シャルル・ルクレールが2026年のF1シーズンに起こしたクラッシュによる修理費が、推定188万8000ドル(約2億9000万円)に達している。これはランス・ストロールの推定37万5000ドル(約5800万円)の5倍以上にあたり、今季のドライバーで最も高額な事故修理費だという。
ルクレールはF1イタリアGP決勝でもパラボリカで大クラッシュを喫してリタイア。今季のクラッシュ回数は4回となった。
一方、今季ノーポイントでモンツァではF1史上初となる通算100回目のQ1敗退を記録したストロールだが、意外にも今季のクラッシュはわずか1回にとどまっている。
ルクレール188万8000ドル対ストロール37万5000ドル
事故によるマシン損傷の修理費の推定では、ルクレールが今季ここまで188万8000ドル(約2億9000万円)を積み上げている。
対するストロールは37万5000ドル(約5800万円)。単純に比較すると、ルクレールの修理費はストロールの約5.03倍となる。
両者の差はクラッシュ回数にも表れている。ルクレールが今季4回のクラッシュを喫しているのに対し、ストロールはわずか1回だ。
ストロールは2025年には7回のクラッシュを経験しており、そのうちモナコではルクレールが絡む事故もあった。しかし、2026年は状況が大きく変わっている。
今季のストロール唯一のクラッシュはF1モナコGP決勝60周目、アントニー・ノゲで発生したものだった。
ストロール自身は路面状態が原因だったとはしていないものの、その場所では路面が荒れており、ウォールに滑り込む直前には右フロントタイヤに大量のタイヤかすが付着している様子も確認されていた。
それ以外のリタイアはいずれもメカニカルトラブルによるもので、F1ベルギーGPのフリー走行ではグラベルに飛び出したものの、大きなクラッシュには至っていない。
ルクレールは今季すでに4回クラッシュ
一方、ルクレールはモンツァ以前にも3回のクラッシュを経験していた。
F1モナコGPでは予選Q3でクラッシュ。さらに決勝66周目にも事故を起こしており、これはストロールがアントニー・ノゲでクラッシュしたわずか数周後だった。
その後、バルセロナで行われたF1スペインGPの予選でもマシンをクラッシュさせている。
そして4回目となったのが、F1イタリアGP決勝での大事故だった。
ルクレールは決勝序盤、オスカー・ピアストリとポジションを争うなか、パラボリカ出口でSF-26のリアを失った。マシンは高速でグラベルを横切り、そのままタイヤバリアに激突した。
衝撃は約60Gに達し、レースは赤旗中断となった。
233km/hで発生したモンツァの大クラッシュ
モンツァでの事故については、SF-26のテレメトリーデータから事故直前の状況も明らかになっている。
ルクレールはパラボリカ出口で233km/hに達していた。注目されるのは、その際のアクセル操作だ。
事故直前にはアクセル開度を2度にわたって100%から90%未満まで落としており、2度目には83%まで低下していたという。
この時点でルクレールはピアストリの前方にいたが、相手に十分なスペースを残すために通常とは異なるラインを取る必要があった。
その状態から再びフルスロットルに戻した際、SF-26は理想的なラインから外れ、排水用のグレーチング方向へ向かっていた。同時にリアタイヤもグリップの限界付近にあり、こうした要因が重なったことでリアが急激にブレイクしたとみられている。
推定では、このモンツァでのクラッシュは2026年シーズンで2番目に高額な単独事故となった。
今季ここまで最も高額な修理費が発生したとみられているのは、F1マイアミGPでピエール・ガスリーが起こした横転を伴う大クラッシュだ。
ただし、シーズンを通じた累計ではルクレールが188万8000ドルに達し、事故による修理費でグリッド最多となっている。

ノーポイントのストロールより5倍以上の修理費
この数字が際立つのは、比較対象となるストロールが2026年に厳しいシーズンを送っているためでもある。
ストロールは今季ここまでノーポイント。さらにF1イタリアGPではQ1敗退を喫し、現在の3セッション制の予選が導入されて以降、史上初めて通算100回のQ1敗退を記録したドライバーとなった。
それでも、クラッシュという一点ではストロールの方がはるかに少ない。
ルクレールの4回に対してストロールは1回。事故修理費でも約2億9000万円に達するルクレールに対し、ストロールは約5800万円にとどまっている。
ルクレールにとって今季は結果面でも厳しい状況が続く。チームメイトのルイス・ハミルトンは2026年シーズンで唯一、ここまで全レースの全周回を走破しているドライバーだが、ルクレールは3度チェッカーフラッグまで到達していない。バルセロナではリタイアしながらも完走扱いとなった。
両者のポイント差も36ポイントまで広がっている。
予算制限下のフェラーリにも痛手
事故による修理費は、予算制限が設けられている現在のF1ではチームにとって無視できない問題となる。
2026年のコストキャップは2億1500万ドル。ルクレールの事故によって発生したと推定される188万8000ドルは、その枠組みのなかで本来ならマシンの開発などに振り向けられた可能性のある資金でもある。
特にシーズン後半は、限られた予算をどこに投入するかが重要になる。フェラーリがSF-26の開発を続けるなか、モンツァで新たに発生した大規模な修理費は歓迎できるものではない。
今季ノーポイントのストロールがクラッシュを1回に抑え、修理費も推定37万5000ドルにとどまる一方、ルクレールは4回の事故で188万8000ドル。5倍以上という両者の差は、ルクレールが苦戦する2026年シーズンを別の角度から示す数字となっている。
