F1スペインGP FP1詳報:ラッセル最速 角田裕毅はパワステ故障で18番手

F1スペインGP FP1詳報:ラッセル最速 角田裕毅はパワステ故障で18番手

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2026年F1第14戦スペインGPのフリー走行1回目(FP1)が9月11日(金)、マドリードの新設サーキット「マドリンク」で行われ、ジョージ・ラッセル(メルセデス)が1分34秒077でトップタイムを記録した。2番手にはアンドレア・キミ・アントネッリが続き、メルセデスが1-2で初セッションを終えた。

レーシングブルズの角田裕毅は、ソフトタイヤでのアタックに入ろうとしたところでパワーステアリングのトラブルが発生。16周の走行にとどまり、最終的に18番手となった。チームメイトのアービッド・リンドブラッドは7番手だった。

マドリンク初のF1公式セッションがスタート
現地時間13時30分、マドリンクで史上初となるF1公式セッションがスタートした。ピットレーンには開始前から列ができ、エステバン・オコンとオリバー・ベアマンのハース勢を先頭に各車が続々とコースへ向かった。

ラッセル、フェルナンド・アロンソ、地元マドリード出身のカルロス・サインツJr.も早々に走行を開始。初開催のコースとあって、各ドライバーはまずレーシングラインやバンプ、縁石、ウォールとの距離を確認しながら慎重に周回を重ねた。

ピレリが持ち込んだタイヤはC2のハード、C3のミディアム、C4のソフト。走行開始時点ですでに路面温度は48度に達しており、大半のドライバーがミディアムを選択した。ガブリエル・ボルトレトだけが序盤にハードタイヤを使用した。

序盤から急速な路面進化 各車が慎重に限界探る
開始6分を過ぎると各車のタイムが出始め、マックス・フェルスタッペン、シャルル・ルクレール、アントネッリらが次々にタイムシート上位へ浮上した。

新しい路面には走行を重ねるごとにラバーが乗り、タイムは急速に短縮していった。ウィリアムズのジェームス・ボウルズ代表も、このコースではセッションごとに数秒単位で路面状況が変化する可能性があると指摘していた。

一方、ニコ・ヒュルケンベルグは序盤の約10分をガレージで過ごし、他のドライバーより遅れてコースインした。

フェラーリがミディアムで好感触 トラフィック問題も浮上
セッション序盤からフェラーリ勢はミディアムタイヤで好ペースを示し、ルイス・ハミルトンが一時トップに立ち、ルクレールも僅差で続いた。

ただし、同時にトラフィックの問題も早くから浮上した。マドリンクにはブラインドの進入区間が多く、後方から来るマシンを認識しづらい場面がある。

F1 TVのジョリオン・パーマーは、予選ではインピーディングが大きな問題になる可能性を指摘。チームからドライバーへの情報伝達が極めて重要になると分析した。

その後、ルクレールがハミルトンに接近し、危うく追突しかける場面もあった。ルクレールは無線で「彼は僕が来ていることを知らなかったと思う」と伝え、チーム側に注意を促した。


路面温度50度超 タイヤに厳しいコンディション
セッションが中盤に差しかかると路面温度は50度を超えた。特に左フロントタイヤには目に見える摩耗が現れ始め、熱によるデグラデーションが大きなテーマとなった。

F2の走行を見ていたアレックス・ブランドルも、モニュメンタル(La Monumental)を通過した後はタイヤが十分に回復せず、1周を通してタイヤを保つことが難しいと分析していた。

レッドブル・レーシング代表のローラン・メキースも、タイヤを最大の課題に挙げた。

「ドライバーズサーキットだが、非常に難しい。ウォールもタイヤもあり、あらゆる種類のコーナーがある」

「まずリストの最上位に来るのはタイヤだ。すぐにオーバーヒートするし、誰もがグレイニングを警戒している。完璧なセットアップを持っているチームはいないと思う。我々も2台で異なるものを試している」

ソフト投入と同時に角田裕毅にパワーステアリング問題
残り30分を切ると、メルセデス、レッドブル、レーシングブルズ勢などがソフトタイヤへ移行。各車が本格的なアタックに入り始めた。

角田もソフトタイヤを装着してコースへ出たが、アタックに入ろうとしたところでパワーステアリングが正常に機能していないことを無線で報告した。

「このパワーステアリングに問題がある。……まだ問題があるか? ああ、問題がある、問題がある。ボックス、ボックス」

角田はソフトでのアタックを断念してピットへ戻った。マドリンクは22のコーナーを持つだけに、パワーステアリングの不具合は走行継続が難しいトラブルだった。

この時点ではミディアムで記録したタイムで12番手につけていたが、他車がソフトでタイムを更新するなか、徐々に順位を落としていった。

ラッセルがソフトで一気にペースアップ
残り18分になると、ラッセルがソフトタイヤで1分34秒077を記録。ここまでトップだったハミルトンのタイムを一気に上回った。

ラッセルにとってはソフトで最初の完全なクリアラップとなり、一気にペースを引き上げた形だった。

ノリスやピアストリもソフトでアタックに入ったが、各車ともトラフィックやタイヤのピークを合わせる難しさがあり、全員が完全なラップをまとめられたわけではなかった。

ピアストリ車にも問題 ガレージで修復作業
終盤に入ると、オスカー・ピアストリが足元付近で何かが動いていると無線で報告した。

当初はコックピット内の異物の可能性も考えられたが、実際には何らかのパーツが破損または緩んでいた模様で、ピアストリはガレージに戻った。

マクラーレンのメカニックはマシン周辺に集まり、短時間での修復を試みたが、その後の走行時間は限られた。

アロンソがターン8でウォールに接触
終盤にはアロンソがターン8でウォールに接触した。

ただし、タイヤ側が衝撃を受け止めたことで大きなダメージにはつながらず、そのまま走行を継続。マドリンクでF1マシンが本格的にウォールへ接触した最初の場面のひとつとなった。

一方で、他のドライバーにもロックアップやランオフへのコースオフが見られた。アントネッリやヒュルケンベルグはターン13でコースを外れ、まだ埃の多いランオフエリアに入ったことでタイヤを再びクリーンにする必要があった。


終盤はトラフィック多発 ハミルトンに不満の声
残り数分になると、コース上ではさらにトラフィックが増えた。

ハミルトンはヒュルケンベルグの走行を妨げ、アウディのドイツ人ドライバーが無線で不満を表明。さらにサインツJr.も、ハミルトンのコース上での位置取りに苛立ちを示した。

フェラーリはミディアムタイヤでは強いペースを見せたが、ハミルトンとルクレールはいずれもソフトで完全なアタックをまとめられず、ロックアップやトラフィックによってタイムを取りこぼした。

角田裕毅はそのまま走行終了 リンドブラッドとの差は1.906秒
角田のパワーステアリング問題はセッション中に解消されず、そのまま走行終了となった。

角田は16周を走行して1分36秒939。チームメイトのリンドブラッドは27周を走行して1分35秒033を記録し、両者の差は1.906秒だった。

ただし、リンドブラッドがソフトタイヤで本格的なアタックを行えたのに対し、角田はソフトではアウトラップとインラップだけにとどまっており、このタイム差をそのまま両者のパフォーマンス差と見ることはできない。

新しいレーシングブルズのマシンへの習熟を進めている角田にとって、初開催のマドリンクで走行時間を失ったことはFP2に向けて痛手となった。

スペイングランプリ

チェッカー ラッセル最速でメルセデスが1-2
チェッカーフラッグが振られ、マドリンクでの最初のF1公式セッションが終了した。

ラッセルが1分34秒077でトップ。アントネッリが0.286秒差で続き、メルセデスが1-2となった。ルクレールが3番手、ハミルトンが4番手、フェルスタッペンが5番手だった。

レーシングブルズではリンドブラッドが7番手、角田は18番手。アストンマーティン・ホンダはアロンソが15番手、ランス・ストロールが19番手となった。

アロンソのタイムはトップのラッセルから2.396秒差、ストロールは3.177秒差。事前にはマドリンクがパッケージに適しているとの期待も示されていたが、少なくともFP1のタイムシートでは下位に沈んだ。

ただし、初開催のコースだけに各チームともまだセットアップを探っている段階で、路面の進化も非常に大きい。タイヤの熱劣化、トラフィック、ウォールとの距離という複数の要素が、今後のFP2、予選、決勝に向けた大きなテーマとして浮かび上がった。