサイドからスタートし、後手に回っている。ただ正確な位置を推測するのは難しい」

    フェルナンド・アロンソ アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダ

    そうした現状を認めたうえで、アロンソは長期的な視点では強い確信を持っていることも明かした。エイドリアン・ニューウェイ体制のもと、最終的には頂点に到達できると信じているという。

    「彼は僕たちが必要とするすべてをもたらしてくれている」

    「経験があるし、良い時代も厳しい時代も知っている。僕たちには明確な改善の道筋がある」

    バルセロナで十分な走行機会を得られなかったこともあり、現段階は「実質的に最初のテストのようなもの」だと説明。現在は段階的にパフォーマンスを解放している途中だと語る。

    「多くの要素をまだ解き放たなければならない。段階的に進めていて、改善すべきエリアは特定している」

    新体制への適応も続いている。ホンダ製パワーユニットとチーム初の自社製ギアボックスを組み合わせる2026年型パッケージは、統合作業も重要なテーマとなっている。

    「パワーユニットとギアボックスの統合は必要だが、最終的にラップタイムを支配するのは空力性能とエンジン性能だ。そこをさらに解き放つ必要がある」

    序盤戦が厳しい戦いになる可能性も受け入れているが、焦点はシーズン後半に置かれている。

    「ローンチのときにも言ったが、序盤は少し厳しいスタートになるかもしれない。ただ、シーズン後半には僕たちが望む位置にいなければならない」

    さらに、開幕戦オーストラリアGPに投入されるマシンは、テスト仕様から大きく進化したものになると明かした。

    「メルボルンのマシンはかなり違うものになる。写真も見たし、エイドリアンもローンチでそう言っていた」

    そして最後に、ニューウェイへの揺るぎない信頼をこう表現した。

    「30年以上このスポーツを支配してきた人物がチームにいる。いずれ僕たちは最高のマシンを持つことになる。それは時間の問題だ。ただ、できるだけ早くそうなってほしい」

    序盤は試練が予想されるが、アロンソの視線はすでにその先を見据えている。アストンマーティンの本当の評価が定まるのは、シーズン後半に入ってからになりそうだ。

  • フェルナンド・アロンソ 「F1は“ピークDNA”には戻らない」

    フェルナンド・アロンソ 「F1は“ピークDNA”には戻らない」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は、2026年F1レギュレーションという大転換期を前に、現代F1がかつての「ピークDNA」から大きく離れていると率直な見解を示した。44歳となった2度のワールドチャンピオンは、新時代の到来を認めつつも、純粋なスピードの時代は過去のものだと語る。

    2001年にF1デビューを果たしたアロンソにとって、複雑化するハイブリッド管理は“レース”というより“高速で行う数学の試験”のように映っている。

    「すべてのレギュレーションにはそれぞれ特別な特徴があるし、マシンや規則が違えば求められるドライビングテクニックも違う。この世代はその点で少しドラマチックだと思う」とアロンソは今週のメディア対応で語った。

    「ラップを最適化するためのエネルギーマネジメントや、時には予選でさえ行わなければならない運転は、ドライバーの立場からすると少し厄介だ。100%で走りたいと思うけれど、今はそれ以上に少し考えなければならない」

    一方でアロンソは、管理重視のカテゴリーに不慣れなわけではない。インディカーや世界耐久選手権での経験がそれを物語る。

    「インディカーではレースの75%で燃料をセーブするのが主な戦いだった。WECではハイブリッドシステムとトラフィックを含めたエネルギーコントロールが中心だった。結局のところ、それもレースだ」と語った。

    「本音を言えばフラットアウトで走れる違うマシンを望む気持ちはある。でもF1はこの方向へ進み、ハイブリッドパワーユニットの時代に入った。それにはこうしたエネルギーマネジメントが必要だし、我々も慣れていくと思う」

    失われた“純血種”の時代
    アロンソが最も強い言葉を使ったのは、F1の本質そのものについてだ。V10時代、軽量で高速、そして官能的なエンジンサウンドに包まれていた90年代後半から2000年代初頭こそが、F1の「ピーク」だったと語る。

    「90年代後半や2000年代初頭に戻ることは決してないと思う。あの頃のマシンは軽く、速く、エンジン音も含めて、おそらくF1のDNAのピークだった」と述べた。

    「今は別のF1へと移行している。良いか悪いかは分からないが、確実に違う」

    「以前のほうが興味深かったと思うが、新しい世代に売り込まなければならない。我々は今のマシンが悪いとは言えないが、以前のほうが運転していて劣っていたと誰も言わないだろう。昔のマシンのほうがアドレナリンがあったし、限界で走っている感覚も強かった」

    現代のコクピットはシステムに囲まれすぎているとアロンソは続ける。

    「ゴーカートに乗れば、それが最も純粋なモータースポーツだと感じる。物理の限界でクルマを操るのは素晴らしいが、効率やロボットのような運転で最大効率を目指すのとは違う」

    「いくつか興味深い要素はあるし、それらを少し試していくことになるだろう。しかし私は、あまり多くのシステムがドライビングスタイルやコーナーへのアプローチに干渉しないほうが好みだ」

    「運転中に少し考えすぎなければならないように感じる。それはステアリングを握る喜びが減るリスクでもある」

    フェルナンド・アロンソ アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    構造化される現代スポーツ
    アロンソは、この変化をモータースポーツに限った話ではないと捉えている。

    「ここ数十年の世界の流れだと思う。モータースポーツだけではない」

    「サッカーやバスケットボール、NBAなど、他の多くのスポーツでも同じだろう」

    「20年前なら、ある選手が魔法の夜を迎えて試合を決めることがあった。今はより構造化され、メカニズムが必要だ。バスケットボールでもパフォーマンスを発揮するための仕組みが重視されている」

    「この世代では、誰かのひらめきやインスピレーションは少し忘れられつつある」

    アロンソにとって、F1は魂を失ったわけではない。しかし、その魂は確実に、計算された一行一行によって書き換えられつつある。

  • ホンダ、アストンマーティンF1周回不足を認めるも前向き「全力で巻き返す」

    ホンダ、アストンマーティンF1周回不足を認めるも前向き「全力で巻き返す」

    アストンマーティンは2026年F1プレシーズンテスト初週をバーレーンで終えたが、全チーム中で最少周回数にとどまった。ホンダとの新ワークス体制として迎えた最初の公式テストは、走行距離の面では満足できる内容とは言えなかった。

    初日に発生した問題についてチームはデータ異常と説明しているが、AMR26がボディワークを大きく開けた状態で走行していたことから、冷却面の課題も取り沙汰されている。

    HRC F1トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアの折原伸太郎は、まず前向きな収穫を強調した。

    「この3日間のバーレーンでのテストは、私たちにとって、そしてアストンマーティン・アラムコ・フォーミュラワンチームとのパートナーシップにとって非常に有益なものでした。合計206周を走行することができました」と折原伸太郎は語った。

    「パワーユニットパッケージそのもの、そしてシャシーとの統合について多くを学ぶ良い機会になりました」

    「新しいレギュレーションは、マシンのドライビング方法だけでなく、1周の中でどのようにエネルギーを充電し、展開するかという点でも大きな変化があります。チームやドライバーとともに、エネルギーマネジメントへの新しいアプローチに取り組みました」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダ

    一方で、走行距離が限られた点については率直に認めている。

    「もちろん、もっと多くの周回を重ねたかったのは事実です。ただ、これはチームとの最初の公式テストでしたので、新たなオン・トラックでの協業から学ぶことも非常に多くありました」

    「さくらのHRC F1 R&Dセンター、そしてここサーキットの双方で、まだ取り組むべき作業があります。チームとともに改善すべきポイントは把握していますし、全力で取り組んでいます」

    「確かにテスト全体のプログラムとしては出遅れている部分もありますが、先週の走行で非常に多くのデータと重要な学びを得ることができました」

    「来週はさらに3日間のテストがあります。その機会を最大限に活かせるよう準備していきます」

    新体制のスタートは決して順調とは言えないが、206周で得たデータは今後の開発に向けた重要な土台となる。次週のテストでどこまで改善を示せるかが、開幕戦に向けた大きな指標となる。

  • アストンマーティンF1 “ニューウェイ体制”に早くも試練 ホンダとの緊張報道も

    アストンマーティンF1 “ニューウェイ体制”に早くも試練 ホンダとの緊張報道も

    アストンマーティンは2026年F1プレシーズンテスト初回を終え、厳しい現実に直面している。エイドリアン・ニューウェイ主導で開発されたAMR26には大きな期待が寄せられていたが、バーレーンで明らかになったのは、開幕時点で最後尾に沈む可能性すらあるという厳しい立ち位置だった。

    フェルナンド・アロンソとランス・ストロールは3日間を通じてラップタイムで下位に沈み、ストロールは「現時点でトップから4〜4.5秒遅れている」と明かした。

    パドック内では内部緊張や深刻な対立の噂も広がり、オーナーのローレンス・ストロールが怒りを示したとの情報や、ホンダとの間で最初の重大な衝突があったとの報道も出ている。

    誇張された期待と現実のギャップ
    世間の過熱した期待が、実情を歪めていた側面は否めない。ニューウェイは短期間でマシン設計に大きな影響を与えたが、特殊なソリューションを多数採用したAMR26は依然として完成形からは遠い。

    特に課題として指摘されているのがホンダ製パワーユニットだ。関係筋によれば、新型パワーユニット開発で遅れが生じており、文化的な違いもあって両者のシナジーはまだ最適とは言えないという。

    さらに、今季から初めて自社開発ギアボックスを投入していること、コンパクト化を追求した冷却系設計による問題も重なり、状況は複雑化している。

    再編の渦中で迎えた新時代
    ニューウェイは昨年11月にチーム代表に就任。それ以前から技術統括パートナーとして大規模な組織再編を進め、多数の新専門家を招き入れた。ただし、新体制が完全に機能するには時間が必要だ。

    チーム内部ではニューウェイへの信頼は揺らいでいないが、即効性を求めるオーナーや投資家の期待とのバランスは難しい。広報上は「重要なのはオーストラリアでの開幕戦ではなく、アブダビでどう終えるか」だと強調しているが、投資規模を考えれば短期的成果への圧力も避けられない。

    関係者によれば、現行パッケージで意味のある成果が見込めるのは早くてもシーズン後半になる可能性が高いという。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    優先順位の再設定と“時間との戦い”
    ニューウェイと技術陣は現在、パッケージの最適化と新開発を急ピッチで進めている。一部は来週の第2回バーレーンテストで投入予定であり、さらに開幕戦メルボルンに向けた改良も準備中だ。

    マイク・クラックはテスト終了後、「優先順位を決める必要がある」と語った。

    「まず何をすべきかを決めなければならない。来週まで時間はあまりないが、きちんと優先順位リストを作り、順に取り組めば来週はより良い状況になるはずだ」

    一方、フェルナンド・アロンソにとっては“今しかない”シーズンだ。アロンソはシャシー面での巻き返しには自信を示しつつも、エンジン分野はより複雑だと認めた。

    「シーズン後半は違う展開になることを願っている。たとえ出遅れても、改善はできる」

    「2023年のバーレーンでマクラーレンも遅れていたが、その後レースに勝った。複雑なスポーツだ」

    アストンマーティンにとって重要なのは、失望をどう吸収し、技術的優先順位をどれだけ迅速に整理できるかだ。だが、時間は決して潤沢ではない。2026年F1シーズンは、想像以上に厳しい船出となった。

  • フェルナンド・アロンソ「シャシーは信頼」アストンマーティンF1はPUに課題

    フェルナンド・アロンソ「シャシーは信頼」アストンマーティンF1はPUに課題

    フェルナンド・アロンソは、2026年F1バーレーンテストでアストンマーティンが苦戦を強いられている現状について率直に認めた。AMR26はシャシーとホンダ製パワーユニットの統合に課題を抱え、トップ勢から大きく遅れを取る結果となっている。

    テスト初日から信頼性やパフォーマンス面での問題が表面化する中、アロンソは「間違ったスタート」だったと表現しつつも、チーム内部では新レギュレーションと新体制の難しさを織り込み済みだったと説明した。

    「シャシーに関しては疑いはない。ニューウェイは30年間このスポーツを支配してきたし、突然すべてを忘れたわけではない」とアロンソは語った。

    「シャシーには信頼を置いている。パワーユニットについてはもっと複雑だ。僕たちはまだレギュレーションを十分に理解できていない」

    「確かに少し遅れている。間違ったスタートだった」

    アロンソは、外部の期待が過度に高まっていたことにも言及した。

    「スタートは難しいものになっている。外部では、ニューウェイやホンダの加入で期待が非常に高かった。しかしチーム内では常に落ち着いていた。新しいレギュレーションとホンダ製パワーユニットの統合に困難があることは分かっていたからだ」

    「他のチームにとって簡単に見えることも、アストンマーティンにとってはそうではない。例えば、我々は歴史上初めて自前のギアボックスを製作しなければならなかった」

    フェルナンド・アロンソ アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    一方で、問題の比重については断定を避けた。

    「パワーユニットが主な問題かどうかは分からない。どの分野にどれだけ取り組むべきか、割合は言えない。確実に空力面ではまだレギュレーションを理解する必要がある。しかしそのためにエイドリアンがいる。彼は徐々に理解し、我々に良いマシンをもたらしてくれるはずだ」

    開幕戦まで残された時間は限られている。アロンソは楽観も悲観もせず、現実を受け止めながら開発の前進を求めている。

  • ホンダPU問題で緊張報道 アストンマーティンF1に早くも不穏

    ホンダPU問題で緊張報道 アストンマーティンF1に早くも不穏

    2026年F1シーズンの開幕を目前に控え、アストンマーティンを巡る空気は決して穏やかではない。シルバーストンのチームはレギュレーション大改革の主役候補と目されてきたが、バルセロナでのシェイクダウン、そしてバーレーンテストで見え始めた現実は、その期待とは裏腹のものとなっている。

    スペインメディアの報道によれば、現時点で最大の懸念はホンダ製パワーユニットにあるとされ、チーム内部にはすでに緊張感が漂い始めているという。

    “容疑者”はホンダのパワーユニット
    2026年型マシンAMR26は、エイドリアン・ニューウェイ主導による大胆な空力コンセプトが注目を集めてきた。しかし、スペインの報道はその設計思想自体を問題視してはいない。

    バーレーンに入った現地メディアの見立てでは、空力面が主因ではなく、パワーユニット側に課題があるという。ホンダ製エンジンはライバル勢に対して出力面で劣勢にある可能性があり、とりわけ「使用可能な推進力」に問題があると疑われている。

    信頼性への懸念からフルパワーでの運用ができていない可能性が取り沙汰されており、結果としてストレートでのパフォーマンス不足が顕在化しているという見方だ。さらに、トランスミッションにも別の課題が存在していると報じられている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダ F1

    チーム内に広がる緊張感
    こうした想定外の苦戦は、シーズン開幕前にもかかわらずチーム内部に緊張を生み始めているとされる。アストンマーティン側とホンダ側の間に温度差が生じている可能性も指摘されており、新たなパートナーシップとしては決して理想的なスタートとは言えない状況だ。

    11年前、マクラーレンとホンダの関係が困難なスタートを切った記憶が、フェルナンド・アロンソの脳裏をよぎっているとしても不思議ではない。あのときも、日本のエンジンサプライヤーとの協業がチーム低迷の引き金となった。

    2026年という新時代の幕開けを目前に控え、アストンマーティンとホンダの挑戦は、いきなり試練の局面を迎えている。開幕戦オーストラリアGPまで残された時間は限られており、巻き返しへの対応力が早くも問われている。