メルセデスF1で若手ドライバー育成を担ってきたグウェン・ラグルーが、11シーズンにわたるチームでの活動を終え、別れのメッセージを発表した。
ラグルーは2027年からレッドブル・ジュニア・プログラムのディレクターに就任することが決まっている。メルセデスではジョージ・ラッセルやアンドレア・キミ・アントネッリらのF1昇格を支えた育成部門の中心人物であり、その移籍は両チームの将来を担う若手発掘・育成にも影響を与える人事となる。
ハンガリーGPがメルセデスでの最後のグランプリ
ラグルーは自身のSNSを通じ、メルセデスで過ごした時間を振り返った。ハンガリーGPがチームスタッフとして参加する最後のグランプリだったことを明かしている。
「すべての夢にはチームが必要だ」
「数年前、この5つの言葉はメルセデスの物語の一部になった。そして今日、それは僕にとってさらに個人的な意味を持つものになった」
「ブダペストはメルセデスAMGペトロナスF1チームで迎える最後のグランプリだった。忘れることのできない11シーズンを経て、信じられないようなひとつの章が終わることになった」
ラグルーがメルセデスに加入する機会を与えたのは、チーム代表のトト・ヴォルフだった。
「トトがチームに加わる機会を与えてくれたとき、その先にどんな旅が待っているのか想像することなどできなかった」
「僕たちは一緒に築き、進化させ、毎日のように自分たち自身へ挑戦してきた。才能ある若いドライバーたちが、その可能性を最大限に発揮できるよう支援するという、同じ野心に常に突き動かされていた」
ラッセルやアントネッリらの成長を支援
ラグルーはメルセデスのジュニアプログラムを統括し、若手ドライバーの発掘から育成、そしてトップカテゴリーへのステップアップまでを支えてきた。
その中には現在メルセデスF1を代表するドライバーとなったジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリだけでなく、エステバン・オコン、ニック・デ・フリースらも含まれる。
「振り返ってみると、僕が最も誇りに感じているのは、単に僕たちが成し遂げたことだけではない。仕事をする機会に恵まれた、すべてのドライバーたちのことだ」
「エステバン・オコンやニック・デ・フリースから、ジョージ・ラッセル、キミ・アントネッリまで。フレデリック・ベスティやドリアーヌ・パン、そして長年にわたりメルセデスAMG F1ジュニア・プログラムの一員だった、あるいは現在もその一員であるすべてのジュニアドライバーたちだ」
「若い才能が世界トップレベルのプロフェッショナルへ成長していく姿を見ることは、僕のキャリアにおいて最大の特権のひとつだった」
「みんなには、これからも大きな夢を持ち、努力を続け、その旅の一歩一歩を楽しんでほしい。みんなの周囲には、自分自身の最高の姿になれるよう常に後押ししてくれる素晴らしいチームがいる」
ヴォルフとメルセデスに感謝「僕が覚えているのは人々」
ラグルーは自身をメルセデスへ迎え入れたヴォルフにも、特別な感謝を伝えている。
「トト、信頼と友情をありがとう」
「そしてメルセデスのみんな、その情熱、献身、そして卓越性を絶え間なく追求する姿勢に感謝している。このチームを本当に特別な存在にしているのは、成し遂げてきたことだけではない。毎日、このチームを形作っている人々だ」
「人々は選手権、勝利、記録を覚えていることが多い。でも僕自身が覚えているのは、人々のことだ」
「僕を信じ、この素晴らしい物語のほんの一部を担わせてくれたことに感謝している。夢を現実にする仕事をさせてくれたことにも感謝している」
「みんなのこれからが最高のものになることを願っている」
2027年からレッドブルの若手育成を指揮
ラグルーの次の舞台は、メルセデスのライバルであるレッドブルとなる。2027年からレッドブル・ジュニア・プログラムのディレクターとして若手育成部門を率いる。
レッドブルの育成プログラムは、セバスチャン・ベッテルやマックス・フェルスタッペンをはじめ、数多くのF1ドライバーを輩出してきたことで知られる。2025年末まで長年にわたってその中心にいたのがヘルムート・マルコだった。
ラグルーはメルセデスでも、単なるジュニアカテゴリーでの成績だけでなく、将来的にF1で戦えるドライバーを見極め、長期的に育成する役割を担ってきた。ラッセルやアントネッリがメルセデスのワークスドライバーまで昇格した実績は、その仕事を象徴するものだ。
11シーズンを過ごしたメルセデスに別れを告げたラグルー。2027年からはライバル陣営で、レッドブルの次世代を担うドライバーの発掘と育成を託されることになる。
