カテゴリー: アストンマーティンF1チーム

  • ランス・ストロール 2026年レギュレーションに苦言「F1らしさが失われている」

    ランス・ストロール 2026年レギュレーションに苦言「F1らしさが失われている」

    ランス・ストロールが2026年から導入されるF1の新レギュレーションについて、公然と懸念を表明した。アストンマーティンのシミュレーターでプロトタイプ車をすでに試したというカナダ人ドライバーは、「F1らしさが失われてしまう」と率直な思いを口にしている。

    新規則では、出力の最大50%を電力で賄う新型パワーユニットの導入や、直線とコーナリングで空力特性を調整する可変エアロが特徴。また、全体的なダウンフォースも大幅に削減される予定だ。

    これらの変更はF1をより持続可能なスポーツとするための動きだが、ストロールはその方向性に否定的だ。

    「F1が電動化の道を歩み、バッテリーのためにダウンフォースを失わなければならないというのは、ちょっと残念だ」と、Racefansに語っている。

    「もっと軽くて、俊敏で、速くて、ダウンフォースがたくさんあるクルマを見たい。もっとシンプルにして、“エネルギー・バッテリー・チャンピオンシップ”ではなく、“F1レース・チャンピオンシップ”にすべきだと思う」

    ランス・ストロール F1 フォーミュラ1カー アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    FIAは「軽量で俊敏なマシン」を強調するが…
    FIAは、最低重量の引き下げやパッケージの見直しを通じて「俊敏なマシンコンセプト」を掲げているが、現時点では目標が達成できるかは不透明。ストロールの発言は、F1の伝統的な魅力が失われることへの懸念を反映している。

    「もっと大きな音がして、ちょっと軽くて、あまりエネルギーやバッテリーに依存しないクルマの方がワクワクするよ。それがレースってものじゃないのかな」

    「政治的に発言できないドライバーもいる」
    フェラーリのシャルル・ルクレールも、シミュレーターでのテストを踏まえて「楽しいクルマとは言えない」とコメントしているが、ストロールは他にも不満を抱えているドライバーがいると示唆する。

    「僕はこの方向性が好きじゃない。でももし僕たちのクルマが速くて、競争力があって、ライバルよりも良いパフォーマンスができていれば、誰も文句は言わないだろうね」

    「多くのドライバーが僕と同じ意見だと思うよ。政治的な理由で本音を言えない人もいるだろうけど」

    公平な競争という側面には理解も
    2026年の規則改定にはマックス・フェルスタッペンも懸念を示しており、とくにエネルギー回生とその管理がレースの中心になってしまう点を問題視している。

    一方でストロールは、全チームが同じ条件で戦うという点では前向きに捉えている。

    「来年はすべてのチームにとって同じ条件だし、誰がそれを一番うまくやれるかが勝負になる。きっと、それが得意なチームはこの新レギュレーションを気に入るんじゃないかな」

    F1が持続可能性と伝統的なレースの魅力の間でバランスを模索する中で、ストロールの発言は現場の率直な声として注目を集めそうだ。

  • エイドリアン・ニューウェイ 現行F1マシンに無関心な理由とその意味

    エイドリアン・ニューウェイ 現行F1マシンに無関心な理由とその意味

    エイドリアン・ニューウェイがF1イギリスGPの週末に久々に現地入りした。3月にアストンマーティン入りして以来、5月のモナコGPとグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードを除けば、ニューウェイはシルバーストン近郊のチーム施設にこもっていた。

    ニューウェイはグリッド上でスケッチブックを手にしていた。1992年以降で12回のコンストラクターズタイトル獲得に貢献した名匠であっても、他チームのアイデアから学ぶ姿勢を崩さない。

    ただしニューウェイ本人の関心はあくまで2026年の技術レギュレーション変更に向けた新車開発に向けられており、現行マシンの問題解決に関わるつもりはない。

    フェルナンド・アロンソはイギリスGPでスペインのDAZNに対し、次のように語った。

    「彼は仕事に打ち込んでいて、とてもモチベーションが高いよ。ただ、今年のクルマにはあまり関心がないようなんだ。何か聞こうとすると、別のオフィスに行ってしまうんだよ。完全に2026年モードなんだ」

    このコメントには冗談めいたニュアンスも含まれていたが、ニューウェイが移籍先チームで既存プロジェクトに関与しないのはこれまでも一貫している。最初に手がけたウィリアムズFW14は、それ以前に設計していたレイトンハウスCG901の影響が色濃く、前任車のFW13との類似点は少なかった。マクラーレンでは、ガーデニング休暇中に1998年のナロートラック規定に適合した新車の構想を進め、1997年型にはほぼ関わらなかった。レッドブルでも、RB2には意図的に関与を避けた。

    「RB2を理解しようとはしたけど……」と彼は当時語っていた。ただしすぐに「しかし」が続いた。前身のジャガー・レーシングから引き継いだ技術部門を再編する方が、RB2を“ましな車”に仕立て直すよりも重要だったからだ。

    そしてこれは、現在のアストンマーティンでも踏襲されている方針である。公の場では控えめに「開発ツールが弱い」とも述べている。

    エイドリアン・ニューウェイ F1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    期待と現実の狭間で
    この“再建期”を進めながら、同時に短期的な期待にも対応しなければならない。オーナーのローレンス・ストロールは短気で知られ、成績不振の週末明けには月曜の工場で厳しい叱責が飛ぶこともしばしばある。アロンソも40代となり、再び優勝争いができるマシンを待つ時間は限られている。

    一方、ランス・ストロールは表向きには無関心に見えるが、舞台裏で癇癪を起こすことがあるという報道もあり、状況改善には一定の関心があるようだ。

    こうした中で、CEO兼チーム代表のアンディ・コーウェルには、ニューウェイに自由を与えつつ、2024年型マシンでも最低限の前進を示すというバランス感覚が求められている。

    イモラで投入された新型フロアは一定の効果を発揮し、シルバーストンでは「フェンス」を含むさらなるアップデートが施されたが、惜しいところで終わった。

    アロンソはこう述べている。

    「前進は感じたよ。クルマのフィーリングも少し良くなった。データでも特定のセクターでは改善が見られる。すごく小さなアップグレードだけど、それでも歓迎すべきことだ。今のF1は、2〜3台が0.2秒以内で争ってるような状況だから、0.1秒、いや0.05秒でも価値がある」

    「重要なのは、チームが前向きにプッシュし続けているということ。中団に甘んじるつもりはない。シーズン終盤までにトップチームにできるだけ近づきたいんだ」

    この目標が見えてこない場合、ストロールが業を煮やしてニューウェイに現行マシンへの関与を求める可能性もある。だが、その時が来ても、エイドリアン・ニューウェイは――いつも通り――断固として応じないだろう。

  • アストンマーティンF1 ラッセル加入説を否定「現体制で来季コックピット設計」

    アストンマーティンF1 ラッセル加入説を否定「現体制で来季コックピット設計」

    メルセデスとの契約が2025年末で切れるジョージ・ラッセル。将来が不確かな中で、2026年のF1大変革期に向けて去就が注目されているが、アストンマーティンはその“受け皿”となる可能性を否定する構えを見せている。

    チーム代表アンディ・コーウェルは、現在のドライバーラインアップ――フェルナンド・アロンソとランス・ストロールの契約継続――が「2026年に向けた準備における安定性」として機能していると強調。

    これにより、ラッセルにとってアストンマーティンが“プランB”となる道も閉ざされた可能性がある。

    コーウェル「アロンソとストロールの存在が大きな助けに」
    アストンマーティンは2026年からホンダと新たなパワーユニット契約を結び、エイドリアン・ニューウェイを迎えて技術体制を刷新。大規模な体制変更に直面する中で、コーウェルは現在のドライバー陣の継続が鍵だと語る。

    「我々は非常に幸運だ。2026年に向けて、ホンダとのPU開発、ニューウェイによる空力設計、新施設など変化の連続だ。しかしランスとフェルナンドという2人の安定した存在があるからこそ、我々は今この段階で2026年以降を見据えた開発ができている」

    「彼らは風洞実験での空力議論にも関与し、ドライバー環境――例えばコックピットのスペースといった――についてもフィードバックをくれている。エイドリアンはコックピットを非常にタイトにする傾向があるが(笑)、そうした設計にも彼らの意見が反映されている」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム F1

    ラッセル、メルセデス残留は「極めて高い」も契約未定
    一方、ラッセルは「自分が2026年にメルセデスにいない可能性は極めて低い」としながらも、依然として契約延長の発表はなく、不透明な状況が続いている。マックス・フェルスタッペンのメルセデス移籍の噂がその背景にあると見られ、ラッセル自身も「(フェルスタッペンとの)継続的な交渉が契約延長の障害になっている」とほのめかしている。

    アントネッリ「チームは未来を見ている」
    仮にメルセデスがフェルスタッペンを迎え入れるとなれば、ラッセルか、現在チームでルーキーシーズンを戦うキミ・アントネッリのいずれかがシートを失う可能性がある。アントネッリも2025年までの契約で、将来は未確定だ。

    「明らかにいろいろなことが水面下で起きているけれど、チームは来年だけでなく、その先の将来も見据えて動いている。僕としてはただ自分のベストを尽くすだけ」

    「メルセデスからチャンスをもらって、他のチームとの話もしていないし、今いる場所に満足している。チームが僕に求めるものも理解しているし、全力を尽くしていくだけだよ」

    アントネッリはプレッシャーの中でも「心配はしていない」と語っており、メルセデス内部での評価と信頼を頼りに、自らの将来を切り開こうとしている。

  • アストンマーティン・ホンダF1の挑戦に「やりがいを感じている」とニューウェイ

    アストンマーティン・ホンダF1の挑戦に「やりがいを感じている」とニューウェイ

    エイドリアン・ニューウェイが、2026年に導入されるF1の大幅なレギュレーション変更に向けたマシン設計作業について「非常にやりがいを感じている」と語った。

    レッドブルの元テクニカルチーフである66歳のニューウェイは、クリスチャン・ホーナーがチームを離れる1年以上前の2023年シーズン中盤に退団を決意し、現在はアストンマーティンに加わって2026年型マシンの開発に専念している。

    シルバーストンでフェルナンド・アロンソは、「今季のマシンや改善点について質問しても、彼は別のオフィスに歩いていってしまうんだ」「彼の頭の中はすでに2026年だよ」と笑いながら語った。

    ニューウェイはF1史上屈指の名デザイナーとして知られており、現在も業界最高額の報酬を得ている。

    スペインのDAZNによれば、ニューウェイはグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで「私は今でも製図板を使う業界最後の恐竜のような存在だ」と発言。

    「私にとってそれはひとつの言語であり、頭の中のアイデアを媒体にアウトプットして、それを進化させていく手段なんだ」と語った。

    ニューウェイは、これまでにもウィリアムズ、マクラーレン、レッドブルで数々のタイトルを獲得してきたが、その多くは大規模なレギュレーション変更期に達成されたものだった。そうした背景からも、2026年にホンダ製パワーユニットを搭載するアストンマーティンには注目が集まっている。

    「新レギュレーションは非常に大きな挑戦だ」とニューウェイは語る。

    「シャシーとパワーユニットの規則が同時に変わるのは、おそらく今回が初めてだと思う。だから全チームがそれらをどう統合するか必死で取り組んでいる」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム F1

    なおニューウェイは以前、現行のF1レギュレーションが技術者にとってあまりにも制限的であると批判しており、特に2026年のルールには厳しい評価を下していた。

    しかし現在、その姿勢は大きく変わっている。

    「今回のレギュレーション変更には非常に刺激を受けている」とニューウェイは語る。

    「新しいアイデアを試す機会がある。それはどのチームにも同じことが言える。だから、我々が特別なことを成し遂げられると言うつもりはないが、それでもやはり非常にやりがいのある挑戦だ」

  • アストンマーティンF1の現状にアロンソ苦言「2025年はニューウェイの関心外」

    アストンマーティンF1の現状にアロンソ苦言「2025年はニューウェイの関心外」

    アストンマーティンのフェルナンド・アロンソは、2025年型マシンについてエイドリアン・ニューウェイがほとんど関心を示していないと語った。

    母国グランプリであるF1イギリスGPでは、アストンマーティンがアップグレードを投入したものの、チームは競争力を欠いたままだった。ランス・ストロールは決勝7位に入ったものの、無線では「正直言って、人生で運転した中で最悪のクソ車だ」と酷評した。

    アロンソはアップグレードの効果を一定程度認めつつも、改善幅はわずかだったと冷静に語る。

    「一歩前進ではあると思う。マシンのフィーリングも少し良くなった。データ上でも一部セクターでは確かに改善しているし、他の部分ではまだ分かりにくいけど、まあ小さな進歩ではあるけど歓迎すべきことだ」

    「たとえコンマ05秒とかコンマ1秒でも進歩なら受け入れる」とDAZNに語った。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    しかし、アストンマーティンにはF1史上最高の空力デザイナーと称されるエイドリアン・ニューウェイが在籍しているにもかかわらず、大きな成果が見えない点を疑問視する声もある。

    これについてアロンソはこう語った。

    「ニューウェイはちゃんと仕事をしているし、やる気もある。ただ、今年のマシンには興味がなさそうだね。何か質問しても、すぐに別のオフィスに行っちゃうんだ」と苦笑い。

    「彼の頭の中はもう2026年モードだよ」

    さらにアロンソは、イギリスGPでの自身のレース戦略がストロールに比べて著しく劣っていたことにも不満を示した。

    「もう次からはランスがピットに入ったら、僕も入ることにする。こういう状況では、彼のエンジニアグループの判断の方が正確なんだ」と皮肉を込めて語った。

  • アストンマーティンF1 メルセデスの古参デザイナー ダンカン・エリオットを獲得

    アストンマーティンF1 メルセデスの古参デザイナー ダンカン・エリオットを獲得

    アストンマーティンは、長年メルセデスに在籍していたF1デザイナーのダンカン・エリオットをチームに迎え入れた。エリオットは今週からシルバーストンに本拠を置く同チームで業務を開始している。

    アストンマーティンではチーフデザイナーとして起用され、ルカ・フルバット エンジニアリングディレクターの直属として働く。2026年の技術レギュレーション大刷新を前に、同チームの技術陣をさらに強化する動きの一環だ。

    エリオットは2024年シーズン終盤にメルセデスを離脱後、ガーデニング休暇を経て、今週ついにアストンマーティンでの業務を開始した。

    メルセデス時代は14年にわたり在籍し、その大半を「コンポジットデザイン部門責任者」として過ごした。チームが2014年から2020年にかけてドライバーおよびコンストラクタータイトルを独占し、2021年にもコンストラクターズタイトルを獲得した栄光の時代を技術面から支えた人物だ。

    それ以前は、ホンダおよびブラウンGPにてKERS(運動エネルギー回生システム)の開発を監督するシニアエンジニアを務めるなど、長年にわたってF1最前線で設計業務に携わってきた。

    エリオットのプロフィールによると、「コンポジットデザイン、サスペンション設計、トランスミッション、プロジェクトマネジメント、シャシー設計、機械工学といった多分野に精通する、経験豊富なF1デザイナー兼マネージャー」と自己紹介している。

    アストンマーティンではすでに、エイドリアン・ニューウェイを技術経営パートナーとして迎え、元フェラーリのテクニカルディレクターであるエンリコ・カルディレや、ボブ・ベル(テクニカル部門のエグゼクティブディレクター)、エリック・ブランダン、マイク・クラックといった面々が技術チームに名を連ねている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    こうした技術陣の増強について、同チームでエンジニアリングの指揮を執るアンディ・コーウェルは以下のように語っている。

    「それぞれの責任範囲が明確であることが重要だ。すでにシルバーストンには強力なエグゼクティブチームが存在しているし、そこに経験豊富な技術リーダーが加わっていく」

    「だが、そのすべての人材が『これはチームプレーなんだ』という意識を持っている。そして一人ひとりが異なる強みを持っている。それを最大限に活かし、うまく結びつけることが肝要だ」

    「例えば、シルバーストンのキャンパスで実験的に開発したアイデアをもとに、クルマを速くできると確信できれば、すぐに量産体制に移し、サーキットに迅速にパーツを届ける。それも高品質で、ぴったりと合致する状態で」

    「そしてマシンに搭載した際、すべての測定値が『確かに速くなる』と裏付けてくれる。もしトラック上のラップタイムに差異が生じたなら、それは品質や相関の問題なんだ」

    「エイドリアン(・ニューウェイ)もそれをよく理解している。彼は創造性において天才的であり、極めて競争心が強いが、組織全体の力が鍵になると知っている。それこそがローレンス(・ストロール)のビジョンに彼が惹かれた理由でもある」

    「我々はチームとして働く。互いに率直なフィードバックを与え合う。私自身もそうした姿勢を大切にしているし、『もっとよくなるために助けてほしい、もし愚かなことをしたと思ったら遠慮せず言ってくれ』という気持ちだ」

    「そうした率直で建設的なフィードバックこそが、我々を強くしていく。それぞれが持ち味を活かして、最終的には高パフォーマンスなチームと、非常に速いレーシングカーを実現することができると信じている」

  • 雨のF1レースは“ドライバーが違いを生む”という考えは「でたらめ」とアロンソ

    雨のF1レースは“ドライバーが違いを生む”という考えは「でたらめ」とアロンソ

    フェルナンド・アロンソは、F1においてウェットコンディションのレースではドライバーの腕が結果を左右するとされる見方について「そんなのはナンセンスだ」と一蹴した。

    アロンソは、ウェットからドライ、再びウェットと目まぐるしくコンディションが変化したシルバーストンでのF1イギリスGPで9位フィニッシュ。チームメイトのランス・ストロールは一時表彰台争いを繰り広げながらも、最終的に7位となった。

    このような難しいコンディションのレースでは、マシンの性能を上回る結果をドライバーの力で引き出せるとよく言われる。しかし、F1最多出走記録を持つアロンソ(通算413戦)は、そうした主張は「ナンセンスだ」と主張した。

    「僕には経験はあるけど、データは持っていない。コックピットの中でレーダーやタイヤの温度、グレイニングの状況、他のドライバーのラップタイムをすべて見られるわけじゃないんだ」とアロンソはRacingNews365を含むメディアに語った。

    「彼ら(ピットウォール)はいろんな要素を把握していて、ピットインの指示が出たら僕は従うよ。トラックの状態についてフィードバックはできるけど、それ以上のことはできない」

    「こんなコンディションをドライバーが制してレースに勝つなんて言ってる人がいるなら、それはナンセンスだ」

    「今のF1はクルマに備わったすべてのパラメータを使ってレースを進める、データ主導の世界なんだ。今回の最初のピットストップは難しい判断だったと思うけど、それは理解してる」

    フェルナンド・アロンソ

  • アストンマーティンF1とCoreWeaveが提携 ニューウェイ設計のマシンにAI技術

    アストンマーティンF1とCoreWeaveが提携 ニューウェイ設計のマシンにAI技術

    アストンマーティンF1チームは、2026年マシンの設計に向けてAIクラウド企業CoreWeave(コアウィーブ)と提携した。この複数年契約により、エイドリアン・ニューウェイの設計作業は最先端AIのサポートを受けることになる。

    モナコGP前後に発表された今回のパートナーシップでは、アストンマーティンの新設ウインドトンネル施設に「CoreWeave」の名が冠され、AIクラウド技術によるマシン開発支援が本格化する。

    「CoreWeaveはアストンマーティンの公式AIクラウドコンピューティングおよびインフラパートナーとなり、特にマシン設計や空力開発、戦略や分析における精度を新たなレベルへと引き上げることを目的に契約しました」と、CoreWeaveのチーフマーケティングオフィサーであるジーン・イングリッシュはAutosportに語った。

    レース週末におけるリアルタイムデータ分析や、NVIDIAの最新GPUによるAIクラウド移行なども支援範囲に含まれている。

    「我々はこの提携にとてもワクワクしています。CoreWeaveの名を冠した風洞、そしてニューウェイの加入。今こそ、CoreWeaveの強力なAIの力でどこまでできるかを追求する完璧なタイミングだと考えています」

    アストンマーティンはシルバーストンの本拠地に数百万ドル規模の投資を行い、F1キャンパスのアップグレードを進めている。CoreWeaveはその進化において重要な役割を担う。

    「人材と技術、そして共通の野心が揃いました。私たちはF1を単なるレースプラットフォームとしてではなく、AIエンジニアリングの最前線と捉えています」とイングリッシュは強調する。

    「私たちはAIに特化したクラウド企業です。スピード、パフォーマンス、信頼性、専門知識を提供し、AIの真価を引き出すことに集中しています」

    「風洞に関して言えば、AIクラウドのインフラを提供することで、空力シミュレーションの予測や、あらゆるパーツの数百回に及ぶ仮想テストを支えています。最終的に実走テストに投入されるのはその中で最適なものだけです」

    「すべてのレイヤーにおいて重要なのは“スピード”です。我々が提供するスピード、そしてそれによって最終的にマシンがトラックで発揮するスピードこそが鍵になります」

    CoreWeaveとの提携は複数年にわたり継続される予定であり、F1の未来におけるAI活用の重要性を象徴する試みでもある。

    「AIはもはや未来の話ではなく、F1の変革を支える根本的なツールです。好奇心と大胆な野心を持って、この先も共に歩んでいきます」

    アストンマーティンがCoreWeaveのAI技術を最大限に活用し、ニューウェイの創造性をさらに加速させることができれば、同チームは数年以内にF1の最前線で戦う強力な存在となるかもしれない。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

  • クリスチャン・ホーナー アストンマーティン・ホンダにF1代表として合流?

    クリスチャン・ホーナー アストンマーティン・ホンダにF1代表として合流?

    レッドブルを率いて20年にわたる成功を築いたクリスチャン・ホーナーがチーム代表職を解任され、次なる舞台としてアストンマーティン・ホンダへの加入が浮上している。

    クリスチャン・ホーナーは現在もレッドブルと契約上の関係にあるものの、すでに「オペレーション業務」からは外れており、他チームへの移籍が可能になる日は近いと見られている。

    今回の解任劇の背景には、ホーナーの後ろ盾だったタイの実業家チャレーム・ユーヴィディヤの持株比率が51%から49%へと引き下げられ、オーストリア側との権力バランスが均衡したことがあるとされる。

    ホーナーの去就にはすでに複数のF1チームが関心を示しており、フェラーリ、アルピーヌ、アストンマーティン、さらにはキャデラックの名が挙がっている。中でもホンダとワークス体制を築くアストンマーティンは、経験豊富な指導者を求める立場にあり、有力な選択肢となっている。

    元レッドブルのF1ドライバー、ロバート・ドーンボスはオランダのNOSに対して「彼がまたパドックに戻ってくるのは間違いない。けどフェラーリは家族への影響が大きすぎると思う。彼は生粋のイギリス人で、たとえフェラーリが望んでもマラネロにはそう簡単に引っ越さないはずだ」と語った。

    イタリア紙『Corriere della Sera』によれば、フェラーリはフレデリック・バスールの将来について検討しているものの、ホーナーを後任候補には挙げていないという。

    ドーンボスはさらに「彼にはアストンマーティンが合っていると思うし、アルピーヌのようなチームを立て直すことにも魅力を感じるはず。彼は間違いなく次の挑戦を探している」と述べた。

    アストンマーティンは今年、2022年よりチーム代表を務めてきたマイク・クラックがチーフトラックサイドオフィサーに移動し、アンディ・コーウェルがCEOとチーム代表を兼任している。2026年にはホンダのワークスパートナーとなり、クリスチャン・ホーナーとともにレッドブルで驚異的な成績を残したエイドリアン・ニューウェイも在籍している。

    ホンダ・レーシングの渡辺康治社長は、ホーナー解任に対して次のようにコメントしている。

    「パートナーシップを始めた当初から現在に至るまで、クリスチャンには本当に多くのご協力をいただき、感謝しています」

    クリスチャン・ホーナー F1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダ

    一方、ドイツの『Auto Bild』は、ホーナーの長年の友人であるフラビオ・ブリアトーレが、チーム株式を提示する形で獲得に動いている可能性があると報じた。

    さらに『Auto Motor und Sport』のミハエル・シュミットは、キャデラックがグレアム・ロードンの後任としてホーナーに強い関心を示していると指摘している。

    「ロードンを軽んじるわけではないが、彼の実績はマルシャ止まり。一方でホーナーはレッドブルを率いてきた」

    「F1ファンしか知らないロードンに対して、ホーナーはNetflixのおかげで世界中に知られている。彼がトップに立てば、キャデラックのプロジェクトはまったく異なる評価を得るだろうし、政治的な影響力も格段に増すはずだ」

    ホーナーがどの道を選ぶのか、その決断は今後のF1勢力図に大きな影響を与えることになる。アストンマーティン・ホンダの再挑戦は、彼にとっても魅力的な舞台となるかもしれない。

  • フェルナンド・アロンソ アストンマーティンF1の戦略に不満「理解しがたい」

    フェルナンド・アロンソ アストンマーティンF1の戦略に不満「理解しがたい」

    フェルナンド・アロンソは、F1イギリスGPでチームがランス・ストロールと異なる戦略を採用したことに対して強い不満を表明した。変わりゆく天候のなか、ストロールが17番グリッドから7位まで順位を上げた一方で、アロンソは7位スタートから9位フィニッシュに終わった。

    レース中盤、ストロールは6周目にバーチャルセーフティカー中のピットインを皮切りに、10周目にも再度ピットインし、絶妙なタイミングでインターミディエイトタイヤを履いたことで、一時は3位に浮上。

    これに対しアロンソは11周目に1回目のピットストップを行い、順位を6位から10位に落とす結果となった。さらに37周目にはスリックタイヤへの交換を敢行したが、これは大多数のドライバーよりも数周早く、再びタイムをロスした形となった。

    アロンソはスペインのスポーツメディア「DAZN」に対し、「とても難しいレースだった。僕たちにとっては機会を逃したという結果に終わった」と振り返った。

    「当然ながら満足はしていない。7位スタートで9位フィニッシュだ。何かを間違えたんだ」

    「こういう状況では、彼(ストロール)の側のピットウォールの判断の方が正確なことが多い。今回は彼が2回ストップした後に僕はようやく1回目のピットに入った。彼は3位まで上がった」

    「僕には理解しづらいことがある。だって、もう1台のクルマが3位にいるのに、その情報を僕の側の判断に生かせないなんて。同じチームなんだから」

    また、アロンソは混乱した天候のなかでこそチームの判断がより重要になると指摘した。

    「僕には経験があるけど、データはない。チームが『ピットに入れ』と言えば僕は入るしかない。路面状況は伝えられるけど、それ以上のことはできない」

    「こういうコンディションでドライバーがすべてを判断して勝つ、なんて言う人がいるけど、それはナンセンスだ」

    「これは完全にデータで左右されるレースだ。特に1回目のストップは読みづらかったと思う。ルイス(ハミルトン)、ジョージ(ラッセル)、ピエール(ガスリー)、カルロス(サインツ)、僕も含めて、みんなほぼ同じ周にピットに入っているからね」

    「でも結果としてはエステバン(オコン)、ランス、ニコ(ヒュルケンベルグ)といった、より良い判断をしたドライバーの後ろでコースに戻ることになった」

    「2回目のピットは僕が一番早かった。チームはインターが熱を失っていると見てピットに入れた。でもその判断でまた25秒も失った。だから本当にフラストレーションが溜まるレースだった」

    フェルナンド・アロンソ アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    このアロンソの発言に対し、アストンマーティンの代表アンディ・コーウェルは、戦略面での問題はなかったとの見解を示した。

    「問題はなかったと思っている。ピット戦略は中央で決定される。ピットボックスは1つしかないから、チーム全体の視点から考えなければならない」

    「序盤はピットタイミングが明確だった。インターは徐々に摩耗し、路面は乾いてきていた。どのチームの無線も『今がその時だ』という流れだった」

    「僕たちはフェルナンドを早めにピットに入れた。結果的には早すぎたが、あのとき両方のクルマを同じ周に止める寸前だった」

    そして最後に、「今となっては、フェルナンドの戦略もランスと同じにすれば良かったかもしれない」と認めつつも、決定は当時の状況に基づいたものだったと擁護した。

    このレースを終えて、アストンマーティンはコンストラクターズ選手権8位。ドライバーズ選手権ではストロールが12位、アロンソは14位となっている。