カテゴリー: アストンマーティンF1チーム

  • アストンマーティンF1の迷走に元代表が指摘「私なら避けられたミスがある」

    アストンマーティンF1の迷走に元代表が指摘「私なら避けられたミスがある」

    アストンマーティンF1の2026年シーズン序盤の苦戦をめぐり、元チーム代表のオトマー・サフナウアーが、マネジメント面で避けられたミスがあったと指摘した。

    エイドリアン・ニューウェイ体制で上位争いへの期待を集めたアストンマーティンだが、AMR26はホンダ製パワーユニット由来の振動問題や競争力不足に苦しみ、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールは厳しい序盤戦を強いられている。

    サフナウアーは、最新の『High Performance Racing』ポッドキャストでアストンマーティンについて問われ、古巣の現状に複雑な思いをにじませた。

    「彼らにはもっと良い成績を出してほしい。私が採用した人たちがまだそこにいるし、彼らの幸運を願っている。もっと前方に近づいてほしい」

    「もちろん、マネジメントの観点から見て、ミスがあるのは分かる。自分を褒めるつもりも、傲慢に聞こえるつもりもないが、私ならしなかったと思うミスだ」

    「そのいくつかのミスは、私はしなかったと分かっている。そして、それがラップタイムを犠牲にしている」

    「ただ、彼らには優秀な人材がいる。エイドリアンは我々の世代で最高の人物で、そこにいる。ホンダも多くの勝利を挙げてきたし、そこにいる。だから、うまくまとめ上げられることを願っている」

    サフナウアーは2009年にフォース・インディアへ加入し、その後レーシングポイント、アストンマーティンへと移行したチームで要職を務めた。2022年1月に離脱した後は、アルピーヌのチーム代表に就任している。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ホンダは振動対策と信頼性改善を確認
    一方、今週末のカナダGPを前に、ホンダ・レーシングの折原伸太郎は、マイアミGPで振動低減と信頼性に一定の前進があったと説明した。

    「マイアミGPでは、バッテリーの振動低減とパワーユニット全体の信頼性について改善を確認しました」

    「2026年の更新されたレギュレーション下でのエネルギーマネジメントを学ぶ重要な機会にもなりましたし、それはカナダでも続いていきます」

    「モントリオールでは、ランスのホームレースということもあり、ドライバーがより自信を持てるように、扱いやすさとエネルギーマネジメント戦略の改善に集中します。実際、これはレース週末の重要な目標です」

    「ドライバーがより自信を持ってコーナーに進入し、より高い速度を維持できるようにできれば、ラップタイムは改善します」

    アストンマーティンはマイアミで今季初めて2台完走を果たしたが、目指す位置にはまだ遠い。サフナウアーの指摘は、AMR26の問題が単なる技術的な不具合だけでなく、チーム運営と開発判断の積み重ねにも及んでいる可能性を浮き彫りにしている。

  • フェルナンド・アロンソ F1ハイブリッド時代を批判「純粋なレースの10年を失った」

    フェルナンド・アロンソ F1ハイブリッド時代を批判「純粋なレースの10年を失った」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は、F1のハイブリッド時代について「純粋なレースの10年近くを失った」と厳しく批判した。2027年に向けて議論されている60:40のエンジン配分変更についても、本質的な問題は変わらないとの見解を示している。

    現在のF1では、電動出力の扱いが大きなテーマとなっており、FIAとF1は2027年に向けて内燃エンジン比率を高める方向で調整を進めている。

    しかし、アロンソは「ハイブリッド時代そのもののDNAが問題だ」と主張し、現行世代のレース哲学に疑問を投げかけた。

    アロンソ「純粋なレースの10年を失った」
    フェルナンド・アロンソは、モントリオールで開かれたメディアセッションで、現在のパワーユニット規則について次のように語った。

    「このパワーユニットのDNAは常に同じだ。そして常にコーナーを遅く走ることを報いるものになる。根本的に変わるとは思わない」

    アロンソは、F1が2014年から進めてきた電動化路線そのものに問題があったと考えている。

    「彼らはいつも耳を傾けている。ただ、世界全体が電動化へ向かうと思われていた。それが未来だと考えられていた。でも、それはレースには当てはまらない。レースは別の生き物だ」

    「今は60:40へ少し戻ろうとしているし、将来的にはさらに電動比率を減らしていくだろう。残念ながら、2014年のターボ時代から、そして今はさらに、我々は純粋なレースの10年近く、あるいはそれ以上を失った」

    F1が推進してきたハイブリッド時代そのものを“失われた時代”と表現した点は、現役ドライバーとして極めて異例の強い発言と言える。

    「今のオーバーテイクは本当のバトルではない」
    アロンソは、現代F1のオーバーテイクについても厳しい見方を示した。

    現在のF1ではERSとバッテリー残量の差によってストレートスピード差が大きく生まれるケースがあるが、アロンソはそれを「本当のレーシングではない」と指摘する。

    「ストレートでは、他のマシンより多くバッテリーを持っていれば簡単だ。それはオーバーテイクではなく、単なる回避行動だ」

    「相手より多くバッテリーを持っていれば、相手はクリップして500馬力を失う。そして自分は500馬力多い状態になる。そこで避けるように横へ動けば追い抜けてしまう」

    現在のF1では、タイヤ、エネルギーマネジメント、デプロイ戦略の重要性が高まっている一方、“ドライバー同士の純粋な戦い”が薄れているとの指摘は以前から存在していた。アロンソの発言は、その不満を極めて率直な形で代弁した格好だ。

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム) カナダグランプリ

    F1以外への関心拡大にも理解
    アロンソは近年、マックス・フェルスタッペンがニュルブルクリンク24時間への関心を示すなど、F1ドライバーが他カテゴリーへ目を向ける流れについても言及した。

    ただし、それはF1否定ではなく、モータースポーツ全体への視野拡大だと説明している。

    「それを純粋なレースと呼べるかは分からない。ただ違うシリーズというだけだ。でも、異なるカテゴリーやモータースポーツの楽しみ方を知るのは良いことだ。F1はモータースポーツ全体の1%に過ぎない」

    さらに、自身がインディ500初テストを行った際の反響にも触れた。

    「僕が最初にインディ500のテストをした時、オーバルを1人で周回しているだけの映像をYouTubeで200万人くらいが見ていた。そして彼らはそのシーズンを追い始めた」

    「当時インディカーにヨーロッパ人は2人くらいしかいなかった。でも今は80%がヨーロッパ人だ。将来的にはもっと多くの人がニュルブルクリンクやル・マンを見るようになるだろう」

    2027年F1レギュレーション議論にも影響か
    アロンソの発言は、単なる“懐古主義”ではなく、現在進行中の2027年F1パワーユニット議論とも重なっている。

    FIAは電動比率を下げ、内燃エンジンの重要性を高める方向を検討しているが、アロンソは「数字を少し変えてもDNAは変わらない」と考えている。

    2026年F1レギュレーションでは電動依存がさらに高まる見通しで、すでにドライバー側からは「コースト走行が増える」「コーナーで遅くなる」といった懸念も出ている。今回のアロンソの発言は、そうした不満を象徴するものとなった。

  • ホンダF1に“前進の兆し” 折原伸太郎GM「改善できるものを見つけた」

    ホンダF1に“前進の兆し” 折原伸太郎GM「改善できるものを見つけた」

    アストンマーティンとホンダは、2026年F1シーズン序盤の苦戦から脱却するため、カナダGPでさらなる改善を目指している。開幕からAMR26は深刻なドライバビリティ問題やエネルギーマネジメントの課題に苦しみ、フェルナンド・アロンソもギアボックスの扱いにくさを繰り返し指摘してきた。

    しかし、ここにきてホンダ側からは前向きな言葉が聞こえ始めている。日本のさくら拠点では、FIAによるADUO判定後を見据えた開発が進行中であり、エンジン性能改善に向けた“具体的な手応え”も得られているという。

    ホンダ「性能改善の方向性は見えている」
    ホンダの現場責任者である折原伸太郎は、現在の最優先課題について「内燃エンジンの改善」と「フリクション低減」だとカナダGPのメディアセッションでスペイン『AS』をはじめとする報道陣に説明した。

    「我々は内燃エンジンを改善する必要がありますし、フリクションも減らさなければなりません。それが今年のパフォーマンス改善につながり、来年にも影響してきます」

    「方向性は常に“改善”です。違いがあるのは、2026年と2027年のどちらにどれだけリソースを割くかという部分です」

    一方で、現状で最も難しいのは単純な性能向上ではなく、信頼性だと強調する。

    「パフォーマンスそのものは、そこまで複雑ではありません。難しいのは信頼性です」

    そして折原伸太郎は、さくらのダイノ(ベンチテスト)で有望な結果が出始めていることも明かした。

    「性能を改善する方法についてはアイデアがあります。改善できるものを見つけましたし、改善しなければならない部分も分かっています」

    「パワーベンチではポジティブなものが見えています。具体的な数字を言うのは難しいですが、自分たちが何をしているかは理解しています」

    ホンダ F1 カナダグランプリ

    カナダGPでは“ドライバビリティ改善”が焦点
    モントリオールでは、純粋なパワーアップよりも“扱いやすさ”の改善が重要テーマとなる。特に焦点となっているのがギアボックスと回生制御だ。

    アロンソはここ数戦で、シフトダウン時の挙動やドライバビリティに強い不満を示していた。これに対し、アストンマーティンのマイク・クラックは、現在のF1レギュレーション特有の難しさを説明する。

    「ドライバビリティ、特にシフトチェンジを含む部分は、以前よりも複雑になっています」

    「エネルギー回生のために、レギュレーションによってシフトダウンのやり方が大きく変わりました。そして我々にとっては、自社製ギアボックスを作るのも新しい挑戦です」

    「非常に複雑な問題です。多くのドライバーがシフトチェンジについて不満を述べていますし、その背景にはこうした事情があります。ただ、我々にも改善すべき仕事が残っています」

    ADUO判定がホンダの流れを変える可能性
    アストンマーティンとホンダにとって、カナダGP後に予定されるFIAのADUO判定は極めて重要になる。

    この制度によって開発支援対象と認定されれば、ホンダは内燃エンジン領域への追加開発を進められる可能性が高まる。すでに折原伸太郎が「改善点を見つけた」と語っていることからも、ホンダ内部では“次の一手”の準備がかなり進んでいることがうかがえる。

    現状のAMR26は、予選でメルセデス勢から約3.5秒遅れという厳しい状況にある。ただ、ここ数週間で語られる内容は「生き残り」ではなく「改善」に変わり始めている。

    カナダGPは、その変化が本当に実戦で表れるかを測る最初の重要な週末になりそうだ。

  • アストンマーティンF1 シャルル・ルクレールに接触も移籍話は消滅

    アストンマーティンF1 シャルル・ルクレールに接触も移籍話は消滅

    シャルル・ルクレール(フェラーリ)は、2029年まで契約を結んでいるにもかかわらず、2026年シーズンの低迷を受けて将来を再検討していると報じられている。その中で有力視されていたアストンマーティン移籍案が、ここにきて急速にトーンダウンしているようだ。

    ルクレールはフェラーリで8年目のシーズンを迎えているが、これまで本格的なタイトル争いには加われていない。契約には離脱条項が含まれているとされ、近年は複数チームが動向を注視してきた。

    アストンマーティン移籍案は“失速”
    当初、アストンマーティンは2027年に向けた補強候補としてルクレールに強い関心を示していたとされる。フェルナンド・アロンソの将来が不透明視される中、マネージャーのニコラ・トッドと接触していたことも報じられていた。

    しかし、2026年シーズンのアストンマーティンの苦戦が状況を大きく変えた。

    アストンマーティンはホンダ製パワーユニット由来の振動問題や信頼性不足に苦しみ、予選Q1敗退や完走率低下が続いている。エイドリアン・ニューウェイ加入で期待を集めたが、現時点ではトップ争いどころか中団でも苦戦している状況だ。

    TSNのジャーナリストであるネイト・サンダースは、ルクレールの去就について次のように語った。

    「昨年の時点では、シャルルにとっての“救命ボート”はアストンマーティンだと思われていた」

    「だが、オーストラリアでの最初のプラクティスを見た瞬間に、我々は『彼はもう行かないだろう』と思った」

    「ニコラ・トッドがアストンマーティンと話をしていた時期もあったし、それをかなりオープンにしていた。しかし、その話は完全に消えてしまった」

    残された選択肢はレッドブルF1?
    サンダースは、仮にルクレールがフェラーリを離れる場合、現実的な移籍先は限られているとも指摘した。

    その中で名前が挙がったのがレッドブルだ。ただし、その可能性はマックス・フェルスタッペンの去就と密接に結びついている。

    「もしレッドブルにシートが空くなら、それはマックスが去った場合だ」

    「しかも、それはチーム状況への不満やマシンへの不満が背景にあるだろう。現在のレッドブルは内部的にも崩れ始めているように見える」

    一方で、サンダースは「カルロス・サインツのように突然ウィリアムズへ移るケースでもない限り、大きな地殻変動が必要だ」とも述べており、現時点ではルクレールがフェラーリを離れる決定打はまだ存在していないとの見方を示した。

    2027年F1勢力図の鍵を握る存在
    2026年F1シーズンはレギュレーション変更によって勢力図が大きく変化し、フェラーリ、レッドブル、アストンマーティンのいずれも安定した体制を築けていない。

    その中でルクレールの将来は、単なるドライバー移籍話に留まらず、2027年以降のトップチーム再編に直結するテーマとして注目を集めている。

    特にアストンマーティンが“ニューウェイ+ホンダ”体制で期待されたほどの競争力を見せられていないことは、移籍市場にも大きな影響を与え始めている。現時点では、ルクレール側が慎重姿勢に傾いているとの見方が強まっている。

  • アストンマーティンF1 ホンダがカナダGPを“重要指標”に設定 苦境PU改善へ正念場

    アストンマーティンF1 ホンダがカナダGPを“重要指標”に設定 苦境PU改善へ正念場

    アストンマーティンとホンダにとって、2026年F1カナダGPは単なる第5戦ではない。開幕から続く深刻なパワーユニット問題を経て、ようやく改善の兆しが見え始めた中で、モントリオールは現在地を測る重要な週末となる。

    開幕前にはタイトル争いへの参戦も期待されていたアストンマーティンだが、実際には振動問題や信頼性不足に苦しみ続けてきた。ホンダ製パワーユニット由来の振動はバッテリーへ深刻な影響を及ぼし、ドライバーへの身体的負荷まで懸念される状況となっていた。

    鈴鹿後に日本へ残されたAMR26
    状況を変える転機となったのは、日本GP後の5週間に及ぶインターバルだった。

    アストンマーティンは鈴鹿戦後、AMR26の1台を日本へ残留させ、ホンダのさくらの施設で徹底的な調査を実施。パワーユニット周辺の振動対策と信頼性改善作業が進められた。

    その成果は、続くマイアミGPで一定程度確認されている。アストンマーティンはスプリントと決勝の両方で2台完走を達成し、少なくとも開幕当初の危機的状況からは一歩前進した。

    ホンダF1のトラックサイド・チーフエンジニアを務める折原伸太郎は、マイアミでの成果について次のように説明した。

    「マイアミGPでは、バッテリー振動対策とパワーユニット全体の信頼性改善の効果を確認することができました」

    「また、新レギュレーション下でのエネルギーマネジメントについて学ぶ重要な機会にもなりました。この作業はカナダでも継続します」

    残る課題は“純粋なパフォーマンス不足”
    もっとも、信頼性問題の改善が即座に競争力向上へ直結しているわけではない。

    マイアミGP予選でフェルナンド・アロンソとランス・ストロールは18番手、19番手に沈み、Q2進出ラインから1.2秒遅れた。決勝でもアストンマーティン勢はポイント圏から78秒後方でのフィニッシュとなっている。

    さらにアロンソは、レース週末を通してギアボックス挙動にも苦しめられていた。予期しないダウンシフトが発生し、ドライバビリティを大きく損ねていたという。

    この問題が簡単に解決できない背景には、2026年型ギアボックスをアストンマーティンが自社開発している事情もある。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    “自信”がラップタイムを生む
    ホンダはカナダGPに向け、単純な出力向上ではなく、ドライバーが安心して攻められる特性づくりを重視している。

    「これは今週末における非常に重要な目標です」と折原伸太郎は語る。

    「ドライバーがより自信を持ってコーナーへ進入し、より高い速度を維持できるようになれば、それが直接ラップタイムにつながります」

    ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットは、低速コーナーから長いストレートへ加速するストップ&ゴー特性を持つ。2026年F1ではMGU-K制御とエネルギーデプロイメントがラップタイムへ大きく影響するため、トラクション制御や回生制御の完成度がこれまで以上に重要になる。

    カナダGP後に控える“ADUO判定”
    さらにホンダにとってカナダGPが重要視される理由は、レース後に控えるADUO評価にもある。

    2026年から導入されたADUO制度は、競争力不足に苦しむパワーユニットメーカーへ追加開発支援を与える新制度であり、カナダGP終了時点の性能指数が重要な基準となる。

    現在のアストンマーティンは、キャデラックF1と後方グループを争う状況にあり、夏休み前の大規模アップデート投入も予定されていない。

    そのためカナダGPは、ホンダとアストンマーティンにとって単なる改善確認ではなく、2026年シーズン後半戦の方向性を左右する“重要指標”として位置づけられている。

    【解説】
    ・ホンダにとって“運命の判定” F1カナダGP後に下されるADUO評価の仕組み

  • アストンマーティンF1 ギアボックス問題で“コンマ5秒損失” カナダGPで改善へ

    アストンマーティンF1 ギアボックス問題で“コンマ5秒損失” カナダGPで改善へ

    アストンマーティンは、2026年F1カナダGPを前にマシンの大きな問題を解消しつつあるようだ。フェルナンド・アロンソは前戦マイアミGPで今季ベストとなる15位でフィニッシュしたが、その裏では1周あたりコンマ5秒を失っていたという報道が浮上している。

    シーズン序盤から苦戦が続くアストンマーティンでは、チーム代表エイドリアン・ニューウェイへの批判も強まっていた。しかし、今回の改善が事実であれば、ようやく開発が正常な方向へ進み始めた可能性が見えてきた。

    マイアミGPで発覚した“コンマ5秒”の損失
    スペイン人F1ジャーナリストのカルロス・ミケルは、ロルダン・ロドリゲスとの対談の中で、アストンマーティンがギアボックス同期の問題に取り組んでいたことを明かした。

    「アストンマーティンは今週末も改善してくる。実際にコースを走ることで改善していくものだからね」

    「マイアミではギアボックス同期に問題を抱えていた」

    「彼らはギアボックスに取り組んできたし、もし正常に作動していれば、アロンソは1周あたりコンマ5秒を稼げていたはずだ」

    「この3週間、その問題に取り組み続けてきた。明確な改善はあるだろう。ただ、それでもQ1敗退圏から抜け出せるほどではない」

    この問題は本来マイアミGPの時点で導入されているはずだったとされており、実際にはソフトウェア側の同期問題がパフォーマンスを妨げていたとみられている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    “まだプレシーズンテスト中”という異例の状況
    ミケルは現在のアストンマーティンの状況について、「他チームならプレシーズンテスト終盤に相当する段階だ」とも説明した。

    「マシンが良くなればなるほど、さらに改善が進む」

    「ただ現状のアストンマーティンは、絶対的に見れば非常に厳しいプレシーズンテスト終盤のような状態にある」

    「しかし相対的に見れば、周回を重ねるたびに学習が進む。振動問題が大幅に改善されたことで、さらに多くの周回を重ねられるようになる」

    「そうなれば、プレシーズン中に彼らが語っていた“アドバンテージ”を得られる。ソフトウェアの使い方を学ぶだけでコンマ5秒を得られるということだ」

    アストンマーティンは今季、振動問題や信頼性問題に苦しみ続けてきた。特にホンダ製パワーユニット周辺の振動対策は開幕当初から大きなテーマとなっており、マイアミでは今季初の2台完走を達成したことで、内部では一定の前進が確認されていた。

    ニューウェイ主導の再設計はベルギーGPが焦点
    エイドリアン・ニューウェイは現在、7月のベルギーGP投入を目指してAMR26の大規模な見直しを進めているとされる。

    当初は「ニューウェイが2027年以降へ完全シフトし、現行車開発を止めるのではないか」との懸念も広がっていた。しかし、マイアミGPで見られた改善傾向に加え、今回報じられたギアボックス同期問題の修正が事実なら、少なくとも現行車の改善作業は継続されていることになる。

    もちろん、現時点でアストンマーティンが一気に上位争いへ復帰するという見方は少ない。それでも、コンマ5秒規模のロスが本当に解消されれば、中団グループとの距離感は確実に変わってくる。

    カナダGPは、アストンマーティンが“本当の現在地”を測る週末になるかもしれない。

  • ランス・ストロール アストンマーティンF1の苦境に信念「勝てる要素は揃っている」

    ランス・ストロール アストンマーティンF1の苦境に信念「勝てる要素は揃っている」

    ランス・ストロール(アストンマーティン)は、チームが厳しい時期を迎えているなかでも、アストンマーティン・アラムコのプロジェクトに対する信念は揺らいでいないと語った。

    F1で約200戦を重ねてきたストロールは、結果が出ない時期こそ信念が問われると強調。新施設、CoreWeave AIRトンネル、シミュレーター、そしてエイドリアン・ニューウェイの加入を含む体制強化を背景に、チームの将来には「非常に明るい」可能性があると述べている。

    困難な時期に問われる信念
    現在のチーム状況について、ストロールはAMRテクノロジー・キャンパスに集まる人材と新設備に大きなポテンシャルがあると語った。

    「AMRテクノロジー・キャンパスには信じられないほど才能のある人たちがいるし、新しいCoreWeave AIRトンネルやシミュレーターのようなツールには大きなポテンシャルがある」

    「僕たちには勝てるチームになるための要素がすべて揃っている。あとはそのポテンシャルを引き出すだけだ」

    「今は難しい時期を経験しているけれど、僕はこのプロジェクトを強く信じている。未来はとても明るいし、この厳しい時期を乗り越えて、僕たちが進んでいる旅の一部でありたい」

    ストロールは、こうした時期は信念を強めると同時に試すものでもあると語る。

    「難しい瞬間は常に人を試す。でも同時に、自分たちが築いているものを本当に信じている人が誰なのかも示してくれる」

    「結果が出ていて、すべてが良いと感じられるときに信じるのは簡単だ。本当のチャレンジは、物事が難しくなり、一緒に問題に取り組まなければならないときに、コミットし続けることだ」

    「それがトップF1チームを築くことの一部だ。今築いている基盤は、将来とても特別なものにつながると本気で信じている」

    経験がもたらした冷静さと視点
    F1での年月を通じて学んだことについて、ストロールはドライビングだけでなく、マシン、チーム、そして自分自身への理解が深まってきたと語った。

    「たくさんある。いろいろなドライビングの戦術、マシンセットアップに関すること、変化するコンディションへの対応、各サーキットでラップタイムを稼ぐためのコツだ」

    「F1で長い時間を過ごすほど、このスポーツの多くが自信とフィーリングに関わっていることに気づく。それは常に続くチャレンジのひとつだ。毎シーズンが違うからだ。常に学び、適応し、マシンや周囲のチームと一緒に進化しようとしている」

    「フィジカル面でもそうだ。レース週末に自分がベストでいるために何が必要か、シーズンを精神的にも肉体的にもどう管理するかを理解する。そういうことはすべて、時間とともに向上していく」

    精神面で難しい時期をどう乗り越えるかについて、ストロールは冷静さと視野の広さが重要だと語った。

    「地に足をつけて、視野を保たなければならない。F1では物事がとても速く動く。数カ月で状況が完全に変わることもある。だから、良い時も悪い時も感情的になりすぎると、本当に大事なことに集中し続けるのが難しくなる」

    「ドライバーとして、僕たちはみんな先頭で戦いたい。厳しい時期を過ごしているときは、もちろんフラストレーションがある。チームの全員が信じられないほど懸命に働いていて、もっと多くを望んでいるからだ。でも、そうした瞬間も何かを築く一部だ」

    「働き続け、自分たちがどこを改善しなければならないかに正直であり続け、すぐに結果が出なくてもプロセスを信じなければならない」

    ランス・ストロール アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    20年以上かけて築いてきたドライビングへの情熱
    ストロールにとって、ドライビングは単なる仕事ではない。シーズン中の休みであっても、彼はコックピットから長く離れることは少ない。

    最近、アストンマーティン・ヴァンテージGT3やF3マシンを走らせた理由について、ストロールは純粋なドライビングへの情熱を語った。

    「僕は人生を通じてクルマとレースに情熱を持ってきた。いろいろなクルマや、いろいろなモータースポーツのカテゴリーをドライブするのが好きだ。これは20年以上かけて築いてきた技術だ」

    「異なるクルマが何をするのかを感じることは、ドライバーとして素晴らしい練習になる。レース感覚を鋭く保てるし、何を学べるか分からない」

    「特にF3マシンは、僕がずっとドライブするのを好きだったクルマだ。2016年にその選手権で勝ったし、そこにはたくさんの良い思い出がある。僕のドライビングスタイルに合っていたし、いつも笑顔にしてくれるクルマのひとつだ」

    「トラックデイやラリードライビングのような機会があるときは、いつも楽しんでいる。僕にとってはステアリングホイールの後ろにいて、運転することが大事なんだ。それが僕のやりたいことすべてだ」

    若手との共有と理想のレーシングカー
    ポール・リカールでのGT3走行では、アストンマーティン・アラムコ・ドライバーアカデミーのマリ・ボヤ、ロベルト・メリとともに走行した。

    「マリを誘った一番大きな理由は、自分が気の合う人たちとその経験を楽しみたかったからだ。そして、彼が速いことも知っている」

    「僕たちは良い関係を築いているし、以前にも一緒にトラックデイをしたことがある」

    「ポール・リカールでマリと僕と一緒に走ったロベルト・メリとは何年も前から知り合いで、日本GPの週末に夕食をしていたときにそのアイデアが出た」

    「マリはすでにアストンマーティン・アラムコ・ドライバーアカデミーの一員で、良い人間だし、一緒に多くの時間を過ごしてきた。だから自然にそうなった」

    若手を助ける責任について問われると、ストロールはボヤの速さを認めた。

    「彼にはあまり指導は必要なかった! マリはものすごく速かった」

    「僕は耐久レースを経験しているので、トラフィックマネジメントのようなことについていくつかアドバイスした。でも、ドライバーがF3やF2のレベルに到達すれば、基本はすでに備わっている」

    理想のレーシングカーについて、ストロールは低速域でのメカニカルグリップ、高速域での空力グリップ、軽さ、鋭い方向転換、反応の良いフロントエンドを挙げた。

    「重いブレーキングゾーンや複合的な進入コーナーでは、しっかりしたリアも欲しい。僕はノーズに従って動くクルマが好きだ」

    「例を挙げるなら、セバスチャン・ベッテルがチャンピオンを獲得した時代のエイドリアン・ニューウェイ設計の多くのマシンは、完璧に近かった」

    「だから、僕たちにはその仕事にふさわしい人物がいる」

    ストロールの見方は明確だ。困難な時期は一時的なものだが、アストンマーティンの野心は変わらない。チームの物語はまだ書かれている途中であり、その中心に自分もいたいと考えている。

  • アストンマーティンF1 “ストロール体制見直し論”浮上 株主が経営手法に疑問

    アストンマーティンF1 “ストロール体制見直し論”浮上 株主が経営手法に疑問

    アストンマーティンF1を巡って、ローレンス・ストロール会長兼オーナーの権限とマネジメント体制に対する疑問が、株主レベルで浮上していると報じられた。

    2026年シーズンのアストンマーティンは深刻な不振に苦しんでいる。大規模投資によって最新ファクトリーを整備し、エイドリアン・ニューウェイら大型人材も獲得したが、マシン「AMR26」は振動問題に悩まされ、ホンダ製パワーユニットも性能不足を指摘されている。完走すら苦しいレースが続き、ポイント争いからも取り残されている状況だ。

    さらにチーム内部では首脳陣の変更が相次いでいる。2025年にマイク・クラックの後任としてチーム代表に就任したアンディ・コーウェルは、わずか1年でニューウェイ主導体制へ移行。さらに元レッドブルのジョナサン・ウィートリー加入も控えており、組織構造の流動化が続いている。

    「問題はストロール本人ではないか」 株主側で疑念も
    ブラジルのジャーナリスト、ジュリアンヌ・セラソリは、アストンマーティン内部でストロール体制への疑念が強まりつつあると語った。

    「今のF1では、投資家と協力しながら運営するチームが増えている。そしてF1参入を望む投資家たちは、あらゆるチームの扉を叩いている」

    「だがストロールのところでは、“資金だけを入れて経営権は渡さない”という形になっている」

    「私が聞いている話では、株主たちはすでにその権力構造を疑問視し始めている。“問題はこの人物自身なのか? あるいは彼が作り上げたマネジメント体制なのか?”という議論が起きている」

    「実際に、その体制を見直すべきではないかという動きも出始めている」

    成功体験が裏目? “全部自分で動かす”経営への限界説
    ストロールはこれまで、経営不振ブランドを立て直してきた実績で知られる。アストンマーティン本体への出資もその延長線上にあり、“再建請負人”として高い評価を受けてきた。

    しかしF1では状況が異なる。

    セラソリは「彼はこれまで手を付けたものをすべて価値あるものに変えてきたと考えている人物だ」とした上で、「F1ではその“奇跡”が起きていない」と指摘した。

    特にパドック内では、“ストロールと働きたがらない人が多い”との見方も広がっているという。頻繁な組織変更や、ニューウェイへの大幅な権限委譲なども、内部の不安定化につながっているとみられる。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    中国メーカー参入説と“売却シナリオ”の現実味
    アストンマーティンを巡っては、財務面への懸念も強まっている。元F1ドライバーのカルン・チャンドックは、同社の負債状況を踏まえ「将来的なF1活動継続」に疑問を呈している。

    その中で、中国の自動車大手「浙江吉利控股集団(Geely)」やBYDの名前が取り沙汰されている。いずれも世界規模でEV市場を拡大しており、F1参入の可能性を模索しているとの観測がある。

    また、レッドブル離脱後のクリスチャン・ホーナーがアストンマーティンと接触しているとの噂も続いている。ホーナーは単なる代表職ではなく“オーナーシップを伴う立場”を求めているとされるが、ストロール側が株式譲渡に難色を示したことで交渉は停滞したとも報じられている。

    “ストロール撤退”よりも焦点は権力構造の変化か
    現時点で、ローレンス・ストロールがアストンマーティンF1から即座に撤退するという話ではない。

    ただし今回の報道で重要なのは、“株主側がストロールの経営スタイルそのものを問題視し始めた”という点にある。これは単なる成績不振以上に、チーム運営の主導権や将来的な資本構造の変化につながる可能性を示唆している。

    アストンマーティンF1は、ニューウェイ加入やホンダとの提携によって“未来への大型投資”を進めてきたチームでもある。その一方で、結果が伴わなければ、外部資本や経営再編の議論が一気に加速しても不思議ではない状況になりつつある。

  • アストンマーティン・ホンダF1をメルセデスが警戒「2027年規則変更で一変も」

    アストンマーティン・ホンダF1をメルセデスが警戒「2027年規則変更で一変も」

    アストンマーティンとホンダは、2026年F1シーズン序盤で深刻な苦戦を強いられている。だが、ライバル陣営であるメルセデスF1は、その現状を決して額面通りには受け取っていない。

    メルセデスの首脳陣は、エイドリアン・ニューウェイとホンダという組み合わせを“過小評価すべきではない存在”として警戒しており、2027年のレギュレーション変更が勢力図を大きく塗り替える可能性があると見ている。

    今季のアストンマーティンは、AMR26の競争力不足とホンダ製パワーユニットの信頼性問題に苦しみ、開幕から下位に低迷。マイアミGPでは一定の改善を見せたものの、依然としてグリッド後方から抜け出せていない。

    その状況を受け、一部ではエイドリアン・ニューウェイのチーム代表就任そのものに疑問の声も上がっている。

    しかし、メルセデスF1副代表のブラッドリー・ロードは、独メディア『Champ1』の取材に対し、アストンマーティンとホンダを“見限る”考えはまったくないと語った。

    メルセデスF1はアストンマーティンとホンダを“過小評価せず”
    「本当に苦しい状況になったときこそ、そのチームの強さが見えるものだ」

    ブラッドリー・ロードはそう語り、困難な状況でチームがどのように結束し、立て直していくかが重要だと強調した。

    「我々は彼らをまったく過小評価していないし、見限ってもいない。ただ、彼らの前には非常に大きな仕事が待っているのは明らかだ」

    「だが、エイドリアン・ニューウェイを擁し、アストンマーティンの資金力と野心があり、さらにホンダのようなエンジンメーカー兼パートナーの技術力があるチームは、必ず戻ってきて戦うようになる。問題は、それがいつになるかだけだ」

    さらにロードは、2027年に導入される可能性がある新レギュレーションが、アストンマーティンとホンダにとって特に大きな転機になる可能性を示唆した。

    「F1では、チームは1年で大きく変わることがある。特に2027年に新しいレギュレーションが導入されればなおさらだ」

    「だからこそ、彼らを見くびるのは最大の間違いになる」

    「我々はアストンマーティンが持っている力と、この数年で見せてきたものに大きな敬意を抱いている。今年後半なのか、来年なのかは分からないが、彼らは必ず強くなって戻ってくると考えている」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ホンダ支援問題と2027年への視線
    現在のF1パドックでは、ホンダに対する“ADOU支援パッケージ”も大きな議論になっている。

    F1チーム側は、ホンダがプロジェクト撤退を避けられるよう、総額1400万ポンド規模の技術支援を行う方向で調整を進めていると報じられている。

    一方で、その支援策が将来的にアストンマーティンとホンダの競争力向上につながり、自らのライバルを強化する結果になるのではないかとの懸念も存在する。

    実際、レッドブル時代のホンダが、マクラーレンとの苦戦を経て王者争いを演じるまでに成長した前例は、F1関係者の間でも強く意識されている。

    アストンマーティンは現在、7月のベルギーGP投入を目指してAMR26の大規模アップデートを進めている。

    エイドリアン・ニューウェイ主導による全面的な見直しが成功すれば、2026年後半戦から勢力図が変化し始める可能性もある。

    【関連】
    ・ホンダのF1継続に暗雲 経営悪化とV8回帰論がアストンマーティン計画を直撃

  • エイドリアン・ニューウェイ アストンマーティンF1の“混乱状態”に困惑

    エイドリアン・ニューウェイ アストンマーティンF1の“混乱状態”に困惑

    エイドリアン・ニューウェイがアストンマーティン加入を決断したとき、ローレンス・ストロールが描いていたのは“F1最強布陣”だった。レッドブル離脱後のニューウェイ獲得は、巨額投資を続けるアストンマーティンにとって象徴的な出来事であり、チームをタイトル争いへ押し上げる最後のピースと見られていた。

    しかし、2026年シーズン開幕後に露呈した現実は、その理想像とは大きく異なっていた。AMR26はグリッド最後尾に沈み、ホンダ製パワーユニットの深刻な振動問題にも苦しめられている。

    そんな中、イタリア『Motorsport IT』は、ニューウェイ自身がファクトリー内部の“混乱”に衝撃を受けていたと報じている。

    アストンマーティン内部で進んでいた人員流出
    ニューウェイはアストンマーティン加入時、チーム内部が大規模な人員再編の渦中にあるとは想定していなかったという。実際には新規加入よりも離脱者の方が多く、設計部門だけでも少なくとも7人が去ったとされる。

    さらに2024年末にはCEOのマーティン・ウィットマーシュも退任。チームはメルセデスとの長年の関係を終え、ホンダ時代への移行準備を進めていたが、その過程で組織内部の連携は十分に機能していなかったとみられている。

    特に問題視されているのが、ホンダとの関係構築だ。アンディ・コーウェルは2025年後半にニューウェイへチーム代表職を譲る過程で、日本メーカーとの関係を十分に管理できていなかったと指摘されている。

    “ソーラーパネル”発言の背景
    ニューウェイは開幕戦オーストラリアGPの記者会見で、ホンダ側の予想外の人員変更に不満を示していた。

    「最高のエンジニアたちはソーラーパネルか何かを作りに行ってしまった」

    この発言は当時、大きな波紋を呼んだが、その背景にはアストンマーティン内部の情報共有不足があった可能性も指摘されている。

    結果としてAMR26開発段階では深刻なエンジン振動が発覚。振動はニューウェイのシャシー設計だけでなくバッテリーにも悪影響を与え、ドライバーが走行中にステアリングから手を離さざるを得ない場面まで発生したとされる。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    “金を投じれば成功する”は通用しなかった
    ローレンス・ストロールはニューウェイ、アンディ・コーウェル、さらにフェラーリからエンリコ・カルディレを招き入れることで、一気に“トップチーム文化”を構築できると考えていたとみられる。

    しかし現実には、世界的エンジニアを集めるだけでは組織は機能しない。現在のアストンマーティンはノーポイント、5回のリタイアという厳しい状況に陥っており、組織としての一貫性やビジョン不足の代償を払っているようにも見える。

    巨大ファクトリー、莫大な投資、トップ人材――。表面的な条件は揃っていても、F1では組織全体の統合と長期的な安定が不可欠だという現実を、アストンマーティンは痛感している段階なのかもしれない。