カテゴリー: フェルナンド・アロンソ

  • ガブリエル・ボルトレト F1オーストリアGP「アロンソの駆け引きは完璧だった」

    ガブリエル・ボルトレト F1オーストリアGP「アロンソの駆け引きは完璧だった」

    ガブリエル・ボルトレトが、F1オーストリアGP終盤にフェルナンド・アロンソと繰り広げた白熱のバトルを振り返った。自身にとってF1初のポイント獲得となる記念すべきレースの裏には、マネージャーでもあるアロンソとの駆け引きがあった。

    ザウバーのルーキーであるボルトレトは、70周のレースの49周目にフレッシュタイヤを投入。その効果もあり、レース終盤には7番手を走行していたアロンソに急接近した。

    しかし、2度のF1世界王者であるアロンソの老練な走りを前に、最後まで追い抜くことは叶わず、0.5秒差の8位でチェッカーを受けた。

    レースリーダーのランド・ノリスが両者をラップしたことで、実質的に戦いは1周早く終了。これによりアロンソは、ボルトレトの最後の攻撃を受けずに逃げ切る形となった。

    「彼は本当に経験が豊富だ」と20歳のボルトレトは語った。「ブルーフラッグの使い方も完璧だったし、あわやノリスをバックストレートで抜き返しそうな場面もあった。でも、決してルールに反することはせず、完璧にやってのけたんだ」

    アロンソを間近で追ったことで多くを学んだかと問われると、ボルトレトはこう答えた。

    「もちろん学んだ。でも、ああいうのは家に帰って、リラックスした状態で彼のオンボード映像を見て、1本1本のライン取り、ミラーの見方、DRSを得るためのブレーキングの仕方をじっくり研究するべきものなんだ」

    「僕はとにかく抜こうと集中していた。まるで初めてポイントを取ろうとする若造みたいな感じだったよ」

    「彼はというと、リラックスして冷静に守っていた。完全にレースを掌握していたんだ。タイヤの状態は彼の方が悪かったはずなのに、それでも僕を2周も抑えきった。素晴らしい仕事だったと思う」

    レース後、パルクフェルメでアロンソはボルトレトを抱きしめ、F1初入賞を祝福した。

    「彼は『初ポイントおめでとう。本当にいい仕事をしたね』と言ってくれた」とボルトレトは明かす。

    ボルトレトは2022年からアロンソのマネジメントチーム「A14マネジメント」に所属しており、師弟関係にある。

    一方のアロンソは、ボルトレトの猛追を凌ぐためにノリスのラップに合わせた“奇策”を明かした。

    「最後、ガブリエルの方がずっと速かった」とアストンマーティンのアロンソは語る。「もう守れないかと思ったけど、幸いにもランドがちょうどいいタイミングで僕らをラップしていった」

    「ランドが僕らを抜いたことで、次の周がチェッカーフラッグになったんだ。だからP7でフィニッシュできたのはラッキーだった」

    「もちろんランドを抜くつもりはなかったけど、彼のすぐ後ろに留まっていたらガブリエルに抜かれていたと思う。だからちょっと動きを変えて、彼に僕が何をするつもりか分からないようにして混乱させる必要があったんだ」

    若き才能と老練な名手による師弟対決は、ボルトレトにとってもアロンソにとっても特別な一戦となった。

  • フェルナンド・アロンソ F1オーストリアGP決勝「あと1周あったら危なかった」

    フェルナンド・アロンソ F1オーストリアGP決勝「あと1周あったら危なかった」

    フェルナンド・アロンソは、F1第11戦オーストリアGPで11番グリッドからスタートし、巧みなタイヤマネジメントと戦略判断で7位フィニッシュを果たした。今季序盤から苦戦が続くアストンマーティンにとって、貴重な6ポイントとなる結果だった。

    この日、アロンソはミディアムタイヤでスタートし、1回のピットストップでハードに交換。その後は70周の大半をフェルナンド・アロンソらしいペースコントロールで走り切った。

    終盤にはガブリエル・ボルトレト(ザウバー)から激しいプレッシャーを受けたが、ポジションを守り切るレース運びは圧巻だった。

    「11番手スタートから7位という結果には満足している」ととアロンソは振り返る。

    「ワンストップ戦略は朝の段階では正直自信がなかったけど、結果的にうまくいってチームの判断は正しかった。レースを通してDRSを活用できたし、最後は少し運にも助けられたと思う。もう1周あったら危なかった」

    「厳しい週末をいい形で締めくくることができたし、チームのハングリーさも感じられる。次のシルバーストンにもこの勢いを持ち込みたい」

    マイク・クラック(チーフ・トラックサイド・オフィサー)も「フェルナンドは完璧にタイヤ戦略を遂行し、非常に困難なワンストップ作戦を成立させてくれた」とベテランの働きを称賛した。

    フェルナンド・アロンソ F1 オーストリアGP アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    一方、チームメイトのランス・ストロールは予選Q1敗退からのスタートとなり、決勝でも角田裕毅との接触によって序盤からペースを乱された。加えて、タイヤの著しい摩耗にも悩まされ、ポイント圏には届かず14位完走に終わった。

    「この週末が厳しいものになることは分かっていた」とストロールは認める。「フリー走行ではある程度のペースがあったけど、週末が進むにつれて気温が上がるなかでその流れを維持できなかった。グリッド後方からのスタートだったし、レースではタイヤのデグラデーションに苦しんで、戦略も柔軟に変更しなければならなかった。しっかり見直して、シルバーストンではもっと強い週末にしたい」

    クラックも「ランスは全力で戦い、フィールドの中でいくつかのバトルにも関わったが、高いタイヤのデグラデーションに苦しみ、今日はポイント圏には届かなかった」と述べ、両ドライバーの走りを総括した。

    アストンマーティンにとっては明暗の分かれる結果となったオーストリアGPだったが、アロンソの老練な走りはチームにとって貴重な6ポイントをもたらし、復調の兆しを感じさせる内容だった。次戦は地元グランプリとなるF1イギリスGP。再びポイント圏内で2台揃ってのフィニッシュを狙う。

  • フェルナンド・アロンソ F1オーストリアGP予選「ポイントは狙える」

    フェルナンド・アロンソ F1オーストリアGP予選「ポイントは狙える」

    フェルナンド・アロンソは、F1オーストリアGP予選で11番手を記録し、惜しくもQ3進出を逃した。それでもアストンマーティンのベテランは、決勝でのポイント獲得に前向きな姿勢を見せている。

    週末を通して快適なフィーリングには至らなかったものの、予選では改善を果たし、あと0.1秒に迫る走りを披露。アロンソは明日の暑くなるレースを見据え、戦略面での柔軟性を強調した。

    「今日の11番手にはけっこう満足している。Q3にはあと一歩だったけど、明日ポイントを狙える良い位置だと思う」とアロンソは語る。「ここまでは簡単なセッションじゃなくて、マシンにしっくりこない部分もあったけど、明日のレースは暑くて厳しい展開になるだろうから、戦略面でも柔軟に対応する必要がある。すべてがうまくいけば、前に出てポイントを獲れるチャンスはあると思う」

    アストンマーティンはこの予選で、2台のうちアロンソだけがQ2に進出。僚友ランス・ストロールはQ1で敗退しており、チームとしては厳しい結果となった。

    チーフトラックサイドオフィサーのマイク・クラックは「短いラップの中でフィールド全体が1秒以内に収まっていた非常にタイトなセッションだった。フェルナンドはQ3進出にわずかに届かなかったが、戦略次第で十分ポイント圏内に戻れる」と評価している。

    アロンソにとっては3戦連続ポイントフィニッシュを目指すレースとなる。オーバーテイクの多いレッドブル・リンクで、百戦錬磨のベテランがどのようなレース運びを見せるのか注目だ。

    フェルナンド・アロンソ F1 オーストリアGP アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

  • フェルナンド・アロンソ 「F1で逆境を乗り越えるにはメンタルの強さが重要」

    フェルナンド・アロンソ 「F1で逆境を乗り越えるにはメンタルの強さが重要」

    フェルナンド・アロンソは、F1での逆境を乗り越えるには「メンタルの強さ」が何よりも重要だと語り、外野の声に惑わされることはないと断言した。

    43歳のアロンソは、2006年以降タイトルから遠ざかっており、レース勝利も10年以上ない。しかし彼自身は、依然としてグリッド上で最も優れたドライバーの1人だと考えている。

    「(引退すべきだという)声はすべて外からのものだ」とアロンソはスペインのスポーツ配信メディア『DAZN』に語った。

    「パドックの中にいる人たちは、ベストな5人が誰かをちゃんと分かっている。外の人たちは統計だけを見て、勝利数が多い人が一番だと考える。でも、そういう見方に全員が同意しているわけじゃない」

    たとえばカナダGPでの7位フィニッシュに関しても、彼は満足していると明かす。

    「他のドライバーは、5位が続いただけでフラストレーションを感じたりする。でも僕はQ1で敗退したこともあるし、1シーズンでエンジンを13基も壊したこともある。F1というのは、メンタルが強くないとやっていけない世界なんだ」

    2026年末でアストンマーティンとの契約が切れるが、その後についてはまだ決めかねているという。ただし、今は「グランプリごとにグリッドに立てているだけでとても幸せ」だと語った。

    「結局のところ、僕が引退すべきタイミングを教えてくれるのはストップウォッチだと思っている。それか身体的に限界が来るとか、痛みが出るとか。そういう理由もあるだろうね」

    「引退の時はいつか来る。僕は2018年に一度F1を離れている。そして必要だと思ったからこそ戻ってきた。だから次にF1を辞めるときは、今度こそ100%確実に終わりになると思う」

    フェルナンド・アロンソ アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    アストンマーティンは2025年シーズン序盤こそ苦戦したが、近頃は改善の兆しも見え始めている。そして何よりも、初めてエイドリアン・ニューウェイが手がけるマシンへの期待が高まっている。

    それでも、チームは今季をあきらめてはいない。

    「シルバーストンには興味がある」とアロンソは語る。

    「僕たちのホームレースだし、ファクトリーもすぐ近くにある。そこでアップグレードを投入する予定なんだ」

  • アロンソ アストンマーティンF1の不振は「マクラーレン・ホンダ時代とは違う」

    アロンソ アストンマーティンF1の不振は「マクラーレン・ホンダ時代とは違う」

    フェルナンド・アロンソは、現在のアストンマーティンの不振について、かつてのマクラーレン・ホンダでの失敗とは「違う」と語っている。

    2025年シーズン、アストンマーティンがミッドフィールド後方に沈んでいるにもかかわらず、アロンソは一貫して冷静でリラックスした様子を見せている。

    シルバーストーンを拠点とするこのチームは、アロンソが8度の表彰台を獲得しドライバーズ選手権4位に入った2023年の好調ぶりを活かしきれていない。

    スペイン人ドライバーであるアロンソは、今季ここまでスペインGPと先週末のカナダGPの2戦で表彰台に立ったのみだ。

    アロンソにとってF1で最も苦しかった時期のひとつが、2015年に復帰したマクラーレンでの4年間だった。この期間で獲得したポイントは、2023年の1年での成績を下回っており、当時はマシンへの不満を公然と示すことも多かった。

    アロンソはを含むメディアに対し、2019年のル・マン24時間レースでの優勝をはじめとする他カテゴリでの成功が、現在の落ち着いた姿勢につながっていると語った。

    「そう、違うよ。今はキャリアの違う段階にいるからね」とアロンソ。

    「たぶん2018年当時は、自分自身を証明する必要があったんだと思う。自分がまだ勝てること、勝利を楽しめること、成功を味わえることを再確認したかったんだ」

    「ル・マンやデイトナ、いろんなカテゴリーに挑戦して、どこでも競争力があって速さを示せたことで、今は気持ちが落ち着いた。だから数ヶ月、あるいは今回は数年でも待つことができるんだ」

    フェルナンド・アロンソ F1 マクラーレン・ホンダアロンソは2015年にマクラーレンに復帰したが、4年間にわたって苦しいシーズンを送った。

    2026年への信頼が心の支えに
    43歳となった今も、シーズン前半でのチームの低迷を前にしてもアロンソは動じておらず、アストンマーティン初年度の成功体験も前向きな姿勢の一因になっていると明かした。

    「2023年は、僕にとってもアストンマーティンに来て成功できたという意味で良いブーストになった。評価もされたしね」

    「そして今、2026年に新レギュレーションとエイドリアン(ニューウェイ)が加わる中で、今年はある意味『待機期間』のように感じている」

    「僕らは競争力がないし、多くのポイントは取れない。取れないどころか、まったく取れない可能性もある。でもそれでも、僕らは来年に向けて本気で集中し、やる気に満ちている。これは明らかに当時とは違う感覚だ」

    アロンソのこうした言葉は、アストンマーティン内部の関係者にとって大きな安心材料になるだろう。なぜなら彼が、旧知のフラビオ・ブリアトーレとの再会を兼ねたアルピーヌ復帰の噂にさらされている中でも、揺るぎない忠誠心を示しているからだ。

  • F1:フェルナンド・アロンソ レアル・オビエド昇格を現地観戦“幸運の象徴”に

    F1:フェルナンド・アロンソ レアル・オビエド昇格を現地観戦“幸運の象徴”に

    レアル・オビエドがついに、スペイン1部リーグ(LALIGA EA SPORTS)への昇格を果たした。実に24年ぶりとなる快挙の瞬間を見届けたのは、クラブと同郷のF1ドライバー、フェルナンド・アロンソだった。

    アストゥリアス州オビエド出身のアロンソは、決戦の舞台カルロス・タルティエレのVIP席から観戦。クラブの21世紀最大とも言える一戦を、まるで”お守り”のように現地で応援した。

    前回の昇格挑戦ではプレーオフで惜敗していたレアル・オビエド。今年も決勝第1戦で黒星を喫し、不安がよぎる展開となった。しかし地元の英雄サンティ・カソルラのゴールで同点に追いつくと、延長戦の末に逆転。夢の昇格を成し遂げた。

    アロンソは試合中もピッチと一体となって苦しみ、歓喜の瞬間には満面の笑みで選手とともに喜びを分かち合った。SNSでは「アロンソがタリスマン(幸運の象徴)になった」と話題に。

    ちなみに、アロンソが最後にF1ワールドチャンピオンとなったのは2006年。レアル・オビエドが1部に在籍していたのもその頃が最後だった。

    24年ぶりに夢をかなえた地元クラブの姿は、「もし彼らが戻れたのなら、僕だって…」というアロンソの復活を後押しするインスピレーションとなるかもしれない。

    フェルナンド・アロンソ F1 レアル・オビエド

  • F1移籍市場の主導権はフェルスタッペン ラッセルやアロンソにも波及

    F1移籍市場の主導権はフェルスタッペン ラッセルやアロンソにも波及

    本来であれば、今年のF1シリーシーズンは比較的静かなものになるはずだった。今季末で契約が満了するのは、メルセデスとレーシングブルズのドライバーたちのみだ。そして例年どおり、レッドブルのセカンドシートとアルピーヌの一角は、少なくとも短期的には不透明――フランコ・コラピントの去就もその一環だ。

    そのほかのドライバーたちは契約期間が2025年以降も残っている。フェラーリの2人は2026年のレギュレーション変更後も継続が決まっており、マックス・フェルスタッペンも2028年末までの契約がある。マクラーレンも現在のラインアップと長期契約を結んでいる。

    フェルスタッペンの将来は依然として大きな論点
    とはいえ、F1の世界ではすべてが紙の上の話で収まるとは限らない。契約が絶対的なものとは言いがたく、水面下では誰もが誰とでも話をしている。特にレギュレーション変更が控える中での不確実性を考慮すればなおさらだ。

    昨年と同様に、フェルスタッペンの去就はパドックで最も議論されている話題のひとつだ。昨年、トト・ヴォルフはフェルスタッペンと話をしたことを認めており、ザントフォールトでは「2025年に移籍は現実的ではない」ということで夏の間に合意に達したと語っていた。

    1年が経った現在も、フェルスタッペンはレッドブルに残る「意向」があると繰り返している。彼の契約には2028年までの条項が含まれているが、それにはいくつかの条件がある。ヘルムート・マルコによれば、そのうちの1つは、ドライバーズチャンピオンシップでの彼の順位に連動しており、その評価の時期は夏とされている。

    クリスチャン・ホーナーはモントリオールで次のように語った。「ドライバーの契約にはパフォーマンス条項があり、シーズンの中で特定の時期、たいてい夏頃にいろいろなことが動き出す」

    より重要なのは、契約や条項がすべてではないということだ。ホーナーは以前「紙切れだけで誰かを縛るようなことはしない」と語っており、今回のカナダでも同様の主張を繰り返した。「我々にとって重要なのはどうやって改善するかであって、紙に書かれたことではない。人生において契約書を引き合いに出すような関係は問題だと思う。重要なのはドライバーとの信頼関係だ」

    ジョージ・ラッセル F1

    モントリオールでのラッセルの注目発言
    カナダGP週末中のジョージ・ラッセルの発言も見逃せない。メルセデスとの契約交渉について問われると、「正直なところ、あまり話し合っていない。今はもっと重要な問題、つまりクルマを速くすることに集中している。来年もF1にいることは分かっているし、メルセデスに残るのが僕の意図であり、トトもそのつもりだと思う」と答えた。

    さらに興味深いのは彼の次の発言だ。「理解できるよ。マックスのような存在が常に注目の的になるのは当然だ。彼はGOAT(史上最高のひとり)だからね」

    この発言の注目すべき点は、フェルスタッペンについて質問されてもいないのに彼の名前を自ら持ち出したことだ。「でも結局は、自分自身の価値を証明できるかどうかなんだ。僕はF1での7年間、そしてそれ以前のキャリアを通してそれを証明してきたつもりだ。だから心配はしていない」

    数日後、彼はその言葉を裏付けるかのようにカナダGPで勝利を挙げた。「今の自分は調子がいい。将来やスペインでの出来事についていろいろ騒がれているけど、1年前だったらもっと気にしていたかもしれない。今は気にしない。自分の仕事に集中しているし、自分を信じている。チャンピオン争いをする準備はできていると感じている」

    これらの発言は、関係者があらゆる可能性を視野に入れて動いていることを示唆している。フェルスタッペンだけでなく、メルセデス側もそうだ。ヴォルフは昨年、将来的にフェルスタッペンとメルセデスの「道が交わるだろう」と語っていた。ただし、メルセデスがアンドレア・キミ・アントネッリを引き留めたいのであれば、既にチームリーダー的な役割を果たしつつあるラッセルはコスト面でも理想的な選択肢となる。

    2026年に勝つために何が必要なのか――とりわけ、メルセデスのパワーユニットが期待どおりの性能を発揮するなら――それがチームにとって最大の課題だ。F1のシリーシーズンはチェスのようなものであり、今年も例外ではない。ヴォルフも、フェルスタッペンも、ラッセルも、皆が駒を温存して動いている。

    フェルナンド・アロンソ F1

    アストンマーティンもラッセルに注目か
    そうした中、オートスポーツ誌が「アストンマーティンがラッセルの獲得を検討している」と報じたことは実に理にかなっている。2026年からの新時代に向けて当然の成り行きと言える。

    フェルスタッペンがメルセデスのレーダーにある中で、ラッセルが自らの選択肢を残しておくのは自然なことだ。彼はメルセデスに残る意向を明言しており、実際そうなる可能性は高いが、「来年もF1にいるのは間違いない」という発言からは、仮に何か想定外の事態が起きた場合にも備えていることがうかがえる。2025年における彼の安定した成績を考えれば、シートを失う可能性は事実上ゼロに近いが、F1の世界では常に「自分の選択肢を確保しておく」ことが賢明とされる。

    それにしても、アストンマーティンの名前がここで浮上するのは興味深い。フェルナンド・アロンソには契約があり、ローレンス・ストロールの投資は基本的に息子ランスとともにF1での成功を目指したものだ。ランスが希望する限り、彼のシートは保証されている。

    しかしカナダGPの週末中、アロンソがアルピーヌのホスピタリティエリアを何度も訪れていたとの噂が流れた。アルピーヌは彼が3度にわたり所属した古巣でもあり、現アドバイザーのフラビオ・ブリアトーレは彼のマネージャーでもある。

    アストンマーティンのチーム代表アンディ・コーウェルは、こうした報道を気にしていない様子だった。「フェルナンドがガレージを訪れるのは構わない。彼はパドック中に知り合いがたくさんいるしね。

    来年も彼はうちと契約しているし、将来的にはアンバサダーとしても関係を続けてほしい。彼と一緒に仕事ができて光栄だよ」アストンマーティンによれば、アルピーヌ訪問は単なる旧友との昼食だったとのことだ。

    たとえそれがもっと踏み込んだ話だったとしても、今回の流れ全体には合致している。つまり、「この時期は誰もが誰とでも話をしている」という現実だ。

    アロンソがエイドリアン・ニューウェイ設計のマシンに乗れるチャンスを見逃すとは考えにくい。アストンマーティンはホンダとのワークス契約もあり、最新の設備を備えている。アルピーヌのセカンドシートは、2026年に注目されるメルセデスPUを搭載する数少ない空席かもしれないが、アストンマーティンが新レギュレーション下での成功に向けて体制を整えている現状を見る限り、アロンソが他所へ移籍する理由は見当たらない。

    結局、鍵を握るのはフェルスタッペン
    つまり、ここ数週間の報道の多くは少し性急に過ぎる。実際には、選択肢をテーブルの上に並べている段階にすぎない。それこそが“シリーシーズン”序盤の本質だ。昨年と同様に、すべてはフェルスタッペンの本当の意志次第という構図だ。彼がレッドブル残留の「意向」を示しているとはいえ、状況が一変する可能性は常にある。

    このシリーシーズンが本格的に動き出すか、それとも静かなままで終わるか――その分かれ道を握っているのは、やはりフェルスタッペンなのだ。

    なお、マクラーレンはオスカー・ピアストリの契約を早期に更新したことで、状況を非常にうまく切り抜けている。ホーナーが「マクラーレンから1人選べるとしたらオスカー」と語った際の対応としても見事だった。F1のドライバー市場がこれから荒れるとしても、マクラーレンのメッセージは明確だ。「うちは干渉無用」――である。

  • フェルナンド・アロンソ F1マドリード開催を歓迎「新しいサーキットは楽しみ」

    フェルナンド・アロンソ F1マドリード開催を歓迎「新しいサーキットは楽しみ」

    2度のF1ワールドチャンピオンであるフェルナンド・アロンソは、2026年にスペインでF1が2戦開催される見通しとなったことについて、「素晴らしいニュース」だとして歓迎の意を示した。

    現在、アロンソはバルセロナのカタルーニャ・サーキットのアンバサダーを務めており、同サーキットはF1カレンダー残留を懸命に目指している。一方でマドリードは、2026年から正式にスペイングランプリのタイトルを引き継ぐ形でF1カレンダーに加わることがすでに決定しており、長期契約も締結済みだ。

    マドリード市長のホセ・ルイス・マルティネス=アルメイダは、アロンソがマドリードGPに対して消極的なのではないかとの見方について次のようにコメントしている。

    「アロンソがスペインで年に2回レースをすることは非常に素晴らしいことだと思う。もし彼がマドリードでの開催に反対なら、その理由を自ら説明すべきだ。2026年にスペインでグランプリが2戦開催されるのだから、スペイン国民は皆喜ぶべきだよ」

    これに対して43歳のアロンソは、マドリードとバルセロナの両方がカレンダー上で共存できる未来を望んでいると語り、自身の立場を明確にした。

    「もちろん、スペインで2つのグランプリがあるのは素晴らしいニュースだ。新しいサーキットを走るのが楽しみだし、スペインではこれまでにバレンシア、マドリード、バルセロナと3つのサーキットでレースしてきた。だから今回のマドリードの新コースも、良いトラックであることを期待している」

  • ロバート・クビサ 失われたF1の夢をル・マンで取り戻す アロンソ「誇りに思う」

    ロバート・クビサ 失われたF1の夢をル・マンで取り戻す アロンソ「誇りに思う」

    フェルナンド・アロンソは、元F1ドライバーのロバート・クビサがル・マン24時間レースで優勝したことについて、「今日はモータースポーツにとって良い日だった」と称賛した。

    2011年のラリー事故でF1キャリアが突然断たれたクビサは、フェラーリのWECチームの一員として今回の勝利を収めた。当時クビサはF1でフェラーリ加入が決まっており、実現していればアロンソのチームメイトになるはずだった。

    「本当に嬉しいよ」とアロンソは語った。「彼とは何度かル・マンがいかに特別なレースかを語り合ったことがあるし、彼にはそれを経験する資格がある。彼は我々のスポーツのレジェンドであり、ル・マン優勝を加えたことで、さらに伝説になった」

    「彼が事故で味わった苦しみを知っているからこそ、今日はモータースポーツにとって本当にハッピーな日だ」

    アロンソ自身も2018年と2019年にトヨタでル・マンを連覇しており、今回の勝利をSNSで「ブラボー、ロバート」と祝福した。

    「本当にうれしい。明日、彼に電話するつもりだ。今日は邪魔したくなかった。きっと今はお祝いの最中だろうけど、すごくうれしいし、彼のことを誇りに思う」

    今回のル・マン24時間レースでクビサと共に優勝を果たしたのは、フィル・ハンソンとイェ・イーフェイ。彼らはサテライトチームであるAFコルセの83号車フェラーリ499P LMHを駆り、激戦を制した。特にクビサは最後のスティントを担当し、給水ボトルが故障していたにもかかわらず59周を走り切り、全体の43%の距離を単独でドライブした。

    2011年の大事故以降、F1での道が絶たれたクビサにとって、今回のル・マン制覇はまさに報われた瞬間だった。アロンソがかつて「自分が対戦した中で最高のドライバー」と評した男にふさわしい偉業だ。

    さらに、F1カナダGPと同日に達成されたことも象徴的だ。クビサは2007年のカナダGPで大クラッシュに見舞われたが、翌2008年には同地でF1初優勝を飾っており、これが彼にとって唯一のF1勝利となっている。

    今回のル・マン制覇は、F1時代の最後のチームメイトだったジョージ・ラッセルが同日のカナダGPで優勝したこととも重なった。ラッセルはSNSで「ル・マン優勝おめでとう!本当に嬉しいよ!!」と祝福のメッセージを送っている。

    ロバート・クビサ F1 ル・マン24時間レース

    また、フェラーリでの勝利という点も感慨深い。クビサは2012年にスクーデリア・フェラーリと契約を結んでいたと報じられていたが、ラリー事故によってその夢は絶たれたとされる。

    F1実況のアレックス・ジャックは、「これはロバート・クビサにとって歴史的瞬間」と称賛。「フェラーリでF1を走る夢は事故で潰え、2021年にはLMP2クラスで最終ラップのリタイアという悲劇も経験した。だが今日、その復活劇がついに完結した」と綴った。

    フェラーリF1代表のフレデリック・バスールもクビサの勝利を喜んだ。バスールはF3やフォーミュラ・ルノー時代からクビサと関係があり、近年もアルファロメオでリザーブドライバーとして共に過ごしていた。

    「私とロバートの関係はとても近い」とバスールは語る。「彼はモータースポーツ界において“異星人”のような存在だ。今回のような状況でル・マンを制し、チームを牽引する姿は想像を超えている。本当に素晴らしい成果だと思うし、彼がこれまでキャリアに注いできた努力を思えば、今日の結果は心から嬉しい」

    なお、アロンソとクビサはともに、今世紀にF1とル・マンの両方で優勝した数少ないドライバーであり、現役F1ドライバーでル・マン優勝経験があるのは、2025年時点でザウバーのニコ・ヒュルケンベルグただ一人である。

  • フェルナンド・アロンソがアルピーヌ“ランチ訪問” アストンマーティンF1火消し

    フェルナンド・アロンソがアルピーヌ“ランチ訪問” アストンマーティンF1火消し

    フェルナンド・アロンソがカナダGPの週末にアルピーヌのホスピタリティユニットにいるところを目撃されたことを受けて、アストンマーティンは彼が移籍を検討しているという憶測を打ち消した。

    アロンソは2023年にアストンマーティンに加入し、2024年シーズンも契約していた。そして4月には2026年まで契約を延長したことが発表された。しかし、週末にアルピーヌで彼が目撃されたことで、かつてタイトルを獲得したエンストンのチームへの復帰の可能性をめぐる臆測が再燃することになった。

    Sky F1の実況中、デビッド・クロフトは次のように語った。

    「アルピーヌについてドライバーに関する話題があるときには、またアロンソについての話題も出てくる。そして、パドックの中で再びその話題が持ち上がっている。アロンソがこの週末、アルピーヌのホスピタリティユニットを4回訪れたという報告を聞いた」

    かつてルノーとアルピーヌで幹部を務めたマルチン・ブドコウスキも、モントリオールでアロンソの姿を少なくとも2回目撃したと述べた。

    「日曜の朝、彼がホスピタリティユニットから出てくるのを見た。その後、彼はパートナーとトレーナーと一緒に隅のテーブルで昼食をとっていた」

    ブドコウスキはさらに、「それが将来のアルピーヌへの復帰に向けた動きなのか、それともブリアトーレがちょっと騒ぎを起こして注目を集めようとしているだけなのか、あるいはお金を得ようとしているのか。だが、今回は昼食に来ただけだったようだ」と述べた。

    フェルナンド・アロンソ F1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    しかし、アストンマーティンは彼らのドライバーがチームを離れる意向があるという話を明確に否定した。

    Sky Sportsの番組『Any Driven Monday』の中で、アンディ・コーウェル(アストンマーティンのチーム代表)は次のように語った。

    「彼がどのチームのホスピタリティを訪れようと、我々は彼を歓迎する。彼には我々と来年の契約があるし、それ以降もアンバサダーのような形で長期的に残ってくれることを期待している」

    「彼が持ち込んでくれる戦闘的な精神、競争力は素晴らしいもので、チーム全体を刺激してくれる」

    ニコ・ロズベルグが「フラビオ・ブリアトーレの噂について心配しているか?」と尋ねると、コーウェルは笑顔で「まったく」と答えた。

    アロンソは2005年と2006年にルノーでF1ワールドチャンピオンとなっており、エンストンとの関係は深い。しかし、今回のランチ訪問はあくまで“ランチ”だったようだ。