カテゴリー: アストンマーティンF1チーム

  • フェリペ・ドルゴヴィッチ F1カナダGPで代役出場ならル・マン24時間は辞退

    フェリペ・ドルゴヴィッチ F1カナダGPで代役出場ならル・マン24時間は辞退

    フェリペ・ドルゴヴィッチは、F1カナダGPで負傷欠場の可能性があるランス・ストロールの代役として出走できるなら、ル・マン24時間レースの参戦を辞退する用意があることを示唆した。彼は「自分の最優先は常にF1だ」と語っている。

    ストロールは、2023年のプレシーズン中に自転車事故で骨折した右手首の痛みが悪化し、スペインGPの予選後に欠場を決定。予選14番手という結果の後だったため、F1の規定上、アストンマーティンは代役ドライバーを起用できず、チームはフェルナンド・アロンソ1台体制でレースに臨むこととなった。

    アロンソは、マックス・フェルスタッペンの終盤のペナルティもあり、9位でフィニッシュしている。

    ドルゴヴィッチはアストンマーティンのリザーブドライバーとしてスペインGP現地にいたが、ストロールの欠場決定が遅れたため出走の機会はなかった。

    ストロールが手術を受けた箇所の回復時期は不透明で、6月13日~15日に開催される母国カナダGPに間に合うかは微妙な状況となっている。

    ドルゴヴィッチは当初、同週末にル・マン24時間レースへキャデラック・ウィレンの#311ハイパーカーで出場する予定だった。同車のラインアップにはジャック・エイトケンとフレデリック・ヴェスティも含まれている。

    ドルゴヴィッチがアストンマーティンとの契約においてF1参戦を優先できる条項を持っているかは明らかになっていないが、2022年F2王者である彼は、F1出走のためにル・マン欠場も辞さない姿勢を示している。

    ブラジルのテレビ局「バンデ」の記者チアゴ・ファニャーニとの会話で、ドルゴヴィッチは次のように語った。

    「現時点では、これからどうなるのか正直なところ自分でもよく分かっていない。ただまずは、ランスの回復を願いたい。ル・マンについて言えば、自分にとって最優先なのは常にF1であり、その方針は今後も変わらないはずだ」

    フェリペ・ドルゴヴィッチ アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    なお、アストンマーティンのもう1人のリザーブドライバーであるストフェル・バンドーンも、同じ週末にプジョーの#94ハイパーカーでル・マンに出場する予定であるため、出場が難しい可能性が高い。

    その他の候補としては、開発ドライバーのジャック・クロフォードがいるが、彼はまだF1出走に必要なFIAスーパーライセンスを取得していないとされている。

    別の選択肢として、アストンマーティンのエンジンパートナーであるメルセデスから、リザーブドライバーであるバルテリ・ボッタスの起用を打診する可能性もある。ボッタスにはカナダGPと重なるレース予定はない。

  • フェルナンド・アロンソ F1スペインGPで創造的オーバーテイク 今季初ポイント

    フェルナンド・アロンソ F1スペインGPで創造的オーバーテイク 今季初ポイント

    グラベルからポイントへ。2025年F1スペインGPでアストンマーティンの唯一の出走ドライバーとなったフェルナンド・アロンソは、レース序盤のミスを見事に挽回し、母国レースで今季初のポイントフィニッシュを達成した。

    しかしアロンソは、DRSを使ってもライバルを抜くのが難しい現状に苦言を呈し、複雑な心境でレースを終えたと語った。

    地元ファンの声援を受け、アロンソはレース序盤にコントロールを失ってグラベルに飛び出す場面があったものの、巧みに立て直して再び走行を続行。10位でチェッカーを受けた後、マックス・フェルスタッペンのタイムペナルティによって最終順位が繰り上がり、9位でフィニッシュとなった。

    アロンソにとってこれは今季初のポイント獲得で、長かった無得点の流れに終止符を打つ結果となった。

    「もちろんポイントが取れてうれしいよ。9位は今季初の2ポイントだ。やっと“今週末こそポイント取れるのか”っていう木曜の恒例質問からも解放される」

    「でも正直、レースではもう少し期待していた部分もあった」とアロンソはレース後に語った。

    予選では10番手とまずまずの結果を出していたが、決勝では思ったほど競争力が感じられなかったという。

    「予選の方がまだ競争力を感じていたんだ。決勝ではフロントタイヤの摩耗が激しくて、スティント開始から7周ほどで左フロントはほとんど終わっていた」

    「それにトップスピードが足りない。ストレートでかなり損をしていたよ。DRSを使っても1回も抜けなかった。全部ターン3の外側から仕掛けた。普通ならあんな場所で抜くなんてあり得ないけど、そういう“発明”をしなきゃいけなかった」

    「イモラでもターン7の出口で3回ぐらい抜いた。こういう状況を何とかしなきゃいけない。普通にDRSで抜けるようにしないとね、みんながやってるように」

    フェルナンド・アロンソ スペイングランプリ F1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    熟練のアロンソだからこそ“異常な”場所でのオーバーテイクが可能だったとも言えるが、それが必要になること自体が、アストンマーティンのマシンの弱点を物語っている。

    「土曜の予選ではけっこう戦えてるけど、日曜になると一歩後退してる感じなんだ」

    「今日はうれしい結果だけどね。初ポイントだし、セーフティカーのタイミングもよかった。でも、木曜から週末をやり直せるなら、日曜に強くなる方向にマシンを変えたい」

    「これでチームとしても少しプレッシャーが軽くなるし、Q3に安定して進めるようにしたい。このレースで3戦連続のQ3進出になったし、今回やっと初めてポイントも取れた。今後、土曜も日曜もコンスタントにトップ10に入れるような土台を作れれば、チーム全体にとってプラスになるはずだよ」

    現在アストンマーティンはコンストラクターズランキングで16ポイントを獲得しており、ニコ・ヒュルケンベルグの5位入賞によって同じく16ポイントとなったザウバーと並んで9位につけている。

    「今日はザウバーが大量にポイントを取ったから、僕らも毎週、あるいは2週に1回はポイントを取らないといけない。レベルを引き上げていく必要がある」とアロンソは語った。

  • ランス・ストロール F1スペインGP欠場を発表「手と手首に痛み」

    ランス・ストロール F1スペインGP欠場を発表「手と手首に痛み」

    アストンマーティンは、ランス・ストロールがF1スペインGPを欠場することを正式に発表した。カナダ出身のストロールは、手と手首の痛みを訴えており、週末の残りのセッションには出場しない。

    ランス・ストロールはバルセロナのカタロニア・サーキットで行われた予選に参加し、14番手でセッションを終えていたが、アストンマーティンはその数時間後、ストロールが決勝を欠場することを発表した。

    アストンマーティンの声明にはこう記されている。

    「過去6週間にわたり、ランスは手と手首に痛みを感じていました。彼の医療担当医は、これは2023年に受けた手術に関連していると考えています」

    「そのため、彼の医療チームは、問題を修復するための処置を行うこと、そしてその後に回復に専念することを決定しました」

    ランス・ストロール スペインGP F1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ランス・ストロールは2023年プレシーズン中の自転車事故で手首を骨折し、つま先も骨折しており、手術とリハビリを経てシーズン開幕戦に復帰していた。バーレーンGPでは、当初医療チームから出場は難しいと見られていたにもかかわらず、6位入賞を果たしていた。

    2024年シーズンを前に、ストロールはトレーニング内容をより慎重なものに変更していたと語っていた。

    2025年はストロールにとってアストンマーティンでの7シーズン目となる。彼は2019年に、当時レーシング・ポイントの名称で参戦していたチームに加入している。

    今季ここまで、ストロールはドライバーズランキング11位(14ポイント)につけており、チームはコンストラクターズランキングで8位に位置している。一方のチームメイト、フェルナンド・アロンソは未だ今季初ポイントを獲得しておらず、スペインGPでは10番グリッドからのスタートとなる。

  • フェルナンド・アロンソ F1モナコGPを擁護「批判しても結局来年も盛り上がる」

    フェルナンド・アロンソ F1モナコGPを擁護「批判しても結局来年も盛り上がる」

    フェルナンド・アロンソは、今季も批判を浴びたF1モナコGPに対し、その特異性こそがレースの本質だと擁護する発言を行った。

    今季のモナコGPでは、ランド・ノリスがポールポジションから優勝を果たし、地元の英雄シャルル・ルクレールが2位に続いたが、今年も追い抜きの少なさや義務的な2回のピットストップルールが機能しなかったことに対して、ドライバーやチーム代表たちから不満の声が相次いだ。

    モナコのレイアウト、現代F1マシンの大型化による影響、そしてピット戦略の在り方など、改善策を求める声が広がる中で、アロンソはむしろその制約がモナコらしさだと強調する。

    「モナコは昔からずっとモナコだ。今は期待値がすごく高くて、メディアも多いし、SNSやネットの影響もあって、F1に関するいろんな議論が生まれている」とアロンソはメディアに語った。

    「みんなショーを求めているし、オーバーテイクが見たいし、家のソファに座ってスポーツを良くしたいって思ってる。でも、月曜日になるとモナコに対するネガティブなコメントが出るのを見るたびに驚くんだ。心配しなくていい。来年の水曜日になれば、みんなまたモナコを楽しみにしてるから」

    「これが現実だよ。すべてのカードを土曜日に出し切る。それが良いこともあれば、悪いこともある。でも、そんな性質のサーキットは他にもある」

    「今はグリッド全体がすごく競争的だけど、それでもこういう状況は起こる。2~3年前には、マックスとレッドブルがほとんどのレースを勝っていたし、90年代にはマクラーレンがそうだった。それがF1だ」

    「それでもこのスポーツはナンバーワンだし、僕たちはその姿を受け入れている」

    モナコGP F1 フェルナンド・アロンソ モナコグランプリ

    アロンソは「モナコに修正は不要」とも発言しており、レイアウト変更やルール改革を求める声に対しては慎重な姿勢を見せた。

    「ランス(ストロール)がニコ(ヒュルケンベルグ)を最終ラップで抜いた。モナコでは3年に1回見られるようなオーバーテイクだよ。でも、それがモナコの本質なんだ」

    「だけど、みんなは“悪い”ということばかりに焦点を当てて、“良い”ことを語ろうとしない。これがモナコなんだ」

    「もちろん、関係者みんなでモナコについてアイデアを出し合うこともできるかもしれない。でも、何かを変える必要があるとは思わない。結局は、今は“コンテンツ”がたくさん求められていて、僕たちドライバーは“良い人すぎる”から、全部の質問に答えてしまうだけなんだよ」

    「もし40年前にアイルトン・セナやアラン・プロストにモナコについて聞いていたら、今の僕たちほど礼儀正しくはなかったと思う」

  • アストンマーティンF1の未来に影? ニューウェイとチーム首脳が見解相違

    アストンマーティンF1の未来に影? ニューウェイとチーム首脳が見解相違

    エイドリアン・ニューウェイとアストンマーティンの経営陣の間で、初めて公の場での見解の相違が明らかになった。

    3月にシルバーストンのチームに加わって以来、ニューウェイは2026年の新型マシン開発に集中的に取り組んできた。先週末のF1モナコGPでは、緑のチームウエアを身にまとい、アストンマーティンの一員として初めてグランプリに姿を見せた。

    ニューウェイは、ローレンス・ストロールが巨額の設備投資を行っているにもかかわらず「我々のツールの一部は弱い」と率直に語った。

    「特にシミュレーターだ」とニューウェイは説明した。「現状では相関性がまったくなくて、大幅な改善が必要だ。開発においては基本的なツールなのに、それが機能しないのは制約になる。おそらく2年がかりのプロジェクトになると思う」

    このコメントは、今後2年間のタイトル争いが現実的ではない可能性を示唆するものにもなりかねず、チーム代表のアンディ・コーウェルはこの見解とタイムラインに異を唱えた。

    「2年も必要ではない」とコーウェルは反論した。

    「こういったツールの調整には確かに時間はかかるが、それは年単位ではなく、数か月単位の話だ」

    「さっきのブリーフィングでも、『ドライバーはシミュレーターでこう感じた』『実車ではこうだった』という話が出た。その間にズレがある。じゃあ今どうするか、という段階だ」

    「我々は今もドライバーをシミュレーターに乗せているが、セットアップ変更の適用には少し慎重になっている」とコーウェルは付け加えた。「だが、2年かかるとは思っていないし、これはエイドリアンと私の意見の対立という話ではない」

    「時間が経てばツールへの信頼も高まり、それを本格的な開発手段として使えるようになる。そのプロセスを進めているだけで、新しいツールを導入するどのチームにも見られるごく普通の流れだ」

    エイドリアン・ニューウェイ アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    アストンマーティンは、2026年に導入される大幅なパワーユニットと車体レギュレーションの変更により、最も大きな飛躍が期待されるチームのひとつだ。ニューウェイ、フェルナンド・アロンソ、そしてホンダのワークスエンジンという要素が揃っている。

    「僕たちは全員2026年マシンの開発に取り組んでいる」とアロンソは、火曜日に行われたスペインGP前のイベントで語った。「でも、他のマシンとの比較材料がない。見えているのは自分たちのマシンだけだ」

    「だからこそ、自分たちの人材、施設、エンジニア、そしてエイドリアン・ニューウェイを信じるしかない。それが僕たちにとって最大の保証だ。確実なものは何もないけれど、最高の人物がマシンをつくっている。それは間違いなく助けになる」

    アストンマーティンはさらに、これまでメルセデスから供給を受けていた顧客パワーユニットから脱却し、ホンダのワークスエンジンを搭載することで、F1マシンの設計に対する責任をより大きく担う方針だ。

    「僕たちはチームとして初めて、自社でギアボックスを製造する予定だ」とアロンソは明かした。

    「これまでこのチームは、エンジンもギアボックスもメルセデスから購入していた。でも今後は、エンジンはホンダ製、そしてギアボックスは初めて自分たちでつくることになる。これらも決して軽く見てはいけない課題であり、全力で取り組まなければならない」

  • ランス・ストロールをニューウェイが擁護「評判よりずっと良いF1ドライバー」

    ランス・ストロールをニューウェイが擁護「評判よりずっと良いF1ドライバー」

    アストンマーティンで新たな一歩を踏み出したエイドリアン・ニューウェイが、チームのドライバーであるランス・ストロールについて公の場で擁護の姿勢を見せた。

    ランス・ストロールは、父ローレンスがチームオーナーという立場から批判の声も少なくないが、F1界屈指の名デザイナーであるニューウェイは、実力を正当に評価するよう訴えている。

    「ランスを過小評価するのは間違っている」とニューウェイは語る。

    「彼がこれまでに戦ってきたチームメイトを見てほしい。チェコ(ペレス)、ニコ(ヒュルケンベルグ)、セバスチャン(ベッテル)、そして今はフェルナンド(アロンソ)。どのドライバーも非常に優れているが、その中でランスは常に“そこにいる”存在だった。彼は人々が思っているよりずっと良いドライバーだ」と述べた。

    ニューウェイは今年3月にアストンマーティンへ加入し、以後ファクトリーでの作業に没頭。モナコGPで初めて現地に帯同した際、「2週間前に1回だけ週末を休んだが、それ以外はずっとファクトリーにいる」と語った。

    「妻は、私がデザインに没頭すると“トランス状態になる”と言うが、それは分かる。集中力が極限まで高まっていて、頭の中のすべての処理能力が設計に注がれている」と話し、その情熱は今も変わらない。

    特にニューウェイが多くの時間を費やしているのが、2026年から導入される新レギュレーション対応マシンの開発だ。現時点で「99%」のリソースをそこに集中していると明かしつつ、2025年マシンの開発チームとの意見交換も行っているという。

    「彼らとマシンの長所や弱点について話すことで、互いに学び合える部分もある」

    一方で、アストンマーティンの設備には課題も残ると指摘する。

    「一部のツールはまだ不十分だ。特にシミュレーターは相関性が取れておらず、開発において大きな制限になっている。理想の状態に持っていくには2年ほどかかるだろう」

    また、チームの急成長に対する組織体制の整備も必要だと強調した。

    「人材は非常に優秀だが、より良い組織体制の中で機能させていく必要がある。このチームは元々ジョーダン、フォース・インディア、レーシング・ポイントと姿を変えてきた経緯があり、限られたリソースの中で想像を超えるパフォーマンスを発揮してきた。でも、今は急激に成長しており、それに見合う体制を整える段階にある」

    新ファクトリーと風洞については「間違いなくF1で最高」と評価しながらも、「それらは非常に複雑なツールであり、まだ開発段階にある。最終的に差を生むのは人間の力だ」と付け加えた。

    エイドリアン・ニューウェイ アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    そしてもう一人のドライバー、フェルナンド・アロンソについても高く評価している。

    「フェルナンドは非常に重要な存在だ。彼とルイス(ハミルトン)は長年のライバルだったが、私が今のF1で一緒に働きたいと思っていたのはこの2人だった。2人ともとは叶わなかったが、少なくとも今はフェルナンドと仕事ができている」

    ただし、来年のマシンがアロンソに3度目のタイトルをもたらすことができるかと問われると、ニューウェイは慎重な姿勢を崩さなかった。

    「それは全く分からない」

  • エイドリアン・ニューウェイ F1モナコGPでマクラーレンMCL39を注視

    エイドリアン・ニューウェイ F1モナコGPでマクラーレンMCL39を注視

    F1モナコGPの決勝前、グリッド上でアストンマーティンのエイドリアン・ニューウェイが、今季絶好調のマクラーレンMCL39を熱心に観察する姿が目撃された。

    F1史上最も成功を収めた設計者であるニューウェイにとって、これはアストンマーティン加入後初のサーキット現地視察であり、昨年レッドブルを離れて以来初のレース現場でもある。

    66歳のニューウェイは、開幕戦オーストラリアGPの約2週間前に「マネージング・テクニカル・パートナー」という新設ポジションで正式にアストンマーティン入りし、チームの株主にもなっている。現在は2026年のF1新レギュレーション下でのマシン開発を主導している。

    今回のモナコ訪問では、これまで数か月にわたってシルバーストンのファクトリーで学んできたアストンマーティンのオペレーションを、実戦で確認する貴重な機会となった。

    グリッド上でノート片手に他チームのマシンをじっくり観察するのは、ニューウェイの“お家芸”とも言えるルーティンだ。PlanetF1.comの現地記者トーマス・マーは、決勝直前にオスカー・ピアストリの駆るマクラーレンMCL39に目を留め、興味深そうに眺めるニューウェイの姿を捉えたという。

    その後、ニューウェイはレッドブルF1のチーム代表クリスチャン・ホーナーと談笑する姿も見られた。両者はレッドブル在籍時代、約20年にわたって共に成功を築き上げてきた間柄だ。なおホーナーはモナコGP週末の早い段階で、「ニューウェイがアストンマーティンの緑の制服を着ているのを見るのはまだ慣れない。まるで“巨大な鼻くそ”みたいだ」とジョークを飛ばしていた。

    エイドリアン・ニューウェイ アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    マクラーレンMCL39は今季8戦中6勝を挙げており、多くのF1技術者やライバルチームの関心を集めている。マイアミGP後にはFIAによる徹底的な車体検査が行われたが、技術規則に完全準拠していることが確認された。

    PlanetF1.comによるザク・ブラウンCEOの独占インタビューでは、ライバルからの“技術的トリック”疑惑について尋ねられたが、同氏は一蹴している。

    「気にしていない」とブラウンは語り、こう続けた。

    「探してもらってかまわない。見つかるのは、ただマクラーレンの素晴らしい男女スタッフが作り上げた、良いレースカーだけだ。みんな本当によくやっている」

    「マシンのどこかに“魔法の弾丸”があるわけじゃない」

    「でも他のチームがそれを信じて探し続けるなら、それはそれでいい。そんなゴーストを探すのに時間を費やすより、自分たちのクルマを開発する方が建設的だと思うけどね」

    「何もないものを見つけようと必死になるのなら、それはむしろ我々にとって都合がいいよ」

  • エイドリアン・ニューウェイが語るアストンマーティンF1移籍後初の挑戦と展望

    エイドリアン・ニューウェイが語るアストンマーティンF1移籍後初の挑戦と展望

    モナコの木曜午後、太陽が象徴的な公国を照らすなか、アストンマーティンの豪華なモーターホームの屋上で、エイドリアン・ニューウェイはレモン入りのソフトドリンクを片手にインタビューに臨んでいた。

    今年3月3日にアストンマーティンでの仕事を始めて以来、ニューウェイがサーキットに姿を見せるのはこれが初めてだ。今月初めに1度だけ週末の休みを取ったことを除けば、それ以外の時間はほぼすべてをオフィスで、製図台の前で過ごしてきたという。

    「妻にも言われるし、自分でも気づいてはいるけど、私はちょっと“デザイントランス”みたいな状態に入ってしまうんだ」とニューウェイは語る。

    「周囲のことにはほとんど気づかず、限られた処理能力のすべてを使ってマシンの設計と、締め切りをどう乗り越えるかに集中してしまう」

    「おもしろいことに、マクラーレンに入ったときも、翌年に大きなレギュレーション変更が控えていた。私は8月1日に入社して、翌年2月には新車を走らせていた」

    「でも、今のマシンはとにかく複雑で、研究ツールも非常に高度だ。だから、3月初めにスタートした今回、2月に走行させるという締め切りに追いつくのが本当に大変なんだ」

    エイドリアン・ニューウェイアストンマーティンF1のCEO兼チーム代表アンディ・コーウェルと並ぶエイドリアン・ニューウェイ

    「我々のツールには弱点がある」
    アストンマーティンは、2023年にシーズン序盤8戦で6回表彰台に立った勢いを失って以降、今やコンストラクターズランキング7位に低迷している。その現状は、チームを買収して救い上げたローレンス・ストロールが思い描いていた未来とは大きくかけ離れている。

    だからこそ、65歳のニューウェイは時間の許す限り仕事に打ち込み、チームをトップ争いに引き上げようとしている。彼の視線は2026年に向いている。シャシーとパワーユニットの大規模なレギュレーション変更があるからだ。

    「経験上、締め切りを少しずつ後ろ倒しにするのは魅力的なんだけど、やりすぎると細部でミスが出る。それを避けたくてね」

    ニューウェイはこの3カ月間をアストンマーティンのシルバーストーン拠点で過ごし、施設や開発体制の実態を把握してきた。拠点自体は最先端でF1界でもトップクラスだが、課題もあるという。

    「我々のツールにはいくつか弱点があるのは確かだ。特にドライバー・イン・ザ・ループ(DIL)シミュレーターは現状、まったく相関性が取れていない。これは基礎的な研究ツールなので、大きな問題だ」

    元をたどればこのチームは、エディ・ジョーダンが創設した小さな独立系チーム「ジョーダン」が始まりだ。少ない予算で効率的に戦ってきた歴史がある。ただ、資源が増えたからといって、それをうまく使いこなすのはまた別の話だ。

    「ジョーダン、フォースインディア、レーシングポイントと変遷してきたチームは、少人数で成果を上げてきた。でも、ここ最近は急激に拡大したことで、組織構造を見直して、効率的に連携できる体制を整える必要がある。シミュレーションツールも開発を進める必要がある。現状そこが大きな弱点のひとつだ」

    「2年がかりのプロジェクトになる」

    こうした改善には時間がかかると認めつつも、ニューウェイはその挑戦を楽しんでいるようだ。新たにCEO兼チーム代表に就任したアンディ・コーウェルとの連携も心強いという。

    「アンディ・コーウェルとは昔からの知り合いで、今はうまく役割を分担して各自の仕事に取り組めている。チームをあるべき姿に導くためのプランをまとめるには、正直なところ2年はかかると思っている」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチームモナコの現地入りを果たしたエイドリアン・ニューウェイ

    「私は昔から“チーム内の異端児”だった」
    そんな中でも、ニューウェイは自分のスタイルを貫いている。

    「レイトンハウス時代からずっとそうだけど、私は自由に動けるように、なるべく直属の部下を持たないようにしている」

    「チームの中では、私のやり方がちょっと異端だと思われてきたかもしれない。でも私は、同僚たちと一緒に議論しながら、一方で製図台に向かって“全体像”を考えるスタイルなんだ」

    その自由な発想と手法こそが、マクラーレン、ウィリアムズ、レッドブルでタイトルを勝ち取ってきたニューウェイの強みだ。ただ、それは時に予測不可能でもある。

    「こうした大きなレギュレーション変更期には、どのチームもリソースに限りがある。アストンマーティンは特に“新参者”だから、いくつかの面ではリソース不足が目立つ」

    「よく例えるんだけど、複数の山の頂があるとして、どの山が最も高いのかは登ってみないとわからない。でも、谷を越えなければ他の山に登ることもできない。だからこそ、我々はひとつの道を選び、その方向に賭けるしかない」

    %image(img2025/20250527-adrian-newey-03.jpg|500|333|エイドリアン・ニューウェイ アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)%>ニューウェイの関心は2026年型アストンマーティンに集中している

    「2026年マシンに集中してきた」
    アストンマーティンは今季これまで決勝レースで2度しかポイントを獲得できていない。フェルナンド・アロンソはトップ10入りすら果たしていない。こうした状況でも、ニューウェイは今季型マシンには大きく関与せず、「ランチタイムの雑談」程度の助言に留めている。

    「私はそういう意味では規律があるというか、集中すると他が見えなくなるタイプなんだ。だから2026年マシンに集中してきた」

    「ただ、ランチの時間には2025年型を担当する少数チームと雑談をして、アイデアを出し合っている。シルバーストン(イギリスGP)あたりでアップグレードを予定していて、そこで何か成果が出るかもしれない」

    この3カ月、拠点での体制把握に集中していたニューウェイだが、モナコでついにサーキットに姿を現した。今週末は主にオブザーバーとして、ドライバーや現場スタッフとの関係構築を重視するという。

    そして、日曜にはノートとクリップボードを手にグリッドを歩く姿も見られるはずだ。他チームの動向を観察し、記憶の引き出しにデータを蓄えるために。

    「実は、今季型のマシンをこの目で見るのは初めてなんだ。写真すらあまり見ていなかったからね。だから、冬の間に各チームが何をやってきたか、去年とどう変わったかを観察するのが楽しみだよ」

  • フェルナンド・アロンソ F1モナコGPで再びノーポイントも「来年勝てればいい」

    フェルナンド・アロンソ F1モナコGPで再びノーポイントも「来年勝てればいい」

    アストンマーティンのフェルナンド・アロンソは、またしても無得点に終わったモナコGP後、自身のパフォーマンスを強く擁護した。

    2025年シーズン初ポイント獲得の望みは、レース中盤に発生したパワーユニットのトラブルによって消えた。これでアロンソは、今季未だに1ポイントも獲得していない4人のドライバーの1人として、次戦スペインGP(母国GP)を迎えることになる。

    「僕は今、とても高いレベルで走れている」

    モナコGP後、アロンソはこう主張した。

    「F1ドライバーをやっていて、自信を失うなんてことは絶対にない。でも、たまには良い結果を出せると嬉しいものだよ」

    「顔に笑顔が浮かぶし、翌日ジムに行くときにも少しだけモチベーションが上がる。良いニュースがあると、そういう気分になる」

    「でも僕には、何の良いニュースもない。だから明日の朝もまたジムに行って、続けていくしかない」

    「パフォーマンスは維持できている。これが僕にとっての収穫だ。モナコはとても特別で、すごく特徴のある場所だし、予選では素晴らしいラップも出せた。DRSがない状況でも、決勝では良い走りができた」

    「もし、遅いペースや他のクルマとの接触、あるいは壁にぶつかったりと、自分のミスでポイントを失っていたら、すごくフラストレーションを感じていたと思う。でも実際には全く逆だ。自分の走りには満足しているし、チャンスを待っているところだ」

    フェルナンド・アロンソ モナコGP F1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    チームに早急な改善を望んでいるかと問われたアロンソは、次のように答えた。

    「正直なところ、今シーズンずっとこの調子でも構わないと思っている。来年オーストラリアで勝てるなら、それでいい」

    「バルセロナやカナダで8位になって8ポイントを取ろうが、年間で22ポイントを取ろうが、大して意味はない」

    「来年はレギュレーションが変わる。だからこそ、僕たちは来季に向けて本気でタイトル争いができるように期待している。今年はDNFを全部出し切っても構わないと思っているよ」

    なお、今回のモナコGPでは、アストンマーティンに新たに加入したエイドリアン・ニューウェイがパドックに姿を現した。アロンソは、2026年から導入される新レギュレーションにおいて、ニューウェイの影響力によってタイトル争いが可能になることを望んでいる。

    モナコGPでのリタイア原因について
    アロンソは、自身が途中リタイアに至った原因について次のように説明した。

    「15周目くらいからエンジンに問題が出ていた。エアシステムが機能せず、電気的なパワーもなかった。2017年のダニエル・リカルドと同じような感じで、160馬力もパワーが足りなかった」

    「でもモナコでは、パワーはそこまで重要じゃないから、ラップタイムはある程度キープできていた。P6を夢見て走っていたよ」

    「たぶん、それは現実的ではなかったけどね。でも、今日のレース内容自体は良かった。僕自身は昨日の予選でとても良い走りができたから、今日はチャンスを失ってしまった」

    「適切なパワーがなくて、またしてもレーススタートから全てがうまくいかなかった。今日の出来事は運が悪かったというわけじゃない」

    「空から何かが降ってきてクルマに当たったわけでもないし、チームがセーフティカーの判断を誤ったわけでもない。単に僕たちのエンジンがレースに向けてしっかり準備されていなかった。それが原因で完走できなかったんだ。今後に向けてしっかり調査して、同じことを繰り返さないようにしないといけない」

  • ストロール F1モナコGPで再び妨害行為 3グリッド降格ペナルティ追加

    ストロール F1モナコGPで再び妨害行為 3グリッド降格ペナルティ追加

    ランス・ストロールは、F1モナコGPの予選セッション中にピエール・ガスリーの走行を妨害したとして、新たにグリッド降格ペナルティを受けた。

    ストロールは、フリー走行中にシャルル・ルクレールと接触した件により、すでに1グリッド降格の処分を受けて予選に臨んでいたが、Q1セッション中、ヌーベルシケインのブレーキングゾーンでガスリーの走行を妨害した様子がテレビ映像に映し出された。

    ガスリーは無線でストロールの行為を「ショッキングだ」と表現して怒りを示し、一方のストロールは「アルピーヌのマシンが近づいていたことに気づいていなかった」と語っていた。

    スチュワードは映像やデータの確認、そして両ドライバーへの聴取を行った上で、Q1で2人とも敗退していたとはいえ、ストロールに対して3グリッド降格のペナルティを科す判断を下した。

    これにより、元々の1グリッド降格と合わせて合計4グリッドの降格処分となったが、ハースのルーキードライバー、オリー・ベアマンが10グリッド降格のペナルティを受けて最後尾に下がるため、ストロールのスターティンググリッドは19番手のままとなる見込みだ。

    スチュワードの報告書には、次のように記されている。

    「18号車(ストロール)は、10号車(ガスリー)がターン10に高速で進入してくるという情報を受けていた。だが、無線通信の記録によると、18号車には、同一周回の序盤で追い抜いた44号車(ハミルトン)も接近しており、その車が追い越してくることについては通知されていなかった」

    「18号車のドライバーは、通過させるべきマシンが1台だけだと誤って判断し、44号車(ハミルトン。高速ラップではなかった)が自身を追い越した後、再びレーシングラインに戻ったことで、高速ラップ中だった10号車(ガスリー)の進路を妨害することになった」

    「聴取の場で18号車のドライバーは、太陽の位置の影響で自身を追い越したマシンのカラーが確認できなかったと説明し、スチュワードはその点については受け入れた。しかし、それにより、通過させるべき車が他にいないと誤って判断してしまった」

    「こうした事情を踏まえ、通常通り3グリッド降格のペナルティを科すことにした」