カテゴリー: アルピーヌF1チーム

  • クリスチャン・ホーナーのF1復帰に待った、アルピーヌ文書が示す9月の壁

    クリスチャン・ホーナーのF1復帰に待った、アルピーヌ文書が示す9月の壁

    クリスチャン・ホーナーのF1復帰が、当初想定されていたよりも遅れる可能性が浮上している。PlanetF1.comが入手した企業文書により、アルピーヌF1チームに関する株式取引の制約が明らかとなり、少なくとも9月中旬までは動けない状況にあることが判明した。

    元レッドブル代表であるホーナーは、F1への復帰にあたりチームへの資本関与を重視しているとされるが、アルピーヌを巡る契約上の条件がその道を阻んでいる。今回発覚した文書は、ホーナーの復帰時期と進路を左右する重要な要素となりそうだ。

    昨年のイギリスGP以降、F1の現場から離れている元レッドブル代表のホーナーは、適切な機会があれば数週間以内にF1へ復帰できる立場にあると見られてきた。しかし、今回明らかになった文書が、その道筋に新たな障害をもたらしている。

    ホーナーはF1史上でも屈指の成功を収めたチーム代表の一人であり、20年にわたるレッドブルでの在任期間中に、ドライバーズタイトル8回、コンストラクターズタイトル6回を獲得した実績を持つ。

    解任後は公の場に姿を見せていないものの、F1復帰への意欲を失っていないことは周囲に知られている。ただし、次に目指すポジションは、これまで以上に上位の役職である可能性が高く、さらにチームの一部所有権を持つことが重要な条件と考えているとされる。

    その条件に合致する候補は、アルピーヌとアストンマーティンの2チームに絞られる。

    アストンマーティンは最新鋭の風洞施設を含む新ファクトリーを備え、近年は人材面でも大型補強を進めてきた。中でも注目されるのが、レッドブル時代の同僚であるエイドリアン・ニューウェイの加入で、彼はチームの株主になることを条件に移籍したとされている。チームオーナーのローレンス・ストロールも、株式の一部放出に前向きな姿勢を見せてきた。

    一方で、ホーナーにとって真の変革を託せる舞台として浮上しているのがアルピーヌだ。

    クリスチャン・ホーナー アルピーヌF1チーム

    アルピーヌ文書が示すホーナー買収の現実的タイムライン
    アルピーヌは近年、期待された成果を挙げられておらず、構造改革の余地が大きいチームと見られている。現在の低迷期に参画することは、長期的にチーム価値を高める観点から理にかなっているとも言える。

    火種となっているのが、アルピーヌF1チームの少数株主であるオトロ・キャピタルの存在だ。同社はコンソーシアムの一員として、2023年半ばにチームの24%を取得している。この事実は、ルノー側に一定の持分共有への意思があったことを示唆している。

    当時、オトロは約2億ユーロで24%を取得し、チーム全体の評価額は約9億ドル(約1,395億円)とされていた。その後、2025年11月にフォーブスが示した評価では、アルピーヌの価値は約24億5,000万ドル(約3,797億5,000万円)に上昇し、オトロの持分は約5億8,800万ドル(約911億4,000万円)相当となる。2年余りで約170%という驚異的な投資回収率だ。

    一見すると、オトロがこの持分をホーナーに売却するのは自然な流れにも思える。しかし、PlanetF1.comが確認した会社定款には明確な制約が記されていた。

    文書によれば、第三者への株式売却は「定款採択日から3年が経過した後」にのみ可能とされており、その日付は2023年9月13日となっている。さらに、売却にはルノー・グループの承認が必要だ。

    つまり、ホーナーは少なくとも今年9月中旬までは、オトロが保有するアルピーヌの株式を直接取得することができない。加えて、その後もルノー側が取引を認めなければ話は進まない。

    この複雑な条件は、ホーナー陣営から伝えられていたF1復帰への切迫感が、ここにきてやや後退しているように見える理由を説明するものでもある。

    もっとも、アルピーヌへの関与が完全に消えたわけではない。オトロがさらなる価値上昇を見込み、持分を当面保持する選択肢もあるし、逆にルノーが少数株主を不要と判断し、持分を買い戻す可能性も否定できない。その場合、ホーナーの関与は完全に閉ざされることになる。

    いずれにしても、元レッドブル代表がエンストンに所有者として関与する姿を目にするのは、早くともアゼルバイジャンGP以降となりそうだ。実現するとしても、その道のりは決して単純ではない。

  • ピエール・ガスリーが語るレッドブルF1降格の真相とアルピーヌで描く未来

    ピエール・ガスリーが語るレッドブルF1降格の真相とアルピーヌで描く未来

    ピエール・ガスリーは、6歳で初めてカートのハンドルを握った日の感覚を今も鮮明に覚えているという。速度、恐怖、そしてアドレナリン。そのすべてが一気に押し寄せ、彼は瞬時にモータースポーツの虜になった。祖母は地方カート王者、祖父もレースに参戦していた。家族の背中を追い、少年はF1という夢へと歩み始めた。

    現在、フランス人ドライバーのガスリーは、幼少期から夢見てきたフォーミュラ1で安定して走っているが、その道のりは決して平坦ではなかった。

    ジュニアカテゴリーでの活躍によりレッドブルの目に留まり、ジュニアプログラムに加入。F1への登竜門とされていたGP2に参戦する機会を得た。しかし、その育成カテゴリーでチャンピオンを獲得した直後にF1へ昇格することは叶わず、2017年にようやくトロ・ロッソから最高峰への扉が開かれた。

    その後、レッドブルでマックス・フェルスタッペンのチームメイトとして正ドライバーを務めるまでには、さらに2年を要した。しかし、ミルトンキーンズでの冒険は長くは続かず、ほどなくしてトロ・ロッソへ降格となる。

    このサテライトチームへの復帰は、親友アントワーヌ・ユベールの死という、ガスリーの人生を深く揺るがす出来事と重なった。彼自身がF1TVのポッドキャスト「Off the Grid」で語っているように、その出来事は計り知れない影響を与えた。

    それでもフランス人ドライバーは屈することなく、粘り強さと不屈の精神で前に進み続けた。トロ・ロッソ、そして後にアルファタウリとなったチームで、モンツァでの勝利を含むF1キャリア最高の結果を残す。

    2023年からはアルピーヌのプロジェクトに身を投じ、今後5年以内の勝利を目標に掲げている。

    「できれば、アルピーヌで世界チャンピオンになりたい。受け入れがたいと思われるのは分かっている。今はわずかなポイントを争っている状況で、どうしてそんなことが言えるのかと思われるだろう。でも、今いる人たちを考えれば、僕たちは最前線に立てると信じている」

    カートでの始まりとレッドブルでの最初のチャンス
    多くのF1ドライバーと同様に、ガスリーのキャリアの原点は6歳で始まったカートにある。エステバン・オコンから借りたカートに乗ったのが最初だった。

    「その日感じたスピード、恐怖、アドレナリンはあまりにも強烈で、23年が経った今でも覚えている」と、F1TVのポッドキャスト「Off the Grid」で語る。

    「僕はすぐにこのスポーツに恋をした」

    その日から彼は止まることなく、数々のジュニアカテゴリーで安定して戦い続けた。そのパフォーマンスがレッドブルの目に留まり、ジュニアプログラムに加入することになる。プレマ・パワーチームからGP2に参戦し、当時F1への登竜門だったそのシリーズで、フル参戦2年目にチャンピオンを獲得した。しかし、計画通りには進まず、F1昇格の扉は閉ざされたままだった。

    「本当に受け入れるのが難しかった。『GP2でチャンピオンになればF1に行ける』と言われていたからだ」と振り返る。

    「顔を平手打ちされたような気分だった。『これ以上何をすればいいんだ?』と思った。それでも、いつかチャンスが来ると信じ続けていた」

    そして、その機会は翌年に訪れる。レッドブルとトロ・ロッソでのテストを経て、アドバイザーのヘルムート・マルコから電話が入り、ミルトンキーンズのチームでデビューすることを告げられた。

    「マレーシアでベッドの上を飛び跳ねていたのを覚えている」とガスリーは語る。

    「レッドブルのリザーブとして行っていて、彼から電話が来て『準備しろ。今週末はレースだ』と言われた。知らせを受けたとき、本当に幸せだった。グリッドに降りて、自分にこのチャンスが与えられたこと、マシンもチームも人も揃っていて、あとは自分次第だと理解した。すべてを自分がコントロールしていると感じた」

    過去10年で目まぐるしく変わってきたレッドブルのドライバーラインアップの中で、ガスリーはF1デビューからわずか6か月で大きな恩恵を受けた。トロ・ロッソのドライバーとして迎えた2018年、正ドライバー初年度の第2戦バーレーンGPで、いきなり4位という驚異的な結果を残す。

    「2017年は4、5戦走って、2018年からシーズンをスタートした。第2戦で、バン、バーレーンで4位だ。すぐに大きな話題になった」

    「その直後、ブダペストの後にダニエル・リカルドがレッドブルを離れると発表した。ギリシャに休暇で行っていて、『ワオ、ダニエルが去る』と思ったのを覚えている」

    この結果により、ミルトンキーンズの首脳陣はリカルドの後任としてガスリーを起用する決断を下し、カルロス・サインツよりも彼を選んだ。

    「僕とカルロスの間の話だった。電話が鳴って、ヘルムートが『分かった。来年の開幕からレッドブル・レーシングのドライバーだ』と言った。これはF1フル参戦初年度の6か月目のことだった」

    ピエール・ガスリー レッドブル F1

    短命に終わったレッドブルでの日々と親友ユベールの死
    しかし、レッドブルでの経験は順風満帆とはいかず、約6か月で終わりを迎える。ミルトンキーンズでは、シーズン途中でドライバーを交代させることが、年月とともに常態化してきた。ガスリーは、オランダ人ドライバーのチームメイトとして、その最初期の犠牲者の一人となった。2025年にリアム・ローソンがわずか2戦で降格されたケースと同様だ。

    「正直に言うと、悲しかった」とガスリーは告白する。

    「2019年、F1での2年目に、どこからもサポートを感じられなかった。とても大きなチームで、フェルスタッペンを強く支えている。結果を出しているのだから、それは当然だ」

    シーズン序盤から、チームが3年目を迎えたフェルスタッペンに全面的に注力していることは明白だった。ガスリーはまだF1では若手であり、チームは彼の周囲を経験の浅い人材で固めたことで、パフォーマンスを最大限に引き出せる環境ではなかった。

    「F1経験のない、フォーミュラE出身の新人エンジニアと組むことになった。とても奇妙な状況だった。最大限に力を発揮するための道具が与えられていなかった」

    「それでも僕は戦おうとした。ここにいる以上、全力を尽くしたかった。彼らは満足していなかったし、僕も満足していなかった。自分のポテンシャルを発揮できていないと分かっていたからだ」

    そのため、トロ・ロッソへの降格を、彼はむしろ解放と感じた。

    「ほとんど安堵だった」と語り、復帰初戦となったベルギーGPでは、メディアの質問がすべて降格についてだったことを振り返る。

    「いいエネルギーではなかった。僕はただ走り、自分のやるべきことをしたかった。でもネガティブな空気があった。そんな中で土曜日がやってきた…」

    フォーミュラ2のスプリントレース中、幼なじみであり親友だったアントワーヌ・ユベールが事故で亡くなった。

    「最初は誰が関わっているのか分からなかった」とガスリーは語る。

    「状況は深刻に見えた。チームマネージャーが、アントワーヌが関わっていると教えてくれた。ブリーフィングが終わると、すぐに情報を求めて走った。遠くで両親が泣き崩れているのが見えた。その瞬間、何が起きたか理解した」

    「学校や親から多くのことを教わるが、こういう状況でどう振る舞うかは誰も教えてくれない。唯一の後悔は、夏休み前のブダペストで、アントワーヌと一緒にパーティーに行ったことだ。遅くまで残りたくなくて、彼を探したけれど見つからなかった」

    「外に出たら、テラスに彼がいた。『良い夏を、スパで会おう』と言って別れた。それが、事故前に彼に会った最後だった。もう少し長く待って、抱きしめたり、違う別れ方ができたらと思う」

    「彼は、愛する人と過ごす今この瞬間を大切にし、何も当たり前だと思わないことを教えてくれた」

    アントワーヌ・ユベールを悼むピエール・ガスリー

    初表彰台、そして初勝利
    トロ・ロッソ、そしてアルファタウリ時代に、ガスリーはキャリア最高の結果を手にする。2019年、ブラジルGPでF1初表彰台を獲得。ゴールライン上でルイス・ハミルトンを抑えたこのレースは、シーズン終了後に7度目のタイトルを獲得するドライバーを相手にしたものだった。

    インテルラゴスでの結果は、今も彼の記憶に深く刻まれており、ミラノの自宅では、そのレースを描いた絵がソファの後ろに飾られている。

    「人々は僕のことを早く見切りすぎた。僕のメンタリティを知らなかった。これは僕の人生そのものだ。あの表彰台を思い出すと、今でも笑顔になる」

    翌年、その成長はさらなる形で実を結ぶ。アルファタウリで、F1初勝利をモンツァで挙げた。新型コロナウイルスの影響で無観客となったモンツァで、ピエールは初めて表彰台の最上段に立った。

    「信じられない瞬間だった。だからこそ、表彰台の上でその時間を使って、頭の中を駆け巡る何百万もの感情や思考を整理した。自分だけの世界にいた」

    「この数秒間は一生忘れない。観客がいない、これほど空っぽに感じたモンツァは初めてだった。残念だったけど、またモンツァで勝つための理由ができた」

    ピエール・ガスリー アルピーヌF1チーム

    アルピーヌでの現在と未来
    表彰台と勝利を手にし、ガスリーはレッドブル復帰を期待していたが、ミルトンキーンズには別の計画があった。一方で、彼にはアルピーヌという新たなチャンスが訪れる。契約書にサインしたのは、ユベールの誕生日その日だった。

    「アントワーヌの誕生日にサインした」と語る。

    「彼はアルピーヌ・アカデミーのドライバーだった。すべてが彼の誕生日に整った。信じられなかった」

    そこで再会したのが、幼なじみのエステバン・オコンだった。しかし二人の関係は、ある出来事を境に変化していく。

    「毎週水曜や週末を一緒に過ごしていた。彼は僕の家に来て、僕は彼の家に行った。強い絆があった」

    「残念ながら、あるレースをきっかけに転換点が訪れ、すべてが劇的に崩れた。説明するのは難しい」

    「僕たちは自分たちの出自を分かっている。ここまで来るために何を乗り越えてきたかも知っている。そのライバル関係が、互いを限界以上に押し上げたのも事実だ。10年、20年後には、違う形で話し合えると思っている」

    それでも二人は、想像を超える結果を手にした。2024年のブラジルGPで、アルピーヌは2台揃って表彰台に立った。

    「8か月で最下位から、2台揃って表彰台に上がるまでになった。チームの人たちの表情は忘れられない。キャリアの終わりに振り返ったとき、特別なレースとして思い出すだろう」

    ガスリーは6年契約を結び、チームのリーダーとしての地位を確立。一方、オコンはハースへ移籍した。

    6年契約の最初の1年を終え、ガスリーは次なる目標を見据えている。

    「できれば、アルピーヌで世界チャンピオンに。難しいことは分かっている。でも、今いる人たちを信じている。僕たちは、いずれ最前線に立てる」

  • アルピーヌF1 フランコ・コラピントに「成長するための時間を与える」

    アルピーヌF1 フランコ・コラピントに「成長するための時間を与える」

    アルピーヌF1チームのマネージングディレクターであるスティーブ・ニールセンは、フランコ・コラピントが成長するための時間を確保する方針を強調した。2026年に向けては、セカンドカーの安定性が極めて重要だという。

    アルピーヌが昨年、セカンドカーのドライバーに強いプレッシャーをかけていたのに対し、今季は意図的に忍耐を選んでいる。ニールセンはメディアに対し、その理由を説明した。

    アルゼンチン出身のコラピントには、アルピーヌF1チームで確固たる基準となっているピエール・ガスリーの隣で成熟するための余地が与えられる。最終的な目標は明確で、2台揃ってポイントを獲得できるドライバー体制を築き、より強固な将来への土台を作ることだ。

    来季のF1シーズンに向けたコラピントへの期待について問われたニールセンは、現実的な見方を示す。

    「願わくば彼がピエールより速ければいい」と、彼は笑みを浮かべて語った。

    「だがフランコはまだ若いドライバーだ」

    アルピーヌの首脳は、F1におけるほぼすべての才能が、成長過程で浮き沈みを経験するものだと指摘する。

    「彼はまさにその途中にいる。今年の前半には、彼がピエールに並び、時にはレースでそれ以上の速さを見せた場面もあった。それも彼の旅路の一部だ」

    アルピーヌとしては、コラピントが成長するために必要なあらゆる支援を与えることが不可欠だという。ガスリーより速いか、あるいは僅差かどうかは、ニールセンにとって最優先事項ではない。

    「我々にとって重要なのは、2人のドライバーが選手権のためにポイントを持ち帰ることだ」と彼は説明する。

    「2025年は苦しい年だった。1台はポイントを獲ったが十分ではなく、もう1台は2人の異なるドライバーが乗っても無得点だった。セカンドカーに安定性が必要だし、その才能がポイントをもたらすまで時間をかけて成熟させなければならない」

    2025年シーズンを通して安定した存在だったのがガスリーだ。マシンが構造的に力不足だったにもかかわらず、フランス人ドライバーはしばしばQ3に進出し、その価値を示した。

    「ピエールは既知の要素であり、それは特にもう一方に若いドライバーがいる場合、非常に重要だ」とニールセンは語る。

    「確かな基準点が必要で、それをピエールが担ってくれている」

    アルピーヌF1チーム

    その姿勢も際立っている。アルピーヌがグリッド後方からスタートする状況でも、ガスリーは常に前向きでモチベーションを失わない。その態度はチーム全体にも波及しているという。

    「サーキットに来て、あれだけの仕事をして、結局グリッド最後尾に並ぶのは楽しいことではない。誰だって嫌だ」とニールセンは認める。

    「だがピエールは、昨年の苦しみがすべて2026年のためだと理解していた。そのメッセージを、コックピットでもファクトリーでも発信し続けていた。彼はそれを信じていたし、昨年彼が払った犠牲に対して、我々が何かを返す番だ」

    2025年の低調なポイント獲得について、ニールセンは厳しい現実を率直に語っている。

    「率直に言って、我々のマシンはポイントを獲れるほど速くなかった」と彼は述べる。

    「今いる2人のドライバーは、私の見立てではクルマ以上の力を持っている。ブラジルやラスベガスのようにクルマが機能した場面では、ピエールは持てる力を発揮した。次のステップはシンプルだ。はるかに良いクルマを作ること。それができれば、このドライバーたちが本当に何ができるのかが見えてくるはずだ」

  • アルピーヌF1 2026年F1マシン『A526』搭載のメルセデスPUを初始動

    アルピーヌF1 2026年F1マシン『A526』搭載のメルセデスPUを初始動

    アルピーヌF1チームは、2026年F1シーズンに向けた新型マシン「A526」の初始動を完了したことを明らかにした。エンストンのファクトリー内部で行われたメルセデス製パワーユニットのファイアアップ作業の様子を収めた映像とともに、チームは新時代の幕開けを公にしている。

    今回のファイアアップは、2026年F1レギュレーション導入を前にした重要な節目となる。

    シャシーとパワーユニットを初めて組み合わせ、両者が正しく連携して作動するかを確認する工程であり、新車開発における基礎段階の完成を意味する。

    アルピーヌにとって、このファイアアップは単なる新車立ち上げ以上の意味を持つ。2025年シーズン限りでルノーによる自社パワーユニット開発を終了する決断を下し、2026年からはメルセデス製パワーユニットを初めて使用する体制へと移行するからだ。今回のA526は、その最初の実走行世代となる。

    メルセデスは今後もワークスチームを含め4チームにパワーユニットを供給するが、アルピーヌはそのカスタマーチームの一角として新たなスタートを切る。チームはすでにクリスマス前に2026年仕様パワーユニットのエンジン音を公開しており、次世代F1マシンのサウンドの一端も示していた。

    アルピーヌF1チーム フォーミュラ1カー

    2025年シーズン、アルピーヌはコンストラクターズ選手権最下位に沈む厳しい結果に終わった。こうした状況を受け、エンストンのチームは早い段階から2026年マシンの開発に注力する判断を下している。新レギュレーション初年度での巻き返しを見据えた、明確な戦略転換だった。

    アルピーヌは1月15日に2026年シーズンローンチを予定しており、その際には新リバリーも公開される見通しだ。マシンは月末に初走行を迎える予定で、今回のファイアアップ完了によって、実戦に向けた準備は着実に次の段階へ進んだ。

    すでにアストンマーティンが冬季シャットダウン前に初ファイアアップを終えている中、アルピーヌは新時代を前にファイアアップを公表した2番目のチームとなった。A526の始動は、2026年F1シーズンに向けた開発競争が本格化しつつあることを示す象徴的な出来事と言える。

  • オスカー・ピアストリが語るアルピーヌF1契約騒動「あの時は笑えなかった」

    オスカー・ピアストリが語るアルピーヌF1契約騒動「あの時は笑えなかった」

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン)は、2022年に起きたアルピーヌF1との契約騒動について振り返り、「今でこそ笑って話せるが、当時はまったく楽しいものではなかった」と率直な心境を明かした。

    ピアストリは2020年シーズンに、当時のルノー・スポール・アカデミーに加入。フォーミュラ・ルノー・ユーロカップを僅差で制した後、F3、F2をいずれもルーキーイヤーで制覇するという圧倒的な成績を残した。

    しかし2022年、アルピーヌF1のレースシートは埋まっており、ピアストリはリザーブドライバーとして1年を過ごすことになる。

    「間違いなく大変な時期だった」とピアストリは、F1が公開した『Off The Grid』最新エピソードの中で語っている。

    「レーシングドライバーとして、やっぱりレースに出たいものだ。あの年は走れなかったのが本当にきつかった」

    「一方で、外から物事を見ることができたのも事実だ。週末の一員として、メディア対応やスポンサー対応、シーズン全体のリズムがどういうものかを理解できた。そういう点では学びもあったが、それでも大変な時間だった」

    「自分にできることはすべてやっている、という誇りは常に持っていたし、何かチャンスが来るという自信もあった」

    その「何か」は、思いがけない形で訪れることになる。エンストンを拠点とするアルピーヌF1は、フェルナンド・アロンソ、エステバン・オコン、そしてピアストリという3人の有力ドライバーを2つのシートで抱える難題に直面していた。

    一時はウィリアムズへのレンタル案も検討されたが、アロンソがアストンマーティンへ移籍することが判明。これを受けてアルピーヌは、ピアストリの昇格を発表する。

    しかし、その発表は当人の意思とは異なるものだった。

    「僕の同意なしに、アルピーヌF1が本日遅くにプレスリリースを出し、来季私が彼らのためにドライブすると発表したことを理解している」とピアストリは当時SNSに投稿した。

    「これは事実ではない。僕は2023年についてアルピーヌと契約を結んでいないし、来年アルピーヌで走ることはない」

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン) アルピーヌF1チーム

    実際には、ピアストリはすでにマクラーレンと契約を結んでおり、最終的にFIAの契約承認委員会(CRB)はマクラーレン側の主張を認める判断を下した。

    「あれが大きな話題になることは、ある程度分かっていた」とピアストリは振り返る。

    「理由があってやったことだったし、ただ世界に向けて“走らない”と宣言したかったわけではない」

    「今振り返れば笑える部分もある。でも、当時は全然笑えなかった」

    「最終的にはCRBに持ち込まれた。結果は自分に有利だったけれど、あれもかなり緊張する瞬間だった」

    こうしてピアストリは、アルピーヌではなくマクラーレンから2023年にF1デビューを果たすことになる。

    「信じられないような瞬間だった」と彼は語る。

    「同時に、それまで積み上げてきたことが、ある意味ですべてリセットされるような感覚もあった」

    現在、ピアストリはドライバーズタイトルこそまだ手にしていないものの、70戦でポールポジション6回、表彰台26回、うち9勝という印象的な戦績を残している。

    そして彼自身が語るように、「まだ学んでいる最中」だ。

  • ピエール・ガスリー、ルノーF1エンジンとヴィリー工場への「不当な批判」を嘆く

    ピエール・ガスリー、ルノーF1エンジンとヴィリー工場への「不当な批判」を嘆く

    ピエール・ガスリー(アルピーヌF1)は、直近3シーズンにわたりルノー製パワーユニットを使用してきた立場から、ヴィリー=シャティヨンで開発・製造に携わった人々への敬意を示し、同PUに向けられた批判は「正当ではない」と語った。

    一方で、2026年からのメルセデス製PU導入に向けては、大きな期待と興奮を隠さなかった。

    ヴィリー=シャティヨンへの感謝と批判への違和感
    「まず最初に、ヴィリー=シャティヨンでエンジンに携わったすべての人たちに感謝を伝えることが、僕にとって重要だと思っている。」

    「多くの雑音があったが、懸命に働き、ベストを尽くしてきた人たちに対して、あれほどの批判は本当にふさわしくないように感じている。」

    メルセデスPUへの期待と2026年への視線
    「僕たちは今、メルセデスとともに新しい章を開こうとしている。彼らの実績、世界王者になった回数を見れば、これは間違いなく大きな冒険になる。正直に言って、とてもワクワクしている。」

    「聞いている話では、このエンジンは非常にパフォーマンスが高い。初テストで、メルセデスのパワーを背中に感じるのが待ちきれない。来年のチームには本当に大きな期待を抱いている。」

    「2025年は、2026年に良いスタートを切るための戦略的な犠牲を払ってきた。それが報われると信じている。来年は、先頭集団で戦いたい。現状を見ても、そうできない理由は見当たらない。」

    レッドブル時代への言及と区切り
    「僕にとっては、とても特別な状況だった。単に6か月、12レースという数字だけで語れるものではない。あの時、すべてが簡単だったわけではないからね。」

    「何時間でも話せるが、必要だろうか? 答えはノーだ。その章はもう閉じている。」

    「時には物事がうまくいき、時にはそうでない。それが機能しなかったのは残念だが、同時に、僕にはどうすることもできない部分も多かった。自分にできる限りのことは、常にやってきた。」

    「2台分ではうまく機能していなかったと言える。マックスのためには完璧に機能しているし、彼のために素晴らしい仕事をしているのは間違いないが……。」

    ピエール・ガスリー ルノー F1エンジン

    挫折からの復活と自信
    「結局のところ、重要なのは努力を続けることだ。人は、その努力量を過小評価しがちだが、僕はトレーニングを一度もやめたことがない。自分が何を成し遂げたいのか、そして自分のポテンシャルを理解している。」

    「これまでの年月が、僕の中に大きなモチベーションと、チャンスをつかみ取りたいという強い欲求を生み出している。」

    「シャルル、ランド、ジョージといったドライバーたちがチャンスを生かして輝く姿を見てきた。僕も、彼らと同じ場所で戦えるクルマが必要だ。」

    アルピーヌとともに頂点へ
    「そのチャンスが来たら、絶対に逃さない。僕は準備ができている。間違いなく、その瞬間を迎える準備はできている。」

    「アルピーヌとともにトップに戻れたら、本当に素晴らしいことだ。努力を続け、正しいことを積み重ねていけば、必ず良い結果につながると信じている。」

    「競争力のないマシンでも、誰一人として諦めない。この結束こそが、将来、より良い時代が戻ってきたときに、大きなシナジーを生むはずだ。」

    「フランス人として、フランスのブランドを代表できることを誇りに思っている。このチームとブランドを、あるべき場所へ戻したい。その日が一日でも早く来ることを願っている。」

  • ピエール・ガスリー、アルピーヌF1で「最も困難な時期は乗り越えた」

    ピエール・ガスリー、アルピーヌF1で「最も困難な時期は乗り越えた」

    ピエール・ガスリーは、アルピーヌF1での3年目のシーズンを終えたいま、チームにとって最も厳しい局面はすでに過去のものになったと感じている。2023年はランキング11位、2024年は10位、そして2025年は18位でシーズンを終えたが、本人はこの3年間を単純に比較できるものではないと考えている。

    「正直に言って、本当に不思議な感覚だ。もう3年も経ったという実感があまりない」とガスリーはコメント。

    「たぶんそれだけ多くの変化に直面してきたからだと思う。経営陣も、チームの組織も、チームメイトも変わった。毎回、新しいスタートを切っているような感覚で、同じメンバーと継続して積み上げていくという感じではなかった」

    「ブラジルでの表彰台、昨年ラスベガス予選での3番手、2023年のザントフォールトやスパでのスプリント表彰台など、良い瞬間も確かにあった」

    「ただ、全体として見れば、期待からはかなり離れていたと言わざるを得ない。2023年にアルピーヌへ来たとき、チームは2022年にとても良いシーズンを終えていたから、もっと多くを期待していた。でも残念ながら、それは現実にはならなかった」

    それでもガスリーは、将来に対しては以前よりも確かな手応えを感じているという。

    「今この瞬間に同じ質問をされたら、2023年末や2024年末よりも、これからのシーズンに対して自信を持っている。簡単な道のりではなかったけれど、最も苦しい部分はすでに乗り越えたと感じているし、これからは良い日々が待っていると思っている」

    ガスリーは、2025年に投入されたA525の開発を続けていれば、ランキング10位以上も狙えた可能性があるとしながらも、それが2026年への準備を犠牲にする価値のある目標ではなかったと明言する。

    「シーズン序盤、チームが2026年に集中する方針を示したとき、僕は真っ先に『今年のことは忘れよう。もっと早く切り上げて2026年に集中しよう』と言った。現実として、僕たちはランキング10位だった」

    「もしもう少し予算と開発リソースを割いていれば、6位や7位を狙えたかもしれない。でも、僕たちは6位や7位になるためにF1をやっているわけじゃない。トップに立つためにやっている」

    「来年に向けたこの2か月の開発が、頂点に立てるか、それとも今後数年ミッドフィールドに留まるかの分かれ道になるかもしれない。今年は苦しいシーズンだったけれど、チームとして最高のチャンスを得るためなら、僕は喜んで受け入れられた」

    エンジンプログラムの停止やヴィリー=シャティヨンのF1部門閉鎖など、アルピーヌを取り巻く状況は決して容易ではなかった。それでもガスリーは、エンストンのチーム力そのものには強い確信を持っている。

    「率直かつ正直に言って、経験や能力を考えれば、僕たちはグリッドでも屈指の技術スタッフを抱えていると思う。これほど多くの優秀なエンジニア、メカニック、スタッフがエンストンに揃ったことは、これまでなかったんじゃないか」

    「だからこそ楽観的になれる。今の状況、チームを構成する人材、そこにある知性を見れば、僕たちは結果を出さなければならないと思う。あとはすべてを噛み合わせ、機能させるだけだ」

    また、ガスリーはチームに関わるキーパーソンたちについても言及している。

    「フラビオについて言えば、彼とはとても相性がいいと思っている。彼は勝者のメンタリティを持っているし、勝つこと以外に興味がない。常にチームとして、個人として、僕たちから最大限を引き出そうとしているし、完璧以外では満足しない。それは僕の考え方とも一致している」

    「僕たちは競争の世界にいる。あらゆる面で完璧を目指さなければ、目標には到達できない。フラビオはF1だけでなく、人生の他の分野でも成功を収めてきた。それは彼の思考とアプローチによるものだと思う」

    「彼がチームに本気で関わり、目標達成のために全力を尽くしているのが分かる。スティーブのこともとても評価している。フラビオとは全く違う性格だけれど、互いにうまく補完し合っている」

    「彼はリーダーシップと経験という点で、チームにとって非常に大きな存在だ。とても事実重視で客観的な人間で、『良い部分は良い、弱点があるなら隠さず向き合おう』という姿勢を持っている」

    「チーム全体に素晴らしい人材が揃っている。成功に必要な要素はすべてある。あとは、それを結果につなげるだけだ」

  • マクラーレン、オスカー・ピアストリの古巣アルピーヌF1を痛烈に揶揄

    マクラーレン、オスカー・ピアストリの古巣アルピーヌF1を痛烈に揶揄

    マクラーレンのCEOであるザク・ブラウンは、オスカー・ピアストリの元F1雇用主であるアルピーヌに対して、容赦ないジョークを放った。

    ドライバーズ選手権とコンストラクターズ選手権のダブルタイトルを獲得したシーズン終了後、マクラーレンのエンド・オブ・シーズン・パーティーに出席したブラウンは、アルピーヌ、そして元マクラーレンドライバーのストフェル・バンドーンをネタにした辛辣な発言で場を沸かせた。

    ブラウンはまず、2023年シーズンに向けてピアストリを獲得する過程で、マクラーレンと法的な争いに発展したアルピーヌを揶揄した。この件はF1契約承認委員会(CRB)に持ち込まれ、当時F2王者だったピアストリにはマクラーレンとの有効な契約があるとの裁定が下されている。これにより、ピアストリはウォーキングを本拠とするチームでF1デビューを果たすことになった。

    「我々は君たち2人に大きなリスクを取った。ほかにもっと良い選択肢があったなんて言うなよ」とブラウンは語った。

    「君には、クソみたいなアルピーヌがあっただけだ」とブラウンはピアストリを指さして言い放ち、続けてランド・ノリスの方を向き、「そして君は、ストフェル・バンドーンより速くなければならなかった」と付け加えた。

    この後者のジョークは、ノリスが2019年シーズンに不振だったバンドーンに代わってマクラーレンに昇格したことを指している。

    バンドーンは、競争力に欠けていた当時のマクラーレンでわずか12ポイントしか獲得できなかった一方、チームメイトだったフェルナンド・アロンソは50ポイントを記録していた。マクラーレンはその年のコンストラクターズ選手権で6位に終わっている。

    バンドーンはその後、フォーミュラEに転向し、2022年にはメルセデスで電動シリーズのチャンピオンに輝いた。

    マクラーレンにとって2025年シーズンは祝賀ムードに包まれる年となった。チームはコンストラクターズタイトルの防衛に成功し、ノリスは自身初のドライバーズタイトルを獲得した。

    ブラウンがアルピーヌを揶揄したのは、これが初めてではない。

    2022年、ピアストリの契約問題を巡って当時アルピーヌのチーム代表だったオトマー・サフナウアーが公に発言したことについて、ブラウンは「少し滑稽に見えた」と語っている。

    「CRBの裁定が出る前、彼らは自分たちが何を知らないのかを分かっていなかった。我々は意図的に口を閉ざしていた」とブラウンは当時を振り返った。

    「今では裁定が出て、いくつかの詳細も明らかになり、何が起きていたのかは明白だ。だから我々はノイズが多いことは分かっていたが、いずれ真実が明らかになると分かっていたので、逐一コメントするのではなく、やり過ごすことを選んだ」

    「当時、ファンから直接届いたメッセージの数々を含め、騒ぎを無視していたわけではない。しかし今では、CRBの裁定が出て、すべてが非常に明確になっていることに我々は満足している」

  • クリスチャン・ホーナー、アルピーヌF1支配権取得へ? 出資協議が浮上

    クリスチャン・ホーナー、アルピーヌF1支配権取得へ? 出資協議が浮上

    レッドブルのチーム代表として20年にわたり指揮を執ってきたクリスチャン・ホーナーは、その座を追われた後、近くF1への注目すべき復帰を果たす可能性がある。複数の一致した情報によれば、元レッドブルCEO兼チーム代表であるホーナーは、アルピーヌF1チームの株式について、過半数または少数の持分を取得するための交渉に入っているという。

    昨年7月、親会社レッドブルとの激しい権力闘争の末に解任されたホーナーは、ミルトンキーンズのチームで20年続いた関係を突然終えることになった。

    2026年4月までの予告期間に置かれているものの、水面下では依然として活発に動いており、F1復帰を視野に複数のチームと接触を重ねている。

    ただし、ホーナーは将来の役割について強い条件を持っている。彼は、最高経営責任者の下に置かれる従属的なポジションではなく、実質的な運営権限を保証される立場を優先している。この条件を満たす形は、これまで見つかっていなかった。

    アストンマーティンとはCEO職について協議が行われていたが、最終的に実現しなかった。4月に、レッドブル時代の盟友であるエイドリアン・ニューウェイがチーム代表に就任したことで、この可能性は消滅した。

    オランダ紙『デ・テレグラーフ』とフランス紙『レキップ』によれば、ホーナーは現在、英仏混成チームであるアルピーヌに目を向け、チーム株式の取得を検討しているという。この見方は、エンストンを拠点とするチームが極めて厳しい状況に置かれている中で、現実味を帯びてきている。

    アルピーヌはコンストラクターズ選手権で最下位に終わり、44年にわたり異なる名称で存在してきたチームにとって歴史的に低い結果となった。さらに2025年は、ルノーがF1エンジンサプライヤーとしての活動を終了した年でもあった。ヴィリー=シャティヨンの拠点は閉鎖され、チームは2026年からメルセデス製パワーユニットを使用する。

    この戦略的判断により、チーム売却の噂が再燃した。ルノー・グループが依然として筆頭株主である一方、資本の24%は米国の投資コンソーシアム「オトロ・キャピタル」に売却されており、外部投資家や著名人が参入する余地が生まれている。

    『デ・テレグラーフ』は、ホーナーが、まだ特定されていない投資家とともに過半数株主となることを目指し、持分取得を検討していると伝えている。一方で、オトロ・キャピタルは保有株の売却を模索しているという。ローリー・マキロイ、パトリック・マホームズ、ライアン・レイノルズらが関与するこの米国投資ファンドは、チーム価値が取得時から倍増したことで、大きな利益を得て売却する用意があるとされている。

    人的関係も判断材料となる可能性がある。ホーナーは、現在アルピーヌのエグゼクティブ・アドバイザーを務めるフラビオ・ブリアトーレと長年の関係を築いている。

    一方、『レキップ』は、ホーナーの出資が少数持分にとどまる可能性を指摘している。現時点では、その形態は依然として不透明だ。

    クリスチャン・ホーナー アルピーヌF1チーム

    この件について昨年10月に問われたニールセンは、ホーナーが関与するシナリオを完全には否定していなかった。

    「私の知る限りでは違う」と、ホーナーの加入があり得るかと問われた際に彼は語っている。

    「フラビオとクリスチャンが旧知の仲であることは周知の事実だ。彼らが何を話してきたのかは、私には分からない」

    「私が見て、知っている限りでは、クリスチャンがアルピーヌに加わるという話に真実はない。しかし、それが起こらないという意味ではない。結局のところ、ここはF1なのだから」

  • ピエール・ガスリー アルピーヌF1最悪の2025年に幕「今年いちばん良い夜」

    ピエール・ガスリー アルピーヌF1最悪の2025年に幕「今年いちばん良い夜」

    ピエール・ガスリー(アルピーヌ)は、2025年F1アブダビGPの決勝を終え、「今年いちばん良い夜だ」と冗談交じりに語り、悪夢のような1年がようやく終わった安堵感をにじませた。

    2025年シーズンのアルピーヌは、ルノー製PU部門を含め競争力不足が深刻で、ガスリーは自身のF1キャリアで最も厳しいフルシーズンを過ごした。2019年以降、トップ10圏外でシーズンを終えたのは2度のみだったが、2025年は開幕バーレーンGPの4位が最大のハイライト。年間獲得ポイントはわずか22にとどまり、A525は「グリッド最弱マシン」との評価が定着した。

    ガスリー「終わって本当にホッとしている」
    ガスリーは、最終戦を終えて率直な思いを語った。

    「今年いちばん良い夜だ。終わったよ」

    「すごくタフな1日だったし、シーズン全体がそうだった。振り返ると、あの状況の中でチームがシーズンをまとめ上げてくれたことを誇りに思っている。競争力のないクルマだと、本当に難しくて、簡単に心が折れてしまう」

    「それでも結果が厳しい中で、全員が諦めず、ベストを尽くしてくれた。エンジニアの皆も、チームで働く全員も本当に誇りに思う。来シーズンが楽しみだよ」

    「来年はもうこのクルマを見たくないと言ったよ。エンストンのどこか片隅に置いておけばいい。このクルマは、あまり優しくなかったからね」

    アルピーヌは早期に2026年へシフト、メルセデスPU初搭載に「楽観的」
    アルピーヌは2025年序盤から開発リソースを2026年マシンに集中させており、来季はチームとして初めてメルセデスPUを搭載する。

    ファクトリーやシミュレーターで得た手応えについて問われたガスリーは、前向きな姿勢を示した。

    「(競争力は)間違いなくある。冬の間にやるべきことはたくさんあるけどね」

    「来年に向けてはすでに動き始めている。シャシー面でもエンジン面でも、すべてが良い方向に向かっているし、目標値はすべて達成している。2026年が本当に楽しみだ」

    ルノー撤退に「とても感情的な週末だった」
    2025年末でルノーがF1活動を終えることについて問われたガスリーは、別れの寂しさを語った。

    「ガレージ全員にとって、とても感情的な週末だった。昨日はみんなでお別れの時間を過ごしたけど、目に涙を浮かべている人たちもいた。それだけ彼らにとって大きな意味を持っていたんだ」

    「エンジニアでもメカニックでも、全員がこの3年間、僕を本当に支えてくれた。そして一緒にいくつかの表彰台を獲得することもできた。みんなには心から感謝している」

    「パドックでは、きっとこれからも彼らの顔を見かけると思うよ」