マクラーレンF1のチーム代表アンドレア・ステラは、メルセデスがライバルと同じペースでマシン開発を進めるための資金が不足しているというトト・ヴォルフの主張に疑問を呈した。
2026年F1シーズン序盤に圧倒的な強さを見せたメルセデスだが、フェラーリやマクラーレンが積極的なアップデート攻勢を仕掛けるなか、勢力図は変化している。オランダGP後、ヴォルフはメルセデスにはライバルと同じように開発パーツを投入するための「金がない」と説明したが、ステラは額面通りには受け取っていない。
メルセデスは序盤6連勝から失速
メルセデスはシーズン開幕から6戦連続で勝利を挙げたものの、その後の6戦では2勝にとどまっている。その間にフェラーリとマクラーレンがそれぞれ2勝を挙げ、トップ争いは大きく接近した。
特にフェラーリとマクラーレンは今季、積極的なアップデート戦略を採用しており、直近のレースでも新パーツを投入している。レッドブル・レーシングもメルセデス以上のペースで2026年型マシンの開発を続けてきた。
一方、メルセデスが最後に大規模なマシンアップデートを投入したのは5月のカナダGPだった。次の大型開発パッケージは10月初旬のマレーシアGPで投入される予定とされている。
オランダGPではランド・ノリスがマクラーレンを勝利に導き、2連勝を達成。こうしたライバル勢の伸長について、ヴォルフは開発資金の配分が影響していると説明した。
「マシンに開発パーツを投入するための金がない」とヴォルフは語った。
「シーズンを通じて均等に配分しようとしている。最大のアップデートをいつ投入できるか、そしてチャンピオンシップのポイントをどう最適化できるかという我々の計算に基づいている」
「だが、できることをやるしかない。それが開発競争というものだ。アップデートを投入すれば、トップチームならそれぞれ少なくともコンマ数秒の改善がある。それを投入できなければ、その分だけ失うことになる」
「だから、シーズン序盤に比べれば少し厳しい戦いになっている」

ステラ「信じたいが実際には信じていない」
しかし、マクラーレンを率いるアンドレア・ステラは、メルセデスに開発へ回すリソースがないという説明を疑問視している。
「信じたいとは思うが、実際には信じていない」とステラは語った。
「信じていない理由は、2027年のパワーユニット規則のおかげで、すべてのチームがコストキャップの報告において一定の余裕を持つことになるからだ」
ステラは、ライバルのパフォーマンス向上を目の当たりにしたメルセデスが、すでに開発を加速させているはずだとみている。
「ライバルたちがレベルを引き上げているのを見て、メルセデスも今、その開発成果を投入しようとしているはずだ。現場では間違いなく進んでいると思う」
「風洞にあるマシンは、現在サーキットを走っているマシンよりかなり速くなっているはずだ。そして、そのポテンシャルの一部を実車のアップデートへと変換したいと考えているだろう」
「彼らがアップデートを投入してくることはほぼ間違いないと思っている。もちろん、投入されなければ我々にとってはありがたいが、そんなことは考えたくもない」
マクラーレンはノリスの2連勝で反撃
メルセデスが開発ペースを抑える一方、マクラーレンはアップデートによって競争力を大きく引き上げている。
ランド・ノリスはオランダGPで2戦連続優勝を飾り、自身初のF1ワールドチャンピオンとなった2025年に続くタイトル防衛へ望みをつないだ。ランキング首位との差は83ポイントまで縮まっている。
ヴォルフはコストキャップ下での予算配分を理由に開発ペースの違いを説明しているが、ステラはメルセデスがこのまま手をこまねいているとは考えていない。シーズン後半のタイトル争いでは、メルセデスが温存してきた開発成果をいつ実戦投入するのかも重要な焦点となりそうだ。
