カテゴリー: アストンマーティンF1チーム

  • ホンダF1苦戦も「必ず戻ってくる」アストンマーティン低迷に元チーム代表言及

    ホンダF1苦戦も「必ず戻ってくる」アストンマーティン低迷に元チーム代表言及

    ホンダF1の苦戦に揺れるアストンマーティン。2026年シーズン開幕から予選Q1敗退が続くなど、期待とは裏腹のスタートとなっている。

    だが、その状況に対して元ハースF1チーム代表のギュンター・シュタイナーは、ホンダの復活力に強い信頼を示している。過去の実績を踏まえ、「必ず戻ってくる」と断言した。

    深刻な不振と責任論の広がり
    アストンマーティンは2026年、エイドリアン・ニューウェイ体制のもとで大きな飛躍が期待されていたが、現実は厳しい。開幕からマシンは深刻な振動問題とパワー不足に苦しみ、成績は低迷している。

    鈴鹿ではフェルナンド・アロンソがようやく初完走を記録したものの、依然として競争力不足は明白だ。パワーユニット性能の不足は明確な要因のひとつとされており、かつてのマクラーレン・ホンダ時代と比較されるほど厳しい状況にある。

    その結果、チーム内では責任の所在を巡る議論も広がっており、ホンダに対する批判も少なくない。

    シュタイナー「ホンダは必ず戻ってくる」
    そうした中でシュタイナーは、スペインメディアの取材に対し、現在の苦戦に理解を示しつつも、ホンダの底力を強調した。

    「どうしてここまで間違えることができたのかは正直分からない。旧レギュレーションをやめると決めたときに、人員を入れ替えてゼロからやり直したのかもしれない」

    「すべてを学び直さなければならない状況になったんだと思う。だが、レッドブルとともに4度の世界タイトルを獲得したことを考えれば、彼らがどれだけ優れた仕事をしていたかは明らかだ」

    「そして彼らは2〜3年後には戻ってくる。実際には去っていないが、新しい技術と新しいチームでやり直している段階なんだろう」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    マクラーレン離脱後の“復活”が示すもの
    シュタイナーはさらに、過去のマクラーレンとの決別後の流れを例に挙げ、ホンダの復活力を強調した。

    「マクラーレンがホンダを離れたとき、誰もホンダを欲しがらなかった。でもどうなった?2年後には世界チャンピオンになっていた。驚くべきことだ」

    この発言は、現在の低迷が一時的なものである可能性を示唆している。実際、ホンダはレッドブルとの協業で短期間のうちに競争力を取り戻し、タイトル争いの中心へと返り咲いた実績を持つ。

    問われるのは“再現性”と時間軸
    今回のケースでも同様の復活が可能かどうかは、単純な技術力だけでなく、組織体制や開発プロセスの再構築にかかっている。

    特に2026年レギュレーションは電動化比率の増大やエネルギーマネジメントの複雑化など、従来とは異なる要求が突きつけられている。単なる改良ではなく、設計思想そのものの適応が求められる状況だ。

    シュタイナーの言葉は、ホンダのポテンシャルを評価する一方で、「時間がかかる」現実も示唆している。アストンマーティンがこの局面をどう乗り越えるかは、ホンダとの協業の質とスピードに大きく左右されることになる。

  • アストンマーティンF1 メメント・エクスクルーシブズとの提携を複数年延長

    アストンマーティンF1 メメント・エクスクルーシブズとの提携を複数年延長

    アストンマーティン・アラムコF1チームは4月15日、モータースポーツ記念品やシミュレーター、ショーカーを手がけるメメント・エクスクルーシブズとの長年にわたる関係を、複数年契約で延長したと発表した。

    今回の契約延長により、メメント・エクスクルーシブズは今後も、F1 Authenticsを通じた公式ライセンス記念品の小売・オークション展開に加え、各種アクティベーション向けの製品提供を継続する。

    複数の価格帯で商品を展開し、ファンやパートナー向けのラインナップを拡充していく。

    2026年モデルのシミュレーター展開を拡充
    2026年の公式チーム・モーションシミュレーターは、アストンマーティンのAMRテクノロジーキャンパスから車で15分の場所にあるメメント・エクスクルーシブズの施設で設計・製造される。

    この完全没入型のチャンピオンシップシミュレーターは、チームのCAD図面を用いて実車のデザインと製造を忠実に再現したものだ。2026年の拡大ラインナップには、ドライバー体験に特化した「Xレンジ」に加え、車いす利用者にも対応した固定式モデルも新たに加わる。これにより、プロレベルのリアリズムとパフォーマンスを、これまで以上に多くのファンに提供するとしている。

    各シミュレーターは受注生産で、アストンマーティンを象徴するブリティッシュ・レーシング・グリーンで塗装される。フェルナンド・アロンソやランス・ストロールのようにF1ドライバーになる体験へ、可能な限り近づける商品として訴求している。

    AMR26レプリカカーや新ピットストップ製品も投入へ
    メメント・エクスクルーシブズは、2026年版のAMR26公式レプリカカーの供給も担う。ステージ上での披露、パートナーイベント、VIPホスピタリティ空間での展示などを想定した限定モデルで、クラフトマンシップ、真正性、技術的品質を打ち出す内容となる。

    さらに2026年の公式ライセンス商品には、新たにピットストップ・システムも加わる予定だ。ショーカーの前半分を用いた構成で、レースクルーの一員のように競う体験を提供するという。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    アストンマーティンF1はファン体験の拡大を強調
    アストンマーティン・アラムコF1チームのライセンシング&マーチャンダイズ責任者マット・チャップマンは、「この新たな複数年契約を通じて、メメント・エクスクルーシブズとの長年にわたる関係を延長できることを嬉しく思う」とコメントした。

    「既存ラインナップを基盤にしながら、今年後半には新製品の投入によって提供内容をさらに拡大できることを楽しみにしている。ファンに高品質で革新的な体験を届けるという我々の取り組みを、今後も続けていく」

    メメント・エクスクルーシブズの創業者兼CEOであるバリー・ゴフは、「アストンマーティン・アラムコF1チームは、我々にとって最も価値あるライセンシーのひとつであり続けている」と述べた。

    「今回、関係を延長できたことを嬉しく思うし、象徴的なこのチームとファンやパートナーを結びつける新たな方法を引き続き提供できることを楽しみにしている。拡張されたシミュレーター・レンジ、限定版のレプリカ・ショーカー、そして2026年に投入される新しいピットストップ・システムまで、すべてAMR26カラーで展開される。アストンマーティン・アラムコのファンにとって、“その瞬間を所有する”機会はこれまで以上に広がっている」

    アストンマーティンF1は、競技面だけでなく公式ライセンス商品の分野でも体験価値の強化を進めている。今回の契約延長は、ブランド体験をファン向け商品やイベント演出へ広げていく方針を改めて示すものとなった。

  • ホンダF1 アストンマーティンと共同対策 さくらで改善へ連携強化

    ホンダF1 アストンマーティンと共同対策 さくらで改善へ連携強化

    ホンダF1が、アストンマーティンとの共同体制で問題解決に向けた開発を加速させている。日本GP後、両者はホンダ・レーシング(HRC)のさくら研究開発拠点で連携し、対策強化に取り組んでいる。

    シーズン序盤の不振を受けた対応は継続中で、改善には時間を要する見通しとしながらも、次戦マイアミGPに向けて開発は止まっていない。現場の取り組みについて、ホンダ側の技術責任者が現状を説明した。

    さくらで進む共同開発 ホンダとアストンマーティンが連携
    ホンダF1 トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアの折原伸太郎は、現在の開発状況について次のように語った。

    「みなさんご存知の通り、バーレーンGPとサウジアラビアGPは延期となりましたが、それでも作業が止まったわけではありません」

    「日本GPの後、アストンマーティン・アラムコF1チームのメンバーとホンダ・レーシングは、日本のさくらにあるHRC研究開発センターで共同作業を続けています」

    「東京から約3時間の場所にあるこの施設で、私たちは対策強化に向けて取り組んでいます」

    ホンダ F1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    「改善を強化」 次戦マイアミGPへ開発継続
    折原伸太郎は、現在の課題に対する取り組みと今後の見通しについても言及した。

    「対策の改善をさらに強化しており、この作業は次のF1レースであるマイアミに向けて今後も継続していきます」

    「解決には時間がかかることは理解していますが、私たちは引き続き協力して懸命に取り組んでいきます」

    課題抱える中でも前進 鈴鹿で見えた変化
    ホンダとアストンマーティンは、シーズン序盤に複数の課題に直面しているものの、日本GPでは一定の進展も見られた。こうした変化を踏まえ、両者は引き続き連携を強化しながら改善を進めていく構えだ。

  • ホンダF1を左右するADUO評価 “エンジンだけ”を見る仕組み

    ホンダF1を左右するADUO評価 “エンジンだけ”を見る仕組み

    2026年F1シーズンはパワーユニット性能差が早くも顕在化し、ホンダにとって厳しい立ち上がりとなっている。出力面だけでなく、エネルギーマネジメントやバッテリー信頼性といった複合的な課題がパフォーマンスに影響している状況だ。

    そのなかで注目されているのが、追加開発機会「ADUO」だ。この制度は巻き返しの手段として位置づけられているが、その評価の仕組み自体がホンダのシーズンに大きく関わる可能性がある。

    ADUOは巻き返しのための制度
    ADUOは、パワーユニット性能で後れを取るメーカーに対して開発機会を追加で与える制度だ。

    ホモロゲーション変更の柔軟化や開発時間の拡張などが認められ、遅れている側に挽回の余地が与えられる仕組みとなっている。

    現状のパフォーマンス差を踏まえれば、ホンダはこの制度の対象に最も近い存在と見られており、シーズンを立て直すための重要な要素となる。

    “エンジンだけ”を見る評価の仕組み
    今回のADUOは、パワーユニット全体ではなく“エンジン(内燃機関)だけ”を評価する仕組みになっている。

    この評価方法が、ホンダの現状をどう映し出すかがポイントとなる。

    現在ホンダが抱えている課題は、エンジン出力だけでなく、バッテリーの信頼性やエネルギーマネジメント、デプロイメント制御といった電動領域にも広がっている。

    つまり実戦でのパフォーマンス差はPU全体の完成度によって生まれているにもかかわらず、評価はその一部に限定されている。

    このため、エンジン単体の評価が重視されることで、実戦でのパフォーマンス差との間にズレが生じる可能性がある。

    また評価の軸が限定されることで、開発リソースの配分にも影響が及び、改善の方向性に違いが生まれる可能性もある。

    ホンダ F1 フォーミュラ1エンジン

    基準エンジン次第で見え方は変わる
    さらに重要なのが、評価の基準となるエンジンの存在だ。

    現時点ではメルセデスが基準と見られているが、エンジン単体という評価軸では異なる結果になる可能性も指摘されている。

    この基準設定次第で、ホンダがどの程度遅れていると判断されるかが変わることになる。

    制度運用を巡っては慎重な判断を求める声も出ており、評価のあり方は単なる技術問題にとどまらず、各メーカーの思惑が絡む要素となっている。

    現状のパフォーマンスが意味するもの
    一方で、実戦でのパフォーマンス差は明確に存在している。

    ホンダのパワーユニットを搭載するアストンマーティンは現時点で後れを取っており、その総合的な差は評価にも影響を与える要素となる。

    そのため、エンジン単体評価という枠組みであっても、結果としてADUOの対象となる可能性は高いと見られる。

    重要なのは、その評価によってどの程度の開発機会が与えられるかという点にある。

    ホンダの行方を左右する評価の仕組み
    ADUOは一見すると救済制度だが、その実態は評価方法と運用によって結果が大きく変わる仕組みを持っている。

    ホンダにとっては、単に対象となるかどうかではなく、どのように評価されるのかが重要になる。

    “エンジンだけ”を見るこの仕組みが、現状をどう映し出すのか。

    その判断ひとつが、2026年F1におけるホンダの立ち位置を左右することになる。

  • アストンマーティンF1に警鐘 シュタイナー「ストロールはホンダを動かせない」

    アストンマーティンF1に警鐘 シュタイナー「ストロールはホンダを動かせない」

    アストンマーティンF1の低迷に対し、ギュンター・シュタイナーはオーナーのローレンス・ストロールについて「忍耐が欠けている」と指摘し、「ホンダを動かすことはできない」と警鐘を鳴らした。巨額投資を続けながらも結果が出ない現状に対し、その限界を明確に示した形だ。

    2026年シーズンのアストンマーティンF1は未だポイント獲得がなく、開幕3戦で5度のリタイアと苦戦が続く。

    ホンダのパワーユニットも課題を抱えるなか、短期的な巻き返しは見通せず、プロジェクト全体の“時間軸”が改めて問われている。

    「成功には時間が必要」短期志向に疑問
    シュタイナーは、ストロールが約10億ポンド規模の投資を行い、ファクトリー建設やトップエンジニアの招聘を実現してきた点は評価しつつも、最大の問題は“時間の与え方”にあると指摘した。

    「ローレンスは自分がやると言ったことはやっている。ただ成功していないだけだ」

    「素晴らしいファクトリーをシルバーストンに建設し、最高の人材を集めた」

    「ただ、F1に必要な忍耐を持っていないと思う。6か月や12か月でうまくいかなければ変えてしまう」

    「だがF1のサイクルは12か月ではない。何かが機能するまで待つ必要がある」

    実際、アストンマーティンはここ5年で5人目のチーム代表を探している状況にあり、組織の継続性という面でも課題を抱えている。

    ホンダ F1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ホンダには圧力をかけられない現実
    現在の低迷の一因としてホンダ製パワーユニットへの批判も集まっているが、シュタイナーはこの点について現実的な見方を示した。

    「彼はホンダをプッシュすることはできないと思う」

    「ホンダは正しい状態にするために必要な時間をかける。そこに彼が口出しする余地はない」

    「プレッシャーをかけて急がせることはできるが、彼らは自分たちのペースでやるだろう。前回復帰したときと同じように」

    ホンダは過去にも時間をかけて立て直し、最終的にはタイトルを獲得した実績がある。今回も同様に時間が必要とされるが、それを許容できるかが問われる。

    問われるプロジェクトの時間軸
    ストロールの5カ年計画は2027年で一区切りを迎えるが、現状のパフォーマンスを見る限り、その達成は極めて厳しい状況にある。

    新代表候補としてジョナサン・ウィートリーの名前も挙がるなか、組織再編は続いているが、頻繁な変更がさらなる混乱を招く可能性もある。

    巨額投資とトップ人材を揃えた体制はすでに整っている。残されているのは、それを機能させるための“時間”をどこまで許容できるかという一点に集約されつつある。

    Source: F1 OVERSTEER

  • ランビアーゼ マクラーレンF1移籍の裏に“アストンマーティン関心リーク説”

    ランビアーゼ マクラーレンF1移籍の裏に“アストンマーティン関心リーク説”

    レッドブルのレースエンジニアであるジャンピエロ・ランビアーゼが、2028年からマクラーレンへ移籍する決断の裏側に、新たな動きがあった可能性が浮上した。

    報道によれば、マクラーレン側に明確な関心が生まれる以前から、ランビアーゼ自身はレッドブル離脱を視野に入れていたとされている。

    この移籍は突然のように受け止められたが、近年のレッドブルの組織変化や主要人材の流出を踏まえれば、その兆候はすでに存在していたとも言える。内部の安定性に揺らぎが見え始める中で、ランビアーゼの動きはより戦略的なものだった可能性がある。

    “市場に出る”ためのリーク戦略
    ブラジルの報道番組で語られた内容によると、マクラーレンは当初、ランビアーゼ獲得に向けた具体的な動きを見せていなかったという。つまり、彼の「市場価値」は自然に発生したものではなく、自ら動いて作り出した側面があると見られている。

    「マクラーレンからは何も聞かなかった。彼がレッドブルを離れたがっているのは明らかだった。アストンマーティンとの関連が報じられたのも、彼自身が誰かに依頼して情報を出した可能性がある。そうすることで、自分の名前を市場に出そうとしたのだろう」

    このような動きは、F1の人材市場では珍しいものではない。特にトップレベルのエンジニアにおいては、複数チームの関心を引き出すことで条件交渉を有利に進めるケースが存在する。

    マクラーレン再結集が決め手か
    ランビアーゼの決断には、人間関係も大きく影響していた可能性がある。マクラーレンにはすでにロブ・マーシャルやウィル・コートニーといった旧知のメンバーが在籍しており、過去に同じ環境で働いた人材が揃いつつある。

    「ロブ・マーシャルもウィル・コートニーもマクラーレンにいる。彼の周囲にいた人間が集まっていることが、移籍の魅力になったのだろう」

    さらに、現時点でのチーム文化においても、マクラーレンの方が従業員にとって魅力的な環境であるとの見方も示されている。

    レッドブル内部の変化と人材流出
    今回の件は単独の事象ではなく、レッドブル内部で進行している変化の一部として捉えられている。業界内では、創業者ディートリッヒ・マテシッツの死去以降、組織の求心力に変化が生じたとの見方がある。

    「彼がいなくなれば、いずれすべてが変わると言われていた。実際に権力争いが始まり、チーム内で方向性に同意しない人々が去っていった」

    近年の一連の離脱は偶発的なものではなく、組織の構造的変化の結果と見る声もある。一方で、これを単純にネガティブな要因と結びつけるのは適切ではなく、個々のキャリア選択として新たな挑戦を選んだ側面も大きい。

    ランビアーゼの動きは、その象徴的な一例と言える。レッドブルの黄金期を支えた人材が、新たな環境へと向かう流れは今後も続く可能性があり、チームの将来像に影響を与える要素となりそうだ。

    Source: F1 OVERSTEER

  • アストンマーティンF1 アロンソ契約交渉を棚上げ「今は適切な時期ではない」

    アストンマーティンF1 アロンソ契約交渉を棚上げ「今は適切な時期ではない」

    アストンマーティンは、フェルナンド・アロンソの2027年以降の去就について、現時点では本格的な交渉を行っていない。通常であれば最優先で扱われるべきテーマだが、2026年シーズン序盤の低迷が、チームの判断を大きく左右している。

    開幕からわずか数戦で露呈したAMR26のパフォーマンス不足、とりわけホンダ製パワーユニットを含む総合的な競争力の欠如は、チームの優先順位を一変させた。現在は将来よりも「いかに立て直すか」にリソースが集中しており、アロンソの契約問題は後回しとなっている。

    アロンソ継続を左右する3つの要素
    アロンソの去就は単純なパフォーマンス評価だけでは決まらない状況にある。実力面だけを見れば、契約延長は既定路線といえるが、複数の要素が絡み合っている。

    まず大きいのが、2026年レギュレーションへの評価だ。アロンソ自身がこの新世代マシンに対して強い失望感を示しており、今後のFIAによる改善の方向性が、意思決定に影響を及ぼす可能性がある。

    次にチームの競争力だ。アストンマーティンは現時点でグリッド最後尾に沈んでおり、アロンソも「競争力がなければ継続の選択肢は広がる」と過去に示唆している。ただし、結果が出ない状況が続けばモチベーションへの影響は避けられない。

    そして3つ目がチーム側の事情だ。本来であれば2026年は、次世代を担うドライバー確保に動く年と見られていた。マシンが競争力を持てば、トップドライバーの獲得も現実味を帯びるはずだったが、現状ではそのシナリオは大きく後退している。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ペドロ・デ・ラ・ロサ

    「今はその時ではない」デ・ラ・ロサの見解
    この状況について、アストンマーティンのアンバサダーであり、アロンソとも親しいペドロ・デ・ラ・ロサは、チームとしての現実を率直に語っている。

    「我々としては、彼に続けてほしいと思っている。フェルナンドのようなドライバーがいるのは贅沢なことだし、走るたびにその価値を感じている」

    「ただ正直に言って、この件についてはチーム内でも、彼本人とも話していない。友人としても、プロフェッショナルとしてもだ」

    現時点で交渉が進んでいない理由は明確だ。マシンの問題があまりにも大きく、チームの関心は完全に開発へと向いている。

    「今はクルマ、エンジン、そして改善に集中している段階だ。彼がどういう決断をするにしても、十分な時間を与えるべきだと思う」

    「今は将来について座って話すには、あまりいいタイミングではない」

    状況悪化がもたらした“延命の可能性”
    皮肉にも、チームの低迷はアロンソ残留の可能性を押し上げている側面もある。本来想定されていたトップドライバーの獲得が難しくなったことで、即戦力としてのアロンソの価値は相対的に高まっているためだ。

    当初は2026年の競争力を背景に、世代交代を進める構想があったとみられる。しかし現在のパフォーマンスでは、有力ドライバーを引き寄せる材料に欠ける。その結果、44歳のベテランにもう1年委ねる選択肢が、現実的なラインとして浮上している。

    チームの再建が軌道に乗るのか、それとも停滞が続くのか。その行方が、アロンソ自身の決断とともに、今後数か月のうちに大きな分岐点となる。

  • アロンソ アストンマーティンF1苦戦もホンダ擁護「成熟には時間が必要」

    アロンソ アストンマーティンF1苦戦もホンダ擁護「成熟には時間が必要」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は、2026年のF1復帰で苦戦が続くホンダの現状について、公の場で擁護する姿勢を示した。アストンマーティンは開幕から深刻な不振に陥っており、とりわけパワーユニットの信頼性や振動問題がパフォーマンスを大きく制限している。

    その状況は、2015年にマクラーレンとホンダが再タッグを組んだ際の混乱期を想起させるものだが、アロンソは当時とは異なる視点で現状を捉えていると明かした。

    メディア環境や評価の変化を踏まえ、当時の判断が再評価されつつあると指摘している。

    「当時の評価は今になって変わりつつある」
    アロンソは現在の状況について、過去の経験と重ねながら次のように語った。

    「今は違った視点と成熟した考え方で物事を見られていると思う。ただ、10年前の状況もそこまで劇的なものではなかった」

    「F1は非常にメディア中心のスポーツだ。チームメイトとの戦いだけでタイトルを獲れば神のように扱われるが、苦しい時期になるとすべてが誇張される」

    さらに、2015年当時のマクラーレン・ホンダについても振り返り、当時の評価が誤解されていた可能性を示唆した。

    「10年経った今、当時の状況について人々の見方は変わってきている。僕が正しかったと考える人も増えているのではないか」

    「当時のマクラーレン、ジェンソン、ストフェル、そして僕たちは皆同じことを言っていた。あのプロジェクト、パワーユニットはスタート時点で十分に成熟していなかった。それは今では誰もが理解しているはずだ」

    フェルナンド・アロンソ ホンダF1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ホンダとともに立て直しへ「我々は一つのチーム」
    現在のホンダとの関係について、アロンソは対立ではなく協力を強調した。アストンマーティンとしてもリソースを投入し、問題解決に取り組んでいるという。

    「当時は僕が批判していたように見えたかもしれないが、それはフラストレーションがあったからだ。競争力のあるドライバーとして、あの状況に満足できるわけがない」

    「今は外から見ても状況が理解されているし、我々に対しても少し優しい見方になっていると思う」

    「チームとしてできることは、もっと努力し、できる限りホンダを助けることだ。アストンマーティンのリソースの一部をエンジンや振動、デプロイメントの問題解決に割り当てている」

    現代F1の解析環境も活用し、チーム全体で改善に取り組む姿勢を強調した。

    「今のF1は大量のデータやGPS、他チームとの比較分析が可能だ。ホンダが特定の分野に集中する間、我々が別の領域で支えることもできる」

    「我々は一つのチームだ。確かに厳しいスタートだが、長く続かないことを願っている。ただし、すぐに解決する問題でもない」

    苦しい船出となったホンダの2026年プロジェクトだが、アロンソの発言は内部の結束を示すものでもある。短期的な改善は見込みにくい一方で、チーム一体での開発体制が今後の巻き返しの鍵となる。

  • アストンマーティンF1 コーナーで20km/h遅れ ニューウェイのホンダ責任論に疑問

    アストンマーティンF1 コーナーで20km/h遅れ ニューウェイのホンダ責任論に疑問

    アストンマーティンの2026年F1シーズンは、開幕前の期待とは裏腹に深刻なパフォーマンス不足に直面している。日本GPでもQ1敗退圏から抜け出せず、競争力の低さが改めて浮き彫りとなった。

    これまでチーム内部では、ホンダ製パワーユニットの出力不足や信頼性が主因とする見方が強かった。しかし、最新のデータはその前提に揺らぎを与えている。

    コーナーで最大20km/hの差
    開幕前、エイドリアン・ニューウェイはアストンマーティンのシャシーについて「トップ5レベル」と評価していた。仮にエンジンが競争力を持てば、Q3進出やポイント争いが可能だという見立てだった。

    しかし、日本GP時点でもQ1脱出には1.5秒以上足りていない。この差をすべてパワーユニットの問題として説明するのは難しい。

    『The Race』が共有したデータによれば、アストンマーティンの最低コーナリング速度はライバル勢より最大で約20km/h遅れている。通常、ストレートで不利なマシンはコーナーで補う傾向にあるが、AMR26はその両方でタイムを失っている。

    コーナー進入、旋回中、立ち上がりのいずれでも遅れが見られることから、問題は局所的ではなく、マシン全体に及んでいる可能性が高い。

    シャシー側の課題が浮上
    こうした状況は、ホンダPU単独の問題では説明しきれない。仮にニューウェイの主張通りシャシーがトップ5レベルであれば、パワーユニットがラップあたり2.5秒近い差を生んでいる必要があるが、そのような差が存在するとの見方は少ない。

    むしろ、シャシー側に根本的な問題があるとの指摘が強まっている。AMR26は重量超過が疑われており、これがブレーキングや旋回性能に影響している可能性がある。

    さらに、空力バランスやメカニカルグリップの不足も重なり、コーナリング全体でパフォーマンスを落としていると考えられる。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    ホンダ責任論に変化
    これまで繰り返されてきたホンダ責任論は、こうしたデータの前では説得力を失いつつある。コーナーでの大幅な速度差は、エンジンではなく車体側の問題を強く示唆しているためだ。

    一部では、マシンそのものがパワーユニット以上に深刻な課題を抱えているとの見方も出ている。

    プロジェクト全体への影響
    こうした状況の中で、チーム内部に責任の所在を巡る歪みが生じている可能性も指摘されている。ホンダがスケープゴートとなっているとの見方もあり、開発体制そのものへの影響も懸念される。

    表向きには関係は維持されており、契約も現行レギュレーション終了の2030年まで継続すると見られている。ただし、このパフォーマンス状況が続けば、単なる開発遅れでは済まされない局面に入る可能性が高い。

  • アストンマーティンF1苦戦 ニューウェイに開幕前から疑念「全盛期は過ぎた」

    アストンマーティンF1苦戦 ニューウェイに開幕前から疑念「全盛期は過ぎた」

    アストンマーティンF1の2026年シーズンは、開幕からわずか3戦でコンストラクターズ最下位に沈む厳しいスタートとなった。2台合わせて完走はわずか1回にとどまり、予選・決勝ともにトップから約3.5秒遅れというパフォーマンス不足が浮き彫りになっている。

    その背景にはホンダのパワーユニットの問題が指摘されている一方で、長年F1を席巻してきたエイドリアン・ニューウェイにも視線が向けられている。開幕前からパドック内では評価が割れており、現在の苦戦はその見方を裏付ける形にもなりつつある。

    ニューウェイ評価は開幕前から分裂していた
    報道によれば、ニューウェイのアストンマーティン加入は歓迎一色ではなかった。パドック関係者の間では「すでに全盛期を過ぎた」とする見方もあり、評価は当初から二分されていた。

    ある関係者は、ニューウェイが手がける最初のマシンについて「太ったグリーンのクジラになる」と予測していたとされる。その後、AMR26が実際に最低重量を上回るオーバーウェイト状態にあることが明らかになり、この見方が現実味を帯びる結果となった。

    一方で、レッドブルで長年成功を収めたニューウェイが新天地で再び輝きを取り戻すと期待する声も存在した。環境の変化が彼を“再活性化”させるという見立てである。

    責任はPUかシャシーか 交錯する評価
    現状のパフォーマンス不足については、主にホンダのパワーユニットが原因とされている。しかし、ニューウェイ自身はシャシーについて「グリッド上でトップ5に入る」との認識を示しており、責任の所在は明確ではない。

    ただし、チーム全体の結果を踏まえれば、設計面にも一定の課題があるとの見方が強まりつつある。特に重量面の問題は、パフォーマンス全体に影響を及ぼす要素として無視できない。

    エイドリアン・ニューウェイ アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    “語られない問題” 年齢という現実
    ニューウェイはF1史上でも屈指の実績を持つエンジニアであり、これまでに15台のタイトル獲得マシンを設計してきた。しかし現在、議論の中心に浮上しているのが年齢という要素だ。

    今年で68歳を迎えるニューウェイが、今後どこまでフルタイムで第一線に立ち続けられるのかは不透明だ。現在のアストンマーティンの状況を考えれば、競争力を取り戻すには数年単位の時間が必要とみられている。

    その過程で、ニューウェイが長期的に関与し続けるのか、あるいは別の体制へ移行するのかは大きな焦点となる。

    チーム体制再構築が鍵を握る
    短期的な課題として挙げられているのは、チーム体制の整理だ。特にチーム代表ポジションの補強が重要視されており、ニューウェイが設計業務に専念できる環境の構築が求められている。

    報道では、元レッドブルのジョナサン・ウィートリーの加入が有力視されている。もし実現すれば、組織運営と技術開発の役割分担が明確になり、現在の混乱を収束させる一手となる可能性がある。

    アストンマーティンF1にとって2026年は、単なる苦戦のシーズンではなく、チームの将来像を左右する重要な転換点となりつつある。ニューウェイの評価、ホンダPUの改善、そして組織体制の再構築――複数の課題が絡み合う中で、反撃への道筋が問われている。

    Source: F1 OVERSTEER