カテゴリー: スクーデリア・アルファタウリ

  • アルファタウリF1代表 「2021年の改善の70%はホンダのF1エンジン」

    アルファタウリF1代表 「2021年の改善の70%はホンダのF1エンジン」

    アルファタウリ・ホンダF1のチーム代表を務めるフランツ・トストは、2021年F1マシンの改善の70%はホンダのF1エンジンによるものだと語る。

    F1バーレーンGPでは、ピエール・ガスリーが予選5番手タイムを記録。決勝ではダニエル・リカルドとの接触によってレースが台無しになってしまったが、上位入賞が期待されていた。一方、チームメイトの角田裕毅は、13番グリッドからスタートで順位を落としたが、フェルナンド・アロンソやランス・ストロールを抜いて9位でフィニッシュ。デビュー戦でポイントを獲得した。

    「ピエールの予選でのパフォーマンスはとても良かったし、ほぼ4番手になれそうだった」とフラント・トストはSPEEDWEEK.com に語った。

    「裕毅に関しては、タイヤの選択が間違っていた。彼がQ3に進出するにはオプションタイヤが必要だっただろう。だが、一方で、別の扱いや不利な点についても話し合いたくはなかった」

    「ピエールはレースで順調にスタートしたが、ニキータ・マゼピンのアクシデント後のセーフティカーは我々に大きな打撃を与えた。彼のミディアムタイヤは温度に達するのに時間がかかったので、ソフトコンパウンドのライバル勢と比較して不利であり、いくつかのポジションを失い、それがフロントウィングの損傷にもつながった。実際、それで彼のレースは終わった」

    「裕毅にとって最も重要なことは、レースでの走行距離を集めることだった。彼はすべてを正しく行い、完璧に運転した。9位は良かったが、7位や8位だった可能性もある。ピエールはインシデントがなければ、4位もしくは5位でフィニッシュできていたと思うし、我々は多くのポイントを失った」

    それにもかかわらず、アルファタウリ・ホンダF1は、ミッドフィールドパックの最前線でマクラーレンやフェラーリとの戦いに参加しているように見え、次戦F1エミリア・ロマーニャGPに勢いをつけている。

    グリッドのさらに上位を戦っているレッドブル・ホンダは、アルファタウリも搭載する新開発のホンダのF1エンジンでメルセデスとのタイトル争いをすることになると考えられている

    フランツ・トストは、ホンダのF1エンジンのゲインが実際にアルファタウリのポジティブな進歩の“70%”を占めると信じている。

    「シャシーにも小さな進歩はあったが、主な利点はホンダのはるかに強力なエンジンから来ている」とフランツ・トストは語った。

    「改善の70%はホンダ、30%はマシンにによるものだと言っていいだろう」

    フランツ・トストは、23戦のシーズンにわたって、アルファタウリ・ホンダF1が定期的にQ3に進出し、コンストラクターズ選手権で5位を獲得することが目標だと語る。

    「定期的にQ3に進出し、レースでポイント圏内にいることを期待している」とフランツ・トストは語る。

    「チームにとって、コンストラクターズ5位が目標でなければならない」

    今シーズン、コンストラクターズ選手権5位をかけてアルファタウリが戦うことになると考えているチームについてフランツ・トストは「マクラーレン、フェラーリ、アルピーヌ、アルファロメオ」を挙げた。

    興味深いことに、アストンマーティンはそこに入っていない。以前、フランツ・トストはAMR21は「良い車ではない」と語っており、そのスタンスに変わりはないが、すぐに追いつく可能性を受け入れている。

    アストンマーティンF1が脅威であるかと質問されたフランツ・トストは「現時点ではそうではない」とコメント。

    「だが、チームはすぐに追いつくことができることを以前に証明している」

  • アルファタウリ・ホンダF1幹部 「本当に良い方向に進んでいる」

    アルファタウリ・ホンダF1幹部 「本当に良い方向に進んでいる」

    アルファタウリ・ホンダF1のテクニカルディレクターを務めるジョディ・エギントンは、チームは“本当に良い方向”に向かっており、次のレースでも進歩が見込まれていると語る。

    2020年にトロロッソからブランド変更されたアルファタウリは、ピエール・ガスリーとダニール・クビアトの二人でチーム史上最多となる107ポイントを獲得した。ハイライトは間違いなくモンツァでのピエール・ガスリーの優勝だった。チームにとって2008年以来2回目の勝利となった。

    今季もアルファタウリ・ホンダF1の改善についてジョディ・エギントンは「多くのことの組み合わせだ。全員がマシンを開発するために懸命にプッシュしている」とコメント。

    「2021年にパワーユニットは良くなり、シャーシも良くなった。チームには若いエンジニアがたくさんいる。彼らは過去2~3年で静かに成熟した。そして、彼らの自信も良くなっている」

    ジョディ・エギントンは、アルファタウリ・ホンダF1は“本当に良い方向”に進んでおり、2021年にダニール・クビアトの後任としてチームに加入したルーキーの角田裕毅はその道を進むのを助けるだろうと語る。。

    角田裕毅は、レッドブルF1のモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコが“間違いなく”F1ワールドチャンピオンになると主張するなど、非常に多くの人に評価されている。

    角田裕毅についてジョディ・エギントンは「彼は才能のある男であり、ピエールはチーム内で快適に感じ、素晴らしいインプットを提供している。すべてがまとまっている。一つのことだけではない。我々は本当にうまく発展している」

    2021年の開幕戦F1バーレーンGPでは、角田裕毅が9位入賞を果たしたが、ピエール・ガスリーがリタイアで終えたことでアルファタウリ・ホンダF1は2ポイントしか獲得できなかった。だが、予選5番手のピエール・ガスリーは、ダニエル・リカルドとの接触がなければもっと上位でフィニッシュできたとチームは考えている。

    「我々のプログラムは、シンプルにマシンについて体系的に学ぶことだった」とジョディ・エギントンは付け加えた。

    「マシンは50%の風洞で開発されたため、空力データの収集に多くの時間を費やしたが、その後60%の風洞に移動した。したがって、実行する必要のある相関作業がたくさんある」

    F1カレンダーは、イタリア、ポルトガル、スペインへと移動する。ジョディ・エギントンは、4月16日から18日の週末にマシンがイモラのトラックを走るときにはいくつかの新しいパーツが設置されることを確認した。

    また、今シーズンのチームがAT02の長所と短所を理解することが“非常にタイト”なミッドフィールドにとって重要になるだろうと付け加えた。

  • レッドブルF1幹部 「角田裕毅は近いうちに表彰台に上がると確信」

    レッドブルF1幹部 「角田裕毅は近いうちに表彰台に上がると確信」

    レッドブル・ホンダF1のヘルムート・マルコは、角田裕毅はF1で表彰台に上がるだけでなく、勝利を手にするのは時間の問題だと感じていると語る。

    レッドブルのドライバー育成プログラムの責任者であるヘルムート・マルコは、2021年にFIA-F2からアルファタウリ・ホンダでF1にステップアップを果たした角田裕毅を非常に高く評価している。

    ヘルムート・マルコは、角田裕毅は“間違いなく”F1ワールドチャンピオンになると語るなど、コース外で注目が集まっている角田裕毅だが、開幕戦ではそのような誇大広告に答えるパフォーマンスをみせた。

    デビュー戦となったF1バーレーンGPで13番グリッドからスタートした角田裕毅は、スタートポジションから4つ順位を上げて9位でフィニッシュデビュー戦でポイントを獲得した初の日本人ドライバーとなった。

    ヘルムート・マルコは、角田裕毅が表彰台にF1のエリートドライバーに加わるまで長く待つ必要ないと確信しているとアkたる。

    「角田はF1グランプリで優勝する最初に日本人ドライバーになると確信している」とヘルムート・マルコは RTL にコメント。

    「彼はまだ20歳で、最初のレースでは何も間違いを犯さなかった。彼は信じられないほど良いベーススピードを持っている」

    「そして、彼がバーレーンの最終ラップで(ランス)ストロールを追い抜いた方法は・・・彼は150メートル後ろにいた! 彼は本質的にレーサーだ」

    「彼のメンタリティも素晴らしいし、彼は信じられないほどの自信を持っている。近いうちに表彰台に上がると確信している」

    角田裕毅が他のルーキーよりも優れたマシンを手に入れることができたのは確かだが、それでも際立っていた。同期デビューとなるハースF1のニキータ・マゼピンとミック・シューマッハのレースはスピン以外ほとんど記憶に残らないものだった。

    また、チームメイトのピエール・ガスリーに対しても好パフォーマンスを示しており、シーズンを通して素晴らしいバトルが期待されている。

    角田裕毅の話題のひとつが身長が低いことが挙げられる。アルファタウリ・ホンダF1にとって角田裕毅をマシンに乗せるだけでは難しいことがわかったが、ヘルムート・マルコはもう角田裕毅は落ち着いており、実際に身長は有利に働く可能性もあると語る。

    「マシンをそれに適応させることができれば、それは間違いなく利点だ」とヘルムート・マルコは語った。「彼の身長は159cm、体重はわずか61kgだ」

    「とにかく、アルファタウリにとってノーマルのマシンを適応することは非常に困難だった。また、それはシミュレーターにも問題を引き起こした。角田には合わなかったので特別な座席が必要となった。すぐに痛みと苦痛に苦しむ原因となったので、最初は理想的ではなかった」

  • 【動画】 角田裕毅のデビュー戦F1バーレーンGPに密着

    【動画】 角田裕毅のデビュー戦F1バーレーンGPに密着

    角田裕毅のF1デビュー戦となったバーレーンGPの週末に密着した動画をアルファタウリ・ホンダF1が公開した。

    角田裕毅は、2021年のF1世界選手権の開幕戦F1バーレーンGPで7年ぶりの日本人F1ドライバーとしてF1デビュー。予選ではQ1で2番手タイムを記録して周囲を驚かせ、決勝は9位入賞を果たい、デビュー戦でポイントを獲得した初めての日本人ドライバーとなった。

    アルファタウリ・ホンダF1が公開した動画では、角田裕毅のF1デビュー週末に密着。サーキット入りしてインタビューに答える様子やパドックでサッカーをする姿、チームミーティング、チーム代表のフランツ・トスト代表との会話、レース後にゴルフをするリラックスした姿など23分の動画で伝えている。動画は日本語の字幕も選択できる。

  • ホンダF1幹部 「角田裕毅の存在は日本企業のホンダにとって特別」

    ホンダF1幹部 「角田裕毅の存在は日本企業のホンダにとって特別」

    ホンダF1のマネージングディレクターを務める山本雅史は、今年アルファタウリ・ホンダでF1デビューを果たした角田裕毅の存在は日本企業のホンダにとって特別だと語る。

    ホンダは、2018年からホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)の育成ドライバーとして角田裕毅を正式に支援。今年、日本として7年ぶり、最年少の20歳で角田裕毅をF1ドライバーとしてデビューさせた。

    今年でラストイヤーとなるホンダF1は、新型パワーユニットを投入。レッドブル・レーシング、スクーデリア・アルファタウリともにドライバーラインアップも変わり、セルジオ・ペレスと角田裕毅が加入した。

    「4人のドライバーそれぞれの強みや特長があるので、一緒に戦うのが楽しみです」と山本雅史はコメント。

    「もちろん、昨年ともに戦ったアレックス(アルボン)もとてもいいドライバーで、才能豊かですが、ペレス選手は経験豊富ですし、力強いドライバーがチームに2人揃うことで、好結果が期待できると思います」

    「そして、アルファタウリのパフォーマンスも楽しみにしています。ピエール(ガスリー)は経験を積んで成熟した感があり、昨年示してみせたようにとても強いドライバーになったと思います」

    「裕毅はルーキーですが、僕らはあまりそう思っていません。とにかくレースに集中しているし、ここまでいいパフォーマンスを見せてくれています」

    「まずは、今週末のレースで完走してくれることを願っています。F2とは違うとはいえ、彼の速さやブレーキングでの強さを見られるはずですし、いくつかいいオーバーテイクを決めてくれるんじゃないかな」

    「ホンダは日本で生まれた企業ですから、当然、裕毅の存在は特別なものがあります。おひざ元である日本のモータースポーツファンの皆さんも本当に喜んでくれていますよね。日本人ドライバーをF1のグリッドに送り出せるというのは誇らしいですし、小林可夢偉選手以来7年ぶりとなるわけですから、彼のレースにはとてもワクワクしています」

    角田裕毅のデビューには、山本雅史MDだけでなく、世界中のレースファンが注目している。昨年はコロナ禍の影響で鈴鹿でのグランプリが中止の憂き目にあった日本のファンにとってはなおさらで、10月の日本GP開催を心待ちにしていることだろう。

    「もちろん、鈴鹿でレースができることを願っています。前回の日本GPではメルセデスが優位でしたが、我々も鈴鹿で強さを発揮できるマシンを目指してきました。マックス、チェコ(ペレス)、ピエール、裕毅は、全員日本のファンの前でいいレースができるはずですし、いい結果をお見せしたいですね」

  • アルファタウリF1幹部 「角田裕毅にはまだ学ぶべきことがたくさんある」

    アルファタウリF1幹部 「角田裕毅にはまだ学ぶべきことがたくさんある」

    アルファタウリ・ホンダF1のテクニカルディレクターを務めるジョディ・エギントンは、角田裕毅はまだ学ばなければならないことがたくさんあるが、正しい方向に進んでおり、すでに順調な進歩を見せていると語る。

    F1バーレーンGPでデビューを果たした角田裕毅は、予選Q1で2番手タイムを記録。13番グリッドからスタートした決勝では9位入賞を果たし、デビュー戦でポイントを獲得した。

    この活躍により、早くも次期レッドブル・レーシングのドライバー候補、将来のF1ワールドチャンピオン候補との期待がなされている角田裕毅だが、アルファタウリ・ホンダF1のテクニカルディレクターを務めるジョディ・エギントンは、まだ長い道のりがあると語る。

    「彼は、F1に参加する若いドライバーと同じように、学ぶべきことがたくさんある。しかし、彼はすべてを段階的に行っている」とジョディ・エギントンは RacingNews365 に語った。

    「彼は多くの情報を吸収し、非常によくコミュニケーションを取り、エンジニアとうまく連携している。彼は速い学習者だ」

    角田裕毅とアルファタウリ・ホンダF1にとってはクリーンな週末ではなかったが、結果はシーズンの残りの部分に希望を与えるものだとジョディ・エギントンは語る。

    「いくつか浮き沈みがあった。彼は本当に速いが、マシンにいくつかの問題があり、チームの他のメンバーと同じようにそれは彼を苛立たせた」とジョディ・エギントンは語る。

    「しかし、それは我々を強くする。これまでのところ、非常にうまくいっている」

    ジョディ・エギントンは、これまでチームが輩出した若いドライバーの長い歴史を考えると、アルファタウリ・ホンダF1は角田裕毅がF1デビューするには最適なチームだと信じている。

    「傲慢に聞こえたくないが、チームは若いドライバーとうまく連携している。ここで運転した若いドライバーのリストを見れば、我々のエンジニアは優れていると言えるだろう」

    「浮き沈みはさらに増えるだろうが、彼はパフォーマンスを発揮している。私にとってはそれが最も重要だ」

    「彼は学ぶためにここにいる。全体として、彼はうまくやっており、正しい場所にいると思う」

  • ホンダF1幹部 「角田裕毅は最後にもらった大きなプレゼント」

    ホンダF1幹部 「角田裕毅は最後にもらった大きなプレゼント」

    ホンダF1でスクーデリア・アルファタウリ・ホンダのチーフエンジニアを務める本橋正充が、7年ぶりの日本人F1ドライバーとしてデビュー戦を終えた角田裕毅について語った。

    ホンダF1の育成ドライバーである角田裕毅は、F1バーレーンGPの予選Q1でアルファタウリ・ホンダのF1マシンで2番手タイムを記録する衝撃デビュー。決勝では9位入賞を果たし、デビュー戦でポイントを獲得した初めての日本人ドライバーとなった。

    開幕戦バーレーンGPを振り返り、本橋正充は「レッドブルで言えば、ホンダF1の最終年の開幕戦を勝利で飾りたいという想いがあったことは間違いないですし、あと一歩でそれを逃したということは本当に悔しいの一言です」と語る。

    「メルセデスもその他のライバルも速いのでそんなに簡単ではないことは分かっていますが、フェルスタッペン選手がポールを獲ったことからも分かるように、取りこぼしがなければ、チャンピオンを獲れるのでは?と思わせるパフォーマンスを見せたレースでもありました。2014年のハイブリッドレギュレーション開始以降、彼らとまともにチャンピオンシップを争うことができたチームがいなかったことを考えると、私たちが初戦であれだけ戦えたことは非常に励みになりますし、最終年にしてようやく彼らと戦えるかもしれないという手応えを得られたことも確かです」

    「短い準備期間の中でこれだけパフォーマンスがあるPUを送り出してくれたHRD-Sakuraには本当に感謝していますし、ホンダF1の意地と底力のようなものを感じています。開幕戦でのポールはホンダF1としてセナ以来30年ぶりという嬉しい記録もありましたが、パフォーマンスが充実していただけに歯がゆい思いもありますし、次は勝ちたいですね」

    「私が担当するアルファタウリについてもレッドブルと同じく、うれしさ半分、悔しさ半分という開幕戦でした。2台ともに週末を通して速さを見せていたことを考えると、角田選手の9位入賞のみという結果はチームとしてはやや寂しいですが、マシンとしてもチームとしても力があるという手応えを得られたので、今シーズンに向けてはポジティブです。どこかで表彰台を獲得できるのではないかと今から楽しみにしています」

    「何より、9位入賞を果たした角田選手は本当に堂々とした速さを見せてくれましたね。アロンソ選手やベッテル選手、ライコネン選手といった元チャンピオンを綺麗なオーバーテイクで抜いていく姿は、デビュー戦としては非常に鮮烈でした。予選Q2はタイヤ選択に泣いた部分もあったので、Q3に進出してもう少し前からスタートしていたらどこまで行けたかな?などとも思いましたが、まだ楽しみは先に取っておきましょう。日本でも色々とニュースになっていたようですが、アルファタウリのチームメイトはもちろん、F1パドックにいる他チームやメディアからもすでに一目置かれる存在になっているようで、本当に楽しみです」

    待望の日本人ドライバーである角田裕毅については「私たちにとってもF1の現場で日本人ドライバーと一緒に仕事ができることは、この上ない喜びです」と本橋正充は語る。

    「角田選手については一昨年のF3を戦っていたころから見ていました。昨年11月にイタリアで行われた2018年式のF1マシンを使用したテスト前後からは、PUやマシンについても、本人と色々話をするようになりました。そこから、年末のアブダビテスト、1~2月に行われた旧型車での複数回のテストや、先日のバーレーンでの公式テストなどで一緒に仕事をしてきました。デビュー戦を終えてみると、改めて、短期間ながらも初めてF1マシンに乗ったときからの彼の成長を感じています。『短い期間でよくここまで頑張ってきたな』という印象です」

    「TVなどでは分かりにくいですが、F2からF1にステップアップすると、マシンのスピード、パワー、ブレーキ、ダウンフォースなど、すべてが大きく変わり、ドライビング操作やフィジカル・メンタルの部分でこれまでよりもさらに高度なことが求められてくるはずです。私はドライバーではないですし、フィジカル面での厳しさを体感として理解しているわけではないのですが、少なくともステアリング操作の複雑さだけを考えても、小学生の算数と高校生の数学くらいの違いがあるのではと思っています。ドライバーはレースを通してすぐに自分の仕事の結果が出てしまう過酷な職業だけに、カテゴリーが変わった際にも短期間で適応し、他のドライバーに負けないだけの走りをしていくことが求められます」

    「その面では、角田選手は複雑なステアリングスイッチの操作にも難なく対応できるようになっていますし、高いGに耐えるために、身体つきや首回りが一回り大きくなったようにも見えます。バーレーンテストでは1日100周近くを走行し、その終盤にかけてベストタイムを更新していくような走りをしていたので、フィジカル面の準備も十分なのではと感じました」

    「エンジニアとして興味深いなと思っていたのは、イタリアでのテストの際などに、マシンの挙動に身体を慣らすだけではなく、エンジニアに指示されていないときでも自分で色々なステアリングスイッチをガチャガチャと触りながら、どのようなボタンを押すとマシンがどのような反応をしてどうパフォーマンスをしていくかを確かめていたことです」

    「ステアリングスイッチの操作と言ってもなかなか分かりにくいかもしれないので、マニアックですがここで少し説明をさせてください。F1マシンのステアリングには多くのスイッチがついており、複数のスイッチ操作を組み合わせることにより、PUだけでも状況に応じて数万通りの動作パターンが設定されています」

    「昨年途中のレギュレーション変更により、レースや予選中に使用できるモードについては制限がかかっていますが、プラクティスの間にはそれらの制限がないので、エンジニアの指示に合わせてモードを変更しながら、レースや予選に向けた最適なモードをサーキットごとに探っていくことになります。また、バッテリーのパワーをどう充電し、どこで使うかといった部分は現在もレース中に変更可能で、これだけでもかなりのパターンが用意されています。ですので、ドライバーは予選やレースのドライビングに集中するだけでなく、同時に複雑なスイッチ操作が求められます」

    「レースの際には、我々ホンダF1のエンジニアはPUから送られてくるデータとレース状況を監視しつつ、チーム・ドライバーの要求と、レース・マシンの状況に対して最適なPUの設定を導き出して、最適な設定に変更するようにチーム側のエンジニアに伝達します。そしてそのエンジニアがドライバーに変更の指示を送っています」

    「基本的にはドライバーはその指示通りに、いくつかのスイッチを押して充放電などのモードを変更していくわけです。ただ、これまで我々が一緒に仕事をしてきたドライバーの中には、時として自分でレース状況を考えて、我々が指示を伝える前に自分で最適なPUのモードを選択できるといったスキルを持つ人も存在しています」

    「簡単に聞こえますが、市販車やゲームのように”3個のモードが用意されていてそれを随時切り替えていく”と言った簡単なものではなく、前述の通り、最大数万通りの設定から専任のPUエンジニアが最適なモードを随時選択していくものです。したがって、スイッチ操作を自分で行うといっても、その大前提として、複雑な仕組みとそれによるパフォーマンスの違いを正確に理解していることが求められます」

    「そうした知見が非常に優れ、エンジニアとして舌を巻くようなドライバーも存在していますし、逆にそういったことを全く行わず指示に忠実にドライブするドライバーもいるので、どちらがいいかは一概には答えられません。ただ、ドライバー自身が自分の感覚や状況に応じてレース中に『あとXX周後のこのコーナーで前のマシンを抜きたい』といったことを考えながらレースを組み立てているはずで、その際に自分の手足となるF1マシンについて、例えば『ここでパワーを使わず、ここで使い切る』といったように、ある程度自分で考え、思い通りに操作できたほうが、レースを組み立てていく上では強みになるはずです」

    「角田選手がどういったタイプのドライバーなのか、レースを多くこなしていない今はまだ分かりませんが、テストの際に担当エンジニアが『こんなにスイッチを自分で触るドライバーは珍しい』ということも言っていましたし、操作に応じたマシンの挙動やPUのパフォーマンスの違いを、積極的に学ぼうという、とても強い意欲を感じました。少なくともバーレーンGPを見る限りは、そういった部分の理解が非常に深いように思っています」

    「フィジカル面についても同じですが、向上していくためにストイックかつ貪欲に努力をしていけるドライバーだという印象です」

    角田裕毅の素顔について「性格については、優しい顔をしているのでおとなしそうな印象を受けますが、実際には気の強い一面もあり、自分の考えをきちんと持っています」と語る。

    「図太いという言葉が正しいか分かりませんが、基本的にはどんな時も飄々としており、少なくとも私たちの前でナーバスになったり、プレッシャーを感じている様子を見せることはありません。また、たくさんの経験豊富な大人に囲まれる中でも全く動じず、きちんと自分の考えを伝えています。仕事以外の場面では、20代になりたての青年の素顔みたいなのも見えたりもしますけどね」

    「F1ドライバーに速さが求められることは当然ですが、それ以外にも、自分の走行スタイルにマシンを合わせるため、『エンジニアとメカニックにマシンをセットアップしてもらう能力』というものが必要です。そのため、自分の要望を伝えるコミュニケーション能力に加え、周りを巻き込み、自分の味方につける能力が求められるのですが、角田選手はイタリア人中心のチームの中でも、そういったことがしっかりとできている印象です。ちょっとしたことですが、セッションがすべて終わった後に一人ひとり『ありがとう』と伝えたり、サーキット入りした際にも会ったみんなにきちんと挨拶したりといった姿勢が、多くの味方を作ることに繋がっているようにも感じます」

    「レース中のメンタル面も、昨年のF2を通して大きく成長したとも聞いてますし、コミュニケーション部分もF2や一昨年のF3で、スイスやイギリスのチームメイトと仕事をする中で多くを学んできたのではないでしょうか。F3のころから見ているので、『あの子がいまやF1ドライバーか』という、どこか不思議な部分もあります」

    「ドライバーはチームの中心であり、実際に自分ひとりのために数百人が仕事をしているわけなので、その言動がチームに及ぼす影響は大きいのですが、これからレースを重ねるにつれてそういった部分についても強く実感していくのではと思っています。着実に経験を重ね、成長を続けていってほしいものです」

    日本人ドライバーと仕事ができることについて本橋正充は「ホンダF1のエンジニアとしては、PUの話を日本語でできるメリットも感じています」と語る。
    「もちろん、これまでも各ドライバーとは密にコミュニケーションを取りながら、それぞれのフィードバックをセッティングや開発に反映してきましたが、特に数値以外の感覚的な部分や抽象的な表現は、母語が同じだと擬態語や擬音語を使いながら微妙なニュアンスを伝えやすいので、PUの微小な挙動の話などをする際にはより理解が深まりやすいです」

    「角田選手はアルファタウリのドライバーであると同時に、日本のファンの皆さんの期待を背負っているドライバーなので、我々としては『いいレースをさせてあげなければ』という責任の大きさを感じています。一方で、ラストイヤーに日本人ドライバーと仕事をさせてもらえる大きな喜びも感じており、私たちが最後にもらった大きなプレゼントのような気もしています」

    「この1年を今後さらに彼がトップドライバーになっていくための飛躍の年にしてほしいと願わずにはいられませんし、私たちも彼が世界を驚かす姿を間近に見られたら、こんなにうれしいことはありません」

    「ただ、実際にはルーキーなのでまずは地に足をつけてF1に適応していくことから始まると思います。素晴らしい開幕戦を戦ってくれただけに、周囲の注目度や期待も上がっているように思いますが、ここからも気負わず、これまで通りの角田選手らしいアグレッシブな走りを見せてほしいと思っています。また、PUからパワーを引き出すために、ホンダF1としても最大限のサポートをしていきます」

    「まずは第2戦のイタリア・イモラですね。角田選手はこのサーキットで、オフの間に何度か過去のマシンを使ってテストをしていたので、サーキットの特性は頭に入っていると思います。彼がどこまでやれるのか、今回も本当に楽しみです」

  • ホンダF1、開幕戦F1バーレーンGPの問題でPUのソフトウエアを調整

    ホンダF1、開幕戦F1バーレーンGPの問題でPUのソフトウエアを調整

    ホンダF1は、2021年のF1世界選手権の開幕戦F1バーレーンGPでPUがいくつかの問題に見舞われたが、レッドブルF1のモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、ソフトウエアにいくつかの小さな調整を加えるだけで問題を防ぐことができると語る。

    F1バーレーンGPの週末、ホンダはPUエレメントを2回交換している。さらに悪いことに、決勝のフォーメーションラップではセルジオ・ペレスのマシンが突然シャットダウン。なんとか再始動して5位フィニッシュを成し遂げたが、信頼性に不安の残る週末となった。

    金曜日にはアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー、土曜日にはレッドブル・ホンダのセルジオ・ペレスは、データに不具合が見られたことで、予防措置として年間2基まで使用できるエネルギーストアとコントロールエレクトロニクスをすでに交換している。

    ピエール・ガスリーはパーツ交換後も問題は発生しなかったが、セルジオ・ペレスは前述のとおりフォーメーションラップでRB16Bが突然シャットダウンした。

    少なくともヘルムート・マルコは、レースの週末の後、ホンダのエンジンについて慌ててはいない。ヘルムート・マルコによると、すべての問題はソフトウエアであり、ハードウエアではないという。

    「我々が抱えていた問題は主にソフトウェアに関連していた」とヘルムート・マルコは Formel1.de に語った。

    「ペレスのマシンのバッテリーは土壇場で交換された。おそらくそれが彼のマシンがスタートの直前に電源が落ちて停止した理由だった」とヘルムート・マルコは説明した。

    「彼は何も起こらなかったかのようにステアリングを外し、センセーショナルな方法ですべての緊急手順を実行しました。突然、パワーが戻ってきた」

    「しかし、問題はハードウエアにあるのではない。バーレーンで発生したすべての問題は、主にソフトウエアに関連したものだった。適切に調整すれば、すべて解決できる」

  • レッドブルF1幹部 「角田裕毅はF1チャンピオンへの期待にも動じていない」

    レッドブルF1幹部 「角田裕毅はF1チャンピオンへの期待にも動じていない」

    レッドブルF1のモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、角田裕毅は“日本人初のF1ワールドチャンピオン”への期待にまったく悩まされてはいないと語る。

    7年ぶりの日本人F1ドライバーとなった角田裕毅は、F1バーレーンGPの予選Q1でアルファタウリ・ホンダのF1マシンで2番手タイムを記録する衝撃デビューを果たし、決勝では9位入賞を果たし、デビュー戦でポイントを獲得した初めての日本人ドライバーとなった。

    F1のマネージングディレクターを務めるロス・ブラウンは角田裕毅を“F1史上最高のルーキー”と評価し、チームメイトのピエール・ガスリーも“非常に印象的”だと舌を巻く。

    レッドブルF1の幹部であるヘルムート・マルコやアルファタウリ・ホンダのF1チーム代表を務めるフランツ・トストは“将来のF1ワールドチャンピオン”だと期待しているが、角田裕毅はそういった称賛やそれに伴うプレッシャーにまったく悩まされていない。

    ヘルムート・マルコは、20歳の角田裕毅の“マシンを飛ぶように速く走らせる”才能を称賛した。

    「それに彼は全体的に小さな外見でカリスマ性があり、面白い男だ」とヘルムート・マルコは Formula1.de に語った。

    「彼はF1に対して非常に前向きだと思う。彼がいることをとてもうれしく思う」

    ヘルムート・マルコは、角田裕毅は「これらすべての発言をまったく負担に感じていない」と続けた。

    「彼は信じられないほどの自信を持っている。彼は最速であること、トップを走ることにしか興味がない」

    F1バーレーンGPで9位入賞を果たした角田裕毅は、デビュー戦でポイントを獲得した最初の日本人ドライバーであり、F1全体でもそれを達成したドライバーとして65人目となる。

    専門家たちは、一時は角田裕毅をエンジンサプライヤーであるホンダのバーターという見方さえしていた。しかし、衝撃的なF1デビューを受け、角田裕毅はレッドブルの将来を背負って立つジュニアドライバーとして認識され、2022年、もしくはレッドブル・レーシングがセルジオ・ペレスを2年目も保持することを選択した場合には2023年にトップチームに昇格する可能性に期待さえしている。

    ヘルムート・マルコは、角田裕毅を取り巻くメディアの反応はかなり面白いと感じていると語る。

    「昨年は角田と発音することさえできなかったし、シューマッハのことしか話していなかった」とヘルムート・マルコは語った。

    「そして今、突然、彼は来年のレッドブル・レーシングにいることになっている!」

    では、実際に角田裕毅が2022年にレッドブル・レーシングのドライバーを務める可能性はあるのかと質問されたヘルムート・マルコは「成り行きを見守ってみようではないか」とコメント。

    「23レースのうち最初のレースを終えただけだ。彼がどのように成長するか見てみよう」

    レッドブル・レーシングは、過去にダニール・クビアト、ピエール・ガスリー、アレクサンダー・アルボンといったドライバーをジュニアチームからトップチームに昇格させたが、マックス・フェルスタッペンという絶対的なドライバーの登場によって、どのチームメイトも実力を発揮できずに降格させられている。

    ヘルムート・マルコは「我々は最初から彼が信じられないほどのダイヤモンドの原石であることを分かっていた。それを燃やしてしまうようなことはしたくない」とコメント。

    「彼の成長を見て、適切な時期に決定を下す」

  • ホンダF1 「ホンダと言えないマシンを見るのは複雑な気分になるだろう」

    ホンダF1 「ホンダと言えないマシンを見るのは複雑な気分になるだろう」

    ホンダF1のマネージングディレクターを務める山本雅史は、2022年にレッドブル・レーシングがロゴが出ていないホンダのF1エンジンでレースをするのを見るのは“複雑な気分”だろうと認める。

    2021年にF1から撤退するホンダは、2022年からレッドブルにF1パワーユニット技術を譲渡。レッドブルが独自に開発を継続する“元ホンダ”のF1エンジンがレッドブル・レーシングとアルファタウリ・ホンダのマシンに搭載される。

    「レッドブルと大筋の方向性では合意していますので、今は来年以降、ホンダがどうサポートをしていけるのか詳細を詰めているところで、その部分は引き続き協議中です」と山本雅史は語る。

    「個人的には、来年からも我々が作ってきたものを使ってもらえるということでとてもうれしいです。ホンダとしても競争力のあるPUを提供することでレッドブルがチャンピオンシップを争えるようにサポートしていきたいと思っています。それがきちんとできれば、本当に素晴らしいことですよね」

    「マシンやエンジンにHondaのロゴが出ることはありません。ホンダのPUを搭載したマシンを外から見ることになるのは複雑な気分になるでしょうね。マシンの心臓部はホンダなのに、ホンダのクルマとは言えないわけですから」

    ホンダF1は、2015年にマクラーレンのパートナーとしてF1に復帰して以来、飛躍的に進歩してきた。当時は、間違いなく最も遅いエンジンだった、少なくとも最近のシーズンではメルセデスのF1エンジンに匹敵するものになった。

    2021年のホンダF1の新しいパワーユニットは当初2022年にデビューする予定だったが、これらのアップデートは、ホンダがF1を離れると発表した後、2021年に前倒しされた。山本雅史はこれまでのエンジンのパフォーマンスに興奮しており、日本のさくらにある研究開発拠点でのエンジニアたちを称賛した。

    「もともと、コロナ禍以前は、2021年に新たなPUを投入する予定でしたが、コロナの影響で開発計画は2022年まで延期となりました。しかし、2021年末での参戦終了を発表したことで、再び今季からの投入に計画を変更したんです」と山本雅史はコメント。

    「コロナ禍で、2022年型の開発が数カ月間はストップしたのに、それを2021年に投入しようということで、かなりタイトなスケジュールになったのは事実です。Sakuraのエンジニアは、本当に頑張ってくれましたね」

    「使える時間は限られていましたから、厳しい状況ではあったものの、我々には2015年から積み上げてきた知見がありますし、うちのエンジニアならやってくれると信じていました。このPUで出力が向上できると確信していたので、パワーの増したPUで戦うんだという強い思いで進めてきました」

    開幕戦F1バーレーンGPでは、マックス・フェルスタッペンがポールポジションを獲得したものの、決勝では戦略的に有利なメルセデスF1のルイス・ハミルトンが勝利を手にした。それでも、山本雅史は残りノシーズンに自信をにじませる。

    「昨年の反省は、最初の3連戦であまりポイントを獲得できなかったことにあります。ホンダとしては序盤の数戦で絶対にミスをしてはいけませんし、特にマックスとチェコにはできる限り多くのポイントを手にしてもらいたいと思っています」

    「現実的には、すべてのコースで強さを発揮して全戦優勝というのは難しいでしょうけど、レッドブルとは、ここで勝たなきゃいけないよね、というコミュニケーションは十分にできています。その他のレースでも最低限表彰台には立たなければなりません。このバランスをしっかりと取って、すべてのレースでいい結果を残していきたいと思います」